CLT - 株式会社日本システム設計¹³成26年度 国土交通省「CLTを畜...

3
CLT 5 A 3 B 3 FEM A BSL100% 2 1/152rad BSL100% 2 1/115rad 1/96rad JMA 100% 3 2 1/65rad 2 1/39rad 1/27rad A BSL100% BSL100% JMA 100% 3 8.9.1 8.9.1 JMA 100% B BSL90% 2 1/200rad BSL90% 1 1/250rad 1/300 JMA 100% 1 1/47rad 1/60 1/100 JMA 140% 1 1/9rad 1/15 1/30 8-9-1

Transcript of CLT - 株式会社日本システム設計¹³成26年度 国土交通省「CLTを畜...

8.9 まとめ 本年度実施した CLTによる構造の震動台実験の概要を下記にまとめる。 ◯震動台実験は、大型パネルによる構法による 5層の試験体(A 棟)と、小幅パネルによる構法を用いた 3層の試験体(B棟)を用いて行った。 ◯3次元シェル要素を用いた FEM解析モデルによる限界耐力計算により、入力地震波に対する応答予測を行った。 ◯A棟の各加振における応答の概要は下記の通りであった。 ・BSL100% 長辺方向:2層目重心位置で 1/152rad程度 ・BSL100% 短辺方向:2層目重心位置で 1/115rad程度 (ねじれ変形があり、バルコニー側で 1/96rad程度) ・JMA神戸 100% 3方向 長辺方向:2層目重心位置で 1/65rad程度 短辺方向:2層目重心位置で 1/39rad程度 (ねじれ変形があり、バルコニー側で変形が大きく 1/27rad程度) ◯A棟の各加振後の損傷の概要は下記の通りであった。 ・BSL100% 長辺方向:柱脚接合部ボルトの伸び ・BSL100% 短辺方向:柱脚接合部ボルトの伸び ・JMA神戸 100% 3方向:柱脚接合部ボルトの伸び、壁パネルの圧縮破壊(写真 8.9.1)

写真 8.9.1 壁パネルの圧縮破壊(JMA神戸 100%入力後) ◯B棟の各加振における概要は下記の通りであった。 ・BSL90% 短辺方向: 2層の変形の大きい通りで 1/200rad程度の層間変形 (重心位置も同様) ・BSL90% 長辺方向: 1層の変形の大きい通りで 1/250rad程度の層間変形 (重心位置 1/300) ・JMA神戸 100%: 1層の変形の大きい通り(短辺方向)で 1/47rad程度の層間変形 (重心位置 短辺:1/60 長辺:1/100) ・JMA神戸 140%: 1層の変形の大きい通り(短辺方向)で 1/9rad程度の層間変形 (重心位置 短辺:1/15 長辺:1/30)

8-9-1

root
テキストボックス
平成26年度 国土交通省「CLTを用いた木造建築基準の高度化推進事業」報告書 全文はこちら

◯B棟の各加振後の損傷は下記の通りであった。 ・JMA神戸 100%: 柱脚接合部ボルトの伸び、壁パネル開口部入隅部の亀裂 ・JMA神戸 140%: 壁パネル開口入隅部の破断、壁パネルのせん断破壊、接合部のボルトの破断、せん断金物の破壊等(写真 8.9.2~8.9.6)

写真 8.9.2 壁パネル開口入隅部付近の破壊 写真 8.9.3 壁パネルのせん断破壊 (JMA神戸 140%入力後) (JMA神戸 140%入力後) 写真 8.9.4 壁パネルのせん断破壊(内層の破壊) 写真 8.9.5 せん断金物の断破壊 (JMA神戸 140%入力後) (JMA神戸 140%入力後)

写真 8.9.6 壁パネルの脚部のボルトの破断 (JMA神戸 140%入力後)

8-9-2

◯A棟の振動台実験結果について、FEM解析モデルによる限界耐力計算(事前解析)と比較すると、事前解析に比べ、実験結果は各層で数倍高い剛性を示したが、各層の耐力に関しては近い傾向となった。事前解析では、BSL100%、JMA神戸 100% 3方向の入力で、試験体隅角部で壁パネルの圧縮の許容応力度の検定比が1を超える結果となったが、振動台実験ではJMA神戸100%

3方向入力において、試験体隅角部において、パネルの圧縮破壊が確認された。 ◯B棟の振動台実験結果について、FEM解析モデルによる限界耐力計算(事前解析)と比較すると、A棟と同様に事前解析に比べ、実験結果は各層で数倍高い剛性を示したが、各層の耐力に関しては近い傾向となった。事前解析では、BSL90%、JMA神戸 100% 3方向の入力で、試験体開口入隅部で壁パネルの引張、隅角部の圧縮の許容応力度を超える結果となったが、振動台実験では JMA神戸 3方向入力において、開口入隅部において、パネルの亀裂が確認された。実験では JMA神戸 140% 3方向入力で壁パネルのせん断破壊が確認されたが、この破壊形態については今後、解析によるせん断の許容応力度の検定比等により、さらなる分析が必要である。 ◯A棟、B棟ともに、振動台実験の変形は、事前解析に比べて小さく、パネルの損傷に関しては、事前解析の検定比の大きさに対して、損傷は小さい傾向があった。設計においては安全側であるが、これらの差については今後、さらに実験的・解析的検討が必要である。振動台実験と事前解析の荷重変形関係に基づいた Sa-Sd曲線の比較は 9章で詳細に検討を行う。

8-9-3