マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

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マトリックス型 テキスト編集モデルによる 編集操作ログの実際と分析方針 v1 2014-08-24 ポスター v1.2 2014-08-25 デモ・Q&A反映 ◎山口琢(研究生)、大場みち子、高橋修 公立はこだて未来大学 1 2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学

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情報処理学会 情報教育シンポジウム2014のポスター http://ce.eplang.jp/index.php?SSS2014 2014-08-25、@香川県小豆島 POCシステムのURIはこちら: https://matrix-writer.appspot.com/ 文章を保存するために、Dropboxのアカウントが必要です。 改訂1: v1.1→v1.2 デモやQ&Aの内容を反映しました。

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マトリックス型 テキスト編集モデルによる

編集操作ログの実際と分析方針

v1 2014-08-24 ポスター v1.2 2014-08-25 デモ・Q&A反映 ◎山口琢(研究生)、大場みち子、高橋修

公立はこだて未来大学 1 2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学

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概要 •  背景

–  大規模・長期間のデータ収集と活用 –  作文学習・指導や文書レビューの手がかり –  さまざまな研究・実践・指導法・学習法・レビュー法

•  結果・成果の総合・マージ、メタ研究 •  それぞれの特徴の定量化、相互比較

–  EDUPUB, IMS/GLC Caliper: EDUPUB Tokyo 2014 •  概念とアプローチ

–  編集操作(activity)の記録(measurement) –  作文情報モデル(information model)の設計 –  シーズ指向 –  相互運用性(interoperability)・標準化 –  マトリックス型編集操作(activity of "writing")

•  結果・評価・今後 2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 2

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概念とアプローチ

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§ 編集操作の記録 measurement of activities

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テキスト編集システム 作文 xxx  

xxxx  xxx  xxx  xx  xx  xxxx

研究者

他の書き手

指導者

書き手

文章

モニタ・分析

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着眼点: 編集操作

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テキスト編集システム

入力: 編集操作

xxx  xxxx  xxx  xxx  xx  xx  xxxx

ログ

研究者

他の書き手

指導者

書き手

出力: 傾向など

出力: 編集操作ログ

文章

モニタ・分析

測定機能

▲▲ ▲ ▲ ▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲

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参考) 他の着眼点の例: 文章

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テキスト編集システム 作文 xxx  

xxxx  xxx  xxx  xx  xx  xxxx

コーパス  など

研究者

他の書き手

指導者

書き手

出力: 傾向など

自然言語処理

文章

モニタ・分析

▲▲ ▲ ▲ ▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲

形態素解析

Page 7: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

Digital Humanities

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 7

テキスト編集システム

編集操作 xxx  

xxxx  xxx  xxx  xx  xx  xxxx

ログ

研究者

書き手

傾向など

編集操作ログ

文章

モニタ・分析

測定機能

▲▲ ▲ ▲ ▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲

Humani)es  作文プロセスの  認知心理学的研究

Digital  コンピュータ・  システムの設計

貢献

Page 8: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

本研究と先行研究

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テキスト編集システム

入力: 編集操作

xxx  xxxx  xxx  xxx  xx  xx  xxxx

マトリックス型  編集操作ログ

研究者

他の書き手

指導者

書き手

出力: 傾向など

文章

操作の種類・箇所

▲▲ ▲ ▲ ▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲

キーストローク  ログ

記録

時刻

文章中の文字数

時刻

測定機能 測定機能 測定機能

先行研究

入力操作の 再生

本研究

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§ 作文情報モデルの設計 information model

モデル = •  編集操作(activity) •  それが前提とする概念的な データ構造(information model)

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(2) 編集操作ログの分析が、役に立ち…

•  人文学・社会科学  •  作文指導  •  作文学習  •  文書の品質管理・向上

(1) どのようなモデルであれば…

(3) かつ、実装・対応 可能であるか。

x                                            x                                          x                  x                                          x  

どんな実装でも かまわない。フル実装でなくてもよい。むしろ実装によって傾向が変わるのか?

新規・既存のシステム

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§ シーズ指向 - アプローチ シーズ指向 ニーズ指向

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モデル モデル 指導・研究 指導・研究

仮説・提案

評価・次の仮説

ニーズ・要求

ソリューション

(…繰り返し)

Proof  of  concept:  最初の一歩  #1  使える:  モデルを知っている人ならば。使いやすさは問わない。  #2  実装可能である  =  on  Open  Web  Pla>orm  +  性能  #3  モニター・分析結果からなんらかの解釈が得られる

(…繰り返し)

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スマホ、タブレット、PC

文書Y xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

§ 相互運用性 interoperability

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スマホ、タブレット、PC

サーバA

編集操作ログ

書き手A

サーバ 処理

クラウド・ストレージ サーバB

編集操作ログ サーバ 処理

文書Y xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

文書X xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

モニター

サーバ処理

文書Xのログ

文書Yのログ

書き手Aのグラフ

書き手Bのグラフ

(なし)

書き手Aのグラフ

(なし)

書き手Bのグラフ

モニター

サーバ処理

書き手B

文書X xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

Page 12: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

スマホ、タブレット、PC

文書Y xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

相互運用性 interoperability

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 12

スマホ、タブレット、PC

サーバA

編集操作ログ

書き手A

サーバ 処理

クラウド・ストレージ サーバB

編集操作ログ サーバ 処理

文書Y xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

文書X xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

サーバ処理

文書Xのログ

文書Yのログ

書き手Aのグラフ

書き手Bのグラフ

モニター

サーバ処理

書き手B

文書X xxxxxxxxxxxxxxxx xxx

Page 13: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

§ マトリックス型編集操作モデル matrix type information model for "writing"

文章の設計(planning)を指導・支援するワークシート操作の一般型 •  多次元の考慮点 + 記述内容 •  既定の考慮点の理解と、自発的な発見

マトリックス型モデル 1)  複数の見出しと関連づけられたセルへの記入

2)  マトリックスの行・列の編集

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 13

自分  エントリー

科目 性格 卒研

志望動機 力を注いだ科目は、xxxです。そこで、志望動機yyyです。

希望職種 aaaな性格なので、bbb職を希望します.  

1)  記入

2)  列追加  =  「自分」軸に「卒研」視点を追加

Page 14: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

Q: 形態素解析を使うものとどう違う?

A: 形態素解析のアプローチでは、"現に書かれた内容"が出発点になるので:

•  "書き間違い"が分からない。

•  "書かれていない"ことが分からない。

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 14

Page 15: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

Q: キーストロークやワープロのアウトライン編集のログとの違いは?

A: キーストロークや従来のワープロの操作ログでは、"○○を考慮して"書いていることを検出できない。

この前提となるのは、作文指導や作文法や"○○申請ハンドブック"での、次のような指導に役立てること: –  ○○と、△△を考慮して、◇◇欄に記入しなさい。 –  何を書けばよいのか、考えなさい。

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 15

Page 16: マトリックス型テキスト編集モデルによる編集操作ログの実際と分析方針

結果と評価と今後

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#2の結果: リファレンス実装 reference implementation

"ハードウェアやソフトウェアの仕様…。リファレンス実装の一般的な目的は、開発者に対してその仕様を少しでも知ってもらうことである。純粋に学究的目的で提供されることもある…" from ウィキペディア

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マトリックス型  文章の設計図  (planning)

実際の文章  (produced  text)

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#3の結果: パターン#1

2014-06-19 公立はこだて未来大学 18

マトリックス編集 編集修了、投稿

編集操作の種類

時間軸

段落・ テキスト編集

マトリックス 編集

全体並べ 替えなど

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#3の結果: パターン#2

•  マトリックス編集が少ないか、全くない。

↑ •  文章(の骨格)を 流用した場合、など

2014-06-19 公立はこだて未来大学 19

マトリックス編集

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本シンポジウム原稿の場合

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6/9  〆査読原稿

7/4  査読結果通知

7/16  〆最終稿

マトリックス 編集 (この4スライドは、 色が違います)

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査読原稿の投稿まで

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 21

6/9  〆査読原稿 マトリックス編集をしてる。 構成を考えてる。

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結果通知~最終稿

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 22

マトリックス編集がない。 つまり、 査読コメントを受けても、 構成は変えてない。

7/16  〆最終稿

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分析と大規模化・機密性

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 23

マトリックス編集がない。 つまり、 査読コメントを受けても、 構成は変えてない。

…ということは:  •  査読コメントの趣旨が伝わってるのか?  

•  リファレンス実装のUIが、後から構成を変更するのに向いてないのか?

…という気づき・懸念を、  原稿やコメントの  

中身を見なくても得られる

大規模化対応  機密性対応

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評価

Proof of concept: 最初の一歩

#1 使える: モデルを知っている人ならば。使いやすさは問わない。

•  この1年半、論文や予稿の投稿に使えた。

#2 実装可能である = on Open Web Platform + 性能

•  HTML5 + JavaScriptで実装できた。

•  応答速度・メモリ所要量は普通のアプリ程度

#3 モニター・分析結果からなんらかの解釈が得られる

•  前述の結果のように、解釈が可能である。

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今後: 傾向の発見・活用方法 モデルへのフィードバック

2014-08-25、SSS2014 山口琢@はこだて未来大学 25

•  人文学・社会科学  •  作文指導  •  作文学習  •  文書の品質管理・向上

(2) どのようなモデルであれば…

(3) かつ、実装・対応 可能であるか。

x                                            x                                          x                  x                                          x  

新規・既存のシステム

▲▲ ▲ ▲ ▲▲▲ ▲ ▲▲▲▲▲▲

(1) 役に立つ編集操作ログの分析… 傾向#1、#2、…

傾向#2

傾向#3

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表現のレビューにはよい、かも。 従来の校正支援ツールの出番

活用例1) レビューの時期

2014-06-19 公立はこだて未来大学 26

レビューには早い、 まだ何も考えてない。

レビューにはいい タイミング、構成に ついてレビューしよう。

構成のレビューには遅い。 「それ、早く言ってよ。」

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活用例2) レビューの効果

2014-06-19 公立はこだて未来大学 27

整合性を見直してるようだ… …もちろん、作業があった、 というだけのことだが。

レビュー実施