大学院生の国際流動性と世界トップレベルの研究大学

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Nobuyuki Shirakawa NISTEP presentation at NIHON-KOUTOUKYOUIKUGAKKAI @HIROSHIMA-U

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大学院生の国際流動性と世界トップレベルの研究大学

~ 工学分野における実証分析 ~

2013年5月25日文部科学省科学技術政策研究所

科学技術動向研究センター○ 白川展之,*古川貴雄

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1.目的・背景 

国際間の学生移動研究は、経済・社会的な要因によって留学先を学生が選択する Push-pull Model に基づく分析が多い

本研究では,産業やイノベーションに関係が深いと考えられる工学分野において研究能力が高い才能ある大学院生の機関間の国際移動メカニズムを解明

世界トップレベルの研究大学は、世界各国から学部卒業生と大学院生の供給を受けることで支えられている

そこで、大学ランキングで隠されてしまいがちなこうした状況に焦点を当てた実証分析

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2.先行研究:国際間の学生移動研究

国際間の学生移動研究: Push-pull Model• ホスト国と受入国、要因の研究

• 個人レベルのミクロ調査もしくは社会経済要因のマクロ調査• 具体的な高等教育機関間の移動を分析したメゾレベルの研究はな

いアンケート調査に基づくモチベーションの調査• 所得など経済的動機とアカデミックな水準・評判

• e.g.,Mazzarol and Soutar 2002; Park 2009 ; Li and Bray 2007 ; • Chen 2007 要因分解、 Kondakci (2011) 精緻化• Cantwell et al.(2009) :ランキング

統計データに基づく数量的な分析• McMahon 1992; Gonza´lez et al. 2011• GDP 、進学率等の統計、ネットワーク分析、数理モデル

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3.分析方法 • 論文執筆者 = 研究者とエンジニアの国際移動• 計量書誌学データ収集と情報学的分析

– 各研究領域におけるトップジャーナルに記載された著者履歴の欄にある教育履歴を分析・可視化

• 分析対象:3研究領域を選択 研究施設・学際性・産業とのリンク① コンピュータ・ビジョン( Computer vision )② ロボット工学( Robotics )③ 電子デバイス( Electron devices )– それぞれインパクトファクターが高いトップジャーナルに論文が掲載され

た 93 ケ国 1,647 組織 7,053 人の著者の教育履歴を可視化

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4.結果 

Academic Ranking of World Universities (ARWU) or Shanghai Ranking の各領域で上位を占める

欧米の研究大学に向けて,中国やインドの才能ある大学院学生が押し出し牽引される構造

研究領域における機関別の特徴を三角グラフで表現3項目の三角グラフと機関別論文数をバブルで表現するチャート

組み合わせにより、大学別のポジションが可視化

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図 1. コンピュータ・ビジョンインブリーディングの場合ほど、中心に位置する(注)上表の大学名の脇に、 ARWU の discipline別ランキングを (   )内に記載している。

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図 2. ロボット工学(注)上表の大学名の脇に、 ARWU の discipline別ランキングを (   )内に記載している。

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図 3. 電子デバイス(注)上表の大学名の脇に、 ARWU の discipline別ランキングを (   )内に記載している。

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6.機関別の特徴• 各領域で、出身者の論文著者数が多い機関について,どのレ

ベルの学位をそれぞれの組織で得ているかを比較するため,教育履歴を可視化

①博士課程の院生・学部生を世界中から集めて

いる機関

スタンフォード大学

(図 4 )

カーネギーメロン大学(図 5 )

② 世界中に優秀な院生を送り出している代表

的な機関

清華大学(図 6 )

ソウル国立大学

(図 7 )

③ 論文数が多くBachelor, Master, PhD の構成バランスがとれている研究大学の代表的

な機関

マサーチューセッツ工科大

学(図 8 )

東京大学(図 9 )

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①博士課程の院生・学部生を世界中から集めている機関図 4.スタンフォード大学 

(コンピュータ・ビジョン ) 図 5.カーネギーメロン大学

(コンピュータ・ビジョン )

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② 世界中に優秀な院生を送り出している代表的な機関図 5.カーネギーメロン大学(コンピュータ・ビジョン )

図 6.清華大学(コンピュータ・ビジョン )

Page 12: 大学院生の国際流動性と世界トップレベルの研究大学

③ 論文数が多く Bachelor, Master, PhD の構成バランスがとれている研究大学

図 9.東京大学  (ロボット工学 ) 図 8.マサーチューセッツ工科大学 (ロボット工学 )  

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7.考察

各国でトップレベルの研究大学が優秀な学部卒業生を「輸出」し,グローバルなトップランクの研究大学がこれを受け入れる相互補完関係にあることが定量的に可視化できた。

コンピュータ・ビジョンとロボット工学分野では,大学ランキングの高い米国の研究大学が論文数の上位を占めたことから,大学院留学生を惹きつける誘因となっているとみられる。

対照的に,電子デバイス分野では,高度人材の自国内での雇用機会をもたらす企業の存在が重要な牽引要因となっていると考えられる。

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おわりに

東京大学インブリーディング

開催校:広島大学元「新堀工場」

の皆様に感謝

図4.スタンフォード大学 (コンピュータ・ビジョン)

図5.カーネギーメロン大学 (コンピュータ・ビジョン)

図6.清華大学 (コンピュータ・ビジョン)

図7.ソウル国立大学 (電子デバイス)

図8.マサーチューセッツ工科大学 (ロボット工学)

図9.東京大学 (ロボット工学)