加藤_摩擦

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総合技術論 摩擦について

1 年 ME 9 番 菅埜諒介

摩擦を利用する技術

摩擦を利用する技術としてブレーキを例に挙げる。ブレーキには大きく分けて「ドラム・

ブレーキ」と「ディスク・ブレーキ」2つの種類がある。

図 1 ドラム・ブレーキの原理

ドラム・ブレーキは、ホイールと一緒に回転する浅い円筒(ドラム)の内側に、摩擦材

を張ったシューを押しつけて回転を止めるしくみだ。通常の走行ではドラム・ブレーキで

充分だが、レースやラリーのような高速走行で頻繁にブレーキをかけることにより、内部

に摩擦熱が蓄積され、その熱でドラムが膨張してきます。つまり、摩擦係数が低下するこ

とになり、フェード現象が起こり、しだいにブレーキの効きめが弱まってしまう。

図 2 ディスク・ブレーキの原理

ディスク・ブレーキは、フェード現象を避けるため、まずレーシングカー用に開発され、

次第にスポーツカー、乗用車にも普及してきた。ホイールと一緒に回っている薄い円盤(デ

ィスク)を、両側からパッドではさみ込んで止めるのがディスク・ブレーキのしくみであ

る。ディスクは、 常に自動車の走行によって起こる気流の中で回転し、冷却されているの

で、フェードを起こしにくいという特徴がある。

これらのブレーキは自転車、バイク、自動車、電車など多くの乗り物に使われている。

制動能力などによってそちらを使うかが選択されている。ディスク・ブレーキのほうが優

れているが、コストを下げる目的でドラム・ブレーキが採用されることもある。

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総合技術論 摩擦について

1 年 ME 9 番 菅埜諒介

摩擦をなくす技術

摩擦を利用する技術としてベアリングを例に挙げる。ベアリングには多くの種類があり、

それらは以下のように分類される。

図 3 ベアリングの分類

いくつか例をあげて説明する。

単列深溝玉軸受は、転がり軸受の中で最も一般的な形式である。摩擦トル

クが小さく、高速回転する箇所や低騒音、低振動が要求される用途に最も適

している。

図 4 深溝玉軸受

針状ころ軸受には、長さが直径の 3~10 倍の細長いころが数多く組み込ま

れている。特徴として比較的大きなラジアル負荷能力をもっている。

図 5 ニードルローラーベアリング

円筒状のころと軌道とが線接触をしている軸受である。負荷能力が大きく、

主として、ラジアル荷重を負荷する。転動体と軌道輪のつばとの摩擦が小さ

いので、高速回転に適している。

図 6 円筒ころ軸受

これらのベアリングはエンジンなどをはじめ、回転する軸があるものにはほぼ確実に組

み込まれている。多くの機械においてなくてはならないものとなっている。