Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE ·...

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2013年度 デミング賞大賞 受賞報告講演要旨 株式会社メイドー

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Page 1: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

2013年度

デミング賞大賞ensp受賞報告講演要旨

株式会社メイドー

目 次 1 会社概要 1

2 組織とその運営 3

3 経営目標と経営戦略 5

4 TQMの導入と推進 7

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動) 9

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開12

62 新商品開発新技術開発15

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理19

632 継続的改善22

64 管理システムの構築

641 品質保証25

642 生産量管理省略

643 販売管理28

65 品質情報の収集分析とITの活用31

66 人材の能力開発34

67 安全環境管理37

7 総合効果39

8 将来計画41

22

24

26

28

30

33

36

40

43

46

49

52

55

58

60

62

推進の経過

活用

省略

― 21 ―

図11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

0

50

100

150

200

250

300

98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13

売上高

0

100

200

300

400

500

600

700

800

経常利益額

1 会社概要 11 概 要

当社はトヨタ自動車を始め日野自動車ダイハツ工業などのトヨタ関連メ-カ-を

主要ユ-ザ-とする自動車部品メ-カ-である主要製品としてハブボルトエンジン

ボルトなどの高強度ボルトや各種自動車部品を製造販売している 近年TQM強化活動で改善活動が活性化し2010 年デミング賞実施賞を受賞した

12 規模と沿革 表 11 規模 表 12 沿革

【国内関連会社】 【海外関連会社】

1924 年 名古屋市にて明道鉄工所創業 1938 年 トヨタ自動車の協力工場となる 1985 年 TQC活動開始 1991 年 メイドーに社名を変更 1992 年 トヨタ品質管理賞優良賞受賞 1998 年 TPM優秀賞受賞 1999 年 ISO 9002 認証取得(2002 年 9001 認証更新) 2000 年 ISO 14001 認証取得藤岡工場開設 2006 年 TQM強化宣言 2009 年 三好工場開設 2010 年 デミング賞実施賞受賞 2011 年 トヨタ品質管理優秀賞受賞 2012年 トヨタ品質管理優秀賞受賞(連続受賞)

資本金 5 千万円 売上高 281 億円

(12 年度) 従業員 1037 名

(13 年 7 月 1 日現在) 土 地 122000 建 物 83000 生産拠点 3 工場 関連会社 国内 6 社 海外 5 社

(億円) (指数)

(年度)

図 11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

TPM優秀賞受賞 (1998年)

売上高

世界金融危機 1998年度を100とする

≪中国≫ 上海地区 ヘクサス精工

≪アセアン≫ インドネシア メイドーインドネシア タイ サイアム カトー コーポレーション

≪北米≫アメリカ ライトウェイ ファスナーズ

≪欧州≫ ドイツ ネドライトテクノロジー

MCS東日本

ハマノ MCシステムズ

西日本レジコート

MCS西日本

三好工場

マツシロツール

0 ~ ~

藤岡工場

本社工場

東日本大震災

TQM強化宣言 (2006年)

経常利益額(指数)

愛知県

豊田市 三好市

2013 年 見込み

― 22 ―

13 主要製品とその特徴

冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理まで社内一貫生産により主に自動車

の足回り関係締結用の高強度(11~14T)太物(径 42 )ボルトを製造している

3000 点を超える多品種を 500 万本日(270 トン)生産できる生産技術力が強みで

品質納期コストに対する顧客満足向上に努めている

強い防錆力と耐熱性をもち環境に配慮したldquoジオメットrdquo締結力のばらつきを抑え安

定させるldquoトルカーシリ-ズrdquoといった特殊表面処理技術を保有する

冷間鍛造技術を活かしたボルト以外の精密自動車部品の開発拡販を展開している

1VVTrArr可変バルブタイミングリフト機構2CVTrArr無段変速機

特徴ある製品 シェア順位など 主な使用部位 特 徴 高強度ボルト

トヨタ自動車への 高強度ボルト 納入実績1

コンロッド シリンダーヘッド クランクシャフト リングギア ベアリングキャッ

絶対品質の信頼性が必

要な製品トヨタ自動車

の市販車史上最高強度

(14T)のコンロッドボ

ルトを我が社が開発し

初採用して頂いた

長太物ボルト 長物太物冷間鍛造

設備所有台数 日本1

パンタジャッキ サスペンション ステアリング 牽引フック ボディマウンティ

ング

全長390の長物ボルト

や軸径φ42 の太物ボ

ルトで自動車部品点数

の削減や組付け作業工

数の低減に貢献してい

特殊機能ボルト 軸力管理システム

(Mソニック) の実用化 世界初

【開発品名称】 リムービン グルービン ブローディン リムブローディン Mソニック タフフランジ

締結時の焼付き防止ボ

ルトや軸力管理システ

ム安価な高剛性ボルト

などで多くの顧客の困

りごとを解決している

精密冷間鍛造品 小物~大物までの 精密冷間鍛造設備

ラインナップ 日本1

エンジンマウント ステアリングギア CVT VVT シフトロックソレ

ノイド プランジャー

左右非対称形状や段付

き内径品ネットシェイ

プを目指した高精度冷

間鍛造品で顧客の部品

コストの低減を図って

いる

シートベルトアジャスター

サスペンション

アクスルハブ シャーシ

エンジン

VVT1 CVT2

ボディ

ロアアーム

エンジンマウント

当社製品の主な使用部位

リムービン リムブローディン

グルービン ブローディン

Mソニック

タフフランジ

― 23 ―

3 名

29 名(5)

25 名

24 名

12 名

15 名

12 名

22 名

93 名(2)

11 名

20 名

79 名(1)

143 名(1)

112 名

131 名(1)

149 名(1)

39 名(1)

28 名

12 名

6 名

(役員兼務含む)

4 名

(役員兼務含む)

3 名

1 名 (役員兼務含む)

5 名 (役員兼務含む)

1 名

(役員兼務含む)

12 名

3 名

2組織とその運営 21 組 織

当社の組織人員数と主要業務を図 21 に示す(2013 年 7 月 1 日現在) 経営層 6 名

計 1037 名

図 21 組織人員数と主要業務

22 主な行事と会議体

表 21 社長が主催する主な会議体と行事

名 称 目 的機 能 開催頻度 事務局 ト ッ プ 診 断 方針の進捗状況の確認指導 1 回月 C S P T Q M ト ッ プ 点 検 改善活動状況の確認指導 1 回月 C S P 安 全 5S ト ッ プ 点 検 安全5S活動状況の確認指導 1 回月 C S P 改 善 開 発 発 表 会 各課組別OPL改善事例の発表 6 回年 C S P オ ー ル メ イ ト ゙ ー ク ゙ ロ ー ハ ゙ ル T Q M 大 会 e-QCC改善事例の発表 2 回年 C S P 品 質 改 善 会 議 得意先不良の再発防止対策 1 回週 品質保証部 営 業 会 議 拡販に関する審議 1 回週 営 業 部 ハ ー フ レ ビ ュ ー ミ ー テ ィ ン グ 海外事業体方針管理の診断指導 2 回年 C S P

TQM推進経営企画行事運営海外事業体運営

人事労務教育安全環境施設管理 経理財産管理給与IT管理 外注品仕入品一般品の購買材料座金金型の受発注管理

新規設備開発導入生産技術

営業活動販売管理

新製品開発試作管理製品評価 金型設計金型構造工法改善

生産工程設計製品図面管理

品質保証苦情処理製品試験 完成品検査外注品受入検査 生産計画生産準備

外注加工品の入出荷管理

製品在庫管理製品出荷管理 【本社工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造工程) 【本社工場】ボルトの製造 (熱処理表面処理工程) 【藤岡工場】冷間鍛造品の製造 (冷間鍛造切削タップ工程) 【三好工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造熱処理

表面処理工程) 製造品質の管理工程内物流管理

組 織 図 と そ の 人 員 主 要 分 掌 業 務

設備の保全管理全般

総 務 課

経 理 課

調 達 課

要素技術課

設計技術課

品質保証課

検 査 課

計 画 課

外 注 課

輸 送 課

藤岡製造課

三好製造課

生産準備課

常務取締役

執行役員

業 務 部

営 業 部

技 術 部

品質保証部

生産管理部

グローバル

経営戦略 推 進 部

専務取締役

常務取締役

営 業 課

生産技術課

(以降略称CSPと記述)

品 質 物 流 管 理 課

本社製造一課

本社製造二課

生産保全課

製 造 部

執行役員

合計人数には顧客先関連会社出向 -29 名を含む ()内合計人数 12 名数字はパート人数で内数で示す

― 24 ―

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 2: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

目 次 1 会社概要 1

2 組織とその運営 3

3 経営目標と経営戦略 5

4 TQMの導入と推進 7

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動) 9

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開12

62 新商品開発新技術開発15

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理19

632 継続的改善22

64 管理システムの構築

641 品質保証25

642 生産量管理省略

643 販売管理28

65 品質情報の収集分析とITの活用31

66 人材の能力開発34

67 安全環境管理37

7 総合効果39

8 将来計画41

22

24

26

28

30

33

36

40

43

46

49

52

55

58

60

62

推進の経過

活用

省略

― 21 ―

図11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

0

50

100

150

200

250

300

98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13

売上高

0

100

200

300

400

500

600

700

800

経常利益額

1 会社概要 11 概 要

当社はトヨタ自動車を始め日野自動車ダイハツ工業などのトヨタ関連メ-カ-を

主要ユ-ザ-とする自動車部品メ-カ-である主要製品としてハブボルトエンジン

ボルトなどの高強度ボルトや各種自動車部品を製造販売している 近年TQM強化活動で改善活動が活性化し2010 年デミング賞実施賞を受賞した

12 規模と沿革 表 11 規模 表 12 沿革

【国内関連会社】 【海外関連会社】

1924 年 名古屋市にて明道鉄工所創業 1938 年 トヨタ自動車の協力工場となる 1985 年 TQC活動開始 1991 年 メイドーに社名を変更 1992 年 トヨタ品質管理賞優良賞受賞 1998 年 TPM優秀賞受賞 1999 年 ISO 9002 認証取得(2002 年 9001 認証更新) 2000 年 ISO 14001 認証取得藤岡工場開設 2006 年 TQM強化宣言 2009 年 三好工場開設 2010 年 デミング賞実施賞受賞 2011 年 トヨタ品質管理優秀賞受賞 2012年 トヨタ品質管理優秀賞受賞(連続受賞)

資本金 5 千万円 売上高 281 億円

(12 年度) 従業員 1037 名

(13 年 7 月 1 日現在) 土 地 122000 建 物 83000 生産拠点 3 工場 関連会社 国内 6 社 海外 5 社

(億円) (指数)

(年度)

図 11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

TPM優秀賞受賞 (1998年)

売上高

世界金融危機 1998年度を100とする

≪中国≫ 上海地区 ヘクサス精工

≪アセアン≫ インドネシア メイドーインドネシア タイ サイアム カトー コーポレーション

≪北米≫アメリカ ライトウェイ ファスナーズ

≪欧州≫ ドイツ ネドライトテクノロジー

MCS東日本

ハマノ MCシステムズ

西日本レジコート

MCS西日本

三好工場

マツシロツール

0 ~ ~

藤岡工場

本社工場

東日本大震災

TQM強化宣言 (2006年)

経常利益額(指数)

愛知県

豊田市 三好市

2013 年 見込み

― 22 ―

13 主要製品とその特徴

冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理まで社内一貫生産により主に自動車

の足回り関係締結用の高強度(11~14T)太物(径 42 )ボルトを製造している

3000 点を超える多品種を 500 万本日(270 トン)生産できる生産技術力が強みで

品質納期コストに対する顧客満足向上に努めている

強い防錆力と耐熱性をもち環境に配慮したldquoジオメットrdquo締結力のばらつきを抑え安

定させるldquoトルカーシリ-ズrdquoといった特殊表面処理技術を保有する

冷間鍛造技術を活かしたボルト以外の精密自動車部品の開発拡販を展開している

1VVTrArr可変バルブタイミングリフト機構2CVTrArr無段変速機

特徴ある製品 シェア順位など 主な使用部位 特 徴 高強度ボルト

トヨタ自動車への 高強度ボルト 納入実績1

コンロッド シリンダーヘッド クランクシャフト リングギア ベアリングキャッ

絶対品質の信頼性が必

要な製品トヨタ自動車

の市販車史上最高強度

(14T)のコンロッドボ

ルトを我が社が開発し

初採用して頂いた

長太物ボルト 長物太物冷間鍛造

設備所有台数 日本1

パンタジャッキ サスペンション ステアリング 牽引フック ボディマウンティ

ング

全長390の長物ボルト

や軸径φ42 の太物ボ

ルトで自動車部品点数

の削減や組付け作業工

数の低減に貢献してい

特殊機能ボルト 軸力管理システム

(Mソニック) の実用化 世界初

【開発品名称】 リムービン グルービン ブローディン リムブローディン Mソニック タフフランジ

締結時の焼付き防止ボ

ルトや軸力管理システ

ム安価な高剛性ボルト

などで多くの顧客の困

りごとを解決している

精密冷間鍛造品 小物~大物までの 精密冷間鍛造設備

ラインナップ 日本1

エンジンマウント ステアリングギア CVT VVT シフトロックソレ

ノイド プランジャー

左右非対称形状や段付

き内径品ネットシェイ

プを目指した高精度冷

間鍛造品で顧客の部品

コストの低減を図って

いる

シートベルトアジャスター

サスペンション

アクスルハブ シャーシ

エンジン

VVT1 CVT2

ボディ

ロアアーム

エンジンマウント

当社製品の主な使用部位

リムービン リムブローディン

グルービン ブローディン

Mソニック

タフフランジ

― 23 ―

3 名

29 名(5)

25 名

24 名

12 名

15 名

12 名

22 名

93 名(2)

11 名

20 名

79 名(1)

143 名(1)

112 名

131 名(1)

149 名(1)

39 名(1)

28 名

12 名

6 名

(役員兼務含む)

4 名

(役員兼務含む)

3 名

1 名 (役員兼務含む)

5 名 (役員兼務含む)

1 名

(役員兼務含む)

12 名

3 名

2組織とその運営 21 組 織

当社の組織人員数と主要業務を図 21 に示す(2013 年 7 月 1 日現在) 経営層 6 名

計 1037 名

図 21 組織人員数と主要業務

22 主な行事と会議体

表 21 社長が主催する主な会議体と行事

名 称 目 的機 能 開催頻度 事務局 ト ッ プ 診 断 方針の進捗状況の確認指導 1 回月 C S P T Q M ト ッ プ 点 検 改善活動状況の確認指導 1 回月 C S P 安 全 5S ト ッ プ 点 検 安全5S活動状況の確認指導 1 回月 C S P 改 善 開 発 発 表 会 各課組別OPL改善事例の発表 6 回年 C S P オ ー ル メ イ ト ゙ ー ク ゙ ロ ー ハ ゙ ル T Q M 大 会 e-QCC改善事例の発表 2 回年 C S P 品 質 改 善 会 議 得意先不良の再発防止対策 1 回週 品質保証部 営 業 会 議 拡販に関する審議 1 回週 営 業 部 ハ ー フ レ ビ ュ ー ミ ー テ ィ ン グ 海外事業体方針管理の診断指導 2 回年 C S P

TQM推進経営企画行事運営海外事業体運営

人事労務教育安全環境施設管理 経理財産管理給与IT管理 外注品仕入品一般品の購買材料座金金型の受発注管理

新規設備開発導入生産技術

営業活動販売管理

新製品開発試作管理製品評価 金型設計金型構造工法改善

生産工程設計製品図面管理

品質保証苦情処理製品試験 完成品検査外注品受入検査 生産計画生産準備

外注加工品の入出荷管理

製品在庫管理製品出荷管理 【本社工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造工程) 【本社工場】ボルトの製造 (熱処理表面処理工程) 【藤岡工場】冷間鍛造品の製造 (冷間鍛造切削タップ工程) 【三好工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造熱処理

表面処理工程) 製造品質の管理工程内物流管理

組 織 図 と そ の 人 員 主 要 分 掌 業 務

設備の保全管理全般

総 務 課

経 理 課

調 達 課

要素技術課

設計技術課

品質保証課

検 査 課

計 画 課

外 注 課

輸 送 課

藤岡製造課

三好製造課

生産準備課

常務取締役

執行役員

業 務 部

営 業 部

技 術 部

品質保証部

生産管理部

グローバル

経営戦略 推 進 部

専務取締役

常務取締役

営 業 課

生産技術課

(以降略称CSPと記述)

品 質 物 流 管 理 課

本社製造一課

本社製造二課

生産保全課

製 造 部

執行役員

合計人数には顧客先関連会社出向 -29 名を含む ()内合計人数 12 名数字はパート人数で内数で示す

― 24 ―

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 3: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

図11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

0

50

100

150

200

250

300

98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13

売上高

0

100

200

300

400

500

600

700

800

経常利益額

1 会社概要 11 概 要

当社はトヨタ自動車を始め日野自動車ダイハツ工業などのトヨタ関連メ-カ-を

主要ユ-ザ-とする自動車部品メ-カ-である主要製品としてハブボルトエンジン

ボルトなどの高強度ボルトや各種自動車部品を製造販売している 近年TQM強化活動で改善活動が活性化し2010 年デミング賞実施賞を受賞した

12 規模と沿革 表 11 規模 表 12 沿革

【国内関連会社】 【海外関連会社】

1924 年 名古屋市にて明道鉄工所創業 1938 年 トヨタ自動車の協力工場となる 1985 年 TQC活動開始 1991 年 メイドーに社名を変更 1992 年 トヨタ品質管理賞優良賞受賞 1998 年 TPM優秀賞受賞 1999 年 ISO 9002 認証取得(2002 年 9001 認証更新) 2000 年 ISO 14001 認証取得藤岡工場開設 2006 年 TQM強化宣言 2009 年 三好工場開設 2010 年 デミング賞実施賞受賞 2011 年 トヨタ品質管理優秀賞受賞 2012年 トヨタ品質管理優秀賞受賞(連続受賞)

資本金 5 千万円 売上高 281 億円

(12 年度) 従業員 1037 名

(13 年 7 月 1 日現在) 土 地 122000 建 物 83000 生産拠点 3 工場 関連会社 国内 6 社 海外 5 社

(億円) (指数)

(年度)

図 11 売上高と経常利益額(指数)推移グラフ

TPM優秀賞受賞 (1998年)

売上高

世界金融危機 1998年度を100とする

≪中国≫ 上海地区 ヘクサス精工

≪アセアン≫ インドネシア メイドーインドネシア タイ サイアム カトー コーポレーション

≪北米≫アメリカ ライトウェイ ファスナーズ

≪欧州≫ ドイツ ネドライトテクノロジー

MCS東日本

ハマノ MCシステムズ

西日本レジコート

MCS西日本

三好工場

マツシロツール

0 ~ ~

藤岡工場

本社工場

東日本大震災

TQM強化宣言 (2006年)

経常利益額(指数)

愛知県

豊田市 三好市

2013 年 見込み

― 22 ―

13 主要製品とその特徴

冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理まで社内一貫生産により主に自動車

の足回り関係締結用の高強度(11~14T)太物(径 42 )ボルトを製造している

3000 点を超える多品種を 500 万本日(270 トン)生産できる生産技術力が強みで

品質納期コストに対する顧客満足向上に努めている

強い防錆力と耐熱性をもち環境に配慮したldquoジオメットrdquo締結力のばらつきを抑え安

定させるldquoトルカーシリ-ズrdquoといった特殊表面処理技術を保有する

冷間鍛造技術を活かしたボルト以外の精密自動車部品の開発拡販を展開している

1VVTrArr可変バルブタイミングリフト機構2CVTrArr無段変速機

特徴ある製品 シェア順位など 主な使用部位 特 徴 高強度ボルト

トヨタ自動車への 高強度ボルト 納入実績1

コンロッド シリンダーヘッド クランクシャフト リングギア ベアリングキャッ

絶対品質の信頼性が必

要な製品トヨタ自動車

の市販車史上最高強度

(14T)のコンロッドボ

ルトを我が社が開発し

初採用して頂いた

長太物ボルト 長物太物冷間鍛造

設備所有台数 日本1

パンタジャッキ サスペンション ステアリング 牽引フック ボディマウンティ

ング

全長390の長物ボルト

や軸径φ42 の太物ボ

ルトで自動車部品点数

の削減や組付け作業工

数の低減に貢献してい

特殊機能ボルト 軸力管理システム

(Mソニック) の実用化 世界初

【開発品名称】 リムービン グルービン ブローディン リムブローディン Mソニック タフフランジ

締結時の焼付き防止ボ

ルトや軸力管理システ

ム安価な高剛性ボルト

などで多くの顧客の困

りごとを解決している

精密冷間鍛造品 小物~大物までの 精密冷間鍛造設備

ラインナップ 日本1

エンジンマウント ステアリングギア CVT VVT シフトロックソレ

ノイド プランジャー

左右非対称形状や段付

き内径品ネットシェイ

プを目指した高精度冷

間鍛造品で顧客の部品

コストの低減を図って

いる

シートベルトアジャスター

サスペンション

アクスルハブ シャーシ

エンジン

VVT1 CVT2

ボディ

ロアアーム

エンジンマウント

当社製品の主な使用部位

リムービン リムブローディン

グルービン ブローディン

Mソニック

タフフランジ

― 23 ―

3 名

29 名(5)

25 名

24 名

12 名

15 名

12 名

22 名

93 名(2)

11 名

20 名

79 名(1)

143 名(1)

112 名

131 名(1)

149 名(1)

39 名(1)

28 名

12 名

6 名

(役員兼務含む)

4 名

(役員兼務含む)

3 名

1 名 (役員兼務含む)

5 名 (役員兼務含む)

1 名

(役員兼務含む)

12 名

3 名

2組織とその運営 21 組 織

当社の組織人員数と主要業務を図 21 に示す(2013 年 7 月 1 日現在) 経営層 6 名

計 1037 名

図 21 組織人員数と主要業務

22 主な行事と会議体

表 21 社長が主催する主な会議体と行事

名 称 目 的機 能 開催頻度 事務局 ト ッ プ 診 断 方針の進捗状況の確認指導 1 回月 C S P T Q M ト ッ プ 点 検 改善活動状況の確認指導 1 回月 C S P 安 全 5S ト ッ プ 点 検 安全5S活動状況の確認指導 1 回月 C S P 改 善 開 発 発 表 会 各課組別OPL改善事例の発表 6 回年 C S P オ ー ル メ イ ト ゙ ー ク ゙ ロ ー ハ ゙ ル T Q M 大 会 e-QCC改善事例の発表 2 回年 C S P 品 質 改 善 会 議 得意先不良の再発防止対策 1 回週 品質保証部 営 業 会 議 拡販に関する審議 1 回週 営 業 部 ハ ー フ レ ビ ュ ー ミ ー テ ィ ン グ 海外事業体方針管理の診断指導 2 回年 C S P

TQM推進経営企画行事運営海外事業体運営

人事労務教育安全環境施設管理 経理財産管理給与IT管理 外注品仕入品一般品の購買材料座金金型の受発注管理

新規設備開発導入生産技術

営業活動販売管理

新製品開発試作管理製品評価 金型設計金型構造工法改善

生産工程設計製品図面管理

品質保証苦情処理製品試験 完成品検査外注品受入検査 生産計画生産準備

外注加工品の入出荷管理

製品在庫管理製品出荷管理 【本社工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造工程) 【本社工場】ボルトの製造 (熱処理表面処理工程) 【藤岡工場】冷間鍛造品の製造 (冷間鍛造切削タップ工程) 【三好工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造熱処理

表面処理工程) 製造品質の管理工程内物流管理

組 織 図 と そ の 人 員 主 要 分 掌 業 務

設備の保全管理全般

総 務 課

経 理 課

調 達 課

要素技術課

設計技術課

品質保証課

検 査 課

計 画 課

外 注 課

輸 送 課

藤岡製造課

三好製造課

生産準備課

常務取締役

執行役員

業 務 部

営 業 部

技 術 部

品質保証部

生産管理部

グローバル

経営戦略 推 進 部

専務取締役

常務取締役

営 業 課

生産技術課

(以降略称CSPと記述)

品 質 物 流 管 理 課

本社製造一課

本社製造二課

生産保全課

製 造 部

執行役員

合計人数には顧客先関連会社出向 -29 名を含む ()内合計人数 12 名数字はパート人数で内数で示す

― 24 ―

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 4: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

13 主要製品とその特徴

冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理まで社内一貫生産により主に自動車

の足回り関係締結用の高強度(11~14T)太物(径 42 )ボルトを製造している

3000 点を超える多品種を 500 万本日(270 トン)生産できる生産技術力が強みで

品質納期コストに対する顧客満足向上に努めている

強い防錆力と耐熱性をもち環境に配慮したldquoジオメットrdquo締結力のばらつきを抑え安

定させるldquoトルカーシリ-ズrdquoといった特殊表面処理技術を保有する

冷間鍛造技術を活かしたボルト以外の精密自動車部品の開発拡販を展開している

1VVTrArr可変バルブタイミングリフト機構2CVTrArr無段変速機

特徴ある製品 シェア順位など 主な使用部位 特 徴 高強度ボルト

トヨタ自動車への 高強度ボルト 納入実績1

コンロッド シリンダーヘッド クランクシャフト リングギア ベアリングキャッ

絶対品質の信頼性が必

要な製品トヨタ自動車

の市販車史上最高強度

(14T)のコンロッドボ

ルトを我が社が開発し

初採用して頂いた

長太物ボルト 長物太物冷間鍛造

設備所有台数 日本1

パンタジャッキ サスペンション ステアリング 牽引フック ボディマウンティ

ング

全長390の長物ボルト

や軸径φ42 の太物ボ

ルトで自動車部品点数

の削減や組付け作業工

数の低減に貢献してい

特殊機能ボルト 軸力管理システム

(Mソニック) の実用化 世界初

【開発品名称】 リムービン グルービン ブローディン リムブローディン Mソニック タフフランジ

締結時の焼付き防止ボ

ルトや軸力管理システ

ム安価な高剛性ボルト

などで多くの顧客の困

りごとを解決している

精密冷間鍛造品 小物~大物までの 精密冷間鍛造設備

ラインナップ 日本1

エンジンマウント ステアリングギア CVT VVT シフトロックソレ

ノイド プランジャー

左右非対称形状や段付

き内径品ネットシェイ

プを目指した高精度冷

間鍛造品で顧客の部品

コストの低減を図って

いる

シートベルトアジャスター

サスペンション

アクスルハブ シャーシ

エンジン

VVT1 CVT2

ボディ

ロアアーム

エンジンマウント

当社製品の主な使用部位

リムービン リムブローディン

グルービン ブローディン

Mソニック

タフフランジ

― 23 ―

3 名

29 名(5)

25 名

24 名

12 名

15 名

12 名

22 名

93 名(2)

11 名

20 名

79 名(1)

143 名(1)

112 名

131 名(1)

149 名(1)

39 名(1)

28 名

12 名

6 名

(役員兼務含む)

4 名

(役員兼務含む)

3 名

1 名 (役員兼務含む)

5 名 (役員兼務含む)

1 名

(役員兼務含む)

12 名

3 名

2組織とその運営 21 組 織

当社の組織人員数と主要業務を図 21 に示す(2013 年 7 月 1 日現在) 経営層 6 名

計 1037 名

図 21 組織人員数と主要業務

22 主な行事と会議体

表 21 社長が主催する主な会議体と行事

名 称 目 的機 能 開催頻度 事務局 ト ッ プ 診 断 方針の進捗状況の確認指導 1 回月 C S P T Q M ト ッ プ 点 検 改善活動状況の確認指導 1 回月 C S P 安 全 5S ト ッ プ 点 検 安全5S活動状況の確認指導 1 回月 C S P 改 善 開 発 発 表 会 各課組別OPL改善事例の発表 6 回年 C S P オ ー ル メ イ ト ゙ ー ク ゙ ロ ー ハ ゙ ル T Q M 大 会 e-QCC改善事例の発表 2 回年 C S P 品 質 改 善 会 議 得意先不良の再発防止対策 1 回週 品質保証部 営 業 会 議 拡販に関する審議 1 回週 営 業 部 ハ ー フ レ ビ ュ ー ミ ー テ ィ ン グ 海外事業体方針管理の診断指導 2 回年 C S P

TQM推進経営企画行事運営海外事業体運営

人事労務教育安全環境施設管理 経理財産管理給与IT管理 外注品仕入品一般品の購買材料座金金型の受発注管理

新規設備開発導入生産技術

営業活動販売管理

新製品開発試作管理製品評価 金型設計金型構造工法改善

生産工程設計製品図面管理

品質保証苦情処理製品試験 完成品検査外注品受入検査 生産計画生産準備

外注加工品の入出荷管理

製品在庫管理製品出荷管理 【本社工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造工程) 【本社工場】ボルトの製造 (熱処理表面処理工程) 【藤岡工場】冷間鍛造品の製造 (冷間鍛造切削タップ工程) 【三好工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造熱処理

表面処理工程) 製造品質の管理工程内物流管理

組 織 図 と そ の 人 員 主 要 分 掌 業 務

設備の保全管理全般

総 務 課

経 理 課

調 達 課

要素技術課

設計技術課

品質保証課

検 査 課

計 画 課

外 注 課

輸 送 課

藤岡製造課

三好製造課

生産準備課

常務取締役

執行役員

業 務 部

営 業 部

技 術 部

品質保証部

生産管理部

グローバル

経営戦略 推 進 部

専務取締役

常務取締役

営 業 課

生産技術課

(以降略称CSPと記述)

品 質 物 流 管 理 課

本社製造一課

本社製造二課

生産保全課

製 造 部

執行役員

合計人数には顧客先関連会社出向 -29 名を含む ()内合計人数 12 名数字はパート人数で内数で示す

― 24 ―

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 5: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

3 名

29 名(5)

25 名

24 名

12 名

15 名

12 名

22 名

93 名(2)

11 名

20 名

79 名(1)

143 名(1)

112 名

131 名(1)

149 名(1)

39 名(1)

28 名

12 名

6 名

(役員兼務含む)

4 名

(役員兼務含む)

3 名

1 名 (役員兼務含む)

5 名 (役員兼務含む)

1 名

(役員兼務含む)

12 名

3 名

2組織とその運営 21 組 織

当社の組織人員数と主要業務を図 21 に示す(2013 年 7 月 1 日現在) 経営層 6 名

計 1037 名

図 21 組織人員数と主要業務

22 主な行事と会議体

表 21 社長が主催する主な会議体と行事

名 称 目 的機 能 開催頻度 事務局 ト ッ プ 診 断 方針の進捗状況の確認指導 1 回月 C S P T Q M ト ッ プ 点 検 改善活動状況の確認指導 1 回月 C S P 安 全 5S ト ッ プ 点 検 安全5S活動状況の確認指導 1 回月 C S P 改 善 開 発 発 表 会 各課組別OPL改善事例の発表 6 回年 C S P オ ー ル メ イ ト ゙ ー ク ゙ ロ ー ハ ゙ ル T Q M 大 会 e-QCC改善事例の発表 2 回年 C S P 品 質 改 善 会 議 得意先不良の再発防止対策 1 回週 品質保証部 営 業 会 議 拡販に関する審議 1 回週 営 業 部 ハ ー フ レ ビ ュ ー ミ ー テ ィ ン グ 海外事業体方針管理の診断指導 2 回年 C S P

TQM推進経営企画行事運営海外事業体運営

人事労務教育安全環境施設管理 経理財産管理給与IT管理 外注品仕入品一般品の購買材料座金金型の受発注管理

新規設備開発導入生産技術

営業活動販売管理

新製品開発試作管理製品評価 金型設計金型構造工法改善

生産工程設計製品図面管理

品質保証苦情処理製品試験 完成品検査外注品受入検査 生産計画生産準備

外注加工品の入出荷管理

製品在庫管理製品出荷管理 【本社工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造工程) 【本社工場】ボルトの製造 (熱処理表面処理工程) 【藤岡工場】冷間鍛造品の製造 (冷間鍛造切削タップ工程) 【三好工場】ボルトの製造 (冷間鍛造ねじ転造熱処理

表面処理工程) 製造品質の管理工程内物流管理

組 織 図 と そ の 人 員 主 要 分 掌 業 務

設備の保全管理全般

総 務 課

経 理 課

調 達 課

要素技術課

設計技術課

品質保証課

検 査 課

計 画 課

外 注 課

輸 送 課

藤岡製造課

三好製造課

生産準備課

常務取締役

執行役員

業 務 部

営 業 部

技 術 部

品質保証部

生産管理部

グローバル

経営戦略 推 進 部

専務取締役

常務取締役

営 業 課

生産技術課

(以降略称CSPと記述)

品 質 物 流 管 理 課

本社製造一課

本社製造二課

生産保全課

製 造 部

執行役員

合計人数には顧客先関連会社出向 -29 名を含む ()内合計人数 12 名数字はパート人数で内数で示す

― 24 ―

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 6: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

23 組織とその運営 (1) シンプルな組織迅速な意思決定と行動

基本的な考え方はシンプルな組織迅速な

意思決定と行動を旨としているTQMの海外

事業体への展開顧客要求実現のため部門横

断活動を活発化「良い品を安く早く」の完遂を

図るため「モノ造りイノベ-ション」活動の推

進各機能の強化を現業部門を縁の下で支え

るなどの機能を 5 名の常勤役員により統括し

ている 組織能力は「機能委員会PJ一覧表」に

より担当役員と機能長を明確にし部門横断

活動の活性化を図っているまた各機能レベ

ルを「機能別評価基準」を用いて年に一度評価

を行い組織能力の向上を図っている 機能ごとに立てられた方針については各部

長が「実施計画書」により具体的方策を実施し

月 1 回トップと全部次長が一同に会した「ト

ップ診断」で管理項目の目標値に対する実績値 や改善活動状況を報告しその内容をトップが確認している同時に組織運営の

課題問題点などをトップが把握し指導をしている (2) 継続的改善活動が組織運営の原動力

会社目標達成のためには全従業員の改善活動への参加が不可欠である「躾」の

できた従業員による職場のあるべき姿を維持し「問題を自ら見つけ自ら解決する」

と定義した「New5S活動」によりトップの「5Sはものづくりの基本である5S

ができれば生産性は上がり不良は減り安全は保たれる」の思想を実践している

「安全5Sトップ点検」によりトップが現地現物にて点検指導する また社員が常に考える癖をつける「創意工夫提案」制度によりトップの「他

社に頭ひとつ出るだけでいい他社と違ったことをやりなさい」を実践し1996 年

以降 16 年間全社平均で毎月一人 10 件以上の実績を現在まで継続している

57 年続くQCサ-クル活動をTQM強化後「e-QCC活動」により活性化し

国内関連会社や海外事業体も含め 100 を超えるサークルが活動を展開している 「QC的ものの見方考え方」を「TQM道場」にて教育しその理解度を「Q

C検定」により把握しモチベーションを高めるとともに職場で「QC的ものの

見方考え方」に基づいた行動ができる人材の育成を図っている 全従業員の行動については「メイドーグループTQM行動マニュアル」に定め

メイドーグループの社員一人ひとりの行動により組織能力の向上を図っている

一 信用を尊び責任を重んじま

しょう 二 どこよりも良い品をどこ

よりも安くどこよりも早く奉

仕しましょう 三 朗らかで安全な職場の建設

に努めましょう

社是

経営基本スローガン

「良い品を安く早く」

2013 年度会社スローガン

「現地現物現実で 見える化しくみ化標準化 確かな管理で

目指すは業界1」

表 22 社是スローガン

― 25 ―

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 7: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

3 経営目標と経営戦略

31 「ボルト製造業界1」が経営目標 当社の経営目標は「業界1」であるが現状は国内ボルト製造業界 3 位である

当社の事業基盤はA社グループとそのサプライヤーに依存しておりA社の経営戦

略生産の動向によって当社の業績は大きく左右される 自動車の国内市場は成熟し少子高齢化

若者の車離れにより国内需要は年々減少

している(図 311)自動車メ-カ-は

海外生産が拡大し自動車の輸出も減少す

ると予測している また国内の自動車の需要構造はコンパ

クト車低価格車軽自動車ハイブリッ

ド車へ移行している(図 312) そのうえ低コスト化に向けた車台の共

通化により部品も共通化が進み新規の

ボルトの需要は急激に減少している 以上のことから国内のボルトの需要は

減少すると予想し現にねじ製品製造業

は 90 年以降事業所数従業員数は減少

が続いている(図 313) しかし自動車用金属製小物部品の低コ

スト化に有効な冷間鍛造品分野は加工技

術力の向上で市場の拡大が見込まれる 近年の中国およびアセアンの自動車生

産台数の拡大インドブラジルの市場が

拡大する中当社の主要顧客であるA社お よびトヨタグループにおいては海外生の拡大が予想されている顧客の調達先は

コスト競争力のあるローカルメーカーへ向き始めており一部の部品においてはすで

に直接取引が開始されている標準的なボルトにおいては中国インドのボルトメ

ーカーの品質も高く競争力があるためこれまでの方法では当社製品の減少が懸念

されている

我々がこのような事業環境の中で生き残るためには他社を凌駕する技術力営 業力調達力資金力経営力などの総合組織力を強化しグローバルでの競争力を

強化する必要があり経営目標として「ボルト製造業界1」を目指している 32 「営業力技術力強化」が経営戦略

当社を取り巻く上記の環境において「SWOT分析」により「2015 年 中長期経営

10

29

27

5 6

0

5

10

15

20

25

30

04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度)

()

図 311 軽自動車ハイブリッド車

の国内販売台数比率推移

ハイブリッド車

軽自動車

1509

1571

2343

35

3537

44

1000

2000

3000

4000

91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 (年度)

(社)

20

25

30

35

40

45

50

55(千人)

事業所数

従業員数

図 312 ねじ製品製造業事業所数従業員数の推移

0 0 ~ ~ ~ ~

― 26 ―

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 8: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

計画書(経営課題と重点施策の年度展開)」を策定し以下の経営戦略を推進している

<営業力の強化>

重点顧客に対する組織を「ユーザーカード」を用いて再調査し重要意思決定者と

その決定方法を把握している従来の重点顧客に加え高成長しているユニットメー

カーである2 社を重点顧客として追加した顧客のニーズをより深く把握するための

人材を出向させておりこれにより開発段階からの技術提案ができる体制が確立で

き顧客の設計担当者などの困りごと解決件数も増加し新規受注品も増加した

多様化するグローバルの顧客ニーズへの対応は「海外事業体管理規定」を作成し

海外事業体の営業スタッフと本社スタッフのコミュニケーションを強化しきめ細か

な顧客満足度向上活動を推進した

<技術力の強化>

新興国のボルトメーカーとの差別化および顧客の高いニーズへ対応するため「技

術戦略勉強会」を開催しネック技術の克服により技術力の強化を図っている現

在の技術力では加工困難なネットシェイプ形状への挑戦切削工程の内製化新表面

処理の開発および高強度ボルトのダントツ製造効率化などを推進しているその結果

新工法開発件数が向上し新規部品の受注へつながっている

<組織体制の変革>

営業力技術力強化に向けた資源配分についても見直しを実施し製造の効率化に

より得られた原資を営業技術部門へ再配し営業力技術力の強化に努めている

間接部署の大部屋化業務のIT化と標準化をTQMにより進め組織体制のスリム

化も図っている「メイドーグループTQM行動マニュアル」をメイドー全グループに

展開しトップの思想を共有しグローバルメイドーマンを育成することによりグ

ローバル競争力を強化している

33 「機能別管理強化」による経営目標達成

経営目標の達成に向けTQMを柱とした機能別管理を実施している「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿を明確にし「機能別評価書」により現状を明確

な基準をもとに評価し「TQM機能向上ブラッシュアップ」により弱点を克服する

この結果組織能力が向上し営業力技術力を中心にレベルアップが図れ経営目

標達成に向けた活動が充実した 新技術新商品開発機能では「開発体系図」見直しによりネック技術の明確化と

その解決力が向上し魅力ある新商品を開発することができた

販売管理では「顧客生技出向」により重点顧客との親密度が増し高い精度の情報

が早く収集できて新規品の受注へつなげたまた新規顧客獲得に向けて「ユーザーカ

ード」による顧客の組織情報とキーマンの明確化を図り「キーマンに繋がる招聘活動」

により当社の技術力と品質保証体制を現地現物で説明し製品に対する信頼性を理解

してもらうことができた

― 27 ―

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 9: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

4 TQM推進の経過

41 概 要

当社は1924 年の創業以来「良い品を安く早く」の完遂を目指しボルト製造事業と

冷間鍛造品製造事業への資源集中と冷間鍛造からねじ転造熱処理および表面処理ま

での「社内一貫生産」に強いこだわりを持ち事業の拡大を図ってきた

1966 年の「QCサークル」導入以来1985 年には「TQC活動」を全社に展開し継

続的改善活動を企業風土として活動してきた

その間自動車産業の発展に支えられ成長してきたが世界経済の変化や激化する企

業間競争の中で「顧客重視の環境変化に強い企業体質」への変革を目指し2006 年に「T

QM強化宣言」を行いTQM活動を強化するとともに経営体質の強化を目的にデミ

ング賞を受審し受賞することができた

デミング賞受賞後は意見書の内容から当社の強み弱みを分析しTQM活動に取

り入れ活動の充実を図った今回のデミング賞大賞受審を期に経営目標であるldquo業

界1rdquoの実現を目指した全社一体活動を強化した

42 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

43 活動の経過

活動の重点に基づく活動の経過を表 41 に示す

(1) 重点戦略が経営目標のldquo業界1rdquo達成

には不十分で経営目標達成にTQMの

活用が弱かった

(2) 組織能力のあるべき姿が不明確で各

機能を強化するしくみが弱かった

(3) 特色の異なる改善活動を社内展開して

いるが相互関係役割しくみが不明

確で改善の効率がよくなかった

企業風土である継続的改善活動と人材育成をさらに強化しTQMを経営手法の柱と

して「良い品を安く早く」の完遂を図り経営目標を達成する

(1) 経営目標と重点戦略を中長期経営計画

書の作成によりTQMでldquo業界1rdquoの

実現を図る

(2) 機能別評価基準の設定により各機能

のレベル把握および組織能力の向上を図

(3) New5S活動とe-QCC活動を柱とし

た継続的改善のしくみ強化により改善

力を向上する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 28 ―

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

― 29 ―

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 10: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

表 41 TQM活動推進の経過

年 度 ~2009 2010 2011 2012

ねらい TQM診断意見書からの強み弱み把握によるしくみの見直し

方針管理のしくみ強化による会社目標達成度の向上

戦略的な品質活動アピールによるT社品質優秀賞受賞

海外戦略に向けた人材の明確化による人材育成のしくみ強化

経営方針

その展開

新商品

新技術

開発

日常

管理

継続的

改善

品質

保証

生産量

管理

販売

管理

品質情報

の収集

分析とI

Tの活用

人材の

能力開発

安全環境

管理

効 果

強みを伸ばし弱みを克服する活動により企業体質が強化できた

会社目標達成活動強化により会社方針に沿った活動が推進できた

戦略的な品質活動アピールによりT社品質優秀賞を受賞できた

グローバルメイドーマンの明確化により人材育成のしくみが強化できた

問題点 問題解決力がまだ十分でなく会社方針の達成度が低い

品質レベルは向上したが社外からの評価が低かった

新興国台頭を受け海外戦略に向けた人材育成が弱い

顧客ニーズに沿った新製品開発のしくみが弱い

方針管理のしくみの強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

「委員会PJ活動」による重点課題解決力の強化

「方針すり合わせ会議」による目標と方策の明確化

「機能別評価基準」によるあるべき姿の明確化

「ベンチマーク実施要領」による問題課題の共有

「依頼シート」の見直しによる課題抽出の強化

「フランジ割れ対策活動」によるネック技術解決

「技術開発体系図」見直しによる開発品の具現化

「ネック技術解決対策書」による工法開発の期間短縮

「JK再発撲滅活動」による再発不良の低減

「業務用件シート」見直しによるJKK活動強化

「異常品処置訓練」による処置作業手順の見直し

「トップ点検ニュース」発行による改善情報の共有

「継続的改善体系図」改定による改善活動の明確化

「改善テーマ設定書」の活用強化による方針との繋がり強化

「なぜなぜ勉強会」による真因追求力の強化

「対策内容確認PJ」による再発不良の低減

「水平展開マップ」による対策水平展開の強化

「Walkラリー」による対策風化の防止

「在庫回転率向上活動」による仕掛在庫の削減

「生産時間実績確認表」による生産時間の短縮

「在庫削減活動シート」による仕掛在庫の削減

「完成在庫分析シート」による完成品在庫の削減

「ランクアップシート」による営業活動進捗管理の強化

「重点顧客活動宣言」による販売活動の強化

「A社出向」による開発情報の収集強化

「草の根訪問活動」による情報収集の拡大

「電子ワークフロー」導入による情報展開の迅速化

「現品票発行システム」による顧客情報有効活用

「ユニコーン」構築によるマスタ管理の強化

「TQM道場」教育によるQC検定合格者数の向上

「IT道場」におけるIT教育の充実

「従業員満足度調査」による意識の把握

「グローバル人材評価」による基準の明確化

「安全 5Sトップ点検」による管理体制の強化

「あたり体感機」による安全教育の充実

「まなぶ君」による安全体感教育の充実

「管理者向け安全講習」による安全資質の向上

ネック技術の解決力強化による新工法の開発

トップの継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化

合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

重点営業活動のしくみ構築による売上の拡大

メイドー教育システムの整備によるグローバル人材の育成

「変化点管理活動」による不良発生の未然防止

「創意工夫提案」による改善風土の基盤形成

「資材発注システム」による発注LTの短縮

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5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

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2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

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623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

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(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 11: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

5 挑戦的戦略の実践(特徴ある活動)

51 トップ主導による継続的改善の企業風土を形成

(1) 継続的改善の風土の転換点

1998 年にTPM優秀賞を受賞した際約 3 年間の活動成果は突発故障件数が 10 分

の 1 に減少しまた老朽化が進んだ廃棄寸前のめっき設備に改善の手を入れその結果

設備能力が 30向上しそのうえその後 10 年間も設備を延命化することができた

継続的改善の風土はこのときから強化されたこの活動の中からこれまでのQC活

動による小集団活動に加え「TQMトップ点検」「改善開発発表会」「創意工夫提案目

標 1 人当たり月 10 件」のしくみができた

(2) トップによる改善活動の点検指導

各部署における「改善テ-マ」活動は1998 年 3 月開催の「社長点検」に遡る第

14 回目より「TQMトップ点検」に名称を改めトップが各職場の改善活動を現地現

物で点検指導し現在まで 193 回開催してきたまた安全と 5Sに特化した「安全

5Sトップ点検」改善の水平展開を図る「改善開発発表会」もトップ自ら点検する改善

活動として定着しそれぞれ 39 回101 回を数えているQCサークル活動は「e-

QCC活動」と名前を変え進化させ部署単位の改善活動の一部と位置づけた「オー

ルメイドーTQM大会」は優秀事例を発表しグループ全社で共有する場にしている

(3) 経営目標達成のための継続的改善

全従業員に定着している継続的改善の風土を経営目標達成につなげるためTQMに

よる方針管理のしくみを強化してきた当初は職場の自主的な改善テーマを掲げ活動し

てきたが近年では会社方針からつながる各課組の実施方策をテーマとして取り上

げた活動が中心となり経営目標達成度の向上が図られている

図 511 トップ主導による継続的改善の企業風土の形成

目標10件人月

5

10

15

09 10 11 12

0

1人当たり

創意工夫提案件数

TQMトップ

点検 193回

オールメイドー

TQM大会 59回

安全5S

トップ点検 39回

部署単位の 改善活動テーマ

e-QCC 活動テーマ①

(件人月)

1人当たり創意

工夫提案件数

ボルト業界No1

経営目標

年度会社方針

継続的改善活動の充実により経営目標達成率が向上した

部門実施計画書

C課

e-QCC 活動テーマ②

B課

A課実施計画書

創意 工夫 提案

小改善

活動

創意工夫提案制度によりldquo常に考 えるrdquo癖がついた

小集団の改善活動 個人の改善活動

トップ自ら現場で激励 rarr社員の改善意欲が向上 rarr改善活動が活発化

課(組)の改善活動

トップ参加の点検指導により改善の企業風土が充実した

― 30 ―

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 12: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

52 プロセス管理の強化による品質1 への挑戦

(1) 「宝の山市活動」による再発不良低減活動

2005 年ごろより市場の拡大による生産数の増加につれて顧客先流出不良件数も年々

増加傾向にあった2006 年のTQM強化宣言を受け再発不良低減活動を強化したも

っとも効果のあった活動に「合同宝の山市活動」があるこの活動の特徴は顧客先へ

流出した不良については直ちに現地現物で真因の追究を行い1 週間以内に対策を完

了させるというスピード感にあるまたその再発防止対策内容について週に 1 回

の「合同宝の山市」において真因追究結果とその対策内容を関係各部署の前で発表す

るこれにより多角的な視点から指摘評価を受けることができ対策内容のレベル

を向上させることができ結果現場の品質意識の向上につながった

デミング賞受賞後はこの活動を進化させ各職場における顧客先流出不良は「デイ

リー宝の山市」にて発生の翌日に真因追究を実施しているまた水平展開を強化する

ため「水平展開マップ」により対策内容の確実な水平展開を推進しているまた「Walk

ラリー」により製造現場における標準作業遵守の徹底を図っている

この結果顧客先流出不良を低減することができた

(2) 「鳥の目」による不良発生要因の徹底管理

顧客先流出不良は再発不良低減活動により2010 年には 2006 年比 75低減できた

が工程内不良件数は高止まりしていたここで「鳥の目活動」により工程内不良の

発見場所発生部署を明確にし発生の真因追究を強化したこの活動から品質不良低

減に向けた各種PJ活動が生まれ「混入撲滅活動」により長年品質不良の上位を占め

ていた熱処理工程での混入不良を低減することができた

(3) 「自工程完結活動」による工程での品質造り込み強化

工程での品質造り込みをさらに強化するため「自工程完結活動」に取り組んでいる

「自工程完結活動」とは品質を工程で造り込むための活動であり「要素単位分解整理

表」により作業の良し悪しが判断できるレベルまで作業を細分化し分解した作業に

ついて 4M(材料設備方法人)で良品条件を洗い出す次に「要素単位自工程チ

ェックシート」により良品条件が維持できるか判断基準は正しく不足はないかなど

を確認する4M要素の全てにおいて良品条件が維持できていると判断されてその分

解作業はldquo自工程完結したrdquoとみなす良品条件が不十分の場合は自工程完結ができ

るまで改善活動を行う自工程完結した作業は標準作業として作業手順書に落とし込

み改善事例はOPL(ワンポイントレッスン)を作成し教育資料として活用する

07 年より開始した「自工程完結活動」はデミング賞受賞後「JK教材」「JK道場

教育」により全従業員への教育を強化し全社一体の活動として推進してきた活動

は「JK再発撲滅活動」により発生した不良に対し優先的に活動することで再発

不良を低減することができた

これにより顧客先流出不良が低減した

(4) 活動の集大成「A社品質管理優秀賞 V2」の実現

― 31 ―

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 13: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

2010 年にA社の品質要求レベルを達成したが表彰を受けることができずその原因

を調査したところ品質のプロセス管理を評価していることが判明した社長の「A社

品質管理優秀賞受賞宣言」を受けA社の各工場の品質に対する要求内容を吸い上げ

品質向上活動へ反映させた上述の「宝の山市活動」「鳥の目活動」「自工程完結活動」

を柱にA社ニーズに合致する品質保証体制を強化し活動を現地現物にて説明すること

でA社評価点が向上し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続で受賞することができた

53 生産リードタイムの追求によるモノ造りイノベーション

(1) 「ワンフロア完結生産」による生産リードタイム 24Hの実現

当社は1964 年の豊田工場(現本社工場)の操業開始以来この本社工場で「社内一

貫生産」にこだわってきた出荷量の増加とともに設備の増加や工場の多階化で対応

してきたが工程が各建屋を行き来しているばかりか設備の拡散や上下階への運搬物

流などの乱流が目立ち工程間での停滞在庫や物流工数などのムダが発生していた

そこで藤岡工場への冷間鍛造品製造の集約を皮切りに生産量増加による本社工場

の絶対的な敷地不足を解消するため近隣に三好工場を建設し「生産リードタイム 24

H」という挑戦的な目標を掲げて工程の整流化を推進している

三好工場のコンセプトは「工場一貫生産」からさらに進化した「ワンフロア完結生産」

「スルー生産(停滞ゼロ)」「見える化」とした

ワンフロア生産のハードは整ったが生産リードタイム 24Hの達成にはソフト面の改

善が不可欠であった「生産時間実績確認表」による工程ごとの滞留状況の見える化「滞

留時間低減チェックシート」や「在庫削減活動シート」による滞留原因の追究と対策の

充実などしくみの強化を図った生産リードタイムの達成状況については毎月「モ

ノ造りイノベーション」会議にて進捗フォローを実施し生産管理部と製造部が一体と

なった活動により生産リードタイム 24Hを達成することができた

生産リードタイム短縮にあわせ材料在庫の削減にも努めている「資材発注システ

ム」の見直しによる必要最小限の材料発注のしくみを強化し従業員の在庫削減意識の

向上を図り材料在庫削減を行った

これにより生産工程の整流化が図られ「ワンフロア完結生産」のグローバルモデル

工場に位置づけることができた

(2) 三好工場をモデルにした本社工場の整流化

三好工場において培ったモノ造りのノウハウを本社工場の整流化へ水平展開してい

る三好工場と本社工場の最大の違いは工程間運搬であり本社工場では建屋の違う

工程間の運搬工数がかかっているこの運搬工数の低減と滞留在庫低減を目的とした

「モノ造りイノベーション」により「本社工場整流化PJ」を推進している

藤岡工場においても切削工程を中心に「モノ造りイノベーション」を推進してお

りグローバル競争力を強化している

― 32 ―

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 14: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

6 基盤構築戦略の実践

61 経営方針とその展開

611 概 要

デミング賞受審時は「メイドーウェイ」の明文化により従業員へトップ思想の理

解度向上を図りまた「トップ診断」のしくみ構築により方針管理の定着と方策実

施の実行力の強化を図ったが中長期経営計画と年度方針目標値の関係が不明確で年度

会社方針の達成度も低かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」による各機

能の弱点克服計画を作成し「トップ診断」のしくみ強化により方策実施状況の確認

指導体制の充実を図ったまた「TQM機能別評価」のしくみ構築による「機能別評価

基準」により各機能のあるべき姿の明確化を図った11 年には「活動フォローアップ

書」により方針管理項目に対する達成方策の明確化と方策実行力の強化を図った12

年には「方針コミュニケーション」により各部署の方策立案と実施の深堀を図った

その結果方針に対する重点方策の充実と方策実施を完結する意識が向上し中長

期経営目標達成度が向上した

612 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

613 活動の経過省略

614 経営方針とその展開のしくみ省略

(1) 経営思想中長期経営計画の全従

業員への展開が不足していた

(2) 年度方針達成に向けた重点実施方

策の確認が弱く方針との結びつき

と方策のやりきりが弱かった

(3) 機能別レベル評価が不十分で組

織能力向上に向けたPDCAサイク

ルが弱かった

経営理念経営計画のもと方針展開のしくみ強化と全社一体となったTQMの推進

およびトップによる確認指導の強化により経営課題を解決し経営目標の達成を図る

(1) 経営理念の具体化と会社方針展開

ツールの強化により中長期経営計

画の目標を達成する

(2) 方針管理のしくみ強化により会

社方針に結びついた重点方策の立案

およびやりきりを図る

(3) 機能別評価のしくみ構築により

競争力優位組織に向けた組織能力向

上を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 33 ―

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 15: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

615 実施状況

(1) 経営理念の具体化と方針策定の強化による中長期経営目標の達成

デミング賞受審時は会社方針の策定ツールを構築し中長期経営計画の実現を図っ

たが全社一体となった活動が弱く計画通りの経営目標を達成できなかった

デミング賞受賞後10 年に「メイドーウェイ」の見直しにより全従業員への浸透の

強化を図ったまた「各部方針すり合わせ会議」により会社方針の理解度向上と重

点方策の共有を図った11 年には「TQM推進強化計画書」を作成し各機能と部門の

具体的実施事項を明確にした12 年には「メイドーグループTQM行動マニュアル」に

よる全従業員へのTQM教育により全社一体となったTQM活動の推進を図った

その結果経営理念周知と方策策定強化ができ中長期経営目標達成度が向上した

図 612 中長期経営目標達成のしくみ

(2) 方針管理のしくみ強化と運用の充実による会社方針の確実な展開

デミング賞受審時は会社方針達成に向けた各機能部門の重点方策策定のしくみを

構築したが重点方策のやりきりが弱かった

デミング賞受賞後10 年に「改善テーマ設定書」により会社方針とつながった改善

実施テーマの充実を図った11 年には「実施計画書作成要領」により方針管理の理解

度向上と方策策定力の強化を図った12 年には「方針コミュニケーション」により日

常管理レベルの情報共有の強化を図った

その結果方針管理のしくみが強化され会社方針の確実な展開が行えるようになった

0

100

200

300

400

500

600

700

800

00

03

06

09

12

15

2015年2014年 2015年

CVTシャフト

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年2011年 2012年 2013年 2014年

既存品

既存品(拡販)

ノズルクランプ

ポールパーキングCVTシャフト

中期売上目標 製品ロードマップ

2

3

4

メイドーウェイ ①

経営営業

1

損をしてまで売ってはならない結果的にお客様にも迷惑をかけることになるこれからの日本は若者が減る女性老人外国人を活用するしくみをつくりなさい儲けるには「出ていくカネを如何に抑えるか」だ

わが社はモノづくりの会社である「良い品を安く早く」お客様に供給することにつきる会社は赤字を絶対出してはならないこれは私の経営信念だ

ボルト業界No1

ベンチマーキング調査報告書

メイドーウェイにより経営理念が明確になった

年度会社

方針書 部門

実施

計画書

課内

実施

計画書 改善

テーマ設定書

方針

管理

期末

反省書

トップ

診断

私の 7 つの行動指針

納得できる評価処置を行う

企業イメ-ジを大切にする

水準以上の待遇を提供する

未知への「挑戦」

人が成長できる企業

従業員の経営参加

ビジョンを明確にする

中長期経営計画書

方針管理

規定

ライバルテクニカルシート

市場報告書

ベンチマークのしく

み強化により市場動

向が中長期経営計画

に織り込めた

営業部

品証部

営業部

長谷川社長

2013年度 2014年度【1販売管理】

トヨタ ユニットメーカーへの高精度鍛造品の販路拡大トヨタ系 高精度鍛造品(ギア類)の商品化とトヨタへの販売開始

ユニットメーカーへの高精度(ギア類)の販路拡大

その他 日産日産系プレスメーカーへエンジン

 ボルト精密鍛造品の販路拡大

ホンダホンダ系メーカーへ精密鍛造品の

 販路の拡大

年 度

日本中長期経営戦略

トップの考えを中長期経営計画に織り込むことにより経営目標を明確にした

部署 技術部担当 松島課長榊原係長

【結果】

 ①ロ-レットの山頂形状が異なる

検討  ②ロ-レットの谷底巾が異なる

パテントマップ

ガイ

特開2000-018226青山製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2001-082431メイドー

ガイド部にねじ カム的機構2 32

社外技術情報収集の強化により製品ロードマップを明確にした

技術部

― 34 ―

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 16: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

(3) 機能別評価のしくみ構築による組織能力の向上

デミング賞受審時は機能別の評価による組織能力の把握が弱かった

デミング賞受賞後10 年に「デミング賞意見書ブラッシュアッププラン」により各

機能の弱みの克服を図った11 年には「機能別評価」により全機能のあるべき姿を設

定した12 年には「ベンチマーク実施要領」により競争力優位組織に向けた情報収集

の強化を図った

その結果機能別評価のしくみ構築と機能レベルが向上し組織能力が向上した

616 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 方針策定ツールの強化により中長期の経営課題が明確になった

② 方針方策議論の活発化により部門横断の考え方が浸透した

③ 機能別評価のしくみ構築により各機能の役割への認識が高まった

617 今後の進め方

(1) 中長期経営課題を早く確実に解決することにより「業界1」目標を達成する

(2) 各部との意見交換の充実により全社一体のTQM活動を推進する

(3) 組織のあるべき姿を高く設定することにより組織能力をさらに向上する

0

10

20

30

40

2009 2010 211 2012 (年度)

(件)

26

28

30

32

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

()

中長期経営目標達成度

図613 中長期経営目標達成度

0

50

100

150

200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

しくみ見直し件数

図615 しくみ見直し件数

TQM機能別評価点

図616 TQM機能別評価点

全社一体のTQM活動の充実により達成度が向上した

期末反省の充実によりしくみ見直し件数が増加した

各機能のあるべき姿の明確化によりTQM評価点が向上した

会社管理項目達成件数

図614 会社管理項目達成件数

方針管理のしくみ強化により達成件数が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 35 ―

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 17: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

62 新商品開発新技術開発 621 概 要

デミング賞受審時は「市場情報シート」により顧客ニーズを正確に把握し「顧客

満足度調査表」で開発品に対する顧客の満足度を把握できたまた新たな顧客ニーズ

の収集につなげ顧客ニーズと技術開発テーマの結びつき強化もできたことで顧客ニ

ーズに合致した新製品の開発ができたしかし狭い情報収集による顧客ニーズ把握で

あったため開発品の市場展開に苦労するケースがあったまた会社目標達成に向け

た冷間鍛造新規分野への技術開発のスピードを加速させる必要があった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」により情報収集を強化し

11 年には「パテントマップ」による開発特許の絞込み12 年には「ベンチマーキング

調査報告書」により開発案件を抽出したまた情報収集力の強化に向け「社内CV

T分解」の実施や顧客先へ技術者を出向させることで顧客ニーズや部品情報を幅広く

収集した社内展開においては「商品力向上活動会議」の開催「開発企画書」「ネッ

ク技術解決検討書」により開発テーマ選定から実施までのしくみが強化でき会社目

標達成に向け効率的に技術開発ができるようになったまた「三部署会議」で他部署

との連携を強化することにより技術開発のしくみ再構築を図った その結果顧客ニーズの確実な収集活動の強化と技術開発のしくみ再構築により会

社目標達成に向けた新規分野への効果的な工法開発ができた

622 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

顧客ニーズの調査探求および技術開発のしくみ再構築とフォローアップの強化によ

り顧客満足度の高い技術開発品の創出を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 市場動向顧客ニーズなどは狭い範

囲の情報収集に限られており開発品の

展開に苦労するケースがあった

(2) MP情報の蓄積や2DDeform解析の活

用により鍛造品の改善活動は多かった

が工法開発は少なかった

(3) 設計製作を内製化することにより

使用部署のニーズに合った設備を導入で

きたが社内設計製作のスキル強化が

十分ではなかった

(1) 情報収集活動に他社の特許調査や部品

分解調査などのベンチマーキング追加に

より魅力ある開発品を創出する

(2) 顧客の鍛造設計部門への出向や開発体

系の見直しにより鍛造部門での新工法

の開発を図る

(3) 設備メーカーの講習会参加や開発ツール

の徹底教育によりスキル強化を図り設

計製作の内製化を強化する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 36 ―

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 18: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

623 活動の経過省略

624 新商品開発新技術開発のしくみ省略

625 実施状況

(1) 情報収集力提案力の強化による魅力ある新商品の創出

デミング賞受審時は市場情報シートにより顧客ニーズを把握し開発品につなげて

きたただし開発品を創出する際に市場情報シートの狭い情報での判断で目標を設定

していたため顧客の要望どおりの価値を持った製品開発が弱かった デミング賞受賞後は10 年に「他社特許データベース」11 年に「車両分解展示」12

年には「ベンチマーキング調査報告書」による市場ニーズにあった情報収集の徹底によ

り会社目標に沿った技術と製品の開発ができるようになった その結果顧客ニーズに合った魅力ある開発品を創出できるようになった

図 622 顧客情報の収集力強化による技術開発品創出のしくみ

ガイドあり

特開2003-172330青山製作所

特開2000-018226青山製作所 特開平10-141343

青山製作所

特開2001-159412杉浦製作所

特開2000-120640杉浦製作所

特開2000-329125イワタボルト

<ブローディン>

特開2001-082431メイドー

<グルービン>

ガイド部にねじ カム的機構

カム的機構

1

2 3

4

5

2

3

4

新リムービンボルト完成

開発テーマ一覧表

パテントマップ

他社特許データベース 車両分解展示

ベンチマーキング調査報告書

社内CVT分解

その他の情報収集

社内で部品を分解し構造の理解を深めることにより適切な提案ができるようになった

T社殿で開催される車両の分解展示会を定期調査するしくみをつくることにより様々な車両部品の形状を調査することができた (年6回調査)

様々な情報収集からの開発提案を技術部各課で一覧表管理することにより開発案件の見える化ができた

今回の開発品には直接関係はないが 下記のような調査などでも開発品案を 探している

テーマごとに分解調査結果をまとめることによりどのような形状が市場でよく使われているか把握できた

テーマごとに特許調査結果をまとめることにより他社特許に抵触しない形状を事前に把握できた

斜め入り防止+異物除去

すくい角

切り刃

15mm

43mm

65mm

20deg 34deg 45deg

二元配置実験による最適条件の確認試験

ショット球での異物定量化試験

特殊新形状

コンペチタごとの特許調査により各社の開発特色が把握できた

斜め締付け試験

― 37 ―

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 19: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

(2) ネック技術の解決力強化による新工法の開発 デミング賞受審時は機能面での開発に偏りがちで鍛造分野では既存技術を使って

の改善活動が多く鍛造分野の革新的開発は少なかった デミング賞受賞後は10 年に顧客の鍛造設計部署に出向し情報収集と開発の手順を

学んだ11 年に開発体系図を見直し12 年には毎週開催する「開発会議」や「開発テ

ーマ一覧表」「開発テーマ評価表」によりテーマを絞り込み製品開発企画力の向上を

図り経営目標達成に向けた開発ができるようになったさらに「ネック技術解決対策

書」「DRBFM書」によりネック技術の解決力強化と開発スピード向上を図った その結果機能面に加え鍛造設備工程設計での技術開発が充実した

図 623 製品開発企画力強化のしくみ

(3) 社内設計製作のスキル強化による設備開発

デミング賞受審時は個人の設備設計技術スキルに頼ることが多く設備設計の標準

化が図られていなかった デミング賞受賞後は過去トラなどからの「設備MP情報」を蓄積することにより

10 年に「設備設計標準」「電気設計標準」の標準化を図った11 年に「3D CAD」

を導入したことで設備設計技術スキルのレベルアップをすることができた その結果設備設計スキル電気設計スキルが向上し12 年には従来にはない「高速

水平ねじリロール機」「画像処理選別機」の開発ができた

④開発企画書

②開発テーマ一覧表

商品力向上活動会議

①開発提案書

②開発テーマ一覧表

PRE DR0

③開発テーマ評価表

PRE DR1

④開発企画書

PRE DR2

3度の事前DR(PRE-DR)を部内で実施することによりテーマの絞込みとネック技術の解決案が強化された

③開発テーマ評価表

ネック技術解決検討書

CPカウンターパンチ(穴入れのピン)ネック技術解決計画 Process Decision Program Chart(過程決定計画図)

超細穴カラーの工法確立(減面率9LD=16倍)

ダイス側からの穴入れ

CP逃がしのクリアランスを実質0にする

パンチ側からの穴入れ

振れを抑えることができない

インダイ式

CPの逃がしで曲がって折れる

曲がりにくいCP

材質HAP40 材質超硬 先端角度 先端径

5deg10deg15deg3タイプでトライ

NG rsquo124月NG rsquo124月

NG rsquo124月

3~5までトライ型作製し連続生産

面圧2000Mpaに耐えれない

NG rsquo127月

が取れない

4穴入れ時にパンチ側の振れ04

点数66点100点 しかし挑戦領域

ガスショック式SP工法

CP+スリーブ圧入工法

2012 年

コスト 30削減 中空鍛造

中空鍛造に向けた細穴カラー コスト30削減 Sランク

2013 年

細穴の曲りが課題

切削rarr冷鍛化

クリアランス 0

点数をグラフ化する ことにより将来性のあるテーマ選定ができるようになった

内容を充実すること により経営目標達成に向けた開発テーマを設定できた

問題を事前に洗い出すことにより開発時間が短縮された

細穴+フランジ+スプラインを冷間鍛造化

― 38 ―

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 20: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

626 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 特許調査や部品分解調査を行うことにより製品機能の把握が強化できた

② 出向顧客先からの鍛造品開発手法を学ぶことにより技術レベル向上が図れた

③ 設備設計技術スキルが向上したことにより現場作業ニーズにあった設備設計がで

きるようになった

627 今後の進め方

(1) 長期的開発計画により自動車業界以外で通用する高難度開発品に挑戦する

(2) 鍛造開発品を多く創出することにより新規分野の顧客獲得を目指す

(3) 設備メーカーとの共同開発により高生産コンパクトな設備を創出する

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

10

20

30(百万円)

0

1

2

3

4

5

6

7

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

0

5

10

15

20

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

300

0

2

4

6

8

10

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

図624 新製品新技術開発件数

良い

新製品新技術開発件数

良い

図625 開発品採用件数開発品採用売上高

開発品採用件数

良い

良い

魅力的な開発品創出により採用件数が向上した

技術開発のしくみ見直しにより開発件数が向上した

鍛造品工法開発件数

図626 鍛造品工法開発件数

難形状品量産化件数

図627 難形状品量産化件数

技術開発体系図の見直しにより鍛造品の工法開発件数が上昇した

技術レベルの向上に より難形状の受注 が増加した

開発品採用売上高

(件) (百万円) 売上げ

件数

設備開発による

原価低減効果金額

図629 設備開発件数設備開発による 原価低減効果金額

2011 年度 より活動開始

社内設計することにより設備開発件数が増加した 設

備開発件数

0

20

40

60

80

100

120

140

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

良い

図628 有資格件数

有資格件数

設計製作スキルが向上したことにより有資格者が増加した

良い

― 39 ―

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 21: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

63 製品品質の管理と改善

631 日常管理

6311 概 要

デミング賞受審時は品質不良の真因追究から是正までをしくみ化し顧客先流出不

良件数が減少したが不良対策の水平展開が弱く再発不良が撲滅できていなかった また設備管理では日常点検の強化を行い故障件数が低減したが設備故障診断が

弱く故障停止時間の短縮には至らなかった人材教育では作業標準の整備は進んだが

その周知徹底が弱く異常品処置ミスやルール不遵守による不良発生が問題となった デミング賞受賞後10 年に品質不良の真因追究を「自工程完結活動」と連携し「業

務用件シート」の見直しにつなげ再発不良低減に効果を出した11 年に「異常品処

置点検」のしくみと活動を強化し人的要因での不良流出低減につなげた12 年には「メ

ンテナンスレポート」「故障内容分析シート」の活用により設備管理の強化と故障診断

技術が向上したまたモラル向上を目的とした「New 5S活動」「AK評価活動」をし

くみ化した その結果品質不良の対策と水平展開が強化され再発不良が減少したまた異常

品処置作業の標準化とその教育の強化によりルールが「守りにくい守れない守ら

ない」など人に起因する不良流出が減少した

6312 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6313 活動の経過省略 6314 日常管理のしくみ省略

継続的な品質不良撲滅活動とモラルの高い人材育成により「良い品を早く安く」の完

遂を図る

基 本 的 な 考 え 方

(1) 品質不良の真因追究と是正のしく

みは強化されたが再発不良対策と

水平展開が弱かった (2) 設備保全のしくみは強化された

が故障停止時間の低減までは至ら

なかった (3) 作業標準と道場教育による人材育

成は強化されたがルール不遵守に

よる品質不良対策が弱かった

(1) 品質不良是正のしくみ及び異常品

処置作業の強化により顧客先品質

不良を低減する (2) 設備故障分析の強化により設備診

断技術を向上し故障停止時間を低

減する (3) 定量化した作業標準の作成と教育

のしくみ化によりモラルの高い人

材を育成する

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 40 ―

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 22: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

6315 実施状況

(1) 是正のしくみと異常品処置作業の強化による品質不良の低減 デミング賞受審時は発生した不良に対し是正処置のしくみはできたが真因追究

と対策が弱く不良が再発していた デミング賞受賞後10 年に「三現主義探求シート」「真因追究シート」「業務要件シー

ト」により真因追究のしくみを強化しさらに「再発不良詳細シート」により良品

条件の見直しを行い「自工程完結活動」を強化した11 年には「異常品処置訓練」から

「異常品処置点検」の標準化ができ「key-Pointマトリックス」により理解

度を定量評価することで異常品処置ミスに起因する不良流出に効果を出した その結果品質不良低減活動の強化により顧客先及び工程内不良件数が低減した

(2) 設備故障分析の強化による突発故障停止時間の低減 デミング賞受審時は設備管理のしくみは充実し故障件数は低減したが設備故障診

断技術が弱く故障停止時間の低減に至らなかった

デミング賞受賞後設備保全を「メンテナンスレポート」に記録突発故障は「故障

内容分析シート」により故障分析と再発防止につなげたさらに再発故障及び重大故障

は「PM分析表」により設備改善を行い「MP情報」として新規設備に反映した

その結果保全技術の向上により設備診断技術が向上し故障停止時間が低減した

(3) 定量化した作業標準と教育によるモラルの高い人材の育成

図 6312 品質不良是正のしくみと異常品処置作業の強化

三現主義探求シート 真因追究シート

業務要件シート

顧客先不良発生

①現状把握

②真因追究

不具合対策報告書

③合同宝の山市にて報告

再発不良詳細シート

業務要件シート確認

⑤再発不良詳細シート

④業務要件シート作成

P異常品処置点検計画

D点検実施

C異常品処置点検結果

A筆記テスト

検 点検計画書

シート有 シート無

製造現場

自工程完結推進室

三現主義に基づ

き現状を把握

深堀型真因追究に

より真の要因が

抽出できた

① ② ③

④ ⑤

合同宝の山市

要素作業ごとに

良品条件の洗い

出しを実施

良品条件を是正した

ことにより再発不

良の低減ができた

異常品処置点検 D

筆記テスト

合同宝の山市開催

により再発不良

の低減ができた

A 点検結果 C

異常品処置点検によ

り異常品処置スキル

が向上した 不合格者は訓練と

筆記テストを実施

― 41 ―

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 23: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

デミング賞受審時は作業標準の整備と「道場教育」により人材育成を標準化したが

躾に関する教育が弱くルール不遵守による不良が流出した

デミング賞受賞後「作業手順書」を「レシピ」に細分化し更にカンコツ作業の定量

化とその教育を強化したまた「New5S活動」と「AK活動」を運用し褒める評価活

動により人材教育の強化を行った その結果個々のスキルアップとモラルの高い人材育成の強化につながった

6316 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① 品質不良是正のしくみ向上により自工程完結活動のPDCAが回った ② 設備故障の分析力向上により保全技能の弱点が明確になった ③ カンコツ作業の定量化により段取り教育の標準化が進んだ

6317 今後の進め方

(1) 品質不良是正の活動と自工程完結活動の連携により顧客先不良ゼロを目指す

(2) TPM活動の推進により予防保全を強化し故障させない設備管理を行う

(3) レシピの他工程への水平展開によりカンコツ作業の標準化を図る

0

200

400

600

800

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

60

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

000

005

010

015

020

2009 2010 2011 2012 (年度)

顧客先流出不良率

(ppm)

図 6313 顧客先流出不良率(製造要因)

5S評価点

図 6316 5S評価点

(h)

突発故障停止時間

再発不良件数

(件)

良い

良い

図 6314 再発不良件数(製造部要因)

(点)

図 6315 突発故障停止時間

良い

設備故障分析力強化により突発故障停止時間が低減した

モラルが高い人材が増加したことにより5S評価点が向上した

異常品処置と是正のしくみ強化により顧客先流出不良率が低減した

業務要件シートを見直すしくみが回ったことにより再発不良件数が低減した

0 ~ ~

0

良い

― 42 ―

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 24: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

632 継続的改善

6321 概 要

デミング賞受審時は基礎的なQC手法教育に重点を置きトップ主導の 4 つの改善

活動を中心に計画的に推進してきたしかし活動は活発であったが各改善活動の

役割と相互の関係が明確ではなくまた会社方針を達成するための改善活動のしくみ

が弱かった デミング賞受賞後は10 年はグループ会社の「QCC活動」の強化を図ったまた

社内外でのQC教育の充実による要因解析力の強化により改善レベルの向上を図った

11 年は「TQMセミナー」「MBR活動」により職制のQC手法改善活動の強化を

図ったまた「継続的改善体系図」を見直し4 つの改善活動の役割と相互関係の明確

化を図った12 年は「TQMマイスター」制度の創設によりQC教育を充実したま

た「改善テーマ設定書」の活用強化による 4 つの改善活動の目的と考え方の周知により

全社一体の改善活動の充実を図った その結果継続的改善機能評価点e-QCC活動改善効果金額改善テ-マ解決件

数統計的手法活用事例数創意くふう提案件数QC検定 2 級取得者数が増加した

6322 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6323 活動の経過省略

6324 継続的改善のしくみ省略

(1) e-QCC活動に職場間格差があ

りグループ全社が一体となった活

動が弱かった (2) 4つの改善活動の役割相互関係が

明確ではなく会社方針の達成との

つながりも不明確だった (3) 基礎QC教育が中心だったため

高度な技術習得につながる要因解析

力が向上しなかった

全社一体となった継続的改善活動の推進としくみ強化により改善活動を通じた人材

育成と会社方針達成につながる改善のしくみを実現する

(1) e-QCC活動の水平展開としく

み強化によりグル-プ全社が一体

となった改善活動を実現する (2) 改善活動の目的と考え方を明確に

して全社展開することにより改善

活動を強化する (3) QC手法の教育充実と改善活動へ

の活用拡大により要因解析力を強

化する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 43 ―

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 25: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

6325 実施状況

(1) e-QCC活動推進による全社一体となった改善活動の実現 デミング賞受審時はe-QCC活動を推進していたが活動レベルに著しい職場間

格差が生まれ改善の効果金額も一時低迷し活動も一部にはマンネリ感がみられた

デミング賞受賞後はグループ会社の「QCC活動」の支援により「TQM大会」へ

参画させたまた社内の活動では「推進事務局」を設置し「QC委員会」による活動

のチェックフォローにより活動の活性化を図った その結果e-QCC活動改善効果金額が再び向上した

(2) トップによる継続的な評価としくみ充実による改善活動の強化 デミング賞受審時は4 つの改善活動を推進していたが活動の役割と相互関係が明

確ではなく会社方針とのつながりも不明確だった

デミング賞受賞後は「継続的改善体系図」の見直しと「改善テーマ設定書」の活用の

強化により活動の充実を図ったまた「MBR活動」による職制の改善活動の強化に

より会社方針の達成とのつながりがより明確になった その結果継続的改善機能評価点も向上した

図 6322 4 つの改善活動による継続的改善活動充実のしくみ

TQMトップ点検 TQM大会

改善開発発表会 創意工夫提案

トップによる継続的な評価により活動が維持向上された

目的は職場の小改善情報を全社へ共有化

グループ会社の参画により活動が活性化された

創意工夫提案用紙

改善前 改善後

                                                      2012年  8月 30日 テーマ     硬度データ化 部署名                                      氏名  原田 聖弘        製造部 製造2課

今まで硬度記録は手書きで行っていた月に紙だけで1000枚使用しているさらに不具合が出た際にはその膨大な紙の中からデータを探す事になり大変であるその為改善を行った

硬度データをパソコンで打ち込むだけで記録が取れるようにした1件

入力したデータをエクセルで出せるようにし検索を簡単に出来るようにした1件

測定結果が簡単に確認できる様に炉別で確認できるようにした1件

硬度データを登録し品番を入れるだけでその製品の硬度規格が出るようにした1件

硬度が規格内かどうか自動判定させるようにした1件

12点   300円

12点   300円

12点   300円

9点   100円

9点   100円

10 件1 人月を継続的に維持達成

部署単位の

改善活動

e-QCC

活動

小改善

活動

創意工夫

提案活動

上位方針

職場の問題点課題

改善活動 継続年数 実施回数

e-QCC活動(旧QC活動) 47年 59回 1407件

TQMトップ点検(旧トップ点検) 15年 193回 1220件

改善開発発表会 14年 101回 1944件

安全5Sトップ点検 5年 39回 235件2013年3月現在

改善テーマ解決件数

改善活動の歴史(トップによる継続的な点検評価)

― 44 ―

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 26: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

(3) QC手法の教育と充実による要因解析力の強化 デミング賞受審時は基礎的なQC手法の教育が中心だったため統計的手法を活用

した活動事例も一部の限られた部署でしかなく要因解析力が弱かった

デミング賞受賞後「TQMマイスター」制度の創設による「TQM道場」を強化お

よび「ベーシックコース」などの社外講習の活用によるQC手法統計的手法の教育の

強化推進により要因解析力の強化を図った

その結果QC検定 2 級取得者数が増加し統計的活用事例も増加した

6326 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果 ① グループ会社の「QCC活動」によりグループ全体での改善意欲が向上した ②「改善テーマ設定書」活用強化により会社方針とのつながりが明確になった ③ 「TQMマイスター」制度創設により社内のQC教育が充実した

6327 今後の進め方

(1) 職制の関与を強化し職場間格差の是正により全社一体での活動を促進する

(2) 「改善テーマ設定書」の達成度向上により会社方針達成度の向上につなげる (3) 統計的手法の活用者の増員により要因解析力を強化する

40

50

60

70

80

90

2009 2010 211 2012 (年度)

150

200

250

300

350

2009 2010 2011 2012 (年度)

80

100

120

140

160

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012 (年度)0

50

100

150

200

250

3002級

3級

4級

累計

目標

2

25

3

35

4

2009 2010 2011 2012 (年度)

継続的改善機能別評価点

(点) e‐QCC活動改善効果金額

図 6324 e-QCC活動改善効果金額

(人)

QC検定取得者数

(万件)

しくみ要因解析力の強化により評価点が向上した

活動のチェックフォローの強化により改善効果金額が再び向上した

継続的な改善活動により維持向上された

図 6325 創意工夫提案件数 図 6326 QC検定取得者数

(百万円) (件)

10年から運用開始

改善テーマ解決件数

解決件数 効果金額

改善テーマ解決件数 図 6323 継続的改善機能別評価点

0 ~ ~

(人) QC検定取得者数(累計)

創意工夫提案件数

0 ~ ~

0 ~ ~

震災により試験中止

良い

良い

良い

良い

― 45 ―

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 27: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

64 管理システムの構築

641 品質保証

6411 概 要

デミング賞受審時は「合同宝の山市」など品質向上活動「なぜなぜ勉強会」による

真因追究力強化により品質不良件数は低減したが対策のフォローと水平展開が十分

でなかったため再発不良を撲滅することができなかった

デミング賞受賞後10 年は未然防止として「自工程完結活動」で 6 万件の良品条件を整

備し再発を撲滅するため「鳥の目集計表」で攻め所を明確化し「対策内容確認パト

ロール」で 3 現主義による効果確認を実施した11 年は「トヨタ品質管理優秀賞」受賞

を目標とした品質向上活動の充実と活性化により品質不良低減を図ったまた「デイ

リー宝の山市」での迅速な情報展開と暫定処置を実施し「水平展開マップ」により対

策を確実に水平展開できるようになった12 年は顧客に対してこれらの活動を工場へ

招聘し現地現物で活動をアピールする「品質CS招聘」により品質向上活動の更なる

活性化と顧客満足度向上を図った

その結果工程での品質の造り込みと未然防止再発防止が強化され再発不良を主

とした品質不良を低減できたまたトヨタ品質管理優秀賞を 2 年連続受賞できた

6412 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

6413 活動の経過省略

6414 品質保証のしくみ省略

工程品質管理のしくみを強化することにより不良の未然防止再発防止流出防止

を図り製品の品質を保証する

基 本 的 な 考 え 方

(1) 自工程完結活動の進捗状況にはグル

ープ間で大きな差があり推進フォロー

も十分ではなかった

(2) 真因追究力を高める活動はできてい

たが対策効果の確認水平展開の活動

が十分ではなかった

(3) 顧客先流出不良は見える化でき対

策し低減できたが工程内不良の低

減活動が十分ではなかった

(1) 自工程完結活動を強力かつ全社的に

推進することにより顧客先流出不良の

低減を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活

動を強化することにより再発不良の低

減を図る

(3) 品質不良全体を俯瞰し攻め所を

明確にすることより工程内不良の低

減を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 46 ―

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 28: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

6415 実施状況

表 6411 の活動の内容を詳述すると次のとおりである

(1) 自工程完結活動推進強化による顧客先流出不良の低減

デミング賞受審時は自工程完結活動がやっと全社一丸となって進みだした時期で

あり活動推進力が弱かったため自工程完結率が計画どおりには上がらなかった

デミング賞受賞後「JK教材」を使用した「JK道場教育」を実施したことにより

自工程完結率が増加し「転造作業標準化PJ」では良品条件での作業標準を作成した

その結果ねじ不良を主とした顧客先流出不良が低減した

(2) 合同宝の山市活動充実による再発不良の低減

デミング賞受審時は標準作業遵守水平展開力が弱く再発不良が低減できなかった

デミング賞受賞後「水平展開マップ」で確実な対策の水平展開を実施し「対策内容

確認パトロール」で 3 現主義による対策効果の確認「風化防止確認」により対策の維持

継続を確認したまた「Walk ラリー」で標準作業遵守を徹底した

その結果加工不良を主とした再発不良が低減した

図 6412 合同宝の山市充実のしくみ

(3) 品質鳥の目活動による工程内不良の低減

合同宝の山市

品証

製造(全工場)

技術

多角的視点で評

価することによ

り対策内容をブ

ラッシュアップ

する

苦情報告書

デイリー宝の山市

情報の共有と対策の迅速

化 不良情報を即日展開

することにより暫定処

置の迅速化が図れた

本社工場 三好工場 藤岡工場

真因追究シート

不具合対策報告書

製品加工 times空打ち時設備が停止しなかった

チャックセンサーが反応しなかった

センサー位置がズレて

いた

センサー締め付けボルトが緩んだ

水平展開

水平展開マップ ④

水平展開会議マッ

プにより確実な水

平展開ができた

対策効果確認

パトロール

生管

風化確認記録 ⑤

対策内容を現地現物で

確認することにより

再発防止を図る

Walkラリー

Walkラリー活動表 ⑥ 現 場 で 作 業 確

認 す る こ と に

より標準の遵

守 徹 底 が 図 れ

なぜなぜ分析をすることにより発

生流出真因を追究することができた

― 47 ―

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 29: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

デミング賞受審時は品質不良を全体的に俯瞰できておらず攻め所が不明確であっ

たため効果的対策が不十分で工程内不良が撲滅できなかった

デミング賞受賞後「鳥の目集計表」で攻め所と関所を明確にした「混入撲滅活動」

では混入要因重点対策を実施し「変化点管理」で変化点時不良の未然防止をまた「New5

S活動」「AK評価活動」により人的要因による不良低減を図った

その結果混入不良を主とした工程内不良が低減した

6416 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 良品条件判断基準を明確にしたことにより作業の標準化が進んだ

② 「合同宝の山市」が顧客から表彰されたことにより活動が活性化した

③ 不良の全体像を見える化したことにより攻め所が明確になった

6417 今後の進め方

(1) 全作業を良品条件で行うことにより顧客先流出不良の撲滅を図る

(2) 合同宝の山市を核とした品質向上活動充実により再発不良の撲滅を図る

(3) 鳥の目魚の目虫の目で見た分析対策により工程内不良の撲滅を図る

200

300

400

500

600

700

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件)

2009 2010

2011

2012

0

7

14

21

28

35

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

9

18

27

36

45

2009 2010 2011 2012 (年度)

(PPM)

顧客先流出不良件数

再発不良件数

図6413 顧客先流出不良件数

工程内不良率

図6415 再発不良件数

A社不良率

図6416 工程内不良率

自工程完結活動推進強

化により顧客先流出

不良件数が減少した

対策フォロー水平展

開強化により再発不

良件数が減少した

攻め所を明確にし対策し

たことにより工程内不

良率が低減した

真因追究力の強化により

顧客先流出不良率が減少

し評価点が増加した

0

02

04

06

08

1

12

(PPM)

50

56

62

68

74

80

(点)

A社不良率 A社評価点

A社評価点

(年度) 図6414 A社不良率評価点

良い

良い

良い

良い

良い

0 ~ ~

― 48 ―

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 30: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

643 販売管理 6431 概 要

デミング賞受審時は顧客招聘活動で来客者は増加したが情報収集力が弱く市場ニ

ーズや顧客の困りごとなどの情報を十分把握できなかったまた営業活動においては

定型的な日常活動はできたが営業方針の達成のための重点営業活動が弱かった今後

はグローバル化による競争力の激化でさらなる販売活動のしくみの強化が必要である デミング賞受賞後困りごとや精度の高い情報を収集し迅速な意思決定を活かし販

売活動のしくみの強化を目指すそのために顧客先でのプレゼンテーションや招聘活動

を実施し「お客様アンケート」「困りごとシート」「ユーザーカード」で顧客情報を

収集整備したそれを元に「合同営業会議」や「三部署会議」で情報の共有化を図

り戦略戦術を決定したまた「T社出向」「A社出向」による重点顧客への人員派

遣により高い精度の情報を収集し開発につなげることができた同業者と「メイド

ーグループ会」で協力体制を構築し「パートナー活動」でタイアップすることにより

効率的な販売活動ができたそして「敗戦分析シート」で受注阻害要因を分析し「New

ランクアップシート」で活動の見える化と活動結果の評価のしくみを強化した

その結果販売活動のしくみが強化され顧客からの情報を開発につながることがで

きるようになり売上の拡大を図ることができた

6432 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである 6433 活動の経過省略

6434 販売管理のしくみ省略

(1) 招聘活動による情報収集力が弱い

ため有効な情報を得られなかった

(2) 営業活動のしくみが不十分のた

め売上げに結びつかなかった

(3) 販売活動の結果の評価が弱いた

め受注拡大につながらなかった

顧客招聘活動でメイドーファンを増やし販売活動のしくみ強化と活動結果の評価に

より売上の拡大を図る

(1) 顧客招聘活動の有効活用により

顧客の困りごと情報の増加を図る

(2) 重点営業活動のしくみの構築によ

り売上の拡大を図る

(3) 販売活動結果の評価の構築によ

り受注件数の拡大を図る

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 49 ―

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 31: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

6435 実施状況

(1) 招聘活動の活用による顧客の困りごと情報の増加

デミング賞受審時は有効な情報収集展開が弱く開発につなげることが弱かった デミング賞受賞後10 年に「お客様アンケート」の改善や「困りごとシート」により

困りごとなどを組織的に情報収集する体制を整備した11 年には「三部署会議」開催に

より情報共有の強化を図った12 年は「出向者管理者会議」を開催しお客様の潜在

情報を収集したそして顧客の困りごと報告を「合同営業会議」で展開しその活動

を評価するしくみを作り迅速な営業活動ができるようになった その結果精度が高い情報を早期に収集し開発につなげ受注が増加した

(2) 重点営業活動のしくみの強化による売上の拡大 デミング賞受審時は営業活動のしくみが弱く重点的な営業活動が不十分だった デミング賞受賞後「ユーザーカード」を進化させ顧客の業務フローや顧客の攻め方

を明確にし顧客ニーズに対応するため重点顧客「A社出向」や重点部品の先行開発品

トライを行い他社に先駆けた活動を行ったまた同業者と「メイドーグループ会」を

結成し「パートナー活動」でタイアップして販売活動するしくみを構築した

その結果重点顧客への販売のしくみが強化でき売上が拡大した 図 6432 重点営業活動のしくみの強化

顧客招聘活動 部門実施計画書

A社出向報告会

営業部年度方針

5-1

コンペチターカード

顧客プレゼンテーション

ユーザーカード

A社出向にて学んでいる事

開発先行トライ

難形状精密冷鍛品

顧客のニーズを掴むこ

とにより人材出向や

先行開発を一緒に進め

受注を増やした

顧客プレゼンや招聘活動の

結果により顧客の攻め方

や業務フローを明確にし

招聘やプレゼンテーシ

ョンを行うことにより

各部署の情報を収集し

― 50 ―

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 32: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

(3) 販売活動結果の評価のしくみ構築による受注件数の増加

デミング賞受審時は販売活動結果の評価が弱く今後の受注拡大につながらなかった デミング賞受賞後販売活動結果の評価の向上を図るため 10 年に「活動テーマシー

ト」で結果の見える化をし「部課長連絡会」で結果の評価をした11 年は「敗戦分析

シート」を改善し受注阻害要因を分析した12 年は「勝因分析シート」で成功要因分析

も実施し「New ランクアップシート」で活動結果の評価を見えるようにした その結果販売活動をパターン化して効果的な活動ができ売上が拡大した

6436 効 果

有形無形の効果は次のとおりである (1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 招聘活動による工場見学増加により信頼性のあるモノ造りをアピールできた

② 重点営業活動のしくみの構築により付加価値の高い製品検討が増加した

③ 販売活動結果の評価により販売活動のプロセスの重要性が理解できた

6437 今後の進め方

(1) 顧客の困りごとを分析し提案力を強化して新分野への拡販につなげる

(2) 重点営業活動の強化によりグローバルでの拡販につなげる

(3) 販売活動結果の評価により顧客別成功をパターン化させ受注拡大を図る

0

10

20

30

40

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

15

30

45

60

75

2009 2010 2011 2012 (年度)

(件数)

0

250

500

750

1000

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

招聘による新規受注金額

図6434 招聘による新規受注金額

図6434 重点顧客売上金額

重点顧客売上金額

体系化された営業活動により売上が向上した

招聘による新規受注件数

図6435 招聘による新規受注件数

困りごとからの受注件数

図6433 困りごとからの受注件数

有効な情報収集により困りごとからの受注件数が増加した

敗因勝因の分析強化より受注件数が増加した

0

300

600

900

1200

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百万円)

販売活動のパターン化より新規受注金額が向上した

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 51 ―

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 33: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

ITインフラの強化と再構築によりより高度なIT技術を活用したリアルタイムな

情報収集と公開のしくみを実現し情報の分析力の向上を図る

65 品質情報の収集分析とIT活用 651 概 要

デミング賞受審時はグループウェア「MTOS」などの導入運用などによる情報

共有の推進を中心にIT活用を行ってきたまた社内ネットワークを活用した「品質

イントラネット」を構築し品質情報の見える化を実現したしかし情報収集のしく

みが弱かったことハードウェアおよびソフトウェアの面でのITインフラが脆弱であ

ったことなどによりシステムの運用活用が滞ることが多かった

デミング賞受賞後はITインフラの不備脆弱さを見直しハード面では「基幹光

ネットワーク」の再構築によるネットワークの安定性向上「仮想サーバー導入」によ

るデータ共有基盤の強化を行ったソフト面では生産準備業務見直しを柱とする「ユニ

コーン」構築によるマスタ連携の強化および「メイドー情報検索システム」導入による

情報検索の迅速化製品トレーサビリティの向上と生産リードタイム 24 時間の実現を

ねらった「新生産管理システム」の再構築などを実施し安定したシステム運用と情報

の活用が可能になった

その結果各システムの連携が強化され会社の基盤となる実績情報が安定したI

Tインフラ環境により経営層から従業員まで提供されることとなった

652 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

653 活動の経過省略

654 品質情報の収集分析とITの活用のしくみ省略

(1) 情報の共有を行うための十分なイン

フラ環境が整っておらず共有情報の利

便性が低い状況になっている

(2) 限定したIT技術の活用は進んでい

るがデータの連携性が低いため無駄な

工数が発生している

(3) 品質情報を収集するしくみが十分で

ないため品質向上活動に必要な分析お

よび処置が施されていない

(1) ITインフラの利用環境の再整備と

IT技術の導入により情報の共有化を

進化させる

(2) IT技術の活用により社内外情報を

一元管理することで業務品質の向上と

効率化を図る

(3) ITを活用した品質情報収集分析の

しくみ構築と分析手法の導入により分

析力向上を図る

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

基 本 的 な 考 え 方

― 52 ―

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 34: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

655 実施状況

(1) ITインフラの高度化とIT環境の整備によるシステム化の推進

デミング賞受審時は09 年には「MTOS」による共有化を推進したが利用者が限定

通信インフラが弱いなどシステム化を推進するにはIT環境が脆弱であった

デミング賞受賞後は11 年に「基幹光ネットワーク」の再構築による通信品質の向上

12 年に「メイドーポータルサイト」構築による共有化基盤の強化またIT教育の推

進を図るために「ITマイスター」により人材育成を行った

その結果ITインフラの整備が進み情報の円滑な活用とシステム化の推進が図れた

(2) 情報の一元管理共有化による業務品質の向上と効率化

デミング賞受審時はデータ連携において精度が低いリアルタイムではないこと

などにより業務効率改善活動が充実していなかった

デミング賞受賞後はリアルタイムな情報収集を実現するため11 年には「資材発注

システム」「倉庫管理システム」の構築を行いデータ連携および情報品質の向上のた

め12 年には「ユニコーン」導入により主要マスタの一元管理化を図った

その結果業務工数を大幅に削減し業務品質の向上と作業の効率化が図れた

図 652 情報の一元管理のしくみ

(3) IT活用による品質情報の収集分析のしくみ作り

デミング賞受審時はリアルタイムな品質情報の収集が行われておらず事後的な情

報収集のしくみであったため未然防止の品質活動に活用できていなかった

生準指示

仕 入

製品M

工程M

工程設計 生産 受注 顧客先

図面

設備M

材料M

仕入先M

顧客先M

受注

材料発注システム 生産管理システム 倉庫管理システム

図面

顧客先図面

社内図面

作業指導票

顧客先図面

型図面

規格書類

作業指導票

社内図面

型図面

材料トレサビ 生産トレサビ 出荷トレサビ

ドキュメントの一元管理

ユニコーン

品質トレーサビリティ

MILS

マスタの一元管理により情報品質が向上した

客先情報の展開により欠品の未然防止ができた

社内図面

顧客先 図面

指示

出荷 入庫 出庫 生産 完成 入庫 出庫

マスタ情報の一元管理

改善事例

TQMトップ点検

e-QCC

安全5Sトップ点検

改善開発

e-QCC

TQM トップ点検

発注

ドキュメントのライブラリー化により検索工数が削減された

― 53 ―

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 35: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

0

5

10

15

20

25

30

35

40

2009 2010 2011 2012

(件)

((年度)

デミング賞受賞後は10 年に「鳥の目集計表」により分析力向上を図り現場からリ

アルタイムな情報収集を図るため「完成品検査システム」12 年に「硬度DBQFD」

などのシステム導入により膨大な品質情報を素早く取り出せるしくみを構築した

その結果品質情報の収集に掛かる工数が大幅に削減され品質活動に対し多角的な

分析データを提供することができた

656 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① ITインフラの再構築により情報活用の利便性が高まった

② 基幹システムの構築再構築により効率的なデータ活用が可能になった

③ 品質情報のDB活用によりデータによる品質向上活動が推進された

657 今後の進め方

(1) 情報セキュリティに裏付けられたオールメイドー情報共有基盤を構築しより一層

迅速な情報提供ができるようにする

(2) 情報マネジメント管理の強化によりさらなる業務効率の向上を図る

(3) 品質情報収集のしくみの強化により真因の分析力向上を図る

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2009 2010 2011 2012

(千件)

(年度)

2

4

6

8

10

12

14

2009 2010 2011 2012

(千H)

(年度)

0

5

10

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

システムの構築により欠品件数が減少した

収集 のし くみ構築により品質情 報収 集件数が増加した

IT化の推進により工数削減時間数増加した

マイスター認定者数

図655 集荷欠品発生件数

図 653 システム開発件数

IT化による工数削減時間数

品質情報収集件数

図654 IT化による工数削減時間

図656 品質情報収集件数

0 ~ ~

システム開発件数

集荷欠品発生件数

0 ~ ~

ITインフラの 整 備 に よりシステム開発件数が増加した

良い

良い

良い

良い

― 54 ―

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 36: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

66 人材の能力開発 661 概 要

デミング賞受審時は教育訓練に関して全社的な教育体制が整備されたもののQC7

つ道具などの知識に関する従業員間のばらつきなど六角塾道場教育のカリキュラムを

さらにブラッシュアップする必要があったまた加工技術などのノウハウ伝承の仕組

みが弱くOJT教育も各部署任せとなっていた

デミング賞受賞後メイドー人材育成システムをブラッシュアップし「グローバルチ

ャレンジ人材評価」により基準を明確にし不足している「語学教育」や「監督者教育」

に力を入れ国内外で活躍できる人材を育成してきたまた六角塾各道場で「マイスタ

ー」を養成し「六角塾道場教育」において「冷間塾」「ねじ転塾」を開講して技術技

能伝承教育の仕組みを確立し体系的に技能の伝承向上を進めてきた「OJT実施要

領」「OJTハンドブック」を整備し「作業手順書」「業務虎の巻」を教材として体系

的にOJTを実施してきたさらに「個人スキル評価」によりスキルの把握向上の推

移がわかるようにした

その結果技術技能の伝承が進み会社のグローバル展開に対応できる能力を備え

た人材が育成できた

662 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

663 活動の経過省略

664 人材育成のしくみ省略

(1) 教育訓練体制は整備されたが機

能的に不十分なところもあった

(2) 加工技術技能のノウハウが個人

レベルで蓄積されており伝承教育が

十分にできていなかった

(3) OJT教育が各部署まかせになっ

ており体系的に実施されていなか

った

人材育成に関する総合的なしくみをブラッシュアップし有効な教育訓練の実施によ

りメイドーに貢献できる人材を育成する

(1) メイドー人材育成システムのブラ

ッシュアップにより国内外で活躍

できる人材を育成する

(2) 六角塾を中心とした技術技能伝

承教育により技術技能レベルの

向上を図る

(3) 体系的なOJTにより個人スキ

ルを向上させ会社に貢献できる社

員を育成する

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 55 ―

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 37: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

665 実施状況

(1) メイドー人材育成システムの整備とグローバル人材の育成

デミング賞受審時は「教育訓練規定」を定めて人材育成を進めてきたがニーズや目

標が不明確で上手く機能していない部分があった

デミング賞受賞後はグローバル人材の育成を目標に 11 年には「語学教育」を 12 年

には「監督者教育」を実施し語学力やマネジメント力の向上を図ってきたまた「グ

ローバルチャレンジ人材評価基準」を設け教育の成果を定量的に把握できるようにした

その結果会社目標の達成に貢献できる人材を育成できた

(2) 六角塾道場教育による技術技能レベル向上

デミング賞受審時は保全技能向上教育が中心でモノ造りの技術技能の向上など総合

的な技術技能伝承教育がおろそかになっていた

デミング賞受賞後10 年には「マイスター制度」を整備し11 年からは「六角塾」の

中でも特に「モノ造り道場」での教育に力を入れ「冷間鍛造」「ねじ転造」「自主保全」

「計測」などマイスターによる技術技能の向上やノウハウの伝承を行ってきた

その結果加工基本スキル製品測定能力などのスキルが向上した

図 662 六角塾道場教育による技術技能レベル向上のしくみ

充実したオリジナル教材理解度テスト

教育委員会

個人スキル評価結果のまとめ

全社平均点 25 点(2010 年)

rarr277 点(2012 年)

教育構造図

年間講座一覧表

道場教育実施

期末反省

スキル評価

充実したオリジナル教材理解度テスト

六 角 塾 道 場

安全道場

品質道場

モノ造り道場

TQM道場

TPM道場

IT道場

教育構造図

期末反省書

六角塾教育がブラッシュアップされたことで従業員のスキルが向上した

インストラクターマイスター制度

インストラクター 15名

マイスター 42名

マイスター制度実施要領

1 目的

このマイスター制度は当社のもの作り

に必要不可欠な高度な技術技能を持つ従

業員をマイスターとして認定し業務の質

の向上と技術技能の伝承を目指すもので

ある

頁 17

六角塾

TQM道場 品質道場 モノ造り道場

冷間塾

熱処理転塾

ねじ転塾

自工程完結

計測講座

統計的手法

QC7つ

道具

年間講座一覧表

講座名 内容

冷間ベーシックコース 1 「かんば

冷間ベーシックコース 2 「金型の

冷間ベーシックコース 3 「操作の

冷間エキスパートコース 1 座学

モノ造り道場講座一覧表

個人スキルカルテ

年間受講者延べ1600名

年間150講座を実施 認定されたインストラクターマイスターが教育を行うことで教育内容が標準化され質も向上した

冷間鍛造機ベーシックコース

目次

7 項目 33 頁

A金型の取り扱い

LV1 名称金型構造

Lv2 必要金型の選定と交

LV3 芯合わせ隙間調整

LV4 金型劣化の発見

B材料の取り扱い

C製品加工寸法出し調整

Dポカよけ異常検出装置

E品質チェック

プログラム金型の取り扱い

レベル 芯合わせ隙間調整A Lv3

【芯あわせ】

写真のAを左回り(反時計回り)に回すことでパンチブロックは( ① )へ動く( ② )へ動かしたい場合はAを右回り(時計回り)に回す

【調整方法】2パンチの芯合せ

【隙間(クリアランス)調整】

【新規金型の払い出し】

新規金型を工具室から払い出す時は ( ⑩ )を記入し持ち出す事

【払出伝票記入方法】

1払い出す日付を記入2払出者欄に名前を記入3使用する設備番号を記入4金型に刻印されている型番注番を記入5使用個数を記入6使用工程にを付ける7払い出す金型の種類にを付ける

記入後は指定された場所へ必ず提出する事 (提出し忘れると金型の( ⑪ )が掛からない為  ( ⑫ )してしまい生産が出来なくなってしまう)  記入間違え忘れが無い様注意する事

正常 異常

パンチを矢印方向へ動かす

パンチブロックを( ③ )へ動かしたい場合はBを左回り(半時計回り)に回し( ④ )へ下げたい場合は右回り(時計回り)に回す

カッターナイ

カッターダイ

材料

カットクリアランス(カッターナイフとカッターダイの隙間)約( ⑤ )に調整

~Point①~

切断面形状不具合にて発生し得る不良

切断のバリ

切断のキズ

切断の段差

切断のダレ

材料ワレキズ 材料矯正 カッター摩耗

クリアランス不備 チャック摩耗 ストッパー摩耗 送り量不備

~Point②~

切断面形状不具合時の確認箇所

先 後作業手順

T11 158D2D 90119-0000-TA

00

明道

切断面形状 製品に起こる不具合

切断のバリ ( ⑥ )  圧痕

切断のキズ ( ⑥ ) 

切断の段差 (  ⑦  )(  ⑧  )

切断のダレ ( ⑦ )頭部面ダレ( ⑧ )

オリジナルのカリキュラム教材理解度テストを講座の教育3点セットとした

モノ造り道場

安全道場

IT道場

67件のオリジナル教材を整備

個人スキルカルテ 3 月実施 10 月実施

マイスターが講師となり教育を実施した たのもうシステム

講座への参加者募集にはたのもうシステムが活躍している

― 56 ―

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 38: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

図663 グローバルチャレンジ人材数 図 664 六角塾修了者数

図 665 個人スキル評価点

六角塾修了者数

(3) 体系的なOJTによる個人スキルの向上

デミング賞受審時は「OJT」が部署任せになっており体系的なしくみがなかった

デミング賞受賞後10 年には「OJT実施要領」「OJTハンドブック」を整備し

体系的にOJTを実施できるしくみを構築した11 年から直接部門は「作業手順書」「レ

シピ」間接部門は「業務虎の巻」を整備して作業の標準化を図りこれらの教材を活用

してOJT教育を実施したまた「個人スキル評価」によりスキルの評価を実施した

その結果従業員の「個人スキル」が向上し会社全体のレベルアップにつながった

666 効 果

有形無形の効果は次のとおりである

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果

① 求める人材像と教育の明確化により従業員の教育に対する意識が向上した

② ベテラン従業員の技能や経験の活用により伝承教育が活発になってきた

③ OJT教育が体系化されたことによりOJTの質が向上した

667 今後の進め方

(1) 教育システムをさらにブラッシュアップし「業界 No1 人材」を育成する

(2) 「六角塾道場教育」の更なる充実により国内外で通用する従業員を育成する

(3) OJT指導者のスキル向上を図りOJT全体の質をさらに向上させる

0

20

40

60

80

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

500

1000

1500

2000

2500

2009 2010 2011 2012

(人)

(年度)

0

1

2

3

4

5

2009 2010 2011 2012

(点)

(年度)

0

30

60

90

120

150

2009 2010 2011 2012

(件)

(年度)

グローバルチャレンジ人材数

個人スキル評価点

ニーズに応じた質の高い教育により高い修了者数を維持している

ブラッシュアップされた教育体制によりスキル評価点が向上した

OJT実施件数

図666 OJT実施件数

しくみ整備によりOJT実施件数が向上した

マネジメント教育と語学教育の強化によりグローバルチャレンジ人材数が向上した

良い

良い

良い

良い

― 57 ―

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 39: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

67 安全環境管理 671 概 要

デミング賞受審時はリスクアセスメントによる危険源の抽出低減活動や緊急地震

速報システムによる先取り型の安全環境活動を行ってきたしかし部門によるリスク

評価のバラツキや重要業務の洗い出しがされておらず管理体制が弱かった

デミング賞受賞後は10 年に「あたり災害体感機」による安全体感教育を充実させ

「教育カリキュラム」による教育体制の強化を図った11 年には「RA実務者研修」に

よるリスク評価の精度を向上させ「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」

による情報網の強化を行った12 年には「新RA活動」による危険源の特定活動を強化

し「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管理体制

の強化を図った

その結果PDCAのサイクルにより安全環境活動の管理体制が強化した

BIABusiness Impact Analysis (ビジネス影響度分析)

BCPBusiness Continuity Plan (事業継続計画)

672 活動の重点

デミング賞受審時の問題点と活動の重点は次のとおりである

673 活動の経過省略

674 安全環境管理のしくみ省略

(1) 部門によるリスク評価にバラツキ

があり危険源を網羅的に特定でき

なかった

(2) 産業廃棄物管理のしくみが弱く

処分業者の評価やマニフェスト管理

の改善が進んでいなかった

(3) 重要業務の洗い出しや目標復旧時

間が決定されておらず災害時の業

務復旧体制が弱かった

組織的継続的な改善により災害を未然に防止し社員および関係者の安全と健康維

持疾病予防を図るまた地域の環境に優しい企業を実現する

(1) 安全衛生教育の実施と新RA活動

により評価のバラツキを縮小し

危険源を網羅的に特定する

(2) 産廃業者現地調査票の制定産廃

ソフトにより産業廃棄物の管理体

制の強化を図る

(3) BIAの実施により重要業務の

明確化と業務復旧体制の強化を図

基 本 的 な 考 え 方

デミング賞受審時の問題点 活動の重点

― 58 ―

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

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2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

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2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

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2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 40: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

675 実施状況

(1) 危険源の特定と安全資質の向上によるリスク管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「教育カリキュラム」により安全衛生教育の強化を図り

11 年には「RA実務者研修」によりリスク評価の精度を向上させた12 年には「新R

A活動」により危険源を網羅的に特定し「管理者向け安全講習」により安全資質

の向上を図った

(2) 環境負荷の低減活動による産業廃棄物管理体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「環境マイスター」により環境管理体制を強化し「産

廃業者現地調査票」を制定した11 年には「廃液の場内処理」により産業廃棄物を削減

した12 年には「ショット粉の有償化」により産業廃棄物を削減し「産廃ソフト」に

よりマニフェスト管理体制を強化した

(3) 防災危機管理活動による業務復旧体制の強化

デミング賞受賞後は10 年に「防災品備蓄」により災害復旧体制の強化を行い11

年には「緊急地震速報表示装置」や「安否メールシステム」により情報網を強化した

12 年には「BIA実施」により重要業務を明確化し「防災マイスター」により防災管

理体制の強化が図られた

676 効 果

(1) 有形の効果

(2) 無形の効果省略

677 今後の進め方省略

0

002

004

006

008

01

2009 2010 2011 2012 (年度)

0

10

20

30

40

50

60

2009 2010 2011 2012 (年度)

(百件)

70

80

90

100

2009 2010 2011 2012 (年度)

(点)

15

20

25

30

2009 2010 2011 2012 (年度)

(kgton)

リスク低減活動に

より災害強度率

が低減した

図 674 災害強度率

災害強度率

環境負荷低減活動に

より産業廃棄物原単

位が向上した

図 675 産業廃棄物原単位(材料使用量比)

産業廃棄物原単位

図 673 リスク低減対策件数

組織的な改善活動

によりリスクが低

減された

リスク低減対策件数

耐震対策により

耐震診断評価点

が向上した

図 676 耐震診断評価点

耐震診断評価点

労働損失日数 年間延実労働時間数

times1000

0 ~ ~

0 ~ ~

良い

良い

良い

良い

― 59 ―

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 41: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

7 総合効果

71 有形の効果

経営基本スローガンである「良い品を安く早く」を完遂するため「メイドーウェイ」

を行動指針に全社一体となり経営目標である「業界1 の実現」を目指してTQM活

動を推進してきた結果次のような効果を上げることができた

「メイド-ウエイ」を行動指針に

「業界1」という経営目標を明確にしたTQM推進強化により全社一体の改善

活動が充実しグローバル売上高および中長期経営目標達成度が向上した

TQM推進強化による経営目標の達成

200

250

300

350

400

450

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(億円)

220

240

260

280

300

(億円)

グループ売上高

図711 グループメイドー単体売上高

TQM活動の推進強化により全社一体活動で売上高が向上した

経営目標達成に向けた組織体制の強化のため組織のあるべき姿を機能ごとに明確

化したことにより各機能レベルが向上し組織能力の向上が図れた

あるべき組織の明確化による組織能力の向上

図713 TQM機能別評価点

機能別評価のしくみ充実により組織能力が向上した

10

20

30

40方針管理

販売管理

原価管理

品質保証

新商品開発新技術開発

生産量管理

人材育成

設備管理安全管理

環境管理

調達管理

情報化(IT)

継続的改善

海外事業体管理

標準化

日常管理

良 い

0

20

40

60

80

100

2009 2010 2011 2012 2013(年度)

()

中長期経営目標達成度

図712 中長期経営目標達成度

全社一体TQM活動の充実により達成度が向上した

0 ~ ~

120

150

180

210

240

270

300

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

全社一体のTQM活動により高い改善テーマ完結件数を維持できた

図714 改善活動テーマ完結件数

改善活動テーマ完結件数 0

~ ~

グループ

単体

メイドー単体売上高

~ ~ 0

2012 年 3 月

2013 年 7 月

良い

良い

良い

― 60 ―

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

Page 42: Ⅱ 株式会社メイドー - JUSE · 近年、TQM強化活動で改善活動が活性化し、2010年デミング賞実施賞を受賞した。 規2.1模と沿革 表 規1.1模

72 無形の効果 (1) 経営目標を明確にしたことにより全社一体となったTQM活動が推進できた (2) 組織能力のあるべき姿を明確にしたことにより全従業員へ部門横断の考え方を浸

透することができた

(3) 継続的改善のしくみ強化により改善テーマをやりきる意識が向上した

「A社品質管理優秀賞」受賞の目標を掲げた品質保証機能の強化により顧客先流

出不良件数が減少し「A社品質管理優秀賞」を 2 年連続受賞することができた

品質保証機能強化による顧客満足度の向上

営業力技術力強化に向けたベンチマーク活動を充実させTQMによる組織能力

向上活動により重点顧客の売上高が向上し新技術新商品開発設備開発件数も

向上した

販売管理および新技術新商品開発機能強化による事業拡大

図717 重点顧客売上高伸張率

80

100

120

140

160

180

2009 2010 2011 2012 (年度)

重点顧客売上高伸張率

顧客へ密着した営業活動の強化により売上高が増加した

0

50

60

70

80

2009 2010 2011 2012 2013

(点)

150

250

350

450

550

650

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

(件)

顧客先流出不良件数

図715 顧客先流出不良件数 図 716 A社評価点と受賞状況

自工程完結推進強

化により顧客先

流出不良件数が減

少した A社評価点

0

5

10

15

2009 2010 2011 2012 2013 (年度)

技術開発件数

図 718 技術開発件数

開発のしくみ強化により技術開発件数が増加した

(件)

新技術 新商品

新工法

設備

具体的な目標設定と品質保証機能強化によりA社品質管理優秀賞を連続受賞できた

0 ~ ~

0 ~ ~

C社

B社

A社

0 ~ ~

受賞

受賞

()

2009年度を100とする

良い

良い

良い

良い

受賞

― 61 ―

8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

― 62 ―

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8 将来計画

我々はメイドーの行動指針である「メイドーウェイ」とTQMを管理手法の基本にお

き「企業の発展はそこに働く人の成長がなければできない」というトップの思想を受け

人材育成と継続的改善活動の推進により2020 年度の経営目標であるグループ売上高

1000 億円営業利益 100 億円の実現と長期目標である「ボルト製造業界1」に挑戦する グローバル化が急速に拡大する中国内市場では有望な高精度冷間鍛造品事業分野の

生産販売の拡大を図るシャフト類ギア類などの難形状品の冷間鍛造化を実現し冷

間鍛造品の売上比率を 50に拡大するまたトヨタ自動車の国内生産の縮小が予測され

る中「顧客招聘活動」の強化や重点顧客への「顧客先出向」により顧客に密着した技術

営業活動を深耕することで顧客との信頼度を向上させ新規部品受注新規顧客獲得を

拡大して行く海外市場ではトヨタ自動車の地産地消の考えに追従し「新規海外現地会

社」の設立を加速させるとともに「焼き付き防止ボルト」などの高機能ボルトや高精度冷

間鍛造品を武器に営業活動を展開し日系カーメーカーだけでなくローカルカーメーカ

ーの顧客を開拓するこれらの企業活動の源泉として「モノ造りイノベーション」を進め

「生産リ-ドタイム 24H」と「ベンチマーク製造原価」にも挑戦して行く

図 81 メイドーの将来計画

改善 力

技術 力

T Q

営業力

実行力

開発力

財務力

業界 No1 $

日系 メーカー

海外 メーカー

トヨタ グループ

市場性

難易度

拡大するアジア市場 韓国車の脅威 縮む国内市場

拡大する中国市場 低燃費競争

超低価額車競争

世界的需要 構造変化 モノ造り

イノベーション

生産リード タイム 24H

0

200

400

600

800

1000

1200

00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

2020年 グループ売上計画

【2020年】 日本 500億円 海外 500億円

国内

海外

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