政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を...

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KOKUSAI Asset Management Co., Ltd. 2020/2/4 0 グローバル時代の投資戦略 2020年 春号 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を下支え

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2020/2/4 0

グローバル時代の投資戦略

2020年 春号

巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。

政治的な不透明感は残るも

緩和的な金融環境がリスク資産を下支え

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グローバル時代の投資戦略

巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 1

主要国の景気に底打ちの兆しが見え始めました。景気が鈍化を続けてきた欧州や中国では

昨年末より製造業の景況感などがゆるやかに改善。景気の悪化に歯止めがかかりつつありま

す。米国では、製造業部門の鈍化が続く一方で、サービス部門が堅調に拡大。良好な雇用環

境や底堅い住宅価格等に支えられ、家計消費の拡大が続いています。日本は輸出の低迷や消

費税増税による反動などから足元で景気が鈍化しているものの、政府の景気刺激策に支援さ

れ今年後半にかけて景気のゆるやかな回復が見込まれます。

もっとも、世界景気の回復の速度は緩慢なものに留まるでしょう。米国が底堅い成長を続

け欧州でも景気が回復に向かうであろうものの、日本の成長率は昨年を下回る見込みです。

中国でも景気下げ止まりの兆しが見えるものの成長率の加速は見込めず、今年の成長率は昨

年を下回るでしょう。同国の企業債務の水準は過去に導入された景気刺激策の結果大きく上

昇しており、かつてのような大規模な景気刺激策を実施することはできないとみられます。

インド、ブラジル、ロシア等では成長率の加速が見込まれるものの、これらの国々の規模は

中国に比べて小さく、世界景気を押上げる力は限られます。今年通年の世界経済の成長率は

昨年を上回りつつ、一昨年には届かないと予想されます。

Ⅰ. 底打ちの兆しの見え始めた世界景気はゆるやかな加速へ

Ⅲ. 主要国の金融緩和と世界的な景気拡大がリスク資産価格を支援か

Ⅱ. 緩和的な金融政策という追い風と政治的不透明感という向かい風

昨年は、主要先進国と新興国の株式や債券価格が上昇。殆どの資産の収益率がマイナスと

なった一昨年から一転して、恵まれた投資環境となりました。昨年5月から8月にかけては米

中の通商対立が意識されリスク資産価格の変動性が高まり世界的に株価が方向感を失ったも

のの、(a)年初から4月までと(b)9月から年末にかけては株価は堅調に上昇。(a)では米国の金融

政策のハト派化、(b)では米中の第一弾の通商合意への期待が相場を押上げたとみられます。

今後は、情報通信技術に関する覇権などを巡り米中の対立が再燃し、リスク資産の重しと

なる局面もみられるでしょう。経済と政治制度が大きく異なる両国間に摩擦の種は多く、米

議会が香港や新疆ウイグル地区の人権問題への批判を強め、中国がこれを内政干渉として反

発する可能性もあります。しかし、主要国の緩和的な金融政策と世界経済のゆるやかな景気

回復が今年のリスク資産価格を支えるでしょう。政治リスクの上昇に伴って資産価格の変動

性が一時的に高まり、また、昨年の急ピッチの価格上昇からの反動で上値が抑えられる面も

あろうものの、今年もリスク資産価格はゆるやかな上昇を続けると予想されます。

今年の世界景気は、主要国の緩和的な金融政策にも支えられる見込みです。米国のFRB(連

邦制度準備理事会)は昨年利下げを3回行った上で、短期金利の上昇を抑えるために短期国債

の購入を開始。同購入によるFRB資産の増加は今年半ばまで続く見込みです。ECB(欧州中央

銀行)は、2019年9月に追加利下げを行うとともに11月より資産買入を再開し、金融市場に資

金供給を続けています。日銀も現在の緩和的な金融政策を維持するとみられます。

一方、政治的な不透明感が景気の重しとなる可能性があります。今年初に米軍がイラン革

命防衛隊の司令官を殺害したことを受けて、イラン軍はイラクの米軍基地をミサイルで攻撃。

両国とも全面的な軍事衝突を望んでいないとみられるものの、仮に中東情勢の緊迫化による

供給懸念から原油価格が急騰した場合、ゆるやかな回復を始めた世界景気を下押しする恐れ

があります。また、米国と中国は第一段階の通商合意に達したものの、知的財産権や国有企

業への補助金等を巡る両国の意見の隔たりは大きく、今後の道筋は不透明です。今年11月の

大統領選挙にかけて米国が政治の季節に入ることに伴って、米中対立が再燃する可能性も否

定できません。欧州にも、英国の欧州連合離脱問題、イタリア政局の流動化、ドイツ連立与

党の求心力の低下、フランスでの反政府デモの拡大など数多くの不透明要因がみられます。

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リスク選好相場の持続なるか

消費増税後の落ち込みから回復できるか

主要国の景気は緩やかに回復

2020年も緩やかな景気拡大基調を堅持へ

金融緩和に支えられ底堅い成長へ

景気減速に底打ちの兆し

成長率の回復は鈍い

景気見通し崩れなければリスク選好継続へ

米ドル円の安定と新興国通貨の底固めを想定

10. 投資戦略

9. 為替相場

8. 新興国

6. オーストラリア(豪州)経済

5. 欧州経済

4. 米国経済

2. 見通しと注目点

1. 世界経済

3. 日本経済

P3 – 10

P11 – 18

P19 – 24

P25 – 30

P31 – 34

P35 – 36

P37 – 40

P41 – 48

P49 – 54

P55 – 65

様々な逆風の下で鈍化の続く景気

7. 中国経済

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

世界経済

1.世界経済:2020年も緩やかな景気拡大基調を堅持へ

出所) IMF(国際通貨基金)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

実質GDP(前年比、%)の実績・予測(IMF、2020年1月時点)

実質GDP(前年比)の実績および推計・予測

2020年に底固めが期待される世界経済

IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(2020年1月時点)では、2020年の実質成長率を+3.3%と前

回見通し(2019年10月時点:+3.4%)から下方修正も、2019年(+2.9%)からの加速を見込んでいます。

2020年の先進国の成長率は+1.6%と、2019年(+1.7%)に続き低調が予想されています。新興国は

同+4.4%と若干下方修正されながらも、2019年(+3.7%)に比べ安定感を高めると期待されています。

特に、中国が小刻みな財政・金融緩和で+6.0%前後の成長速度を確保できるかが焦点と考えます。

※オーストラリア、インドネシア、トルコの値はすべてIMF World Economic Outlook(2019年10月)に基づく。

注)値は1980~2017年がIMF World Economic Outlook(2019年10月)、2018~2021年がIMF World Economic Outlook Update(2020年1月)に基づく。

先進国・新興国の分類および予測(2020~2021年)はIMFによる。ここでのアフリカ(サハラ以南)は北アフリカを除くベース。

下図内の値は国際金融危機からの回復期である2010年以降の最低値を表す。

実績 推計 予測

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2020年 2021年

世界 3.5 3.4 3.8 3.6 2.9 3.3 3.4 ▲ 0.1 ▲ 0.2

先進国 2.3 1.7 2.5 2.2 1.7 1.6 1.6 ▲ 0.1 0.0

米国 2.9 1.6 2.4 2.9 2.3 2.0 1.7 ▲ 0.1 0.0

ユーロ圏 2.1 1.9 2.5 1.9 1.2 1.3 1.4 ▲ 0.1 0.0

ドイツ 1.7 2.2 2.5 1.5 0.5 1.1 1.4 ▲ 0.1 0.0

日本 1.2 0.6 1.9 0.3 1.0 0.7 0.5 0.2 0.0

英国 2.3 1.8 1.8 1.3 1.3 1.4 1.5 0.0 0.0

オーストラリア 2.5 2.8 2.4 2.7 1.7 2.3 2.6 - -

新興国 4.3 4.6 4.8 4.5 3.7 4.4 4.6 ▲ 0.2 ▲ 0.2アジア 6.8 6.7 6.6 6.4 5.6 5.8 5.9 ▲ 0.2 ▲ 0.3

中国 6.9 6.7 6.8 6.6 6.1 6.0 5.8 0.2 ▲ 0.1

インド 8.0 8.2 7.2 6.8 4.8 5.8 6.5 ▲ 1.2 ▲ 0.9

インドネシア 4.9 5.0 5.1 5.2 5.0 5.1 5.2 - -

中南米 0.3 ▲ 0.6 1.2 1.1 0.1 1.6 2.3 ▲ 0.2 ▲ 0.1

ブラジル ▲ 3.6 ▲ 3.3 1.1 1.3 1.2 2.2 2.3 0.2 ▲ 0.1

メキシコ 3.3 2.9 2.1 2.1 0.0 1.0 1.6 ▲ 0.3 ▲ 0.3

中・東欧 0.8 1.8 3.9 3.1 1.8 2.6 2.5 0.1 0.0

ロシア ▲ 2.3 0.3 1.6 2.3 1.1 1.9 2.0 0.0 0.0

トルコ 6.1 3.2 7.5 2.8 0.2 3.0 3.0 - -

アフリカ 3.1 1.4 3.0 3.2 3.3 3.5 3.5 ▲ 0.1 ▲ 0.2

南アフリカ 1.2 0.4 1.4 0.8 0.4 0.8 1.0 ▲ 0.3 ▲ 0.4

前回2019年10月予測

からの改定幅

2.9

1.2

3.7

-4-3-2-10123456789

1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

新興国

先進国

IMF予測

世界

(%)

(年)

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

47

48

49

50

51

52

53

54

55

56

57

58

59

2010 2012 2014 2016 2018 2020 (年)

世界

先進国

新興国

2010-11年欧州債務危機

2013年バーナンキ・ショック

2014年原油価格急落

2015-16年チャイナ・ショック

2018年国際貿易摩擦

51.9

52.4

52.1

47

48

49

50

51

52

53

54

55

56

57

58

59

2010 2012 2014 2016 2018 2020 (年)

世界

先進国

新興国

2010-11年欧州債務危機

2013年バーナンキ・ショック

2014年原油価格急落

2015-16年チャイナ・ショック

2018年国際貿易摩擦

49.1

51.050.1

世界経済

小康状態となった米中摩擦、製造業は回復に転じるか

持ち直しの兆し見せる製造業、金融緩和を背景に安定続くサービス業

中国の製造業安定化の動きは朗報、ドイツは製造業低迷続くもサービス業は良好

2016~2017年は世界的な貿易活性化や半導体好況に乗り、先進国から新興国に至るまで製造業

が好調でした。サービス業も物価安定を背景とした内需拡大が続いたことで安定的に推移しました。

2018年に入り、米国が保護主義姿勢を鮮明化、国際貿易摩擦の懸念が高まり、製造業が世界的

に軟化するなど正念場を迎えましたが、2019年終盤にかけ安定化の兆候も見せています。製造業

続き減速基調となったサービス業も、低金利や低インフレを背景に底堅い業況を維持しています。

製造業・サービス業PMI(国別)

出所) マークイット、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

業況 改善

業況 悪化

製造業PMI(地域別) サービス業PMI(地域別)

出所) マークイット、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)データのない期間は無色で表記。

直近値は2019年12月時点。

出所) マークイット、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

表内の色

数値範囲 38 42 45 47 49 50 6251 52 53 55 57 59

業況 改善

業況 悪化

注)マークイットPMIに基づく。直近値は2019年12月時点。 注)マークイットPMIに基づく。直近値は2019年12月時点。

日本米国 n/an/an/an/a

ドイツフランスイタリア英国オーストラリア n/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/a

中国インドブラジルロシア

日本 n/an/an/an/an/an/an/an/a

米国 n/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/a

ドイツフランスイタリア英国オーストラリア n/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/an/a

中国インドブラジル n/an/a

ロシア

2018年 2019年

製造業

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2007年 2008年 2009年

サー

ビス業

2016年 2017年

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

世界経済

金融緩和の強化に動いた主要国

2015年12月に利上げを開始した米国は、2018年12月で利上げを休止、2019年7月から利下げを開

始しました。ユーロ圏も同年9月に利下げを再開するなど世界的な利下げの流れが広がりました。

2019年は新興国でも利下げに転換する流れが強まりました。2018年には米国利上げ加速(それに

伴う米ドル高)を受け、各国が通貨安対応の利上げを強いられる場面もありましたが、2019年の米

利下げ開始でその圧力が後退、自国内の景気に配慮した政策(金融緩和)余地が生まれました。

2019年は米国を中心に主要国が揃って利下げを継続

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

主要国 政策金利

注)米国はFF目標金利(レンジ上限値で図示)、日本は政策金利残高適用金利(2013年4月3日までは無担保コール翌日物金利誘導目標、マネタリーベース

が政策目標となった同年4月4日から2016年1月28日までは非表示)、ユーロ圏は預金ファシリティ金利、英国はバンクレート、カナダは翌日物貸出金利、

オーストラリアとニュージーランドはキャッシュレート、ノルウェーは預金金利、スウェーデンとインドと南アフリカはレポ金利、メキシコは翌日物金利、

インドネシアは7日物リバース・レポ金利(2016年8月18日までBI金利のためデータが不連続)、ブラジルはSELIC金利、ロシアは1週間物入札レポ金利

(2011年5月29日までが翌日物レポ固定金利、2013年9月15日までが翌日物レポ入札金利のためデータが不連続)、トルコは1週間物レポ金利

(2010年5月18日まで翌日物借入金利のためデータが不連続)。直近値は2020年1月20日時点。

②その他先進国 ①日本・米国・ユーロ圏・英国

④その他新興国 ③アジア・中南米

-2

-1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

米国

日本

1.5-1.75%

2008年

国際金融危機2017年

トランプ政権誕生

▲0.10%ユーロ圏(預金ファシリティ金利)

2010-11年

欧州債務危機

0.75%

2016年6月

英国民投票

EU離脱決定

英国

▲0.50%-2

-1

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

オーストラリア

カナダ

1.75%ニュージーランド

2008年

国際金融危機2014年後半~

原油価格急落

2015-16年

チャイナ・ショック

1.00%

0.75%

ノルウェー

1.50%

スウェーデン

0.00%

0123456789

1011121314151617181920

2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

インド

インドネシア

5.15%

ブラジル

2008年

国際金融危機

2015-16年

チャイナ・ショック

5.00%4.50%

2013年 バーナンキ・ショック

バーナンキ米FRB議長(当時)が

量的金融緩和の早期縮小を示唆

2015年

ブラジル政界汚職

7.25%

メキシコ

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

28

2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

南アフリカ

ロシア

11.25%

トルコ

2008年

国際金融危機2013年

バーナンキ・ショック

6.25%6.25%

2014年

クリミア危機

2018年

トルコ・ショック

2014年後半~

原油価格急落

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

世界経済

2019年は世界的な金融緩和を追い風に、幅広い資産が好調を維持

2019年は多くの資産が軒並み上昇するなど恵まれた投資環境に

主な米国・新興国資産の動き(米ドルベース、2016年末=100)

2019年の金融市場は、春にかけ米利上げ休止、米中摩擦緩和、英国の合意なきEU(欧州連合)離

脱回避、中国景気回復期待からリスク選好、夏場にかけ米中摩擦激化で一時不安定化する場面

もありましたが、終盤は米中交渉やEU離脱問題が前進するとの期待でリスク選好に回帰しました。

2019年は典型的なリスク選好の年といえますが、株式だけでなく国債や投資適格社債など相対的

に価格変動リスクの低い資産も堅調と、世界的な金融緩和に支えられた金融相場ともいえました。

出所) S&P、ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)米国株式はS&P500、米大型株はS&P100種、小型株はS&P小型株600種、成長株はS&P500グロース指数、割安株はS&P500バリュー指数、

安定増配株はS&P500配当貴族指数(S&P500構成銘柄のうち少なくとも25年連続で増配を続けている銘柄で構成)、リートはS&P米国REIT指数、

国債はFTSE米国国債インデックス、投資適格社債はICE BofAML US Corporate Index、ハイ・イールド社債はICE BofAML US High Yield Index、

バンク・ローンはS&P/LSTA Leveraged Loan Total Return Index、新興国債券LC(現地通貨)はJ.P. Morgan GBI-EM Global Diversified、

新興国債券$(米ドル)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、金はCOMEX(ニューヨーク商品取引所)金先物価格(期近物)に基づく。

すべて(除く金)米ドルベースのトータルリターン・インデックス。

各資産の年間・

月間騰落率(

%

注)指数化は三菱UFJ国際投信、直近値は2020年1月7日時点。

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

米国国債

米国投資適格社債

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

新興国債券$(米ドル)

新興国債券LC(現地通貨)

新興国株式

(米ドル)

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

米国株式

米国リート

チャイナ・ショック

米中貿易摩擦激化

米利上げ休止観測

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

米国

HY(ハイ・イールド)社債

米国バンク・ローン

(レバレッジド・ローン)

チャイナ・ショック

米中貿易摩擦激化

米利上げ休止観測

1-4月 5-8月 9-12月

米国大型株 2.6 11.4 22.0 -3.9 32.2 18.0 -0.2 12.3米国小型株 -2.0 26.6 13.2 -8.5 22.8 15.9 -5.3 11.8米国成長株 5.5 6.9 27.4 -0.0 31.1 19.5 1.0 8.6米国割安株 -3.1 17.4 15.4 -9.0 31.9 16.8 -1.0 14.0米国安定増配株 0.9 11.8 21.7 -2.7 28.0 14.5 1.6 10.0米国リート 2.5 8.5 4.3 -3.8 24.4 15.4 5.7 2.0米国国債 0.8 1.1 2.4 0.8 7.0 1.8 7.0 -1.8 米国投資適格社債 -0.6 6.0 6.5 -2.2 14.2 5.6 7.6 0.5米国HY社債 -4.6 17.5 7.5 -2.3 14.4 8.9 2.1 2.9米国バンク・ローン -0.7 10.2 4.1 0.4 8.6 5.7 0.5 2.2新興国株式 -14.6 11.6 37.8 -14.2 18.9 12.3 -7.2 14.1新興国債券(LC) -14.9 9.9 15.2 -6.2 13.5 2.7 4.0 6.2新興国債券($) 1.2 10.2 10.3 -4.3 15.0 7.2 5.9 1.3金 -10.5 8.6 13.7 -2.1 18.9 0.3 18.5 0.0

2018年 2019年2016年 2017年2015年

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

世界経済

かつてリスク資産の大幅調整を招いた金融環境引き締まりの兆候は見られず

2019年に一時的に発生した米国の長短金利逆転は危機の前兆なのか?

米国で、景気の方向感を表すとされる長短金利差が縮小、2019年には一時、景気後退入りのシグ

ナルとされる長短金利逆転現象が発生し、2009年以降の世界的な株高終焉の懸念も浮上しました。

2000-2002年と2007-2009年の大幅な株価調整局面では、米利上げ休止後も短期金利が高止まり、

銀行の融資基準引き上げが続くなど金融引き締め的な環境がしばらく続いていた印象です。ただし

今局面では、金融当局が早めに利下げに転じるなど、いまだ金融緩和色の残る環境といえます。

注)先進国株式の下落局面は1990年1月~9月、2000年4月~2002年9月、2007年11月~2009年2月、とした。

第1図:世界株式はMSCI ACWI(現地通貨、価格指数)。指数化は三菱UFJ国際投信。直近値は2019年12月時点。第2図:直近値は2019年12月時点。

第3図:潜在成長率はCBO(米議会予算局)のAn Update to the Budget and Economic Outlook: 2019 to 2029(2019年8月)に基づく。

直近値はFF目標金利(月次)が2019年12月、潜在成長率(四半期)が2019年10-12月期時点。

第4図:年間売上高5,000万ドル以上の企業を大・中堅企業、それ未満を中小企業と分類。データは四半期(各年1・4・7・10月)。直近値は2019年10月調査。

世界株式と米国金融環境

出所) MSCI、CBO、FRB、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

世界株式 (MSCI)

米国長短国債 金利・金利差

米国金利 および

名目成長率

米商業銀行 商工業向け 融資基準

0

100

200

300

400

500

1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

(1994年末=100)

(年)

■世界株式の下落局面

1990-91年米景気後退

2000年ITバブル崩壊

2008年リーマン・ショック

2015-16年チャイナ・ショック

1997-98年アジア、ロシア通貨危機

0123456789

10

1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

参考)米国の潜在成長率(名目、前年比)

FF目標金利

リーマン・ショック以降平均 +3.2%

1.5-1.75%

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

((融資基準を)引き締めた割合-緩和した割合、%)

(年)

基準引き締め

基準緩和

中小企業向け

大・中堅企業向け

-2

0

2

4

6

8

10

1988 1992 1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

(%、%ポイント)

(年)

+0.37%

A.10年国債利回り

B.3ヵ月国債利回り

長短金利差(A-B)

②短期金利上昇・高止まり

に伴う長短金利逆転

①長期金利急低下

に伴う長短金利縮小・逆転

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

0

1

2

3

4

5

6

7

8

20,000

22,000

24,000

26,000

28,000

30,000

2019/1 2019/7 2020/1 2020/7

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利(右軸)

(%)

NYダウ(左軸)

利下げ開始

2019年7月31日

1

2

3

4

5

6

7

8

9

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

12,000

2000/9 2001/3 2001/9 2002/3

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利

(右軸)

(%)

NYダウ(左軸)

■は景気後退期

利下げ開始

2001年

1月3日

利下げ開始後高値)2001年5月21日

4

5

6

7

8

9

10

11

12

3,500

4,000

4,500

5,000

5,500

6,000

6,500

7,000

7,500

1995/4 1995/10 1996/4 1996/10

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利(右軸)

(%)

NYダウ(左軸)

利下げ開始

1995年

7月6日

利下げ開始後高値)1997年3月11日

利上げ再開

1997年

3月25日

4

5

6

7

8

9

10

11

12

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

12,000

13,000

1998/6 1998/12 1999/6 1999/12

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利(右軸)

(%)

NYダウ

(左軸)

利下げ開始

1998年

9月29日

利下げ開始後高値)2000年1月14日

利上げ再開

1999年

6月30日

0

1

2

3

4

5

6

7

8

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

12,000

13,000

14,000

15,000

2007/6 2007/12 2008/6 2008/12

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利

(右軸)

(%)

NYダウ(左軸)

利下げ開始

2007年

9月18日

利下げ開始後高値)2007年10月9日

■は景気後退期

6

7

8

9

10

11

12

13

14

1,600

1,800

2,000

2,200

2,400

2,600

2,800

3,000

3,200

1989/3 1989/9 1990/3 1990/9

(米ドル)

(年/月)

FF目標金利(右軸)

(%)

NYダウ(左軸)

■は景気後退期

利下げ開始

1989年

6月5日

利下げ開始後高値)1990年7月16日

世界経済

FRBの予防的利下げは、息の長い株高につながるか?

2019年7、9、10月に米FRB(連邦準備理事会)は3回の利下げを実施、その前後で株高基調が崩れ

なかったところを見ると、市場は米景気拡大の維持を目的とした予防的利下げを好感した印象です。

過去5回の利下げ局面を振り返ると、小幅な利下げで景気失速を回避できたA・Bでは息の長い株

高を実現した様子がうかがえます。一方、C・D・Eのように利下げに動くも、最終的に景気後退を食

い止められなかった場合は、利下げ開始を好感した株高が短命に終わった傾向も確認されます。

利下げが景気拡大持続への予防措置なら株高、景気悪化の追認措置なら株安に

出所)全米経済研究所(NBER)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)左上図の直近値は2020年1月7日時点。全図で利下げ開始後(対象期間内)の株価高値を付けた日付を表示。

なお米国の景気後退期はC局面が1990年7月~1991年3月、D局面が2001年3月~11月、E局面が2007年12月~2009年6月。景気後退期はNBERによる。

米国 今回および過去5回(A-E)の利下げ局面前後の株価

(直近)2019年1月~ C. 1989年3月~1991年2月

A. 1995年4月~1997年3月 D. 2000年9月~2002年8月

B. 1998年6月~2000年5月 E. 2007年6月~2009年5月

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

0.00.51.01.52.02.53.03.54.04.55.0

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ドイツ

米S&L(貯蓄貸付組合)危機

リーマン・ショック

ITバブル崩壊

日本バブル崩壊

-10123456789

10

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ドイツ

-2

-1

0

1

2

3

4

5

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ドイツ 一般的な

物価目標↓

世界経済

-15

-12

-9

-6

-3

0

3

6

9

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ドイツ

欧州債務危機

↑財政黒字

↓財政赤字

日本バブル崩壊

0

50

100

150

200

250

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ドイツ

欧州債務危機

日本バブル崩壊

-10123456789

1011

1988 1996 2004 2012 2020(年)

(%)

米国

日本

ユーロ圏

米S&L危機

リーマン・ショック

ITバブル崩壊

金融政策への過大な期待に中央銀行は悲鳴、財政政策の重要性が増す展開に

金融緩和に頼った政策運営の限界を意識し始めた先進国

日米欧は低金利政策を続けるも、低成長・低インフレから脱却できずにいます。利上げが道半ばに

終わった米国、マイナス金利が常態化する日欧では、更なる金融緩和手段も限られる状況です。

金融政策の限界もささやかれるなか、近年はFTPL(物価水準の財政理論)やMMT(現代金融理論)

など財政拡張の効果に焦点を当てた議論も浮上しました。景気底上げや安定的な物価上昇実現

には、金融緩和に依存した政策運営を見直し、金融・財政政策を協調させることが必須といえます。

注)潜在成長率はOECD Economic Outlook (2019年11月)に基づく。

政策金利は5頁と同じ(ユーロ圏はリファイナンス金利で1999年以前はドイツのレポ金利で代替)。

インフレ率は各国消費者物価(米国はPCEデフレーター(個人消費支出価格指数))の前年比の12ヵ月移動平均。

一般政府債務・財政収支はIMF World Economic Outlook (2019年10月)(2001年以前の米国は米財務省やCBO公表値で代替)に基づく。

直近値は潜在成長率、一般政府債務、一般政府財政収支が2019年、インフレ率、10年国債利回り、政策金利が2019年12月時点。

出所) OECD(経済協力開発機構)、IMF、米商務省、米財務省、CBO、欧州統計局、総務省、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

政策金利

一般政府債務(対GDP比)

一般政府財政収支(対GDP比)

潜在成長率

インフレ率(12ヵ月移動平均)

10年国債利回り

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

世界経済

-45-40-35-30-25-20-15-10-505101520253035

-60-50-40-30-20-10

0102030405060708090

100

2015 2016 2017 2018 2019 2020

台湾輸出受注

(電子製品、右軸)

中国

国内携帯電話出荷台数(左軸)

+10.1%

▲1.5%

(%)

(年)

(%)

2020年の半導体市場は緩やかに回復へ

注)過去11回の同ギャップ縮小期間の平均は約11ヵ月。

今回は2019年3月を底値と仮定。直近値は2019年11月時点。

半導体売上高(地域別)

出所) MSCI、Refinitiv、I/B/E/Sより三菱UFJ国際投信作成

米国・台湾株式 予想EPS(MSCI)

台湾 電子製品の出荷在庫ギャップ (出荷-在庫、前年比の3ヵ月移動平均)

出所)中国国家統計局、台湾経済部、CEICより三菱UFJ国際投信作成 出所)台湾経済部より三菱UFJ国際投信作成

台湾の輸出受注と中国の携帯電話出荷 (ともに前年比)

出所) SIA(半導体工業会)より三菱UFJ国際投信作成

注)アジア・太平洋は日本除く。指数化は三菱UFJ国際投信。

直近値は2019年11月時点。

近年好調だった半導体市場は、世界的なスマート・フォン関連需要の一巡もあり、2018年から減速、

さらに米中通商摩擦の主戦場がハイテク分野となったことで、2019年にかけ不透明感を高めました。

半導体市場の先行指標とされる台湾企業の収益見通しは足元持ち直しに転じており、2020年の世

界的な半導体市況回復の蓋然性は高まっている印象です。台湾電子製品産業に見られる在庫調

整圧力一巡の動きや中国携帯電話市場における最悪期脱却の動きなど、明るい材料もあります。

注)直近値は2019年11月時点。

注)予想EPSは12ヵ月先予想ベース。指数化は三菱UFJ国際投信。

ともに直近の底値を付けた年月を表示。直近値は2019年12月時点。

半導体企業の業績見通しは改善、アジア・米国の需要回復が主導

台湾電子製品の在庫調整圧力は緩和、中国の携帯電話需要も安定化へ

0

20

40

60

80

100

120

140

160

2005 2008 2011 2014 2017 2020

米国半導体株

(年)

台湾総合株

(2017年平均=100)

2019年8月

2019年9月

80

90

100

110

120

130

140

150

160

170

180

2015 2016 2017 2018 2019 2020

米州

(年)

アジア・

太平洋

世界

欧州

(2015年平均=100)

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

120

1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

(%ポイント)

19 812617111289

2018年

7月

ITバブル崩壊↓

リーマン・ショック↓

■内の値は

在庫調整期間

(■→■、月数)

2019年

3月

812 8

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世界経済

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欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

見通しと注目点

2.見通しと注目点:リスク選好相場の持続なるか

2020年は米大統領選挙を控えた警戒感根強く、金融政策面の支援が不可欠に

2017-2020年の米国株式・金利および米ドル(■は株高局面)

出所)Blombergより三菱UFJ国際投信作成

2017年は景気が過熱せず冷えもせず良好、低金利や低インフレを背景に、株式市場は低ボラティ

リティ(価格変動率)を保ちつつ上昇を続けるという理想的な環境でした。しかし、2018年は一転、

米金利上昇や米中通商摩擦勃発で2度の大幅調整を強いられるなど、大荒れの展開となりました。

2020年は大統領選挙を控え、ボラティリティが高まる場面も想定されます。米中貿易交渉に一喜一

憂しつつも株高が続いた2019年同様、米国金融緩和策の持続性が株高堅持の鍵となりそうです。

米国株式 (S&P500)

米国株式 ボラティリティ (VIX指数)

米国金利

米ドル指数 (対主要10通貨)

注)VIX指数はCBOE Volatility Index。S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出され、別名「恐怖指数」とも言われる。

米ドル指数はBloomberg公表値、対象10通貨は円、ユーロ、英ポンド、カナダドル、スイスフラン、オーストラリアドル、中国人民元、インドルピー、

メキシコペソ。株式、金利、米ドルの見通しのイメージは三菱UFJ国際投信。直近値はすべて2020年1月7日時点。

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

2017 2018 2019 2020

↑金利上昇↓金利低下

2018年11月8日 3.238

(%)

10年国債利回り

参考)FF目標金利(上限)

(年)

2019年9月3日1.458

長期金利安定 長期金利上昇 長期金利低下

(見通し)

1,100

1,150

1,200

1,250

1,300

2017 2018 2019 2020

↑米ドル高↓米ドル安

(年)

米ドル安 米ドル安定米ドル高

(見通し)

0

10

20

30

40

50

2017 2018 2019 2020

(投資家の)↑不安拡大↓不安後退

(年)

2017年平均:11.1

市場安定 市場不安定市場不安定2,200

2,400

2,600

2,800

3,000

3,200

3,400

3,600

↑株高↓株安

2018年

1月26日2,872.87

2月8日2,581.00

9月20日2,930.75

12月24日2,351.10

株高 株価調整 株高

2019年

4月30日2,945.83

7月26日3,025.86

6月3日2,744.45

8月14日2,840.60

(見通し)

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世界経済

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米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

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新興国

見通しと注目点

中国経済

見通しと注目点

2020年の世界経済・金融市場の展望

2020年の金融政策や国際政治に関する注目日程

2020年の見通し: 政治的な不透明感は残るも、堅調な米景気や世界的な金融緩和が相場を支援

出所) 各種資料、各種報道より三菱UFJ国際投信作成

注)FOMC:連邦公開市場委員会、ECB:欧州中央銀行、IMF:国際通貨基金、WTO:世界貿易機関、OPEC:石油輸出国機構、G7:主要7ヵ国、G20:20ヵ国・地域、

ASEAN:東南アジア諸国連合、APEC:アジア太平洋経済協力、を指す。パリ協定は地球温暖化対策の国際的枠組みの名称。

★はFRB、ECB、日銀による四半期経済見通し公表日。予定は変更される場合があります。

出所) 三菱UFJ国際投信作成

2019年の世界経済は、2018年からの米中通商交渉、英国EU(欧州連合)離脱問題に進展が見ら

れず、さらに中国・欧州景気減速や世界的な製造業失速にも直面し、絶えず先行き不安を抱えた

状態にありましたが、米欧の金融緩和強化に支えられ、何とかリスク選好の流れを維持しました。

2020年も、主要国の金融緩和また米国景気頼みの環境は続くとみます。その上で中国やドイツの

景気が安定化し、米中が貿易交渉決裂を回避することで緩やかなリスク選好が保たれるとみます。

国際貿易摩擦が緩和、米国景気安定が続き中国景気軟着陸でリスク選好継続へ

メインシナリオ 楽観シナリオ 悲観シナリオ

景気 米国は家計消費堅調、住宅市場回復を背景に安定成長

欧州は外需好転、日本は公共事業拡大で底堅さ増す

中国は小刻みな財政金融緩和を実施し景気軟着陸へ

金融政策 FRBは春までに追加利下げも、ECBも追加緩和余地探る

米中通商交渉の完全合意または対立解消の可能性低い

中東地域の軍事衝突回避、英国の合意なきEU離脱はなし

株価は底堅い米景気や世界的金融緩和を背景に上昇余地

金利は低インフレとFRBやECBのハト派姿勢を反映し低位に金融市場

国際政治

◎米中両国が  懲罰関税全廃で合意◎中国が構造改革棚上げ  大型景気刺激策導入◎米議会対立が収束、  インフラ投資案成立◎ユーロ圏各国が  巨額の財政出動へ◎英国がEU残留

×米中が関税率を引上げ、

 企業間の取引制限拡大x米大統領弾劾巡り、

 与野党対立し政府閉鎖x米国が景気後退入り

x中国景気底割れ

x米国・イラン間で

 軍事衝突し原油暴騰

1月20・21日★ 4月27・28日★ 7月21・22日★ 10月28・29日★

3月18・19日 6月15・16日 9月16・17日 12月17・18日

1月28・29日 4月28・29日 7月28・29日 11月4・5日

3月17・18日★ 6月9・10日★ 9月15・16日★ 12月15・16日★

1月23日 4月30日 7月16日 10月29日

3月12日★ 6月4日★ 9月10日★ 12月10日★

1月20日 通常国会召集 4月 習中国国家主席来日 7月5日 東京都知事選 9月 マイナンバーカード

(会期末は6月17日) 6月末 キャッシュレス・ 7月24日-8月9日 ポイント還元開始

消費者還元制度終了 東京オリンピック 12月 憲法改正・施行

8月25日-9月6日 の目標時期

東京パラリンピック

1月15日 米中の第1段階 2月11日 7月13-16日 民主党大会 10-11月 半期為替報告書

貿易合意署名 ニュー・ハンプシャー州予備選挙 8月24-27日 共和党大会 11月3日 大統領・議会選挙

1月16日 上院の 2月 2021年度予算教書 9月29日 大統領候補者 11月4日 パリ協定

大統領弾劾裁判開始 3月3日 スーパー・チューズデー 討論会開始        離脱完了日

2月3日 アイオワ州党員集会 4-5月 半期為替報告書 9月末

2月4日 一般教書演説 5月25日 香港人権法に 2021年度予算成立期限

基づく報告書提出期限

1月 クロアチアがEU議長国 5月 ポーランド大統領選挙 7月 ドイツがEU議長国 10月15・16日 EU首脳会議

2月23日 独ハンブルグ 6月18・19日 EU首脳会議 10月 EU各国が

特別市議会選挙 6月末 英国EU離脱 2021年度予算案提出

3月26・27日 EU首脳会議 移行期間延長決定期限 12月10・11日 EU首脳会議

3月 スロバキア議会選挙 12月末 英国EU離脱

移行期間期限

1月25日 旧正月 7月 北戴河会議 10月 五中全会

3月5日 全人代開幕 12月 中央経済工作会議

1月11日 4月17-19日 9月15-30日 国連総会 11月12日 APEC首脳会議

台湾総統・立法委員選挙 IMF・世界銀行春季会合 9月 香港立法会議員選挙 11月21・22日 G20首脳会議

2月21日 イラン議会選挙 4月 ASEAN首脳会議 10月16-18日 11月 ASEAN首脳会議

3月2日 イスラエル総選挙 6月9日 OPEC総会 IMF・世界銀行年次総会 12月 OPEC総会

3月5日 OPEC臨時総会 6月8-11日 WTO閣僚会議

3月 産油国減産合意期限 6月10-12日 G7首脳会議

7-12月1-6月

その他

金融政策

日銀政策会合

FOMC

ECB

理事会

国際政治

日本

欧州

中国

米国

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

見通しと注目点

注目点① 金融緩和が株式市場の心の拠りどころに

米国FRB(連邦準備理事会)は、2014年10月に資産買入れを停止、2015年12月に利上げを開始、

2017年10月には資産圧縮に着手するなど金融政策の正常化を粛々と進めてきました。しかし、

2019年7月に利下げを開始し、8月には資産圧縮も停止、再び金融緩和の強化へ舵を切りました。

2019年11月からはECB(欧州中銀)が資産買入れを再開、今後も金融市場への潤沢な資金供給が

続く見込みです。2009年から始まった世界的な流動性相場が長期化する可能性も浮上しています。

米欧日主導で潤沢な流動性供給が続く見込み

2019年に入り、FRBが利下げに転換、ECBが利下げを実施

米国・ユーロ圏・日本 金融政策変更の経緯

出所) 日本銀行、FRB、ECB(欧州中銀)より三菱UFJ国際投信作成

注)T-LTRO(貸し出し条件付き長期資金供給オペ)は民間金融機関が国債等の担保を差し出し,ECBが資金を供給する措置。

日米欧中央銀行バランスシートと世界株式

出所) 日本銀行、FRB、ECB(欧州中銀)、Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

注)世界株式はMSCI ACWI(米ドル)、日本とユーロ圏の中央銀行バランスシートは各月末時点の為替相場で米ドル換算。2019年12月までが実績。

バランスシートの見通し(2020年1月~12月)は、米国が2020年6月まで月間600億米ドル拡大(7月以降は一定)。ユーロ圏が月間200億ユーロ拡大、

日本が年間20兆円ペースで増加、為替相場を2019年12月以降一定、とそれぞれ仮定し三菱UFJ国際投信が算出。

2014年 1月 資産買入れの減額開始 6月 追加利下げ(マイナス金利導入)

10月 資産買入れ停止 9月 追加利下げ、T-LTRO1開始 10月 量的・質的金融緩和(QQE)拡大

2015年 3月 資産購入プログラム(APP)開始

12月 利上げ開始 12月 利下げ、APP期間延長(→2017年3月)決定

2016年 3月 追加利下げ 1月 マイナス金利付きQQE開始

6月 APP対象拡大(+社債)、T-LTRO2開始 7月 ETF買入れ額増額(→年6兆円)

12月 追加利上げ 12月 APP減額と期間延長(→2017年12月)決定 9月 イールドカーブ・コントロール(YCC)導入

2017年 3・6月 追加利上げ 4月 APP減額(月800→600億ユーロ)

10月 資産圧縮開始 10月 APP減額と期間延長(→2018年9月)決定

12月 追加利上げ

2018年 3月 追加利上げ 1月 APP減額(月600→300億ユーロ) 7月 当座預金(うちマイナス金利

6月 追加利上げ 6月 APP減額と期間延長(→2018年12月)決定 適用残高)の減少

9月 追加利上げ 10月 APP減額(月300→150億ユーロ) 長期国債およびETF、J-REIT

12月 追加利上げ 12月 APP終了 買入れ額の弾力化

2019年 5月 資産圧縮額の減額開始 3月 T-LTRO3の実施決定 4月 フォワード・ガイダンス明確化

7月 利下げ開始 (2020年春頃まで低金利維持)

8月 資産圧縮停止 9月 追加利下げ 10月 フォワード・ガイダンス修正、

9・10月 追加利下げ 将来利下げの可能性を示唆

10月 短期債買入れ開始 11月 APP再開(月200億ユーロ)

ユーロ圏(ECB) 日本(日本銀行)米国(FRB)

※ETF:上場投資信託

※YCC:短期金利を▲0.1%、

長期金利を0%とする政策

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

600

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(兆米ドル) (ポイント)

世界株式(折れ線、右軸)

米国

ユーロ圏

日本

中央銀行バランスシート(棒、左軸)

(年)

2020年見通し

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

見通しと注目点

トランプ米大統領は2020年11月の大統領選挙再選に向け始動しました。今後も支持基盤の共和

党保守派や米国民の1/4を占めるキリスト教福音派が求める対中強硬路線、対イラン制裁(イスラ

エル擁護)、移民対策などを緩める公算は低く、直感的な言動で世界や金融市場を翻弄しそうです。

2019年に米中貿易交渉は第1段階合意に至ったものの、両国間の制裁関税は継続中です。世界

経済への悪影響をこれ以上強めないために、両国が交渉のテーブルから離れないことが重要です。

注目点② トランプリスクを意識せざるを得ない環境に

2020年もトランプ流政治・外交は健在、国際金融市場は警戒緩められず

出所) 各種情報より三菱UFJ国際投信作成

EU

ロシア

中国

北朝鮮

日本

カナダ

メキシコ サウジアラビア

トルコ

イラン

ベネズエラ

非核化圧力

経済制裁

経済制裁

経済覇権争い

香港問題

貿易交渉

ユーロ安批判

貿易交渉

原油

増産要求?

トランプ政権

経済制裁

移民問題

(国境の壁)

貿易交渉

貿易交渉

イスラエル

エルサレム首都認定

FRB

利下げ要求

核合意

離脱

トランプ政権主導のリスク一覧

米中通商交渉は、互いの制裁関税こそ継続も交渉決裂は回避が基本線か

米国・中国間の制裁関税一覧 (上から対象額、追加税率、主な対象品目)

出所) 各種報道より三菱UFJ国際投信作成

出所) IMF World Economic Outlook (2019年10月)より

三菱UFJ国際投信作成

米中通商摩擦による実質GDPへの影響 <IMF試算(2019年10月)>

注)両国間の関税引上げがない場合との比較。最悪シナリオは投資

への影響、社債スプレッド拡大、生産性への影響を加味した値。

▲0.1 ▲0.1 ▲0.1▲0.1 ▲0.1 ▲0.1▲0.4 ▲0.3 ▲0.2

①第1-3弾関税(第3弾税率10%引き上げ)まで

■世界 ■米国 ■中国

▲0.1 ▲0.1 ▲0.1▲0.2 ▲0.2 ▲0.2▲0.6 ▲0.6 ▲0.4

②第1-3弾関税(第3弾税率25%引き上げ)まで

▲0.1 ▲0.2 ▲0.2▲0.2 ▲0.2 ▲0.3▲0.7

▲1.3▲0.9

③第1-4弾関税(第1-3弾税率30%引き上げ)

▲0.4▲0.8 ▲0.7

▲0.3▲0.6 ▲0.6

▲1.0

▲2.0▲1.6

2019年 2020年 2021年

④経済・金融市場への影響も加味した最悪シナリオ

注)赤字は米中貿易協議の第1段階合意(2019年12月13日発表)に基づく決定。

対中関税第4弾-Aの税率引き下げは第1段階の貿易合意署名(2020年1月15日)

で正式決定。

第1弾(2018年7月6日~) 第1弾(2018年7月6日~)

340億米ドル 340億米ドル

25% 25%

乗用車、プリンター部品 大豆、豚肉第2弾(2018年8月23日~) 第2弾(2018年8月23日~)

160億米ドル 160億米ドル

25% 25%

化学製品、半導体 石炭、医療機器第3弾(2018年9月24日~) 第3弾(2018年9月24日~)

2,000億米ドル 600億米ドル

10%→25%(2019年5月10日~) 5-10%→25%(2019年6月1日~)

食料品 液化天然ガス、光学機器第4弾-A(2019年9月1日~) 第4弾-A(2019年9月1日~)

1,200億米ドル 750億米ドル(A・B合計)

15%→7.5%(2020年2月14日~) 5-10%

電話機・通信機器、TV、衣類 冷凍水産品、原油第4弾-B(2019年12月15日~) 第4弾-B(2019年12月15日~)

1,600億米ドル ---

15% 5-10%

スマートフォン、ノートPC、玩具 トウモロコシ、乗用車

米国の対中関税 中国の対米関税

見送り 見送り

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

石油需給は中東情勢の不透明感が増す中ではやや不安定な需給均衡の模様

注目点③ 原油市況:需給が均衡する中で中東情勢に不透明感

原油価格は2014年6月以降に急落しました。シェール革命により米国での生産が増加し、需給悪

化懸念が高まったことが、背景のひとつです。2017年1月からOPEC(石油輸出国機構)で協調減産

が開始されました。2019年12月のOPEC総会では、2020年3月までの減産が予定されています。

今後の需給はほぼ均衡が見込まれていますが、中東情勢の不透明感が増しており、やや不安定

な均衡とみられます。原油価格もリスクを意識した高値圏での不安定な動きを続けるとみています。

OPECの協調減産は2020年3月まで継続、中東情勢で原油価格の変動は増す模様

見通しと注目点

注)直近値は2019年12月時点。

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

主要国の原油生産量(日量)

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)原油価格はアラビアン・ライトのスポット価格。

原油価格

世界の石油需給 (日量)

注)予想は米エネルギー省(EIA)、2019年12月時点。

出所)米EIAより三菱UFJ国際投信作成

2020年+15

2019年+11

6,500

7,000

7,500

8,000

8,500

9,000

9,500

10,000

10,500

11,000

-200

-100

0

100

200

300

400

500

2000 2005 2010 2015

(万バレル)(万バレル)

(年)

世界の需要(右軸)

世界の供給(右軸)

供給-需要(左軸)

供給

超過

需要

超過

(予想)

200

400

600

800

1000

1200

1400

2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(万バレル)

(年)

米国 1,290万バレル

ロシア 1,126万バレル

サウジアラビア 983万バレル

1974年1月11.7

1981年10月38.3

1986年7月8.6

1990年9月39.9

1999年2月9.8

2008年6月136.0

2008年12月41.9

2014年

6月110.7

2016年1月28.3

0

50

100

150

200

1970 1980 1990 2000 2010 2020

(米ドル/1バレル)

(年)

2007-08年:サブプライム危機

2008年9月10日:OPEC、52万バレル減産2008年9月15日:リーマン破綻

2008年10月24日:OPEC、150万バレル減産

2008年12月17日:OPEC、220万バレル減産

1990年8月:イラク・クウェート侵攻(湾岸危機)

1979年1月:

イラン革命

第二次石油ショック

1997年7月:アジア通貨危機

1973年10月:

第四次中東戦争

第一次石油ショック

1985年7月:非OPEC増産とOPEC減産の後、サウジアラビアが生産調整を放棄

1980年9月~1988年8月:イラン・イラク戦争

2003年~2007年新興国の高成長

2016年11月30日OPEC、120万バレル減産2018年12月7日OPEC、80万バレル減産2019年12月5日OPEC、50万バレル減産

2013-14:シェール革命

2019年12月68.83

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

中東情勢は悪化も全面戦争は回避の見込み

選挙があるイラン、イスラエル、米国の国内世論が中東情勢を左右する可能性も

イランの軍司令官が殺害され、米国とイランの関係悪化が表面化しました。本格的な戦争は回避さ

れるとみるものの、今後の情勢には注意が必要です。中東は、宗教、宗派、石油利権など様々な関

係が交錯しています。今年は、イラン、イスラエル、米国で選挙があり、各国世論の動向に注目です。

イスラエル総選挙は2019年の2回の選挙で首相が選出されず、2020年3月に3回目の選挙が予定さ

れています。対イラン強硬派のネタニヤフ現首相が勝利すれば、地政学リスクは高まるとみます。

反イランのイスラエル選挙に注意、イランのさらなる原油生産減は限られる

見通しと注目点

出所) 各種報道より三菱UFJ国際投信作成

イラン情勢 ・2011年11月 IAEAがイラン核兵器開発を指摘 ・2011年12月・2012年1月 米国・EUがイラン制裁発動 ・2013年8月 イランで穏健なロウハニ大統領が誕生 ・2016年1月 イランと6ヵ国の核合意で制裁解除 6ヵ国は米、英、独、仏、中、露 ・2018年5月 米国が核合意からの離脱を表明 ・2019年6月 イランが米軍の無人偵察機を撃墜 米国は報復措置を10分前に中止 ・2020年1月 米国がイランの軍司令官を殺害 イランはイラクの米軍基地に報復措置 ・2020年2月21日(予定) イラン議会選

注)バーレーンはシーア派、シリアはスンニ派が

国民の多数を占めている。

オマーンはイバード派が多数、アラブ諸国内では中立の姿勢維持。

は核保有国

※EUは英国・フランスのみ保有、

イスラエルは保有が確実視されている

■スンニ派政権 ■シーア派政権

中東地域を巡る主要国の関係構図

エジプト バーレーン

UAE

クウェート

イエメン

カタール

イスラエル

クルド人居住区

サウジアラビア

EU シリア和平で協調

オマーン

イラク

イエメン内戦

イラン核合意問題

中国「一帯一路」を掲げ

プレゼンス拡大?

支援

東欧で反移民の動きも

支援

軍事介入

国交

断絶

国交断絶

イラン

親密化?

シリア

トルコ

難民流入

対ロ経済制裁

ロシア

シリア内戦

米国

NATO

(北大西洋条約機構) 対立?

イスラエルの総選挙結果

出所) OPECより三菱UFJ国際投信作成

リクード 青と白 その他 合計

ベンヤミンネタニヤフ(現首相)

ベニーガンツ

- -

選挙前 33 11 76 120

選挙1回目 2019年4月 35 35 50 120

選挙2回目 9月 31 33 56 120

選挙3回目 2020年3月 - - - 120

政党名

党首名

議席数

200

250

300

350

400

450

2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(万バレル)

(年)

2019年12月

208万バレル

イランの原油生産量(日量)

出所) 各種報道より三菱UFJ国際投信作成

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

2000 2004 2008 2012 2016 2020

(%)

(年)

主要新興国の輸出額

に占める中国向け比率

2020年

予測+6.0%

2018年10.7%

中国

実質GDP

(前年比)

見通しと注目点

注目点④ 実体経済の長期停滞が生む亀裂

新興国では高所得国への脱皮に苦慮する国も、中国の成長率鈍化も一因か

出所)ILO(国際労働機関)より三菱UFJ国際投信作成

年齢階層別の労働参加率

注)先進国はG7、新興国は中国・インド・インドネシア・メキシコ

・ブラジル・ロシア・南アフリカ・トルコ、の単純平均値。

直近値は2020年(ILO予測)時点。

超富裕層と所得下位層の総資産比較

出所) OXFAM INTERNATIONAL HPより三菱UFJ国際投信作成

地域別(除く高所得国) 一人当たりGDP

注)世界銀行は一人当たりGNI(国民総所得、2016年)が12,235米ドル

より大きい国を高所得国と定義。地域の分類は世界銀行。

直近値は2018年(中東・北アフリカのみ2017年)。

出所) 世界銀行より三菱UFJ国際投信作成

35

40

45

50

55

60

65

70

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

(%)

先進国

中高年層

(55-64歳)

先進国若年層

(15-24歳)

新興国若年層

新興国

中高年層

40%

53%

47%

※労働参加率

生産年齢人口

に占める

労働力人口の割合

66%

出所)IMF World Economic Outlook Update(2020年1月)、

IMF Direction of Trade Statisticsより三菱UFJ国際投信作成

中国成長率と新興国の中国向け輸出比率

注)主要新興国は2019年の名目GDP上位25ヵ国(除く中国)を対象。

輸出額の米・中向け比率は2018年。中国実質GDP予測はIMF。

13.7 13.4

3.1 6.2

11.9

23.5

6.5 11.5

アジア 南米 中東欧

ロシア

中東

アフリカ

■中国向け

■米国向け

輸出額の米・中向け比率(地域別、%)

若年層の労働参加率低迷や所得格差の拡大は経済不活性化を招くリスクも

2000年代に高成長を遂げた新興国は、近年は中所得国の罠(1人当たりGDP1万ドル超え後に伸び

悩む)にはまる国も散見されるなど停滞、2019年に南米で反政府デモが激化する場面もありました。

景気低迷が長引けば、国民の雇用不安や金融資産高の恩恵が集中する富裕層への不満を蓄積

させ、社会の分断を招きかねません。とはいえ、減税や補助金など目先重視の大衆迎合的な政策

を優先し、中長期的な成長戦略を棚上げすれば、経済基盤の弱体化を早めるリスクがあります。

注)時系列チャートについては、210 OXFAM BRIEFING PAPER

“AN ECONOMY FOR THE 1%” (2016年1月)を元に作成。

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

2.4

2.6

2.8

2003 2006 2009 2012 2015 2018(年)

(兆米ドル)

最も裕福な

62人合計

所得下位50%

(36億人)合計

2015年1.75

1.76

なお、最新調査(2018年時点)では

世界で最も裕福な26人の総資産が

所得下位50%(36億人)の総資産に匹敵と報告

逆転

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

1.2

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

(万米ドル)

中南米

中東・

北アフリカ

南アジア

東アジア

・太平洋

8,546

欧州・

中央アジア

7,8238,164

3,823

1,903

※直近値の単位は米ドル

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 18

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

見通しと注目点

注目点⑤ 行き過ぎた金融緩和がもたらす弊害

一部の国で見られる住宅市況過熱、家計債務が制御可能な水準か目配りも必要

出所) BIS(国際決済銀行)より三菱UFJ国際投信作成

地域別 主体者別債務(対GDP比)

注)銀行貸出と債券の合計。日米欧は日本・米国・ユーロ圏・英国の合算値。

直近値は2019年6月(四半期)時点。

主要国 非金融企業債務(対GDP比)

債務拡大の波は先進国から新興国へ、高水準の中国企業債務は要警戒

信用拡大は経済成長の源となりえます。国際金融危機後、その担い手は先進国民間部門から同

政府部門に移りましたが、欧州債務危機後はそのバトンが新興国民間部門へ託された印象です。

各国の住宅価格高騰や中国の企業債務急増も、かつての日本や米国で見られた信用膨張による

バブル拡大を彷彿とさせます。バブルが破裂すれば信用収縮を通じ、深刻な景気悪化や金融市場

混乱を招く可能性が高く、バブルを助長しかねない過度の金融緩和は修正の必要がありそうです。

注)データは英国が1976年3月、中国が2006年3月以降。

直近値は2019年6月時点(四半期)。

主要国 家計債務(対GDP比)

出所) BISより三菱UFJ国際投信作成

注)家計は非営利団体含む。値はオーストラリアが1977年12月、

スウェーデンが1980年12月、中国が2006年3月以降。

直近値は2019年6月時点(四半期)。

主要先進国 住宅価格

出所) BISより三菱UFJ国際投信作成

注)価格は名目ベース。指数化は三菱UFJ国際投信。

直近値は2019年4-6月期時点(四半期)。

出所) BISより三菱UFJ国際投信作成

2030405060708090

100110120130140150160170180

2003 2007 2011 2015 2019 (年)

(%)

新興国(民間)

国際金融危機

日米欧(民間)

新興国(政府)

日米欧(政府)

欧州債務問題

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

1975 1984 1993 2002 2011 2020(年)

カナダ

(%)

米国

ドイツ5455

119

75

オーストラリア

ITバブル崩壊

米住宅バブル崩壊

日本バブル崩壊

中国

101

59

日本

米国ピーク

2008年3月98.6

84

英国

88

スウェーデン

2030405060708090

100110120130140150160170180

1975 1984 1993 2002 2011 2020(年)

(%)

米国

ドイツ

カナダ

ITバブル崩壊

米住宅バブル崩壊

日本バブル崩壊中国

日本

59

155

75

119

102

日本ピーク

1993年12月147.6

79

英国

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

1995 2000 2005 2010 2015 2020 (年)

カナダ

(1995年=100)

米国

ドイツ

142

262

オーストラリア

368

スウェーデン 468

411

米住宅バブル崩壊

英国

404

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2010 2012 2014 2016 2018 2020

82

86

90

94

98

102

106

110

114

118

(年)

鉱工業生産指数

景気動向指数CI一致指数

※網掛けは景気後退期

(2015年=100)

輸出数量指数

2014年4月

消費税率引上げ

(5%→8%)

2019年10月

消費税率引上げ

(8%→10%)

85

90

95

100

105

110

115

120

125

130

135

2012 2014 2016 2018 2020

EU

米国

(年)

(2015年=100)

中国

全体

日本経済

2019年7-9月期の実質GDPは4四半期連続で増加しました。外需が落ち込みましたが、個人消費と

公的需要が成長率を押し上げました。2019年度前半の成長率は10月からの消費増税前の駆け込

み需要が内需を押し上げているため、後半は駆け込み需要の反動減の影響が懸念されます。

景気動向指数のCI一致指数は低下しており景気失速が懸念されます。消費増税後の景気落ち込

みは大きく、回復には時間を要する見込みです。輸出が持ち直すのかが今後の焦点といえます。

3.日本経済:消費増税後の落ち込みから回復できるか

2019年10-12月期の成長率は、消費増税前の駆け込み需要の反動で大幅減に

景気は輸出鈍化が響き悪化傾向、中国をはじめ世界経済の回復が鍵を握る

日本 鉱工業生産、輸出と景気動向指数

注) 直近値は景気動向指数が2019年10月、その他は同年11月。

なお鉱工業生産は同年12-2020年1月の製造工業予測指数の伸びで延長、

ただし同年12月は経済産業省公表の補正値を使用。

出所)内閣府、財務省、経済産業省より三菱UFJ国際投信作成

日本 地域・国別輸出数量指数

注)直近値は2019年11月。季節調整値の3ヵ月移動平均。

出所) 財務省、内閣府より三菱UFJ国際投信作成

日本 実質GDP(前期比年率)および需要項目別寄与度

注)実績の直近値は2019年7-9月期(2次速報値)。

2019年10-12月期~2020年10-12月期が三菱UFJ国際投信による見通し。2019年10月の消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減を想定。

出所) 内閣府より三菱UFJ国際投信作成

-20-18-16-14-12-10

-8-6-4-202468

101214

2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

2019年7-9月期実質GDP

+1.8%純輸出

民間設備投資

個人消費民間住宅投資

公的需要

民間

在庫投資

実質GDP

(年)

2008年9月

リーマン・ショック2014年4月

消費税増税

2011年3月

東日本大震災

2009年9月

民主党政権誕生

2012年12月

安倍政権誕生

(見通し)

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

7.1

5.8

5.0 4.6

5.3

6.0 6.0 6.0 6.0 6.0

6.9 6.9

2.4

0.6

2.9

2.4

1.0 0.4 0.6

1.6

1.0

1.6

1.6

4

5

6

7

8

9

10

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(兆円)

(年度)

補正予算

当初予算

92

94

96

98

100

102

104

106

108

110

25

30

35

40

45

50

55

60

2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(指数)

(年)

消費活動指数(実質、右軸)

消費者態度指数(左軸)

(年)

2014年4月

消費税率引上げ(5⇒8%)

(2011年=100)

2019年10月

消費税率引上げ(8⇒10%)

日本経済

政府は大型経済対策で景気を下支え

2019年10月の消費増税を前に消費者態度指数が前回の増税時(2014年4月)を下回るなど、家計

心理が大きく悪化しました。増税前は駆け込み需要により個人消費は堅調を維持しましたが、雇

用・所得環境が悪化方向にあるため、駆け込み需要の反動減による景気低迷が懸念されます。

消費増税対策で軽減税率や自動車・住宅購入時の減税、教育無償化、キャッシュレス決済へのポ

イント還元等が実施されています。更に政府は26兆円の経済対策により景気浮上を目指します。

85

90

95

100

105

110

115

120

125

0

50

100

150

200

250

2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

耐久財消費(左軸)

サービス消費(右軸)

(年)

非耐久財消費(右軸)

(2005年1月=100) (2005年1月=100)

消費者心理は消費増税前に大きく悪化、耐久財消費は直前に大きな駆け込み需要

日本 消費活動指数と消費者態度指数

注) 直近値は2019年10月。実質ベース、季節調整値。

出所)日本銀行より三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は消費者態度指数は2019年12月、消費活動指数は同年10月。

消費活動指数は実質ベースで旅行収支調整済、季節調整値。

出所)内閣府、日本銀行より三菱UFJ国際投信作成

日本 財別消費活動指数

日本 公共事業関係費(一般会計ベース)

注)2019年度の補正予算及び2020年度当初予算は予算案。

出所)財務省、各種資料より三菱UFJ国際投信作成

2021年度にかけて事業規模26兆円の大型経済対策の効果が期待される

日本 総合経済対策(2019年12月)

注)2019年12月13日公表。GDP比は2018年度名目GDPに対する比率。Society5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた社会。SDGsとは持続可能な開発目標のこと。

出所) 財務省、内閣府より三菱UFJ国際投信作成

財政支出 事業規模

Ⅰ.災害からの復旧・復興と安全・安心の確保5.8兆円程度

(GDP比+1.1%)7.0兆円程度

1. 自然災害からの復旧・復興の加速

2. 平成30年北海道胆振東部地震への対応

3. 国民の安全・安心の確保

3.1兆円程度

(GDP比+0.6%)7.3兆円程度

1. 中小企業・小規模事業者の生産性向上のための環境整備

2. 海外展開企業の事業の円滑化

3. 農林水産業の成長産業化と輸出力強化の加速

4. 地方創生の推進強化

5. 就職氷河期世代への支援

4.3兆円程度

(GDP比+0.8%)11.7兆円程度

1. Society 5.0やSDGsの実現に向けたイノベーションと社会実装の促進等

2. Society 5.0時代を担う人材投資、子育てしやすい生活環境の整備

3. 外国人観光客6,000万人時代を見据えた基盤整備

4. 生産性向上を支えるインフラの整備

5. 切れ目のない個人消費の下支え

6. コーポレート・ガバナンス改革の推進等

合計13.2兆円程度

(GDP比+2.4%)26.0兆円程度

Ⅱ.経済の下振れリスクを乗り越えようと

する者への重点支援

Ⅲ. 未来への投資と東京オリンピック・

パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上

内閣府による実質GDP押し上げ効果の試算は

+1.4%程度

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

観光政策や各種イベントにより訪日外国人数は増加しています。日韓関係の悪化により韓国から

の訪日客が減少していますが、中国からの訪日客の増加が支えています。訪日外国人の一人当た

り消費額は堅調であり、2020年は東京五輪開催による訪日客の急増と支出増加が期待されます。

雇用不足の解消のため合理化・省力化投資は拡大する見通しです。また、3期目後半の安倍政権

の行方も焦点です。衆院解散の可能性や7月の都知事選挙、次期自民党総裁などが注目されます。

2020年の注目点

日本経済

47.9

36.5

10

20

30

40

50

60

70

80

2010 2012 2014 2016 2018 2020(年)

(%)

支持

不支持

2019年11月

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

320

2003 2006 2009 2012 2015 2018 2021(年)

(万人)

中国

世界計

韓国

台湾

香港6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

26

28

30

32

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

(万円)

中国

韓国

豪州

全世界

参考)日本の一人当たり月間消費支出

台湾

日本 内閣支持率と当面の主要イベント

注)2019年12月現在。赤字部分は特に重要と判断したもの。

出所)各種報道、Real Politics Japanより当社経済調査室作成

日本 訪日外客数とアジア主要国客数

注)直近値は2019年12月日銀短観による2019年度設備投資計画。

設備投資は土地投資額を除く。

出所)日本銀行より三菱UFJ国際投信作成

日本 訪日外国人一人当たり消費額

注)直近値は2019年7-9月期。一人当たり消費支出は名目消費支出

(帰属家賃を除く)を人口総数で割ったもの。

出所)観光庁、内閣府より三菱UFJ国際投信作成

韓国人観光客の激減は打撃、ただし東京五輪を控えインバウンド消費に期待

雇用が不足するなか合理化投資は拡大見通し、また衆院解散など政治動向も注目

日本 設備投資とソフトウェア投資構成比

①東京五輪(来場者数予想約1000万人)(2020年7月24日~8月9日)17日間②ワールドマスターズゲーム関西(目標参加者数5万人)(2021年5月14日~30日)17日間③大阪万博(来場数目標2800万人)(2025年5月3日~11月3日)185日間

注)直近値は2019年11月。

出所)日本政府観光局、各種報道より三菱UFJ国際投信作成

2020年 3月 5G商用サービス開始4月19日 立皇嗣の礼

   月内 中国の習近平国家主席が来日6月 政府が骨太方針・成長戦略発表6月30日 キャッシュレス決済によるポイント還元制度終了7月5日東京都知事選7月24日~8月9日 東京五輪開催8月 安倍首相の連続在任期間が佐藤栄作氏を抜いて最長に

9月 マイナンバーカード・ポイント還元(~2021年3⽉)2021年 9月 安倍首相の自民党総裁任期満了

10月 衆院議員の任期終了2025年 5月~11月 大阪万博開催

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

2003 2007 2011 2015 2019

設備投資(前年度比)(左軸)

非製造業

(年度)

(%)

製造業

全産業

(%)

線:ソフトウェア投資の構成比(右軸)

(計画)

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 22

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

2.8

104.1

61.5

0.58.0

77.3

168.3

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

2018年 2020年 2025年 2030年

年平均+63.7%(約340倍)

インフラ

IoT機器

ソリューション

サービス

(兆円)

■IoT機器はスマートフォン、タブレット、パソコンのほか、自動運転車、ロボット、ネットワークカメラ、ドローン、建設・農業機械など

■ソリューションサービスはSI開発、ソフトウェア、アウトソーシングなど

5G市場が本格始動

IT需要の回復で、IT関連が生産のけん引役となっています。2020年春からは5Gの商用サービスが

始まり、5G市場は大きな成長が見込まれます。特に自動運転車、ロボット、ネットワークカメラなど

IoT機器の需要が拡大し、民生、産業の用途を問わず多様で新しいサービスが生まれる見通しです。

今回の消費増税後は教育無償化や値下げにより、消費者物価の上昇は抑えられています。賃金

上昇率が伸び悩むなか物価の上昇は限定的であり、日本の低インフレは今後も続く見通しです。

日本経済

75

85

95

105

115

125

135

2010 2012 2014 2016 2018 2020

15

20

25

30

35

40

45

(年)

電子部品・デバイス工業生産(右軸)

世界半導体売上高(左軸)

(2015年=100)(10億ドル)

-1

0

1

2

3

4

2012 2014 2016 2018 2020

(%)

(年)

コアコア(除く生鮮食品、エネルギー)

コア(除く生鮮食品)総合日銀

物価目標

消費増税調整前

消費増税調整後

消費増税分(差引)

2014年4月~2015年3月(平均)

コア 2.8% 0.8% 2.0%pt

コアコア 2.6% 0.7% 1.9%pt

2019年10月~(平均)

コア 0.5% 0.2% 0.3%pt

コアコア 0.8% 0.6% 0.2%pt

2014年4月

消費税率

引上げ

5%→8%

2019年10月

消費税率

引上げ

8%→10%

5G市場の成長に合わせてIT需要は拡大する見通し

消費増税による物価上昇は限定的であり、低インフレが継続

日本 消費者物価指数(CPI)(前年比) 主要国 平均賃金と消費者物価

注)直近値は2018年。平均賃金は現地通貨ベース。

出所)OECDより三菱UFJ国際投信作成

日本 世界半導体売上高と 電子部品・デバイス工業生産

5G市場の世界需要額見通し

注)見通しは一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)による。

出所)JEITAより三菱UFJ国際投信作成

80

100

120

140

160

180

200

220

240

260

1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 2019

(1991年=100)

日本

英国オーストラリア

フランス

ドイツ

米国カナダ

平均賃金

90100110120130140150160170180190200

1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 2019

(1991年=100)

日本

英国

オーストラリア

フランス

ドイツ

米国

カナダ

消費者物価

(年)

注)直近値は2019年11月。半導体売上高は3ヵ月移動平均。電子部品・デバイス工業生産は2019年12月・2020年1月生産予測指数の伸びで延長(点線部分)。

出所)経済産業省、半導体工業会(SIA)より三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は2019年11月。

出所) 総務省より三菱UFJ国際投信作成

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

短期金利

長期金利

2018年12月 ①2019年12月 前年差

長期国債 456.1 471.9 15.8 957.5 49% +約80兆円をめど

ETF 23.5 28.3 4.7 42.9 66% +約6兆円

J-REIT 0.50 0.55 0.05 16.4 3% +約900億円

社債 3.2 3.2 ▲ 0.0 84.0 4% 残高を維持

CP等 2.0 2.2 0.2 16.3 14% 残高を維持

総資産 552.1 572.8 20.7

①長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)

日銀当座預金の「政策金利残高」への適用金利 ▲0.1%

10年国債利回りゼロ%程度で推移するよう

長期国債を買入れ

②資産買入れ方針

日銀資産残高(兆円) ②発行残高(兆円)

比率(①/②)

現在の政策年間購入金額

③オーバーシュート型コミットメント

・2%の「物価安定の目標」を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで、「長短

金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続。・マネタリーベースの残高は消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が安定的に2%を超える

まで、拡大方針を継続。

490(46.8%)

408(39.0%)

79(7.4%)

46(4.4%)13(1.3%)

0

100

200

300

400

500

600

1998 2002 2006 2010 2014 2018 2022(年)

(兆円)

金融機関

日銀

政府

家計

海外

2019年9月末

2013年3月末

0

2

4

6

8

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(兆円)

ETF

(2019年12月)4.7兆円

(2019年1月)6.4兆円6兆円

0

500

1000

1500

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(億円)

Jリート

(2019年12月)499億円

(2017年10月)1013億円900億円

0

20

40

60

80

100

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(兆円)

長期国債

(年)

(2019年12月)15.8兆円

(2015年10月)83.6兆円80兆円

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

2015 2016 2017 2018 2019 2020(年)

(%)

10年債

2年債

20年債

□は指値オペ実施日

2016年9月21日「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」

の導入

2018年7月31日長期金利操作の

弾力化(変動幅を±0.10%から±0.20%へ)

日銀は当面、金融政策を現状維持へ

2019年に米欧中銀が金融緩和に傾くなか日銀は追加緩和姿勢を示しましたが、緩和余地が限ら

れているため、慎重な政策運営が続いています。マイナス金利深掘りや長期金利低下は、金融機

関の業績悪化懸念を招くため、金融市場でリスク回避の動きにつながる可能性があります。

量的緩和の拡大は日銀バランスシートの不安定化につながる懸念があります。日銀の資産残高

は前年比で増加ペースが縮小しており、日銀は当面現状の金融政策を維持する見通しです。

日本経済

日本 国債の主体別保有残高

注)直近値は2019年9月末。国債の保有残高は財投債を含み短期債を除くベース。値表示のカッコ内は構成比。

出所)日本銀行より三菱UFJ国際投信作成

日銀の保有資産残高(前年差)

注)直近値は2019年12月。

出所)日本銀行より三菱UFJ国際投信作成

日本 国債利回り

注)直近値は2020年1月8日。グラフ内の□は日本銀行による

長期国債の無制限購入・指値オペ実施日。

出所) 日本銀行、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

日銀の金融政策と証券発行残高

注)日銀保有残は2019年12月末、ETF、J-REIT発行残は同年12月末、長期国債発行残は同年10月末、社債、CP等の発行残は同年9月末の値。ETF(指数連動型上場投信)は対象が国内株。金融政策は2020年1月9日時点。

出所)日本銀行、日本証券業協会、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

日銀 は当面、金融政策を現状維持へ、長期金利はゼロ%中心の動きに

長期国債は日銀保有比率が約5割に上り、資産買い入れ増額は困難

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

10.71(2018/12/25)

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

予想PER(左軸)

PBR(右軸)

(倍)

(年)

(倍)

2012年以降の平均14.8

10.59(2012/6/4)

0.99(2018/12/25)

0.99(2016/2/12)

2012年以降の平均1.22

2020年1月8日

株価:23204.76円予想PER:14.17倍

PBR:1.14倍

0

20

40

60

80

100

120

140

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

2000 2004 2008 2012 2016 2020

リビジョン・インデックス(TOPIX、左軸)

予想EPS

(TOPIX、右軸)

(%)

(年)

↑上方修正超

↓下方修正超

(指数)

5,000

7,000

9,000

11,000

13,000

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

25,000

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

55

60

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(兆円)

(年)

日銀ETF買入れ額

(累積、左軸)

海外投資家・売買差額(累積、左軸)

日経平均株価(右軸)

(円)

事業法人・売買差額(累積、左軸)

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

(円)

1989年12月29日38,957.44

2020年1月9日23,739.87

1998年10月9日12,787.90

1995年7月3日14,295.90

1992年8月19日14,194.40

2008年10月28日6,994.90

100.0%38,957.44

0.0%6,994.90

23.6%14,538.06

50.0%22,976.17

(年)

2016年6月24日14,864.01

1996年6月26日22,750.70

61.8%26,747.75

企業業績不安が緩和し、株価は堅調地合いへ

日経平均株価は2018年1月に1989年以降最高値と最安値の半値水準を超え約26年ぶりに2万4千

円台を回復しました。その後海外投資家の大幅な売り越しから上値の重い展開となりましたが、日

銀と事業法人の買いが株価を下支えしており、海外投資家の買い越しが続くのか注目されます。

日経平均株価は予想PERやPBRが低位で推移し底堅さをみせてきました。米中経済減速懸念や円

高が株価の上値を抑える要因でしたが、足元では業績不安が緩和し株価は回復基調にあります。

日本経済

日経平均株価は1989年以降の最高・最安値の半値戻しを達成

企業業績の先行き悪化懸念が緩和、株価はEPSの増益転換をにらみ回復基調

日経平均株価

注)チャートは日次の終値、数値はザラ場ベース。

最高値と最安値は1980年1月から直近までの期間。

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)PERは株価収益率、PBRは株価純資産倍率。直近値は2020年1月8日。

出所)Bloomberg、日本経済新聞より三菱UFJ国際投信作成

日本 PERとPBR(日経平均)

日本 株価と投資主体別株売買状況

注)直近値は2019年12月第4週、日経平均株価は2019年12月30日。

累積値(海外投資家は先物取引含む)は2012年1月第1週からの累積。

売買差額は株式市場での「買い」-「売り」。日経平均株価は週末値。

出所)東京証券取引所、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

日本 予想EPSとリビジョン・インデックス

注)直近値は2020年1月3日時点。リビジョン・インデックスはアナリスト

予想の変化を指数化したものであり、前月比で[上方修正]-[下方修正]の

構成比。予想EPS、リビジョン・インデックスともに12ヵ月先予想を使用。

出所) Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

4.米国経済:

米国経済

4.米国経済:金融緩和に支えられ底堅い成長へ

米国の実質GDP(2019年7-9月期)は前期比年率+2.1%と、在庫投資や輸入減が寄与し前期(同

+2.0%)からやや加速しました。底堅い賃金上昇や好調な住宅市況等を背景に個人消費は引き続

き堅調です。緩和的な金融政策も追い風となり、潜在力を上回る底堅い成長を続ける見通しです。

世界景気減速や米中貿易摩擦の影響で製造業が軟調です。今後の非製造業や個人消費への波

及が懸念されます。一方物価の伸びは緩慢で、足元では期待インフレ率の低下が目立っています。

米国経済は底堅い。個人消費が米景気を牽引

米国 実質GDP(前期比年率)および需要項目別寄与度

出所) 米商務省より三菱UFJ国際投信作成

雇用や住宅は堅調の一方、製造業やインフレ率は停滞

米国 各種経済指標一覧

注)実績の直近値は2019年7-9月期。

2019年10-12月期~2020年10-12月期が三菱UFJ国際投信による見通し。

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

2019年7-9月期

実質GDP+2.1%純輸出

民間設備投資

個人消費民間住宅投資

公的需要

民間在庫投資

実質GDP

(年)

2008年9月

リーマン・ショック2014年初

大寒波2011年8月

米国債格下げ

2017年1月

トランプ政権誕生

(見通し)

注)▲は前月差、●は前年比、それ以外は原数値。PCEは個人消費支出、PCEコアは総合除く食品・エネルギー。期待インフレ率はミシガン大学調査5年後の5年間の期待インフレ率。小売売上高コアは総合除く自動車、ガソリン、建材、食品サービス。消費者信頼感はコンファレンスボード消費者信頼感指数。住宅価格はS&P全米住宅価格指数。資本財受注コアは非国防資本財除く航空機。

出所)米労働省、米商務省、米Census Bureau、米NAR、S&P、FRB、コンファレンスボード、ISM、米MBA、米財務省より三菱UFJ国際投信作成

景気悪化

(物価鈍化)

景気改善

(物価上昇)

分類 指標

▲ 非農業部門雇用者数 #

失業率 #

● 新規失業保険申請件数● 平均時給 #

● PCEデフレーター総合 #

● PCEデフレーターコア #

期待インフレ率● 小売売上高 #

● 小売売上高コア #

● #

消費者信頼感● #

● #

● # #

● 鉱工業生産 #

● 製造業生産 #

● 耐久財受注 #

● 資本財受注コア #

ISM製造業

ISM非製造業● 貿易収支 #

● 輸出 #

● 輸入 #

財政収支 #

収入 #

支出 #

2014年 2019年2018年2017年2016年2015年

雇用

個人消費 実質個人消費支出

物価

企業

海外

財政

住宅新築住宅販売

中古住宅販売

住宅価格

住宅ローン申請件数

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

米国経済

物価の主要指標である個人消費支出(PCE)コアデフレーターは前年比+1.6%と金融政策の目標か

ら遠ざかりました。失業率と新規失業保険申請件数はほぼ過去最低水準、雇用者数も順調に増加

する等、逼迫した労働需要が賃金増を通じ物価上昇へと繋がるとの見方は根強く残ります。

しかし、金融危機以降に生じた労働市場でのミスマッチは継続しており、雇用の流動性も高まって

いません。深刻な労働力不足などが、更なる物価上昇圧力になる可能性は低いとみています。

物価は金融政策の目標から遠ざかる

米労働市場は依然堅調を維持も足元のインフレ率は低水準

労働市場のミスマッチは継続し、雇用の流動性も高まらず

米国 消費支出(PCE)デフレーター(前年比) 米国 新規失業保険申請件数と 非農業部門雇用者数前月差

注)直近値は2019年11月。

出所)米商務省、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

注)網掛けは景気後退期。

出所)米労働省、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

米国 失業率と求人率

出所)米労働省より三菱UFJ国際投信作成

米国 平均失業期間と失業率(上) 求人率と転職者率(下)

注)直近値は上図が2019年11月、下図は同年10月。転職者率は転職者数を雇用者数+転職者数で割ったもの。

出所)米労働省より三菱UFJ国際投信作成

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

1970 1980 1990 2000 2010 2020

※網掛けは景気後退期

(年)

(%)

※コア:食品・エネルギー除く総合

総合

コア

1.6%

1.5%FRBインフレ目標

0

5

10

15

20

05

1015202530354045 (週数) (%)

失業率(右軸)

平均失業期間(左軸)

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

2000 2006 2012 2018 (年)

求人率(左軸)

転職者率(右軸)

(%)

0

15

30

45

60

75

-100

-50

0

50

100

150

1970 1980 1990 2000 2010 2020

(右軸)

新規失業保険申請件数

(左軸)

非農業部門雇用者増減数

(前月差)

(年)

(万人) (万件)

2019年11月

26.6万人

2019年12月

20.3万件

※網掛けは景気後退期

注)求人率は求人数を雇用者数+求人数で割ったもの。金融危機以前は2001年1-3月期-2007年10-12月期。金融危機以降は2009年4-6月期-2019年7-

9月期。

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

3 4 5 6 7 8 9 10 11

(%)

(%)

金融危機以降

金融危機以前

金融危機時

求人率【求人数÷(雇用者数

+

求人数)】

失業率【失業者数÷労働力人口】

労働市場の

ミスマッチ拡大

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

堅調さ保つ家計部門を住宅市況が後押し

GDPの約7割を占める家計の消費は堅調です。消費者心理の改善は限定的であるものの、家計の

純資産は潤沢かつバランスシートは健全です。株高による資産効果や、賃金の底堅い伸びも消費

の持続に寄与すると考えられます。家計部門は引き続き力強い米景気の牽引役と言えるでしょう。

低金利の後押しを受け住宅市況は好調です。足元の住宅需給の改善が続き価格が上昇すれば、

住宅ローンの借り換えにより含み益が現金化されることで、家計の消費を刺激するとみています。

家計部門は引き続き潤沢な資産を保有。消費者心理がやや軟化も消費は高水準

米国 家計部門の貯蓄率と純資産額

住宅市況は低金利受け堅調。住宅価格上昇はローンの借り換えを通じ消費加勢へ

米国経済

米国 実質小売売上高と消費者信頼感 (前年比 6ヵ月移動平均)

出所)米商務省、コンファレンスボード、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

米国 住宅ローン借り換え申請件数と不動産評価益

米国 住宅需給と価格

注)網掛けは景気後退期。住宅需給は在庫÷販売。住宅価格はS&P全米住宅価

格指数。直近値は住宅需給が2019年11月、住宅価格が同年10月。

出所)米Census Bureau、米NAR、S&P、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

注)不動産評価益実現額は2019年1-3月期から2019年7-9月期まではフレディ

マック予想。住宅ローン借り換え申請件数の直近値は2020年1月3日。

網掛けは景気後退期。

出所)フレディマック、米MBA、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

1990 1997 2004 2011 2018

(1990年3月16日=100) (億ドル)

借り換え申請件数

(左軸)

不動産評価益実現額

(右軸)

(年)

-12

-9

-6

-3

0

3

6

9

12

15

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

1970 1980 1990 2000 2010 2020

(%)

(年)

2019年11月+1.8%

2019年12月

▲2.7%

(左軸)

消費者信頼感前年比

(右軸)

実質小売売上高

前年比

※網掛けは景気後退期

(%)

注)直近値は貯蓄率が2019年11月、純資産額が同年7-9月期。貯蓄率は貯蓄を

可処分所得で除したもの。家計は非営利団体を含む。

出所)米商務省、FRB、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

注)実質小売売上高は、名目小売売上高総合と消費者物価総合の前年比

の差として表示。

0

20

40

60

80

100

1200

2

4

6

8

10

12

14

1980 1990 2000 2010 2020

(%) (兆ドル)

(左軸)

貯蓄率(貯蓄÷可処分所得)

(年)

(右軸)

家計純資産額(逆メモリ)

貯蓄率高

貯蓄率低

純資産減

純資産増

※網掛けは景気後退期

0

2

4

6

8

10

12

14-15

-10

-5

0

5

10

15

20

1990 1997 2004 2011 2018

(左軸)

住宅価格(前年比)

(右軸)

中古住宅需給(逆メモリ)

(右軸)

新築住宅需給(逆メモリ)

(年)

需給引き締まり

需給緩和

(%) (在庫/販売)

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新興国

見通しと注目点

中国経済

堅調な内需受け非製造業は底堅い。米中貿易摩擦の影響等で設備投資は軟調

企業部門は製造業と非製造業で明暗分かれる

米国経済

非製造業は雇用コスト上昇を労働生産性の上昇が打ち消し、収益圧迫を回避か 企業債務は低格付の資源セクターの財務悪化が先行指標に

ISM製造業・非製造業景気指数

注)両図共に50は景気好不況の境目を示し、網掛けは景気後退期。

直近値は2019年12月。

出所)ISM、米NBERより三菱UFJ国際投信作成

米国 資本財受注とISM製造業新規受注指数

注)直近値は資本財受注が2019年11月、ISM製造業が同年12月。

出所)米Census Bureau、ISMより三菱UFJ国際投信作成

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

20

25

30

35

40

45

50

55

60

65

70

75

2005 2008 2011 2014 2017 2020 (年)

(右軸)

資本財受注

(除く国防・非航空機)

前年比(6ヵ月移動平均)

(左軸)

ISM製造業 新規受注

6ヵ月先行

(%) (%)

世界景気や貿易といった外需軟化の影響で製造業の活動は抑制され、設備投資や労働生産性が

落ち込んでいます。一方、内需依存度の高い非製造業は底堅く推移しています。労働生産性の上

昇が続くことで、雇用者や賃金増による雇用コスト上昇を相殺し、収益の圧迫を緩和しています。

また、企業部門の財務悪化は、低格付企業、中でも長期負債(借入金・債券)が増殖する資源セク

ターが先行指標に。景気の減速が強まれば、負債の借り換えに窮する企業も見られるでしょう。

注)長短負債、フリーキャッシュフローはS&P500エネルギー指数を構成する企

業の1社当り平均。下図スプレッドは共にICE US High Yield、及びそのEnergy Sub

Indexの対国債OAS。直近値は上図が2019年7-9月期、下図は2019年12月末。

出所)Factset、Bloomberg、ICE Data Indiciesより三菱UFJ国際投信作成

米国 低格付資源セクターの財務(上) と対国債スプレッド(下)

米国 雇用者報酬と労働生産性(前年比)

注)労働生産性は時間当たりの付加価値。雇用者報酬は時間当たりの実質値。非製造業は産業別生産量で加重平均し当社算出。直近値は2019年7-9月期。

出所)米労働省、米商務省より三菱UFJ国際投信作成

30

35

40

45

50

55

60

65

2000 2005 2010 2015 2020

(%)

(年)

製造業

非製造業

47.2

55.0

-8

-4

0

4

8

12

16

20

0

20

40

60

80

100

120

140(億ドル)(億ドル)

長期負債(左軸)

フリーキャッシュフロー(右軸)

短期負債(左軸)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1998 2002 2006 2010 2014 2018

資源セクター総合

(年)

673

360

(1bps

=0.01%)

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

-15

-12

-9

-6

-3

0

3

6

9

2008 2011 2014 2017 2020

(左軸)

労働生産性(左軸)

雇用者報酬

(右軸)

労働生産性

非製造業

製造業

(右軸)

雇用者報酬

(%) (%)

(年)

Page 30: 政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を ...注)値は1980~2017年がIMF World Economic Outlook(2019年10月)、2018~2021年がIMF

巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 29

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

米国経済

金融政策の次の一手は利上げよりも利下げが近いか

2019年に3度の利下げを行ったFRB(連邦準備理事会)は、現在利下げ小休止の姿勢を示していま

す。しかし、景気下振れリスクや低インフレへの懸念は残る上、2020年FOMC(連邦公開市場委員

会)投票権者は前年に比べややハト派寄りです。FRBは引き続き緩和姿勢を保持する見込みです。

また、2020年4-6月期までをめどに短期国債の買い入れが続く予定です。これは、目的は違えど実

質的な量的緩和と受け取ることもでき、金融市場を流動性が支える展開は継続するとみています。

2020年内の政策金利据え置きを示唆。短期国債買い入れは4-6月期まで継続予定

2020年FOMC投票メンバーは最タカ派が不在に

米国 FRB保有資産とS&P500株価指数

出所) FRB、Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

注)赤実線囲みが2020年から新たに投票権を持つ委員。赤破線が2019年まで投票権を持っていた委員。青実線が2019年から継続して2020年

も投票権を持つ委員。NYはニューヨーク、Chはシカゴ、Bsはボストン、Kcはカンザスシティ、Stはセントルイス、Mpはミネアポリス、

Daはダラス、Phはフィラデルフィア、Clはクリーブランドの略称。

出所) FRBより三菱UFJ国際投信作成

米FOMC 2019年と2020年投票権者

注)FRB保有資産見通しは、毎月600億ドルの資産買い入れを2020年6月まで

続けたと仮定。直近値はS&P500株価指数が2020年1月8日、FRB保有資産が

同年1月1日。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

2005 2008 2011 2014 2017 2020

(右軸)

S&P500株価指数

(左軸)

FRB保有資産(見通し)

(兆ドル) (指数)

(年)

(単位:%)

2019

2020

2021

2022

年長期

2.2 2.0 1.9 1.8 1.9

2.2 2.0 1.9 1.8 1.9

3.6 3.5 3.6 3.7 4.1

3.7 3.7 3.8 3.9 4.2

1.5 1.9 2.0 2.0 2.0

1.5 1.9 2.0 2.0 2.0

1.6 1.9 2.0 2.0 -

1.8 1.9 2.0 2.0 -

1.6 1.6 1.9 2.1 2.5

1.9 1.9 2.4 2.1 2.5

GDP

物価

失業率

コア物価

政策金利

2020年

タカ派(金融引き締めに積極的)

ハト派(金融緩和に積極的)

タカ派 ややタカ派 ハト派中立 ややハト派

カシュカリ

Mp総裁

パウエル

FRB議長

ウィリアムズ

NY総裁

ブラード

St総裁

クラリダ

FRB副議長

クオールズ

FRB副議長

エバンズ

Ch総裁

カプラン

Da総裁

ボウマン

FRB理事

ブレイナード

FRB理事メスター

Cl総裁ハーカー

Ph総裁

ローゼングレン

Bs総裁ジョージ

Ks総裁2019年

ボウマン

FRB理事

ブレイナード

FRB理事

クラリダ

FRB副議長

クオールズ

FRB副議長パウエル

FRB議長

ウィリアムズ

NY総裁

FOMC参加者による経済・金利見通し中央値(%) <上段:2019年12月時点> <下段:2019年9月時点>

注) 物価はPCEデフレーター。コアは食品・エネルギー除く総合。

出所) FOMCより三菱UFJ国際投信作成

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 30

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

米国経済

36

37

38

39

40

41

42

43

44

45

46

47

48

49

18,000

19,000

20,000

21,000

22,000

23,000

24,000

25,000

26,000

27,000

28,000

29,000

30,000

2017 2018 2019 2020 (年)

(米ドル)

2017年5月コミーFBI長官解任

NYダウ(左軸)

2019年3月モラー特別検察官がロシア疑惑の報告書提出

トランプ大統領支持率(右軸)

(%)

2019年9月ウクライナ疑惑

2018年7・8・9月対中関税1・2・3弾

2019年9月対中関税4弾

出所) Refinitiv 、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

現職優位か。トランプ大統領は安定的な支持率、株高実績が武器に

2020年大統領選、トランプ大統領の再選なるか?

大統領選スケジュール(2020年)

2020年11月3日は米大統領選挙です。共和・民主両党は2月のアイオワ州から始まる党員集会や

予備選(投票する候補者を定めた代議員を選出する)を通じ、7-8月の党全国大会で大統領候補を

指名します。目下、共和党はトランプ大統領他2名、民主党は12名が指名争いを繰り広げています。

トランプ大統領の支持率は40%前後と安定的です。2019年の株高などアピールポイントも有してい

ます。一方、民主党候補の中ではバイデン前副大統領が優勢の模様ですが、まだ混戦模様です。

注)直近値は2020年1月5日時点。

トランプ大統領支持率と米国株価 民主党 主要大統領候補の支持率

民主党 有力候補

出所) 各種資料より三菱UFJ国際投信作成

出所) 各種資料より三菱UFJ国際投信作成

注) 数字は月を示す。日程は2010年1月5日現在、今後変更される可能性がある。

出所) PredictItより三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は2020年1月5日時点。

29日

121

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

3日

アイオワ州予備選

3日

スーパーチューズデー

アラバマ州他

13予備選

ニューヨーク州他

12予備選

インディアナ州

他7予備選モンタナ州

他6予備選

民主党全国大会

13日~

3日

大統領選

共和党全国大会

24日~

第1回

大統領候補討論会

7日 副大統領候補

15日 第2回大統領候補

22日 第3回大統領候補

討論会

0

10

20

30

40

50

60

2019/4 2019/7 2019/10 2020/1

42%

バイデン

10%

ウォーレン

29%

サンダース

12%

ブティ

ジェッジ

(%)

(年/月)

ウォーレン上院議員(70)【富裕層に厳しい左派】

・汚職撲滅・大企業・富裕層増税・国民皆保険制度の導入

バイデン前副大統領(77)【民主党の重鎮】

・気候変動・オバマケア改善・増税支持

ブティジェッジ市長(37)【話術優れた若きリーダー】

・高等教育費の軽減・国民皆保険制度の導入・増税支持

サンダース上院議員(78)【社会民主主義謳う極左】

・大企業・富裕層増税・学生ローンの免除・国民皆保険制度の導入

右派

左派

中道

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

-14

-12

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

2019年7-9月期

実質GDP+0.9%

純輸出

設備投資

個人消費住宅投資 政府支出

在庫投資

実質GDP

(年)

2016年6月

英国EU離脱決定2010-12年

欧州債務危機2008年9月

リーマン・ショック

(見通し)

60

70

80

90

100

110

120

130

2015 2017 2019(年)

(指数)

2015 2017 2019(年)

2015 2017 2019(年)

-2

-1

0

1

2

3

4

5

2015 2017 2019(年)

(%)

棒: 実質GDP(左軸)線: 経済信頼感(右軸)

5.欧州経済:景気減速に底打ちの兆し

欧州経済

2019年7-9月期のユーロ圏実質GDPは前期比年率+0.9%と前期(同+0.8%)から小幅ながら改善。依

然として、堅調な個人消費や政府支出が景気拡大を支えたほか、外需・在庫投資の低迷による成

長への下押し圧力も和らぎつつあり、域内景気に底打ちの兆しが見られはじめています。

域内最大経済国であるドイツの2019年7-9月期実質GDPは同+0.3%と前期のマイナス成長から回復。

主要国の景況感悪化にも歯止めがかかりつつあり、景気底打ち期待の高まりにつながっています。

底堅い個人消費や政府支出を支えに、ユーロ圏景気は緩やかな拡大基調を維持

ドイツはプラス成長を回復、主要国景況感の悪化にも歯止めの兆し

ユーロ圏 実質GDP(前期比年率)および需要項目別寄与度

注)実績の直近値は2019年7-9月期。

2019年10-12月期~2020年10-12月期が三菱UFJ国際投信による見通し。

出所) Eurostat(欧州統計局)より三菱UFJ国際投信作成

2019年 2020年 2021年 2019年 2020年 2021年 2019年 2020年 2021年 2019年 2020年 2021年

IMF(2019/10/16)

+0.5 +1.2 +1.4 +1.2 +1.3 +1.3 0.0 +0.5 +0.8 +2.2 +1.8 +1.7

欧州委員会(2019/11/7)

+0.4 +1.0 +1.0 +1.3 +1.3 +1.2 +0.1 +0.4 +0.7 +1.9 +1.5 +1.4

OECD(2019/11/21)

+0.6 +0.4 +0.9 +1.3 +1.2 +1.2 +0.2 +0.4 +0.5 +2.0 +1.6 +1.6

出所)Eurostat、EC(欧州委員会)、OECD、IMFより三菱UFJ国際投信作成

ユーロ圏 主要国の実質GDP(前期比年率)と経済信頼感指数

ドイツ フランス イタリア スペイン

ユーロ圏 主要国の実質GDP成長率見通し(%)

注)直近値は実質GDPが

2019年7-9月期、

経済信頼感が2019年12月。

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

2012 2014 2016 2018 2020

(%)

(年)

GVA(線)

製造業建設業

サービス業(除く不動産)

その他

0

3

6

9

12

15

18

0

10

20

30

40

50

60

2012 2014 2016 2018 2020

(回答率%) (回答率%)

需要不足(左軸) 人手不足

(右軸)

設備不足(右軸)(年)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12-60

-45

-30

-15

0

15

30

2012 2014 2016 2018 2020

生産見通し(左軸)

輸出受注(左軸)

在庫状況(右軸)

(年)

(DI) (DI、逆メモリ)

楽観↑↓

悲観少↑

在庫↓多

40

45

50

55

60

65(指数)

中立水準

ユーロ圏

ドイツ

好況↑↓

不況

70

90

110

130

150

2012 2014 2016 2018 2020(年)

(2015年=100)

対英国

対中国

対米国除くユーロ圏総計

欧州経済

外需・製造業不振による成長下押し圧力は後退へ

ドイツを中心としたユーロ圏の製造業不振は引続き景気拡大の足枷となるも、外需環境の改善に

伴い、対域外輸出に回復の兆しが窺え、製造業景況感も悪化基調に歯止めがかかりつつあります。

しかし、米中通商合意内容に不透明感は残り、2020年より米・EU通商交渉や英国・EUの将来関係

交渉も本格化。外需環境を巡る不安定さは残り、域内生産活動の本格的な回復は未だ期待できず、

企業も投資への慎重姿勢を当面保つとみられ、域内設備投資も弱含みな推移が見込まれます。

外需縮小に歯止めの兆しも、生産活動の回復力は未だ限定的

-4

-2

0

2

4

6

8

10

2014 2016 2018 2020

(%)

(年)

2019年予想(19年10-11月時点)

▲2.0%

2020年予想(19年10-11月時点)

+1.3%

-9

-6

-3

0

3

6

9

ドイツ

スペイン

イタリア

フランス

ユーロ圏(棒)

(%)

出所) Eurostatより三菱UFJ国際投信作成

出所)Eurostatより三菱UFJ国際投信作成

ユーロ圏・主要国 鉱工業生産 (前年比 3ヵ月移動平均)

注)直近値は2019年10月。対域外輸出の指数化は三菱UFJ国際投信。

ユーロ圏 実質GVA(粗付加価値、前年比)

と産業別寄与度

注)直近値は2019年7-9月期。

サービス業62.5%

製造業17.2%

建設業5.0%

≪GVAに占める割合≫

注)直近値は2019年12月。

出所)マークイット、ECより三菱UFJ国際投信作成

出所)ECより三菱UFJ国際投信作成

ユーロ圏 欧州委員会調査 (製造業の生産阻害要因)

ユーロ圏・ドイツ 製造業PMI (購買担当者景気指数)

ユーロ圏 欧州委員会製造業景況感

ユーロ圏 対域外輸出

注)直近値は2019年11月。

ユーロ圏 製造業設備投資計画

注)直近値は2019年10-11月調査。各年の値は左から、前年10-11月時、

当年3-4月時、当年10-11月時の見通し、当年実績値を表す。

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

ドイツ フランス イタリア スペイン

(%)

2021年

2020年

引締め↑

財政↓

拡張

-40

-30

-20

-10

0

10

20

2012 2014 2016 2018 2020

建設業

(指数)

小売業

サービス業

楽観↑↓

悲観

(年)

60

70

80

90

100

110

-4

-2

0

2

4

6(%) (万台)

実質小売売上高(除く自動車、前年比、左軸)

新車登録台数(12ヵ月移動平均、右軸)

ユーロ圏 欧州委員会調査 業種別信頼感指数

ユーロ圏 実質小売売上高と 新車登録台数

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

2012 2014 2016 2018 2020

ECBのインフレ目標(+2%未満であるが+2%近辺を維持)

消費者物価(総合)

消費者物価(コア)

(%)

(年)

6

7

8

9

10

11

12

13

14-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

2012 2014 2016 2018 2020

(%) (%、逆メモリ)

(年)

失業率(右軸)1人あたり

雇用者報酬(左軸)

雇用者数(左軸)

ユーロ圏では、改善ペースが鈍化しつつも雇用情勢の良好さは保たれ、堅調な個人消費を支えて

います。サービス・小売・建設業の景況感は軒並み再度上昇基調を強め、内需を巡る好循環の継

続を示唆。域内主要国は拡張的な財政スタンスを示し、引続き内需の底堅さ維持が期待されます。

内需が堅調に拡大し、景気減速に底打ちの兆しが窺える中、ユーロ圏では、依然としてECBの物価

目標に大きく及ばずも、基調的なインフレ圧力が徐々に強まりつつある兆候も表れはじめています。

個人消費・政府支出は引続き堅調

内需の堅調さは当面維持か、インフレ圧力も緩慢ながら上昇へ

ユーロ圏 消費者物価 (前年比)

注)直近値は2019年12月。物価はEU基準。

出所)Eurostat、REFINITIVより三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は上図が2019年11月、下図が2019年12月。

出所)Eurostat、ACEA、 ECより三菱UFJ国際投信作成

出所)OECDより三菱UFJ国際投信作成

注)OECD2019年11月見通し。

※コア: 除くエネルギー・

食品・アルコール・タバコ

欧州経済

注)直近値は雇用者数・雇用者報酬が2019年7-9月期(四半期)、

失業率が2019年10月(月次)。

ユーロ圏 失業率と 雇用者数・雇用者報酬(前年比)

出所)Eurostatより三菱UFJ国際投信作成

ユーロ圏 主要国政府の プライマリー・バランス(対GDP比)の

変化(前年差)

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

-6

-3

0

3

6

9

12

15

2007 2010 2013 2016 2019

(%)

(年)

M3(線)

民間貸出

その他

ECBによる公的部門債券等の保有

対外純資産 政府借入

フランス

ドイツ

オランダ

エストニア

オーストリア

2020年 2021年 2022年

実質GDP成長率(%)

2019年12月 ↓+1.1 +1.4 +1.4

(2019年9月) +1.2 +1.4 -

失業率(%)

2019年12月 ↑+7.4 ↑+7.2 7.1

(2019年9月) 7.5 7.3 -

HICPインフレ率(%)

2019年12月 ↑+1.1 ↓+1.4 +1.6

(2019年9月) +1.0 +1.5 -

コアHICPインフレ率(%)

2019年12月 ↑+1.3 ↓+1.4 +1.6

(2019年9月) +1.2 +1.5 -

賃金上昇率(%)

2019年12月 +2.4 +2.3 +2.3

(2019年9月) +2.4 +2.3 - 0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

階層化前 今後

法定準備額

0%

(兆ユーロ)

▲0.4%(預金ファシリティ金利)

▲0.5%(預金ファシリティ金利)

0%(適用除外)

上限:法定準備額の6倍

・政策金利: インフレ見通しが2%近くという物価目標

        近づくまで現状かより低い水準を維持

・資産買入: 政策金利が引上げられる少し前に終了

・再投資:  政策金利引上げ開始後も長期間継続

❏ フォワードガイダンス

※ 基本は主要政策金利、貸出要件を満たせば預金ファシリティ金利

❏ TLTROⅢ(貸出条件付長期資金供給オペ)

 適用金利: 政策金利

 満期期間: 3年

❏ 市中銀行のECB預金適用金利

・超過準備にかかる適用金利を二層化

・民間部門債券の購入対象拡大・国債購入上限ルールは不変

❏ 資産買入策・2019年11月より月額200億ユーロを買入

0

200

400

600

800

1,000

2016 2018 2020

(億ユーロ)

公的部門債券

民間部門債券

(年)

再開

❏ 政策金利

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

2010 2013 2016 2019

(%)

(年)

限界貸付ファシリティ金利

主要政策金利

預金ファシリティ金利

0%

0.25%

▲0.5%

ECBはラガルド新総裁の下、政策運営の戦略的見直しを開始

ECB(欧州中央銀行)は2019年12月政策理事会にて金融政策を維持。域内景気に底打ちの兆しが

みられ、インフレ基調は緩やかに高まっているとして、先行きへの悲観姿勢後退を窺わせました。

また、金融緩和政策の限界が意識され、域内各国間での緩和策に対する意見対立が鮮明化する

中、ラガルド新総裁は2020年1月から最長1年をかけて、包括的な政策運営の見直しを開始。当面

は金融政策の現状維持が予想され、政策運営見直しの進展を見極める展開が続く見込みです。

ECBによる域内景気への先行き悲観はやや後退、金融政策は当面現状維持か

出所)ECBより三菱UFJ国際投信作成

ECBスタッフによる 経済見通し ECB 金融政策概要(2019年12月政策理事会時点)

注)直近値は2019年12月。

注)コア: 除くエネルギー・食品・アルコール・タバコ。

↑は上方修正、↓は下方修正。

金融政策頼みの需要喚起は限界へ、ECB内における緩和策への意見対立も露呈

出所)各種報道より三菱UFJ国際投信作成

ECB資産買入策再開に対する ユーロ圏各国の賛否

ユーロ圏 マネーサプライ(M3、前年比)

及び要因分解

出所)ECBより三菱UFJ国際投信作成 注)直近値は2019年11月。

欧州経済

賛成

反対

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

2.2

1.6

5.20

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

(年)

インフレ目標+2~3%

消費者物価コア(前年比)

政策金利

2019年7-9月期

時間当たり賃金(前年比)

失業率

0.75(2019年10月1日~)

2019年11月

豪州経済

6.オーストラリア(豪州)経済:成長率の回復は鈍い

2019年7-9月期の実質GDP前期比は小幅減速し成長率回復の鈍さを示しました。個人消費は低調

であり住宅投資は4四半期連続で減少、民間需要の弱さを公的需要と輸出の拡大が補っています。

豪中銀は2019年後半に計3回、0.75%ポイントの利下げを実施しました。背景には海外経済の減速、

世界的な金利低下の流れや国内の失業率上昇があげられます。豪中銀は足元の成長率予想を

引き下げており、2020年にかけ利下げを継続し完全雇用と物価目標の達成を目指す見通しです。

オーストラリア 実質GDP(前期比年率)および需要項目別寄与度

出所) オーストラリア統計局より三菱UFJ国際投信作成

成長率の回復は緩慢、個人消費の鈍化や設備投資の減少が響く

豪中銀は成長率と物価の目標を達成するため、政策金利を引き下げ

オーストラリア 中銀の経済・物価見通し

注)オーストラリア中銀の四半期金融政策報告(2019年11月)より作成。

実質GDP、消費者物価伸び率は前年比。網掛けは前回からの変更箇所で赤色は上方修正、青色は下方修正を示す。TWIは貿易加重平均為替指数。

出所)オーストラリア中銀より三菱UFJ国際投信作成

オーストラリア 失業率と 時間当たり賃金、消費者物価

注)政策金利の直近値は2019年12月末。消費者物価コアはトリム平均値、

時間当たり賃金は賞与を除く。

出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より三菱UFJ国際投信作成

注)実績の直近値は2019年7-9月期。

2019年10-12月期~2020年10-12月期が三菱UFJ国際投信による見通し。

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

2019年

7-9月期実質GDP

+1.8%

純輸出民間設備投資

個人消費民間住宅投資 公的需要

在庫投資

実質GDP

(年)

2008年9月

リーマン・ショック 2011年1月

大洪水

2015年8月

チャイナ・ショック

(見通し)

(単位:%)

2019年 2019年 2020年 2020年 2021年 2021年

6月 12月 6月 12月 6月 12月

最新(11月) 1.40 2.25 2.50 2.75 3.00 3.00

前回(8月) 1.75 2.50 2.75 2.75 3.00 3.00

最新(11月) 5.20 5.25 5.25 5.25 5.00 5.00

前回(8月) 5.20 5.25 5.25 5.25 5.00 5.00

最新(11月) 1.60 1.75 2.00 1.75 1.75 2.00

前回(8月) 1.60 1.75 1.75 1.75 2.00 2.00

最新(11月) 1.60 1.50 1.75 1.75 1.75 2.00

前回(8月) 1.60 1.50 1.75 1.75 2.00 2.00

最新(11月)

前回(8月)

実質GDP

成長率

失業率

消費者物価上昇率(総合)

消費者物価上昇率(コア)

前提条件

0.68米ドル 59 58米ドル/バレル

豪ドル TWI(注) ブレント原油

0.69米ドル 59 58米ドル /バレル

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

1.6

1.8

2.0

2.2

2.4

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

2000 2004 2008 2012 2016 2020(年)

居住者人口前年比(右軸)

住宅価格(前月比、左軸)

(%) (%)

豪州経済

金融市場の追加金融緩和観測は根強い

所得伸び悩みから消費マインドは悪化傾向にあり、所得税減税が実施されるも個人消費は低調と

なっています。一方で、住宅価格が前月比で上昇に転じるなど住宅市場に安定化の兆しがみられ、

消費押し上げが期待されます。景気への金融緩和効果は徐々に顕在化するとみています。

政策金利は過去最低の0.75%となりましたが、金融市場の追加緩和観測は強く豪ドル相場は上値

の重い状況にあります。一方、貿易黒字拡大による経常収支改善が下支え役となる見通しです。

-600

-500

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

4

1999-00 2004-05 2009-10 2014-15 2019-20

(%)

(年度)

政府

見通し/計画

(億豪ドル)

財政収支対GDP比(左軸)

財政収支(右軸) 2019年4月

予算案

75

80

85

90

95

100

105

110

115

120

125-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

2000 2004 2008 2012 2016 2020(年)

消費者信頼感指数

(逆メモリ、右軸)

家計貯蓄率

(左軸)

(%ポイント) (指数)

消費マインド悪化

消費マインド改善

消費者マインドが悪化し貯蓄率は上昇、金融緩和を受けて住宅価格は大きく上昇

注)直近値は2020年1月8日。

出所)オーストラリア中銀、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は住宅価格が2019年12月、居住者人口が同年6月。

出所)オーストラリア統計局、コアロジックより三菱UFJ国際投信作成

オーストラリア 住宅価格と居住者人口

オーストラリア 政策金利、国債利回り 豪ドル円相場

注)最近値は消費者信頼感指数が2019年12月、貯蓄率は同年7-9月期。

出所)オーストラリア統計局、ウエストパック銀行より三菱UFJ国際投信作成

オーストラリア 消費者マインドと貯蓄率

オーストラリア 財政収支(対GDP比)

注)財政見通し・計画は2019年12月予算案による。

出所)オーストラリア財務省より三菱UFJ国際投信作成

追加財政支出への期待が高まる一方で、追加金融緩和観測は根強い

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2010 2012 2014 2016 2018 2020

(%)

(年)

10年債利回り(左軸)

政策金利(左軸)

豪ドル円相場(右軸)

(円/豪ドル)

2年債利回り(左軸)

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

中国経済

7.中国経済:様々な逆風の下で鈍化の続く景気

中期的に低下する潜在成長力と変化する経済構造

近年の中国の成長率鈍化の主因は中期的な潜在成長力の低下です。背景には高齢化に伴う生

産年齢人口の伸びの鈍化や農村部から都市部の工業部門への労働力移転の一巡があります。

過去30年の高成長の過程では、輸出と投資の伸びが成長をけん引。貿易・投資自由化に伴う世界

経済との統合、人為的な低金利などが背景でした。しかし、労働力不足の顕在化とともに人件費は

上昇。今後は成長率が低下するとともに、総需要に占める家計消費の比重が上昇する見込みです。

30

32

34

36

38

40

42

44

46

48

50

52

54

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

(%)

家計消費

固定資本投資

(年)

45%

39%

2018年

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

-10

-5

0

5

10

15

20

25

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

(%)

総賃金とGDPの

伸び率格差(棒: 左軸)

総賃金/GDP(線: 右軸)

(年)

(%)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

1950 1980 2010 2040

生産年齢

人口

(15-64歳)

老年人口

(65歳以上)

年少人口

(0-14歳)

(年)

(%)

予測値

出所)中国国家統計局、世界銀行、国際連合、CEIC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

中国 経済成長率実績と見通し(年次)

中国 年齢別人口構造(対総人口比率)

中国 名目GDPの業種別構成比(年次)

中国 名目GDPの内需別構成比(年次) 中国 名目GDPと総賃金(年次)

中国 財輸出入のGDP比(年次)

0

5

10

15

20

25

30

35

40

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

(%)

財輸入

(年)

14%

財輸出17%

2019年

20

25

30

35

40

45

50

55

60

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015

(%)

第3次産業

(年)

54%

第2次産業

39%

2019年

0

2

4

6

8

10

12

14

16

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

2021-30年

予測値

+5.1% 2041-50年

予測値

+3.0%

(年)

(%)

1991-2000年

平均値:

+10.5%1981-90年

平均値:

+9.4%

2001-10年

平均値:

+10.6%

注)実績の直近値は2019年

予測値は世界銀行による

(包括的な経済改革実施が前提)

2011-19年

平均値:

+7.4%

2031-40年

予測値

+4.1%

注)上段:左図の直近値は2018年。予測値はWorld Bank Group and DRC of State Council, PRC, “Innovative China, New Driver of Growth”による。

中段:左図は5ヵ年。2015年までは国連による推計値で、2020~2050年は同予測値(World Population Prospects, the 2019 Revisionによる)。

下段:左図の直近値は2018年。

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

中国経済

60

80

100

120

140

160

180

200

220

1986 1991 1996 2001 2006 2011 2016

(%)

注) 金融部門を除く

(年)

1986-2008年の傾向線

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

注) 債務のGDP比の前年差

(年)

企業(金融部門を除く)

家計

近年は過剰設備の削減が進展

出所)国際決済銀行(BIS)、中国国家統計局、CEIC、Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

中国 総合物価の前年比(月次)

中国 鉱工業売上・利益の前年比(年次) 中国 民間総債務のGDP比(四半期)

中国 民間債務水準の変化(四半期)

中国 主要都市の新築住宅価格

中国 主要70都市の住宅価格状況

過剰債務の削減が緩やかに進展する一方、足元では企業業績が悪化

2008年12月 2019年6月

 政府 27.1 52.4

 民間 115.5 209.1

内) 企業 97.6 154.5

家計 17.9 54.6

(参考) 部門別債務のGDP比(%)

国際金融危機直後の2009年初の大規模な景気刺激策によって過剰設備が積み上がり、過剰供給

に伴って生産者物価が低下。デフレによって企業収益は悪化し実質的な債務負担も増しました。

その後、政府主導で過剰設備の削減が進み、2016年半ばにはデフレからひとまず脱却。企業債務

の水準も近年低下しました。足元では生産者物価が再びマイナスの伸びとなったものの、企業部

門の設備の削減が進んだため、かつてのようなデフレの長期化は起こりづらいとみられます。

注)上段:左図の直近値は2019年6月。

中段:直近値は、左図:2019年6月。

下段:右図の直近値は2019年12月。

0

10

20

30

40

50

60

70

2011 2013 2015 2017 2019

(都市数)

(年)

2019年

12月

上昇(50)

横這(4)

下落(16)

60

80

100

120

140

160

180

200

220

240

2011 2013 2015 2017 2019

北京(1)上海(1)広州(1)

(年)

注) (1) 一級都市

(2) 二級都市

2011年1月=100

深セン(1)

杭州(2)

寧波(2)

温州(2)

海口(2)

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

消費者物価

生産者物価

(年)

+4.5%

▲0.5%

2019年12月

-20

0

20

40

60

80

100

1999 2004 2009 2014

(%)

(年)

総利益

売上高

2018年

▲7.4%

▲11.4%

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

中国経済

中国 実質GDPと鉱工業生産の前年比

中国 不動産・インフラ投資の前年比

出所)中国国家統計局、中国海関総署、CEIC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

中国 小売売上高の前年比 中国 製造業購買担当者指数(PMI)

中国 輸出入の前年比と貿易収支

中国 建設着工・販売の伸び率

44

46

48

50

52

54

56

58

60

2010 2012 2014 2016 2018

(ポイント)

総合

新規受注

(年)

新規輸出受注

注) 中国国家統計局公表値

2018年半ばより鈍化を続けた景気は、2019年末にかけて安定化。製造業の生産や投資が底を打

ちました。輸出の加速等に伴って企業は在庫増行のための増産や設備拡張投資を始めました。

今後も輸出が伸び生産が拡大するかは世界景気次第です。過去に政府が景気刺激を行うたびに

押上げられてきたインフラ投資や不動産投資は足元で軟化。経済運営の健全さを重視する現指導

部は、過去の景気悪化局面とは異なり大規模な景気刺激策を避けようとしている模様です。

輸出や鉱工業生産が加速する一方、インフラや不動産投資は鈍化

悪化を続けた景気だが、足元では下げ止まりの兆し

注)上段:右図の直近値は2019年12月。

中段:右図の直近値は2019年12月。

下段:左右図とも、直近値は2019年12月。

-20

-10

0

10

20

30

40

50

60

70

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

(年)

注) 年初来値を単月換算し

3ヵ月移動平均

インフラ

不動産

0

5

10

15

20

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

実質

注)実質値は総合消費者物価で実質化

名目

(年)

+8.0%

+3.5%

2019年12月

-40

-20

0

20

40

60

80

100

120

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

(年)

建設着工

販売

注) 床面積ベース

3ヵ月移動平均の前年比

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

(年)

実質GDP(棒)

2019年10-12月期

+6.0%

鉱工業生産(線)

2019年12月

+6.9%

-400

-200

0

200

400

600

800

-50

-25

0

25

50

75

100

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%) (億米ドル)

輸入(線:左軸)

輸出(線:左軸)

注) 通関統計

1-2月のみ2ヵ月平均

貿易収支(棒:右軸)

(年)

Page 41: 政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を ...注)値は1980~2017年がIMF World Economic Outlook(2019年10月)、2018~2021年がIMF

巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 40

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

中国経済

短期金利は低位安定、人民元相場は2019年秋より反発し底堅く推移

中国 株価指数

中国 外貨準備と為替相場

出所)中国人民銀行(PBoC)、中国国家外為管理局(SAFE)、CEIC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

中国 銀行間金利と人民銀行オペ金利

中国 基準金利と預金準備率

中国 社会融資総額(TSF) 中国 国際収支

-2,500

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2009 2011 2013 2015 2017 2019

経常収支

直接投資その他投資

(億米ドル)

証券投資

総合収支

(年)

誤差脱漏

米中間の緊張緩和で人民元相場はひとまず安定化

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

2015 2016 2017 2018 2019 2020

(%)

常設貸出制度(SLF)

(年)

注) SHIBOR:上海銀行間取引金利

SHIBOR以外は7日物金利

SHIBOR: 3ヵ月

人民銀行リバース・レポ

銀行間レポ

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.50.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

外貨準備(面:左軸)

(兆米ドル)

人民元

市場相場:(線:右軸)

(元/米ドル)

(年)

高↕

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2000 2003 2006 2009 2012 2015 2018

貸出基準:12ヵ月(左軸)

預金基準:12ヵ月(左軸)

預金準備率:

(RRR)大手銀行(右軸)

(%) (%)

(年)

4.35%

1.5%

12.5%

2020年1月20日

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

5,500

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年)

(兆元)

上海総合株価

指数(左軸)

株式取引

証拠金残高(右軸)

(ポイント)

-1

0

1

2

3

4

5

2014 2015 2016 2017 2018 2019

(兆元)

銀行貸付

社債

(年)

オフバランス与信

その他

地方政府債

注) オフバランス与信は、信託融資、

委託融資、銀行引受手形の合計

注)上段:直近値は、左図:2019年7-9月期、右図:2019年12月。

中段:直近値は、右図:2020年1月20日。

下段:直近値は、左図:2020年1月20日、右図:為替相場は2020年1月20日、外貨準備は2019年12月。

人民銀行は、銀行の預金準備率(RRR)を引下げ、流動性供給を通じて銀行間短期金利の水準を抑

制。2019年1月には銀行貸付の急伸も見られました。しかし、その後は同貸付が不動産部門に流

入したことを警戒。同行総裁は「貸付の洪水は起こさない」と、緩和の行き過ぎを警戒しています。

人民元は米中通商対立が再燃した2019年5月と8月に下落。しかし、2019年秋以降に米中対話が

進み第一段階の通商合意の期待が高まったことを受けて、同相場は反発し底堅く推移しています。

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 41

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国

8.新興国:主要国の景気は緩やかに回復

2000年代より総投資比率が上昇し、成長率も高まった新興国

豊富な生産年齢人口、低下するインフレ率、安定化する対外収支

2000年代以降、多くの新興国で、物価や経常収支などマクロ経済の安定化に伴って豊富な人口が

労働力として活用され、所得の伸びが消費需要の伸びを促す好循環が始まりました。2012年より

多くの新興国の成長率が鈍化したものの、新興国の成長力が先進国を上回る構図は不変です。

2000年代の成長率の加速は、一次産品需要の急増に押上げられた面もありました。同需要は既

に一巡したとみられるものの、健全化したマクロ経済は健在であり、今後も成長を支えるでしょう。

総投資率と総貯蓄率

先進国・新興国の生産年齢人口 新興国のインフレ率と経常収支

先進国と新興国の実質GDP成長率

注)先進国・新興国の分類および予測(2019-24年)はIMFによる。

出所)IMF World Economic Outlook (2019年10月)より三菱UFJ国際投信作成

注)先進国・新興国の分類および予測(2019-24年)はIMFによる。

出所)IMF World Economic Outlook (2019年10月)より三菱UFJ国際投信作成

注)データは5年毎。2015年以降は国連による中位推計値。

生産年齢人口は15歳以上65歳未満とする。

出所)World Population Prospectsより三菱UFJ国際投信作成

注)先進国・新興国の分類および予測(2019-24年)はIMFによる。

出所)IMF World Economic Outlook (2019年10月)より三菱UFJ国際投信作成

0

10

20

30

40

50

60

70

1950 1975 2000 2025 2050 2075 2100

(億人)

(年)

新興国

2075年

58.5億人

先進国

2075年

7.3億人

2015年以降

国連中位推計

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

1980 1990 2000 2010 2020

(%)

(年)

新興国(線: a)予測

1980年代 1990年代 2000年以降

先進国(線: b)

成長率格差(棒:a- b)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

-4

-2

0

2

4

6

8

10

1980 1990 2000 2010 2020

(%)(%)

(年)

予測

1980年代 1990年代 2000年以降

経常収支の

GDP比(左軸)

消費者物価

(前年比、右軸)

インフレ沈静化

経常収支が改善

15

20

25

30

35

40

1980 1990 2000 2010 2020

(%)

(年)

新興国:

国民総貯蓄率

予測

1980年代 1990年代 2000年以降

先進国:

国民総貯蓄率

新興国:

総投資率

先進国:

総投資率

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国

新興国毎に異なる対外ショックへの耐久力

ブラジルは政府債務の膨張、トルコは流動性比率の低さなど対外収支が弱み

主要国の経済、財政、対外収支指標

出所)Fitch Ratingsより三菱UFJ国際投信作成

2000年以降、多くの主要新興国で経済が安定化し成長が加速。しかし、財政や対外収支の安定度

は国ごとに異なります。近年は、トルコやアルゼンチンの通貨が急落。両国は流動性比率(流動資

産/流動負債)が100%を下回り、対外返済比率が25%を超えるなど対外収支の弱さが目立ちます。

ブラジルは対外収支が安定的な一方で、財政が悪化し政府債務も膨張。ロシアは政治リスクが大

きいものの、政府債務が低水準で対外純債権が多額と、ショックへの耐久力は高いとみられます。

注)数値は、2020年のFitch予想値。ただし、(c)と(e)と(h)は2020年までの5年平均値。(d)は、物価水準を考慮した購買力平価(PPP)ベースの

一人当たり国民総所得(GNI)。(i)と(j)は、一般政府の財政収支と債務。(l)と(m) は、対外純債務と対外返済(デット・サービス)の経常勘定受取額

に対する比率。ただし、対外返済は、中長期の対外債務の元本返済額プラス全ての対外債務の金利支払額、経常勘定受取額は、経常収支項目

(財サービス貿易、所得、経常移転)の受取額合計。 (n)は、対外流動資産/対外流動負債。 ただし、流動資産=外貨準備プラス銀行の対外資産、

流動負債=長期債務の元利金返済プラス短期債務残高プラス自国通貨建て債券の外国人保有残高。 (o)は外貨準備/経常勘定支払額を月数表示。

「-」は該当データなし。

(a) (b) (c) (d) (e) (f) (g) (h) (i) (j) (k) (l) (m) (n) (o)

名目

GDP人口

人口

伸び率

一人

当たり所得

GDP

成長率

国内総

貯蓄率(GDP比)

国内総

投資率(GDP比)

消費者

物価上昇率

財政

収支(GDP比)

政府

債務(GDP比)

経常

収支(GDP比)

対外

純債務比率

対外

返済

比率

流動性

比率

外貨

準備

カバー

(10億ドル) (百万人) (%) (ドル) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (ヵ月)

日本 5,224 127 -0.1 44,420 0.9 24.9 24.3 0.5 -4.3 234.5 3.3 -197.5 17.0 91.3 11.5米国 22,252 331 0.7 63,390 2.2 13.9 17.3 2.0 -5.8 101.4 -2.8 270.2 78.4 22.4 1.2ドイツ 3,931 82 0.1 54,890 1.6 27.4 22.4 1.4 0.6 56.5 6.2 -34.1 34.6 40.5 1.3オランダ 929 17 0.6 56,890 2.2 31.5 21.4 1.5 0.5 46.8 8.9 -17.6 61.8 48.2 0.5フィンランド 274 6 0.2 47,970 2.0 25.1 23.9 1.0 -1.1 59.3 -1.8 103.2 59.0 48.9 1.0フランス 2,757 66 0.4 46,360 1.6 23.8 21.6 1.2 -2.4 99.2 -0.6 99.2 66.4 44.7 2.0ベルギー 536 12 0.6 50,940 1.5 24.9 25.6 1.9 -1.8 99.5 -1.5 2.6 30.6 49.3 0.6アイルランド 396 5 0.7 65,290 5.6 57.2 35.4 0.7 0.2 57.1 0.7 -179.8 54.3 13.2 0.1イタリア 2,002 59 -0.1 42,020 0.8 20.2 18.1 0.8 -2.4 136.6 2.0 128.8 39.0 25.6 2.5スペイン 1,422 47 0.2 39,900 2.4 23.2 20.7 1.1 -2.0 96.1 1.8 184.6 52.3 28.4 1.6ポルトガル 241 10 -0.4 33,200 2.3 19.4 19.5 0.9 0.0 115.6 -0.7 165.5 48.7 31.0 2.4ギリシャ 218 11 -0.2 29,410 1.6 16.3 13.9 0.6 0.8 167.0 -2.3 327.5 16.5 33.3 1.1デンマーク 376 6 0.4 56,410 1.9 28.7 22.7 0.7 0.5 32.9 7.1 19.4 22.2 54.9 3.9スウェーデン 538 10 0.7 53,560 2.0 29.3 25.2 1.8 0.1 34.2 3.6 86.8 35.7 81.5 2.3英国 2,747 67 0.7 44,930 1.5 14.2 17.3 1.9 -2.5 85.3 -3.9 73.8 97.3 62.4 2.0ノルウェー 402 6 1.6 68,310 1.9 33.7 28.4 2.6 4.9 37.5 8.8 -64.1 41.0 47.4 3.0カナダ 1,836 38 0.9 47,490 1.9 20.8 23.0 1.8 -0.9 88.7 -3.0 124.7 28.5 36.4 1.5オーストラリア 1,372 26 1.6 49,980 2.4 25.8 26.5 1.8 -0.7 40.4 -0.7 190.4 16.1 43.9 1.7ニュージーランド 206 5 1.8 39,590 2.9 23.4 23.8 1.6 -0.2 27.4 -3.4 151.7 53.5 38.8 2.8シンガポール 373 6 1.0 90,570 2.4 44.8 32.7 0.4 10.3 42.7 14.2 -156.0 24.8 137.8 5.2香港 384 8 0.8 67,700 1.7 24.1 24.1 2.2 0.0 39.5 5.0 -116.9 16.2 156.2 6.1台湾 632 24 0.2 - 2.6 33.3 22.7 1.0 -0.7 37.5 10.6 -280.4 2.2 312.5 15.6中国 14,459 1,429 0.5 18,140 6.4 44.6 43.2 2.4 -6.3 52.7 0.9 -106.3 7.6 225.1 13.2韓国 1,669 52 0.4 40,090 2.6 35.3 28.5 1.1 -1.5 39.9 3.4 -66.5 12.3 210.2 7.0マレーシア 398 33 1.4 30,600 4.7 31.0 23.6 1.8 -3.2 60.5 3.1 -20.6 10.1 102.5 5.4タイ 590 68 0.3 18,160 3.4 33.7 25.8 0.7 -1.0 38.1 5.2 -72.4 5.4 263.3 8.4インド 3,038 1,385 1.1 7,680 6.5 28.2 30.9 3.8 -7.1 71.5 -2.0 7.3 5.8 162.9 7.5フィリピン 410 110 1.5 10,720 6.4 14.3 24.7 2.8 -3.2 36.8 -2.4 -16.5 5.3 388.7 6.9インドネシア 1,236 273 1.1 12,650 5.1 33.5 34.2 3.4 -1.9 29.5 -2.9 59.1 15.3 83.8 5.8ベトナム 318 99 1.1 7,030 6.8 30.1 19.2 3.3 -3.6 43.2 1.9 -2.1 4.9 288.5 2.7スリランカ 91 21 0.5 13,090 3.5 20.6 27.5 4.3 -6.5 85.4 -3.0 165.2 18.9 63.0 3.0チェコ 269 11 0.1 37,580 3.0 32.2 26.7 2.0 0.0 30.5 -0.2 -25.0 7.4 121.0 7.9イスラエル 418 9 1.6 39,830 3.4 22.9 22.6 0.5 -4.4 63.9 2.0 -137.8 7.0 375.5 11.8サウジアラビア 766 35 2.5 55,650 0.8 38.7 25.9 0.7 -7.7 23.7 1.7 -112.7 18.5 284.2 20.4ポーランド 610 38 -0.2 30,140 4.2 24.3 20.7 1.5 -1.5 49.4 -1.2 35.9 16.6 85.6 3.6南アフリカ 356 60 1.5 13,300 0.9 18.1 18.1 5.0 -6.2 67.6 -3.9 62.4 14.9 80.4 4.4ルーマニア 252 19 -0.6 27,520 4.6 20.7 24.7 2.3 -3.7 37.6 -5.1 38.3 17.7 102.3 4.1ロシア 1,803 147 0.1 26,470 1.5 32.7 22.2 4.3 0.9 15.9 3.5 -115.1 12.0 511.6 13.6ブルガリア 76 7 -0.7 22,300 3.5 22.8 18.5 1.5 0.2 19.1 5.0 -43.2 7.0 428.8 9.3トルコ 785 85 1.6 27,470 3.3 26.7 24.6 12.5 -3.4 32.9 -0.9 83.5 27.3 83.7 5.1ハンガリー 161 10 -0.3 29,500 3.9 31.8 25.9 2.4 -1.8 66.7 -0.8 7.0 11.9 153.9 2.8チリ 268 19 1.0 24,190 1.9 20.8 21.9 2.9 -4.4 29.6 -0.9 66.6 26.6 71.3 4.1ウルグアイ 55 3 0.4 21,900 1.6 18.2 16.8 8.0 -3.0 67.7 -1.2 -76.7 15.3 256.9 8.8ペルー 246 33 0.9 13,810 3.2 22.3 20.7 2.5 -1.6 27.8 -1.8 -88.1 9.1 208.0 10.8メキシコ 1,322 134 1.3 19,360 1.6 23.4 22.3 4.2 -2.0 43.3 -1.4 16.2 9.1 107.2 3.9コロンビア 325 50 0.9 14,170 2.5 15.3 20.8 4.4 -1.6 44.4 -4.5 58.0 24.8 98.6 7.4ブラジル 1,878 214 0.8 15,820 0.5 15.6 16.0 4.6 -6.5 80.6 -3.2 61.4 29.0 164.8 12.4ボリビア 42 12 1.6 7,670 3.2 13.2 18.9 2.9 -5.0 46.1 -4.9 6.0 11.6 395.7 4.5アルゼンチン 413 46 1.0 19,820 -1.3 18.8 13.8 41.7 -5.4 94.8 -0.1 31.4 40.3 59.0 6.1

対外収支

地域と国名

人口・所得 マクロ経済 政府財政

ユー

資源

アジ

欧・

中東

フリ

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 43

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

①ブラジル: 年金改革に成功、石油政策に注目

0.5%の大幅利下げを4会合連続で実施、さらなる利下げには慎重姿勢を示す

2019年7-9月期の実質GDPは家計消費が底堅く前年比+1.2%へ加速しました。ブラジル中銀は2019

年7月より0.50%の大幅利下げに転じ、12月まで4会合連続の利下げを行いました。12月の会合で

さらなる利下げには慎重な姿勢を中銀が示したことから、利下げ局面の終盤にあるとみられます。

年金制度改革が行われ、将来の財政悪化懸念は後退しました。今後は足元の財政再建策に注目

です。経常赤字が縮小し、直接投資の流入が続いていることは経済の安定性を高めています。

直接投資の流入が続いていることは、ブラジル経済の安定に寄与

新興国

出所)BCB、CEICより三菱UFJ国際投信作成

注)Fitch Ratingsによる集計値。

2018年までは実績、2019年は同社による予測。

注)直近値は、2019年7-9月期。

出所)Fitch Ratingsより三菱UFJ国際投信作成

ブラジル 国際収支(四半期) ブラジル 財政収支と政府債務

出所)IBGE、ブラジル中央銀行(BCB)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所)ブラジル地理統計院(IBGE)より三菱UFJ国際投信作成

ブラジル 実質GDP (需要項目別寄与度、前年比) ブラジル 消費者物価と政策金利

-12

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

2008 2010 2012 2014 2016 2018

政府消費

家計消費

その他

純輸出

(%)

固定資本投資

2019年7-9月期実質GDP

+1.2%

(年)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

政策金利

2019年12月11日より4.50%

消費者物価

2019年11月、前年比 +3.27%

(年)(年)(年)

-450

-400

-350

-300

-250

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(億米ドル)

その他投資

経常収支

直接投資

証券投資

総合収支

(年)

0

20

40

60

80

100

-14

-12

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020

一般政府債務

のGDP比

(線:右軸)

一般政府財政収支のGDP比

(棒:左軸)

(%) (%)

(年)

(%) (%)

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

ブラジルの石油産業に対する過度な不安には注意

ブラジルでは深海油田の開発が進んでおり、足元では中南米最大の原油生産国となっています。

2019年10月の油田開発入札では需要が集まらず、レアル安要因となりましたが、入札制度の見直

しなどの改善が今後行われる予定です。石油公社ペトロブラスの財務建て直しも前進しています。

大幅利下げにより政策金利は低下したものの、10年債利回りの低下はまだ限定的です。年金制度

改革などの好材料も考慮すると、徐々に債券が買われ、10年債利回りも低下していくとみています。

政策金利と比べると10年債の利回り低下は限定的、年金改革もプラス材料

中南米で最大の原油生産国、石油公社ペトロブラスの財務健全化は進んでいる

新興国

出所)BCB、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

出所)ブラジル地理統計院、

メキシコ地理統計院、OPECより三菱UFJ国際投信作成

ブラジル 外貨準備と為替相場

中南米諸国の原油生産量(日量)

出所)ペトロブラスより三菱UFJ国際投信作成

石油公社ペトロブラスの債務状況

注)直近値は2020年1月8日。

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

政策金利と10年債利回り

注)10年債利回りは一部データが欠損

4

6

8

10

12

14

16

18

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

政策金利

2019年12月11日より4.50%

10年債利回り

2020年1月7日6.81%

0

50

100

150

200

250

300

350

2010 2012 2014 2016 2018

メキシコ ブラジル

ベネズエラ

(万バレル)

(年)0

5

10

15

20

25

30

35

40

2014 2015 2016 2017 2018

(純債務/EBITDA倍率)

(年度)

収益力対比で

純債務の低下を示唆

注)直近値は2019年11月。

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.50

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020

外貨準備(棒:左軸)

(億米ドル) (レアル/米ドル)

レアル相場(線: 右軸)

(年)

レアル高↔

レアル安

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国

②インド:経済成長率は6年半ぶりの水準まで低下

インド 国際収支(四半期) インド 財政収支と政府債務

注)Fitch Ratingsによる集計値。

2018年までは実績、2019-20年は同社による予測。

出所)インド準備銀行(RBI)、CEICより三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は、2019年7-9月期。

出所)Fitch Ratingsより三菱UFJ国際投信作成

インド 消費者物価の前年比 インド 実質GDP (需要項目別寄与度、前年比)

出所)インド中央統計局、CEICより三菱UFJ国際投信作成 出所)インド中央統計局、CEICより三菱UFJ国際投信作成

注)実質GDPの旧基準は2014年7-9月期まで、新基準は2012年4-6月期から

2019年7-9月期。需要項目別寄与度は新基準ベース。

0

20

40

60

80

100

-14

-12

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020 (年)

(%) (%)

一般政府債務のGDP比

(線:右軸)

一般政府財政収支のGDP比

(棒:左軸)

-350

-300

-250

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

200

250

300

350

2009 2011 2013 2015 2017 2019

その他

投資

証券投資

(億米ドル)

直接投資

経常収支

総合収支

(年)

内需の減速に伴って鈍化する景気(左)、総合消費者物価上昇率は足元上昇(右)

政府債務規模は高止まり(左)、経常赤字幅は近年やや拡大(右)

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

実質GDP(旧基準)

2004-05年要素

費用価格

純輸出

在庫投資

民間消費

固定資本投資

政府消費

2019年7-9月期

実質GDP+4.5%

(年)

統計誤差

実質GDP(新基準)

2011-12年市場価格

2019年7-9月期の実質GDPは前年比+4.5%と、前期の+5.0%を下回り約6年半ぶりの水準に低下。

農村部の困窮やノンバンクの資金調達環境の悪化等が家計消費や投資を下押ししました。政府は

景気刺激策を導入したものの、景気下押し圧力は強く、景気の回復には時間がかかりそうです。

2019年12月の総合消費者物価は前年比+7.4%と、準備銀行の物価目標レンジ(+2-6%)の上限を突

破。2018年の経常赤字はGDP比2.4%と前年の1.5%を超過し、2年連続で拡大しています。

注)直近値は、2019年12月。

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2012 2014 2016 2018

(%)

(年)

総合物価

コア物価

注) コア物価は食品

と燃料を除いて計算

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国

連続利下げの後12月に利下げを休止

低迷していた自動車販売はひとまず底打ち。政府が自動車税引下げ観測を否定したことに伴って

買い控えが終息しました。一方、農村部家計の困窮を背景に、二輪車販売は引続き低調です。

当局は2019年10月まで5回連続で利下げを行った後12月に金利を据置き。物価高騰に伴う期待イ

ンフレの上昇を懸念しており、物価が沈静化すれば利下げの再開が見込まれます。当局は資本流

入局面ではドル買い介入で外貨準備を増強。今後もルピー相場は横ばいで推移するとみられます。

自動車融資の落込み等から低迷が続いた自動車販売はひとまず底打ち(右)

2019年に5回連続で利下げを実施(左)、ドル買い介入で増加する外貨準備(右)

出所)インド準備銀行(RBI)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所)インド準備銀行(RBI)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

インド 外貨準備と為替相場 インド 政策金利と国債利回り

出所)インド中央統計局、CEICより三菱UFJ国際投信作成 出所)インド自動車工業会(SIAM)、CEICより三菱UFJ国際投信作成

インド 自動車等販売台数の前年比 インド 石油・金輸入額と貿易収支

注)直近値は、2020年1月6日。 注)直近値は、為替相場: 2020年1月6日、外貨準備: 2019年12月27日。

注)直近値は、2019年11月。 注)直近値は2019年11月。

-250

-200

-150

-100

-50

0

50

100

150

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(億米ドル)

石油と金を除く貿易収支(a)

貿易収支(a+b+c)

(年)

石油(b)

金(c)

注) 輸入額は

マイナス表示

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

二輪車

乗用車

注) 3ヵ月移動平均の前年比

(年)

35

40

45

50

55

60

65

70

75 1,500

1,750

2,000

2,250

2,500

2,750

3,000

3,250

3,500

3,750

4,000

4,250

4,500

4,750

2009 2011 2013 2015 2017 2019

外貨準備

(左軸)

(億米ドル) (ルピー/米ドル)

ルピー相場(右軸)

(年)

ルピー高↔

ルピー安

5

6

7

8

9

10

11

2011 2013 2015 2017 2019

政策金利(翌日物レポ)

2年債

(%)

注) 2年債利回りは一部欠落あり

(年)

10年債

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国

0

20

40

60

80

100

-14

-12

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

1996 2000 2004 2008 2012 2016 2020 (年)

(%) (%)

一般政府債務のGDP比

(線:右軸)

一般政府財政収支のGDP比

(棒:左軸)

③インドネシア: 鈍化する景気、中央銀行は利下げをひとまず休止

景気が鈍化を続ける中(左)、2019年10月まで4回連続で利下げを実施(右)

一次産品価格の低迷もあり、経常赤字は近年やや拡大(右)

インドネシア 財政収支と政府債務 インドネシア 国際収支(四半期)

出所)インドネシア銀行(BI)、CEICより三菱UFJ国際投信作成 出所)Fitch Ratingsより三菱UFJ国際投信作成

インドネシア 消費者物価前年比と政策金利

出所)インドネシア中央統計局、CEICより三菱UFJ国際投信作成 出所)インドネシア中央統計局、インドネシア銀行(BI)、

CEICより三菱UFJ国際投信作成

インドネシア 実質GDP (需要項目別寄与度、前年比)

注)直近値は、2019年7-9月期。

注)直近値は、物価: 2019年12月、政策金利: 2020年1月6日。

2019年7-9月期の実質GDPの前年比は+5.0%と前期の+5.1%より鈍化。投資が低迷し、4月の総選

挙を終えて政府の歳出も鈍化しました。12月の総合消費者物価は前年比+2.7%と落着いています。

中央銀行は2018年に累計1.75%ポイントの利上げを行い、2019年は10月まで4回連続で金利を引

下げた後に(6%→5%)、利下げを休止。 中央銀行の声明は緩和的な政策を行う余地に言及してお

り、今後も国際収支とルピア相場の安定に配慮しつつ、1-2回の追加利下げを行うと予想されます。

注)Fitch Ratingsによる集計値。

2018年までは実績、2019-20年は同社による予測。

-4

-2

0

2

4

6

8

10

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

実質GDP

純輸出

在庫投資

民間消費

固定資本投資

政府消費

2019年7-9月期

実質GDP+5.0%

(年)

統計誤差

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

総合物価

コア物価

注)2016年8月19日より政策金利変更(1→2)

コア物価: 生鮮食品と管理価格品目

(燃料、電力等)を除く

政策金利1(BI金利)

(年)

政策金利2(7日物リバース・

レポ金利)

-150

-125

-100

-75

-50

-25

0

25

50

75

100

125

150

175

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(億米ドル)

証券投資

直接投資

経常収支

その他

投資

総合収支

(年)

Page 49: 政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を ...注)値は1980~2017年がIMF World Economic Outlook(2019年10月)、2018~2021年がIMF

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

④トルコ: 減速基調にあったインフレが足元では加速の兆候

出所)トルコ中銀より三菱UFJ国際投信作成

2019年7-9月期の実質GDPは前年比+0.9%と4期ぶりにプラスに回復しました。ただ前期比では2019

年1-3月期の+1.69%から、4-6月期の+0.99%、7-9月期の+0.43%と徐々に鈍化してきています。

消費者物価は2019年10月まで減速基調にありましたが、11月は加速に転じました。トルコ中銀が

市場予想を上回るペースで大幅利下げを実施していることもあり、再びインフレ懸念が高まるリス

クには注意が必要です。経常収支は黒字に転換していることは経済の安定性に寄与しています。

中銀は予想以上の大幅利下げを実施、経常赤字の縮小は経済の安定性に寄与

4期ぶりに前年比でプラス、物価は減速するも足元では加速の兆候

新興国

出所)トルコ統計局より三菱UFJ国際投信作成

トルコ 実質GDP

(需要項目別寄与度、前年比)

トルコ 各種政策金利と銀行間金利

出所)トルコ中銀より三菱UFJ国際投信作成

トルコ 消費者物価(前年比)

出所)トルコ統計局より三菱UFJ国際投信作成

トルコ 国際収支

出所)トルコ中銀より三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は2020年1月20日 注)直近値は、2019年7-9月期

0

5

10

15

20

25

30

2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

(年)

2019年11月

総合 +10.56%

コア +9.25%

インフレ目標

+3~7%

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(億米ドル)

証券投資

直接投資

経常収支

その他

投資

総合収支

(年)

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

2009 2011 2013 2015 2017 2019

(%)

純輸出

民間消費

固定資本投資

政府消費

2019年7-9月期

実質GDP+0.9%

(年)

統計誤差

0

5

10

15

20

25

30

2011 2013 2015 2017 2019

①後期流動性貸出金利、14.25%

②翌日物貸出金利、12.75%

③一週間物レポ金利、11.25%

④翌日物借入金利、9.75%

翌日物銀行間金利、10.05%

(%)

(年)

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済 為替相場

2013年 2016年 2019年

米ドル 43.5 43.8 44.2

ユーロ 16.7 15.7 16.2

円 11.5 10.8 8.4英ポンド 5.9 6.4 6.4

豪ドル 4.3 3.5 3.4

カナダドル 2.3 2.6 2.5

スイスフラン 2.6 2.4 2.5

新興国通貨 --- 10.5 12.3

米ドル・ユーロ 24.1 23.1 24.0

米ドル・円 18.3 17.8 13.2米ドル・新興国通貨 --- 17.1 20.2

ユーロ・円 2.8 1.6 1.7

9.為替相場:米ドル円の安定と新興国通貨の底固めを想定

近年、米ドル円相場と日米金利差には一定の相関が見られました。ただし2019年は、米利下げ(米

金利低下)で日米金利差の縮小が進んだにもかかわらず、円高米ドル安への動きは限定的でした。

元来、円はリスク回避局面、つまり世界的な景気失速や株安(金利低下)時に上昇しやすい傾向が

あります。2019年は米金利低下も米景気は磐石、世界的な株高基調が続いた点で、円高圧力も限

られた模様です。また動かない円の背景として、為替市場での円の存在感低下も考えられます。

2019年の米ドル円は例年比で「ほぼ動かず」の印象、円の地位低下も一因か

日米金利差と米ドル円相場

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

出所) BISより三菱UFJ国際投信作成

為替市場の取引高シェア (通貨別、%)

注)各年4月の1日あたり平均取引高。

新興国通貨は集計対象に連続性がないため2013年値は省略。

注)直近値は2020年1月7日時点。

円(対米ドル)相場: 米利下げで日米金利差縮小進むも円高米ドル安は限定的に

米ドル円相場の変動(年別)

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)2019年の年間変動幅(7円94銭)は1973年の変動相場移行後で通年最小。

(通貨ペア別、%) 6080

100120140160180200220240260280300320

(円/米ドル)

2018年 ⇒2019年

安)114円55銭 安)112円40銭

終)109円69銭 終)108円61銭

高)104円56銭 高)104円46銭

←円安値

■終値

←円高値

年終値と年間変動域(左軸)(■円高年、■円安年)

010203040506070

1973 1982 1991 2000 2009 2018

(円)

(年)

2018年

9円99銭

年間変動幅(安値-高値、右軸)

2019年

7円94銭⇒

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2005 2008 2011 2014 2017 2020(年)

(円/米ドル)

米ドル円相場

(右軸)

日米金利差(米-日、左軸)

10年国債

2年国債

2015年6月5日

125円86銭

2016年6月24日

99円02銭

2016年

12月15日

118円66銭

↑円安米ドル高↓円高米ドル安

↑金利差拡大↓金利差縮小

(%)

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

為替相場

円高米ドル安へ進みにくい構造変化も

購買力平価は二国間為替相場の適正水準や長期的すう勢を見る上で参考となります。日米購買

力平価は長期にわたり円高米ドル安の進行を示唆しましたが、近年は安定化している印象です。

円高米ドル安が進みにくい背景に、本邦経常黒字の構造変化(貿易収支→所得収支中心)が挙げ

られます。獲得した外貨を円転する必要のある貿易黒字と違い、大半が内部留保(再投資収益)と

なりうる直接投資黒字や債券利子が主の証券投資黒字は円買い圧力を高めにくいともいえます。

対外直接投資積極化が経常収支と円相場の相関(経常黒字→円高)低下の一因か

米ドル円相場と日米購買力平価

出所) 財務省より三菱UFJ国際投信作成

日本 経常収支(12ヵ月累計)

注)第1次所得収支は対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況

第2次所得収支は居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に

係る収支状況を示す。直近値は2019年10月時点。

注)ここでの購買力平価は日本が変動相場制に移行した1973年2月を基準とし、以降の日米物価上昇率格差で調整した為替相場に基づく。

算出に使用した物価は、日本が国内企業物価、米国が生産者(最終財)物価。1995年と2011年の円ザラバ高値を表記。

直近値は米ドル円相場が2019年12月、購買力平価およびかい離率が同年11月時点。

出所) 日本銀行、米労働省、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

円の基礎的需給と円相場

出所) 財務省、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

米ドル円の長期的な方向感を示唆する日米購買力平価の傾きは徐々に平坦化

注)直近値(2019年)は米ドル円相場が2019年末時点、

円の基礎的需給が2019年1-10月累計値。

-40-20020406080100120140160180200220240260280300320

-80-60-40-20

020406080

100120140160180200220240260280

1972 1978 1984 1990 1996 2002 2008 2014 2020

(円/米ドル)

米ドル円相場(右軸)

米ドル円相場の購買力平価からのかい離率(左軸)

日米購買力平価(右軸)(生産者物価、1973年2月基準)

(%)97円1982年10月

+28.3%

1985年2月+23.9%

1980年代前半 米国の高金利政策1985年9月プラザ合意「米ドル高是正」

(年)

2015年7月+24.7%

理論値より円安

理論値より円高

円安米ドル高

円高米ドル安

+13.4%

1995年4月19日

79円75銭

2011年10月31日

75円35銭

1973年2月日本が変動相場制移行

1987年2月ルーブル合意「米ドル安定」

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

1999 2003 2007 2011 2015 2019(年)

(兆円)

②貿易収支

③サービス収支

④第2次所得収支

①第1次所得収支

経常収支(線、①+②+③+④) 2019年10月+19.4兆円

①+20.7兆円

②+0.1兆円

③▲0.1兆円

④▲1.4兆円0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140-90

-80

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

1999 2003 2007 2011 2015 2019(年)

①経常収支(+は黒字)

③証券投資

②直接投資

円の基礎的需給

(①+②+③、左軸)

米ドル円相場(右軸)

(-)資金流出超

(+)資金流入超

↑円安

↓円高

(兆円)

(円/米ドル)

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済 為替相場

▲30.4

▲23.4

▲20.8

▲10.2

▲8.0

▲6.7

▲6.6

▲5.8

▲1.0

10.2

ロシア ルーブル

南アフリカ ランド

ブラジル レアル

トルコ リラ

カナダ ドル

インド ルピー

オーストラリア ドル

スイス フラン

ユーロ

日本円

▲21.0

3.2

7.2

7.6

9.9

12.8

14.2

26.0

33.8

33.9

トルコ リラ

日本円

スイス フラン

インド ルピー

カナダ ドル

オーストラリア ドル

ユーロ

ブラジル レアル

ロシア ルーブル

南アフリカ ランド

▲29.0

▲19.0

▲17.9

▲17.4

▲12.5

▲9.7

▲8.9

▲7.6

▲5.2

▲0.5

トルコ リラ

ロシア ルーブル

ブラジル レアル

南アフリカ ランド

オーストラリア ドル

カナダ ドル

インド ルピー

ユーロ

スイス フラン

日本円

▲11.1

▲3.6

▲2.3

▲2.2

▲0.4

1.0

1.6

2.5

5.0

12.0

トルコ リラ

ブラジル レアル

インド ルピー

ユーロ

オーストラリア ドル

日本円

スイス フラン

南アフリカ ランド

カナダ ドル

ロシア ルーブル

リスク許容度の変化と為替市場の関係

為替市場の全体感を捉える上では、金融市場のリスク許容度の変化に着目する必要があります。

一般的に世界的なリスク回避(株安)時は、安全志向から相対的低金利の円や基軸通貨の米ドル

が、リスク選好(株高)時は相対的高金利の新興国といったその他通貨が優位な傾向があります。

2019年は2016年春-2018年初同様に株高が続くも、その他通貨が明確に優位となりませんでした。

新興・資源国にとって重要な中国景気や国際貿易面の不安が根強かったことも響いた模様です。

世界株式(MSCI、現地通貨)

【②株高局面】 2016年3月-2018年1月

注)世界株式はMSCI AC WORLD(現地通貨)。

指数化は三菱UFJ国際投信。直近値は2019年12月時点。

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

一般的に、株安時は円や米ドル、株高時は新興国・資源国通貨が優位な傾向

【④株高局面】 2019年1月-2019年12月

主要通貨 株高・株安局面における対米ドル騰落率(%)

株式と為替の関係(イメージ)

出所) MSCI、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所) 三菱UFJ国際投信作成

注)あくまでイメージであり、

将来の成果をお約束するものではありません。

【株高局面】

【株安局面】

新興国・

資源国通貨

ユーロ

円・米ドル

(強)

(弱)

(弱)

(強)

【①株安局面】 2015年6月-2016年2月

【③株安局面】 2018年2月-2018年12月

90

100

110

120

130

140

150

2015 2016 2017 2018 2019 2020

(2014年末=100)

(年)

②株高 ④株高①株安 ③株安

■株安局面

■株高局面

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

為替相場

高止まり続く米ドル、頼れる通貨が米ドルだけと言う現状を反映か

米政権は米ドル高を嫌気、通貨の割安感目立つ国には圧力強める可能性も

主要国 実質実効為替レート

出所) BISより三菱UFJ国際投信作成

注)長期平均は1994年1月~2019年11月までの平均値。

指数化は三菱UFJ国際投信。

主要国 実質実効為替レート (長期平均からのかい離率(%))

出所) 米財務省、BISより三菱UFJ国際投信作成

注)米国は2020年1月報告書でベトナムを含む10ヵ国を監視対象国に指定。

値は2019年11月時点。

為替市場の方向性は基軸通貨の米ドル次第です。短期的には米景気や金融政策、市場のリスク

許容度などが重視されますが、中長期的には米政権の米ドルに対する見方も要注意といえます。

トランプ大統領は米ドルの高止まりに不満をもらしていますが、米景気の相対的な安定感、米国が

先進国で高金利という現状を踏まえれば、米ドル資産の需要は容易に弱まらないとみます。外貨

準備を見ても、欧州債務問題後のユーロ凋落もあり、米ドルからの分散が進んでいない印象です。

今や相対的高金利通貨となった米ドル、外貨準備で見た米ドルの地位も揺らがず

各国10年国債利回り(%)

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)直近値は2019年末時点。

出所) IMFより三菱UFJ国際投信作成

外貨準備の通貨別内訳

注)通貨分類が可能な額のみを対象。

値は各年(または月)末時点。

65

70

75

80

85

90

95

100

105

110

115

120

125

130

135

2009 2011 2013 2015 2017 2019(年)

(長期平均=100)

米国

メキシコ

ユーロ圏

日本

↑通貨高

↓通貨安

カナダ

中国

オーストラリア

① ② ③

(単位%) 1999年

①→② ②→③

米ドル 71.0 62.2 ▲8.8 61.8 ▲0.5

ユーロ 17.9 25.8 7.9 20.1 ▲5.7

円 6.4 3.7 ▲2.7 5.6 1.9

英ポンド 2.9 3.9 1.1 4.4 0.5

スイスフラン 0.2 0.1 ▲0.1 0.1 0.0

その他 1.6 4.3 2.7 8.0 3.7

人民元 --- --- --- 2.0 ---

豪ドル --- --- --- 1.7 ---

カナダドル --- --- --- 1.9 ---

その他 --- --- --- 2.4 ---

2010年 2019年9月

3.30 1.13

2.96 3.36

5.45 6.60

9.06 4.82

12.47 1.72

3.40 3.72

3.12 5.55 5.87

2.71 7.92 7.58

4.03 6.96

12.12 6.05

7.95 8.16 8.40

米国日本ドイツ

フランススペイン

ポルトガルアイルランド

イタリアギリシャスイス英国

ノルウェーカナダ

オーストラリアニュージーランド

シンガポールインド

インドネシアマレーシア

メキシコブラジル

ポーランドロシア

南アフリカトルコ

2010年末 1.92 -0.02 -0.19

0.12 0.46 0.43 0.11

1.41 1.43

-0.50 0.82 1.55 1.70 1.37 1.65 1.73

6.56 7.04

3.31 6.91 6.79

2.11 6.36

9.02 11.93

直近

米国より

■低い

■高い

▲22.1▲18.5▲15.2▲15.0▲11.3▲10.9▲10.1▲8.0▲7.7▲7.7▲7.4▲5.6▲4.9▲2.4▲1.9▲1.2

0.33.43.85.45.87.48.6

17.923.0

日本トルコ

メキシコ南アフリカ

英国マレーシアブラジル

ドイツアイルランド

台湾フランスカナダ

イタリアオーストラリア

韓国オランダベルギー

香港スイス

インドネシアシンガポール

米国インドタイ中国

割安

(長期平均より)割高

米為替報告書

(2020年1月)

■は監視対象国

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済 為替相場

70

75

80

85

90

95

100

105

110

115

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2013年末=100)

↑新興国通貨高(米ドル安)

↓新興国通貨安(米ドル高)

2008年7月

2009年3月

2017年1月

2011年7月

2018年3月

6

7

8

9

10

11

12

0.00.51.01.52.02.53.03.54.04.55.0

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(兆米ドル)

①借入(左軸)

GDP比(①+②、右軸)

(%)

②債券(左軸)

0.00.51.01.52.02.53.03.54.04.55.05.5

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(%)

FF目標金利(上限値)

米国10年国債利回り

↑金利上昇↓金利低下

3638404244464850525456586062

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(%)

2008年4月

2008年11月

2016年2月

2009年12月

2017年9月

2019年2月

↑業況改善

↓業況悪化

406080

100120140160180200220240260

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(ポイント)

2008年7月

2009年3月

2016年1月

2011年4月↑資源高

↓資源安

2018年5月

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

2007 2010 2013 2016 2019(年)

(%)

2009年3月

2016年3月

2010年6月

2018年1月↑貿易拡大

↓貿易縮小

注)新興国通貨はFRB公表のEME Dollar Index(名目値)の逆数を三菱UFJ国際投信が指数化した値。資源価格はブルームバーグ商品指数(米ドル)。

米ドル建て債務のGDP比は各年の新興国GDP(IMF World Economic Outlook(2019年10月))を用いて算出。世界貿易取引量は3ヵ月移動平均値。

新興国通貨、中国製造業PMI、世界貿易取引量、資源価格は期間内の転換点となった年月を表示。

直近値は新興国通貨・米国金利・資源価格が2020年1月6日(日次)、

中国製造業PMIが2019年12月、世界貿易取引量が同年10月(以上月次)、新興国の米ドル建て債務が同年3月(四半期)時点。

出所) FRB、中国国家統計局、BIS、CPB(オランダ経済分析局)、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

中国 製造業PMI

世界 貿易取引量(前年比)

資源価格

新興国通貨の安定に向け米金利低下は朗報、あとは中国景気の回復待ち

新興国通貨:中国景気安定に伴い徐々に底固めの兆し

新興国通貨は、2010年以降の中国景気減速、2011年以降の資源安を機に上昇が一服、2014-15

年からは原油安、中国景気不安、米国利上げ開始を受け下落が加速、足元も低迷しています。

足元、米ドル建て債務が膨らむ新興国にとって、返済負担増につながる米金利上昇が和らいだ点

は朗報です。中国景気が安定化、米中摩擦が緩和に向かえば、世界的な貿易活動が回復、資源

価格も緩やかながら反発へ向かうとみられ、新興国通貨持ち直しへの機運が高まると考えます。

新興国通貨(対米ドル)

米国金利

新興国 米ドル建て債務

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

為替相場

経済ファンダメンタルズの改善を怠れば、再び通貨安に見舞われるリスクも

新興国は先進国に比べ金融市場が未成熟なため、海外資本(米ドル中心)が経済成長促進に不

可欠ですが、米金利が上昇、または世界経済の不透明感が高まる場面では、経常赤字を抱え外

貨が不足する国ほど債務返済能力への疑念から、資本流出圧力にさらされやすくなると考えます。

2013年のバーナンキ・ショック以降、新興国ではマクロ経済の健全化が進み、対外ショックへの耐

性は高まった模様ですが、トルコやアルゼンチンのように、ぜい弱さの目立つ国は注意が必要です。

2019年の新興国通貨は国ごとで明暗、トルコとアルゼンチンの2弱は変わらず

新興国通貨(対米ドル騰落率、%) ①2019年 新興国インフレ率

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所)IMF World Economic Outlook(2019年10月)より

三菱UFJ国際投信作成

③2019年 新興国外貨準備 (対外短期債務比)

出所)世界銀行より三菱UFJ国際投信作成

注)2019年6月末時点。

②2019年 新興国経常収支 (GDP比)

出所)IMF World Economic Outlook(2019年10月)より

三菱UFJ国際投信作成

注)消費者物価(総合)の前年比。

54.415.7

2.23.44.2

0.53.83.42.52.42.32.6

3.61.0

2.24.42.53.23.8

0.94.7

010203040506070

アルゼンチントルコチリハンガリールーマニア韓国ブラジルインドブルガリアポーランド中国チェココロンビアマレーシアペルー南アフリカフィリピンインドネシアメキシコタイロシア

(%)

インフレ率が低い→

←高い

0.90.6

2.32.02.1

2.85.1

3.72.8

2.22.7

1.73.4

1.17.3

1.24.9

2.42.6

3.98.1

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

アルゼンチントルコチリハンガリールーマニア韓国ブラジルインドブルガリアポーランド中国チェココロンビアマレーシアペルー南アフリカフィリピンインドネシアメキシコタイロシア

(倍)

外貨が潤沢→

←不足

▲1.2▲0.6

▲3.5▲0.9

▲5.53.2

▲1.2▲2.0

3.2▲0.9

1.0▲0.1

▲4.23.1

▲1.9▲3.1▲2.0

▲2.9▲1.2

6.05.7

-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8

アルゼンチントルコチリハンガリールーマニア韓国ブラジルインドブルガリアポーランド中国チェココロンビアマレーシアペルー南アフリカフィリピンインドネシアメキシコタイロシア

(%)

経常黒字

経常赤字

▲50.6▲28.2

▲11.3▲7.5▲4.2▲3.9

▲14.7▲8.4▲4.5▲6.8▲5.4▲5.1▲8.2▲2.1▲3.9

▲13.7▲5.1▲5.8

0.00.8

▲16.8

2018年

▲37.1▲11.1▲7.8▲5.2▲4.9▲3.9▲3.6▲2.3▲2.1▲1.5▲1.2▲1.2▲1.0

1.01.72.53.83.83.8

8.812.0

アルゼンチン ペソトルコ リラチリ ペソハンガリー フォリントルーマニア レイ韓国ウォンブラジル レアルインド ルピーブルガリア レフポーランド ズロチ中国人民元チェコ コルナコロンビア ペソマレーシア リンギペルー新ソル南アフリカ ランドフィリピン ペソインドネシア ルピアメキシコ ペソタイ バーツロシア ルーブル

2019年

各国

通貨高

(米ドル安)

各国

通貨安(米ドル高)

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

新興国株式 10.7

海外先進国リート

9.5

日本リート 9.2

海外先進国株式

9.1

日本株式 6.1

商品 ▲ 1.0

米国HY社債

 ※HY:ハイ・イールド7.9

新興国債券(米ドル建)

7.8

新興国国債(現地通貨建)

6.4

海外先進国国債

3.9

米国HY社債 6.7

新興国債券(米ドル建)

6.5

日本国債 1.8

全期間の平均収益率(年率換算、%)

全期間の平均収益率(年率換算、%)

全期間の平均収益率(年率換算、%)

0

100

200

300

400

500

600

700

2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019 (年)

リーマン・ショックチャイナ・ショック

米中通商摩擦

0

100

200

300

400

500

600

700

2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019(年)

リーマン・ショックチャイナ・ショック

米中通商摩擦

0

100

200

300

400

500

600

700

2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 2019(年)

リーマン・ショックチャイナ・ショック

米中通商摩擦

10.投資戦略:景気見通し崩れなければリスク選好継続へ

グローバル経済下では、金融資産の価格が同一方向に動きやすく、様々な資産に分散投資するこ

とによるリスク軽減効果が薄れる傾向もあります。こうした環境では、投資家が自身のリスク許容

度(資産価格の変動をどれだけ許容できるか)に応じて、投資対象を選別することが求められます。

国内投資家が海外資産に投資する場合、投資成果を円に換算して考える必要があるため、為替

変動の影響を抑えることができる「為替ヘッジ」を選択するか否かもポイントになると考えられます。

注)対象インデックス:海外先進国株式はMSCI KOKUSAI(配当込み)、日本株式はMSCI JAPAN(配当込み)、新興国株式はMSCI EM(配当込み)、 海外先進国リートはS&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み)、日本リートはS&P日本REIT指数(配当込み)、商品はブルームバーグ商品指数、 日本国債はFTSE日本国債インデックス、海外先進国国債はFTSE世界国債インデックス(除く日本)、新興国債券(米ドル建)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、新興国債券(米ドル建、円ヘッジあり)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified(円ヘッジベース) 、新興国国債(現地通貨建)は J.P. Morgan GBI-EM Global Diversified、米国ハイ・イールド社債はICE BofAML US High Yield Index、米国ハイ・イールド社債(円ヘッジあり)はICE BofAML US High Yield Index(円ヘッジベース)、にそれぞれ基づく。 日本株式、日本国債、日本リート、新興国債券(米ドル建、円ヘッジあり)、米国ハイ・イールド社債(円ヘッジあり)は円ベース指数、それ以外は 米ドルベース指数に米ドル円相場を乗じて円換算した値から算出。指数化は三菱UFJ国際投信。直近値は2019年12月時点。

出所)MSCI、S&P、ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

※ 為替ヘッジとは、通貨先物・オプション取引などを通じ、為替変動による運用資産の価格変動を回避(ヘッジ)する取引を指します。

2019年は楽観と悲観が交錯しつつもリスク選好を堅持

国内外資産の投資成果(円換算)(2002年末=100)

株式・リートなど

円債・海外債券(円ヘッジあり)

海外債券(円ヘッジなし)

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 56

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

資産価格の変動が大きいほど、効率的な資産形成が難しくなる傾向

出所)三菱UFJ国際投信作成

各変動パターンに基づく資産価格の推移

安定的な資産形成の基本は、価格変動が小さく、売買のしやすい資産の選択

価格変動リスクの抑制が着実な資産形成を目指すポイントに

投資する上で、各資産の価格変動リスク(不確実性)を把握することが重要です。資産価格は一度

急落すると元の水準を回復するのは容易ではないと考えます。安定的かつ着実に資産を増やすた

めには、①価格の上下変動が小さく、②売買がしやすい資産を投資対象の柱に据えることです。

定年退職後の貯蓄取り崩しが避けられないなか、世界一の長寿国であるわが国の場合、金融資

産の枯渇をいかに遅らせるかという観点からも、安定した資産収益率の確保が課題と考えます。

注) 簡便化のため配当所得に対する源泉徴収税率を20%としている。

2018年時点で世帯主が60代以上かつ無職世帯の月間収支は▲4.7万円

(総務省「家計調査」家計収支編、二人以上の世帯)。

出所) 三菱UFJ国際投信作成

例) 元金2,000万円を毎月10万円ずつ

取り崩した場合の残高

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30

+7.5%

+5.0%+2.0%運用利回り

0.0%

残高がゼロになるまでの期間16年8ヵ月

19年4ヵ月27年6ヵ月

経過期間(年)

(万円)

(前提)

月末元金=月初元金+(月初元金×運用利回り÷12×0.8)-月末取崩額

0

50

100

150

200

250

300

0 5 10 15 20 (年後)

①毎年5%ずつ上昇

②30%上昇、20%下落の繰り返し

③50%上昇、40%下落の繰り返し

(仮定)

・初期時点の資産価格を100

・①②③ともに年平均上昇率は+5%

20年後265

148

35

出所)MSCI、S&P、 ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)HYはハイ・イールド。収益率算出に使用した各資産の対象となるインデックスおよび円換算方法は前頁最下段の脚注をご参照下さい。

1年間投資した場合の収益率(円換算)と平均収益率(年率) (対象期間:2002年12月~2019年12月)

注) あくまでイメージであり、実際の値動きを示すものではありません。

10.7 9.5 9.2 9.1 6.1▲1.0

7.9 7.8 6.4 3.9 6.7 6.5 1.8

83.7 84.373.7

65.1 66.1

39.2

61.7

41.2 43.134.4

61.2

39.4

10.1

▲62.7 ▲62.8▲54.3 ▲52.6

▲46.6▲53.2

▲41.0▲32.0 ▲27.6

▲20.2▲31.8

▲21.4

▲4.3

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

新興国株式

海外先進国リート

日本リート

海外先進国株式

日本株式

商品

米国H

Y

社債

新興国債券

新興国国債

海外先進国国債

米国H

Y

社債(円H

新興国債券(円H

日本国債

(%)

(対象期間内で1年間投資した場合の)収益率最大値

収益率最小値□:対象期間内の平均収益率(年率)

海外先進国リート

日本リート

海外先進国株式

日本株式

商品

米国

社債

新興国債券

(米ドル建)

新興国国債

(現地通貨建)

海外先進国国債

米国

社債

(円ヘッジ)

新興国債券

(米ドル建、円ヘッジ)

日本国債

HY

HY

新興国株式

Page 58: 政治的な不透明感は残るも 緩和的な金融環境がリスク資産を ...注)値は1980~2017年がIMF World Economic Outlook(2019年10月)、2018~2021年がIMF

巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 57

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

過去10年間の投資環境を振り返る

出所)MSCI、S&P、 ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

■:株式・リート・商品など ■:海外債券(円ヘッジなし)、青字 :円債と海外債券(●:円ヘッジあり)

過去10年 各資産の年間投資成果(円換算、%)

注)新興国$債券は米ドル建、新興国国債は現地通貨建。黒太線はプラスとマイナスの境目を表す。 海外先進国株式はMSCI KOKUSAI(配当込み)、日本株式はMSCI JAPAN(配当込み)、新興国株式はMSCI EM(配当込み)、先進国リートはS&P先進 国REIT指数(配当込み)、日本リートはS&P日本REIT指数(配当込み)、商品はブルームバーグ商品指数、日本国債はFTSE日本国債インデックス、 海外先進国国債はFTSE世界国債インデックス(除く日本)、新興国$債券はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、新興国$債券(円ヘッジ)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified(円ヘッジベース) 、新興国国債はJ.P. Morgan GBI-EM Global Diversified、米国HY(ハイ・イールド)社債はICE BofAML US High Yield Index、米国HY社債(円ヘッジ)はICE BofAML US High Yield Index(円ヘッジベース)、にそれぞれ基づく。 日本株式、日本国債、新興国$債券(円ヘッジ)、米国HY社債(円ヘッジ)は円ベース指数、それ以外は米ドルベース指数に米ドル円相場を乗じた円換算 値から算出。米ドル円相場の方向性は前年末と当年末の終値を比較して判断(円の対米ドル騰落率が▲0.5%以下:円安米ドル高、+0.5%以上:円高米ドル安、 それ以外は米ドル円横ばい、と表記)。

2019年は米国利下げ転換を機に、株式・リートに加え高利回り債券が堅調

2009年の世界的な景気急回復局面が2010年頃に一巡、2011年にかけてはリスク選好色が薄れ、

円高も進むなか、米欧の超低金利政策が続いたこともあり円ヘッジあり外債も注目を集めました。

2012年からは株式・リート、円安もありヘッジなし外債も堅調、2015年は原油安やチャイナ・ショック

でリスク回避、中国景気持ち直しが鮮明化した2017年にかけリスク選好一色となりました。2018年

は再びリスク回避となりましたが、2019年は米欧金融緩和を追い風にリスク選好優勢の展開でした。

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年円高米ドル安 円高米ドル安 円安米ドル高 円安米ドル高 円安米ドル高 米ドル円横ばい 円高米ドル安 円高米ドル安 円高米ドル安 円高米ドル安

日本リート新興国$債券●

日本リート 日本株式海外先進国

リート日本株式

米国HY社債●

新興国株式 日本リート海外先進国

株式34.0 6.9 40.5 54.8 41.3 10.3 15.7 32.7 11.2 27.9米国

HY社債●米国

HY社債●海外先進国

リート海外先進国

株式日本リート

海外先進国リート

米国HY社債

日本株式 日本国債 日本リート

14.7 4.0 39.2 54.6 28.3 2.1 14.3 20.1 1.1 25.7新興国

$債券●日本国債 新興国株式 日本リート

新興国$債券

新興国$債券

日本リート海外先進国

株式海外先進国

国債海外先進国

リート11.7 2.2 33.8 41.2 22.2 1.6 10.3 18.5 ▲ 4.6 23.3

海外先進国リート

新興国$債券

新興国$債券

米国HY社債

海外先進国株式

日本国債 商品 新興国国債米国

HY社債●日本株式

5.9 1.8 32.5 30.4 21.0 1.3 8.7 11.0 ▲ 4.6 18.9

新興国株式海外先進国

国債海外先進国

株式海外先進国

リート米国

HY社債新興国$債券●

新興国株式新興国$債券●

米国HY社債

新興国株式

3.9 0.1 32.4 24.1 16.6 0.8 8.6 8.4 ▲ 4.9 17.7

日本国債米国

HY社債新興国国債

海外先進国国債

海外先進国国債

海外先進国株式

新興国$債券●

新興国$債券

新興国$債券●

新興国$債券

2.4 ▲ 1.0 31.7 22.6 16.1 ▲ 0.9 7.9 6.2 ▲ 6.6 13.9

商品海外先進国

リート米国

HY社債新興国株式 新興国株式

米国HY社債

新興国$債券

米国HY社債●

新興国$債券

米国HY社債

1.9 ▲ 2.0 30.4 18.6 11.7 ▲ 4.3 7.2 5.7 ▲ 6.8 13.3

新興国国債 新興国国債 日本株式新興国$債券

日本株式海外先進国

国債新興国国債

海外先進国リート

海外先進国リート

新興国国債

0.9 ▲ 6.9 21.8 15.0 9.8 ▲ 4.5 7.0 5.5 ▲ 8.3 12.4

日本株式海外先進国

株式海外先進国

国債新興国国債 新興国国債 日本リート

海外先進国株式

海外先進国国債

新興国国債新興国$債券●

0.7 ▲ 9.0 20.9 10.5 7.2 ▲ 4.9 5.7 4.5 ▲ 8.7 11.8米国

HY社債商品

新興国$債券●

商品新興国$債券●

米国HY社債●

日本国債米国

HY社債海外先進国

株式米国

HY社債●0.4 ▲ 17.8 17.2 9.8 7.0 ▲ 5.0 3.7 3.6 ▲ 10.2 11.2

新興国$債券

日本株式米国

HY社債●米国

HY社債●日本国債 新興国株式

海外先進国リート

日本国債 商品 商品

▲ 2.1 ▲ 18.6 15.4 7.4 4.9 ▲ 14.3 3.4 0.2 ▲ 13.6 6.6

海外先進国株式

日本リート 商品 日本国債米国

HY社債●新興国国債 日本株式 商品 日本株式

海外先進国国債

▲ 2.3 ▲ 22.3 11.6 2.2 2.0 ▲ 14.6 ▲ 0.4 ▲ 2.0 ▲ 14.9 5.5

海外先進国国債

新興国株式 日本国債新興国$債券●

商品 商品海外先進国

国債日本リート 新興国株式 日本国債

▲ 12.6 ▲ 22.4 1.8 ▲ 5.7 ▲ 5.6 ▲ 24.4 ▲ 2.7 ▲ 6.6 ▲ 16.5 2.3

13

7

8

9

10

11

12

6

1

2

3

4

5

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

①米国株式: 2020年の大統領選挙を控え神経質な展開か

2020年に向け堅調保つ企業収益見通し、PER上昇に見る過熱感の高まりには注意

注)1949-52年のトルーマン政権から2013-2016年のオバマ政権(2期)

までの単純平均値。

米国株の予想EPSとPER(S&P500)

出所) S&P、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

米国 株価とEPS(S&P500)

注)ここでのEPSは営業利益ベース。2019年4-6月期までが実績。

見通しはS&P(2019年12月31日時点)。

株価の直近値は2019年12月時点。

米国 大統領任期で見た株価騰落率平均

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

大統領選挙年の株式は前年に比べ慎重な動きとなる傾向も

近年の米国株式は、ITバブル崩壊やリーマン・ショックなどの危機で大幅調整を強いられる場面も

見られました。しかしながら2009年以降は、順調な景気拡大や低金利環境を背景に、主要企業の

EPS(一株当たり利益)は上昇基調を堅持、それに伴い株価(S&P500)の高値更新が続きました。

2020年の株式市場は、米大統領選挙を控えた政治政策面の不透明感が残るため、慎重さを増す

可能性もあります。昨年末にかけやや過熱感もあったため、散発的な調整リスクにも要注意です。

米国株の予想EPS(業種別、MSCI)

出所) MSCI、Refinitiv、I/B/E/Sより三菱UFJ国際投信作成

注) MSCI USA(米ドル)ベース。予想EPSは12ヵ月先予想。

IT、ヘルスケア、金融、資本財・サービス以外は各業種の予想EPS

を時価総額で加重平均した値。直近値は2019年12月時点。

出所) S&P、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

注)予想EPSはBloomberg算出値。予想PER=株価÷予想EPSで算出。

直近値は2019年12月時点。

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2004 2008 2012 2016 2020

(ポイント)

(年)

実績EPS(4四半期移動累計、右軸)※■(2019年7-9月期以降)はS&Pの見通し

株価(左軸)

(ポイント)

EPS(前年比)見通し

2018年 2019年 2020年

+21.7% +4.3% +11.0%

8101214161820222426283032343638404244

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

(ポイント)

(年)

予想PER(株価収益率、右軸)

予想EPS(左軸)

(倍)

(倍)

期間内平均

(1990年以降)

17.0倍

↑割高感↓割安感

19.8倍

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1995 2000 2005 2010 2015 2020

(2003年平均=100)

(年)

素材・エネルギー

資本財・サービス

IT(情報技術)

金融

電気通信サービス

・公益

消費関連

(一般消費財・サービス、生活必需品)

ヘルスケア6.3 6.7

16.1

6.7

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

1年目 2年目 3年目 4年目

(%)

過去平均

トランプ政権

2017年19.4

2018年

▲6.2

2019年28.9

大統領

選挙前年

大統領

選挙年

S&P500

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グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

新興国株は2019年はレンジでの取引にありましたが、足元では節目の1,100ptを突破しました。下

落基調にあった企業業績が上昇に転じたとみられます。下方修正が続いていた2019年のEPSも足

元では前年比+1.0%とプラスを維持しています。2020年は2桁の伸びが期待されるなど良好です。

株価収益率(PER)は過去平均(11.9倍)を上回っており、13倍を超えると割高感が意識される懸念

があります。ただ業績修正は改善傾向にあり、割高感は業績の回復で正当化されるとみています。

株価収益率は過去平均を上回る水準で推移、業績修正は改善傾向にあり

予想EPSは上昇に転じた模様、2019年のEPSはプラスを維持、2020年は2桁の伸びへ

②新興国株式: 2019年のレンジ相場から今後の上昇に期待

投資戦略

注)直近値は2020年1月7日時点。

新興国株式のEPS(通年予想) 前年比成長率の修正動向

出所) Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

新興国株式と予想EPS

注)新興国株価指数はMSCI Emerging。予想EPSは12ヵ月先。

直近値は2020年1月7日時点。

新興国株式の株価収益率

出所)Refinitivより三菱UFJ国際投信作成 出所)Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

新興国株式のリビジョンインデックス

出所) Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

注)各通年の業績成長率(予想)の修正動向。直近値は2020年1月7日時点。

注)リビジョン・インデックスはアナリスト予想の変化を指数化したものであり

、前月比で[上方修正-下方修正]の構成比。直近値は2020年1月8日時点。

60

65

70

75

80

85

90

95

100

105

600

700

800

900

1000

1100

1200

1300

2016 2017 2018 2019 2020

(pt)

(年)

(pt)

新興国株指数

(左軸)

予想EPS

(右軸)

0

5

10

15

20

25

30

2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

2017年:24.1%

2020年:15.0%

2018年:7.5%

2019年:1.0%

9.5

10.0

10.5

11.0

11.5

12.0

12.5

13.0

13.5

2016 2017 2018 2019 2020

(倍)

(年)

株価収益率

12.7倍

(PER)

過去平均

11.9倍

(2016年初より)

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

2016 2017 2018 2019 2020

(%pt)

(年)

↑上方修正超

↓下方修正超

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

③新興国債券: 米ドル建てと現地通貨建てで利回り動向に違い

現地通貨建て新興国債券の利回りは下げ渋る、マイナス金利債券の増に一服感

ともに低下基調にあった米ドル建てと現地通貨建ての新興国債券利回りですが、足元では米ドル

建てが低下を続ける一方、現地通貨建てが下げ止まっています。マイナス金利債券の増加に一服

感があるなかで、利回りを求める投資家のなかでも市場選別が始まっているようにみられます。

新興国の中銀は2019年に利下げを行っており、さらなる利下げ余地は限定的との見方も出ていま

す。新興国の為替リスクも伴う現地通貨建て債券への投資に慎重になってきているとみられます。

利子リターンの積み上げがトータルリターンに最も寄与

投資戦略

注)米ドルベースのトータル・リターン・インデックスに基づく。

直近値は2020年1月8日時点。

新興国債券の利回り

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

世界債券に占める マイナス金利債券の比率

注)直近値は2019年12月時点。

現地通貨建て新興国債券の 累積リターン分解

出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所)Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

出所)J.P Morganより三菱UFJ国際投信作成

注)新興国債券の米ドル建てはJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、

現地通貨建てはJ.P. Morgan GBI-EM Global Diversifiedを利用。

注)直近値は2020年1月8日時点。

米ドル建て新興国債券の 累積リターン分解

0

5

10

15

20

25

30

35

2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

2019年12月

19.8%

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

2020年1月8日

米ドル建て、 4.893%

現地通貨建て、5.194%

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

トータルリターン(①+②+③)34.4%

うち利子リターン①27.1%

うち価格リターン②10.1%

うち為替リターン③

▲2.9%-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2016 2017 2018 2019 2020

(%)

(年)

トータルリターン(①+②)34.3%

うち利子リターン①25.1%

うち価格リターン②9.2%

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 61

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(%)

小売店舗

オフィス

集合住宅

2017年1-3月期

2016年4-6月期

2016年7-9月期

2011年1-3月期

2011年7-9月期

2010年1-3月期

2007年7-9月期

2005年

4-6月期

2006年7-9月期

60708090

100110120130140150160170180190

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2005年1-3月期=100)

住宅

商業用不動産

2007年7月

2012年3月

2009年

4月

2006年

4月

80

90

100

110

120

130

140

150

160

170

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2005年1-3月期=100)

小売店舗

オフィス

集合住宅

2010年

7-9月期

2008年

4-6月期

2008年

7-9月期

2008年

7-9月期

2011年

7-9月期2009年

10-12月期

050

100150200250300350400450500

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2003年末=100)

100

405

+305

-100-50

050

100150200250300350400

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2003年末=0)

価格変化寄与分

配当寄与分

+305

+156

+148

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(%)

①リート配当利回り

②10年国債利回り

利回り差(=①-②)

出所) S&P、Green Street Advisors、REIS、Bloomberg、Refinitivより三菱UFJ国際投信作成

米国 リート(配当込み)

米国 リート(累積リターンの寄与度分解)

米国 リート配当利回りと長期金利

注)左上図:S&P先進国REIT指数(米国)に基づく。指数化は三菱UFJ国際投信。直近値は2019年12月時点(月次)。

左中図:リターンの寄与度分解はS&P先進国REIT指数(米国)の配当込み指数と価格指数から三菱UFJ国際投信が算出。

直近値は2019年12月時点(月次)。

左下図:リート配当利回りはブルームバーグREIT指数に基づく。直近値は2019年12月31日時点(日次)。

右上図:直近の底値を付けた年月を表記。直近値は2019年7-9月期時点(四半期)。

右中図:住宅価格はS&P・コアロジック/ケース・シラー住宅価格指数(20大都市平均)。指数化は三菱UFJ国際投信。

不動産価格については前回のピーク・ボトムを付けた年月を表記。直近値は商業用不動産価格が2019年11月、住宅価格が同年10月(以上月次)。

右下図:直近値は2019年7-9月期時点(四半期)。

④リート: 不動産賃料上昇と金利低下受け、堅調続く米国リート

米国リートは堅調ですが、同国の金融政策動向は要注意です。例えば金利上昇は、リートにとって

銀行借入れなどのコスト増や国債との利回り比較で見た投資妙味減退を通じ逆風になるとみます。

不動産市場の改善は、リート市場の追い風になると考えます。緩やかながらも景気拡大が続く間

は、リートが保有するオフィスやショッピングセンターなど商業用不動産の需要が増加、配当の源

泉となる賃料収入や不動産価格の安定を通じ、リートの収益改善期待は維持される見込みです。

改善基調続く不動産市況や利回り水準で見た投資妙味がリートの下支え要因に

米国 不動産空室率

米国 不動産価格

米国 不動産賃料

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 62

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

90

100

110

120

130

140

150

160

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2004年平均=100)

2012年9月

2008年3月

商業地

住宅地(参考)名目GDP

50

100

150

200

250

2004 2007 2010 2013 2016 2019(年)

(2003年末=100)

東証REIT指数

TOPIX(東証株価指数)

1842007年5月

80

90

100

110

120

130

140

2004 2007 2010 2013 2016 2019

(2004年平均=100)

(年)

2013年12月(参考)

企業売上高

2008年8月

オフィス賃料

0

2

4

6

8

10

12

14

16

2004 2007 2010 2013 2016 2019

(%)

(年)

大阪

名古屋

東京2007年11月

2012年6月

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2004 2007 2010 2013 2016 2019

(億円)

(年)

買い

売り

差し引き

-2

0

2

4

6

8

10

2004 2007 2010 2013 2016 2019

東証REIT指数配当利回り

日本10年債利回り

(%)

(年)

TOPIX配当利回り

低金利が続くなか、国内リートは上昇基調が続く見通し

国内リート市場は上昇基調が続いています。10年債利回りがゼロ%近辺で推移するなか、リートの

配当利回りは3%台を維持しており、2%台の株式配当利回りよりも高く、利回り面の優位性が背景

にあります。また、生損保の買いが相場を押し上げるなど、需給の改善も寄与しています。

不動産市場は低金利環境を背景に好調です。大都市圏のオフィス空室率は、2002年以降の月次

統計で最も低い水準にあり、オフィス賃料や商業地不動産価格の上昇基調が続いています。

投資戦略

国内リートは配当利回りの高さやオフィス市況の改善から資金流入が期待される

東証REIT指数とTOPIX 日本 オフィス空室率

日本 配当回りと長期金利 日本 不動産価格

日本 投資信託のリート売買動向 日本 オフィス賃料

注)左上図:直近値は2019年12末時点(月次)。指数化は三菱UFJ国際投信。

左中図:直近値は2019年12月末時点(月次)。

左下図:直近値は2019年11月時点(月次) 。東京証券取引所における売買であり、IPO・増資時の購入分は含まれない。

右上図:直近値は2019年11月時点(月次)。各地ビジネス地区のオフィス平均空室率。東京のみ2007年以降のピークとボトムの年月を表記。

右中図:直近値は商業地、住宅地が2019年9月時点(半期)、名目GDP(季節調整値)が2019年7-9月期時点(四半期)。

商業地、住宅地は6大都市平均。指数化は三菱UFJ国際投信。商業地のみ2007年以降のピークとボトムの年月を表記。

右下図:直近値はオフィス賃料が東京ビジネス地区平均募集賃料の2019年11月時点(月次)。企業売上高が全産業(除く金融、保険業、季節調整値)

の2019年7-9月期時点(四半期)。指数化は三菱UFJ国際投信。オフィス賃料のみ2007年以降のピークとボトムの年月を表記。

出所) 内閣府、財務省、不動産証券化協会、三鬼商事、日本不動産研究所、東京証券取引所、日本銀行、アイエヌ情報センター、

Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 63

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

複数の資産に分散投資をする場合、価格が同方向に動きやすい(正の相関)資産の組み合わせと

逆方向に動きやすい(負の相関)資産の組み合わせでは、ポートフォリオ全体の動きも異なります。

どの資産を選択するかは、価格変動リスクをどの程度許容できるか次第です。その際、各資産の

相関係数(+1に近いほど正、-1に近いほど負の相関が強い)も参考となります。例えば、株式やリ

ートの間では正の相関が比較的強い一方、先進国国債とは負の相関にあることが分かります。

ポートフォリオの構成を考える上で、各資産の相関係数にも着目

【補論】 価格変動リスクを重視した戦略を考える

0

2

4

6

8

10

12

14

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

リスク(リターンの標準偏差)(%)

リターン(平均収益率)(

)%

日本株式

海外先進国株式

日本国債

日本リート

海外先進国リート

海外先進国国債H

新興国株式

新興国債券H

出所)MSCI、S&P、ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

国内外8資産(円換算)のリターンとリスク(年率換算)

国内外8資産(円換算)の相関係数

0.6 0.8 1.0-0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4

※Hは円ヘッジ。

注)上下図ともに、対象インデックスは海外先進国株式はMSCI KOKUSAI(配当込み)、日本株式はMSCI JAPAN(配当込み)、 新興国株式はMSCI EM(配当込み)、海外先進国リートはS&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み)、日本リートはS&P日本REIT指数(配当込み)、 日本国債はFTSE日本国債インデックス、海外先進国国債HはFTSE世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ・円ベース)、 新興国債券HはJ.P. Morgan EMBI+(円ヘッジベース)、にそれぞれ基づく。日本株式、日本国債、日本リート、海外先進国国債H、新興国債券Hは 円ベース指数、それ以外は米ドルベース指数に米ドル円相場を乗じて円換算した値から算出。データ対象期間は2001年12月~2019年12月時点。 下図の相関係数は対象期間内の月間リターン・データを用いて算出。

日本株式海外先進国

株式新興国株式

日本国債海外先進国

国債H新興国債券H

日本リート海外先進国

リート

日本株式 0.75 0.72 -0.38 -0.29 0.26 0.52 0.63

海外先進国株式

0.75 0.87 -0.27 -0.38 0.37 0.46 0.79

新興国株式

0.72 0.87 -0.26 -0.31 0.51 0.44 0.71

日本国債 -0.38 -0.27 -0.26 0.49 0.15 0.08 -0.11

海外先進国国債H

-0.29 -0.38 -0.31 0.49 0.28 -0.03 -0.10

新興国債券H

0.26 0.37 0.51 0.15 0.28 0.34 0.45

日本リート 0.52 0.46 0.44 0.08 -0.03 0.34 0.50

海外先進国リート

0.63 0.79 0.71 -0.11 -0.10 0.45 0.50

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世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済

為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

投資戦略

リスクを均等化した先進国国債中心の資産構成が、効率的な収益獲得を支援か

短期で高いリターンを得るには、株式・リートなど価格変動リスクの高い資産への集中投資が有効

ですが、リスク回避的な相場環境となれば積み上げた投資成果が水泡に帰する可能性があります。

リスクを抑えつつリターンを追求するには、低リスクの資産もバランスよく組み込む必要があります。

各資産へ等金額投資すれば、市場急落時には高リスク資産の影響を受けやすく分散効果も限ら

れますが、各資産のリスクを均等化した資産構成の場合、効率的な収益獲得の道も開けそうです。

リスクを抑え安定的にリターンを積み上げるには?

各ポートフォリオの資産構成比

ポートフォリオおよび国内外資産の投資成果(円換算、年率)

出所)MSCI、S&P、ICE Data Indices, LLC、Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

○ウエイト均等: 国内外8資産に等金額投資 ○リスク均等: 国内外8資産がポートフォリオ全体にもたらすリスクを均等化

注)Hは円ヘッジあり。リスク均等ポートフォリオの構成比は、各8資産のリスク(年率)および相関係数のデータより三菱UFJ国際投信が算出。 データ対象期間は2001年12月~2019年12月時点。

ウエイト均等 リスク均等

日本株式

海外先進国リート

日本リート

新興国債券H

海外先進国国債H

日本国債

新興国株式

海外先進国株式

3.9%3.2%

2.5%3.2%6.0%

28.9%

49.8%

2.6%

12.5%

12.5%

12.5%

12.5%

12.5%

12.5%

12.5%

12.5%

0.46

0.81

0.89

3.12

2.24

2.13

0.74

0.73

1.10

2.08

0.43

0.66

0.72

1.95

1.42

1.31

0.63

0.60

0.87

1.64

0.30

0.45

0.47

0.90

0.80

0.73

0.54

0.49

0.61

1.12

14.1

13.5

15.2

1.0

1.8

4.9

14.7

16.6

8.8

2.3

6.1

8.9

10.9

1.9

2.6

6.4

9.3

10.0

7.7

3.8

10.0

9.9

10.1

0.7

1.2

2.9

11.0

11.6

6.3

1.8

4.7

8.0

9.0

2.1

2.7

6.2

8.1

8.5

6.9

3.7

23.4

22.0

28.1

2.2

3.4

9.8

23.1

24.8

13.7

3.4

7.1

9.9

13.3

1.9

2.7

7.2

12.5

12.3

8.4

3.8

日本株

海外先進国株式

新興国株式

日本債券

海外先進国債券H

新興国債券H

日本リート

海外先進国リート

ウエイト均等

リスク均等

(1年投資) (3年投資) (5年投資)

■リターン

■リスク

■単位リスク

あたりリターン

■リターン

■リスク

■単位リスク

あたりリターン

■リターン

■リスク

■単位リスク

あたりリターン

注)Hは円ヘッジあり。国内外8資産のリターン、リスク、単位リスク当たりリターンの算出に使用した対象インデックスおよび円換算方法は 前頁最下段の脚注をご参照下さい。リスク均等およびウエイト均等ポートフォリオについては上図の金額構成比に基づき算出。 データ対象期間は2001年12月~2019年12月時点。

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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」 および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。 65

グローバル時代の投資戦略

世界経済

日本経済

米国経済

欧州経済

豪州経済 為替相場

投資戦略

新興国

見通しと注目点

中国経済

【ご参考】 国際金融市場の動向

出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成 出所) Bloombergより三菱UFJ国際投信作成

日米株式

日米 10年国債 利回り

為替相場 (対円)

商品価格 (米ドル)

株式・金利・為替・商品市況

投資戦略

注)1999年以前のユーロはECU(ヨーロッパ通貨単位)で接続。原油はアラビアンライト原油スポット価格(アジア向け)、

金はCOMEX(ニューヨーク商品取引所)先物価格。凡例はすべてザラバベース。直近値はすべて2020年1月7日時点。

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

米国NYダウ(米ドル)日経平均株価(円)

2008年10月28日6,994.90

2009年3月6日6,469.95

1989年12月29日38,957.44

-4-202468

10121416

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

米国日本

(%)

2016年7月27日

▲0.295

2016年7月8日1.359

0

50

100

150

200

250

300

350

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020

↑円安↓円高

(年)

ユーロ円相場

米ドル円相場

(円/米ドル、ユーロ)

1995年4月19日79.75

2011年10月31日75.35

2000年10月26日88.96

2008年7月23日169.96 2015年6月5日

125.86

1998年8月11日147.66

020406080100120140160180200

0200400600800

1,0001,2001,4001,6001,8002,000

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020(年)

金(左軸)

原油(右軸)

(米ドル/オンス) (米ドル/バレル)

2008年7月11日144.89

2011年9月6日1,920.70

2016年1月21日21.34

2015年12月3日1,046.20

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66

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KU

SA

I Asset M

anag

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料ではありません。本資料は、投資勧誘を目的とするものではありません。

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