DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用...

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このキットをはじめて使用する際にはシークエンサーの初期設定を行ってください。 ● 初期設定マニュアル DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit 日本語プロトコール Model 373 / ABI PRISM 377 DNA Sequencer, ABI PRISM 310 / 3100 Genetic Analyzer, ABI PRISM 3700 DNA Analyzerは、Applied Biosystems社の製品です。 71-1684-32 ● 初期設定マニュアル DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit 日本語プロトコール 200112月改訂) このキットをはじめて使用する際にはシークエンサーの初期設定を行ってください。 for Model 373 DNA Sequencer ABI PRISM 377 DNA Sequencer ABI PRISM 310 Genetic Analyzer ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer ABI PRISM 3700 DNA Analyzer for Model 373 DNA Sequencer ABI PRISM 377 DNA Sequencer ABI PRISM 310 Genetic Analyzer ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer ABI PRISM 3700 DNA Analyzer

Transcript of DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用...

Page 1: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

このキットをはじめて使用する際にはシークエンサーの初期設定を行ってください。

● 初期設定マニュアル

● DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit日本語プロトコール

※Model 373 / ABI PRISM 377 DNA Sequencer, ABI PRISM 310 / 3100 Genetic Analyzer, ABI PRISM 3700 DNA Analyzerは、Applied Biosystems社の製品です。

71-1684-32

● 初期設定マニュアル

● DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit日本語プロトコール

(2001年12月改訂)

このキットをはじめて使用する際にはシークエンサーの初期設定を行ってください。

for Model 373 DNA SequencerABI PRISM 377 DNA SequencerABI PRISM 310 Genetic AnalyzerABI PRISM 3100 Genetic AnalyzerABI PRISM 3700 DNA Analyzer

for Model 373 DNA SequencerABI PRISM 377 DNA SequencerABI PRISM 310 Genetic AnalyzerABI PRISM 3100 Genetic AnalyzerABI PRISM 3700 DNA Analyzer

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マトリックスファイルとは・・・・・・

4種類のダイターミネーターに標識された各蛍光は異なる波長を持ちます。このため近接した波長を持つ複数の蛍光の強度を同時に測定する場合、各蛍光の波長で検出したデータは、蛍光がオーバーラップして正確な蛍光強度のデータになりません。このオーバーラップ分を計算、補正するデータがMatrix fileです。データ解析の際には、このMatrix fileを選択して蛍光のオーバーラップを補正します。Matrix fileのデータは、検出器の状態によって異なりますので、各シークエンサーが持つ固有のデータです。一度作成すれば検出器の変更がない限り、継続して使用することができます。

はじめに

本マニュアルは2部構成となっており、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitを使用

するにあたり、初期設定の説明を前半部分に、キットのプロトコールを後半部分で説明しています。まず、弊社ホームページから、お使いの機種に対応したMobility fileおよびMatrix fileを

ダウンロードしてください。

(http://www.jp.amershambiosciences.com/products/product_info/et_terminator.asp)

初期設定マニュアル

1.Model 373 DNA Sequencer / ABI PRISM 377 DNA Sequencer .............................1

2.ABI PRISM 310 Genetic Analyzer....................................................................................7

3.ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer...............................................................................13

4.ABI PRISM 3700 DNA Analyzer ...................................................................................17

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit 日本語プロトコール .....................211. キット内容.......................................................................................................................................................................................22

2. 品質管理 ............................................................................................................................................................................................22

3. 使用上の注意..................................................................................................................................................................................22

4. キットに含まれていない試薬..............................................................................................................................................23

5. DYEnamic ET Terminatorについて ...................................................................................................................................24

6. 重要ポイント..................................................................................................................................................................................24

7. プロトコール..................................................................................................................................................................................25

8. 簡易プロトコール .......................................................................................................................................................................28

9. 参考資料 ............................................................................................................................................................................................29

10. トラブルシューティング ........................................................................................................................................................33

11. 参考文献 ............................................................................................................................................................................................34

目 次

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― 1 ―

マトリックス設定 

ABI 373

/377用

はじめに・・・・・・

このキットを初めて使用する場合には、ABI Model 373 / ABI PRISM 377シークエンサーに必須のファイル(Mobility fileとMatrix file)を新しく設定する必要があります。一度設定するとファイルが破損あるいは消去されない限り再設定の必要はありません。

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit

初期設定マニュアル(ABI Model 373 / ABI PRISM 377用)

初期設定の作業フロー

初期設定は、Moblity fileとMatrix fileをシークエンサー付属のコンピューター(Macintosh)にインストールし、4種類のMatrix Standardsを泳動して得られたデータでMatrix fileをアップデートすることで完了します。このキットで反応したシークエンシングサンプルの泳動と解析には、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用のMobility fileとアップデートされたMatrix fileを使用します。

Mobility file とMatrix fileのダウンロード

Mobility fileとMatrix fileのインストール

ファイルをMacintoshのハードディスクにコピーします。

装置のセットアップ

それぞれの装置に付属の操作ガイドにしたがいます。ゲル板、ゲルの組成は通常のシークエンシングで使用している条件で問題ありません。

泳動開始(シークエンスラン)

必要な泳動パラメーターを入力し、泳動します。操作方法はそれぞれの装置に付属の操作ガイドにしたがいます。

Matrix fileのアップデート

DataUtilityソフトを使用し、Matrix fileをアップデートします。

シークエンシングサンプルの解析

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― 2 ―

マトリックス設定 

ABI

373/

377用

操作手順

準備するもの

Mobility fileとMatrix fileのインストール

●「for 377_373.sit」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

● DYEnamic ET Terminator Matrix Standard(US80860)

● Red loading dye(US79448-1200UL)*2

*1 弊社ホームページからダウンロード(http://www.jp.amershambiosciences.com/products/product_info/et_terminator.asp)*2 DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitに含まれるFormamide loading dyeと同じものです。

ダウンロードした「for377_373.sit」圧縮ファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

「for377_373.sit」ファイルをダブルクリックすると「StuffIt Expander」が立ち上がり、ファイルが自

己解凍されます。*3

以下の3つのファイルを含んだ「for377_373」という名称のフォルダが表示されます。・DYEnamic ET Term.{US80872} (Mobility file)*4

・DYEnamic ET Terminator (Matrix file)*5

・Read Me

DYEnamic ET Term.{US80872}、DYEnamic ET Terminatorの二つのファイルを下記のフォルダ内

にドラッグして移動します。

ドラッグ先のフォルダ

・ABIフォルダ(MacintoshのSystemフォルダの中にあります。)*6

*4 Mobility fileはET Terminator dyeに固有の設定値が記載されたファイルです。

*5 Matrix fileは、検出される蛍光の重なりを補正するためのファイルで、補正値はDNAシークエンサーごとに異なるため、後述の方法によりアップデートする必要があります。

*6 ABIフォルダは、MacintoshのSystemフォルダの中にあります。ここにコピーしたファイルをドラッグします。

*3 圧縮ファイルの解凍には「StuffIt Expander」がインストールされている必要があります。

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― 3 ―

マトリックス設定 

ABI 373

/377用

操作手順

通常のシークエンスランの手順で泳動開

始します。操作手順はそれぞれの装置に

付属の操作ガイドにしたがってください。

ここでは、サンプルシートの設定条件、

ランファイル(ABI 377)/ランパラメータ(ABI 373)の設定条件、スタンダードサンプルの準備について説明します。

右図では、48 cmのゲル板を使用し、フ

ィルターセットA、スキャンスピード

1,200で検出する場合を示しています。

1.サンプルシートの設定・DyeSet/Primerの欄は、DYEnamic ET Term.(US80872)を選択します。

・Instrument Fileの欄は、〈none〉を選択します。(ABI 377の場合)・ET Term matrixというファイルネームにしてサンプルシートを保存します。

スタンダードサンプルは、T, A, C, G の順番にするとMatrix fileのアップデートの時に便利です。DYEnamic ET Terminator キットでシークエンシング反応をしたサンプルを一緒に泳動することも可能です。

泳動開始(シークエンスラン)の手順

2.ランファイル(ABI 377)/ランパラメータ(ABI 373)の設定・Run Moduleは、通常シークエンシングに使用しているモジュール(AまたはEセットフィルター)

を選択します。

・Sample Sheetは、1.で保存したサンプルシート、ET Term matrixを選択します。

・(ABI 377の場合)Instrument Fileは〈none〉を選択します。

・(ABI 373の場合)ランパラメータのInstrument FileはDYEnamic ET Terminatorsを選択します。

・Auto Analyzeはoffにします。

3.スタンダードサンプルの準備・使用するゲルのウェル数によって、下記のようにマトリックススタンダードサンプルを準備します。

4種(A、C、G、T)のチューブに直接、Formamide loading dye 4 µlを加え、よく攪拌、スピンダウン後、

24ウェルのゲル板では、3~4 µl

36ウェルのゲル板では、2~3 µl

48ウェル以上のゲル板では、~2 µl

各々アプライする。

Formamide loading dyeを混ぜたMatrix

Standardsは、アプライするまで氷冷し

ておきます。ヒートショック(熱変性)

は必要ありません。

アプライする時は 4種類のMatr i x

Standardsを混合せずに別々のレーンに

アプライしてください。

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― 4 ―

マトリックス設定 

ABI

373/

377用

Matrix fileのアップデート

データコレクション終了後、Matrix file

をアップデートする手順です。

ABI 377の場合には泳動後、必要に応じて各サンプルのレーントラッキングを行

います。

1.Raw Dataの確認(1)データコレクションによりできたRunフォルダの中にある、Matrix Standardsの4つのサンプル

ファイルをそれぞれダブルクリックします。

(2)Raw Dataボタンを選択してピークが出ていることを確認します。

2.Matrix fileのアップデート(1)Sequense Analysisフォルダーの中のDataUtilityソフトを起動します。*1

(2)UtilityメニューからMake Matrixを選択します。

(3)Make MatrixダイアログボックスのC...,A...,G...,T...の各塩基のボタンを選択し、

4種類のスタンダードサンプルを泳動して得られたサンプルファイルを選択します。具体的には以下の通りです。*2、3

Cをクリック→Tマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Aをクリック→Aマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Gをクリック→Cマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Tをクリック→Gマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

(4)Make Matrixダイアログボックスから左端

のT7 Terminator Matrixのボタンをクリッ

クします。

(5)Update Fileをクリックします。

ダイアログボックスが現れます。*4

(6)Systemフォルダ内のABIフォルダから

DYEnamic ET Terminators を選択します。

(7)OKをクリックします。

上書きしてもよいかどうか、確認のメッセージ

ダイアログボックスが現れます。

(8)YESをクリックします。

“Make Matrix successfully completed”という確認の表示が現れます。

(9)OKをクリックします。

これでMatrix fileのアップデートが終了しま

した。*5~7

Noを選択した場合はアップデートされずに終了します。

OKボタンを選択する直前の画面です。

操作手順

*1 もしもDataUtilityソフトが見つからない場合は、MacintoshのFile検索ソフトを使用して探してください。検索するファイル名は「DataUtility」です。

*2 Matrix Standardsのサンプルファイルはハードディスクドライブ(HD)→377フォルダ→Runフォルダ→Matrix Standardsを泳動したRunフォルダの中に、あるいはデフォルトで設定した場所に保存されています。

*3 T7 Terminatorでは、蛍光とスタンダードの塩基名が異なるので、画面上でクリックした塩基とは異なる名前のスタンダードサンプルを選択します。誤った組み合わせでスタンダードサンプルを選択した場合は、Matrixfileが作成できないというエラーメッセージが表示されます。

*4 Comment欄に、作成日、フィルターセットの種類を記入しておくとあとで便利です。

*5 Matrix Standardsと一緒にシークエンシングサンプルを泳動している場合は、アップデート後にシークエンシング解析の項を参照してサンプルファイルの解析を行うことができます。

*6 エラーメッセージが表示される場合には、Raw DataをクリックしてStart atおよびPointsのセッティングで良好なデータ領域が選択されているかどうかを確認してください。指定したMatrix Standardsが正確であることが重要です。DataUtilityソフトウェアが指定したRaw Dataをそのまま使用したり、エラーデータを使用するとマトリックスを作成することができません。

*7 アップデートしたMatrix fileをフロッピーディスクにバックアップしておくことをおすすめします。

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― 5 ―

マトリックス設定 

ABI 373

/377用

シークエンシングサンプルの解析

Matrix Standardsサンプルと一緒に泳動

したシークエンシングサンプルの解析も上

記設定で行うことができます。

正しいMatrix fileを選択していない場合に

は、塩基配列が決定できないというエラー

メッセージが表示されます。

Matrix Standardsを泳動した時と同じフィルターセット(AまたはE)を選択してください。異なると正しく解析ができません。

初期設定終了後、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitを使用した反応サンプルを泳動ま

たは解析するには以下の設定条件で行います。

◎サンプルシート

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term. (US80872)

Matrix file:DYEnamic ET Terminators

◎ランファイル

Run Module:Seq Run ××A-****またはSeq Run ××E-****

Instrument File:DYEnamic ET Terminators

××にはゲルの長さ、****には泳動スピードが入ります。

AまたはEはフィルターセットの種類です。Auto Analyzeを選択しておきます。

○サンプルマネージャー

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term. (US80872)

Matrix file:DYEnamic ET Terminators

操作手順

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― 6 ―

マトリックス設定 

ABI

373/

377用

トラブルシューティングマトリックス作成中にエラーメッセージが生じたり、シークエンスの解析結果がおかしい場合には

シグナルが弱すぎる。

Matrix Standardsのデータのシグナルが弱すぎる場合には、エラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することはできません。

1.各Matrix Standardのサンプルファイルを開きます。

2. Raw Dataボタンを選択してRaw Dataを表示させます。

3.カーソルをピークに合わせてクリックし、データポイント数を表示させます。

4.各サンプルファイルにおいて、最適なシグナル強度(ピークが検出されている部分)を含む約1,500ポイント分の領域を見つけ、はじめのデータポイント数を控えておきます。

5. UtilityメニューのMake Matrixを選択します。

6. Make Matrix画面のStart atにそれぞれ数値を入力します。

サンプルファイルが良好なデータを含んでいない場合には、再度Matrix Standardsの泳動から行って

ください。

スタンダードサンプルのファイル選択が間違っている。

4つの塩基ボタンと、選択するスタンダードサンプルファイルの組み合わせが間違っているとエラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することができません。

1.サンプルファイルと塩基ボタンをよく確認しながら再度Matrix fileの作成の操作を行ってください。

2.サンプルファイルが示している塩基名とサンプルファイルのデータが一致しているかゲルファイルから

確認します。

Dye Terminator Matrix, TaqTerminator Matrixのボタンを選択した。

T7 Terminator Matrix以外のボタンを選択しているとエラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することができません。

1. T7 Terminator Matrixのボタンを選択していることを確認してからMatrix fileアップデートを実行し

ます。

現象 :Matrix fileアップデート実行時にエラーメッセージが現われる。

アップデートをしていないDYEnamicET Terminators あるいはBigDyeのMatrix fileを選択した。

アップデートをしていないMatrix fileやBigDyeのMatrix fileでもシークエンス解析はできますが、シグナルの重なりが多く、正しい塩基配列が表示されません。

1.アップデートしたMatrix file;DYEnamic ET Terminatorsを選択してシークエンス解析を行います。

Matrix Standardsを泳動したときと違うフィルターセットを選択してサンプルを泳動した。

1.サンプルを分析する時は、初期設定を行なったときと必ず同じフィルターセットを選択する必要があ

ります。初期設定したときと同じフィルターセットでデータを取得し直します。

2.初期設定したときのフィルターセットの種類を忘れないようにするには、Matrix fileの名前の最後に

フィルターセット名(AまたはE)を追加しておくと後から確認しやすくなります。

現象:シークエンス反応をしたサンプルのシークエンス解析をしたら、シグナルの重なりが多く、正しく解析できなかった。

解決法原因

解決法原因

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マトリックス設定 

ABI 310

はじめに・・・・・・

このキットを初めて使用する場合には、ABI PRISM 310シークエンサーに必須のファイル(Mobility fileとMatrix file)を新しく設定する必要があります。一度設定するとファイルが破損あるいは消去されない限り再設定の必要はありません。

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit

初期設定マニュアル(ABI PRISM 310用)

初期設定は、Moblity fileとMatrix fileをシークエンサー付属のコンピューター(Macintosh)にインストールし、4種類のMatrixStandardsを泳動して得られたデータでMatrix fileをアップデートすることで完了します。このキットで反応したシークエンシングサンプルの泳動と解析には、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用のMobility fileとアップデートされたMatrix fileを使用します。

初期設定の作業フロー

Mobility fileとMatrix fileをダウンロード

Mobility fileとMatrix fileのインストール

ファイルをMacintoshのハードディスクにコピーします。

装置のセットアップ

それぞれの装置に付属の操作ガイドにしたがいます。電気泳動に使用するキャピラリー、ポリマーは通常のシークエンシングで使用している条件

で問題ありません(POP4は使用できません)。

泳動開始(シークエンスラン)

必要な泳動パラメーターを入力し、泳動します。操作方法はそれぞれの装置に付属の操作ガイドにしたがいます。

Matrix fileのアップデート

DataUtilityソフトを使用し、Matrix fileをアップデートします。

シークエンシングサンプルの解析

Page 10: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

― 8 ―

マトリックス設定 

ABI

310用

準備するもの

Mobility fileとMatrix fileのインストール

●「for310.sit」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

● DYEnamic ET Terminator Matrix Standard(US80860)

*1 弊社ホームページからダウンロード(http://www.jp.amershambiosciences.com/products/product_info/et_terminator.asp)

Matrix Standardsのインジェクションには装置に付属のTSR液(Applied Biosystems社製:401674)を使用します。

ダウンロードした「for310.sit」圧縮ファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

「for310.sit」ファイルをダブルクリックすると「StuffIt Expander」が立ち上がり、ファイルが自己解

凍されます。*2

「for310」フォルダ中に、以下の3つのファイルが表示されます。・DYEnamic ET Term.POP6 (Mobility file)*3

・DYEnamic ET Terminators (Matrix file)*4

・Read Me

DYEnamic ET Term.POP6、DYEnamic ET Terminatorsの二つのファイルを下記のフォルダ内にド

ラッグして移動します。

ドラッグ先のフォルダ

・ABIフォルダ(MacintoshのSystemフォルダの中にあります。)*5

*3 Mobility fileはET Terminator dyeに固有の設定値が記載されたファイルです。

*4 Matrix fileは、検出される蛍光の重なりを補正するためのファイルで、補正値はDNAシークエンサーごとに異なるため、後述の方法によりアップデートする必要があります。

*5 ABIフォルダは、MacintoshのSystemフォルダの中にあります。ここにコピーしたファイルをドラッグします。

*2 圧縮ファイルの解凍には「StuffIt Expander」がインストールされている必要があります。

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― 9 ―

マトリックス設定 

ABI 310

操作手順

通常のシークエンスランの手順で泳動開

始します。操作手順はそれぞれの装置に

付属の操作ガイドにしたがってください。

ここでは、サンプルシートの設定条件、

インジェクションリストの設定条件、ス

タンダードサンプルの準備について説明

します。

右図では、POP6ポリマー、ショートキャピラリーを使用し、フィルターセットAを

選択しています。POP4ポリマーは使用できません。

1.サンプルシートの設定・DyeSet/Primerの欄は、DYEnamic ET Term.POP6を選択します。・Matrixの欄は、〈none〉を選択します。

・ET Term matrixというファイルネームにしてサンプルシートを保存します。

スタンダードサンプルは、T, A, C, G の順番にするとMatrix fileのアップデートの時に便利です。DYEnamic ET Terminator キットでシークエンシング反応をしたサンプルを一緒に泳動することも可能です。

泳動開始(シークエンスラン)の手順

2.インジェクションリストの設定・Sample Sheet欄から、1.で保存したサンプルシート(ET Term matrix)を選択します。

・Moduleは、普段シークエンシングに使用しているモジュールを選択します。

・Auto Analyzeのチェックボックスをクリックして×印を消し、offの設定にします。

・インジェクションの時間、泳動条件は通常シークエンシングに使用している条件のままで行います。

3.スタンダードサンプルの準備試薬チューブに直接TSR液30 µlを加え、よく攪拌後、全量をサンプルトレイにセットしてください。

ABI 310付属のTSR液にサンプルを溶解

します。TSR液に溶解したMatr i x

Standardsをヒートショック(熱変性)す

る必要はありません。

4種類のMatrix Standardsは混合せずに

別々に泳動してください。

Page 12: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

― 10 ―

マトリックス設定 

ABI

310用

Matrix fileのアップデート

データコレクション終了後、Matrix file

をアップデートする手順です。1.Raw Dataの確認(1)データコレクションによりできたRunフォルダの中にある、Matrix Standardsの4つのサンプル

ファイルをそれぞれダブルクリックします。

(2)Raw Dataボタンを選択してピークが出ていることを確認します。

2.Matrix fileのアップデート(1)Sequense Analysisフォルダーの中のDataUtilityソフトを起動します。*1

(2)UtilityメニューからMake Matrixを選択します。

(3)Make MatrixダイアログボックスのC...,A...,G...,T...の各塩基のボタンを選択し、

データコレクションしてできたRunフォルダの中にある、Matrix Standardsのサンプルファイルを

選択します。

具体的には以下の通りです。*2、3

Cをクリック→Tマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Aをクリック→Aマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Gをクリック→Cマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

Tをクリック→Gマトリックススタンダードのサンプルファイルを開く

(4)Make Matrixダイアログボックスから左端

のT7 Terminator Matrixのボタンを

クリックします。

(5)Update Fileをクリックします。

ダイアログボックスが現れます。*4

(6)Systemフォルダ内のABIフォルダから

DYEnamic ET Terminatorsを選択します。

(7)OKをクリックします。

上書きしてもよいかどうか、確認のメッセージ

ダイアログボックスが現れます。

(8)YESをクリックします。

“Make Matrix successfully completed”という確認の表示が現れます。

(9)OKをクリックします。

これでMatrix fileのアップデートが終了

しました。*5、6

Noを選択した場合はアップデートされずに終了します。

OKボタンを選択する直前の画面です。

操作手順

*1 もしもDataUtilityソフトが見つからない場合は、MacintoshのFile検索ソフトを使用して探してください。検索するファイル名は「DataUtility」です。

*2 Matrix Standardsのサンプルファイルはハードディスクドライブ(HD)→377フォルダ→Runフォルダ→Matrix Standardsを泳動したRunフォルダの中に、あるいはデフォルトで設定した場所に保存されています。

*3 画面上でクリックした塩基とは異なる名前のスタンダードサンプルを選択します。誤った組み合わせでスタンダードサンプルを選択した場合は、Matrix fileが作成できないというエラーメッセージが表示されます。

*4 Matrix Standardsと一緒にシークエンシングサンプルを泳動している場合は、アップデート後にシークエンシングサンプルの解析の項を参照してサンプルファイルの解析を行うことができます。

*5 エラーメッセージが表示される場合には、Raw DataをクリックしてStart atおよびPointsのセッティングで良好なデータ領域が選択されているかどうかを確認してください。指定したMatrix Standardsが正確であることが重要です。DataUtilityソフトウェアが指定したRaw Dataをそのまま使用したり、エラーデータを使用するとマトリックスを作成することができません。

*6 アップデートしたMatrix fileをフロッピーディスクにバックアップしておくことをおすすめします。

Page 13: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

― 11 ―

マトリックス設定 

ABI 310

シークエンシングサンプルの解析

Matrix Standardsを泳動した時と同じフィルターセット(AまたはE)を選択してください。異なると正しく解析ができません。

初期設定終了後、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitを使用した反応サンプルを泳動また

は解析するには以下の設定条件で行います。

【ABI 310】◎サンプルシート

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term.POP6Matrix file:DYEnamic ET Terminators

◎インジェクションリスト

Module:Seq POP6****AまたはSeq POP6****E

****にはキャピラリーの種類が入ります。

AまたはEはフィルターセットの種類です。Auto Analyzeを選択しておきます(自動解析ありの設定)。

○サンプルマネージャー

Basecaller:ABI-CE1DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term.POP6Matrix file:DYEnamic ET Terminators

操作手順

Page 14: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

― 12 ―

マトリックス設定 

ABI

310用

トラブルシューティングマトリックス作成中にエラーメッセージが生じたり、シークエンスの解析結果がおかしい場合には

シグナルが弱すぎる

Matrix Standardsのデータのシグナルが弱すぎる場合には、エラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することはできません。

マトリックススタンダードサンプルファイルの選択が間違っている。

4つの塩基ボタンと、選択するマMatrix Standardsのサンプルファイルの組み合わせが間違っているとエラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することができません。

1.各Matrix Standardのサンプルファイルを開きます。

2. Raw Dataボタンを選択してRaw Dataを表示させます。

3.カーソルをピークに合わせてクリックし、データポイント数を表示させます。

4.各サンプルファイルにおいて、最適なシグナル強度(ピークが検出されている部分)を含む約1,500ポイント分の領域を見つけ、はじめのデータポイント数を控えておきます。

5. UtilityメニューのMake Matrixを選択します。

6. Make Matrix画面のStart atにそれぞれ数値を入力します。

サンプルファイルが良好なデータを含んでいない場合には、再度Matrix Standardsの泳動から行って

ください。

1.サンプルファイルと塩基ボタンを良く確認しながらMatrix fileアップデートを実行します。

2.サンプルファイルが示している塩基名とサンプルファイルのデータが一致しているか生データから確認

します。通常A Standardでは緑色と青色のシグナル、C Standardでは赤色のシグナル、G Standard

では赤色と黄色(あるいは黒色)のシグナル、T Standardでは4色のシグナルが大きなピークとして観察されます。

Dye Terminator Matrix, TaqTerminator Matrixのボタンを選択した。

T7 Terminator Matrix以外のボタンを選択しているとエラーメッセージが表示され、Matrix fileを作成することができません。

1. T7 Terminator Matrixのボタンを選択していることを確認してからMatrix fileアップデートを実行し

ます。

現象 :Matrix fileアップデート実行時にエラーメッセージが現われる。

アップデートをしていないDYEnamicET Terminators あるいはBigDyeのMatrix fileを選択した。

アップデートをしていないMatrix fileやBigDyeのMatrixfileでもシークエンス解析はできますが、シグナルの重なりが多く、正しい塩基配列が表示されません。

1.アップデートしたMatrix file;DYEnamic ET Terminatorsを選択してシークエンス解析を行います。

現象:シークエンス反応をしたサンプルのシークエンス解析をしたら、シグナルの重なりが多く、正しく解析できなかった。

解決法原因

解決法原因

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― 13 ―

マトリックス設定 

ABI 3100

はじめに・・・・・・

このキットを初めて使用する場合には、ABI PRISM 3100用のMobility fileをインストールし、Spectral Calibrationを行なう必要があります。

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用

初期設定マニュアル(ABI PRISM 3100用)

初期設定の作業フロー

初期設定はMobility fileをシークエンサー付属のコンピューターにインストールし、Matrix Standardsを泳動して得られたデータでSpectral Calibration Profileを作成することで完了します。このキットで反応したシークエンシングサンプルの泳動と解析には、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用のMobility fileとアップデートされたSpectral Calibration Profileを使用します。

Mobility fileのダウンロード

Mobility fileのインストール

ダウンロードしたファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

Spectral Calibration

装置の操作ガイドに従います。使用するキャピラリー、ポリマーは通常のシークエンシングで使用している条件で問題ありません。

Matrix Standardsの泳動

必要なパラメーターを入力し、泳動します。操作方法は装置に付属の操作ガイドにしたがいます。

Spectral Calibrationの確認

Override matrix

Page 16: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

― 14 ―

マトリックス設定 

ABI

310

0用

準備するもの

Mobility fileのインストール(初回使用時のみ行なう)

● ポリマーがPOP6、キャピラリーが50 cmの場合:「DT3100POP6ET50cm.zip」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

ポリマーがPOP6、キャピラリーが36 cmの場合:「DT3100POP6ET36cm.zip」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

● DYEnamic ET Terminator Matrix Standard for ABI 3100 / 3700(US84001)

● Hi Di Formamide(Applied Biosystems社製:4311320)または、超純水

*1 弊社ホームページからダウンロード(http://www.jp.amershambiosciences.com/products/product_info/et_terminator.asp)※ POP5対応のMobility Fileの用意はございませんのでご了承ください。

ダウンロードした圧縮ファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

圧縮ファイルをダブルクリックすると「WinZip Wizard」が立ち上がり、

ファイルが自己解凍されます。*2

DT3100POP6{ET}50cm.mobまたはDT3100POP6{ET}36cm.mobという名称のファイルが

表示されます。*3

DT3100POP6{ET}50cm.mobまたはDT3100POP6{ET}36cm.mobファイルを

Mobility fileが格納されているフォルダ内に移動します。*4

例:

D:¥Perkin-Elmer¥Abi¥Shared¥Analysis¥Bacecaller¥Mobility

D:¥Appliedbiosystems¥Shared¥Analysis¥Bacecaller¥Mobility

*2 WindowsにはWinZip等の解凍ソフトウェアがインストールされていますが、立ち上がらない場合にはzip形式の圧縮ファイルを解凍するソフトウェアのインストールが必要です。

*3 Mobility fileはET Terminator dye固有の設定値が記載されたファイルです。

*4 Mobility fileの格納場所がわからない場合には、コンピューターにある適当な検索ソフトを使用して、「Mobility」をキーワードにして検索してください。

操作手順

Page 17: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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マトリックス設定 

ABI 3100

Spectral Calibration(キャピラリーの交換ごとに行なう)

1.Matrix Standardsサンプルの準備(1)5 µlのMatrix Standards液にHi Di Formamideまたは超純水195 µlを加え、軽くボルテックス

で攪拌します。

(2)96穴サンプルプレートのA1~H1とA2~H2ポジション、合計16箇所に、上記の希釈液を10 µl

ずつ分注します。

(3)96穴サンプルプレートをプレートアセンブリにセットします。(4)装置にセットするまでは氷冷か冷蔵庫で保存します。

2.装置のセットアップ(1)ABI 3100本体と3100 Data Collectionソフトウェアを起動します。

(2)通常のシークエンスランと同様にポリマー、キャピラリー、バッファーがセットされていることを確認します。

(3)96穴プレートをセットしたプレートアセンブリを装置にセットします。

3.Matrix standardsの泳動以下は3100 Data Collectionソフトウェア上での操作です。

(1)Plate Viewページの中のNewボタンをクリックします。

<Plate Editorダイアログボックスが表示される>

(2)Plate Name欄に任意のプレートネームを入力します。

(3)ApplicationメニューからSpectral Calibrationを選択します。

(4)Plate Typeメニューから96-Wellを選択します。

(5)Finishボタンをクリックします。

<Plate Editorスプレッドシートが表示される>

(6)A1からH2まで、合計16個のSample Name欄に任意のサンプル名を入力します。

(7)《重要!》Dye SetメニューからFを選択します。

(8)Spectral Calibration Run Moduleメニューからキャピラリーサイズにあわせて以下のラン

モジュールを選択します。

・36 cmキャピラリー:Spect36_POP6DefaultModule

・50 cmキャピラリー:Spect50_POP6DefaultModule

(9)《重要!》Spectral Calibration ParametersメニューからSeqStd{AnyDyeSet}.parを選択し

ます。

(10)OKボタンをクリックします。

<しばらくするとPlate SetupページのPending Plate Recordsテーブルが表示される>

(11)通常のシークエンシングランと同じ操作に従って、泳動開始します。<40~70分の泳動後自動的にキャリブレーションが行われ、Spectral Calibration Resultの

ダイアログボックスが表示される>

(12) Calibrationが終了すると、OKボタンがアクティブになります。

操作手順

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12A

B

C

D

E

F

G

H

XXXXXXXX

XXXXXXXX

Hi Di Formamideまたは超純水に溶解し

たMatrix Standardsをヒートショック

(熱変性)する必要はありません。

Page 18: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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マトリックス設定 

ABI

310

0用

操作手順

4.Spectral Calibrationの確認キャリブレーションが終了した時点で、全てのキャピラリーについてSpectral Profileを確認します。

(1)FileメニューからOverride Spectral Calibrationを選択します。

<Select the dye set to displayのダイアログボックスが表示される>

(2)メニューバーからFを選択し、OKボタンをクリックします。

<Spectral Calibration Profile for Fというダイアログボックスが表示される>

(3)全てのキャピラリーのSpectral Calibration Profileを確認してSpectral Profileが上図のような結

果になっているか確認します。

(4)必要であればデータの置き換え(下記 5.Override matrix)を行います。

5.Override matrix(1)置き換えを行うキャピラリーのProfileを選択した状態でOverride matrix from another source

中のFrom Capillaryボタンをクリックします。

(2)置き換えに使用するキャピラリーのProfileを選択してOverride capボタンをクリックします。

6.Spectral Calibration DataについてSpectral Calibration Dataは下記のフォルダー等に保存されます。Spectral Calibration Dataはキャリブレーションを行

うごとに更新されます。

例:

D:¥Perkin-Elmer¥Abi¥3100¥DataCollection¥SpectralCalLogs

D:¥Appliedbiosystems¥3100¥DataCollection¥SpectralCalLogs

全ての作業が終了した時点でフォルダー

のバックアップをとっておくことをおすす

めします。

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― 17 ―

マトリックス設定 

ABI 3700

はじめに・・・・・・

このキットを初めて使用する場合には、ABI PRISM 3700用のMobility fileをインストールし、Spectral Calibrationを行なう必要があります。

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用

初期設定マニュアル(ABI PRISM 3700用)

初期設定の作業フロー

初期設定はMobility fileをシークエンサー付属のコンピューターにインストールし、Matrix Standardsを泳動して得られたデータでSpectral Calibration Profileを作成することで完了します。このキットで反応したシークエンシングサンプルの泳動と解析には、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit用のMobility fileとアップデートされたSpectral Calibration Profileを使用します。

Mobility fileのダウンロード

Mobility fileのインストール

ダウンロードしたファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

Spectral Calibration

装置の操作ガイドに従います。使用するキャピラリー、ポリマーは通常のシークエンシングで使用している条件で問題ありません。

Matrix Standardsの泳動

必要なパラメーターを入力し、泳動します。操作方法は装置に付属の操作ガイドにしたがいます。

Spectral Calibrationの確認

Override matrix

Page 20: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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マトリックス設定 

ABI

370

0用

準備するもの

Mobility fileのインストール(初回使用時のみ行なう)

● POP5の場合:「DT3700POP5ET.zip」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

POP6の場合:「DT3700POP6ET.zip」圧縮ファイル(自己解凍形式)*1

● DYEnamic ET Termiantor Matrix Standard for the ABI 3100 / 3700 (US84001)

● Hi Di Formamide(Applied Biosystems社製:4311320)、または超純水

*1 弊社ホームページからダウンロード(http://www.jp.amershambiosciences.com/products/product_info/et_terminator.asp)

ダウンロードした圧縮ファイルを装置付属のコンピューターにコピーします。

圧縮ファイルをダブルクリックすると「WinZip Wizard」が立ち上がり、ファイルが自己解凍されます。*2

DT3700POP5{ET}.mobまたはDT3700POP6{ET}.mobという名称のファイルが表示されます。

DT3700POP5{ET}.mobまたはDT3700POP6{ET}.mobファイルをMobility fileが格納されている

フォルダ内に移動します。*4

例:

D:¥Prekin-Elmer¥Abi¥Shared¥Analysis¥Bacecaller¥Mobility

D:¥Appliedbiosystems¥Shared¥Analysis¥Bacecaller¥Mobility

*2 WindowsにはWinZip等の解凍ソフトウェアがインストールされていますが、立ち上がらない場合にはzip形式の圧縮ファイルを解凍するソフトウェアのインストールが必要です。

*3 Mobility fileはET Terminator dye固有の設定値が記載されたファイルです。

*4 Mobility fileの格納場所がわからない場合には、コンピューターにある適当な検索ソフトを使用して、「Mobility」をキーワードにして検索してください。

操作手順

Page 21: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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マトリックス設定 

ABI 3700

Spectral Calibration(キャピラリーの交換ごとに行なう)

1.Matrix Standardsサンプルの準備(1)Matrix Standardチューブを軽く遠心してサンプル(40 µl)をチューブの底に集めます。

(2)Matrix Standardチューブに360 µlのHi Di Formamideまたは超純水を加え、軽くボルテックス

して攪拌します。

(3)計400 µlのMatrix Standard サンプルを0.2 mlチューブ 2本に200 µlずつ分注し、装置にセッ

トするまで氷冷か冷蔵庫で保存します。

2.装置のセットアップ(1)ABI 3700本体と3700 Data Collectionソフトウェアを起動します。

(2)通常のシークエンスランと同様にポリマー、バッファーがセットされていることを確認します。(3)分注済みのMatrix Standard サンプルを装置(Right-Barの9と10のポジション)にセットします。

3.Matrix standardsの泳動以下は3700 Data Collectionソフトウェア上での操作です。

◆POP5使用の場合(1)ABI 3700 Data Collectionソフトウェアを起動し、Run Setupページ中のSpectral Runボタン

をクリックします。

<Select the calibration module and dye setのダイアログボックスが表示される>

(2)《重要!》メニューバーから下記の設定を選択します。Calibration Module : SpectSQ1_1POP-5DefaultModule

DyeSet : F

Parameter : SeqStd(AnyDyeSet).par

(3)OKボタンをクリックします。

<Run Setupページ中のRun Tableにspectral runがリスト表示され、Start Runボタンがアクティ

ブになる>

(4)Start Runボタンをクリックして泳動を開始します。

<泳動終了後、自動的にCalibrationが行なわれ、Spectral Calibration Resultのダイアログボッ

クスが自動的に表示される>

<キャリブレーション解析が終了すると、OKボタンがアクティブになる>

(5)OKボタンをクリックして終了します。

◆POP6使用の場合(1)ABI 3700 Data Collectionソフトウェアを立ち上げ、Instrument UtilitiesメニューからModule

Editorを選択します。

(2)Othersタブ中のSpectSQ1_1POP6-DefaultModuleを選択しパラメータを表示させます。

(3)Run Timeパラメータの数値を2700secから4000secに書きかえます。

(4)Save AsボタンをクリックしてSpectSQ1_1POP6-Extendedというモジュール名を入力します。

(5)OKボタンをクリックして保存し、Doneボタンをクリックします。

(6)Run Setupページ中のSpectral Runボタンをクリックします。

<Select the calibration module and dye setのダイアログボックスが表示される>

操作手順

LEFT BAR RIGHT BAR

9 10

Hi Di Formamideまたは超純水に溶解し

たMatrix Standardsをヒートショック

(熱変性)する必要はありません。

Page 22: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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マトリックス設定 

ABI

370

0用

(7)《重要!》メニューバーから下記の設定を選択します。Calibration Module : SpectSQ1_1POP6-Extended

DyeSet : F

Parameter : SeqStd(AnyDyeSet).par

(8)OKボタンをクリックします。

(9)以降は前項◆POP5使用の場合の(3)からの操作を行います。

4.Spectral Calibrationの確認キャリブレーションが終了した時点で、全てのキャピラリーについてSpectral Profileを確認する。

(1)Data CollectionソフトウェアのData AcquisitionメニューからOverride Spectral Calibrationを

選択します。

<Select the dye set to displayのダイアログボックスが表示される>

(2)メニューバーからFを選択し、OKボタンをクリックします。

<Spectral Calibration Profile for Fというダイアログが表示される>

(3)全てのキャピラリーのSpectral Calibration Profileを確認してSpectral Profileが上図のような結

果になっているか確認します。

(4)必要であればデータの置き換え(下記 5.Override matrix)を行います。

5.Override matrix(1)置き換えを行うキャピラリーのProfileを選択した状態でOverride matrix from another source

中のFrom Capillaryボタンをクリックします。

(2)置き換えに使用するキャピラリーのProfileを選択してOverride capボタンをクリックします。

6.Spectral Calibration DataについてSpectral Calibration Dataは下記のフォルダー等に保存されます。Spectral Calibration Dataはキャリブレーションを行

うごとに更新されます。

例:

D:¥Perkin-Elmer¥Abi¥3700¥DataCollection¥SpectralCalLogs

D:¥Appliedbiosystems¥3700¥DataCollection¥SpectralCalLogs

操作手順

全ての作業が終了した時点でフォルダー

のバックアップをとっておくことをおすす

めします。

Page 23: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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プロトコール

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit

日本語プロトコール

コード番号 US81050 (100反応)

US81060 (1,000反応)

US81070 (5,000反応)

1. キット内容 .........................................................................................22

2. 品質管理..............................................................................................22

3. 使用上の注意 ......................................................................................22

4. キットに含まれていない試薬 ............................................................23

5. DYEnamic ET Terminator キットについて.....................................24

6. 重要ポイント.......................................................................................24

7. プロトコール.......................................................................................25

8. 簡易プロトコール ...............................................................................28

9. 参考資料..............................................................................................29

10. トラブルシューティング.....................................................................33

11. 参考文献..............................................................................................34

目次

Page 24: DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kit...―3 ― マトリックス設定 ABI 373 / 377 用 操作手順 通常のシークエンスランの手順で泳動開 始します。操作手順はそれぞれの装置に

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プロトコール

1. キット内容

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitは、各試薬について十分な検討を行い、弊社の基準に適合する最高のシーク

エンシング結果が得られるよう調製されています。ご使用の際には、必ずキットに含まれている試薬を使用してください。

内容(US81050)

● Sequencing reagent premix

● Control DNA(M13 mp18) 50 µl (0.2 µg / µl)*

● Control primer(universal cycle primer : 23 mer) 100 µl (0.5 pmol / µl)*

5'-GTTTTCCCAGTCACGACGTTGTA-3’

● sodium acetate / EDTA buffer (1.5 M sodium acetate >pH 8、250 mM EDTA)

● Formamide loading dye

* US81060、US81070には含まれていません。

※ キットに含まれている試薬はすべて-15~-30 ℃で保存してください。※ 保存の際には、霜取り機能のない冷蔵庫に入れてください。※ 冷凍庫から取り出した試薬は、氷上で取り扱ってください。※ キットを2~4 ℃で保存する場合には、3か月以内に使用するようにしてください。※ キットの内容、コード番号は予告なく変更される場合があります。

2. 品質管理

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitは、すべてのバッチについて後述のプロトコールに準じた品質検査を行ってい

ます。Model 373またはABI PRISM 377 DNA Sequencerで泳動して、シグナル精度や質を評価し500 base以上の塩基配列

が解析可能であることを確認しています。

3. 使用上の注意

注)この製品は試験研究用製品ですので、ヒトあるいは動物の疾患診断用としては使用できません。ヒトや動物への投与は絶対に

行わないでください。

製品にはホルムアミドが含まれています。取り扱いの際には、英文プロトコール中の「Material Safety Data Sheet」をご覧ください。

※ 化合物はすべて有害であるとお考えください。※ 本製品は化合物の持つ危険性について基本的な知識のある方以外は取り扱わないでください。※ 実験中は、研究用作業着、保護メガネ、保護手袋などの適切な保護着を着用し、皮膚または眼球等に直接触れないように注意してください。皮膚または眼球等に触れた場合は、直ちに水で洗い流してください(詳しくは英文プロトコール中の「Material Safety Data Sheet」をご覧ください)。

●本プロトコールではエタノールを使用する場合があります。

注)エタノールは引火性です。

●ゲル試薬にはアクリルアミドが含まれていることがあります。

注)アクリルアミドは有害であり、発ガン性および神経毒性の危険があります。

製品の安全な取り扱いおよび使用方法については、英文プロトコール中の「Material Safety Data Sheet」にしたがってください。

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プロトコール

4. キットに含まれていない試薬・器具

●水

蒸留した脱イオン水(DDW)

●シークエンシングプライマー

鋳型に特異的なプライマーが必要です。ほとんどのシークエンシング反応では、各反応に約5 pmolのプライマーを用います。プラ

イマーの濃度は260 nmの吸光度(OD260)から求めることができます。プライマーの塩基数をNとした場合、おおよその濃度

(pmol / µl)は以下の式によって求められます。

濃度(pmol / µl)=OD260(0.01×N) *N=塩基の数

●ミネラルオイル

サーマルサイクラーでミネラルオイルを必要とする場合には用意してください。

●エタノール(100 %および70 %)

サンプル精製用

注) 変性アルコールは使用しないでください。

● AutoSeq G-50(27-5340-01)サンプル精製用マイクロスピンカラム

未反応ダイターミネーターを、エタノール沈殿操作をしないで除くために使用します。

● 10 mM EDTA溶液

AutoSeq G-50を使用する場合に使います。電気泳動グレードのNa2・EDTA 372 mgを80 mlの超純水に溶解し、NaOHでpH

を8.0に調整した後、超純水で100 mlにメスアップしてオートクレーブします。

●ゲル試薬(ABI Model 373およびABI PRISM 377使用の場合)シークエンシング用のゲルは泳動装置のメーカーが推奨する方法に従って作製してください。試薬はすべて電気泳動グレードのも

のを使用してください。

必要な器具

●バイアル、ピペット、微量用遠心機、真空遠心乾燥機

シークエンシング反応にはサーマルサイクラーに適したプラスチック製の微量用遠心チューブを使用してください。

●装置

本キットはABI Model 373 DNA Sequencer, ABI PRISM 377 DNA Sequencer, ABI PRISM 310 Genetic Analyzer,ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer, ABI PRISM 3700 DNA Analyzerで使用するためにデザインされています。

●サーマルサイクラー

50~96 ℃の間で周期的に温度変化を行うことが可能であるものが必要です。

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プロトコール

5. DYEnamic ET Terminator キットについて

ダイターミネーター

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitは新開発の蛍光標識デオキシヌクレオチドとThermo Sequenase II DNA

ポリメラーゼを使用しているのが特色です。ddNTPは2つの蛍光によって標識されています。その1つであるフルオロセインはシーク

エンサー装置のArレーザー(488 nm)によって励起されます。Donor dyeであるフルオロセインは入射レーザー光からエネルギー

を集め、そのエネルギーはAcceptor dyeにEnergy Transferされます。ddG、ddA、ddT、ddCの4種類のダイターミネーター

はDonor dyeとAcceptor dyeの組合せが異なっています。Acceptor dyeがそれぞれ特異的な波長で光を放出するため、各ヌク

レオチドはシークエンサーによって別々に認識、検出されます。Acceptor dye はレーザーによって直接励起する場合よりも(1~

3)、Energy Transferされることでより高い蛍光強度を得ることができます(4)。そのため、シークエンシング法がより高感度にな

り、強力な手法となります。

Acceptor dyeとしては、Taq dye terminator法で使用されている蛍光と同じrhodamine dye (rhodamine 110,

rhodamine-6-G,tetramethly rhodamine、rhodamine X) が使用されています。Acceptor dyeとして標準的なrhodamine

を使用することにより、初期の Taq dye terminatorを使用しているシークエンサーでも検出することができます。

このキットはdITPを使用しています。dGTPの代わりにdITP を使用することによって、鋳型DNAコンプレッションの影響を弱め、

シークエンスデータをより確実に得ることができます。

酵素

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitの2つめの特色としては、Thermo Sequenase II DNA ポリメラーゼとい

う新しい酵素を使用している点があげられます。この酵素は効率的かつ強力なシークエンシング酵素として働く特性があります(5)。

高塩濃度下の耐性に優れ、dITP を効果的に取り込むため高いサンプル処理能力を持ち、GCリッチな鋳型DNAのシークエンシング

においても優れたパフォーマンスを発揮します。

サイクルシークエンシング反応は、大量のDNAシークエンシング反応産物を得るために鋳型DNAの熱変性、プライマーのアニーリン

グおよび基質の重合化の3つサイクルを繰り返し行います。1つのプライマーから増幅されるため、反応産物の量はサイクル数に比例

して増加します(6~11)。

6. 重要ポイント

最良のシークエンシング結果を得るため、製品を使用する際には下記の事項に注意してください。

1. マグネシウムイオンはDNAポリメラーゼを活性化するために不可欠です。鋳型DNAやプライマーを溶解する際には、脱イオン

蒸留水(DDW)または0.1 mM以下のEDTAを含むバッファーを使用してください。鋳型DNAまたはプライマーに大量のEDTA

が含まれている場合は、シークエンスデータのシグナル強度の低下、解析長の短縮、あるいはピークの均一性の低下などの原因

となります。

2. 20 µl反応溶液に8 µlのプレミックスを使用してください。

3. シークエンシングサンプルをエタノール沈殿精製する際に使用する塩は、必ずキットに添付されているsodium acetate / EDTA

bufferを使用してください。このバッファーを用いることによって未反応のダイターミネーターの量を効果的に減らすことができま

す。このバッファーには1.5 M酢酸ナトリウム >pH 8、250 mM EDTAが含まれています。

4. サイクル反応の熱変性ステップは延長しないでください。熱変性ステップを95 ℃で1分間以上続けると、酵素が失活しやすくなり、シグナル強度が低下する原因になります。

5. Thermo Sequenase II DNAポリメラーゼを用いた場合には伸長ステップの時間を4分間以内、温度を60 ℃以上にすることが可能です。60 ℃、1分間が推奨条件ですが、70 ℃、15秒の条件でも良好な結果が得られています。

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プロトコール

7.プロトコール

※ キットを使用する際には、使用方法にしたがってください。※ このプロトコールはあくまでも初期段階の設定条件であり、すべてのサンプルにおいて最適なプロトコールであるというわけではありません。DNA調製法や塩基配列によって条件検討が必要な場合もあります。

1)Preparation of the sequencing reaction1.反応液の調製

2.(必要な場合には、ミネラルオイルを加えて)サーマルサイクラーにセットしてください。

注)サイクル反応の最初に、長時間の熱変性ステップは加えないでください。*5

95 ℃ 20 sec

50 ℃*6 15 sec ×25~30 cycles

60 ℃*7 1 min

*1鋳型DNAとプライマーは水または0.1 mM以下のEDTAバッファーに溶解してください。水に溶解することができない場合には、10 mM Tris-HCl (pH 8.5),0.1 mMEDTAに溶解してください。(注:通常のTEバッファーよりもEDTAの濃度が低くなっています。) EDTAが含まれているバッファーで溶解した鋳型DNAやプライマーを使用した場合には、シークエンシング反応を阻害します。

*2一般的には0.1~0.2 pmol(およそ150~300 ngのプラスミドDNAまたはM13)によって良好なシグナル強度を得ることができます。DYEnamic ET Terminatorキットの感度は少量の鋳型によるシークエンシングを可能にします。通常のシークエンシング反応にはおすすめしませんが、M13mp18では、10 ng(4 fmol)でも十分良好なな結果が得られることを確認しています。

*3プライマーは各反応で3~5 pmolを使用してください。

*4鋳型を過剰に使用するとシグナル強度は高くなりますが、スクリーンイメージ上のシークエンスデータのシグナルが強すぎて、塩基配列の読み誤りを引き起こす原因となります。ゲルイメージが明るすぎて、シグナル強度が1,000程度の場合には、(1)使用する鋳型量を減らす、(2)サイクル数を減らす、(3)ゲルにロアプライする量を減らすなどしてください。DYEnamic ET Terminator キットは使用するサンプル量が少量ですむため、シークエンシング反応に不都合なサンプルが持ち込まれる可能性が少なく、シークエンシング反応において有効です。

*5反応サイクルに95 ℃、1分間以上の熱変性ステップを加えることは避けてください。シークエンスデータのシグナルが弱くなります。

*6アニーリング温度の選択はプライマーの長さや塩基配列に依存します。一般的に45 ℃~55 ℃が適温です。Tm値が高いプライマーの場合には、変性ステップと伸長ステップの温度を交互に行う2ステップサイクル法が有効な場合もあります。

*7 Thermo Sequenase II DNAポリメラーゼの特徴の1つは、以前のDNAシークエンシング酵素に比べて高温で素早くdITPを取り込むという点です。ThermoSequenase II DNAポリメラーゼは、伸長反応ステップを15秒に短縮したり、70 ℃で行った場合にも有効に働きます。

DNA(0.1~0.2 pmol)*1, 2, 4 x µl

プライマー(5 pmol)*1、3 y µl

プレミックス 8 µl

H2O z µl

Total 20 µl

〈キット中のコントロールDNAで反応する場合〉

M13mp18コントロールDNA(200 ng) 1 µl

プライマー(2 pmol)*1 4 µl

プレミックス 8 µl

H2O 7 µl

Total 20 µl

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プロトコール

2)Post reaction clean-up※未反応のダイターミネーターの除去はAutoSeq G-50による精製、またはエタノール沈殿法で行なってください。

AutoSeq G-50による精製

カラムのキャップを開けて10 mM EDTA溶液を100 µl添加する。↓キャップを締めてレジンを完全に懸濁する。↓キャップをゆるめ、カラムの先端を折る。↓カラムを1.5 mlチューブに入れ、室温で1分間遠心する(2,000×g)。↓カラムを新しい1.5 mlチューブに移しかえてサンプルを添加する。↓室温で1分間遠心します(2,000×g)。↓精製されたDNAはチューブに溶出する。

ABI Model 373、ABI PRISM 377で泳動する場合AutoSeq G-50からの溶出液を、ドライアップ後、キット付属のFormamide loading dyeに溶解してアプライしてください。

ABI PRISM 310で泳動する場合AutoSeq G-50からの溶出液を、そのままインジェクトしてください。ドライアップとサンプルバッファーへの溶解操作は必要ありません。(ドライアップ後、サンプルバッファーに溶解してインジェクトしてもパフォーマンスはほとんど変わりません。)

ABI PRISM 3100 / 3700で泳動する場合AutoSeq G-50からの溶出液をドライアップ後、脱イオンホルムアミド又は超純水12~25 µlに溶解してインジェクトしてください。

エタノール沈殿法

(ミネラルオイルが含まれないように)反応溶液 20 µlを新しいチューブに移す。↓

チューブに2 µlのsodium acetate / EDTA buffer*1を加えて混合する。↓

チューブに80 µlの95 %エタノールを加える (最終濃度75 %)*2。↓

溶液をボルテックスで混合し、室温で15分間置きDNAを沈殿させる。↓

微量遠心機によって12,000 rpm、15分、4 ℃または室温で遠心する*3。↓

遠心後、アスピレーターでできる限り上清を取り除く*4。↓

250~500 µlの70 %エタノールを加えてDNAペレットを洗浄した後、短時間 (3~5分間)遠心する*5。↓

上清を取り除き、2~5分間ペレットを乾燥させる*6。↓

ペレットを指定のローディングバッファーに溶解する*7。373、377では4 µlのFormamide loading dyeに溶解310では12~25 µlのTSR液に溶解3100、3700では12~25 オlの脱イオンホルムアルデヒドまたは超純水に溶解↓

溶解したサンプルをアプライ(インジェクト)する。373では全量(4 µl)をアプライ377では1.5~2 µlをアプライ310、3100、3700では全量(12~25 µl)をインジェクト

*1 エタノール沈殿にはキットに添付されているsodium acetate / EDTA bufferを必ず使用してください。未反応のダイターミネーターの量を効果的に減少させ、プライマー付近や近接したレーンのシークエンスデータの結果を歪める原因となるdyeの塊を除去することができます。キットに含まれているsodiumacetate / EDTA bufferには1.5 M 酢酸ナトリウム >pH 8,250 mM EDTAが含まれています。sodium acetate / EDTA bufferとエタノールを別々に反応溶液に加えてください。

*2 反応溶液中のエタノールの濃度を75 %にすることが重要です。エタノールの濃度が低い場合(70 %程度)にはシグナルが弱くなり、高い場合(80 %程度)にはシークエンスデータに未反応のdyeの塊が現れます。

*3 96穴または384穴マイクロタイタープレートを使用する場合には、2,500×g以上で30分間以上遠心してください。

*4 マイクロタイタープレートを使用する場合は、プレートを裏返して300×gで1分未満遠心すると上清を効率よく除去できます。

*5 96穴プレートでは100 µl、384穴プレートでは50 µlの70 %エタノールを使用します。

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プロトコール

3)Gel electrophoresis and Data analysisシークエンサーマニュアルを参考にして下記の設定を行い泳動、解析します。

【ABI 310の場合】

◎サンプルシート

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term.POP6Matrix file:DYEnamic ET Terminators

◎インジェクションリスト

Run Module:Seq POP6****AまたはSeq POP6****E

Instrument File:DYEnamic ET Terminators

(****にはキャピラリーの種類が入ります。AまたはEはフィルターセットの種類を表します。)

※必ずMatrix Standardsを泳動したときと同じフィルターセットを選択します。

○ サンプルマネージャー

Basecaller:ABI-CE1*

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term.POP6Matrix file:DYEnamic ET Terminators

*ABI-CE1を選択してBasecallingがうまく解析できない時には、ABI-CE2を選択して再度解析するとうまくいく場合があります。

【ABI373/377の場合】

◎サンプルシート

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term. (US80872)

Matrix file:DYEnamic ET Terminators

◎ランファイル

Run Module:Seq Run ××A-****またはSeq Run ××E-****

Instrument File:DYEnamic ET Terminators

(××にはゲルの長さ、****には泳動スピードが入ります。AまたはEはフィルターセットの種類を表します。)

※必ずMatrix Standardsを泳動したときと同じフィルターセットを選択します。

○サンプルマネージャー

DyeSet/Primer file:DYEnamic ET Term. (US80872)

Matrix file:DYEnamic ET Terminators

【ABI 3100の場合】

◎ Plate Editor

DyeSet:F

Mobility File:DT3100pop6{ET}50cm.mob または、DT3100pop6{ET}36cm.mob

【ABI 3700の場合】

◎ Plate Editor

DyeSet:F

Mobility File:DT3700pop5{ET}.mob または、DT3700pop6{ET}.mob

*6 ペレットを乾かし過ぎないでください。風乾させるのが最適です。

*7 長い塩基配列を得るためには、DNAをloading dyeに完全に溶解することが重要です。エタノール沈殿や洗浄のステップの遠心操作をアングルローター式の遠心機で行う場合、DNAペレットがチューブの片側に位置するように遠心してください。ペレットはできるだけロスが少なくなるように、洗浄はチューブの底で行ってください。ボルテックス (10~20秒間)をかけて、ペレットを完全にloading dyeに溶解します。その後短時間遠心してサンプルをチューブの底に集めます。

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プロトコール

8.簡易プロトコール

プレミックス 8 µl

DNA(0.1~0.2 pmol) x µl

プライマー(5 pmol) y µl

H2O z µl

Total 20 µl

↓←必要ならばミネラルオイル 10 µl

↓サーマルサイクラーへ

95 ℃ 20 sec

50 ℃ 15 sec ×25~30 cycles

60 ℃ 1 min

(AutoSeq G-50による精製)

カラムのキャップを開けて10 mM EDTA溶液を100 µl添加↓キャップを締めてレジンを完全に懸濁↓キャップをゆるめ、カラムの先端を折る↓カラムを1.5 mlチューブに入れ、室温で1分間遠心(2,000×g)↓カラムを新しい1.5 mlチューブに移しかえてサンプルを添加↓室温で1分間遠心(2,000×g)↓精製されたDNAはチューブに溶出

373・377では溶出液を、ドライアップ後、キット付属のFormamide loading dyeに溶解してアプライ310では溶出液を、そのままインジェクト3100・3700では溶出液をドライアップ後、脱イオンホルムアミド又は超純水12~25 µlに溶解してインジェクト

(エタノール沈殿方法による精製)

(ミネラルオイルを含まないように)反応液 20 µlを新しいチューブへ移す↓←sodium acetate / EDTA buffer 2 µl↓←95 % エタノール 80 µl(終濃度75 %)↓室温 15~20分間↓12,000 rpm、15分遠心 (室温)↓上清を除去↓←70 % エタノール 250~500 µl↓12,000 rpm、3~5分間遠心 (室温)↓上清を除去↓ペレットを乾燥 2~5分間↓ローディングバッファーに溶解

373・377 → Formamide loading dye 4 µl310 → TSR 12~25 µl3100・3700 → 脱イオンホルムアミドまたは、超純水 12~25 µl

↓サンプルをアプライ(インジェクト)

373 → 4 µl(全量)377 → 1.5~2 µl310、3100、3700 → 12~25 µl(全量)

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プロトコール

9. 参考資料

1)鋳型DNAについて鋳型の量

本プロトコールは、0.1~0.2 pmolの鋳型DNAを使用した場合に、最良の結果が得られるよう作成されていますが、これはあくま

でもひとつのガイドラインとしてお考えください。DYEnamic ET Terminatorsは蛍光強度が高く、取り込み効率も高いため、幅

広い鋳型DNA量で良い結果が得られる場合があります。例えば、10~10,000 ng(4 fmol~4 pmol)の精製済みM13mp18

DNAを使用し、良好な結果が得られました(ABI PRISM 377使用)。ただし、通常のシークエンス反応は、前述のガイドラインに

したがってください。

次に示す数式は、シークエンス反応に至適な二本鎖の鋳型の量(0.15 pmol)を算出する際に有効です。

使用する鋳型の量(ng)=鋳型DNAの総塩基数(bp)×0.1

例えば、ベクターとインサートを含めた全長が3,800 bpの典型的なプラスミドを鋳型DNAとする場合、380 ng使用した際に最

良の結果が得られます。この鋳型DNAの使用推奨範囲は250~500 ng(0.1~0.2 pmol)です。

以下のグラフには鋳型DNAの長さと推奨する鋳型DNAの量を示しています。

140

200 400 600 800 1,000

120

100

80

60

40

20

0

DN

A量

(ng)

鋳型の長さ(bp)

短鎖のPCR産物(<1,000 bp)を鋳型にする場合

1,400

1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

1,200

1,000

800

600

400

200

0

DN

A量

(ng)

鋳型の長さ(bp)

プラスミドまたは長鎖のPCR産物(>1,000 bp)を鋳型にする場合

鋳型DNAの量が極端に少ない場合、シグナルが弱くなり(シグナル強度<50)、ベースコールがうまくいかず、解読できる塩基数

が少なくなる可能性があります。それとは逆に、過剰の鋳型DNAを用いた場合、シグナルが非常に強くなり(シグナル強度>

1,500)、ソフトウェア上の判読ミスを隠してしまう可能性があります。さらに、過剰の鋳型DNAはプレミックス中のヌクレオチド

を使い果たしてしまうので、解読できる塩基数が短くなる可能性もあります。特に、短鎖のPCR産物を鋳型にする場合に過剰の鋳

型DNAが問題となります。

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プロトコール

鋳型DNAの希釈用推奨バッファー

鋳型DNAは、水、または0.1 mM未満のEDTAを含むバッファーで希釈します。適切なバッファーの組成は10 mM Tris-HCl

(pH 8.5)、0.1 mM EDTAです。このバッファーのEDTA濃度は通常のTEバッファーより低いのでご注意ください。鋳型または

プライマーの懸濁液中に存在する過剰なEDTAは、マグネシウムイオン濃度の低下を招き、シークエンス反応を阻害する結果にな

りますので避けてください。

鋳型DNAの調製

DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitでのシークエンス反応には、さまざまな方法または市販品を用いて調製し

たDNAを鋳型としてご使用いただけます。

・一本鎖プラスミドDNAの調製

M13ベクターまたはハイブリッドプラスミド-ファージ(ファージミド)ベクターから既存の方法により、一本鎖DNAを調製して

ください(12、13)。

・二本鎖プラスミドDNAの調製

二本鎖の鋳型DNAの調製も既存の方法で行なってください。アルカリ変性の必要はありません。塩化セシウム(caesium

chloride)平衡密度勾配遠心法、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿法、ガラスへの吸着、カラム精製法などで精製した

DNAを鋳型としてご使用いただけます。この反応系で必要なDNAは非常に少量であるため、不純物を含んだDNAを使用した場

合にも十分ではありませんがシークエンス結果が得られます。培養液からのプラスミド精製法は多数ありますが、弊社ではボイリ

ング法(14、15)、アルカリミニプレップ法(16、17)において良好な結果を得ています。

2)プライマーについてプライマー量

このプロトコールによる至適プライマー量は5 pmolです。プライマー量が少なすぎる場合、シグナルが弱くなる可能性があります。

プライマー量が多すぎる場合、非特異的なプライミングが起こる可能性があり、バックグラウンドが高い、またはシグナルが重なる

という結果を招きます。さらに、プライマー量が多すぎた場合、特にプライマー直後(50~200 bp)で強いピークの後に突如弱

いピークが現れる現象(cliff effect)が生じる場合があります。これは、シークエンス反応中に増幅された産物がサイクルを通し

てさらに増幅され、反応液中のフリーのヌクレオチドを使い切ってしまう結果起こる現象です。

反応を開始する前にプライマー濃度を正確に測定し、各反応に5 pmolずつ使用してください。シークエンス用プライマー濃度の測

定方法を以下に説明します。

滅菌水かEDTA濃度が0.1 mM以下のバッファーにプライマーを溶解し、260 nmでの吸光度(OD260)を測定します。N塩基の

プライマーであれば、以下の公式でおおよその濃度(pmol / µl)を求めることができます。

プライマー濃度(pmol / µl)=OD260 /(0.01×N) *Nは塩基数

シークエンス用プライマーのデザイン

プライマーの融解温度(Tm値)と特異性は、その長さと配列に依存します。このプロトコールの推奨温度でPCR反応を行なう場

合、18~25 merのプライマーをご使用ください。プライマーの配列は、特にプライマーの3'末端側での自己アニーリングやヘアピ

ン構造を形成しやすい配列を避けるようご検討ください。ベクター内や既知配列内でのプライミングの可能性についても検索してく

ださい。プライマーは3'末端側で特異的にアニールすることが大切です。

3)希釈と反応ボリュームの縮小DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitはさまざまな状況下で最強のパフォーマンスを提供できるよう設計されてお

ります。プレミックスはThermo Sequenase II DNAポリメラーゼ用に調製されており、開発の段階から至適反応条件について

も検討を重ねています。

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プロトコール

至適反応条件は以下の通りです;

1)DNAポリメラーゼの安定性と活性を保つバッファー濃度が維持されている。

2)反応が進むのに十分な量のポリメラーゼ、コファクター、基質が存在している。

3)シークエンス反応液量が蒸発を考慮に入れた十分な量である。

このプロトコールの前半でも述べたように、DYEnamic ET Terminator Cycle Sequencing Kitでは、プレミックス8 µl、反応

ボリューム20 µlの系で反応を行なった際に最も均一性のあるピークが得られます。通常の使用ではこれが推奨条件であり、状況に

合わせて条件をカスタマイズする際もこの条件を至適化のスタートポイントにしてご検討ください。

ピークの均一性を多少犠牲にしても、経済性に重点をおかれる場合には、DYEnamic ET Terminator Dilution Bufferをご使用

ください。この希釈バッファーを使用すると、反応バッファーの塩濃度、金属イオンや安定剤などの状態を適切に保ったままプレミッ

クスを希釈して使用することができます。使用可能な希釈倍率に関しては、シークエンス結果の精度について検討をしていただいた

上でご判断ください。

注)DYEnamic ET Terminator Dilution Bufferは本キットには含まれませんので、別途ご注文ください(US84002–1MLまたはUS84002–25ML)。DYEnamic ET Terminator Dilution Buffer以外の希釈バッファーはご使用いただけませんのでご注意ください。

◆NOTE◆

DYEnamic ET Terminator Dilution Bufferの推奨条件は×1 / 2希釈です。それ以上の希釈倍率や、DYEnamic ET

Terminator Cycle Sequencing Kitを推奨プロトコール以外で使用した場合については、弊社では対応できない場合がありますの

でご了承ください。

希釈バッファーの使用方法

最良の結果を得るためには、シークエンス反応液中のバッファー成分を適切な濃度に維持する必要があります。20 µlの反応液中に

4 µlのプレミックスと4 µlのDYEnamic ET Terminator Dilution Bufferが含まれるように調製してください。また、20 µlの反

応液中に6 µlのプレミックスと2 µlの希釈バッファーが含まれるよう調製して使用することもできます。この割合で使用すれば、反応

バッファー組成が適切に保たれますので、正常にシークエンス反応を行うことができます(シークエンス結果は鋳型に依存します)。

4)サイクルシークエンスの条件サイクルシークエンス反応における3つのステップ(熱変性、アニーリング、伸長反応の各ステップ)の中で、熱変性が最も重要です。

熱変性

《重要!》95 ℃以上、または30秒以上の熱変性は行なわないでください。サイクルの最初に一般的に追加される長時間の熱変性

は、シークエンス反応には不必要です。このステップを加えた場合、Thermo Sequenase II DNAポリメラーゼによる十分な反

応が行なわれず、シークエンスのシグナル強度が弱くなります。

アニーリング

適切なアニーリング温度はプライマーの長さと配列により変化しますが、45~55 ℃が一般的です。アニーリングはプライマーの長

さが20塩基以下の場合に限り必要です。弊社で検討したところ、このキットの至適アニーリング温度は、他のダイターミネータシ

ークエンスキットの場合より、最大で5 ℃ほど高いという結果が得られています。Tm値の高いプライマーをご使用の場合には、この

ステップは省略が可能であり、熱変性と伸長だけの2ステップサイクルにてシークエンス反応を行なうことができます。

伸長反応

Thermo Sequenase II DNAポリメラーゼは他のDNAシークエンシング用酵素と比較して、迅速にdITPを取り込みますので、

伸長反応を短く設定することができます。至適伸長反応条件は60 ℃、60秒間です。弊社で検討したところ、伸長反応時間を延長

したり、反応温度を上昇させても結果にあまり変化がみられないという結論が得られています。

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プロトコール

サイクル数

弊社で検討したところ、適切な量のプラスミドDNAまたはPCR産物をシークエンスする場合、25~30サイクルの反応で十分であ

るという結果が得られています。通常、これ以上のサイクルは不必要で、アーチファクトを生じる原因となります。Bacterial

Artificial Chromosomes(BAC)のような極端に長いDNAを鋳型にしてサイクルシークエンス反応を行なう場合、サイクル数

を増やすことがよい結果につながる場合もあります。

5)BACや長い鋳型のシークエンス反応BACや10 kbより長い鋳型のシークエンシングは、確実に行なうのが困難な場合があります。このようなシークエンス反応を効率

的に行なうには、十分なシークエンスターゲットを供給するために大量の鋳型DNAが必要になります。例えば、100 kbのBACを

シークエンシングするには、推奨の0.15 pmolの鋳型DNA量とすると10 µgが必要です。また、シークエンス反応の際に大量の

DNAが存在すると、特異的かつ効果的なプライミングが困難になります。

大きな鋳型のシークエンス反応の際、以下の点に注意していただくと改善が見られる場合があります。

① できる限り高度に精製した鋳型DNAを用いてください。高純度BACを鋳型にした場合、簡便法で精製した純度の低いものと

比べるとより均一性のあるピークが得られます。

② 反応には最低でも1 µgの鋳型DNAを用いてください。BACの場合、大量のDNAを精製するのは困難ですが、最低でも1 µg

の鋳型を使用してください。

③ プライマーの量を増やしてください。プライマーの量を増やすことでプライミングの効率を上げることができます(1反応あたり20~50 pmol)。

④ 鋳型DNAを直鎖状にしてください。制限酵素を使って消化したり、機械的に剪断したり、ソニケーションすることにより鋳

型を直鎖化、フラグメント化すると、シークエンス結果が改善される場合があります。

⑤ 鋳型DNAを熱変性してください。プレミックスを添加する前に95~98 ℃で鋳型DNAを5分間熱し、変性してください。この結果、DNAは完全に変性し、プライミング効率が向上します。反応系にプレミックスを添加してからこの作業を行ないます

と、ポリメラーゼが失活し、シグナルが弱くなったり、全く検出されなくなったりします。

⑥ サイクル数を増やしてください。サイクル数を50~100に増やすと、シグナルが強くなります。⑦ 推奨量または二倍量の反応ボリュームで反応を行なってください。推奨の20 µl、または2倍量(16 µlのプレミックスを反

応ボリューム40 µlにて使用)で反応を行なってください。2倍量で反応を行うと、より多くのシークエンス産物が得られます。

6)エタノール沈殿に用いる塩類の変更についてこのキットに含まれるsodium acetate / EDTA bufferを用いてエタノール沈殿を行なうと、最も効率的に未反応ダイターミネーター

を除去することができます。必ずこのバッファーをシークエンス反応液に添加してからエタノールを加えてください(シークエンス反

応液に添加する前にエタノールと混合しないでください)。sodium acetate / EDTA以外の塩類の使用に関して検討した結果を以

下の表に示します。

この表の作成にあたり、さまざまな塩類、エタノール濃度にてエタノール沈殿を行ないました。反応ボリュームは20 µlとし、1 / 10

量(2 µl)の各塩類を添加後、混和し、表中の終濃度になるように95 %エタノールを添加しました。反応液を遠心し、標準的な

プロトコールに従ってリンスしました。「Blobs」とは未反応のダイターミネーターが沈殿し、70 %エタノールによるリンスを行な

っても残ってしまう状態を表します。「Good」はBlobsが観察されない状態で、シークエンスの結果としてはシグナルも強く、予

想したフラグメント長から開始していることを表します。「Delayed」はシークエンスサンプルの沈殿の効率が悪く、シークエンス

の最初の部分ではシグナルが弱いことを表しています。

最終エタノール濃度�添加した塩類 85 % 80 % 75 % 70 % 65 % 60 %1.5 M sodium acetate / 250 mM EDTA Blobs Good Good Good Delayed Delayed7.5 M ammonium acetate Blobs Blobs Blobs Good Delayed Delayed7.5 M ammonium acetate / 60 mM EDTA Blobs Blobs Good Good Delayed Delayed1.5 M sodium acetate Blobs Good Good Delayed Delayed DelayedNo Salt Blobs Blobs Blobs Blobs Blobs Blobs

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プロトコール

10.トラブルシューティング

注) 理想的な条件下では、解析ソフトウェアが示すG、AおよびTのシグナル強度値はほぼ等しく、200~1,000となるはずです。ただし、Cの強度は他の3種類の塩基に比べると弱くなりますが、その場合でも他の3塩基の少なくとも50 %程度の値を示します。シグナル強度が50未満、あるいは2000以上の場合には何らかの問題があると考えられます。

シグナル強度が低い

マトリックスが悪い

マトリックスが間違っている

非特異的なプライマーが結合している

間違ったランモジュールで泳動している

シークエンスが弱い

遠心が不十分

エタノールを加える量が不十分

反応液に過剰のEDTAを加えている

DNAの調製が悪い

酵素が活性を失っている

鋳型DNA量が不十分もしくは、サイクル

数が不十分

プライマーを使用する温度が間違っている

プライマー量が少ない

プライマーが悪い

使用している試薬の量を間違っている

プライマーやDNAを過剰量使用している

伸長が短い

(読み取れる長さが350ベース未満の時)

鋳型DNAが過量である

ピークが広く分解能が劣る

調製したDNAの汚染

ゲルに問題がある

鋳型DNAが過剰である

広いピークが局在している

未使用のターミネーターの除去が不十分

キット付属のスタンダードサンプルによってアップデートした作られたマトリックスファイルを使用して

ください。

泳動したシークエンスサンプルに対して正しいマトリックスファイルを使用しているか確認してください。

シークエンシング プレミックスの処方により、反応産物にプライマーがより能率的にアニーリングする

ようになっています。アニーリング温度を上げるか、アニーリングステップを削除してみてください。

ランモジュールにあったマトリックスファイルを使用しているかどうか確認してください。

エタノール沈殿の際にサンプルを遠心する時間を長くするか、またはより高スピードで遠心してください。

エタノール沈殿時のエタノールの終濃度が75 %であるかどうか確かめみてください。

鋳型DNAとプライマーを超純水に溶解します。

キットに添付されているコントロールDNAを使用して反応を行ってください。

サイクル反応において最初の熱変性ステップは加えないでください。

鋳型DNA量を増やすか、サイクル数を増やしてみてください。

サイクル反応のアニーリング温度を低くしてみてください。

プライマーの推奨量は5 pmolです。

プライマーが二量体やヘアピンなどを形成し、鋳型とのアニーリングを妨げることがあります。別のプラ

イマーを使用してみてください。

容量を確認してください。

反応に加えるDNA量やプライマー量が適当量であるかどうかを確認してください。

過剰量の鋳型DNA、特にPCR産物を過剰に使用した場合にはddNTPが涸渇し、配列が350 baseに達

する前にシークエンスが突然消えてしまうことがあります。この現象は、プライマーを過剰に使用した場

合にも起こります。各シークエンシングに使用する鋳型DNAの量は1 pmol未満、プライマーの量は

5 pmol未満としてください。

伸長反応ステップの時間を2~4分間に伸ばしてみてください。

コントロールDNAで試してみてください。

キットに含まれているEDTAの入ったsodium acetate / EDTA bufferを使用して精製するか、スピンカ

ラムを用いてください。

問題が解消されない場合には、弊社バイオダイレクトラインにお問い合わせください。

解決法原因

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プロトコール

11. 参考文献

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All goods and services are sold subject to the terms and conditions of sale of the company within the General Electric Company group which supplies them. A copy of these terms and conditions is available on request.Thermo Sequenase is a trademark of GE Healthcare Bio-Sciences Ltd or its subsidiaries.ABI PRISM and BigDye are trademarks of The Applera Corporation.GE Healthcare is a trademark of General Electric Company.

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