建設業の現状...建設業ハンドブック 2019 13 建設業ハンドブック…2019...

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12 建設業ハンドブック 2019 許可業者数の推移 規模別許可業者数の推移 1. 建設業者の構成 建設業の現状 4 45 35 1999 02 03 04 05 09 08 07 01 2000 (年度) 50 55 65 68.5 60.9 60.1 58.6 57.1 55.9 56.3 54.2 52.4 50.8 51.3 49.9 48.4 47.0 47.1 47.3 46.8 46.5 46.5 46.8 50.9 55.2 70 60 50 40 (許可業者数:万業者) (建設投資額:兆円) 許可業者数 建設投資額 60 40 06 10 11 12 15 16 17 18 14 13 ピーク時(99年度)の77.9% ピーク時(92年度 84.0兆円)の72.5% 0 2014 2017 2018(年度/各年度末時点) 10 20 30 40 50 60 (万業者) 2004 1999 2009 2015 2016 600,980 513,196 464,889 78,482 (16.9) 109,515 (23.6) 78,981 (17.0) 164,207 (35.3) 468,311 77,201 (16.5) 109,832 (23.4) 81,533 (17.4) 164,205 (35.1) 465,454 81,898 (17.6) 110,269 (23.7) 75,862 (16.3) 166,253 (35.7) 467,635 85,321 (18.2) 111,101 (23.8) 73,326 (15.7) 168,822 (36.1) 472,921 89,917 (19.0) 112,729 (23.9) 71,077 (15.0) 171,838 (36.3) 158,227 (26.3) 131,351 (21.9) 64,192 (10.7) 229,931 (38.3) 107,920 (21.0) 124,178 (24.2) 192,633 (37.5) 66,657 (13.0) 562,661 132,247 (23.5) 130,575 (23.2) 64,564 (11.5) 217,061 (38.6) 個 人 200万円未満 200万~500万円 500万~1,000万円 1,000万~5,000万円 5,000万~1億円 1億~10億円 資本金10億円以上 11,846(2.5) 4,176(0.9) 1,264(0.3) 18,254(3.9) (注) …許可業者数は各年度末時点 資料出所:国土交通省「建設業許可業者数調査」、「建設投資見通し」 (注)( )内の数字は規模別構成比 資料出所:国土交通省「建設業許可業者数調査」 建設業者数は99年度の60.1万業者をピークにその後減少。18年度は46.8万業者となった。 建設業者の大半は中小・零細業者である。規模別では「個人」の減少が著しい。

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12 建設業ハンドブック 2019

許可業者数の推移

規模別許可業者数の推移

1. 建設業者の構成

建設業の現状4

45

35 1999 02 03 04 05 090807012000 (年度)

50

55

65

68.5

60.9

60.158.6

57.155.9 56.3

54.252.4

50.8

51.349.9

48.447.0 47.1 47.3 46.8

46.5

46.5 46.8

50.955.2

70

60

50

40

(許可業者数:万業者) (建設投資額:兆円)許可業者数建設投資額

60

40

06 10 11 12 15 16 17 181413

ピーク時(99年度)の77.9%

ピーク時(92年度 84.0兆円)の72.5%

02014 2017 2018(年度/各年度末時点)

10

20

30

40

50

60(万業者)

20041999 2009 2015 2016

600,980

513,196

464,889

78,482(16.9)

109,515(23.6)

78,981(17.0)

164,207(35.3)

468,311

77,201(16.5)

109,832(23.4)

81,533(17.4)

164,205(35.1)

465,454

81,898(17.6)

110,269(23.7)

75,862(16.3)

166,253(35.7)

467,635

85,321(18.2)

111,101(23.8)

73,326(15.7)

168,822(36.1)

472,921

89,917(19.0)

112,729(23.9)

71,077(15.0)

171,838(36.3)

158,227(26.3)

131,351(21.9)

64,192(10.7)

229,931(38.3)

107,920(21.0)

124,178(24.2)

192,633(37.5)

66,657(13.0)

562,661

132,247(23.5)

130,575(23.2)

64,564(11.5)

217,061(38.6)

個 人

200万円未満

200万~500万円

500万~1,000万円

1,000万~5,000万円

5,000万~1億円

1億~10億円

資本金10億円以上

11,846(2.5)

4,176(0.9)

1,264(0.3)

18,254(3.9)

(注)…許可業者数は各年度末時点資料出所:国土交通省「建設業許可業者数調査」、「建設投資見通し」

(注)( )内の数字は規模別構成比資料出所:国土交通省「建設業許可業者数調査」

建設業者数は99年度の60.1万業者をピークにその後減少。18年度は46.8万業者となった。

建設業者の大半は中小・零細業者である。規模別では「個人」の減少が著しい。

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13建設業ハンドブック 2019

建設業ハンドブック 2019

建設業許可の種類

下請完成工事高の推移

特定・大臣5,728

経審・大臣6,534

特定・知事40,014

経審・知事132,513

国土交通大臣許可10,239

都道府県知事許可458,072

許可業者総数 468,311

※2つ以上の都道 府県に営業所を 設ける場合

※1つの都道府県 のみに営業所を 設ける場合

特定建設業45,742

経営事項審査有効業者139,047

※公共工事を請け負おう とする場合に義務付け

※元請として 4,000万円 以上(建築 工事業は、 6,000万円 以上)の 下 請契約を締 結して施工 する場合

0

10

20

30

40

50

60

70

80(兆円)

1998 99 2000 01 03 0402 05 06 (年度)09 10 15 16 171413121107 08

76.5

52.4

70.6

47.6

70.5

46.8

66.6

44.7

63.0

41.5

57.5

36.2

56.2

35.0

53.4

36.8

52.2

33.5

51.8

33.1

45.5

28.3

47.1

27.4

54.9

30.5

56.4

31.8

55.5

31.0

57.2

30.6

52.3

29.9

46.5

26.3

47.0

25.5

53.3

35.0

元請完成工事高下請完成工事高

資料出所:…国土交通省「建設業許可業者数調査」、「建設工事施工統計」(許可業者数は2018年度末現在)…経営事項審査受審企業数は日建連調査による。

(注)…46.8万の許可業者のうち、建設工事の実績があった業者数は19.1万(17年度建設工事施工統計)。公共工事を実際に請け負った業者数については、統計上の把握は困難であるが、公共工事の約70%をカバーする前払対象工事の元請となった実績のある業者の数が約5.8万(2018年度、保証事業会社調べ。測量業者、建設コンサルタント業者等を含む)であることを考慮すると、経営事項審査有効業者数139,047をかなり下回るものと推測される

資料出所:国土交通省「建設工事施工統計」

わが国で建設業を営む場合は建設業許可の取得が必要となる。建設業許可には、業者が行う工事の種類による分類(建築、土木、左官、電気、造園等29業種)や、複数の県に営業所を設置するか否かによる分類(大臣許可あるいは知事許可)がある。また、発注者から請け負った工事の一部について下請契約を締結する業者(特定建設業)はその他の業者(一般建設業)に比べ厳しい要件をクリアしなければならない。公共工事を請け負おうとする業者は、許可とは別に、経営状況についての審査(経営事項審査)を受けることが義務づけられている。

下請完成工事高は1998年度以降減少が続いていたが、2010年度を底に増加に転じ、2017年度は30.6兆円となった。

(注)…下請工事:…元請工事以外の、他の建設業者(元請業者や下請業者)から下請として請け負った建設工事をいい、1次又は2次等の下請工事を含む

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14 建設業ハンドブック 2019

大手建設会社の工事受注額の推移

大手建設会社の受注内容の変化

2. 企業経営

建設業の現状4

01990 07 09080603 04 05020199 2000 (年度)

5

10

15

20

25

30(兆円)

20.0

6.0

9.6

2.6

13.1

9.3

3.3

13.3

8.4

3.3

12.3

7.9

3.7

12.2

8.5

4.1

13.3

9.2

4.6

14.5

9.7

5.0

15.3

26.7

9.9

2.3

13.3

10.1

2.2

13.3

7.0

2.4

10.0

10

6.7

2.1

9.3

14 15 1613

8.9

4.1

13.9

9.3

5.1

15.2

10.1

4.4

15.0

10.3

4.6

15.2

17

10.7

4.1

15.4

12

7.8

3.1

11.5

11

7.1

2.6

10.3

8.0

2.7

11.4

18

12.2

3.80.7

16.7

海外等官公庁民間

1994~98年度平均

民間(59.0)

建築(64.4) 民間建築

(49.4)

官公庁土木(23.4)

官公庁建築(12.0)

海外建築(3.0)

海外土木(2.5)

民間土木(9.6)

土木(35.6)

官公庁(35.4)

その他(建築)(0.1)

海外(5.5)

民間受注

官公庁受注

1994~98年度平均 2014~18年度平均製造業15.8%

非製造業84.2%

81.6% 65.9%

34.1%18.4%

1994~98年度平均 2014~18年度平均

国の機関44.2%

地方の機関55.8%

2014~18年度平均

建築(69.8) 民間建築

(59.6)官公庁土木

(19.7)

官公庁建築(8.0)

海外建築(2.1)

海外土木(2.0)

民間土木(8.4)

土木(30.2)

その他(建築)(0.2)

海外(4.1)

官公庁(27.7)

民間(68.0)

(注)対象企業:日建連法人会員(1990年度は59社、99年度〜2011年度は48社、2012年度からは97社で集計)資料出所:日建連「受注実績調査」

(注)対象企業:日建連法人会員のうち48社資料出所:日建連

大手建設会社(日建連会員)の受注は、2004年度から4年間、13兆円台で推移した後、リーマンショックを契機とした急激な景気悪化の影響で08年度以降は大幅減となり、10年度には9.3兆円とピーク時(90年度 26.7兆円)の約35%にまで減少した。11年度以降は、東日本大震災の復旧・復興需要、民間建設投資の回復により増加に転じ、18年度には20年ぶりに16兆円台となった。

近年の受注内容の変化で最大の特徴は官公庁工事の割合の低下であり、特に自治体など地方の機関からの受注割合の低下が著しい。

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15建設業ハンドブック 2019

大手建設会社の受注シェアの推移

売上高営業利益率の推移

26.1

18.516.816.1

19.916.0

17.4

15.7 15.4

23.7

26.7

23.424.9

20.219.0

17.420.0

22.3

32.8

22.520.5

20.524.0 24.9 25.8

20.9 20.4 20.6

20.4 20.822.0 22.4

23.522.0

25.1

22.7

31.1

20.719.7 19.7 18.9

22.6 23.2

20.019.3

21.4 22.6

22.423.2

21.722.922.3

20.6

20.3

21.520.5

22.6

(%)

10

20

30

40

1990 98 99 2000 07 08 11 13 15 161412100901 02 05 060403(年度)

官公庁

民間

国内受注計

17

8

7

6

5

4

3

2

1

01998 99 2000 01 02

(%)建設業計製造業

建設業・資本金10億円以上建設業・資本金1億円以上~10億円未満建設業・資本金1億円未満

2.5

1.52.1

1.1

2.6

5.1

3.1

4.2

5.0

7.4

03 090807 13 15 16 1714121110(年度)

04 05 06

(注)1. 受注シェア=日建連法人会員のうち48社の受注額/元請受注額(建設工事施工統計)2. 11年度以降の元請受注額は日建連推計

資料出所:国土交通省「建設工事施工統計」、日建連「受注実績調査」

資料出所:財務省「法人企業統計調査」

大手建設会社(日建連法人会員)の受注シェアは90年代初頭には30%超であったが、近年は、20%台前半で推移している。

建設業の利益率は、バブル崩壊後の建設市場の長期停滞、競争激化等により2000年代初めまで低い水準で推移した。さらに、リーマンショック後の急激な景気悪化の影響を受けたものの、近年は建設市場の回復を背景として上昇傾向にあり、2016年度からは4%台を維持している。

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16 建設業ハンドブック 2019

建設業の現状4

大手建設会社の経営状況

建設業の倒産の推移

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400(売上高:百億円) (利益:百億円)(利益率:%)

0

20

40

60

80

100

120

160

140

0

2

4

6

8

10

12

14

16 18171514132007 08 09 10 11 12 (年度)

1,233 1,195

1,031

5.4

55

0.3

888

67

7.5

1.9

17

915

61

6.6

1.4

12

9471,003

4759

5.0

0.1

5.9

1.4

114

1,1191,063

117

10.5

6.0

67

1,087

14213.1

8.1

88

1,1241,196156

13.912.9

8.8

154

7.99994

72

6.8

2.4

26

4

72

5.9

1.3

68

5.7

1.1

1316

売上高営業利益率売上高総利益率

売上高売上総利益営業利益

01999 2000 (年)

1,000

3,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

7,000

6,000

(倒産:件)

(負債額:十億円)

2,000

件数負債額

01 02 03 0504 10 12 15 1716 1814131107 090806

4,650

6,214

6,1545,976

5,113

4,002 4,018

4,087

3,391

2,4213,523

4,467

3,855

3,783

1,686 1,605

1,965

3,002

1,2861,451

2,059

2,498

1,559

1,1041,277

812 914

482807

194 178

1,579

154

1,431

175236403528

728844

(注)日建連法人会員のうち、上場企業等29社の決算(単体)に基づく集計資料出所:日建連

(注)負債総額1,000万円以上資料出所:東京商工リサーチ「倒産月報」

大手建設会社の売上げは建設市場の縮小に伴い減少を続けていたが11年度に増加に転じ、14年度からは11兆円前後で推移している。利益および利益率は不採算工事の減少と採算重視姿勢の徹底等により、13年度より5年連続の増加となったが18年度になって一服感が出てきた。

建設業の倒産件数は、10年連続で減少している。堅調な公共投資や景気回復による民間投資の増加が倒産減少の要因とみられる。

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17建設業ハンドブック 2019

3. 建設コスト 建設資材価格(企業物価指数)の推移

建設コスト変化率の推移

(四半期)Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2011Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2012Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2013Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2014Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2015Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2016Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2017Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

2018Ⅰ Ⅱ

2019Ⅰ

115

110

105

100

95

90

85

80

92.3

94.1 93.9 93.3 92.7 92.9 92.2 92.293.7

96.0

96.898.4

99.6 99.9100.0 100.4

105.7

100.4

100.3100.1 99.2

97.8 97.4 97.197.7

99.3

100.1 100.7 101.9 102.8104.0 104.9

105.6 105.4 103.9

107.9

104.4

115.3

金属製品

鉄鋼 窯業・土石製品

製材・木製品

建設用材料計

-8

-4

-2

-6 -6.0

6.35.3 5.3

-3.3

0

2

4

6

8(%)(前年度比変化率)

1999 2000 01 03 0706050402 08 09 10 13 15 17 181614 (年度)11 12

3.1 3.4資材価格

労務費

建設コスト

4.0

3.23.5

(注)1.…2019年第Ⅱ四半期は4月〜5月の平均値  ……2. 建設用材料のうち、代表的な4品目のみ表示。「建設用材料計」には4品目以外の材料も含む  ……3.…2019年第Ⅰ四半期までの数値は、建設用材料計の値である

資料出所:日本銀行「企業物価指数」(中間財建設用材料 2015年=100)

(注)建設コスト:建設工事費デフレーター  資材価格:企業物価指数(建設用材料)  労務費:毎月勤労統計(建設業現金給与総額)

資料出所:国土交通省「建設工事費デフレーター」、日本銀行「企業物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」

建設資材価格は、東日本大震災の復旧・復興工事の本格化に伴い、2013年以降上昇が続いた。2015年後半からは、中国経済の成長鈍化に伴う鉄鋼価格下落の影響で下落がみられたが、2016年後半からは上昇傾向にある。

建設コストは、04年度から続いた資材価格の急騰により08年度まで上昇を記録したが、09年度には景気の悪化と建設市場の冷え込み等を背景に資材価格・労務費とともに大幅に下落した。近年は東日本大震災の復旧・復興工事により上昇した後、落ちつきを見せていたが、17年度以降は再び上昇に転じている。

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18 建設業ハンドブック 2019

建設業の現状4

建設業就業者数の推移

建設業就業者の高齢化の進行

4. 建設労働

07 08

400

 3001999 2000 02 03 0401 (年)

500

600

700

50

40

60

70

657

452

68.5

503

331

60.9

05 06 09 10 12 13 1716 18151411

(建設業就業者数:万人) (建設投資額:兆円)

建設業就業者数建設投資額(年度値)

建設技能者数

ピーク時(92年度 84.0兆円)の72.5%

ピーク時(97年 685万人)の73.4%

ピーク時(97年 464万人)の71.3%

(注)2013年以降は、いわゆる「派遣社員」を含む資料出所:総務省「労働力調査」、国土交通省「建設投資見通し」

資料出所:総務省「労働力調査」

建設業就業者数は建設投資の減少に伴い、97年(685万人)をピークとして減少が続いていたが、2010年以降はほぼ横ばいとなっている。18年はピーク時比73.4% の503万人、その内、建設技能者は331万人(ピーク時比71.3%)である。

建設業就業者は、55歳以上が約35%、29歳以下が約11%と他産業と比べ高齢化が著しい。建設業の生産体制を将来に渡って維持していくためには、若年者の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠である。

11.1

21.0

16.5

30.2

34.8

24.5

5

10

15

20

35

25

(%)

30

1999 2000 (年)

全産業(29歳以下)全産業(55歳以上)建設業(29歳以下)建設業(55歳以上)

22.923.7

01 08 09070302 10 11 15 181716141205 0604 13

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19建設業ハンドブック 2019

新規学卒者の入職状況

労働賃金の推移

48 4742 40

3533 33

31 2931 34

38

3133

33

建設業入職者数(新規学卒者のみ)

414139

41 41

5.3

4.1

6.2

10.2

7.5

1999 2000 01 02 03 09 10 11 13 14 16 181715120504 06 07 08 (年)0

10

20

30

40

50(千人)

3

4

5

6

7

8

9

10

11(折れ線:%)建設業就業者数/

全産業就業者数×100建設業入職者数/全産業入職者数×100(新規学卒者のみ)

(注)新規学卒者数には中学卒を含まない資料出所:総務省「労働力調査」、文部科学省「学校基本調査」

就業者高齢化の要因の一つとして、新規学卒者の建設業への入職者数減少があげられる。建設業への入職者は減少が続いてきたが、2009年の2.9万人を底に増加に転じ、2014年から4万人程度で推移している。

(年)1999 2000 01 02 03 04 05 07 0806 09 10 14 16 181715131211

6,000

3,500

4,000

4,500

5,000

5,500

(千円) 全産業男性労働者製造業男性生産労働者建設業男性生産労働者

4,6254,273

4,7644,858

5,5855,624

(注)1.…年間賃金総支給額=決まって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額   ……決まって支給する現金給与額=6月分として支給された現金給与額(所得税、社会保険料等を控除する前の額)で、基本給、職務手当、精皆手当、通勤手

当、家族手当、超過勤務手当を含む  …2.…生産労働者とは、主として物の生産が行われている現場等(建設現場等)における作業に従事する労働者である  …3.…調査対象は、10人以上の常用労働者を雇用する事業所

資料出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

建設業の生産労働者の賃金は、90年代後半以降、他産業との格差が拡大傾向にあったが、2013年以降は上昇に転じて格差は縮小した。

(年間賃金総支給額)

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20 建設業ハンドブック 2019

建設業の現状4

労働時間の推移

年間出勤日数の推移

(年)1987 88 99 2000 01 02

2,300

1,700

1,800

1,900

2,000

2,100

2,200

(時間)

調査産業計製造業建設業

1803 04 05 07 0806 09 10 11 12 16 171513 14

2,056

2,076

2,288

1,871

1,981

2,149

1,768

1,769

2,111

(注)1.…年間労働時間=年平均月間値×12  …2.…調査対象は、30人以上の常用労働者を雇用する事業所

資料出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」

わが国の労働時間数は、80年代後半以降、週休二日の普及により急速に減少し、建設業においても88年〜98年までの10年間に1割減少するなど大幅に改善した。しかし、建設業は依然として他産業よりも労働時間が長く、2018年は調査産業計に比べて約300時間増の長時間労働となっている。

(年度)2007 08 09 13 15 18171614121110

260

215

220

225

230

235

240

245

250

255

(日)調査産業計製造業建設業

233231

227

228 228 228 227 226224

222220

238

234

230

235 235 235 235 235 234 234 233

256253

251 251 252 252254 254

251 251 250

222

234

252

(注)1.…年間出勤日数=年度平均月間値×12  …2.…調査対象は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所

資料出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」

建設業の年間出勤日数は、調査産業計に比して30日、製造業に比して17日多い。これは、建設現場において週休二日が定着していないことが要因と考えられる。

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21建設業ハンドブック 2019

大手建設会社の従業者数の推移

就業者中に占める女性の比率

大手建設会社では90年代半ばから従業者の減少が始まり、2012年には10万人を割り込んだ。その後は増加に転じ、17年を職種別でみると、技術職従業者が大きく増加している。女性従業者の比率は、全体で12%強、技術職は4%台で増加傾向にある。

全産業の就業者中に占める女性の比率は44%程度で、非製造業を中心に上昇傾向にある。一方、建設業においては生産現場の労働内容等から女性の比率は10%台半ばと他産業に比べて低かったが、2018年に16%台と上昇し、技能者の比率も2%台となった。

0

10

20

30

40

50

3.0 2.9 2.7 2.6 2.5 2.2 2.12.5 2.2 2.0 1.9 1.8 1.6 1.8 1.6 1.6 1.6 1.8

15.5 15.0 15.2 14.9 14.7 14.7 14.3 14.6 14.8 14.6 14.4 14.1 13.9 14.213.9 14.9

1.8

15.3

2.0

16.314.914.8

35.0 34.9 34.5 33.5 33.4 32.9 32.2 32.1 31.3 30.8 29.9 29.9 29.8 29.629.5 30.0 30.1 30.430.229.7

42.2 42.3 42.6 42.7 42.9 43.2 43.4 43.6 43.7 43.9 44.444.7 44.6 45.4 46.1 46.4 46.845.745.644.8

40.7 40.8 41.0 41.0 41.1 41.3 41.4 41.5 41.5 41.6 42.0 42.2 42.2 42.842.3 43.5 43.8 44.243.243.0

(%)

1999 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 1816 1715 (年)

全産業 建設業製造業 非製造業 (   うち技能者)

(注)2011年は、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県を含まない

資料出所:総務省「労働力調査」

01998 99 2000 08 100703 05 06040201 (年)

50

100

150

200(千人)

169.6

6.6(3.9)

50.1(29.5)

112.9(66.6)

159.6

5.8(3.6)

49.1(30.8)

104.7(65.6)

151.9

5.3(3.5)

46.2(30.4)

100.4(66.1)

144.0

5.5(3.8)

44.3(30.8)

94.2(65.4)

134.9

4.9(3.7)

39.7(29.4)

90.3(66.9)

122.2

3.7(3.1)

35.2(28.8)

83.3(68.1)

114.3

3.9(3.4)

33.3(29.2)

77.1(67.4)

111.2

3.8(3.4)

30.8(27.7)

76.6(68.9)

109.7

4.1(3.8)

30.0(27.3)

75.6(68.9)

107.9

4.3(4.0)

28.8(26.7)

74.8(69.3)

104.2

4.4(4.2)

26.2(25.2)

73.6(70.6)

1211

102.3

4.3(4.2)

25.8(25.2)

72.2(70.6)

99.6

4.2(4.2)

25.2(25.3)

70.2(70.5)

13

98.5

4.4(4.4)

25.1(25.5)

69.0(70.1)

17161514

101.3

6.9(6.8)

25.1(24.8)

69.3(68.4)

106.5

4.3(4.0)

25.3(23.8)

76.9(72.2)

107.7

4.0(3.7)

26.6(24.7)

77.1(71.6)

09

105.5

4.2(4.0)

26.7(25.3)

74.6(70.7)

110.9

4.5(4.1)

30.5(27.5)

75.9(68.4)

108.9

4.1(3.8)

26.6(24.4)

78.2(71.8)

技術職事務職

技能職等

(注)1.…大手総合建設会社(2002年まで36社、2003年から2013年まで35社、2014年以降33社)の従業者(役員を含む。いわゆる「派遣社員」(17年19.6千人)は含まない)  2.( )内は構成比

(注)大手総合建設会社(2002年まで36社、2003年から2013年まで35社、2014年以降33社)の従業者(役員を含む)

(職種別従業者数)

(%) 全体 事務職技能職等 技術職

1998 99 2000 08 100703 05 06040201 (年)

40

30

20

10

01211 13 1716151409

4.24.2

12.2 12.0

37.1 37.1 35.936.736.035.434.933.032.732.633.432.431.234.034.234.136.235.936.3

12.311.911.711.410.510.710.911.111.111.011.411.612.112.512.5

12.5

2.4

4.8

4.5

12.3

5.1

36.8

4.8

12.1

5.34.44.34.23.86.24.75.87.37.06.46.111.111.510.59.3

15.2

4.03.73.73.52.82.62.52.42.72.42.11.61.81.71.81.8

(女性従業者の比率)

資料出所:国土交通省「建設業活動実態調査」

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22 建設業ハンドブック 2019

建設業の現状4

技能労働者不足率の推移

労働災害発生状況の推移

01961

70

71

80

81

90

(年)(年平均)

1,000

2,000

3,000

4,000

7,000(人)

2,432

1,804

1,054

594

全産業死亡者数

建設業死亡者数

99 2000

794 731 644 607 548

0302 090504

497 461 371430

6,212

4,057

2,556

1,620

1,9921,8891,7901,6581,628 1,514

07 0806

508

1,4721,3571,075

10

365

1,195

14 15 16131211

342342

1,093

367

1,030

377

1,057

327

972

294

9281,0241,268

01 17 18

323

978

309

909

(注)2011年の死亡者数には東日本大震災を直接の原因とする死亡者は含めていない

資料出所:厚生労働省「労働災害発生状況」

(注)1.…型わく工(土木・建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木・建築)の6職種の技能労働者の不足率を示す2. 不足率=(確保したかったができなかった労働者数−確保したが過剰となった労働者数)÷(確保している労働者数 +確保したかったができなかった労働者数)×100

資料出所:国土交通省「建設労働需給調査」、「建設投資見通し」

建設技能労働者の不足率は2008年から10年までマイナス(過剰)の状況が続いたが、11年以降、建設投資の増加を背景にプラス(不足)に転じた。17年以降は都心の再開発や東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設が佳境に入ることから上昇した。

建設生産は屋外作業、高所作業等を伴うため、労働災害が他産業に比べ多い。安全管理について建設業界は従来から最重要課題の一つとして積極的に取り組んでおり、近年は新たに労働安全衛生マネジメントシステムに基づく予防的・継続的活動を展開し、その成果をあげてきている。

1999 2000 01 02 03 04 05 06 (年)08 09 10 1614 1513121107 17 18

-0.3

1.1

-0.3-0.7

-0.4-0.20.0

1.8

0.9

-1.1

-2.2

-1.0

1.3

2.3

0.8 0.8

19.3

0.3

-10.8

1.21.6

2.22.2

-4.1

1.6

(技能労働者不足率:%)(建設投資前年度比:%)

-15

-10

-5

0

5

10

20

15

1

0

-1

-2

-3

2

3建設投資額(前年度比)技能労働者不足率

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23建設業ハンドブック 2019

労働生産性の推移

研究費対売上高比率の推移

5. 生産性と技術開発

2,000

3,000

5,290.8

4,323.5

2,892.5

4,000

6,000

5,000

(円/人・時間)

161514131211100908070605040302012000991998 (年)

全産業製造業建設業

1780

85

90

95

100

105

110

115

120

2006 07 08 (年度)09 10 14 1716151311 12

全産業建築事業土木・建築平均土木事業

100

101 10199

103 102 103106 106

108

107

109105

1089994 95

98 98106

113 114

105

109

9994

94 95 96

100

108 111104

104102102

110

97

9290 90 89

87

99

104

0.40.4

0.81.1

3.33.2

4.13.9

0

1

2

4

3

(%)

1998 200099 01

全産業製造業運輸・通信・公益業建設業

08 09070302 (年度)10 11 15 1716141205 0604 13

(注)…労働生産性=実質粗付加価値額(2011年価格)/(就業者数×年間総労働時間数)資料出所:…内閣府「国民経済計算」、総務省「労働力調

査」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」

資料出所:日建連「生産性向上推進要綱フォローアップ報告書」(注)全産業は付加価値労働生産性

資料出所:総務省「科学技術研究調査」

90年代後半から製造業の生産性がほぼ一貫して上昇したのとは対照的に、建設業の生産性は大幅に低下した。これは主として、建設生産の特殊性(単品受注生産等)と工事単価の下落等によるものと考えられる。近年は2008年を底に僅かずつではあるが上昇している。

日建連では、一般的に用いられる付加価値労働生産性で現場レベルの生産性を測定することは困難であることから、独自の指標(完成工事高(円)/ 人工(人日))を用いて会員企業の生産性を測定した。2006年度を100とした指数でみると2011年度以降上昇が続いており、2016年度からは大幅な上昇となっている。

建設業の研究費は他産業に比べ少ないが、大手企業の中には年間約100億円の研究費を投じる企業もある。また、大手企業の多くは独自に研究所を有している。欧米の建設業の場合は、研究開発は主に大学や公共機関が実施しており、企業レベルではほとんど行われていない。この点、国際的にみて日本の大手企業の研究開発意欲の高さは際立っており、このことがわが国の建設技術を世界のトップレベルに押し上げる大きな原動力となっている。近年の大手企業の研究開発では、地震対策や環境関連のほか、維持更新関連や生産性向上に係る技術など、新たなニーズへの対応が加速している。

付加価値労働生産性 労働生産性(日建連設定)� (2006年度を100とした指数)

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24 建設業ハンドブック 2019

WTO 政府調達協定適用基準額 日本国内の外国企業数の推移

海外工事受注の推移

6. 建設業の国際化

建設業の現状4

建設工事 コンサル

中 央 政 府 の 機 関450万 SDR(6.8億円)

45万 SDR(0.68億円)

そ の 他 の 機 関1500万 SDR(22.9億円)

45万 SDR(0.68億円)

地 方 政 府 の 機 関(都道府県・政令市)

1500万 SDR(22.9億円)

150万 SDR(2.2億円)

(注)…1. 基準額及び邦貨換算額は2018年4月より2年間適用される…2.…WTO=World…Trade…Organization、世界貿易機関…3.…その他の機関の建設工事はA群(日本郵政公社を承継した機関を除く)の建設サービス

… 資料出所:外務省

01988 (年)99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 14 16 181713

70 748392 87

96 101 100 100104115 119 120

131137

149141

15

131121

12

120

20

40

60

80

100

120

150140

(社)

34

アフリカ 中東アジア 北米、欧州、大洋州等中南米

01999 2000 090802 03 04 06 070501 (年度)

20

40

60

80

100

120

7690

106117

168

103

70

13 1817151411

160

182168

155

194185

12

118135

165

8173

100

140

160

200

180

(百億円)

10

91

16

(注)1.……建設業許可取得企業数(外資50%以上の日本法人を含む)を示す。(各年とも3月末時点)

  ……2.……2018年の外国企業の地域別内訳は、北米41社、アジア24社、…欧州79社、その他5社

資料出所:国土交通省

(注)現地法人の受注を含む資料出所:海外建設協会「海外建設受注実績」

わが国建設市場の国際化のきっかけは、1988年の日米政府間合意(外国企業が日本の制度に習熟するために特定プロジェクトに特例措置を講ずる等)であった。その後、96年の WTO 政府調達協定発効により、基準額を超える工事

(及びコンサル)には国際ルールが適用されることとなり、市場の国際化が一段と進んだ。

わが国の建設業許可を取得している外国企業の数は90年代後半に若干減少したものの、その後は増加を続け、2018年は、過去最高の149社となった。

海外工事受注は、2000年代半ばに中東地域を中心として大幅に増加したが、その後の世界的な景気後退の影響により急減した。10年度以降はアジアを中心に増加に転じ、18年度は1.9兆円と最高額を更新している。

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25建設業ハンドブック 2019

海外工事受注の内訳

海外受注 現地法人本邦法人

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 1817 (年度)0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

16,813

10,238

6,575

10,347

5,725

4,622

6,969

4,209

2,760

9,072

4,557

4,515

13,503

7,082

6,421

16,825

6,057

10,768

15,464

3,952

11,512

19,374

7,050

12,324

18,510

8,133

10,377

16,029

7,941

18,153

7,799

8,08810.354

11,828

4,366

7,462

(億円)

土木(22.0%)

建築(14.0%)

2018年度海外受注19,374億円(100.0%)建築

(60.0%)

現地法人12,324億円(64.0%)

本邦法人7,050億円(36.0%)

土木(4.0%)

日系企業現地企業

その他現地政府資金による

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 1817 (年度)

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

14,000

9,739

6,020

3,719

6,441

3,900

2,541

3,747

1,562

2,185

5,242

8,860

3,082

2,160

7,074

3,906

2,766 2,830

4,642

9,86510,327

1,963

5,702

6,361

713

3,025

881

1,383

1,383

2,154

676

4,200

5,665

1,395

568

5,005

5,322

4,275

1,427

11,55412,084

5,2716,069

6,9386,510

4,6165,574

2,999

2,272

12,018

3,446

8,278

3,7402,431

1,015

11,367

13,046

6,3287,143

6,815

4,552

3,538

3,605

7,735

5,311

2,274

4,054

4,904

1,165

3,571

5,289

1,904

2,738

(億円)

民間計

公共計

工場(24.0%)

公益施設(8.8%)

住宅(10.2%)

空港(1.1%)

鉄道(11.0%)

港湾・海岸(2.7%)

その他(建築系)(10.0%)

商業ビル(15.0%)

土木系6,200億円(32.0%)

建築系13,174億円(68.0%)

2018年度海外受注19,374億円(100.0%)

その他(土木系)(17.2%)

資料出所:海外建設協会

日本の建設会社が海外工事を受注する場合、本邦法人(日本の本社)が受注するケースと現地法人(子会社)が受注するケースがある。土木工事の多くは本邦法人が受注し、現地法人の受注は建築工事が中心であるが、近年は現地法人の受注が増加しており、本邦法人の受注を上回っている。発注者別では、10年度以降民間工事の回復が顕著で、18年度には1.3兆円を超えた。また、18年度の受注をプロジェクト種類別構成比でみると、建築系が68% を占めている。

①本邦法人・現地法人別

②発注者(民間・公共)別 ③プロジェクト種類別

(注)…「公共」の「その他」には、日本政府(有償・無償)、国際金融機関等からの資金による工事および日本政府発注工事を含む

(注)…「その他(建築系)」には、諸施設のリニューアル、流通施設、ホテルを含む「その他(土木系)」には、道路、上下水道を含む

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26 建設業ハンドブック 2019

建設施工段階における CO2排出量削減率の推移(1990年度比)

建設業の現状4

7. 環境への取り組み 「建設業の環境自主行動計画 第6版」の策定

地球規模の課題である温暖化対策、循環型社会の構築、生物多様性の保全は、建設業にとっても重要な課題であり、事業のライフサイクルを通じ、エネルギー多消費型産業からの脱却および持続可能な社会の実現に向けた活動が求められている。日建連では2016年度〜2020年度の5年間にわたる業界の環境行動指針として「建設業の環境自主行動計画 第6版」を策定し、環境活動に取り組んでいる。

削減率(90年度比)30%

25%

20%

15%

10%

5%

0%2014 2015 20172016201320081990 2009 2010 2011 2012 (年度)20302020

13.2%12.1% 12.9%

25

20

2030年目 標

2020年目 標

11.8%13.8% 18.3% 17.8% 19.4%18.7%

20.5%

1990年度比2012年度13%削減目標達成!

資料出所:日建連 「2017年度CO2排出量調査報告書」

建設業では資材の調達から建造物の設計・施工、さらには運用・改修・解体にわたる各段階で CO2排出量の削減活動に取り組んでいる。特に自ら管理可能な作業所での施工活動に関し、建設業界として CO2排出量削減目標を設定しており、重機・車両の省燃費運転の励行や省エネ機器の採用等、地道な活動を積み重ね着実に成果を上げている。

【CO₂削減目標】 施工段階で発生するCO2排出量を、1990年度を基準として、2020年度までに施工高当たりの原単位(t-CO2/億円)で20%削減、2030年度までに25%削減

資料出所:日建連「建設業の環境自主行動計画 第6版」 http://www.nikkenren.com/kankyou/jisyu_06.html

法令順守  主体間連携

環境経営の実践環境設計  情報公開

LCCO2の削減調 達

▼設 計

▼施 工

▼運 用

▼維持管理

▼解体・廃棄

建設副産物対策発生抑制

分 別▼

適正処理▼

再利用

山林     都市

生物多様性の保全里海     水辺

① 環境経営の充実に向けた 活動の展開

②環境配慮設計の促進

① 施工段階における CO2の排出抑制

② 設計段階における運用時 CO2の排出抑制

① 建設廃棄物の対策

②有害廃棄物等の対策

③建設発生土の対策

① 生物多様性の保全および自然環境の創出による 持続可能な社会の実現

テ ー マ 項 目

環境経営

低炭素社会

自然共生社会循環型社会

低炭素社会

循環型社会

自然共生社会

環境経営

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27建設業ハンドブック 2019

建築部門における環境配慮設計の推進

① CASBEE 評価結果に見る環境配慮設計の推進状況

20%10%0% 40% 60% 80% 100%

2006(年度)

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

合計

30% 50% 70% 90%

S00

0

0

08 51 36 5

5 43 45 7

9 48 37 6

9 46 41 4 0

8 50 37 5 0

7 43 45 6

7 46 40 6

0

0

2014

2015

2016

2017

5 54 38 4

4 50 39 7

7 45 39 8

6 50 39 5

1

6 40 48 6 0

1

7 47 40 6

A

B+

B-

C

S A B+ B-

CASBEE評価ランク

C

0

15

10

5

0

(万t-CO2/年)

ホテル等 病院等 物販等 事務所等 学校等 飲食店等 集会所等 工場等 ホテル等 病院等 物販等 事務所等 学校等 飲食店等 集会所等 工場等

180160140120100806040200

(kg-CO2/年・m2)

(総量) (単位床面積当たり)

運用時のCO₂排出量運用時のCO₂削減量

運用時のCO₂排出量運用時のCO₂削減量

(注)1.……旧建築業協会会員会社におけるCASBEEの利用状況や評価結果をもとに、環境配慮設計の推進状況を、件数の性能ランク別構成比で示す  ……2.…CASBEE:建築環境総合性能評価システム  ……3.…四捨五入で計算して表記していることから合計値が合わない場合がある

(注)1.………CO2削減量は、下記により算出される省エネルギー量に換算係数(施設毎に異なる)を乗じて推計(運用段階での実測値ではなく、設計段階での推定値)省エネルギー量=(省エネ法で示される施設毎の標準消費エネルギー量)−(環境配慮設計による建物の消費エネルギー量)

  ……2.…算定の結果、省エネ率とCO2削減率はいずれも22%であり、CO2削減量は11.4万 t-CO2/ 年と推定される

資料出所:…日建連「日建連会員会社における環境配慮設計(建築)の推進状況−2018年…省エネルギー計画書およびCASBEE対応状況調査報告書−」(2019.3)(①②ともに、日建連建築設計委員会(30社)が2017年度に提出した省エネ法対象物件に基づく)

建物のライフサイクルで見ると、CO2排出量は施工段階よりも運用段階が圧倒的に多い。建設業は、計画設計段階でのライフサイクルを視野に入れたCO2排出量削減への取組みを重要な地球温暖化防止活動と位置付け、省エネルギー等環境性能の高い建物を社会に提供すべく、環境配慮設計の推進を図っている。日建連調査によれば、総合的な環境性能の高い設計建物(CASBEE評価 S ランク、A ランク)の割合は毎年45%を上回っており、2017年度の建物の運用時の CO2削減率は22%に達する。

②建物運用時のCO2排出量とCO2削減量(2017年度)

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28 建設業ハンドブック 2019

建設業の現状4

建設廃棄物の排出量と最終処分量 建設リサイクルの目標値

不法投棄・不適正処理の状況

(千万トン)

0

2

4

6

8 (2008年度) (2012年度)

排出量(6,380万トン)

最終処分量(402万トン)

コンクリート塊

アスファルト・コンクリート塊

建設汚泥

再資源化等(94%)

処分(6%)

建設混合廃棄物

建設発生木材等

排出量(7,270万トン)

最終処分量(290万トン)

コンクリート塊

アスファルト・コンクリート塊

建設汚泥

再資源化等(96%)

処分(4%)

建設混合廃棄物

その他

建設発生木材等

その他

(万トン)600

500

400

300

200

100

0

140

120

100

80

60

40

20

0

(件)

187

179

11.3

122.8

216308308

191

279

187

37.9

4.4

159

159

165

143 131

163

146

261

132161

11.42.9 6.0

40.7

2.97.5 6.0

2.7

16.6

3.66.46.2

20.320.3

5.7

308308

5.3

120.9

192

183

2008 13 14 (年度)16 171509 10 11 12

不法投棄件数不適正処理件数 不適正処理量

不法投棄量

資料出所:国土交通省

資料出所:環境省

建設廃棄物の最終処分量は、再資源化等に向けた建設業界の積極的な取組みの成果として減少傾向にあるが、その一方で、2012年度の排出量は2008年度より約14%増加している。今後、東京オリンピック・パラリンピック関連工事や社会資本の維持管理・更新工事の増加により、建設副産物発生量の増加が想定されることから、国土交通省は2014年9月に「建設リサイクル推進計画2014」を策定した。

不法投棄の新規判明件数は、ピーク時の1998年代前半に比べて大幅に減少している。一方で、2017年度でいまだに年間324件もの不法投棄、不適正処理が新規に発覚し、後を絶たない状況にある。

資料出所:環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況」

※…不法投棄…廃棄物処理法に違反して、同法に定めた処分場以外に廃棄物を投棄すること。※…不適正処理…廃棄処理法で定められた廃棄物の処理基準(運搬、保管、選別、再生、破砕、焼却、埋立てなど)に適合しない処理をすること。

①件数・投棄量の推移(新規判明事案) ②不法投棄量の内訳

③不適正処理量の内訳

2017年度不法投棄量3.57万t(100%)

建設系以外廃棄物 計1.04万t(29.1%)

建設系廃棄物 計2.53万t(70.9%)

がれき類0.97万t(27.2%)

建設混合廃棄物1.35万t(37.8%)

木くず(建設系)0.10万t(2.8%)

※四捨五入で計算して表記していることから合計値が合わない場合がある。

その他(建設以外)0.09万t(2.5%)

特別管理産業廃棄物(その他)0.10万t(2.8%)

木くず(その他)0.12万t(3.4%)

廃プラスチック類(その他)0.11万t(3.1%)

汚泥(建設系)0.07万t(2.0%)

汚泥(建設以外)0.62万t(17.3%)

その他(建設系)0.04万t(1.1%)

2017年度不適正処理量5.95万t(100%)

建設系以外廃棄物 計0.59万t(9.9%)

建設系廃棄物 計5.36万t(90.1%)

建設混合廃棄物2.35万t(39.5%)

がれき類1.87万t(31.4%)

木くず(建設系)1.05万t(17.6%)

汚泥(建設系)0.03万t(0.5%)

汚泥(その他)0.10万t(1.7%)

その他0.23万t(3.9%)

※四捨五入で計算して表記していることから合計値が合わない場合がある。

廃プラスチック類(その他)0.08万t(1.3%)

廃プラスチック類(シュレッダーダスト)0.18万t(3.0%)

廃プラスチック類(建設系)0.06万t(1.1%)

※1:全建設廃棄物排出量に対する建設混合廃棄物排出量の割合※2:…土砂利用量に対する現場内利用および工事間利用等による建設工

事での有効利用量の割合※3:…建設発生土発生量に対する現場内利用およびこれまでの工事間利

用等に適正に盛土された採石場跡地復旧や農地受入等を加えた有効利用量の割合

〈再資源化率〉・…アスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊:(再使用量+再生利用量)/排出量・建設発生木材:(再使用量+再生利用量+熱回収量)/排出量〈再資源化・縮減率〉・…建設発生木材:(再使用量+再生利用量+熱回収量+焼却による減量化量)/排出量・建設汚泥:(再使用量+再生利用量+脱水等の減量化量)/排出量〈有効利用率〉・…建設発生土:(土砂利用量のうち土質改良を含む建設発生土利用量)/土砂利用量資料出所:国土交通省「建設リサイクル推進計画2014」

対象品目 2014年度 実 績 2018年度目標

アスファルト・コンクリート塊 再資源化率 99.5% 99%以上 再資源化率が低

下 し な い よ う維持コンクリート塊 再資源化率 99.3% 99%以上

建設発生木材

再資源化・縮減率 94.4% 95%以上 引き続き目標達

成を目指す

建設汚泥 再資源化・縮減率 85.0% 90%以上 より高い数値目

標を設定

建設混合廃棄物

排出率※1 3.9% 3.5%以下 指標を排出量から建設混合廃棄物排出 率※1 と 再 資 源化・縮減率に変更

再資源化・縮減率 58.2% 60%以上

建設廃棄物全体

再資源化・縮減率 96.0% 96%以上 より高い数値目

標を設定

建設発生土 建設発生土有効利用率※3 − 80%以上

指標を利用土砂の建設発生土利用率※2から建設発生土有効利用率※3に変更