数学と美術 - 東京工芸大学...数学と美術 0619024 片切聡⁄ 1 調べた理由...
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数学と美術
0619024 片切 聡∗
1 調べた理由
「数学と美術」を今回考えようと思ったのは,
中高生のころ, 同級生達が
「数学って, 将来なんも役に立たなさそうだか
ら学ぶ意味あるのかな」
のようなことを言ったことがきっかけとなっ
ています。私は, 数学が好きではない子はもし
かしたらこんな感じで, 数学をやりたくないの
かなと思いました。
そこで, 今回, 子供たちに, 数学が将来的に
やっていれば役に立つということを納得しても
らうための一つの方法として,「数学と美術」と
いうテーマについて調べることにしました。
2 メービウスの帯
図 1 無限螺旋階段
∗ Satoshi Katagiri, システム電子情報学科 2年
図 2 無限螺旋階段の拡大図
図 3 メービウスの帯
無限螺旋階段 (図 1, 2) は, 螺旋階段をたどっ
ていくと,登っているのにまた同じところに戻っ
て来てしまい, また, 下っていっても同じところ
に戻ってくる絵です。
メービウスの帯 (図 3)も同様になぞっていく
とまた同じところに戻って来ます。
このような一目見ただけでは, 数学では解け
そうにない絵を見せて, 子供たちに「え!こん
なのが数学をしていると, 出来たり, 解明できる
の」のような関心を持たせてから, 授業を行なう
ことによって, 子供たちの「なぜ, やらないとい
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けないの」という気持ちを少しは, 軽減できると
思います。
3 自然が作った美術数学
図 4 貝 1
図 5 貝 2
貝 1と貝 2 (図 4, 5) は自然が作り出した神秘
と思いますが, 実はこれも数学で解明できるこ
とを説明し, 幾何学的な螺旋の美しさを子供た
ちに感じさせてから授業を行なえば,「こんな物
が僕でも解明できるようになれるんだ」のよう
な気持ちが芽生え, スムーズに授業が進行する
と思います。
4 教える現場の情況
現場では, 教師の方々は, ほとんど一人で, あ
あでもない, こうでもないと, 悩んでいると思わ
れます。
外部にいる私の目から見れば, 教師の方々に
は, 日本中に多くの同じ単元を教える仲間がい
るはずなのに一緒に考えようとはしないように
見えます。これでは, 興味を持たせられるやり
方と, 興味を持たせられないやり方の二つに大
きく分離してしまうだろうと思います。
しかし, 実際に教師になるための授業 (教職科
目) を受けていると, 教師がしなければいけな
い事務的な仕事, 次の日のための授業プラン, 生
徒のことなどのさまざまな仕事がある中で, 教
師どうしの連絡などは非常に難しいと想像され
ます。
しかし, 本当に子供のことを思うなら, こう
いった教師間の情報交換は大事なことではない
でしょうか, 子供たちに「○○先生の教え方よ
り, ××先生の方が教え方がうまいや」などと
比較されないためにも行なった方がよいと思い
ます。
しかし, 過去に聞いた話ですが, ある塾の新米
講師 A の教え方について, 子供たちは「先生の
教え方すごく解りやすかった」といっていたが,
ベテラン講師 B がそのやり方を見て「そのや
り方では駄目だ。このやり方でやりなさい」と
言ったそうです。
そうした方が, (あとで A が休まれたときに,
B が引継いで授業を行なうときは) 助かるかも
しれないが, これは明らかに子供にとってはマ
イナスだと, 私は思います。
5 まとめ
節 2と 3はあくまで教材の例です。実際は探
せばまだまだ, 色々な美術と数学にかかわる教
材例があると思います。
今回の調査で解ったことは, 教師というもの
は, 決して生半可な考えで, 生徒に教えては, い
けないということです。
また, 一人で何もかも決めて自分の指導案だ
けでつきとおすということも, 子供のために良
くないということです。
結果, 一人で悩まず, 色々な人と話し合って授
業構成を行なった方が, 自身のためにもなるし
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子供のためにもなるのではないかと思います。
また, 数学の教師どうしだけでなく, さまざま
な教科担当の教員とも話し合うことで, 新しい
数学の教え方が見えてくるのではないかとも思
いました。
更に, 新しい物だけでなく, 古い物に目を向け
ること, 過去に同じことをしていないかを調べ
ることも大切であるということも思いました。
参考文献
[1] http://www.toyokan.co.jp/mokuji/
01727-1.htm/
[2] http://hw001.gate01.com/kudohiro/
visions.html
[3] http://yumemasa.exblog.jp/4332066/
[4] http://yumemasa.exblog.jp/5040688/
[5] 日本図学会/編「美の図学」(1998年 5月)
[6]「美術における数学」(マイケル・ホルト)
[7]「無限の彼方へ」(エリ・マオール)
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