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6 平成 28 年の自殺の状況 ⑴ 平成28年における自殺の概要 平成28年における我が国の自殺の状況につ いて、自殺統計によると(第1-16表)、28年 の自殺者数(第1-16-1表)は2万1,897人 で、前年に比べ2,128人(8.9%)減少した。 性別では、男性が1万5,121人で全体の69.1% を占めた。 年齢別の状況についてみると(第1-16-2 表)、「40歳代」が3,739人で全体の17.1%を占 め、次いで「50歳代」(3,631人、16.6%)、「60 歳代」(3,626人、16.6%)、「70歳代」(2,983人、 13.6%)の順となっている。前年と比べて、 全ての年齢階級で自殺者数が減少している。 職業別の状況についてみると(第1-16-3 表)、「無職者」が1万2,874人で全体の58.8% を占めて最も多く、次いで「被雇用者・勤め 人」(6,324人、28.9%)、「自営業・家族従業 者」(1,538人、7.0%)、「学生・生徒等」(791 人、3.6%)の順となっており、この順位は 前年と同じである。前年と比べて、全ての職 業で自殺者数が減少している。 原因・動機別の状況についてみると(第1 -16-4表)、原因・動機特定者は1万6,297人 (74.4%)であり、そのうち原因・動機が「健 康問題」にあるものが1万1,014人で最も多 く、次いで「経済・生活問題」(3,522人)、 「家庭問題」(3,337人)、「勤務問題」(1,978人) の順となっており、この順位は前年と同じで ある。また、前年と比べて、全ての原因・動 機で自殺者数が減少している。 18 自殺の現状 第1章

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6 平成28年の自殺の状況⑴ 平成28年における自殺の概要平成28年における我が国の自殺の状況について、自殺統計によると(第1-16表)、28年の自殺者数(第1-16-1表)は2万1,897人で、前年に比べ2,128人(8.9%)減少した。性別では、男性が1万5,121人で全体の69.1%を占めた。年齢別の状況についてみると(第1-16-2表)、「40歳代」が3,739人で全体の17.1%を占め、次いで「50歳代」(3,631人、16.6%)、「60歳代」(3,626人、16.6%)、「70歳代」(2,983人、13.6%)の順となっている。前年と比べて、全ての年齢階級で自殺者数が減少している。職業別の状況についてみると(第1-16-3表)、「無職者」が1万2,874人で全体の58.8%

を占めて最も多く、次いで「被雇用者・勤め人」(6,324人、28.9%)、「自営業・家族従業者」(1,538人、7.0%)、「学生・生徒等」(791人、3.6%)の順となっており、この順位は前年と同じである。前年と比べて、全ての職業で自殺者数が減少している。原因・動機別の状況についてみると(第1

-16-4表)、原因・動機特定者は1万6,297人(74.4%)であり、そのうち原因・動機が「健康問題」にあるものが1万1,014人で最も多く、次いで「経済・生活問題」(3,522人)、「家庭問題」(3,337人)、「勤務問題」(1,978人)の順となっており、この順位は前年と同じである。また、前年と比べて、全ての原因・動機で自殺者数が減少している。

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●自殺の現状第1章

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第1-16表 自殺者の年次比較

第1-16-1表 総数 (単位:人)

総数 成人 少年 不詳男 女 男 女 男 女 男 女平成28年 21,897 15,121 6,776 21,300 14,699 6,601 520 354 166 77 68 9

(構成比)(100.0%) (69.1%) (30.9%)(100.0%) (69.0%) (31.0%)(100.0%) (68.1%) (31.9%)(100.0%) (88.3%) (11.7%)平成27年 24,025 16,681 7,344 23,370 16,203 7,167 554 385 169 101 93 8

(構成比)(100.0%) (69.4%) (30.6%)(100.0%) (69.3%) (30.7%)(100.0%) (69.5%) (30.5%)(100.0%) (92.1%) (7.9%)増減数 -2,128 -1,560 -568 -2,070 -1,504 -566 -34 -31 -3 -24 -25 +1

(構成比) - (-0.3) (0.3) - (-0.3) (0.3) - (-1.4) (1.4) - (-3.8) (3.8)増減率(%) -8.9 -9.4 -7.7 -8.9 -9.3 -7.9 -6.1 -8.1 -1.8 -23.8 -26.9 12.5

第1-16-2表 年齢階級別自殺者数 (単位:人)

総数 少年 成人不詳

~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳~平成28年 21,897 520 2,235 2,824 3,739 3,631 3,626 2,983 2,262 77

(構成比)(100.0%) (2.4%) (10.2%) (12.9%) (17.1%) (16.6%) (16.6%) (13.6%) (10.3%) (0.4%)平成27年 24,025 554 2,352 3,087 4,069 3,979 3,973 3,451 2,459 101

(構成比)(100.0%) (2.3%) (9.8%) (12.8%) (16.9%) (16.6%) (16.5%) (14.4%) (10.2%) (0.4%)増減数 -2,128 -34 -117 -263 -330 -348 -347 -468 -197 -24

(構成比) - (0.1) (0.4) (0.1) (0.2) (0) (0.1) (-0.8) (0.1) (0)増減率(%) -8.9 -6.1 -5.0 -8.5 -8.1 -8.7 -8.7 -13.6 -8.0 -23.8

第1-16-3表 職業別自殺者数 (単位:人)

総数自営業・

家族従業者被雇用者・

勤め人無職

不詳学生・生徒等 無職者

平成28年 21,897 1,538 6,324 791 12,874 370(構成比) (100.0%) (7.0%) (28.9%) (3.6%) (58.8%) (1.7%)平成27年 24,025 1,697 6,782 835 14,322 389

(構成比) (100.0%) (7.1%) (28.2%) (3.5%) (59.6%) (1.6%)増減数 -2,128 -159 -458 -44 -1,448 -19

(構成比) - (-0.1) (0.7) (0.1) (-0.8) (0.1)増減率(%) -8.9 -9.4 -6.8 -5.3 -10.1 -4.9

表1-16-4表 原因・動機別自殺者数(単位:人)

総数 原因・動機 特定者

原因・動機 不特定者

平成28年 21,897 16,297 5,600(構成比) (100.0%) (74.4%) (25.6%)平成27年 24,025 17,981 6,044

(構成比) (100.0%) (74.8%) (25.2%)増減数 -2,128 -1,684 -444

(構成比) - (-0.4) (0.4)増減率(%) -8.9 -9.4 -7.3

(単位:人)原因・動機特定者の原因・動機別

家庭問題 健康問題 経済・ 生活問題 勤務問題 男女問題 学校問題 その他

平成28年 3,337 11,014 3,522 1,978 764 319 1,148平成27年 3,641 12,145 4,082 2,159 801 384 1,342増減数 -304 -1,131 -560 -181 -37 -65 -194

増減率(%) -8.3 -9.3 -13.7 -8.4 -4.6 -16.9 -14.5

注)遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の原因・動機別の和と原因・動機特定者数(平成27年は17,981人、28年は16,297人)とは一致しない。

資料:厚生労働省・警察庁「平成28年中における自殺の状況」

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第1章

自殺の現状

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⑵ 月別自殺者数の推移平成28年における月別自殺者数の推移をみると、自殺統計によれば(第1-17図)、「3

月」が最も多く、「12月」が最も少なくなっている。また、各月で前年の自殺者数を下回った。

第1-17図 月別自殺者数の推移

1,500

1,700

1,900

2,100

2,300

2,500

2,700

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平成28年 平成27年 平成26年 平成25年 平成24年

自殺者数

(人)

1,851

1,729

2,113

1,880

2,065

1,862 1,8621,701

1,7651,820

1,683 1,566

2,057

1,771(H27)

2,301

2,094

2,244

2,018

2,068

1,901 1,882 2,016

1,887

1,786(H27)

2,079

1,878

2,317(H26)

2,229

2,262

2,068

2,024

2,188(H26)

2,257 2,233

2,096

1,796(H26)

2,453

2,156(H25)

2,486

2,383

2,542

2,3182,293

2,197(H25) 2,245(H25)2,164

2,0452,001

2,268

2,163

2,588

2,4372,525

2,313(H24)

2,413

2,2422,314

2,426

2,140

2,029

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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●自殺の現状第1章

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また、男女別の月別の自殺者数の推移をみると、自殺統計によれば(第1-18図)、男性も女性も「3月」に自殺者数が最も多くなっ

ている。また、男性も女性も「12月」に自殺者数が最も少なくなっている。

第1-18図 平成28年における死亡月別の自殺者数

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

男 女 総数 (参考)平成27年総数

(人)

1,271 1,1901,469 1,297 1,430 1,288 1,288 1,175 1,206 1,273 1,155 1,079

580 539

644583

635574 574

526 559 547528 487

1,851 1,7292,113

1,8802,065

1,862 1,862 1,701 1,765 1,820 1,683 1,566

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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第1章

自殺の現状

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1か月間の日数の影響を排除するため、平成28年における月別の一日平均自殺者数をみると、自殺統計によれば(第1-19図)、「3

月」が最も多くなっており、「12月」が最も少なくなっている。

第1-19図 平成28年における月別の一日平均自殺者数

0

10

20

30

40

50

60

70

80

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

総数 男 女

(人)

59.7 59.6

68.262.7

66.662.1 60.1

54.958.8 58.7

56.150.5

41.0 41.0

47.443.2

46.142.9 41.5

37.9 40.2 41.138.5

34.8

18.7 18.6 20.8 19.4 20.5 19.1 18.5 17.0 18.6 17.6 17.6 15.7

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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●自殺の現状第1章

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⑶ 男女別の状況平成28年における男女別の自殺者数の状況をみると、自殺統計によれば(第1-20図)、自殺者全体の男女別構成比は男性が69.1%となっており、男性がほぼ7割を占めている。

また、年齢階級別にみると(第1-21図)、全ての階級において男性の占める割合が高く、特に20歳代から50歳代までは男性が7割を超えている。

第1-20図 自殺者の男女別構成比の推移

67.3%

70.0%72.5% 69.1%

69.4%

32.7%30.0% 27.5%

30.9%30.6%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

男性割合 女性割合 男性自殺者数 女性自殺者数

(人)(%)

H9(1997)

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

H24

H25(

1998)

(1999)

(2000)

(2001)

(2002)

(2003)

(2004)

(2005)

(2006)

(2007)

(2008)

(2009)

(2010)

(2011)

(2012)

(2013)

(2014)

H26 (

2015)

H27 (

2016)

H28

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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第1章

自殺の現状

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第1-21図 平成28年における男女別の年齢階級別の自殺者数の構成割合

88.3

57.1

62.7

67.9

72.4

73.6

72.3

73.9

68.1

69.1

11.7

42.9

37.3

32.1

27.6

26.4

27.7

26.1

31.9

30.9

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳以上

不詳

男 女

(%)

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

⑷ 年齢階級別の状況平成28年における年齢階級別の自殺者数をみると、自殺統計によれば(第1-22図)、⑴

で述べたとおり40歳代が最も多いが、さらに、男女別でみると、40歳代から60歳代の男性で全体の約4割近くを占めている。

第1-22図 平成28年における男女別の年齢階級別の自殺者数の構成割合

20歳未満 女、166、0.8%

20歳代 女、583、2.7%30歳代 女、781、3.6%

40歳代 女、988、4.5%

50歳代 女、1,003、4.6%

60歳代 女、1,163、5.3%

70歳代 女、1,113、5.1%

80歳以上 女、970、4.4%不詳 女、9、0.0%不詳 男、68、0.3%

80歳以上 男、1,292、5.9%

70歳代 男、1,870、8.5%60歳代 男、2,463、11.2%

50歳代 男、2,628、12.0%

40歳代 男、2,751、12.6%

30歳代 男、2,043、9.3%

20歳代 男、1,652、7.5%

20歳未満 男、354、1.6%

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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●自殺の現状第1章

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⑸ 職業別の状況平成28年の職業別の自殺の状況をみると、自殺統計によれば(第1-23図)、⑴で述べたとおり「無職者」が最も多い。「無職者」の

内訳をみると、「年金・雇用保険等生活者」が最も多く、次いで「その他の無職者」、「主婦」、「失業者」の順となっている。

第1-23図 平成28年における職業別自殺者数の構成割合

自営業・家族従業者

学生・生徒等

自営業・家族従業者被雇用者・勤め人学生・生徒等主婦失業者利子・配当・家賃等生活者年金・雇用保険等生活者浮浪者その他の無職者不詳

3.6%

6.1%主婦6.1%4.1%

失業者4.1%

利子・配当・家賃等生活者0.3%

25.9%年金・雇用保険等生活者

25.9%

浮浪者0.1%

22.3%その他の無職者22.3%

不詳1.7%

被雇用者・勤め人 28.9%28.9%

7.0%7.0%

無職者

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

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第1章

自殺の現状

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さらに、年齢別、職業別の自殺者数をみると、自殺統計によれば(第1-24表)、総数では「40歳代」から「60歳代」が約4千人となっており自殺者数が多くなっているが、「自営業・家族従業者」では「50歳代」と「60歳代」、「被雇用者・勤め人」では「30歳

代」から「50歳代」、「無職者」では「60歳代」と「70歳代」が多いなど、職業によって自殺者数の多い年代が異なる。なお、「無職者」のうち最も割合の高い「年金・雇用保険等生活者」は「70歳代」と「80歳以上」において、それぞれ1,800人以上となっている。

第1-24表 年齢階級別、職業別自殺者数

年齢階級別、職業別自殺者数 (単位:人)年齢階級別

職業別~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳~ 不詳 合計

合計計 520 2,235 2,824 3,739 3,631 3,626 2,983 2,262 77 21,897男 354 1,652 2,043 2,751 2,628 2,463 1,870 1,292 68 15,121女 166 583 781 988 1,003 1,163 1,113 970 9 6,776

自営業・家族従業者計 34 148 270 372 423 213 78 1,538男 30 137 240 331 370 175 65 1,348女 4 11 30 41 53 38 13 190

被雇用者・勤め人計 74 1,060 1,366 1,661 1,388 609 153 13 6,324男 64 848 1,096 1,409 1,173 511 126 12 5,239女 10 212 270 252 215 98 27 1 1,085

無職

学生・生徒等計 399 372 17 2 1 791男 257 294 11 1 1 564女 142 78 6 1 227

無職者計 47 739 1,247 1,739 1,799 2,532 2,603 2,168 12,874男 33 460 762 1,043 1,064 1,529 1,559 1,213 7,663女 14 279 485 696 735 1,003 1,044 955 5,211

主婦計 31 124 273 359 339 162 52 1,340男女 31 124 273 359 339 162 52 1,340

失業者計 2 104 192 258 239 86 6 1 888男 2 83 159 227 224 84 6 1 786女 21 33 31 15 2 102

年金・雇用保険等生活者

計 31 104 188 208 1,330 1,994 1,820 5,675男 13 65 114 128 890 1,271 1,035 3,516女 18 39 74 80 440 723 785 2,159

その他の無職者計 45 573 823 1,005 983 751 424 283 4,887男 31 364 534 688 704 534 271 171 3,297女 14 209 289 317 279 217 153 112 1,590

不詳計 30 46 67 71 62 14 3 77 370男 20 37 58 59 53 10 2 68 307女 10 9 9 12 9 4 1 9 63

注)無職者のうち、主婦、失業者、年金・雇用保険等生活者、その他の無職者の4区分については当該区分の数値のみ無職者の内数として別立てで表記しているため、無職者の総数と上記4区分の数値の合計は一致しない。

資料:厚生労働省・警察庁「平成28年中における自殺の状況」

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●自殺の現状第1章

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⑹ 原因・動機別の状況平成28年における年齢別、原因・動機別の自殺者数をみると、自殺統計によれば(第1-25表)、「家庭問題」は男性が「40歳代」、女性は「40歳代」と「60歳代」が多い。「健康問題」については、男女ともに「60歳代」と「70歳代」が多い。「経済・生活問題」については、男性の方が女性よりも著しく多く、中

でも「40歳代」と「50歳代」で多い。「勤務問題」については、「30歳代」から「50歳代」で多く、男性は「30歳代」から「50歳代」で多いが、女性は「20歳代」と「30歳代」で多い。「男女問題」は「20歳代」と「30歳代」で多く、「学校問題」は「19歳以下」と「20歳代」で多い。

第1-25表 年齢階級別、原因・動機別自殺者数

年齢階級別、原因・動機別自殺者数 (単位:人)年齢階級別

原因・動機別~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳~ 不詳 合計

合計計 493 2,310 2,932 3,987 3,796 3,596 2,867 2,095 6 22,082男 319 1,665 2,070 2,920 2,696 2,391 1,760 1,169 5 14,995女 174 645 862 1,067 1,100 1,205 1,107 926 1 7,087

家庭問題計 93 260 465 666 524 510 478 340 1 3,337男 52 175 314 455 331 289 293 201 1 2,111女 41 85 151 211 193 221 185 139 1,226

健康問題計 109 748 1,145 1,723 1,718 2,074 1,962 1,531 4 11,014男 61 427 646 1,049 1,008 1,232 1,155 845 4 6,427女 48 321 499 674 710 842 807 686 4,587

経済・生活問題計 11 345 494 774 914 679 237 67 1 3,522男 10 310 445 699 817 603 187 42 3,113女 1 35 49 75 97 76 50 25 1 409

勤務問題計 29 389 448 511 436 140 22 3 1,978男 25 333 396 469 386 126 21 3 1,759女 4 56 52 42 50 14 1 219

男女問題計 45 242 237 154 58 17 9 2 764男 30 159 163 107 43 12 7 1 522女 15 83 74 47 15 5 2 1 242

学校問題計 151 164 4 319男 104 137 3 244女 47 27 1 75

その他計 55 162 139 159 146 176 159 152 1,148男 37 124 103 141 111 129 97 77 819女 18 38 36 18 35 47 62 75 329

注)遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の原因・動機別の和と原因・動機特定者数(16,297人)とは一致しない。

資料:厚生労働省・警察庁「平成28年中における自殺の状況」

27

第1章

自殺の現状

自殺対策白書-1-01.indd 27 2017/05/19 10:37:28

職業別、原因・動機別の状況をみると、自殺統計によれば(第1-26表)、自営業・家族従業者は「経済・生活問題」と「健康問題」が多く、被雇用者・勤め人は「健康問題」と

「勤務問題」が多い。学生・生徒等は「学校問題」と「健康問題」が多く、無職者は「健康問題」と「家庭問題」が多い。

第1-26表 職業別、原因・動機別自殺者数

職業別、原因・動機別自殺者数 (単位:人)

職業別

原因・動機別

自営業・家族従業

被雇用者・勤め人

無職

不詳学生・生徒等

無職者主婦 失業者

年金・雇用保険等生活者

その他の無職者

合計計 1,667 6,646 785 12,834 1,446 1,037 5,505 4,772 150男 1,473 5,440 542 7,425 918 3,340 3,115 115女 194 1,206 243 5,409 1,446 119 2,165 1,657 35

家庭問題計 230 1,019 122 1,946 336 121 859 621 20男 196 793 72 1,035 111 517 401 15女 34 226 50 911 336 10 342 220 5

健康問題計 570 2,076 187 8,127 990 327 3,956 2,816 54男 468 1,509 111 4,302 260 2,353 1,664 37女 102 567 76 3,825 990 67 1,603 1,152 17

経済・生活問題計 638 1,123 48 1,658 52 465 337 785 55男 598 1,039 42 1,385 438 265 667 49女 40 84 6 273 52 27 72 118 6

勤務問題計 136 1,657 7 176 8 54 14 99 2男 127 1,486 4 141 49 13 78 1女 9 171 3 35 8 5 1 21 1

男女問題計 40 450 58 208 14 24 27 143 8男 34 335 37 111 18 14 79 5女 6 115 21 97 14 6 13 64 3

学校問題計 7 284 28 28男 5 218 21 21女 2 66 7 7

その他計 53 314 79 691 46 46 312 280 11男 50 273 58 430 42 178 205 8女 3 41 21 261 46 4 134 75 3

注)遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としているため、原因・動機特定者の原因・動機別の和と原因・動機特定者数(16,297人)とは一致しない。

注)無職者のうち、主婦、失業者、年金・雇用保険等生活者、その他の無職者の4区分については当該区分の数値のみ無職者の内数として別立てで表記しているため、無職者の総数と上記4区分の数値の合計は一致しない。

資料:厚生労働省・警察庁「平成28年中における自殺の状況」

28

●自殺の現状第1章

自殺対策白書-1-01.indd 28 2017/05/19 10:37:29

⑺ 都道府県別の状況都道府県別の自殺の状況をみると、自殺統計によれば、自殺者数については(第1-27

図)前年に比べ、40都道府県で減少、7県で増加となっている。

第1-27図 都道府県別の自殺者数

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

北海道

青森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川

新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山

鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島

沖縄

H27 H28

(人)

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

また、自殺死亡率についてみると(第1-28図)、前年に比べ、38都道府県で低下、9

府県で上昇となっている。

第1-28図 都道府県別の自殺死亡率

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

北海道

青森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川

新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山

鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島

沖縄

H27 H28

資料:警察庁「自殺統計」、総務省「平成27年国勢調査人口等基本集計」及び総務省「人口推計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

29

第1章

自殺の現状

自殺対策白書-1-01.indd 29 2017/05/19 10:37:29

⑻ 手段別の状況平成28年における手段別の自殺の状況についてみると(第1-29図)、男性では「首つり」(67.7%)が最も多く、次いで「飛降り」(9.0%)、「練炭等」(8.1%)となっており、女性では「首つり」(59.0%)が最も多く、次いで「飛降り」(14.3%)、「入水」(5.6%)となっている。また、男女別・年齢階級別でみると、男女とも全ての階級で「首つり」が最も多い。男

性については、「首つり」に次いで、19歳以下では「飛降り」、「飛込み」の順で多く、20歳代から50歳代では「練炭等」、「飛降り」の順で多くなっており、60歳代では「飛降り」、「練炭等」、70歳代では「飛降り」、「入水」、80歳以上では「飛降り」、「服毒」の順で多くなっている。女性については、「首つり」に次いで、70

歳代以下では「飛降り」が多く、80歳以上では「入水」が多くなっている。

第1-29図 平成28年における男女別・年齢階級別(10歳階級)・自殺の手段別の自殺者数の構成割合

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%) (%)

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳以上

不詳

首つり 有機溶剤吸引 服毒 練炭等 排ガス その他のガス 感電 焼身 爆発物銃器 刃物 入水 飛降り 飛込み その他 不詳

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳以上

不詳

61.8

77.7

74.6

72.4

70.3

63.4

63.3

56.3

56.5

67.7

8.5

12.8

13.4

12.1

5.5

7.5

7.6

20.9

9.0

17.6 44.4

68.4

64.9

61.5

58.0

53.0

55.2

48.5

45.2

59.0

11.111.1

7.8

11.1 11.1

9.3

12.0

16.3

20.9

17.9

18.5

22.9

14.3

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

30

●自殺の現状第1章

自殺対策白書-1-01.indd 30 2017/05/19 10:37:29

⑼ 場所別の状況平成28年における場所別の自殺の状況について、自殺統計によれば(第1-30図)、「自宅」(58.8%)が最も多く、「高層ビル」(7.0%)、「乗物」(6.0%)、「海(湖)・河川」(5.1%)などが比較的多くなっている。男女別にみると、男性については、「自宅」

(55.9%)、「乗物」(7.6%)、「高層ビル」(5.4%)などが多い。女性については、「自宅」(65.4%)、「高層ビル」(10.4%)、「海(湖)・河川」(6.3%)などが多い。

年齢階級別にみると、男女とも全ての階級において「自宅」が最も多いが、男性については、「自宅」に次いで、19歳以下は「高層ビル」、20歳代から50歳代までは「乗物」、60歳代から70歳代までは「海(湖)・河川」、80歳以上は「福祉施設」となっている。女性については、「自宅」に次いで、19歳以下は「鉄道線路」、20歳代から60歳代までは「高層ビル」、70歳代から80歳以上は「海(湖)・河川」となっている。

第1-30図 平成28年における男女別・年齢階級別(10歳階級)・自殺の場所別の自殺者数の構成割合

14.2 13.914.7

8.5

6.3

55.6

7.2

9.1

5.3

11.4

11.7

11.3

7.6

4.7

7.0

8.8

12.4

16.3

13.7

14.4

10.4

7.2

5.4

7.3

6.3

9.5

9.6

9.5

自宅 下宿・寮 学校 勤め先 病院 福祉施設 ホテル・旅館 デパート高層ビル 駅構内 鉄道線路 乗物 路上 公園 社寺境内 田畑 海(湖)・河川池・沼 山 その他 不詳

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳代

不詳

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳代

不詳

総数

19歳以下

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳代

不詳

総数

0(%) (%)10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 (%)10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

男 女

70.3

65.2

62.0

58.2

53.2

53.6

54.5

50.0

58.8

68.8

62.2

60.0

55.9

50.7

50.4

51.9

47.7

55.9

72.4

70.4

66.3

64.4

60.1

62.2

61.9

54.8

65.4

15.6 16.2 11.1 11.1 11.1 11.129.427.3

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

31

第1章

自殺の現状

自殺対策白書-1-01.indd 31 2017/05/19 10:37:30

⑽ 曜日・時間別の状況平成28年における発見曜日別一日平均自殺者数について、自殺統計によれば(第1-31図)、男性、女性共に「月曜日」(男性48.5人、女性21.4人)が最も多く、男性は次いで「火

曜日」(43.7人)、女性は次いで「木曜日」(19.7人)が多くなっている。また、男女ともに「祝日・年末年始」(男性33.4人、女性16.1人)が最も少なくなっている。

第1-31図 平成28年における発見曜日別の一日平均自殺者数

0総数

月 火 水 木 金 土 日 祝日・年末年始

10

20

30

40

50

60

男 女

(人)

41.3

48.5

43.7 42.6 42.3 42.7

36.5 36.733.4

18.521.4

19.0 18.2 19.7 18.816.3 17.5 16.1

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

次に、男女別の発見時間帯別自殺者数の構成割合をみると(第1-32図)、男性は「10~

12時」(12.9%)、女性は「16~18時」(12.9%)が多くなっている。

第1-32図 平成28年における発見時間帯別の自殺者数の構成割合

(%)

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

0-2時 2-4時 4-6時 6-8時 8-10時 10-12時 12-14時 14-16時 16-18時 18-20時 20-22時 22-24時

男 女

2.5 2.1

5.3

12.0 12.4 12.911.1 11.0 11.8

9.5

5.64.0

3.1 2.6

4.8

11.810.4

11.510.7 10.1

12.9

10.8

6.8

4.4

資料:警察庁「自殺統計」より厚生労働省自殺対策推進室作成

32

●自殺の現状第1章

自殺対策白書-1-01.indd 32 2017/05/19 10:37:30