American entrepreneurship 200years:アメリカ起業家経済の200年 

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American Entrepreneurship during the last two century

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2011/10/14

「起業家と投資家」

―アメリカン・アントレプレナーシップの200年-

○アメリカ最初と考えられるイノベーションを活かした起業家

・1807年、ロバート・フルトンがニューヨークのハドソン川で世界初の蒸気船運行の試運転を開始。(試

運転までは周囲から「フルトンの愚行」と呼ばれていた。)

・試運転成功の2週間後からニューヨーク・オルバニー間(150マイル)で週1回往復の営業運行を開始

した。その後、フルトンはハドソン川だけでなくニューヨーク州の蒸気船による河川運送業の独占

免許を取得した。フルトンの試運転以来、現在まで200年余が経過している。

①19世紀

・第二次産業革命の進展(水運、鉄道、電信、鉄鋼、化学、石油産業)。

・移民のアントレプレナー達による独立的起業。

・起業家は未開の広大な競争相手が尐ない国内市場に自由に販路を拡大。

・産業革命の波に乗った絵に描いたようなサクセスストーリー。

・金融の未発達

(富の蓄積の不足、欧州からの資金調達、州独自による金融制度・会社制度のコントロール、

零細規模で5000を越す多数の銀行、5000種類を越す紙幣発行。)

1776年の建国以来、アメリカ合衆国では第一合衆国銀行や第二合衆国銀行のような試みはあったものの、分権

主義者の反対で取り潰されるなどにより国家の中央銀行は成立せず、個々の銀行が金準備を使って紙幣を発行

し、1860年までの間に5千種類以上もの額面が区々バラバラの紙幣が流通していた。

・19世紀金融の腐敗、不正行為、権力抗争。

・国内製造業者・農民等の東海岸金融への反発(都市エスタブリッシュメント対地方→現代も続く)。

・自己資金と地縁からの資金調達によるファミリー型起業。

・高利潤率によって得られた多額の内部留保による資本増強(株式発行は小規模)。

(19世紀後半)

・金ピカ時代:富豪の隆盛、権力暴力を使った産業支配、カルテル・トラストによる支配。

・19世紀末ワシントン政権の放任策(ハーディング、クーリッジ)。

・富豪への批判の高まりと労働運動・農民運動。

(大衆のオクトパスへの恐れと批判:ヴァンダービルト、カーネギー、ロックフェラー、モルガン)

●ビジネス・アメリカニズムの形成

・富の直線的追求、富という夢(アメリカンドリーム)の実現、富による階級・出自の打破。

・建国理念、移民構造から来た独立挑戦指向:人に使われるよりも独立せよ。Take your own risk。

・異なる組織集団の統率:新大陸の開拓者、多様な人種・民族・宗教、未熟練労働者。

・自由と個人の力による適者生存の論理:プロテスタンティズム、フロンティアマン。

・(金融未発達を背景とした)自らの手による資金調達、Bootstrap。

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②20世紀前半

・近代産業の勃興(自動車、電機、航空、映画)。

・巨大企業の独占とトラスト金融。独禁法によるトラスト規制。

・富豪による私的未公開投資金融の勃興。

・LPSの活用(映画、不動産開発)

・黄金狂時代の熱狂

・大恐慌後の金融資本市場の大混乱。

・金融産業への大批判。

・連邦ベースの金融規制制度の整備(1913年連邦準備制度FRB発足、1933年グラス・スティーガ

カル法、1933年証券法と1934年証券取引委員会SEC)

株式市場の暴落、多数の投資信託や投資銀行の消滅、そして1933 年のアメリカ銀行システム全体の崩壊は、1933

年と1935年銀行法(商業銀行業務と投資銀行業務の分離)、1933年証券法(FTCに対する株式販売の完全情報公

開を要求)、1934 年証券取引法(証券市場を規制するSEC の設立)を導く。これらの規制はその後半世紀にわ

たって金融・資本市場を規制し、1930 年代から現在までアメリカ企業の外部金融は、主に投資銀行が担う構造

となった(≄日・独)。

・ルーズベルト政権の規制強化指向・大企業指向の統制的経済(アメリカ史では異質)。

・中小企業・新興企業振興論の高まり。

・投資会社設立の構想。

③1946~1972年(ARD買収、KPCB設立)

・半導体・エレクトロニクス産業の発展。

・私的投資金融の組織化。金融投資会社の設立。

・起業家と投資家のネットワークの萌芽(アーサー・ロック)。

・SBICの成立、発展、頓挫。

・LPSファンドの成立。

④1973~1996年

・LPSファンドの発展(VC株式会社からのシフト)。

・起業家と投資家のネットワーク性の発展。

・現代VCの成立。

⑤1997~2004年

・VCの巨大化と変貌(投資家>起業家に)。

・インターネット、ICTの巨大な波の到来。ブームとバスター。

⑥2005年~

・VC投資のネットワーク化の進展。

・ネットワーク小規模投資組織(スーパーエンジェル、リーンVC)の勃興。

・ネットワーク化、グローバル化の進展と起業・投資の構造変化。

投資循環「熱狂の波」、

テクノロジーの循環「技術の波」

を繰り返す。

の 循 環 ・

熱 狂 の 波(