DCEXPO2013: 2D+3D互換の多重化ディスプレイシステム
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2D+3D互換の多重化ディスプレイシステム
ご挨拶
白井暁彦(Akihiko Shirai) 博士(工学)
神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 准教授
専門:エンタテインメントシステム 【略歴】1996年東京工芸大学工学部写真工学科卒,1998年東京工芸大学大学院工学研究科 画像工学専攻 修士課程修了.キヤノン,キヤノングループゲーム開発社英国クライテリオン勤務を経て東京工業大学大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 博士後期課程,2003年博士(工学) 取得.2003年-2004年 財団法人NHKエンジニアリングサービス・次世代コンテント研究室,2004年末よりフランスに渡り,ENSAM客員研究員.VRエンタテイメントテーマパークの設計に従事.2007年より帰国,日本科学未来館科学コミュニケーター(2008-2010).4Kデジタルシネマ「かぐやの夢」,学生VRコンテストIVRC実行委員,デジタルコンテンツエキスポ「ConTEX」,「国際3Dフェア」実行委員, フランスLaval Virtual ReVolutionチェア. 【主な研究専門分野】 エンタテイメントシステム,コンテンツ工学の研究を中心に,メディアアート,インタラクティブ技術,バーチャルリアリティ,多重化映像システムなどの分野で 技術・作品制作,振興支援を中心に活動している. 著書にWiiリモコンをPCで使うためのプログラミング解説書「WiiRemoteプログラミング」(オーム社). 最新刊「白井博士の未来のゲームデザイン -エンターテインメントシステムの科学-」 (2013/11/18・ワークスコーポレーション発行)
まず結論,
「多重化隠蔽映像」
は
多重の価値を創出する
多重化隠蔽映像技術“Scritter”
1. 多重化隠蔽映像技術の基本 1. 多重化技術=既存3D技術の延長
2. 隠蔽映像技術“ScritterH”
3. 多重化技術の特許
2. 多重化隠蔽映像技術の応用 1. デジタルサイネージ応用
2. 次世代カラオケエンタテイメント
3. ハイブリッドシアター「2X3D」
3. 多重化隠蔽映像技術の未来
1. 多重化隠蔽映像技術の基本
1. 多重化技術=既存3D技術の延長
2. 隠蔽映像技術“ScritterH”
3. 多重化技術の特許
[email protected] ©Scritter Project
基本:3Dディスプレイ互換の映像多重化手法
※偏光による多重化例
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プロジェクタ
スクリーン
L R
直線偏光メガネ
投影画像
R
L
R
L 偏光板
[email protected] ©Scritter Project
L L
多重化映像システム「Scritter」
シンプルかつタンジブルな手法(光学のみ・電気・ソフト不使用)
R R
R L
一般的な3D眼鏡
Scritter用眼鏡
[email protected] ©Scritter Project
Scritter = Screen + Twitter
• 学生『これで映画を見ながらTwitterができる!』
と思ってDCEXPO等で展示してみると…
• 来場者「メガネかけないと両方みえちゃいますよね」
• 学生『くやしい!』 …で、頑張ったらできました。
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差分画像A 隠蔽用画像B
隠蔽画像生成アルゴリズム
画像A 画像B
【特徴】 ・解像度や面積を減らさずに 情報の多重化が行える ・裸眼の視聴者にはAのみ表示 ・偏光板のみで情報の分離 =電気的なデバイス不要
偏光メガネ
[email protected] ©Scritter Project
ScritterH(Hiding:隠蔽)基本原理
任意の裸眼用の画像Aと、隠蔽したい画像Bから、 その差分の画像Cを生成し、BとCを多重投影する。
裸眼ではAが見え、メガネをかけるとBが見える。
裸眼で見たい画像A
メガネをかけた時見たい画像B
裸眼で見える画像A
輝度処理
差分画像C(=A-B)
メガネをかけた時見たい画像B
メガネで見える画像
差分画像A
隠蔽用 画像B
プロジェクター2台
多重化隠蔽画像
偏光板2種
差分画像A 隠蔽用画像B
隠蔽画像生成プログラム 宇津木健,長野光希,谷中一寿,白井暁彦,山口雅浩, 「多重化映像表示における隠蔽映像生成アルゴリズム」, 第15回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集(2010.9.15) ※論文リストは http://blog.shirai.la/publications
[email protected] ©Scritter Project
もっと知りたい方は…
• 論文リスト
– http://blog.shirai.la/publications
• NHK「サイエンスゼロ」2012年11月25日放送 『プロジェクション映像技術の衝撃』にて NHKオンデマンドで観れますよ http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2012037841SA000/
•
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2. 多重化隠蔽映像技術の応用
1. デジタルサイネージ応用
2. 次世代カラオケエンタテイメント
3. ハイブリッドシアター「2X3D」
2-1デジタルサイネージ応用
公共ディスプレイへの個人的情報表示
UbiCode
UbiCode
多重化隠蔽映像のスマホ向け応用
本来、非インタラクティブな デジタルサイネージを 個人ディスプレイにできる技術
UbiCode
コンテンツを阻害しない メニュー表示
プライバシー保護
隠蔽入力画面の利点
メインディスプレイ
隠蔽入力画面
インタラクションF/B
“Parallel Augmented Reality for Audience-Oriented Karaoke Entertainment”
聴衆志向のカラオケエンタテイメントのためのパラレルAR
カラオケ歌詞+ダンスゲーム+カロリー表示
動画URL http://www.youtube.com/watch?v=yvUY-ZJkwPc
Fil-Con
ディスプレイに電源を用いない
大画面である
耐久性が高い
Fil-Conの利点
多重化隠蔽された画面での使用を目的としたデバイス, 隠蔽された画面で操作を
行うことができる
レーザー加工による プロトタイピング
エンタテイメント
ユーザーA
ユーザーB
ユーザーC
多重化カラオケエンタテイメントシステム
エンタテイメントの享受を 参加者全体が受けられる
A B C
歌唱者
ダンサー
2-3 ハイブリッドシアター[2x3D]
ハイブリッドシアター[2x3D]
2-3 ハイブリッドシアター[2X3D]
視差もしっかり
出ています
3. 多重化隠蔽映像技術の未来
1. 付加価値 現在の3D技術の延長にある革新
2. 産業への期待
3. すべての3Dディスプレイを多重化!
[email protected] ©Scritter Project
リビングルームを取り戻せ! コンテンツのゆるい共有
一台のテレビで、お父さんは野球、 お母さんはドラマ、子供はゲーム…
音声は指向性スピーカーで実現
!?
リビングルームの付加価値向上! リビングルームの付加価値向上!
[email protected] ©Scritter Project
ScritterL(ネットLive中継) スポーツイベントやe-sportsにおける会場の高い一体感を演出すること
を目的とした多機能バーチャル中継システム。
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/1011/09/news073.html
• オフライン・オンラインでのスポーツイベント演出 • 同時進行のトーナメントの同時上映 • Twitterなどのネットメディアとの連携
[email protected] ©Scritter Project
実用化事例「ニコニコメガネ」(ドワンゴ様)
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グーグルグラスなんてもう古い!? 「多重化隠蔽映像」技術を駆使したニコニコメガネが登場!
http://www.gizmodo.jp/2013/04/_chokaigi_niconicomegane.html
[email protected] ©Scritter Project
想定される業界
• 利用者・対象
ディスプレイメーカー、住宅・建築、教育、医療、
広告・サイネージ、エンタテイメント
• 市場規模(3Dディスプレイ)
成長市場であり、高付加価値・多様化が求められる。
国内市場223億円(2014)→4320億円(2019) ※1
世界市場9.2億米ドル(2008)→220億米ドル(2018) ※2 ※1: http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090416/168913/ ※2: http://eetimes.jp/news/3587
[email protected] ©Scritter Project
実用化に向けた課題
• 光学系の改良
• 12bit等の広い色レンジでの画質向上(Laser?)
• 教育用コンテンツシステムとしてのソフトウェア
• 医療用画像システムとしての高品質化
• メガネ不要の方式の開発
• パテント競争 他国他社に流用されないよう、ハイペースに 多数の特許取得を行っていく必要がある。
• 実証実験
[email protected] ©Scritter Project
企業への期待 • 特許の取得・維持費 • 光学系試作開発 • 多チャンネル化、フラットパネル化 • 画質向上
– プロジェクタメーカーとの協力でより表現力・品質の高い画像を!
• 教育、医療用画像システムとの連携。
• コンテンツ開発者との連携 むしろコンテンツ側で使いたい人の方が多い
• ハードウェア化 • ライセンスモデル
– 既に3Dディスプレイを開発中の企業には、 本技術の導入が有効、ただしシャッター方式による乱立する特許と共存するため、クロスライセンスを実現するコンソーシアムの設立が重要と考えます。
[email protected] ©Scritter Project
多重化隠蔽映像の特許
発明の名称 :情報表示装置
• 出願番号 :特願2010-088213
• 出願人・発明者: 白井暁彦,長野光希,宇津木 健,濱田健夫,平野実花
発明の名称 :情報表示装置
• 出願番号 :特願2010-206145
• 出願人 :学校法人幾徳学園
• 発明者:白井暁彦, 谷中一寿, 宇津木 健 国際特許出願済
[email protected] ©Scritter Project
基礎研究:DCEXPOとともに4年… • 2010年10月 4Kデジタル映像祭での実演
– 300インチスクリーンにて立体視と多重化の同時上映を実現
– 多重化によるサイネージ
★DCEXPO2010〜2013にいたるまで、毎年参加し、常に進化。
[email protected] ©Scritter Project
2020年まで、あと7年!
• [2020]もし仮に「東京オリンピック2020」で 新しいテクノロジーを使ったデカいことをやるには?
– (例)多重化隠蔽映像によるパブリックビューイング
• [2019] その技術で、運営できる会社はどこ?
• [2018] その機材を持っていて、コストが見積もれる会社は?
• [2017] その技術で実験して、実績がある会社は?
• [2016] 自社で表現からシステムまで扱える体制のある会社は?
• [2015] そういう人材を採用している会社は?
…と考えると、もうこの1〜2年で動けてない会社は そろそろ「普通のこと」しかできない会社ですよね!
いま、価値創出を見込んで人を採用できる日本の企業は、
2020年での企業の価値を考えている企業だと思います。
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多重化隠蔽映像技術“Scritter”
1. 多重化隠蔽映像技術の基本 1. 多重化技術=既存3D技術の延長
2. 隠蔽映像技術“ScritterH”
3. 多重化技術の特許
2. 多重化隠蔽映像技術の応用 1. デジタルサイネージ応用
2. 次世代カラオケエンタテイメント
3. ハイブリッドシアター「2X3D」
3. 多重化隠蔽映像技術の未来
結論,
「多重化隠蔽映像」
は
多重の価値を創出する
その他資料
神奈川工科大学 白井研究室HP http://blog.shirai.la/publications
ほとんどの論文等はこちらで公開しております ▶が…,詳細情報はぜひお問い合わせ下さい
お問い合わせ
Scritterプロジェクト [email protected]
産学連携 神奈川工科大学 工学教育研究推進機構
リエゾンオフィス コーディネーター
谷田雄二 y_yatsuda@ctr.kanagawa-it.ac.jp
デモ開発・技術支援案件なども歓迎です