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神戸っ子アーカイブ

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白い紙に害力､れていく

言葉のように

ミキモトパールの

美しさは貴女の , 心に

鮮やかな印象を

記していきます

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黒く日焼けした女たちの顔の中に太陽の黒点の

ようにしみやそばかすがちらばっている

その女の白いコスチュームが

傾斜地を足早に通り過ぎた。琴

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今年一皮の「』栂のに亥王」に唖選ばれた村井道子さんは、田上南，寓子‐大堂’（伽再凹生）に在学

中‐の坐実しいお嬢さん。「今‐はとても自信がないけど、｛目分自汽身の紐教養を高め、知識を広

めるよう一生懸命努力しま‐す」とキッパリと語る村井さん。パッチリと，大きな瞳が印

象的だ。「海の女王』に決定した時、家族の人には秘密にしていたそうで、パパとママ

に昨》られちゃったノ，」とイタズラシぼく肩を、すくめて笑う。‐あでやかさと清楚．な雰囲

気とをもった、明かるく快活なお嬢さんである。

芝生の緑の中で、ゴルフのクラブを振る村井さん。そのスンナリと伸びきった美し

い肢体。小麦色の肌に、初秋の陽光があたる時、彼女の清々しい魅力が一層冴える。

ゴルフのほかに、旅行、ドライブ、手芸、ピアノを弾くことと、巾広い趣味をもつ現

代っ子。昭和一一‐十一年、西宮の生ま‐れ。姉と二人姉妹。ショッピングや遊ぶ時など、

，すべて〃柚叩戸″という，大の神一戸ファン。

‐（学での専攻は国文科で、卒論には、高村光太郎の詩「道程」をとりあげるという

文堂，好きのお雄（さん。「これからは堂●紳吟の方とお仕事とあるので、忙しくなりそう／」

とはりきる村井さん。ミナト神戸の美しいプリンセスとして、十分にその‐大任を果し

てくれることだろう。〈﹇尼崎の自宅にて〉

ズームアップ

村井道子〈昭和四十二年度『海の女王』〉

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さんちか唯一の和風茶寮が、みなさまの憩いの場として、ラジオ関西、サテスタ〃の前に新設されます。いちばん求められるものをご満足願えるサービスで快適なムードの中にご満喫いただきたいと念じています。風月堂7 0 周年の記念塔として、ご愛顧とご指導を賜われば、これに過ぎる慶びはございません。

９月~１日オープン.〃

風月堂

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ﾉ冒し月堂ｾﾝﾀｰ街尋- －本店元町３丁目ＴＥＬ3 9 - 2 4 1 2 ～６

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大岩達和〈大貴産業ＫＫ社長・兵庫県発明協会会長〉カメラ。浜岡収

「困難な障碍や壁にぶつかると、ますますファイトがわきます」とエネルギッシュに語る

大岩達和氏。「愛する神戸を美しい町にしたい，．．」と、十四年間かかって、コッコッと研究

を始縦け、ゴミのすべてを強哩放する鈴側白勿じんかい焼却爾炉を完成し、県知赤李賞をうけた人だ。

これを企業化した会社の社長でもある大岩氏は、昼は仕事、夜は設計や研究活動と、超人

的な活躍ぶり。「でも体力には自信があります。五分間だけ熟睡すれば平気〃．．」とニッコリ

欽六や７・

播州赤穂の出身。神戸・高等工業機械科卒。子供の頃から、数学や物理、機械いじりが大

変好きで、発明のマネごとをしていたという。それ以来、〃より便利なもの〃への発明工夫

に没頭してきた．「発明なんて思いつきではなく、研究の菰み重ねと努力ですよ」と温厚な

表一情に瞳が輝く。今までの特許件数は一三０件。現在、「考伺臭・去伺害ガス及び微細塵の処

理装置について』の研究を申請中。また十二年前から、これが完成すると日本の造船界に

大革命をもたらすような、スケールの大きい研究も続けている。スポーツにおいても剣道

四段、詩吟も師匠格、料理も名コックと万能型。

理論と実際とを一致させ、不屈の精神と根性をもった情熱家、大岩達和氏。研究、行動

の両面における今後の活剛が期待される。四十九才。

〈写真右は焼却炉の前にて。左は垂水区の自宅にて〉

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本社・神戸市葺合区旗塚通６－９三宮店・神戸新聞会館秀品店内銀座店。東京都中央区銀座西６－５ﾊﾟｰﾙファーム・溜池電停前( ショールーム）ヒルトン店・東京ヒルトンホテル内オーダ二店・ホテル・ニューオータニ内札幌店・札幌パークホテル内

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デザイン・石阪春生／カメラ・杉尾友士郎/ 衣裳･中島難子

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詩を創り、文学を論じ、

人生を語って賜年。〃輪の

会″は現代詩の分野で画期

的な動きをみせている．

文学思想の変遷にみられ

る芸術革命の立場から従来

の詩的概念をくつがえし、

詩的表現や詩的構造の枠を

根底から突き破ろうとする

ところのアバンギャルド（芸

術前衛）の運動があり、も

うひとつはこれとちがって

社会的・思潮的な立場をと

り、そこに一定の階級的性

格をもつ無産階級文学の撞

頭で、この二つは最初漠然

とまじりあい、それに時代

的変革の機運がうながされ

たといえる。

輪の会は後者の文学活動

であるが、メンバーのひと

りはいう「私たちはある意

味で現代詩を通じて人間性

の回復を計っているのです」

………と。

教員、商店、王、会社員、

主婦、公務員と職業は多種

多様なメンバーの構成であ

り、さる七月に発行したこ

の会の同人誌〃輪″は朗号

目をかぞえている。内容は

詩・創作・批評で、常に前

向きな激しい息吹きを感じ

させている。

写真は左から

海尻巌（農協職員）伊勢田

史郎（会社員）中村隆（金

物店主）直原弘道（不動産

業）丸本明子（主婦）岡見

裕輔（会社員）里見一夫（銀

行員）なかけんじ（大学教

授）北見哲哉（公務員）

欠席同人Ｉ各務豊和（会社

員）貝原六一（画家）灰谷

健次郎（きりん主宰）桑島

玄二（会社員・広島在住）

赤松徳治（大学院生）









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９月号目次

表紙小磯良平l S e c o n b C o v e r ／津高和一３ズーム・アップ／撮影＝浜岡収⑰村井道子⑬大岩達和

７ある集い／輪の会９コウベ☆スナップ１３わたしの意見／田中茂１５随想／秋に想う・宮地孝

随想／秋・畑マス子随想／海から海へ・日下晃

１８ある集いその足あと／輪の会２１随想／鎮魂の町一神戸・楠本憲吉２３随想／ススキ・ハブラシ・市野弘之２５随想／朝寝坊と早起き・十河巌２９神戸っ子対談／直木太一郎・永田良一郎３３経済ポケットジャーナル・ＫＯＢＥオフイスレ３４技術ジャーナル／ＳＤＣ工法・諸岡博熊３７パイオニア神戸⑨／ランバス・有井基４３永井達七さんを』悼む／竹田洋太郎４４神戸アーバンデザイン／水谷頴介＋

神戸モダーンリビング／チームＵＲ４６ＣｌＮＥＭＡ⑭／淀川長治４８動物園飼育日記⑯／亀井一成５１L e t ，s G o A m e r i c a n F o o t B o l l ⑨／米田；５２ＫＯＢＥＬＯＯＫ／福冨芳美５４結婚特集( 1 ) 愛の日のために７７対談■冒険と恋と神戸

鹿島郁夫／聞く人・足立巻一８９男の気持③向井修二９２神戸遊戯誌⑬ボート〈２＞＝青木重雄９７れんさいマンガ⑲ベツコ／永井文明９９ミニミニ神戸っ子1 0 0 ポケットジャーナル1 0 4 結婚特集( 2 ) コント／あ寧結婚＝春木一夫1 1 4 連載小説＝兵庫の女く十九回＞／武田繁太郎1 2 1 対話１２ヶ月

対話＝安水稔和・カメラ＝緒方しげをカメラ／米田定蔵・赤松慶三郎レイアウト・カット／港野千穂

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これは神戸を愛する人々の手帖ですあなたのくらしに楽しい夢をおくる神戸を訪れる人にはやさしい道しるべこれは神戸っ子の心の手帖です

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災害対策には英断を

’1３

今回の災害は戦後の神戸にとっては最大のものであっ

た。ことに三十才以下の若い人達にとっては空前のもの

で、大きな驚きであったに違いない。かねてより豪雨災

害について研究を行ってきた私は、昭和十三年七月の豪

雨災害と今回のものとを比較検討して、今後の教訓とす

ることは誠に有意義なことだと思う。

神戸では過去において、記録的な降雨が長時間襲来す

るたびごとに、裏山でガケ崩れや山腹崩壊が生じ、また

それにともなう土砂流木などが流出する河川、ミゾ、

暗渠などの溢水による災害が、神戸の地形、地質の特性

から発生した。しかし、昭和十三年災害以降、築造せら

れた砂防ダムが土砂の流出防止に大きな役割りを果した

が、他面、宅地造成などによる災害が近年増加したこと

も事実である。山腹斜面などで崩壊防止のための予防工

法の効果的なものが施工されていないことは残念なこと

であるが、これについて一言する。

斜面崩壊は大別して表流水の溢流によるものと、浸透

水の貯溜による上昇水面が斜面の表面に出現して、ちょ

うど斜面に．〈イブをつきさして、ぬきとったあとの穴か

ら土面がゆるゑ水が吹き出す．ハイピング現象を生ずるこ

とに起因するものになるが、後者によるものは瞬間的に

斜面の大崩落を起こすので人命左失ないやすい。降雨の

継続時間と強度が大きくこの種の崩壊に関係があるが、

従来の工法ではこの崩壊を防ぐことは不可能である。今

回の七月豪雨のように比較的うすい斜面の崩落をみた

が、十三年七月の水害のもののように表土層の厚いもの

までもが大崩壊を生じたことを考えると、この種の崩壊

透水の浸水面が、斜面に浸出しないようにすれば防止は

可能であり、私はむずかしい工法ではないと思う。

理に叶った工法の研究成果の早期実施を強く望むとと

もに県市当局、災害対策で、復旧の承ではなく、改良する

ということを重視して、予算その他にとらわれず、合理的

な工法に対して、勇気ある判断することが大切だと思う。

米わたしの意見

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田中茂く神戸大学教授･工学博士＞









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’1５

私の先生は先年亡くなられた

が、吉田秋光といって、帝展時代

に一科（日本画）で活躍された温

厚な方である。美術学校では故松

岡映丘先生の教室で学び、学友に

故蔦谷竜岬、故矢沢弦月、現在日展

の川崎小虎などの先生方がいた。

先生の庭は秋ともなると錦繍の

色美しく、先生の雅号のように、

くまなく秋光に包まれる。

まづ朝顔が苦の茎にからんで、

露を含めば、萩が紅の小花を散ら

し、桔梗、撫子、女郎花、吾亦紅、

秋に想う

宮地孝絵も

八洋画家Ｖ随想三題

秋人という年輩の記者だった。

私も〃秋″という字をつかって

自分の雅号をつくりたいと思った

が、ついにできないで油に転向し

てしまった。

昔読んだ教育書のなかに、〃芸

術家が敏感であることの必要は言

うまでもないが、学校の先生も敏

感でなければいけない″とあっ

て、「ｌむんむんと草いきれの

する夏草のむらがりからも何とな

く秋を感じますｌ」という意味

の或る小学校先生の手紙の一節を

あげて、盛夏に秋を感じる敏感さ

を褒めていた．ｌ秋きいと目に

ばさやかに見えねどもｌの敏感

さである。

日本人は、由来もののあわれを

感じる敏感な人種である。

もののあわれは秋にきわまる

見渡せば花ももみぢもなかりけ

り浦のとまやの秋の夕暮れ

、、、

静寂と清浄の中にあわれがある

日本人が、かつて育ててきた精

神生活のなかＱもののあわれ

は、静寂と清浄を求むくくもない

現代人のなかで、次第に薄れ、忘

られているのではないか。

私自身ここ十数年来、季節の感

情を味わわずに過ごしてきた。秋

とても、もののあわれを感じる秋

でなく、血まなこになって絵を描

りんどう、紫苑等の花がつつまし

く咲いて、全庭に秋の気配が帳る。

或るとき、私を含めて悪弟子が

二、三人で、奈良の秋に旅し、公園

の奥にあった春日様式の小さな桐

を、三人共謀して盗取り、東京に

持ち帰って、先生の庭の、赤松の

根元においた。

その年だったか、先生は、この

庭を題材に、六曲一双の「秋のけ

はい」という作品を制作された。

その作品の一部を、当時十九才だ

った私は、感激をもってお手伝い

した。ところが、この作品が特選

になり、それが若い私には自分が

受賞したようにうれしく、誇らし

かった。

秋光先生はある婦人雑誌の小説

の挿絵をたのまれて描いたことが

ある。それを頼みにきたのが中村









ます。私が創り出す人形の一つ一

つが過去を昇華し、新しい生命を

つくり出してくれるのです。

×××

わたしは歩いていく

私自身をみつめるにふさわし

い夜道を

なんというやさしい月の光

私自身を見つめるにふさわし

い夜道を

なんというやさしい月の光

うつりゆく自然と人生のあわ

れを

それとなく私の胸にうったえ

ているように見える月

あきかぜの

身にしむ夜半に

わたしはひとりのかなしい

たましいを

抱きしめつつ

×××

自然が人間にさびしさをあたえ

ているのには深い意味がありそう

一

く秋でしかなかった。美術の秋は

絵描きにとって戦の秋である。

、、

現代の大きな虚像の前に、あわ

、れを思うゆとりが全く失われてお

りはしないか。春には春の、夏に

、、、

は夏の、秋には秋のあわれを思う

心のゆとりを、もう一度私たちの

生活のなかにとりもどしたいもの

である。

秋畑マス子

八人形教室主宰Ｖ

わたしはひとり

黙交と歩いていく

秋風の身にしみる夜半に

のみち

細いひとすじの野路には

ひとかげもない

その野路をしずかに包む

月の光が

私に幼い日をおもい出させて

くれる

×××

私の人形制作への夢は、幼な心

のファンタジーを、メルヘンの夢

と詩を、恋のよろこびとさいわい

を歌わせ語らせ、そして生命のく

るしみと生活のはげしさを表現す

ると共に、私たちの実存的な生活

かたち

を人形の象において、リアルに表

出しようとする意欲をもっており

今年県政百年を迎えた兵庫県は

海から海へつながった数少ない県

である。その兵庫県を端から端ま

とぎすまされた人間の知性が

自らの無力をあきらめて

あえて大地にひれ伏す祈り

それはなにものによって

きかれるのか

さまよいつつ

今宵もあのそらの

ふかゑにたずねるまことよ

です。さ

びしさの深みからはぐくまれ

るもの、そこに深い芸術があり宗

教があると思うのです。

さびしさにおぼれずしてさびし

さを生かすことこそ美しく、意義

深いことではないでしょうか。

×××

毎秋のことながら、△△展○○

展と賑やかな美術の秋のお祭りが

始まりつつあります。ものを創る

ものにとっては、ことさらにゆっ

くりとささやかなもののあわれ

や、ひっそりと虫の音を楽しむと

いった秋の風物詩にひたるまでに

は、ひと苦労も、ふた努力も味わ

わねばなりません。七月八月のう

だるような暑さのさ中、汗と土と

石青にまみれての制作、やっと一

段落してほっと一息ついたとき、

いつの間にかわたしの好きな秋風

がわたしのまわりを通りすぎるの

に気がつくのです。

海から海へ

兵庫県縦断踏破・学術調査隊

日下晃

八武庫川女子大学学長Ｖ

1６









で歩いて象たらという構想は、随

分前から持っていた。それが、去

年の九月神戸新聞からの勧めもあ

って、県政百年を機会に実行して

承ようということに決定。早速準

備にとりかかった。

まず、春休承を利用して、コー

スを決めるための偵察隊を送り、

五月始めには、神戸新聞社と県教

1７

スで姫路まで行き、縦断踏破に踏

承切ったのである。予定はしばし

ば変更されるものであるが、今度

のような大がかりな踏破を計画

し、準備にとりかかった以上、延

期するということは、中止するこ

とであり、そうした悪条件を押し

ての強行軍であった。

七月七日から二十一日までの十

三日で全行程を無事踏破した隊員

は、疲れも見せず、元気な姿で帰

校した。その間には、南淡町、森

町長のメッセージを、香住町、長

町長のもとに運び、その後香住町

長から南淡町長に返書を送り、近

く姉妹提携するという親善の役目

も果し、成功裡のうちに〃兵庫県

縦断踏破・学術調査″は終了し

た。何

の事故も起こすことなく、ま

た各地の町長さん、教育委員会の

方々の協力で得られた調査の結果

は、目下整理段階なので、九月に

予定している報告会を待たなけれ

ば詳細は掴めないが、各方面か

ら、多大の期待を寄せていただい

ている。調査の結果が、何らかの

意味で役立てば幸いである。

なお、この調査に当り、関係者

各位のご協力に深く感謝したい。

③方言調査。④民族学的調査で、

武庫川女子大学の山岳部員、自然

科学部員で調査にあたった。

調査隊は〃兵庫県縦断踏破・学

術調査隊″と名付け、その他に全

走隊、サポート隊を設けた。全走

隊は、下村講師を隊長として、隊

員四名、それに神戸新聞の記者カ

メラマン、計七名である。サポー

ト隊は各六名づつの三隊を出し〃

学術調査隊″は三隊に分れた。方

言班、民族班、植物班である。

方言班、民族班は自転車で、植

物班は、バスと徒歩であったが、

何しろ、自転車といっても山道が

ほとんどで、楽ではなかったよう

である。

まず、出発は七月七日、午時七

時三十分神戸発で淡路島へ。淡路

島を踏破した一行は七月九日夕明

石へ。ちょうど集中一象雨の折で、

ご家族の方食をはじめ、関係者一

同の心配は大変なものであった。

彼女達は、明石にやっとたどり着

いたのはいいが、電車が不通にな

ったためやむなく神戸新聞明石支

局に飛び込承、宿を世話してもら

ったという一幕もあった。

十三年振りの集中豪雨で、七月

十二日の県政百年記念式典も、ゴ

ム長靴姿で出席するような状態。

〃調査隊″もそんな中での神戸出

発で、歓送会もできずそのまま（

育委員会が後援をしてくださるこ

とになった。これで大体の下準備

は終ったのであるが、それからが

また大わらわ。こういう計画は、

その時その場所に行ってみなけれ

ば、どうなることやら、さっぱり

見当がつかないものだ。

テーマは、①表日本と裏日本の

植物分布の境界とその地質との関

係。②薬草の採集と民間薬の調査

託■帥■卯出品









☆ある集い☆その足あと

輪の会

伊勢田史郎

輪の会は昭和二十八年五月に発

足した。中村隆が八黒い輪Ｖなど

九篇の詩を、伊勢田史郎が八影Ｖ

など九篇の詩を、山本博繁が小説

八窓と光とＶ一篇を、貝原六一が

表紙・カットを、八輪Ｖ創刊号に

書いている。当初の同人はこの四

人で、この号の後記に中村は次の

ようなことを書いている。

言（前略）ともかく、妙に深刻

ぶって悲壮がるよりはまともな時

にまともな顔をしている方が楽だ

し、健康的であるという理由で、

ぼくなりに風にそよぐ詩的な「詩

」を探してみようと思う。（中略）

ともかく「○Ｆシ幻月国」を廃刊し

た埋合せと、個交の利害関係が偶

然一致したため、当初四人の飲承

代をためて二、三カ月に一冊宛出

す予定をたてた。追を家族がふえ

１１８

１

一夫（詩）直原弘道（詩・批評）

なか．けんじ（詩・批評）中村隆

（詩・批評）灰谷健次郎（詩・小

説・批評）丸本明子（詩・批評）

なお会外からの寄稿も毎号ほとん

ど二、三名を数え会内にいい意味

での刺激をあたえている。例えば

二十三号（四十二年七月）でいう

なら広田善緒の批評活動、鹿狩浩

の訳詩（Ｈ・リード）志村辰夫の

長詩など。同人の職業はなかなか

多彩で、商店主、大学教教、小学

教師、不動産業、会社員、銀行員、

主婦などなどで社会人としての活

動も地道につづけられている。

同人のほとんどが詩集あるいは

評論集を刊行しているが、未刊の

一、二の同人も今年中にその第一

詩集の上梓が予定されている。今

後の輪の会の問題点は、同人のひ

とりひとりが自らのライフワーク

にどのように取りくんでいくかに

あるだろう。また、それが、どの

ように会に反映していくか、にあ

るだろう。会活動の飛躍的な発展

は充分期待されるのだが、同人ひ

とりひとりの仕事が着実に開花し

結実し得ないで終るならば、会活

動のみの発展などということは無

意味なあだ花の展覧といったもの

にすぎないだろうから。

☆輪の会・神戸市兵庫区東山町二

丁目二二四中村隆方

れぱ、それだけ飲み代が浮くとい

う算術である（後略）雲

輪の会には特に規約とか綱領は

ない。一人一党だ。だが同人の間

の底に流れているある共通の想念

（あえて思想とはいわない）があ

る。あるように思える。いうなら

ば人間存在の不安とか、人間の根

元によこたわる未分なものを掘り

おこそうとする努力を、詩、小説

批評、絵画のなかにおいて実践し

ようとしている、といえるのでは

ないか。八輪Ｖ超号（昭和四十年

四月）で行った雲ベトナム戦争反

対雲キャンペーンや、神戸Ｉ大阪

徹夜ベトナム反戦デモ参加（個人

参加）などは芸術のなかだけでは

表現し得ない何ものかが噴きあげ

溢れでたものででもあろうか。ま

た、最近、なか．けんじ、中村、

伊勢田の三名は広島に出かけてゆ

き原爆資料館などに強烈な印象を

受刻されて帰ってきたが、会内に

基金を設け、たとえ小数の人に対

してでもいいからヒロシマに行く

ための旅費を負担しようと案を練

っている。

次に現在の同人名をあげる。

赤松徳治（詩・訳詩ｌソヴィエト詩

Ｉ・批評）伊勢田史郎（詩・批評）

岡見裕輔（詩・小説・批評）海尻巌

（詩・批評）各務豊和（詩・批評）

貝原六一（絵画）北見哲哉（詩・

批評）桑島玄二（詩・批評）里見









1９

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2０









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