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地球環境とリモートセンシング
環境リモートセンシング研究センターCenter for Environmental Remote Sensing
Center for Environmental Remote SensingChiba University, Japan 近藤昭彦
Center for Environmental Remote Sensing1995 年に国立大学共同利用施設として設立
MISSIONS- リモートセンシング技術の確立- リモートセンシングによる環境研究の推進
SERVICES- 衛星データの受信・蓄積 ・公開- 空間情報の作成・公開- 共同利用研究
INTERNATIONAL ACTIVITIES- 海外の研究・教育組織との連携、共同研究 - 留学生の受け入れ - 国際シンポジウムの開催- その他
NOAA/AVHRRNOAA/AVHRR
GMS5GMS5
地球環境とリモートセンシング
この展開科目のキーワードは「地球環境問題」である。その定義は必ずしも明確になっていないが、人間活動の結果が地球規模の影響を及ぼすような諸現象について地球環境問題の範疇に入れることにする。地球温暖化、オゾン層の破壊がその代表例である。一方、国境を越えて広がる現象、世界各地で同じような社会的背景の本で多発している揉んだも21世紀型の地球環境問題と言えよう。沙漠化、越境大気汚染、水問題などがこの定義に含まれる。これらの問題に取り組むための有力な手法の一つがリモートセンシング(RS)である。それはRSが世界の諸地域を繰り返し観測する時間・空間情報であるからである。本科目では地球環境に係わる諸問題の実態とリモートセンシングとの関わりについて解説を行う。
講義予定
4/14 近藤 ガイダンス -地球環境と人間社会-4/21 本多 植生と人間 -地球の歴史に見る両者の関係-4/28 本多 地球観測の歴史 -全球観測と地球環境-5/12 本多 植生モニタリング -解説と簡単な演習-5/19 西尾 「衛星で知る海洋・雪氷環境」 -雪氷圏と地球温暖化ー 5/26 西尾 「衛星で知る海洋・雪氷環境」 -海洋にあらわれた温暖化ー5/28(6/2) 西尾 「衛星で知る海洋・雪氷環境」 -海洋と大気圏の相互作用ー 6/2(6/9) 齋藤 大気環境問題とそのモニタリング
-成層圏オゾン層6/9(6/16) 齋藤 大気環境問題とそのモニタリング -地球温暖化6/16(6/23) 齋藤 大気環境問題とそのモニタリング -大気汚染6/23(6/30) 高村 気象衛星で見る大気環境 -気象衛星の仕組みと原理6/30(7/7) 高村 気象衛星で見る大気環境-衛星で見る気象現象7/7(7/14) 高村 気象衛星で見る大気環境ー大気現象と地球環境7/9(7/21) 近藤 水・食糧・エネルギー問題-17/14(7/28) 近藤 水・食糧・エネルギー問題-2
日本は低成長、高齢化社会の入り口を入ったところにいますが、そこを東日本大震災に見舞われました。未来に向けて大学は、そして我々は何を為すべきでしょうか。
震災に関する情報を下記に置きました。ここをきっかけにして震災に関する理解を深めて、未来を考えてください。http://dbx.cr.chiba-u.jp/GDES/20110311/
成績評価
●出席はとります(記名式)●出席率60%未満は単位は出ません●各担当教員が小テストを課すこともあります●出席、小テストの結果を総合的に判断します
環境は体系が未完成の学問です。ただ覚えるだけの学問ではないので、出席は特に重視したいと考えています。
注意事項
●遅刻はやむを得ない理由の場合を除き、認めない●出席用紙記名後退席は厳しく取り締まります
展開科目:序論
地球環境と人間社会
国立環境研究所ホームページより: 計算された年平均地表気温上昇量の地理分布。シナリオ「 A1 B」の2071~ 2100年の平均気温から、1971~ 2000年の平均気温を引いたもの。
地球の未来はどうなるのか
どうやって知るか? 3つの方法があります
●過去から現在を見ることにより未来を予測する
過去は現在の鏡 歴史の中に、未来を読み解く鍵がある
●現在を基準にして未来を予測する
現在の状況を説明できるモデルで未来を予測する コンピューターシミュレーション
●あるべき未来を想定して、そうなるように現在を変える
そんな難しいことできっこないかも でも、いろいろな変動がすでに起こっている...
まず最初に、●の方法で地球の未来を考えてみましょう
地質学の方法
物理学の方法
INTRODUCTION 近藤昭彦
地球温暖化は関心の高い課題・どうも最近暖かくなってきたようだ・ほんとうに温暖化しているのか(90年代の議論) →温暖化に対する世界的なコンセンサスが得られたのは 20世紀最後の IPCCでした・確かに温暖化に伴う様々な現象が現れているようだ・それは地球温暖化なのか、地域温暖化なのか・地球温暖化は確実に進行しており、それは人間活動の影響である可能性が極めて高い( IPCC第四次評価報告書)(2007年)
温暖化は人類の未来にどのような影響を及ぼすのだろうか・温暖化は善か、悪か・このような問いかけは正しいか・悪だとしたら、影響はまず社会的弱者に及ぶから・それには温暖化以外の原因があるのではないか・人類にとって恐いのは寒冷化・そもそもどのような生き方をしたいのか
総合的な視点が必要
文明人のリテラシー
地球温暖化はどのような問題を含んでいるのか?
植生帯の変化、雪氷圏の変化、水資源、食糧生産、旱魃、洪水、高潮、健康影響、...→次ページの表
決して未来が正確に予測されているわけではない!
どのような影響があるのかはわからないけれど、子孫のために対策を考えよう!→1992年リオサミットでの合意事項
環境問題への対処方法→実態認識なしに対策なし!→ただし、地球温暖化は実態認識の前に対策が必要となった
地球をどうしたいのか!どう生きたいのか?
ほんとうに解決すべき問題は何か?
氷河は20世紀を通じて概ね後退した! ⇒どういう問題と関係するのか?
岩田修二 (2004):天山山脈、ウルムチ 6号氷河の20年間の変化の研究
珊瑚礁の成因と現状
茅根(2006)
(渡辺光:新版地形学)
洪水も地球温暖化のせい?
洪水は自然現象、災害は人と自然の関係
1954年長江洪水
1998年長江洪水
(ニュートンムック)
地球温暖化 危機
原因 結果ストップ!地球温暖化!
わかりやすい!でも現実世界では
「問題の共有」と「問題の解決の共有」
地球温暖化問題との関係→危機から要因を探る
地球温暖化 危機
要因
要因要因
要因
個々の要因の重要性の相対化
未来志向か現実志向か
問題の解決の共有
スノーボールアース仮説:全球凍結の時代もあったらしい
(数研出版、チャート式新地学より)
地質時代の区分地質時代は生物相の変化によって区分されている
生物は過去数回の大絶滅を経験している
●古生代末<地球史上最大の大量絶滅>●中生代末の大量絶滅●暖かい時期に生物は繁栄
中新世 鮮新世 更新世
第四紀第三紀
暖
寒
現在過去
300ppmv
二酸化炭素濃度の変化
気温の変化
メタン濃度の変化
間氷期
過去 20万年前以降の気候変化
●氷期・間氷期サイクルの気温変化 は急激な温暖化、短い間氷期、 長期の寒冷化
●約 2万年前に最終氷期は突然終わり、 急激な温暖化が始まった
●現間氷期で、最も温暖な時期は すでに過ぎ去った
( Wikipediaより引用)
現在 過去
【閑話休題】ハワイのマウナロアで1950年代から観測されている大気中の二酸化炭素濃度
すでに、前回の間氷期のレベルを越えている!
現在過去
ホッケースティック曲線:クライメートゲート事件・・・調べてみよう
現在過去
IPCC第四次評価報告書ではモデル計算に人間活動の影響を入れないと過去の気温変動が再現できないため、人間活動が原因である可能性が極めて高いと記述した
注)
注)
突然海洋大循環の話、なぜか?
熱塩循環:低緯度の熱を高緯度に運ぶベルトコンベアとして、海洋の深層循環は重要な役割を果たしている。
黒潮や親潮は風によって引き起こされる表層の流れ
その下には深層循環がある(実際にはかなり複雑)
現在 過去
The Day after Tomorrowを見ましたか?
●寒冷化は数日といった短時間では起こらない
●寒冷化が起きていれば海面は低下するので、 津波や市街地に船が入ってくるようなことは 考えにくい
●気温が下がっても、空気の熱容量は小さいので、建物が ミシミシ凍っていく状況はあり得ない
●成層圏の-100Fの大気が降りてきたら、 断熱圧縮で気温が上がるはず
科学の成果を知った上で、娯楽映画として楽しみましょう
もちろん、科学の成果がバックにある部分もあります
グリーンランドの氷が融けている? 高緯度の湿潤化?
森林から草原や裸地になると地域の乾燥化を促す
アマゾンの熱帯雨林を草地にすると...
気温が上昇 蒸発散量が減少 降水量が減少
アマゾン
アマゾン、ロンドニア地方の11年間の変化 ⇒(JAXA/EORC)
植生変化は地域の気候を変えるか?-西オーストラリア
現在 過去
西からの風に含まれる水蒸気が雨にならなくなった
人間と自然の関係は?
まとめ
温暖化が人間社会に対する危機かもしれない
でも、ある危機を起こす原因は実は様々
温暖化を意識して、エネルギーや資源を節約することは倫理的に正しい!
どのように生きたいか
今を良くする、未来が良くなる
Http://dbx.cr.chiba-u.jp/edu/lec/sougou/