科研費に採択されるために -...

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科研費に採択されるために 科研費に採択されるために 日高道雄 日高道雄 理学部海洋自然科学科生物系

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科研費に採択されるために科研費に採択されるために

日高道雄日高道雄理学部海洋自然科学科生物系

今日お話しすること今日お話しすること

• 科研費に採択されるために(心構え)

科研費とは 研究種目 細目について• 科研費とは、研究種目、細目について

• 配分審査の考え方

• 申請書の作成要領と評価項目

例• 例

科研費に採択されるために科研費に採択されるために

準備 構想を練る• 早めに準備、構想を練る

– 何をやりたいか、そのために何が必要か?何をやりた 、そ ため 何 必要

– 科学的意義、独創性、社会へのインパクト

熱意• 熱意

– 採択されたいというモチベーション

• 推敲する

何度も読み返す– 何度も読み返す

– 人に読んでもらう

科研費に採択されるために科研費に採択されるために

• 投稿規定(作成にあたっての注意事項)をよく読む

– 応募書類に要求される項目には答える応募書類に要求される項目には答える

• 達成可能性を示す

研究体制– 研究体制

– 準備状況

– 業績

• 適切な研究種目 応募分野(細目)を選ぶ• 適切な研究種目、応募分野(細目)を選ぶ

– 競争相手のレベル、審査員の顔ぶれ

他 競争 資金科研費とは 他の競争的資金CRESTなど

国研究費交付 国の政策目標

審査(ピアーレビュー) 研究テーマの設定

研究者研究者の自由な発想に基づく研究計画

研究の遂行

基盤的経費も重要(dual support)科研費の在り方について審議のまとめ(2)

重複申請可14.2%2013年度採択率

22.6%

17.5%

25%

30%

25%

30%30%

30%25%

30%

新学術領域 究新学術領域研究(公募研究) 基盤や若手と重複申請可 25%

30%基盤 若 外 重複申請挑戦的萌芽 究 30%基盤C、若手B以外は重複申請可挑戦的萌芽研究

基盤研究A, B(海外学術調査)

明らかに異なる2つの研究を同一年度内に行う必要がある場合は可(フィールド調査)

基盤研究A, B(一般)

採択率 25%(一般)若手研究A

基盤研究C若手研究B

採択率 30%

2012年度

細目が審査の単位:それでも幅広い分野が含まれる

2013年度は大幅改定

2013年度

細目が審査の単位 それでも幅広い分野が含まれる細目が審査の単位:それでも幅広い分野が含まれる審査員のほとんどは専門外の人と考える

配分審査の考え方配分審査の考え方(日本学術振興会が行う科学研究費助成事業の審査の基本的考え方)

1.我が国の学術研究の動向に即して特に重要なものを選定する。

2.

①研究目的の明確さ①研究目的の明確さ

②研究の独創性

③当該学問分野及び関連学問分野 の貢献度③当該学問分野及び関連学問分野への貢献度

④当該研究者の従来の研究成果をも厳正に評価し、研究成果が

期待できるものを選定する期待できるものを選定する。

Dual support(基盤経費)の重要性

71件/人 70 x 20=1400min=24 h

1つの応募研究課題について、専門分野別の複数の審査1つの応募研究課題について、専門分野別の複数の審査委員が審査。(基盤研究(A・B)は6人、基盤研究(C)、若手研究(A・B)は4人の審査委員)※1人の審査委員は平均して71件の応募課題を審査(平成23年度科研費分)成23年度科研費分)

※審査委員に送付される研究計画調書の並び順はランダムム※書面審査は12月上旬から1月下旬の約40日間で実施

①各審査委員が、「第1段審査の基準」に基づき書面審査・評定要素(5種類/ 4段階)ごとに評点を付す評定要素(5種類/ 4段階)ごとに評点を付す・総合評点(5段階)を評点分布の目安(割合)に基づき付す・応募研究課題の長所・短所を中心に審査意見を必ず付す

・人権の保護 法令等の遵守への対応や 研究経費の妥当性に・人権の保護、法令等の遵守への対応や、研究経費の妥当性についても評価する

研究の全体構想及びその中での本研究の具体的な目的について、冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で 適宜文献を引用しつつ記述し冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で、適宜文献を引用しつつ記述し、特に次の点については、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述して下さい。

(1)研究の学術的背景(関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ(1)研究の学術的背景(関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ、

応募者のこれまでの研究成果をふまえ着想に至った経緯、−−−)

(2)研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか

(3)本研究の学術的な特色 独創的な点及び予想される結果と

ここがメイン

(3)本研究の学術的な特色・独創的な点及び予想される結果と意義

各項目ごとに 分けて書いてあると分かりやすい各項目ごとに、分けて書いてあると分かりやすいどういう点が特色か、独創的か書いてあるとコメントしやすい

具体的な研究計画・方法について、冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で、平成25年度の計画と平成26年度の計画に分けて、適宜文献を引用しつつ、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述して下さい。

• 研究が当初計画通りに進まない時の対応など、多方面からの検討状況

研究体制 研究代表者及び研究分担者の具体的な役割(図• 研究体制ー研究代表者及び研究分担者の具体的な役割(図表などを用いる)

• 学術的観点からの研究組織の必要性・妥当性及び研究目的学術的観点からの研究組織の必要性 妥当性及び研究目的との関連性

• 連携研究者及び研究協力者の役割(大学院生など、必要に応じて)

達成可能性を示す

5つの評価項目(4段階評価)審査の手引きより

(1)研究課題の学術的重要性・妥当性

の評価項目( 段階評価)

(1)研究課題の学術的重要性 妥当性(「研究経費」、「研究目的」欄など)

・学術的に見て、推進すべき重要な研究課題であるか。・研究構想や研究目的が具体的かつ明確に示されているか。応募額の規模に見合った研究上の意義が認められるか・応募額の規模に見合った研究上の意義が認められるか。

(3)研究課題の独創性及び革新性(「研究目的」、「研究計画・方法」欄)

・研究対象、研究手法やもたらされる研究成果等について 独創性や革新性が認められるかて、独創性や革新性が認められるか。

5つの評価項目(4段階評価)

(2)研究計画 方法の妥当性

の評価項目( 段階評価)

(2)研究計画・方法の妥当性(「研究計画・方法」、「研究経費の妥当性・必要性」欄など)

・研究目的を達成するため、研究計画は十分練られたものになっているか。る 。

・研究計画を遂行する上で、当初計画どおりに進まないときの対応など、多方面からの検討状況は考慮されているか。

・公募の対象としていない以下のような研究計画に該当しないか。①単に既製の研究機器の購入を目的とした研究計画①単に既製の研究機器の購入を目的とした研究計画

②他の経費で措置されるのがふさわしい大型研究装置等の製作を目的とする研究計画目 す 研究

5つの評価項目(4段階評価)の評価項目( 段階評価)

(4)研究課題の波及効果及び普遍性(「研究目的」 「研究計画・方法」欄)(「研究目的」、「研究計画 方法」欄)

・当該研究分野もしくは関連研究分野の進展に対する大きな貢献、新しい学問分野の開拓等、学術的な波及効果が期待できるか。

・科学技術、産業、文化など、幅広い意味で社会に与えるインパクト・貢献が期待できるか。インパクト 貢献が期待できるか。

5つの評価項目(4段階評価)の評価項目( 段階評価)

(5)研究遂行能力及び研究環境の適切性(「研究組織」 「研究計画・方法」 「研究業績」 「これまでに受けた研(「研究組織」、「研究計画 方法」、「研究業績」、「これまでに受けた研究費とその成果等」、「今回の研究計画を実施するにあたっての準備状況等」欄など)

• 高い研究遂行能力を有しているか(業績)。• 研究組織全体としての研究遂行能力は充分高いか研究組織全体としての研究遂行能力は充分高いか• 研究環境は整っているか(施設・現有設備など)

• 研究成果を社会に発信する方法等は考慮されているか。

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その他の評価項目

(1)人権の保護及び法令等の遵守遺伝子組み換え実験、生物の採集など

(2)研究経費の妥当性(「研究経費の妥当性・必要性」欄など)

意外とチェックする。この経費の使い方で成果があげられる意外とチェックする。この経費の使い方で成果があげられるのか?充足率に反映、研究経費に問題ありという判定もあり得る

〔総合評点〕(5段階 相対評価)

1 審査にあたり 高い総合評点を付す研究課題は 必ず

〔総合評点〕(5段階、相対評価)

1.審査にあたり、高い総合評点を付す研究課題は、必ずしも、全ての個別要素において高い評価を得た研究課題である必要はありません。

例えば、特段に独創的、革新的な研究課題ではないが、学術的 社会的に大きな波及効果が期待できるものなど学術的・社会的に大きな波及効果が期待できるものなどがこれにあたります。

2.研究分野の特性など、学術研究の多様性に配慮しつつ、幅広く重要な研究を見いだし、学術研究が進展するよう、適切な評価を行ってください。

〔総合評点〕

(参考)平成23年度新規採択研究課題の採択率基盤研究(A)(一般)25.7%基盤研究(B)(一般)25.7%基盤研究(C)(一般)29.9%若手研究( )若手研究(A) 24.1%若手研究(B) 29.9%

1.細胞のストレス応答①サンゴ細胞実験系を用いた

2.各生活史段階におけるストレス応答

①サンゴ細胞実験系を用いた各種ストレス作用機構の解析

②褐虫藻の多様性とストレス耐性

3.サンゴ群集のストレス状況把握①ストレス関連遺伝子発現

他研究班との連携

①ストレス関連遺伝子発現②骨格構造と元素組成③その他有効なパラメータ

他研究班 連携生息海域の環境パラメータの変動(C01, C02)サンゴ骨格による環境復元(B01, B02)共生系における物質循環(A02)

サンゴ礁の複合ストレス応答モデルの構築現在および過去のサンゴ礁のストレス状況 新学術領域現在および過去のサンゴ礁のストレス状況サンゴ礁生態系維持のための環境数値目標の設定

新学術領域計画研究A01

研究体制(基盤研究C)

調書作成の注意点調書作成の注意点山崎秀雄先生作成

調書作成の注意点調書作成の注意点

• 研究計画調書作成は、「人を説得すること」が技術の基本である 投稿論文、口頭発表、就職面接、全て同じ原則!

• 常に相手(読者、審査員)の立場で考える常に相手(読者、審査員)の立場で考える

申請分科細目の選択は 様々な可能性を検討する

人の感情的影響は無視できない!!

• 申請分科細目の選択は、様々な可能性を検討する分科細目を固定視していないか?

• 将来の完全ピア・レビュー制度への対応準備

運や人間関係に頼らず、内容で勝負!!!

強調手法の多用は逆効果

21世紀を迎え 大学を取り巻く環境は大きく変化している 経済・社会のグローバル化をはじめ

審査員配布資料はグレイスケールモノクロ印刷

21世紀を迎え,大学を取り巻く環境は大きく変化している。経済 社会のグロ バル化をはじめ,

情報化,少子高齢化,社会的・地域的格差の拡大等の課題に対応して,教育研究機関の役割が多様化するとともに,革新的な取り組みが問われている。とくに国立大学は法人化後,厳しい財政改革を伴う競争と評価の時代を迎えている。琉球大学に対しては,広大な海域を含む島嶼地域における拠点大学として 豊かな自然環境を守り 地域社会の持続的発展に寄与することが求められて

Aける拠点大学として,豊かな自然環境を守り,地域社会の持続的発展に寄与することが求められている。琉球大学は,この憲章に掲げる理念に基づいて,本学の構成員である教職員・学生の協働により,将来の制度変革にも積極的に対応する。(琉球大学憲章 全文より部分抜粋)

21世紀を迎え,大学を取り巻く環境は大きく変化している。経済・社会のグローバル化をはじめ,

情報化,少子高齢化,社会的・地域的格差の拡大等の課題に対応して,教育研究機関の役割が多様化するとともに,革新的な取り組みが問われている。とくに国立大学は法人化後,厳しい財政改革を伴う競争と評価の時代を迎えている。琉球大学に対しては,広大な海域を含む島嶼地域にお

B革を伴う競争と評価の時代を迎えて る。琉球大学 対しては,広大な海域を含む島嶼地域 おける拠点大学として,豊かな自然環境を守り,地域社会の持続的発展に寄与することが求められている。琉球大学は,この憲章に掲げる理念に基づいて,本学の構成員である教職員・学生の協働により,将来の制度変革にも積極的に対応する。(琉球大学憲章 全文より部分抜粋)

21世紀を迎え,大学を取り巻く環境は大きく変化している。経済・社会のグローバル化をはじめ,

情報化,少子高齢化,社会的・地域的格差の拡大等の課題に対応して,教育研究機関の役割が多C

様化するとともに,革新的な取り組みが問われている。とくに国立大学は法人化後,厳しい財政改

革を伴う競争と評価の時代を迎えている。琉球大学に対しては,広大な海域を含む島嶼地域にお

ける拠点大学として,豊かな自然環境を守り,地域社会の持続的発展に寄与することが求められ

ている。琉球大学は,この憲章に掲げる理念に基づいて,本学の構成員である教職員・学生の協

働により,将来の制度変革にも積極的に対応する。(琉球大学憲章 全文より部分抜粋)

写真やポンチ絵は専門家には効果希薄

21世紀を迎え,大学を取り巻く環境は大きく変化している。経済・社会のグローバル化をはじめ,情報化,少子高齢化,社会的・地域的格差の拡大等の課題に対応して,教育研究機関の役割が多様化するとともに,革新的な取り組みが問われている。とくに国立大学は法人化後,厳しい財政改革を伴う競争と評価の時代を迎えている。琉球大学に対しては,広大な海域を含む島嶼地域における拠点大学として,豊かな自然環境を守り,地域社会の持続的発展に寄与することが求められている。琉球大学は,この憲章に掲げる理念に基づいて,本学の構成員である教職員・学生の協働により,将来の制度変革にも積極的に対応する。(琉球大学憲章 全文より部分抜粋)

http://brain.naro.affrc.go.jp/tokyo/marumoto/up/h14seika/02egawa.htm http://w3.u‐ryukyu.ac.jp/coe/

ポンチ絵は正確な理解に時間を要する

※図と本文は内容に関係ありません

ポンチ絵は正確な理解に時間を要する

写真の多用は本文の穴埋めの場合が多く、情報量が少ない

ご清聴ありがとうございます

採択率を上げましょう!