糖尿病患者様の年末・ 年始の過ごし方年末・年始の食事で失敗しないコツ...

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糖尿病患者様の年末・ 年始の過ごし方 糖尿病コントロールに 失敗しないために

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糖尿病患者様の年末・ 年始の過ごし方

糖尿病コントロールに

失敗しないために

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年末・年始は多くの人が失敗しやすい時

期です。

もっともありがちな理由は、忘年会やクリ

スマス、正月休みなどの年末年始の行事が

続いて、つい高カロリーの料理を食べてしま

うことです。年末・年始の食事で失敗しないコ

ツを御紹介します。

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年末・年始の食事で失敗しないコツ 1

1.時間を決めて3食を食べる。だらだら食べ続けないようにする。

2.テーブルにみかんやお菓子などをなるべく置かない。

くだものには食物繊維が多く、ビタミンやミネラル

も豊富ですが、単糖類である果糖が多く含まれ るので食べ過ぎることで血糖コントロールは悪化 します。1日80kcalぐらいにしましょう。みかんや りんごは箱で買わないで袋買いにするなどして工夫しましょう。

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年末・年始の食事で失敗しないコツ 1

1.時間を決めて3食を食べる。だらだら食べ続けないようにする。

2.テーブルにみかんやお菓子などをなるべく置かない。

くだものには食物繊維が多く、ビタミンやミネラル

も豊富ですが、単糖類である果糖が多く含まれ るので食べ過ぎることで血糖コントロールは悪化 します。1日80kcalぐらいにしましょう。みかんや りんごは箱で買わないで袋買いにするなどして工夫しましょう。

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3食きちんと食べる場合の血糖推移 (健常者)

血糖値

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10時、3時と間食する場合の血糖推移 血糖値

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約460kcalの朝食(炭水化物50g)を

糖尿病患者さん(50人)が食べた時の血糖値の推移

糖尿病患者さんの平均血糖値

HbA1c5.9 %の場合

HbA1c9.9 %の場合

血糖値

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厚生労働省「保健指導における学習教材集」より

デザートをご飯に置き換えると

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3.指示エネルギー量に合わせて食べ、食べすぎてしまいそうになったら残す。

4.料理は大皿でとらずに、1人分を盛り付ける。

年末・年始も、1日の食事で摂取するエネルギー

量は変わりません。主治医・栄養士の指示を思い出し食べ過ぎないようにすることが大切です。

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5.単品の料理をとると栄養バランスが偏りがち。メニューの品数を増やし、野菜料理を1品加える。冬の鍋料理は栄養面でも優れている。

緑黄色野菜をとりいれましょう。野菜はエネル

ギーが少なく、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に摂 取できます。セロリーやトマト、きゅうり、レタス、キャベツなどを使ったサラダや、ほうれん草や春菊 などの青菜類のおひたしなどを1品加えれば、野菜の不足を補えます。

鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を

使ったものがあり、味付けも多彩にあります。こ

れにたっぷりの野菜類を加えれば、蛋白質、ビ

タミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとる

ことができます。

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「野菜はいくら食べても大丈夫」は間違い?

煮物によく使われるジャガイモ、さと芋などのいも類、ニンジン、レンコンなどの根菜、カボチャなどは、野菜の中では炭水化物が多い。煮物の調理は砂糖やみりんも使うので、たくさん食べると炭水化物のとりすぎになってしまうこともあります。

油分を含むドレッシングをたくさんかけたサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダなども、エネルギーや炭水化物が高くなるので、注意が必要。海藻やきのこ類をふんだんに使った海藻サラダ、海鮮サラダ、豆腐とちりめんじゃこのサラダなどであると、エネルギーを抑えることができます。

炭水化物の多い野菜(食べる量が多いときには注意) そら豆、ゆりね、カボチャ、グリンピース、トウモロコシ、

レンコン

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6.宴会で出される料理や外食料理は、炭水化物と脂肪が多く、野菜が少ないものが多い。油を使った料理は少量にする。おせち料理にも注意が必要。

牛、豚肉などの脂身は10g当り約80kcalと高カロ

リーです。調理の際に脂身を取り除くか、食事の

ときに食べ残すようにしましょう。

最近は便利なパック詰めから豪華な重詰で予約

制になっているものなど、おせち料理もさまざま

ですが、日持ちさせるため、調理法も比較的濃い

味(砂糖・醤油)で煮込んだもの、からめたものが

ほとんどです。そのため糖分・塩分が多くなるの

で注意しましょう。

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7.体重を毎日はかる。体を動かす。

毎日、体重をはかりましょう。体重が増えていた

ら、血糖コントロールが悪化する要因であり、意

識して体を動かすようにしましょう。

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8.アルコール飲料は要注意

アルコール飲料は、糖尿病の治療や糖尿病合併症

の予防上、さまざまな面で悪影響があります。糖尿

病の療養では、飲酒について主治医に相談し、でき

るだけ禁酒することが勧められています。

アルコールには、体に必要な炭水化物や脂肪、

ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれませんが、

1gに約7kcalのエネルギーがあります。エネルギー

をとりすぎているときにアルコールを飲むと、脂肪の

代謝が悪くなる。さらに飲酒により摂取エネルギー

量が増え、血糖コントロールが悪くなり、中性脂肪

値も高くなるおそれがあります。

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お酒を飲むときの注意点 ①

• 適量を守る ご飯1杯分(160~200kcal)程度であれば、影響を最

小に抑えることができます。ビールや発泡酒では中瓶 1本(500ml)、日本酒では1合(180ml)、焼酎のお湯 割りでは2杯 (200ml)、ワインでは2杯(240ml)、

ウィスキーではシングル2杯(60ml)までが無難な量。

• 空腹で飲まない 食べながらゆっくり飲むことで、アルコールの吸収も ゆっくりになります。ただし、アルコールには食欲を増 大させたり、消化能力を高める作用もあり、つまみで 指示エネルギー量を超えてしまうおそれがあるので注 意が必要です。脂肪の少ない主菜、ビタミンやミネラ ルの豊富な副菜を組み合わせるのがお勧めです。

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お酒を飲むときの注意点 ②

• 自分がどれだけ飲んだか把握しておく

血中アルコール濃度が0.02から0.04%であると爽快な

気分に なると言われています。缶ビールを1本飲むとそ れくらいになります。それ以上になると抑制がとれ、飲 みすぎ、食べすぎにつながりやすい。宴席や付き合い で飲むときは、ノンアルコールビール(ビールテイスト 飲料)を利用する方法も見た目も味もビールそっくりの 「ノンアルコールビー ル」が、各ビール会社から発売さ れ、入手しやすくなっています。ただし、実際にはアル コールが0.1~0.5%と微量ながら含まれている商品も あるので注意が必要です。

• アルコールで低血糖になることがある 血糖降下剤やインスリンで治療をしている人はアル コール飲料を飲むと、低血糖になることがあるので、 特に注意が必要です。

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シックデイの対処法

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糖尿病の方が、他の病気を併発して体調が悪くなった状態のことです。多くの場合、発熱、下痢、嘔吐などをきたし、または、食欲不振のため、食事ができなくなった状態のことを指します。

シックデイとは?

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糖尿病の方が治療中に他の病気にかかった

場合、たとえ今まで血糖コントロールが良好に

維持されていても、多くは、血糖値が著しく上

昇します。一般に、発熱、疼痛、嘔吐や下痢な

どの消化器症状を伴う感染、外傷などの急性

疾患にかかると血液中の各種ストレスホルモ

ンや炎症性サイトカインが増加し、インスリン

抵抗性の増大やインスリン分泌低下をもたら

し、血糖値を上昇させます。

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Sick dayとは?

高血糖 昏睡

低血糖 食事が取れない

嘔吐、下痢が持続 低血糖発作

発熱、嘔吐、下痢、腹痛などが持続し、体調不良

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対応を間違えると高血糖に引き続く二次的

な病態すなわち、糖尿病性昏睡を引き起こ

し、生命の危険にさらされることになります。

そのため、患者様とそのご家族は、シックデ

イの知識と対応を知っておく必要があります。

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シックデイ対応の基本 1

• 保温、安静にする。

• 食事・水分・糖分・電解質をとる。

シックデイの時は、こんなメニューがおすすめです

比較的食欲のある時は

→めん類(うどんやそばなど)/シチュー

症状が重い時は

→おかゆに梅干し/おじや/茶わん蒸し

脱水予防には

→みそ汁/スープ/ジュース/スポーツ飲料/お茶

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シックデイ対応の基本 2

•食事摂取量により、糖尿病薬、あるいは、インスリンを調節する。

• 改善無ければ、早めに病院に受診する。

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食事が摂れない場合でもインスリン注射は継続する

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食事が摂れない場合でもインスリン注射は継続する