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前立腺がんとは?
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No.1
前立腺がんとは?
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ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ ÇÅB
解体新書の影響で摂護腺
膀胱の前に立つ、前に位置
No.2
前立腺は、どこにある?
男性の膀胱の下にある栗の実大の器官
前立腺
膀胱
尿道
精巣
精嚢発生から増殖・成長まで発生から増殖・成長まで
男性ホルモンに依存男性ホルモンに依存
No.3
前立腺の構造
内腺:尿道に接する内側の部分外腺:被膜近く外側の部分
3 つのゾーンにも分けられる
膀胱
精嚢
被膜 尿道
内腺(中心域・移行域)
外腺(辺縁域)
射精管
線維筋性間質
移行域
辺縁域
中心域
前立腺の働き:前立腺液を分泌して、精子の運動・保護に関与
No.4
前立腺がんと前立腺肥大の違いは?
2 つは異なる病気だが、それぞれ合併して起こることも多い
主に外腺(辺縁域)に発生
内腺(移行域)が肥大
残尿
精丘 精丘
前立腺肥大前立腺がん
内腺に良性の腫瘍が発生して、尿道や膀胱を圧迫していく
外腺から悪性の腫瘍が発生する
No.5
前立腺がん検査・診断の流れ
●PSA 検査(血液検査)● 直腸診(触診)● 経直腸的超音波(エコー)検査
●生検 (前立腺組織を採取)
●画像検査( CT ・ MRI など) ● 骨シンチグラフィ
スクリーニング検査(一般検査)
確定診断がんを確定するための検査
病期診断がんの進行度(広がり)を
確認するための検査
No.6
PSA 検査とは
PSA =前立腺特異抗原の英語の頭文字
血液検査で前立腺がんを見つける簡便な検査法
前立腺で作られるタンパク質の一種
前立腺がんの腫瘍マーカーとして広く普及しています
(前立腺) (抗原)(特異) Prostate AntigenSpecific
前立腺
PSA
血管
No.7
PSA 検査(前立腺がん腫瘍マーカーの測定)
PSA (前立腺特異抗原) 前立腺に特異的なタンパク質の一種
PSA 検査の年齢階層別基準値 (日本人の場合)
PSA 値と前立腺がん発見率
70 歳以上 4.0 ng/mL
65 〜 69 歳 3.5 ng/mL
64 歳以下 3.0 ng/mL
年齢 PSA 基準値
0
206%
20%28%
35%42%
53%
75%
86%97%
40
60
80
100
出典 財団法人 前立腺研究財団編:前立腺がん検診テキスト
Ito K, et al : Urology, 56, 278, 2000
血液検査前立腺がん発見率
(
%)
PSA( ng/mL )
20 %40 %
No.8
PSA( 前立腺特異抗原)
• 正常前立腺組織で作られる(肥大、炎症)• がん細胞では正常より少ない産生• がんの悪性度が高いほど少ない産生• 2.5 未満はがんの可能性は低い• 2.5-4 : 20 %以下• 4-10 : 30 %くらい• 10 以上: 50 %くらい
No.9
直腸診(触診)
直腸壁ごしに前立腺の状態を確認
前立腺肥大との鑑別にも有用
● 大きさや硬さ●弾性● 前立腺表面の凹凸● 触れると痛みがあるか
No.10
経直腸的超音波(エコー)検査
前立腺の大きさや、がんの浸潤の有無を確認
超音波探触子 ( プローブ )を経直腸的に挿入
探触子( プローブ )
No.11
検診で見つかった前立腺がんと用いた検査法
群馬大学での調査( 1992 〜1993 )
Imai K, et al : J Urol, 154 : 1085-1089, 1995
検診を受けた人: 3,526 人
前立腺がんが見つかった人: 52 人
検出精度(有病正診率)
・PSA 80.8 %
・直腸診 48.1 %
・経直腸的超音波断層法 44.2 %
PSA17
8
直腸診( DRE )
3
511
3
経直腸的超音波断層法( TRUS )
4
No.12
前立腺がん集団検診は推奨しない
• 国内外の研究論文を検証した結果、集団検診による死亡率の減少が明らかでないうえ、精密検査や治療による受診者への負担も無視できないため、市町村や職場で実施する集団検診としては「実施は勧められない」という方針を示した。
• 1)PSA検診の普及率が75%に上る 米国で死亡率が3割低下した
• 2 )検診受診者に進行がんが減ったことを示す報告が欧州にある
2007/9/10 読売新聞
No.13
日本と米国との違い
•米国では 50 歳以上の男性の約 75 %は少なくとも PSA検診を 1 回は受けており、転移がんの比率が 5%以下である。
•わが国では約 70 %の 市町村が検診を実施しているとはいえ、実際の検診暴露率は極めて低く、転移がんの比率も高い。
日 本 米 国
検診暴露率(推定) a) 5 ~ 10 % 約 75 %
転移がん比率 約 30 % 5%以下
前立腺がん検診の普及率、転移がん比率の差
a ) 50 歳以上の男性の中で、前立腺がん検診を 1 回でも受診した人の割合を推定
資料提供:伊藤一人先生
米国では 50 歳以上の男性の約 75 %は少なくとも PSA検診を 1 回は受けており、転移がんの比率が 5%以下である。
わが国では約 70 %の 市町村が検診を実施しているとはいえ、実際の検診暴露率は極めて低く、転移がんの比率も高い。
米国では 50 歳以上の男性の約 75 %は少なくとも PSA検診を 1 回は受けており、転移がんの比率が 5%以下である。
わが国では約 70 %の 市町村が検診を実施しているとはいえ、実際の検診暴露率は極めて低く、転移がんの比率も高い。
No.14
Tyrol study について前立腺がん検診の導入により、臨床病期が明らかに早期にシフトしている。前立腺がん検診の導入により、臨床病期が明らかに早期にシフトしている。
スライド: Bartsch教授提供 , Annual Meeting of American Urological Association, Abs473, 2006
50
期 間
PSA ・直腸診による前立腺がん検診導入
PSA 検診の無料提供開始 T1-2M0 T3-4M0
SDRlog-scale
10
1988 1992 1996 2000 (年)
M1
2426 21 19
19
20
1514
17
8 87 7
3448
7993
126164
182
168
215273 276
264
343
2636
40
27
59 63
10292
71
8466
45
53
SD
R(
log-s
cale
)
No.15
PSA検診により癌死は 9 年間の観察で 20 %有意に低下する。しかし前立腺癌による死亡を 1 例予防するには 1068例がPSA検診を受診する必要があり、 48例の患者が治療を受ける必要がある。 N Engl J
Med:2009
PSA検診により癌死は 9 年間の観察で 20 %有意に低下する。しかし前立腺癌による死亡を 1 例予防するには 1068例がPSA検診を受診する必要があり、 48例の患者が治療を受ける必要がある。 N Engl J
Med:2009
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ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ ÇÅB
No.16
スクリーニング検査の種類と組み合わせ
増えている PSA 検査の導入(人間ドック検診での集計)
出典 財団法人 前立腺研究財団 , 前立腺検診協議会:泌尿器外科 , 16 ( 9 ) , 1023, 2003
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
1995
直腸診のみ
1996 1997 1998 1999
直腸診 +PSA 検査*
PSA 検査*
その他
(%)
PSA 検査導入率
*超音波検査を含む
33%
43% 54%
66%
81%
(年)
No.17
前立腺がんは高齢になるほど増える
出典 大野ゆう子 ほか:がん・統計白書 - 罹患 /死亡 /予後 -(大島 明 ほか編) , 篠原出版新社 , p145, 2004
前立腺がんの年齢階級別罹患率( 1998年)
0
50
100
150
200
250
300
400
350
85+80-8475-7970-7465-6960-6455-5950-5445-4940-4435-39
罹患率
(
人口
万対
)
10
年齢(年)
現役年齢(仕事場での検診)
No.18
検診暴露率と転移がんの割合群馬大学と関連病院での登録症例( 1992~ 2001 の集計)
武智浩之ほか:泌尿器外科 , 18 ( 8) , 997-999, 2005
未実施 0 ~ 5 10~ 15 15~ 20
市町村 PSA 検診暴露率(%)
20~ 30 30~ 40 40~ 50 50~5 ~ 100
10
20
30
40
50
60
70
がん登録症例に占める割合
(
%)
地域前立腺がん登録症例に占 める
検診発見がんの割合
転移がんの割合
No.19
臨床病期別の前立腺がん患者数の年次推移群馬県前立腺がん登録
Ito K, et al : Annual Meeting of American Urological Association, Abs138, 2006
患者数
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 20030
800
700
600
500
400
300
200
100偶発がん
限局がん
局所進行がん
転移がん /周囲浸潤がん
(人) 早期がんが急増している一方で、転移がんも依然として増え続けている早期がんが急増している一方で、転移がんも依然として増え続けている
No.20
日本における前立腺がんの死亡率と死亡数
0
1
2
3
4
5
6
7
1,000
1950 60 70 80 90
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000年齢調整死亡率(世界人 口 で年齢調整)
死亡数
年齢調整死亡率
(
/万人/年
)
10死亡数
(
人/年
)
中田誠司 ほか:日本臨床増刊号(前立腺疾患の臨床) , 60 : 44-48, 2002改変
日本でも死亡率・死亡数ともに増加している
(年)
No.21
2020 年には男性のがん罹患率第 2 位
出典 大野ゆう子 ほか:がん・統計白書 - 罹患 /死亡 /予後 -(大島 明 ほか編) , 篠原出版新社 , p202-217, 2004
前立腺
男 性(日本)
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020
100
30
10
3
1
300
×103全部位
前立腺結腸
肺
直腸肝臓
膵臓
胆嚢
リンパ組織
膀胱
白血病
食道
胃
腎臓等
がんの部位別罹患率と将来予測
罹患数
No.22
前立腺癌と肥大症
• 肥大症が進むとがんになる? そういうことはありません• 2 つの病気が一緒に起こることはある? あります、肥大症が大きい人はかえって起こ
りにくい• できる部位がちがう? 肥大症でないところにできる
No.23
米国の男性における前立腺がんの状況
米国では罹患率第1位、死亡率2位
前立腺がん
出典 US Cancer Statistics : 2001 Incidence and Mortality
部位別罹患率( 2001 年) 部位別死亡率( 2001 年)
白血病
肺がん*
膀胱がん
直腸・結腸がん
非ホジキンリンパ腫*肺・気管・気管支
膵臓がん
その他
12%
38%
16%7%
30%
12%5%5%
7%
4%4%4%4%12% 10%
30% 31%31%
No.24
米国におけるがんの部位別罹患率の推移(年齢調整)
男 性(米国)
1975 1980 1985 1990 1995 2000
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
前立腺
結腸 &直腸
肺
非ホジキンリンパ腫
黒色腫
膀胱
標準人 口 : 2000 年の米国の人 口30 年以上前から第1位を維持
出典 Jemal A, et al : CA Cancer J Clin, 54 ( 1) : 8, 2004
年齢調整罹患率
(
人口
万対
)
10
No.25
前立腺がんの各都道府県別標準化死亡率( 1990 〜 1997 )
出典 中田誠司ほか:日本臨床増刊号(前立腺疾患の臨床) , 60 : 44-48, 2002改変
前立腺がんによる死亡が全国平均より多い
前立腺がんによる死亡が全国平均と同じくらい
前立腺がんによる死亡が全国平均より少ない
北部、関東、九州西部に高い死亡率
No.26
前立腺がんが増加している背景
社会の高齢化
食生活の欧米化 (動物性脂肪の摂取量が増加)
診断法の進歩 (腫瘍マーカー: PSA 検査の普及)
No.27
日本および世界の前立腺がん罹患率
出典 中田誠司 ほか:日本臨床増刊号(前立腺疾患の臨床) , 60 : 44-48, 2002
0 20 40 60 80 100 120 140
アトランタ(黒人)ロスアンゼルス(黒人)
アトランタ(白人)ロスアンゼルス(白人)
カナダスウェーデン
オーストラリアロスアンゼルス(日本人)ドイツ , ザールランドイギリス(イングランド)
チェコイタリア , トリノ
スペイン、アルバセテペルー , リマ
アルゼンチン , コンコルデイアポーランド , ワルシャワ
日本 , 群馬県日本 , 広島市日本 , 長崎県日本 , 宮城県日本 , 山形県日本 , 大阪府
インド , バンガロール中国 , 上海
ベトナム , ハノイ
1990 年前後、世界人口 で年齢調整
潜在癌: 60 歳で 20 %、 80 歳で 40-50% にある。
No.28
確かな知識を持ち、定期的に検診を受けることが大切
早期発見・早期治療が重要
高齢男性に多い病気
進行が比較的ゆっくり(直径 2cmまで 3
0年間)
初期には無症状のことが多い
前立腺がんの特徴
No.29
前立腺がんの危険因子
年齢(高齢化)
遺伝
人種
食生活(脂肪の多い食事、緑黄色野菜の不足など)
性生活 (早婚、若い時の頻回の性交、性活動停止年齢がより早いなど)
注)前立腺がんの危険因子については、全てが明確にされている わけではなく、食生活や性生活、その他の因子については 相矛盾する報告が見られる。
潜在癌: 60 歳で 20 %、 80 歳で 40-50% にある。
No.30
前立腺がんの病態について
前立腺がんってどんな病気?
No.31
前立腺がんの症状
早期がん 転移がん進 行
無症状 前立腺肥大と同じような症状が出現
骨転移に伴い骨痛・四肢痛が出現
*腰痛 *四肢の痛み
−転移しやすい部位− 骨、リンパ節など
*がん特有の症状は ない
*尿が出にくい・残尿感*排尿時に痛みを伴う*尿や精液に血が混じる
No.32
前立腺がんの病期別にみた生存率
出典 井坂茂夫:泌尿器悪性腫瘍治療ハンドブック(勝岡洋治、赤座英之編) , 新興医学出版 , p91, 1995 より改変
早期ほど高い生存率
50
100( %)
偶発がん 89.2 %(病期 A1: n=20 )
転移がん 28.0 %(病期 D2 : n=211 )
局所浸潤がん 51.0 %(病期 C: n=101 )
限局がん 72.7 %(病期 B: n=73 )
厚生省斑会議 9施設統計 ( 1988 年まとめ)
1 2 3 4 5(年)0
実測生存率
転移がん(骨・リンパ節)
局所浸潤がん
限局がん(偶発がん)
限局がん
周囲臓器浸潤がん
3 年で 50 %
No.33
前立腺がんの組織学的分類からみた生存率
原田昌興:臨床泌尿器科 , 50 ( 4) : 153-159, 1996
生存率が高いのは高分化型
50
40
30
20
10
100
90
80
70
60
( %)
高分化( n=161 )
中分化( n=550 )
低分化( n=320 )
100 200
観察期間(月)
100rank test : p<0.0001
0
生存率
No.34
前立腺がんってどんな病気?
前立腺がんの検査と診断〜検査の種類と内容について〜
No.35
前立腺がん検査・診断の流れ
●PSA 検査(血液検査)● 直腸診(触診)● 経直腸的超音波(エコー)検査
●生検 (前立腺組織を採取)
●画像検査( CT ・ MRI など) ● 骨シンチグラフィ
スクリーニング検査(一般検査)
確定診断がんを確定するための検査
病期診断がんの進行度(広がり)を
確認するための検査
No.36
前立腺生検(確定診断のための検査)
組織を採取し、がん細胞の有無やその悪性度など調べる
・痛みは少ない・検査時間は約 15分程度1泊から日帰り検査全身麻酔で疼痛が無い
茅ヶ崎徳洲会では年間 160症例
超音波端子6分割生検
前立腺組織を 6カ所以上採取
No.37
疑問点
• どうしてがんになる? 答え:わかりません• いつごろからがんに? 答え:2cmのがんになるまで約 30 年以上• ほおっておいてはいけないの? 答え: PSA の異常からみつかるがんの10%が 無害(潜在癌の90%は 無害)
No.38
診断方法の限界
• 触診:一部しか触れない• PSA: 値と病期は並行することが多いが必ず
しも• エコー検査:50%• CT,MRI:ある程度大きくならないと• シンチグラフィー:小さいものは?、炎症が
あると• 生検:採れた場合は
No.39
No.40
前立腺癌の治療方針
No.41
治療法を決める重要な要素◆がんの病期(進展度)・悪性度◆患者さんの年齢
◆全身状態、合併症の有無
◆患者さんの希望
No.42
画像診断(病期診断のための検査)
CT/MRI :がんの広がりを調べる
骨盤部 CT 画像
骨シンチグラフィー:骨転移の有無を調べ
る
C T装置
No.43
前立腺癌の病期分類と予後
No.44
病期別治療法の考え方(早期がん)限局性の早期がんでは、根治可能と考えて治療を行います
偶発・触知不能がん(前立腺手術などで偶然に発見)
偶発・触知不能がん(前立腺手術などで偶然に発見)
限局がん(がんが前立腺内にあるもの)
限局がん(がんが前立腺内にあるもの)
無治療経過観察無治療
経過観察●手術療法(前立腺全摘除術)●放射線療法●内分泌療法
●手術療法(前立腺全摘除術)●放射線療法●内分泌療法
T1a T2a
単独または組み合わせ
T2b T2c片葉の 1/2 以内 片葉の 1/2 を超える 両葉に進展
T1b T1c
No.45
いったい何歳まで治療を?
•平均余命:平均寿命は男 79 、女 85•余命は男 65( 19 )高齢者 70( 15) 75( 12 )後期・・・ 80( 9 ) 超・・・ 85( 6) 末期・・・
直径 2 cmの癌病巣になるまで約 30 年間
No.46
病期別治療法の考え方(浸潤・転移がん)内分泌療法単独、または併用療法が行われます
膀胱頸部
外括約筋,直腸,肛門挙筋,骨盤壁
精嚢以外の隣接組織に固定または浸潤
T3a
被膜
T3b
精嚢
T4被膜の外へ進展(片葉または両葉)
精嚢に浸潤
前立腺被膜を超えて浸潤 周囲臓器進展がん 転移がん
内分泌療法内分泌療法
所属リンパ節へ転移
所属リンパ節以外に転移
M1
N1
放射線療法+内分泌療法手術療法+内分泌療法(前立腺全摘除術)
放射線療法+内分泌療法手術療法+内分泌療法(前立腺全摘除術)
No.47
何歳まで検査をあるいは治療は
• 日本泌尿器科学会 10 年目以降の会員にアンケート 1021名
• PSA検診は 80 歳以上にはすべきでない 39 %( 27 %)
• 外来においては 77 %が 限界はおかない• 前立腺全摘は 75 歳( 70 %)• 放射線療法は年齢限界はおかない• 80 歳以上LRに 対 して 1.ブラキ 2. ホルモン• 80 歳Bに 対 してMAB
直径 2 cmの癌病巣になるまで約 30 年間
No.48
定期的な PSA 値の検査
化学療法(抗がん剤による治療)など その他の治療
全身的治療
局所的治療
経過観察
大きく「局所的治療」と「全身的治療」に分けられます
治療の種類
外照射法組織内照射法 放射線療法
精巣摘出術(除睾術)薬物療法 (注射薬・内服薬)
内分泌療法 (ホルモン療法)
前立腺全摘除術 手術療法 33
3D 20IMRT 37
ホルモン 27/ 年
ブラキ
No.49
内分泌療法
手術療法 (前立腺全摘除術)
主な副作用主な特徴と適応治療法
放射線療法 (外照射
法)
各治療法の特徴
• 性機能障害• 筋力低下•腹部脂肪の増加
など
• 前立腺がんの進行を抑える治療法• 進行期の患者さんが中心•手術や放射線療法と併用できる
•排尿痛、排便困難• 尿道狭窄•勃起障害 など
•身体的な負担が少なく、外来で治療できる
• 年齢を問わず治療が行える•根治的治療の他に、症状緩和を目的に使われることもある
• 尿漏れ•勃起障害 など
•早期であれば、根治の可能性が最も高い
•限局がんでは、第一選択として用いられる
•他の治療に比べ、身体的な負担が大きい
参考資料勝岡洋治ら:日本臨床増刊号(前立腺疾患の臨床) , 60, 211-217, 2002西山勉ら:臨床泌尿器科 , 57 ( 7) , 469-471, 2003
No.50
男性ホルモンとの関係
LH-RH
LH
テストステロン
精巣(睾丸)
前立腺
副腎性テストステロン
CRH
副腎テストステロン
( 95%) 副腎性テストステロン( 5%)
LH-RH :性腺刺激ホルモン放出ホルモン CRH :副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンLH :黄体化ホルモン ACTH :副腎皮質刺激ホルモン
がん細胞の増殖を促進
前立腺がんの多くは男性ホルモン依存性
下垂体
視床下部
男性ホルモンの分泌経路
精巣(睾丸) 副 腎
ACTH
男性ホルモンは前立腺を成長させる因子 前立腺肥大症、前立腺癌を成長
No.51
内分泌療法による補助療法が
行われることがあります
内分泌療法による補助療法が
行われることがあります
内分泌療法(ネオアジュバント)
内分泌療法(ネオアジュバント)
手術や放射線治療の前に、がんを小さくしたり、がんの進行を抑えて治療効果を高める目的で行います。
手術や放射線治療の前に、がんを小さくしたり、がんの進行を抑えて治療効果を高める目的で行います。
内分泌療法(アジュバント)
内分泌療法(アジュバント)
手術や放射線による根治的な治療のあと、目に見えないがん細胞の増殖を抑え、治療効果を高める目的で行います。
手術や放射線による根治的な治療のあと、目に見えないがん細胞の増殖を抑え、治療効果を高める目的で行います。
被膜外や精嚢に浸潤( T3a, T3b )
大きい( T2b )
小〜中程度( T1b, T2a )
根治的前立腺全摘除術又は放射線療法
限局がん 浸潤がん
主な適応
内分泌療法による補助療法の目的
術前補助療法(ネオアジュバント)
術後補助療法(アジュバント)
No.52
体の外から前立腺に放射線を照射し、がん細胞を死滅させる治療法
特 徴●従来から広く行われている治療法
●外来でも治療が可能
適応●早期の限局がん( T1, T2 )が主
体●局所進行( T3 )の患者さんや、局所進行 が予想される方では内分泌療法と併用主な種類
●リニアック(X線)●粒子線 速中性子線
陽子線重粒子線(重イオン
線)
写真提供:京都大学医学部放射線科
外照射法(根治的放射線療法として)
No.53
写真提供:京都大学医学部放射線科
四門照射四門照射 原体照射原体照射 強度変調放射線治療強度変調放射線治療
外照射法では、前立腺の周辺組織への放射線の影響を最小限に抑え、放射線のエネルギーが前立腺だけに集まるように、放射線照射の方法を検討します。最近は、医療機器や技術の進歩に伴い、より限局して放射線を照射することが可能になっています。
外照射法では、前立腺の周辺組織への放射線の影響を最小限に抑え、放射線のエネルギーが前立腺だけに集まるように、放射線照射の方法を検討します。最近は、医療機器や技術の進歩に伴い、より限局して放射線を照射することが可能になっています。
外照射法の照射方法
No.54
◆ 前立腺内に放射線の小線源を埋め込み、がん細胞を死滅させる新しい放射線療法。
◆ 米国では広く実施されている 。日本では実施施設が限られているが、 2003 年7月に認可され、徐々に普及しつつある。
◆ 前立腺内に放射線の小線源を埋め込み、がん細胞を死滅させる新しい放射線療法。
◆ 米国では広く実施されている 。日本では実施施設が限られているが、 2003 年7月に認可され、徐々に普及しつつある。
前立腺がんの小線源治療
短期間の入院が必要小線源の挿入:1〜2時間程度
短期間の入院が必要小線源の挿入:1〜2時間程度
線源を充填したカートリッジ
線源挿入具(アプリケーター)
アプリケーター針超音波探触子(プローブ)
前立腺
膀胱
直腸
4.5mm
0.8mm
ヨウ素 125 を結合させた銀製の短線
チタン製のカプセル
線源の大きさと構造
写真:日本メジフィジックス株式会社提供
組織内照射法(小線源療法)
大きな前立腺はホルモンで治療してから。限局していなければ、外照射併用。術後頻尿などの副作用、ED、失禁は徐々に出現。
No.55
手術療法(根治的前立腺全摘除術)
精嚢
前立腺
No.56
恥骨後式
会陰式
順行性
逆行性
会陰式
恥骨後式
特 徴術式名
前立腺全摘除術の主な術式
腹部を切開しないので、術後の回復が早い
剥離範囲が狭く、骨盤内リンパ節の郭清が並行して行えない
会陰式に比べて広範囲に切除でき、骨盤内のリンパ節郭清が同時 に行える
No.57
腫瘍腫瘍 腫瘍腫瘍 腫瘍腫瘍 腫瘍腫瘍
前立腺被膜近くを通る勃起神経(神経血管束)を残す手術法
神経温存術 従来の根治術
前立腺筋膜
精嚢
デノビエ腔
神経温存前立腺全摘除術
前立腺剥離経路
勃起神経
(神経血管束)
一瀬岳人ほか:泌尿器外科 , 8 ( 11 ) , 989, 1995
最近では、広範な前立腺全摘除術を行った後に、自分の腓腹神経(ひざ下の外側から足のくるぶしの後ろを通る神経)を移植して勃起機能を温存する方法が行われることもある
No.58
●勃起障害◆ 神経温存を行わなかった場合は避けられない◆ 神経温存を行った場合、十分な勃起機能の回復に数ヵ月〜約1年位を要する(回復しないこともある)
●尿失禁(多くはカテーテル抜去後の一過性のもの)
●その他(傷 口 の感染、膀胱尿道吻合部の尿漏れ、吻合部狭窄)など
前立腺全摘除術に伴う合併症
●陰茎背面静脈叢から大量出血( 5% 未満)●直腸の損傷( 1% 未満)
手術中
手術後
参考資料 荒井陽一:日本臨床増刊号(前立腺疾患の臨床) , 60, 218-223, 2002中山健:前立腺癌診療Q&A (村井勝編) , メジカルビュー社 , 75-80, 2004
No.59
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2009/2/1 読売新聞
No.60
治療法のまとめ
• 内分泌療法は根治は難しい• 放射線療法は根治は可能であるが、再発時は手術的に摘出困難
• 内分泌療法、放射線療法ともに術前の正確な病期診断は困難
• 手術療法後再発時は放射線療法、内分泌療法の実施が可能
• 内分泌療法抵抗性、放射線抵抗性の悪性度の高いガンの場合は手術療法が最適
No.61
ご静聴ありがとうございました