BPStudy#79 ベテランの力

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BPStudy#79 ベテランの力 ~レジェンドになるか老害になるか 株式会社ビープラウド 佐藤治夫 2014/3/26

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2014年3月26日に開催された、BPStudyでの発表資料です。 http://connpass.com/event/5295/

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BPStudy#79

ベテランの力

~レジェンドになるか老害になるか

株式会社ビープラウド 佐藤治夫

2014/3/26

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自己紹介• 名前 佐藤治夫(Sato Haruo)

• 株式会社ビープラウド代表取締役社長 • Twitter http://twitter.com/haru860

• 1981年(小学校1年)に中日ドラゴンズファンに

• 翌1982年中日ドラゴンズ優勝。

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中日ファンになったきっかけ

「君は名投手」という子供向け野球本に各チームのエースが紹介されていた

1981年、小松辰雄は12勝6敗11S 「先発抑えに大活躍の若きホープ。球速は日本最速の155km」との記載

→先発も抑えもやって、球も速くて、しかも「ホープ」ってかっこいい!→ファン化

みんなが応援するものを応援したくない、あまのじゃくな性格もあったと思う

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アジェンダ

・ベテランから学ぶサバイバル力

・チーム(組織)とベテラン

・まとめ

・球界ベテラン一覧

山本昌、小笠原道大、谷佳知、稲葉篤紀、金子誠、中村紀洋、川上憲伸、三浦大輔

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球界のベテラン達(生年月日順)

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球界のベテラン達(生年月日順)

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ベテランから学ぶサバイバル力

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山本昌広1965年8月11日生まれ(48歳)

1983年ドラフト5位で中日ドラゴンズに入団

通算218勝(中日球団最多)

2006年最年長ノーヒットノーラン(41歳1か月)

2008年 200勝達成(42歳11か月)

2010年 最年長完封勝利(45歳0か月)

2013年 最年長安打・打点(48歳0か月)

最多勝3回、最優秀防御率1回、最多奪三振1回沢村賞1回、ベストナイン2回、最優秀投手2回

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1983年秋のドラフト~新人豊作の年に入団1 2 3 4 5 6

西武 渡辺久信(投)前橋工(18)

辻発彦(内)日本通運(25)

青山道雄(外)プリンスホテル(24)

川村一明(投)プリンスホテル(21)

仲田秀司(捕)興南高(18)

選択終了

阪急 野中徹博(投)中京高(18)

小林敦美(投) リッカー(22)

飯塚富司(内)三菱重工横浜(21)

東哲也(投)三本松高(18)

星野伸之(投)旭川工高(18)

栫政彦(投)鹿児島高(18)

日本ハム 白井一幸(内)駒大(22)

田中学(投)日立造船有明(22)

津野浩(投)高知商(18)

野村裕二(捕)熊本工高(18)

斉藤満(投)金足農高(18)

高橋功一(投)鷺宮高(18)

近鉄 小野和義(投)創価高(18)

吉井理人(投) 箕島高(18)

村上隆行(投)大牟田高(18)

光山英和(捕)上宮高(18)

安達俊也(内)愛工大明電高(18)

近藤章仁(投)清工建設(21)

南海 加藤伸一(投)倉吉北高(18)

山口裕二(外) 龍谷高(18)

岸川勝也(内)佐賀北高(18)

山中律俊(内)印旛高(18)

西浦敏弘(内)近大(23)

佐々木誠(外)水島工高(18)

ロッテ 比嘉良智(投)沖縄水産高(18)

田中力(捕)東芝府中(24)

長冨浩志(投)国士舘大(22)

岡島厚(捕)神奈川大(22)

長利礼治(内)青森商業高(18)

高橋忠一(外)東京ガス(23)

巨人 水野雄仁(投)池田高(18)

香田勲男(投) 佐世保工高(18)

林哲雄(内)岐阜第一(18)

加茂川重治(投)茨城東高(18)

福島敬光(内)荒尾高(18)

上福元勲(内)早稲田実高(18)

広島 川端順(投)東芝(24)

小早川穀彦(内) 法政大(22)

紀藤真琴(投)中京高(18)

伊藤寿文(捕)東芝(24)

石本龍臣(投)倉吉北高(18)

阿部慶二(内)ヤマハ発動機(22)

大洋 銚子利夫(内)法大(22)

青木秀夫(投) 東芝(21)

板倉賢司(内)早稲田実高(18)

大門和彦(投)東宇治高(18)

戸塚友行(投)古河一高(18)

片平保彦(捕)関東学院大中退(20)

阪神 中西清起(投)リッカー(21)

池田親興(投) 日産自動車(24)

仲田幸司(投)興南高校(18)

川原新治(投)大商大(22)

吉川弘幸(外)太成高(18)

岩切英司(捕)住友金属鹿島(22)

中日 藤王康晴(内)享栄高(18)

仁村徹(投)東洋大(22)

三浦将明(投)興南高校(18)

山田和利(内)東邦高(18)

山本昌広(投)日大藤沢高(18)

清水治美(投)日本通運(23)

ヤクルト 高野光(投)東海大(22)

池山隆寛(内) 市尼崎高(18)

橋上秀樹(捕)安田学園高(18)

桜井伸一(内)成田高(18)

加藤正次(投)日本通運(26)

金敷一美(外)東芝府中(22)

同い歳で一線で活躍

歳は違うが一線で活躍

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山本昌 年度別成績(1年目~15年目)

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山本昌 年度別成績(16年目~30年目)

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山本昌(プロ入り前)

高校時代:日大藤沢高校、神奈川県予選ベスト8

選抜チーム(神奈川、東京、千葉、栃木連合)

で韓国選抜と対戦

注目は、春夏連続、甲子園準優勝の横浜商の三浦将明

→日本選別とは別の神奈川選抜として、山本昌が選ばれた

→予想外の好投 → ドラフト5位で中日が指名

→三浦は、日本選抜チームに選ばれる

少年野球:エースになれず中学時代:2番手。エースのケガで繰り上がり登板

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山本昌(1~4年目)

プロ初登板(神宮球場ヤクルト戦)→ 2安打1四球自責点2、被本塁打1

1987年(4年目)

→ 即2軍へ

→ クビを覚悟

1986年(3年目)

同じ左腕のドラフト1位の近藤真一が初登板ノーヒットノーラン

1984,1985年(1、2年目)サイド気味のフォームへの改造を受け入れず、クビになりかける

開幕1軍も、ヒジを痛め降板。疲労骨折と判明

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山本昌(4年目:22歳)

「背番号が34で左投げというから『金田2世』と期待してブルペンを見に行ったが、ただの大柄な男で、あまりに不恰好なモーションでコントロールもない。球も130km/h前後しか出ないからがっかりした」

1986年秋期キャンプ 就任した星野仙一監督

「おい、ヤマよ、いつになったら本気で投げるんだ」「ずっと本気で投げていますけど・・・」

星野氏、のちのインタビューで…

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山本昌(5年目:23歳)

シーズン前に、メジャー1A ベロビーチ・ドジャースに留学

1988年 オープン戦開幕投手

→ 初回5失点KO

→ 事実上のシーズン戦力外。他に 藤王、前原、西村、神山

→ スクリューボール習得

「島流し」と思い、腐っていた。

ファン主催イベントで「チャンピオンシップ」という言葉に奮い立つ

敗戦処理から先発に→8勝4敗

日本に呼び戻され、5勝0敗(2完封)。チームは優勝。一躍、シンデレラボーイに。

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山本昌の継続のコツ

大きな目標を掲げ、自分を厳しく律し、継続できる人=「天才」

山本昌 =「凡人」として自分を自覚

例:ダンベルは2kgの軽いものを選択10種類のトレーニングのうち3種類だけやる

継続できるだけの小さな目標を持ち、毎日、コツコツとやっていくことで少しずつ、着実に進歩していく

挫折 =「自己嫌悪」小さなことでも継続 =「自信」

「継続する心」山本昌広著より

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小笠原道大1973年10月25日生まれ(40歳)

1997年日本ハムファイターズ入団(ドラフト3位,24歳)

千葉西リトル→暁星国際高校→NTT関東

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小笠原道大 年度別成績

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小笠原道大 プロに入るまで

千葉西リトル→暁星国際高校五島監督「下手ではないですよ。普通。だから来てくれて嬉しいという感情はなかった」

小笠原「最終的に(同学年に)11人集まったんですけど、明らかに11番目だった。肩も弱い、走るのも遅い、守備も下手。周りにいた選手が、今まで見たこともないような選手」

暁星国際高校→NTT関東

→高校時代、本塁打0本。2年時に千葉県大会決勝まで進む(5番・セカンド。3年時は捕手)

五島監督「こいつは高校時代、30本ぐらいホームランを打っています」丹監督「これといって特徴の無い選手でしたね。ただ、その頃、うちは投手の人数に対して捕手の人数が少なかった。だからブルペン捕手でもいいや、と。期待といっても1、2年でいいものが出てきたらラッキーかなという程度」

Number Vol.783「非エリートの思考」より

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小笠原道大 プロに入り、レギュラーまで

NTT関東時代(続き)3年目から少しずつ試合に出場4年目にレギュラー。横浜スタジアムで場外弾。中日から指名したいと連絡。→ 結局指名無し

5年目に新日鐵君津の補強選手。松中信彦とクリーンアップを組み、ベスト8。

ドラフト3位で、日本ハムファイターズに入団。

金属バットの弊害で、打球が内野を越さず。加藤秀司コーチとフルスイング打法に取り組む

NTT関東→日本ハムファイターズ

プロ2年目に、プロ1号。プロ3年目にレギュラー定着。本塁打25本を放つ。

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プロに入るまでの小笠原道大の鍛錬

暁星国際高校時代

・誰よりも早くグランドに来て、誰よりも遅くまでグランドにいた五島監督 談

・練習は強烈にやっていた。休み時間に教室や廊下で腹筋、背筋をやっていた「コツコツやって伸びるやつなんて、社会人のトップレベルがいいところだと思っていましたから。さぼってても図抜けているような選手じゃないとプロには行けないと思っていたんです」

NTT関東時代

→ 結局本塁打は0本

丹監督 談「よく見るとチームとは別の事をやっている」・練習のポイントが明確で、パワーをつけるときはパワー、体幹を鍛えるときは体幹。 他の新たな練習に目移りせず、成果が体で感じるまで黙々とやり続けた。 → チームとは別のことをやっているように見えた

→ 社会人3、4年目にやっとチームレギュラー、5年目に社会人野球で活躍 → プロ入り

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小笠原道大の成長曲線とテコの原理

暁星高校 NTT関東1~3年目

NTT関東4,5年目 プロ1,2年目

プロ3年目~

・成果が出るまで コツコツと徹底して 努力を続ける

・周りに惑わされない (マイペース)

築いた土台で、長い期間に渡って圧倒的な活躍

1989 1995~1998 19991994

- 首位打者:2回 (2002年・2003年) - 本塁打王:1回 (2006年) - 打点王:1回 (2006年) - 最多安打:2回 (2000年、2001年) - 最高出塁率:1回 (2003年) - ベストナイン7回 - ゴールデングラブ賞6回 - WBC優勝メンバー( 2006、2009年) - 通算打率 .311、本塁打377、打点1143

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2000年代の巨人軍 暗黒期からリーグ3連覇へ

暗黒期

← 小笠原、谷、古城加入← ラミレス加入

←松井秀喜メジャーへ(ペタジーニ加入)←小久保、ローズ加入

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チームの雰囲気を変える

試合に負けたら誰もしゃべらず、CSの一発勝負に負けたような雰囲気

巨人が強くなった理由として阿部慎之助、高橋由伸 談 2013年 日刊スポーツ

<暗黒時代>

<小笠原道大 入団後>負けても「明日打てばいい」という気構えで全員が臨むようになった

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谷佳知1973年2月9日生まれ(41歳)

1996年ドラフト2位でオリックスブルーウェーブに入団

2007年鴨志田貴司、長田昌浩とトレードで巨人へ

通算安打1921本(2000本まであと79本)

2014年オリックスに復帰2013年オフ 巨人を戦力外に

尽誠学園(ベスト4)→大阪商業大学(関西六大学三冠王) →三菱自動車岡崎1996年アトランタ五輪で銀メダル(他に松中、福留、井口、今岡)

1年目から101試合に出場。2年目からレギュラー

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谷佳知 年度別成績

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オリックスへの復帰

2013年11月10日デイリースポーツ

戦力外(2000本安打ピンチ!) → トライアウトを予定 → 古巣が救いの手をさしのべる

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谷佳知のリピート力戦力外(2000本安打ピンチ!) → トライアウトを予定 → 古巣が救いの手をさしのべる

救いの手が無い 救いの手がある

元チーム在籍中のプレー/態度

活躍しているからといって傍若無人な態度を取る

信頼を得るプレー・態度。チームプレー重視。

チームを去る時 悪口を言って去る 後に残る人に迷惑をかける

感謝する後に残る人が困らないようにする

→ もう一度、一緒に仕事をしたいと、思ってもらえるかどうか

・全盛期や力があるときは、誰でも結果が出る(周りも文句がいえない)

・窮地に立ったとき、誰が救いの手を差し伸べてくれるか?

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ベテランという存在

彼らの言動がチームに与える影響はとても大きい。選手たちはみな、2人の行動を見て、それにならい、絶妙なタイミングで掛けられる彼らの言葉に叱咤され、激励される。かといって、2人の前ではみな、萎縮しているかというと、そのようなこともない。つねに自然体で過ごしている彼らが、よき手本となることはあっても、若手に必要以上の圧力を与えることはないようにみえる。では稲葉と金子は周囲への影響を考え、自分のあるべき姿を強く意識しているのだろうか。いや、決してそうではないだろう。彼らは特別に意識することなく、さも当たり前のようにあり続ける事ができる。きっとそれがベテランという存在なのだ。

「覚悟」栗山英樹 著

日本ハムファイターズ、稲葉篤紀、金子誠 の場合

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ベテランの叱咤激励力

今年(2013年)7月、練習前のグラウンド。毎日のように早く球場に来て、練習に励んでいる山崎憲晴と宮崎敏郎。ふたりが炎天下のグラウンドでノックを受けている最中、ウエイトトレーニングを終えて一息ついている梶谷に、中村はこう語りかけた。 「お前は練習しなくていいのか? 山崎や宮崎が毎日ああやって練習していて、お前はやらないのか? オレはお前に、もうこんなことは二度と言わない。お前の人生だ」

横浜DeNA 中村紀洋 の場合

↓8月3日1軍昇格後、77試合 打率.346、本塁打16、打点44

小久保Japanメンバーにも選出される

Sportiva web ついに才能開花。梶谷隆幸はDeNAの救世主となれるか?http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/2013/08/30/dena_1/

→ 伸び切らない若手への叱咤激励力

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頼りになるベテランとは

「ローテーションに入るのは当たり前なので   ベンチを安心させるような投球をしたい」

中日、川上憲伸の2014年オープン戦 初登板後のコメント

2013年オフ戦力外→再契約→2014年開幕投手

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頼りになるベテランとは

誠実さ

意図

力量

結果

言動に一貫性のある人かどうか

どのような考えのもとに行動しているか

優れたパフォーマンスを生むための才能、スキル、知識、能力

実績を上げているか

「スピード・オブ・トラスト」

スティーブン・M・R・コヴィー著

信「頼」はどこから来るか

×

×

×

→これらを兼ね備え、ベンチやメンバーから信頼されるのがベテラン

→川上憲伸は、これらの組み合わせで開幕投手を勝ち取った

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三浦大輔

1973年12月25日生まれ(41歳)

1991年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズに入団

通算161勝

高田商業(3年春夏、奈良県準優勝)

2005年、最優秀防御率、最多奪三振

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三浦大輔 年度別成績

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三浦大輔の生え抜き力

入団以来、12人の監督

上司が変われば、組織が変わる

部下も意識を変える必要がある?↓

「監督が代わるからこそ、やってきたことを変えない」

「逆境での闘い方」三浦大輔 著

江尻亮、近藤昭仁、大矢明彦、権藤博、森祇晶、黒江透修山下大輔、牛島和彦、田代富雄、大矢明彦、尾花高夫、中畑清

トップが変わる人事異動が多い大企業向けの考え方?

自分のやるべきことをやっていれば監督が変わってもみていてくれる!

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チーム(組織)とベテラン

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力がほぼ同じ場合、ベテランと若手のどちらを使うべきなのか?

実力社会では、年齢や年数としての経験は関係ないと思っている。とはいえ、 「俺は若いから、まだまだこの世界にいられる」と考えてプレーしている選手と「俺はこれだけ歳を取っていて、もう先はないから悔いを残さないでやろう」と考えている選手のどちらがここ一番の場面で力を出すのか。それを考えると、どうしてもベテランを起用せざるを得ない。

「采配」落合博満 著

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ベテランと若手の融合

ダイバーシティ・マネジメント(Diversity Management)

コスト、資源の獲得 、マーケティング 、創造性、問題解決 、システムの柔軟性

個人や集団間に存在するさまざまな違い、すなわち「多様性」を競争優位の源泉として生かすために文化や制度、プログラムプラクティスなどの組織全体を変革しようとするマネージメントアプローチのことである。

優位性があるとされる分野

→ ベテラン、中堅、若手をうまく組み合わせることにより 長いペナントレース、さまざまな難局を乗り切ることができる

→裏返せば、同じような選手、実力の選手だけを集めても、戦局を乗り切れない脆いチームになってしまう

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2010年 サッカーW杯

その(控え選手の)中心にいる憲剛やイナ、正剛さんらベテランの存在が、すごく大きかった。それを一番感じたのは、練習での態度だ。 みんな、一切、手を抜かない。ベテランと呼ばれる選手がそういう姿勢を見せたら、若手が頑張らないわけにはいかない。「俺らは調子がいいんだよ」っていう姿勢を見せて、活気づけてくれた。また、相手側に立って「ここはこういう風にした方がいい」というアドバイスもくれた。小さくて、細かいことだけど、そういう積み重ねでチームは変わってくるし、一体感が出て来るんだと思う。

「信頼する力~ジャパン躍進の真実と課題」遠藤保仁著

→下馬評が最悪の中、ベテランを中心とした控え選手がチームを変えた

~ チームの多様性で、難局を乗り切った例

若手選手だけでは、雰囲気が悪くなると、空中分解するリスクが高い→2006年W杯

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新人監督がやりがちなこと

「戦士の休息」

組織を預かる立場になると、部下が疑問に感じる人事をやってみたり、前任者のやり方を変えてしまったりする。すべては「誰かの真似はしたくない。真似をしているとはみられたくない」という妙なプライドによるものではないか。

落合博満著

自分の色を出そうとして、若手を積極的に起用し、チームの世代交代をしようとする

→早急な世代交代の愚

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まとめ

山本昌 → 凡人の継続力でレジェンドへ

小笠原道大 →成功するまで徹底して努力する才能開花力

谷佳知 → 救いの手、獲得力

稲葉篤司、金子誠、中村紀洋 → 自然体 + 叱咤激励力

川上憲伸 → 信頼獲得力

<組織編>

<個人編>

ベテランと若手の融合(ダイバーシティ・マネジメント)

新人監督がやりがちな失敗~世代交代の愚

三浦大輔 → 大企業での生え抜き力