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卒業論文執筆の手引き 2011 年度 付録資料 1. 表記の手引き 2. よりよいプレゼンテーションの仕方 (電子情報通信学会誌 Vol.83, No.7 から引用) 情報学部情報学科コンピュータ科学コース

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卒業論文執筆の手引き

2011 年度

付録資料 1. 表記の手引き

2. よりよいプレゼンテーションの仕方

(電子情報通信学会誌 Vol.83, No.7 から引用)

情報学部情報学科コンピュータ科学コース

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1 はじめに

卒業論文(以下,卒論と記す)は,諸君らが1年間かけて主体的に取り組んだ諸君ら自身の研

究を集大成し,一貫して完成された著作物として公表するものである。3年次までの実験・演習

のレポートのような,与えられた課題に対する内部報告とはまったく異なる。諸君らの卒論は,

永久に保存され,一般の閲覧に供され,後輩の指導の助けとされ,代々の学科・研究室の歴史を

刻むものとなる。執筆にあたっては,内容の充実はいうまでもないが,卒論の形式も一定の規格

に従って記述しなければならない。

2 著作物としての卒業論文

卒論は,自分が1年間行った研究に基づいて,自分の研究内容を記述するものである。研究そ

のものの成果だけでなく,研究の背景や研究の方法,得られた結果に対する考察,自分が得た知

見などを「論文」という形式でまとめなければならない。

卒論は,個人の著作物である。研究を共同で行ったり,あるいは他人の成果を参考にしたりす

ることは差し支えないが,執筆はあくまでも個人で行わなければならない。共同研究の場合には,

各人の成果を明確に配分するとともに,文章などは個別に執筆しなければならない。共同研究で

あるからといって,部分ごとに分担して執筆し,それを互いに併合するといったものは不正行為

にあたり,卒論として認められない。

事物の説明や調査結果,批評,図解などを,自身の創意・実験・調査・考察によらず他人の文

献の記述に基づいて書くときは,必ず引用の形をとらなければならない。他人の文章の「て,に,

を,は」を替えただけの文章を含めてはならない。引用する場合は一字一句を正確に写し,引用

箇所をかぎ括弧や字下げによって自分の文章と区別し,かつ個々の引用箇所にどの文献のどの部

分からの引用であるかを明記しなければならない。これを怠ると盗用とみなされる。他の研究の

紹介や概説なども,これに準じて引用であることを明示する。図表などの引用も,引用であるこ

とをその図のタイトルに続けて明示する必要がある。

いずれにせよ,卒論は自分の研究成果を自分の文章で記述したものでなければならず,他人の

著作物の引用は必要 小限にとどめなければならない。「卒論の大部分が引用(盗用)した文,自

分の文はほんのわずか」ではコンピュータ科学コースの卒論として認めることはできない。既知

の事実や他人の研究成果の記述は,あくまで自分の研究を補完するものであって,それが自分の

卒論の中心になることはありえない。卒論の中心は,あくまで諸君らが1年間かけて取り組んだ

研究内容にあることを忘れてはならない。

3 体裁と枚数

A4 判,横書き,機械可読形式(ワープロなど)とする。余白は左 30 ミリ,右 20 ミリ,上 30

ミリ,下 30 ミリ程度とする。卒論本文紙面には必ずページ番号を打つ。場所は,第1行小口また

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は 終行中央を標準とする。卒論本文の枚数はとくに規定はしないが,1年間の研究の過程と成

果は 10~20 枚程度ではとても表せないであろう。冗長な記述はさけるべきだが,図表も含めて

本文 30~50 枚が一応の目安となろう。

4 全体の構成

表紙/要旨/目次/本文/謝辞/参考文献/(付録)とするのが標準である。なお,卒論を書き

始める前に,まず本文の目次案を作り,それを指導教員にみてもらうことを薦める。その時点で,

論文としての一貫性や,不足している事項,見落としている部分を指摘してもらうことによって,

卒論としての内容の充実が図れるはずである。

4.1 表紙

卒論には,図 1 のような表紙を付ける。

4.2 要旨

本文と同じ体裁で書く。ページ番号は付けない。要旨は,「まえがき」とは違い,卒論全体の内

容を要約して,本文とは独立していなければならない。要旨には,自分の卒論の重要な点を述べ,

その前に目的を,その後に成果を書くのがよい。他の研究の紹介などは必要 小限にとどめる。

得られた結論は,なるべく具体的・定量的に書く。卒論本文中に記述していないことは書かない。

要旨に,略語,特殊な用語,参考文献番号などは使わない。また図表も含めない。共同研究の場

合は,役割分担を明確にし,自分の担当した部分を明記する。

4.3 本文の構成

本文は,章,節,段落,項目などに適当に区切って,番号と見出し(題,タイトル)を付ける。

その様式は,卒論全体をとおして一貫したものにすること(様式の例:第 1 章→1.1→1.1.1→(1)

→(a) など)。

章の変わり目で改ページする,節の見出しなどの前後を半行~1行あける,適当に字下げをす

るなどして見やすくする。章の見出しとあらましを書いたところで改ページしてもよい。

卒論は著作としての体裁をもつものであるから,『目的,原理,設計方針,外部仕様,内部構造,

実験結果,考察』といった漠然とした見出し(タイトル)でなく,例えば『画像データベースの

検索アルゴリズム』といったようにその章や節の内容を簡潔に表す見出しをつける。目次だけを

見て卒論の内容が想像できるくらいのつもりで構成および表現を工夫せよ。

卒論本文の具体的構成は諸君らに任せるが,一応の目安となる項目を示す。

初の章は,「はじめに」あるいは「緒言」,「序論」とし,研究の背景や目的などを記述すると

ともに,関連する研究の要約などを含めれば卒論としての価値が高まる。

次章以降は,自分の研究内容に即して適切に章の見出しをつけ,内容を記述する。本文中で,

既知の事実や他人の研究成果などを引用する場合は,それが既知の事実であること,他人の研究

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オブジェクト指向モデルに基づく

画像データベースの方式設計と実現

明星花子

Meisei Hanako

2008 年度入学 08J5-999

指導教員 明星太郎 教授

明星大学 情報学部情報学科

コンピュータ科学コース

2011 年度 卒業論文

図 1 卒論表紙体裁

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成果であることを明確にし,自分の研究内容とは区別して記述する。

実験結果がある場合は,独立した章を設け,できるだけ図表を用い,一目して結果がわかるよ

うにする。その際,図表だけで終わらせるのではなく,図表を文章で説明する。結果についての

考察はできるだけ定量的に記述し,主観的な独断や感想文的な記述は避ける。

後の章はまとめの章とし,「おわりに」( 初が「はじめに」の場合)あるいは「結言」(「緒

言」の場合),「結論」(「序論」の場合)とし,本文中で述べた研究内容の成果を具体的に述べる。

なるべく箇条書きにする。

4.4 謝辞

本文の終わりに謝辞を付け,指導教員はじめ,世話になった研究室の人,資料をもらった外部

の人などに,礼を述べるのがエチケットである。また,共同研究である場合は共同研究者名もそ

の中でうたっておく。人名は,外部の人,目上の人から身近の人への順序で記載するのがエチケ

ットである。また,漠然と名前だけあげるのではなく,謝意の根拠,内容を示すべきである。き

まり文句を並べて,人名だけを置き換えたような謝辞はかえって失礼である。

4.5 引用文献・参考文献

引用文献・参考文献は,本文中の関連箇所に文献番号を(例えば右肩に小さく(1)のように)記

し,文献書誌は本文の末尾にまとめて記載する。研究を行う上で参考にした文献は,すべて記載

する。

記載の仕方は,論文の場合は

番号) 著者:論文題目,誌名,巻,号,ページ(発行西暦年)

単行本は

番号) 著者:書名,ページ,発行所名(発行西暦年)

の順で書くのが標準的である。先輩らの卒論を挙げる場合は,学部,学科,年度も書く。

4.6 付録

図表や写真などが数ページ続いて,本文が1ページはさまっているなどの構成は読みにくい。

量のある図表は付録にまわしたほうがよい。本文中には,典型的な例を重点的に収め,「みどころ」

を説明するのがよい。

かさばる資料,数値表,設計図面,プログラムリスト等は,本文に繰り込むと読みにくくなる

し,また詳細すぎる場合もある。まとめて付録として本文の後に綴じ込むのがよい。本文は,付

録なしでも一貫し,完結していて,他人にわかりやすく,読みやすくすることが大切である。詳

細な資料,回路図,プログラムリスト等は付録にまわし,本文には資料中の重要な点の抜粋や略

図を示すべきである。付録も A4 判に揃える。厚くなる場合は,目次を付けて別冊にしてもよい。

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5 図表の書き方

一般の論文では図や表が大切な役割を果たす。図表は,文章で説明するよりも,事実を正確か

つ明確に説明する場合もある。実社会では,レポートや論文の読み手は本文を読まずに,図表だ

けを見てその内容を評価することもある。したがって図表はそれを一目しただけで,何を意味す

る図表であるかが分かるように書かなければならない。図表を書くために,いくつかの原則があ

る。

(1) 図表には卒論内で一貫した番号をつけ,必ず図表のタイトルを書く。タイトルは,本文を

読まないでもその図表が何を意味するかが分かるようなものでなければならない。理工系の論

文の場合,図では図の下に,表では表の上にタイトルを付ける。

(2) 図を書くとき,太線と細線を使い分ける。太線はブロックや要素などの輪郭を書くときに

使う。細線は配線や処理の流れ,寸法線などを書くときに使う。フローチャートを書くときに

は,処理や媒体を示すのに太線を使い,流れを示す線は細線で書く(図 2)。回路図を書くとき

には,素子の輪郭を太線,結線を細線で書く。しかも,結線同士がやたらに交差しないように

工夫する(図 3)。

(3) グラフは図として扱う。グラフの役割りは測

定したデータの全体的傾向を直感的に把握できる

ようにすることである。正確なグラフを書くために

は方眼紙を使う。方眼紙には青色の罫線が引かれて

いるが,この罫線はグラフを書くときの補助のため

にあるのであって,読み手にはこの罫線は見えない

ものとして書かなければならない。したがって,グ

ラフの縦軸や横軸及び各軸の目盛付けを省略して

はいけない。また,各軸には軸の意味とその単位,

代表的な数値を書き加える。測定値などをグラフに

1975 1980 1985 1990 1995

[年]

10k

100k

1M

10M

4k

16k

256k

64k

1M4M

16M

256M: ICメモリ(単位ビット)

: MOS論理IC(単位ゲート)

: バイポーラ論理IC(単位ゲート)

集積度(チップ当り)

図XX LSIの集積化の推移

図 4 グラフの例

• •

D Q

CK Q

D Q

CK Q

入力

クロック

EN

CK

QA

QB

QC

QD

7474 7474 74163

図 3 回路図の例

○○開始

○○終了

(注釈や説明)

図 2 フローチャートの例

(注釈や説明)

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プロットするときには測定点が明確に分かるように,○●△□などの印で測定値をはっきり示

す(図 4)。グラフを書く場合,グラフの種類も正しく使い分けなければならない。例えば,変

量が連続量の場合には折れ線グラフ使い,離散量の場合には棒グラフを使うのが原則である。

(4) 表の書き方の例を図 5 に示す。数値データの場合には,それが重要なデータであるならば

本文中に表として含めてよいが,それだけでは直感的にデータの傾向が分からないので,グラ

フにしたものを含めたほうがよい。

表 XX 実験環境

項目 内容

CPU

メモリ容量

OS

コンパイラ

コンパイルオプション

PentiumIII 1.2GHz

1Mbyte

Free BSD 4.2

gcc ver.2.96

なし

図 5 表の例

(5) 図表は正位置とするのが望ましいが,やむを得ず横倒しにする場合は,左に倒して図表の上

端を左方向にすること。大きな図表は,分割できないかどうかよく検討せよ。場合によっては,

見開きに配置することも考えよ。やむを得ず大きな図表を折りたたんでとじ込む場合,右側の折

り目は用紙の右端より 5 ミリ以上内側とする。

(6) 図表を手書きする場合,図表の線(回路図やフローチャートも含む)はフリーハンドではな

く,定規を使って描く。論理回路等の記号も定規を使って書く。ブックセンターで販売されてい

る。やむを得ずフリーハンドで描く場合,曲線部はできるだけ滑らかになるように丁寧に描くこ

と。

(7) 図表中の文字は読みやすい大きさに書く。縮小コピーの場合にはとくに気をつけよ。

(8) ワープロでの作図は機能・表現力が高くないものがある。よく吟味して用いること。

6 参考にすべきこと

その他,詳細は各自の判断にまかせる。判断に迷うときは指導教員に相談せよ。また学術図書,

学術雑誌の論文,学会論文誌の投稿規定などもよい参考になる。次の文献は卒論執筆にあたって

の参考になるし,また諸君らが社会に出てからもレポートを書く上で大いに役立つはずである。

(1) 木下是雄:理科系の作文技術,中央新書,中央公論社(1981)

(2) 古郡廷治:論文・レポートの文章作法,有斐閣新書,有斐閣(1992)

(3) 小笠原善康:大学生のためのレポート・論文術,講談社現代新書,講談社(2002)

(4) 三木光範:理系発想の文章術,講談社現代新書,講談社(2002)

表の caption(見出し,

説明)は表の上につける

(図やグラフは下)

両側の縦線は不要

一番上の横線の

み太線か二重線

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7 提出と審査

執筆した卒論は指定したファイルに綴じ込んで 2 部作成し,1 部を正本として情報学部事務室

に提出する。他の1部は担当教員に提出する。

提出された卒論についての発表審査会を行う。発表審査会では,卒論とは別に各自の発表内容

に即したレジメ(発表要旨)をあらかじめ用意する。レジメは A4 版 2 枚以内にまとめる(A4 版

用紙に両面印刷して,審査会時に配布する)。審査は卒論の指導教員を含む複数の教員で行う。発

表は個人ごとに行い,1 人発表 10 分,質疑 5 分を標準とする(場合により,変更することがある)。

審査の結果,不合格と判定された学生の卒業は不可になり,次年度以降,卒業研究を再履修しな

ければならない。(当然のことながら,就職もご破算になる。就職先への連絡は学生本人が行うこ

と。)

なお,卒論の提出締切りや卒論発表審査の日時・スケジュールなどについては,別途指示する。

8 おわりに

次のことを銘記してほしい。

諸君らの卒論が,コンピュータ科学コースの歴史を作り,伝統を作る。

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卒業論文チェックリスト

全般

□ 「卒業論文執筆の手引き」(本資料)に記載の注意事項を守っているか。

□ 学科指定の卒論提出資料の形式に従っているか。

□ 卒論を提出前に指導教員に読んでもらったか。

用語・用字

□ 術語と概念が一対一に対応しているか。概念は十分に明確か。

□ 一般的でない術語は定義してあるか。

□ まぎらわしい用語を使っていないか。

□ 誤字,脱字,誤変換,仮名遣いの誤りはないか。

□ 表記のゆれはないか。ローマ字は訓令式かヘボン式に統一してあるか(注 1)。

体裁

□ 文字ピッチ,行ピッチは指定の事項(3 体裁と枚数 )が守られているか。

□ ワープロの禁則処理は適切か(注 2)。

□ コピーや印字は汚れがなく鮮明か。

□ 図表の大きさ,位置,向きは適切か。

表紙・要旨・目次

□ 書式は適切か。

□ 付録にも目次が付いているか。

本文

□ 研究の背景,目的,特徴,研究分担(共同研究の場合)が明確に書いてあるか。

□ 箇条書き,段落,章や節の構造は,内容の論理的な構造に対応しているか。

□ 無用な修辞や主観的・独断的な記述はないか。

□ 図表や文献の番号は正しく対応しているか。

□ 図表は単独でもわかる程度に明確か。題名や説明文は適切か。

□ 成果と残された課題が明確に書いてあるか。

謝辞

□ 人名や所属は正確か。

文献

□ 既存の文献の著作権を犯していないか。引用の形式は適切か。

□ 書誌情報は正確か。読者がその文献を入手することができるか。

(注 1) 訓令式 si ti tu hu zi sya syu syo tya tyu tyo zya zyu zyo ヘボン式 shi chi tsu fu ji sha shu sho cha chu cho ja ju jo di du dya dyu dyo は用いず,長音は母音上に ^ を付け(または母音を重ね),ア行,ヤ行の前のンは

n’で,助詞のハ,ヘ,ヲは wa,e,o(または wo)で表すのが原則。

(注 2)長音“ー”や促音・拗音は右に出さず次行に送る。禁則対象が何字も続くときは,行の境界にかからない

ように直前の文章を調整する。右端の凹凸は均等割付で整えるとよい。

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資料 1 表記の手引き

(1) 公用文作成の要領(昭和27年4月4日通知内閣閣甲第16号より抜粋,一部修正)

文書には,できるだけ,一見して内容の趣旨がわかるように,簡潔な表題をつける。また,文章内容

が章,節などの論理的項目からなる場合には,それぞれの章,節に表題をつける。

文章はなるべく区切って短くし,接続詞や接続助詞などを用いて文章が長くなることをさける。内容

に応じ,なるべく箇条書きの方法をとり入れ,一読して理解しやすい文章とする。

あいまいなことばやまわりくどい表現は避け,簡潔で,論理的な文章とする。

漢字は常用漢字を用いる。

文体は,原則として「である」体を用いる。

注1 「だ,だろう,だった」の形は,「である,であろう,であった」の形にする。

注2 打ち消しの「ぬ」は,「ない」の形にする。「ん」は,「ません」のほかは用いない。

「せねば」は,「しなければ」とする。

時および場所の起点を示すには,「から」を用いて,「より」は用いない。「より」は,比較を示す場合

にだけ用いる。

例: 東京から京都まで。

午後1時から始める。

恐怖から解放される。

先生から説明があった。

推量を表わすには「であろう」を用い,「う,よう」を用いない。「う,よう」は意志を表す場合にだけ用

いる。

例: 役に立つであろう。(推量)

そのように思われるであろうか。(推量)

対等の関係に立とうとする。(意志)

思われようとして(意志)

並列の「と」は,まぎらわしいときは最後の語句にもつける。

例: 横浜市と東京都の南部との間

「ならば」の「ば」は略さない。

横書きの文書の中でも「一般に,一部分,三月(みつき)」のような場合には漢字を用いる。「100億,

30万円」のような場合には,億・万を漢字で書くが,千・百は,例えば「5千」「3百」としないで

「5,000」「300」と書く。

大きな数は,「5,000」「62,250円」のように3桁ごとにコンマで区切る。

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(2) 漢字の使用について(昭和56年事務次官等会議申合せ「公用文における漢字使用等について」か

ら抜粋,一部修正)

次のような代名詞は,原則として,漢字で書く。

例: 我々,私達,私,何

次のような副詞及び連体詞は,原則として,漢字で書く。

例: 必ず,少し,既に,直ちに,甚だ,再び,全く,最も,専ら,余り, 至って,大いに,恐らく,

必ずしも,辛うじて,極めて,殊に(ことに),更に,少なくとも,絶えず,互いに,例えば,

次いで,努めて,常に, 初めて,果たして,割に,概して,実に,切に,大して,特に,突然,

無論,明くる,大きな,来る,去る,小さな,我が(国)

ただし,次のような副詞は原則として仮名で書く。

例: かなり,ふと,やはり,よほど

次のような接続詞は,原則として,仮名で書く。

例: おって,かつ,したがって,ただし,ついては,ところが,ところで,また,ゆえに

ただし,次の四語は,原則として,漢字で書く。

及び,並びに,又は,若しくは

助動詞及び,助詞は,仮名で書く。

例: ない(現地には,行かない。) ようだ(それ以外に方法がないようだ。)

ぐらい(二十歳ぐらいの人) だけ(調査しただけである。)

ほど(三日ほど経過した。)

次のような語句を( )の中に示した例のように用いるときは,原則として仮名で書く。

こと(許可しないことがある。) とき(事故のときは連絡する。)

ところ(現在のところ差し支えない。) もの(正しいものと認める。)

とも(説明するとともに意見を聞く。) ほか(特別の場合を除くほか。)

ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。) わけ(賛成するわけにはいかない。)

とおり(次のとおりである。) ある(その点に問題がある。)

いる(ここに関係者がいる。) なる(合計すると一万円になる。)

できる(だれでも利用ができる。)

…てあげる(図書を貸してあげる。) ... ていく(負担が増えていく。)

... ていただく(報告していただく。) ... ておく(通知しておく。)

... てください(問題点を話してください。) ... てくる(寒くなってくる。)

... てしまう(書いてしまう。) ... てみる(見てみる。)

... ない(欠点がない。) ... てよい(連絡してよい。)

... かもしれない(間違いかもしれない。) ... にすぎない(調査だけにすぎない。)

... について(これについて考慮する。)

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(3) その他の注意

注意すべき表記

適用・適応 特徴・特長 対称・対象・対照

とき(時間・時点・時刻)

並びに(「及び」の外側), 若しくは(「又は」の内側)

より(比較の場合), から(起点の場合)

次の語句は文語であるから使わない。 「よって」,「のみ」,「にて」,「ねばならない」

「あるいは」,「或いは」は使わずに,「又は」を使う。「又は」の下位に「若しくは」を使う。

「以下の」「以下に」は使わずに,「次の」「次に」を使う。(「以下」は「それ以降ずっと」という意味。)

複合動詞はそれぞれ活用語尾を送る(組み合わせる,切り上げる,など)。複合動詞の名詞形は最

後の語尾だけを送るのが原則(組合せ,切上げ,など)。

段落の先頭は1字下げる。句点(。),読点(、,)は丁度1ます。余分に空けない。括弧類(「 」)も。

感嘆符(!),疑問符(?)の後は一文字分空ける! 変かな? でもそうなんだ! こんなふうに。

脚注が必要な場合は,ページの下に横線(注1)を引き,その下に記入する(注2)。 手書きの場合,算用数字,英小文字は2字1ます程度,英大文字は3文字2マス程度につめて書

く。

英大文字の単語は注意。頭文字や略語ならば大文字,普通の単語は小文字。

ローマ字を標記する場合,の訓令式とヘボン式を混ぜない。

訓令式 si, ti, tu, hu, zi, sya, syu, syo, tya tyu, tyo, zya, zyu, zyo

ヘボン式 shi, chi, tsu, fu, ji, sha, shu, sho, cha, chu, cho, ja, ju, jo

di, du, dya, dyu, dyo は用いず,長音は母音上に ^ を付け(または母音を重ねる),

ア行,ヤ行の前のンは n’ で, 助詞のハ,ヘ,ヲは wa, e, o (または wo)で表すのが原則。

長音「ー」や促音・拗音は右に出さず,次の行に送る。禁則対象が何字も続くときは,行の境界に

かからないように直前の文章を調節する。

うろ覚えの漢字は国語辞典,表記辞典を引く。文字は丁寧に書く。

(注1)脚注も「3 体裁と枚数」で指定されている範囲をはみ出さないこと。 (注2)この脚注自体が脚注の記載例である。

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正 不適切(= は許容) 正 不適切(= は許容)

誤り 誤まり とき(「場合」の細分) 時

伴う 伴なう また 又・亦 (「又は」は適切)

終わる 終る ゆえに 故に

異なる 異る したがって 従って・よって

行う =行なう しやすい し易い

表す =表わす ため 為

現れる =現われる ような(例示) 様な

見いだす・見出す 見い出す ただし 但し

ところが・ところで 所が・所で よほど 余程

おいて 於いて すべて 全て・総て

できる 出来る わけ 訳

ある 或る それぞれ 各々・夫々

あるいは 或いは わたる 亙・渡る

ともに 共に

かつ 且つ 及び =および

はず 筈 又は =または

いう 云う 切捨て・切り捨てる 切り捨て・切捨てる

ください 下さい 繰返し・繰り返す 繰り返し・繰返す

ほど 程 組合せ・組み合わせる 組み合わせ・組合せる

ほぼ 略

ごと 毎 ー(長音記号) -(マイナス記号)

まで 迄 - (ハイフン=半角) -・ー

なお 尚 (ダッシュ) -

ぐらい 位 a~z a~zまで

で にて “左引用符” ”右引用符”

とおり(定義) とうり,ように(例示)

ずつ づつ ◆誤字

だけ のみ(文語表現)

個(1個) ケ(1ケ)・コ

歳(1歳) 才(1才)

一部・一部分 1部・1部分

一つ・二つ 1つ・2つ

か(1か月) 1ケ月・1カ月

数十個・数万個 数10個・数10000個

講義 ×講議,講儀,構義

専門 ×専間,専問

的確 ×適確

割当て ×割合て

逐次 ×遂次

辺り(周辺の意) ×当たり

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