復旧・復興の仕組み · 2020-07-06 · 復旧・復興の仕組み とはいえ 今回は【復旧・復興】モード 災害による被害(死者・行方不明者)
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2級コンポジットレジン修復(マトリックスバンド使用)
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2級コンポジットレジン修復 1.学習目標 2.治療計画の立案 2-1 医療面接 2-2 検査 2-3 診断・治療計画 2-4 説明・同意 3.窩洞形成 3-1 準備する器具 3-2 窩洞形成時の注意点 3-3 シェードテイキング 3-4 う蝕除去 3-5 窩縁形態の付与 3-6 窩洞の確認 4.簡易防湿 4-1 準備する器具 4-2 巻き綿花の挿入・確認 5.隔壁法(マトリックスバンド使用) 5-1 準備する器具 5-2 マトリックスバンドの試適・調整 5-3 マトリックスバンドのリテーナーへの取り付け 5-4 患歯への装着 5-5 ウェッジの挿入 5-6 マトリックスバンドの圧接・賦形 5-7 接着状態の確認
6.歯面処理(3ステップシステム) 6-1 準備する器具・材料 6-2 エッチング 6-3 プライミング 6-4 ボンディング 6-5 光照射 7.填塞 7-1 準備する器具・材料 7-2 コンポジットレジンの填塞(1層目) 7-3 光照射(1層目) 7-4 コンポジットレジンの填塞(2層目) 7-5 光照射(2層目) 8.仕上げ 8-1 準備する器具 8-2 仕上げ(形態修正・咬合調整) 9.修復物のチェック・研磨 9-1 準備する器具 9-2 修復物のチェック 9-3 最終研磨 10.術後管理
使用模型歯:A26A-45G
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2.治療計画の立案
【到達目標】
検査・診断結果から適切な治療計画を立案できる。
【ポイント】
医療面接・検査から必要な情報を収集する。
得られた情報を基に適切な診断を行う。
適切な治療計画を立案する。
患者に治療計画を説明し同意を得る。
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2-1.医療面接
日進次郎さんは半年前から、
下顎右側臼歯部が冷たいものにしみるようになってきました。
特に処置はせず放置していましたが、
最近、痛みが強くなってきたので
かかりつけの歯科医に相談に行きました。
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どうされましたか?
先生、右下の奥歯が冷たいものにしみるんです。
その痛みについてもう少し話してくださいますか?
半年前から時々冷たいものにしみていましたが、
最近、とくに痛みが強くなってきました。
半年前から冷たいものにしみてきて、
最近痛みが強くなってきたのですね。
それは困りましたね。
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他の症状、例えば何もしなくても痛いと
いうことはありませんか。
大丈夫です。
熱いものを飲んだり、咬んだ時はどうですか?
大丈夫です。
そうですか、大丈夫ですね?
はい。
では、お口の中を診てみましょう。
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【医療面接】
年齢:35歳
性別:男性
主訴:下顎右側臼歯部が水にしみる。
現病歴:半年前から一過性の冷水痛がある。
最近痛みが強くなってきた。
全身的既往歴:なし
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2-2.検査
【検査結果】
視診:#45( 5 )遠心小窩裂溝部に変色を認める。
触診:探針での引っかかりがある。
打診:水平(-),垂直(-)
温度診:エアにて一過性の疼痛を認める。
温熱刺激に疼痛を認めない。
歯髄電気診:生活反応を示す。(対照歯:#35・ 5 )
エックス線検査:二等分法
(咬翼法を用いることもある。)
咬合面から遠心隣接面に広がる透過像を
認める。
歯槽骨に吸収を認めない。
インピーダンス測定:50kΩ
その他:他の歯には異常は見られない。
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2-3.診断・治療計画
【診断】
下顎右側第二小臼歯(#45・ 5 )
咬合面・遠心隣接面う蝕 う蝕症第2度(C2)
【治療計画】
2級コンポジットレジン修復
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2-4.説明・同意
右下の奥から3番目の歯がむし歯ですね。
他の歯には異常は見られませんでした。
むし歯は、咬み合わせの面と
歯と歯の間の面にあり、
比較的小さく、神経には達していません。
右下の奥から3番目の歯を治療していきましょう。
はい、お願いします。
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治療方法には、プラスチックを詰める方法と
金属を詰める方法があります。
プラスチックは歯とほぼ同じ色で見た目が自然です。
しかし、強い力のかかる歯に詰めると
削れたり割れることがあります。
一方、金属は強く丈夫です。
しかし、見た目が良くありません。
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むし歯は比較的小さく、
強い力がかかる所ではありません。
また、むし歯になっている歯は
お口を開けると目立つ所にあります。
したがって、むし歯を削ってプラスチックを
直接詰める方法が良いと思いますが
いかがでしょうか?
では、プラスチックを詰める方法でお願いします。
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3.窩洞形成
【到達目標】
2級コンポジットレジン修復の窩洞形成ができる。
【ポイント】
う蝕範囲を考慮し、適切な窩洞外形を設定する。
窩縁部が咬合接触部位にならないように設定する。
適切な窩縁形態を付与する。
隣在歯や歯肉を傷つけないよう配慮する。
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3-1.準備する器具
種類:ダイヤモンドポイント ペア型 EX-41
種類:スチールバー ラウンド型 #1/2~7
種類:ダイヤモンドポイント ラウンド型 BR-49
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3-2.窩洞形成時の注意点
開口度
3横指 左右回転角
0~右5度
前方傾斜
基準位より前方に0~10度傾斜
10度
術者の位置
11:30
作業姿勢を整える。
術者の位置 :11:30
開口度 :3横指
患者頭部の前方傾斜 :0~10度
左右回転角 :0~右5度
手指の固定位置 :#43,44(4 3 )の切端と頬側咬頭
固定指の接触部位 :指先または第一関節外側
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3-4.う蝕除去
1.う窩の開拡を行う。
2.う蝕象牙質の除去を行う。 ※必要に応じ局所麻酔にて除痛を
行う。
0. プレウエッジングを行う
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3-4-1.う窩の開拡
EX-41
1. ダイヤモンドポイントを用いてう蝕
エナメル質を除去する。 ※高速、軽圧、注水下にて行う。
※カーバイドバーを用いる場合もある。
【使用するバー・ポイント】
ダイヤモンドポイント EX-41
1. ウエッジを遠心隣接面下部鼓形空隙に挿入する。(プレウエッジ)
※形成時の隣在歯保護
※形成時の歯肉保護
ウェッジ
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3-4-2.う蝕象牙質の除去
#1/2~7
1. スチールバーを用いてう蝕象牙質を除去する。 ※ 低速 、軽圧、注水下にて行う。
※ 臨床ではう蝕象牙質の取り残しが無いように、う蝕検知液による染色状態を指標とし、細菌感染して再石灰化しえない死層であるう蝕象牙質第1層(外層)のみを除去する。
※ 臨床では咬合接触部位・隅角の遮断遊離エナメル質は除去する。
※ 臨床では手用切削器具(スプーンエキスカベーター)を用いる場合もある。
【使用するバー・ポイント】
スチールバー(ラウンド型)#1/2~7
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1. ダイヤモンドポイントを用いて咬合面窩縁にラウンドベベルを付与する。
【使用するバー・ポイント】
ダイヤモンドポイント BR-49
3-5.窩縁形態の付与
BR-49
象牙質
エナメル質
ラウンドベベル
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4.簡易防湿
【到達目標】
適切な位置に巻き綿花を挿入し、防湿と術野の確保ができる。
【ポイント】
開口状態を保ち、口呼吸を避けるように説明する。
舌、頬粘膜を過度に引っ張らない。
舌下部、歯肉頬移行部に挿入する 。
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4-2.巻き綿花の挿入・確認
1. 舌、頬粘膜をデンタルミラーで排除しながら巻き綿花を舌下部、歯肉頬移行部に挿入する。
2. 巻き綿花が確実に挿入できていることを確認する。
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5.隔壁法(マトリックスバンド使用)
【到達目標】
患歯にマトリックスバンドを適切に装着できる。
【ポイント】
マトリックスバンドの高さを辺縁隆線より約1mm上にて調整する。
マトリックスバンドとリテーナーの向きを正確に装着する。
ウェッジを適切に挿入する。
接触点部と歯頸部を緊密に適合させる 。
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5-2.マトリックスバンドの試適・調整
1. マトリックスバンドを患歯に試適しバンドの高さを確認する。 ※高さの目安は辺縁隆線より約1mm
上とする。
咬合面側
歯頸側
歯頸側
咬合面側
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5-2.マトリックスバンドの試適・調整
2. マトリックスバンドの高さが合わない場合は、金冠バサミで咬合面側を調整する。
3. 切断部をカーボランダムポイントで研磨する。 ※手指を切らないように気をつける。
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5-3.マトリックスバンドのリテーナーへの取り付け
1. マトリックスバンドとトッフルマイヤー式リテーナーの向きを正確に装着する。 ※リテーナーが頬側に位置する。
※バイスの溝が歯頸側を向く。
2. 止めネジで固定する。 ※この時、締めネジを用いて、マトリックスバンドの広さを調整する。
上顎右側・下顎左側の場合
上顎左側・下顎右側の場合
止めネジ 締めネジ バイス
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5-5.ウェッジの挿入
1. ウェッジを舌側から挿入し、歯間分離を行うと共にマトリックスバンドを歯肉側窩縁に適合させる。 ※ウェッジを落とさないように注意する。
※歯間乳頭を傷つけないように注意する。
ウェッジ
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5-7.装着状態の確認
1. 隣接面接触関係が適切であることを確認する。
2. 目視及びデンタルミラーにて歯肉側窩縁部にマトリックスバンドが密着していることを確認する。
3. マトリックスバンドの患歯への固定状態を確認する。
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6.歯面処理
【到達目標】 接着システムを理解し、適切な接着処理ができる。
【ポイント】 窩洞全体に歯面処理を行う。 添付文書に記載されている操作上の注意事項を遵守する。
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遮光板・混和(パイル)皿 マイクロブラシ 光照射器・遮光シールド
ボンディング材 (アドヒーシブ)
エッチング材 象牙質プライマー
3ステップ 6-1.準備する器具・材料 今回は、3ステップの接着システムを用いる。
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6-2.エッチング
1. 水洗・乾燥を行う。
2. 必要に応じて巻き綿花を交換する。
1. 塗布 2. 水洗・乾燥
3ステップ
1. マイクロブラシを用いてエッチング材 を窩洞全体に塗布する。
※強くこすりつけない。
2. 15~30秒間処理を行う(添付文書に 従う)。
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6-3.プライミング
エアブローにて軽く乾燥する。
1. 塗布 2. 乾燥
3ステップ
マイクロブラシを用いて象牙質プライマー
を窩洞全体に塗布する。 ※ 強くこすりつけない。
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6-4.ボンディング
軽くエアブローを行いボンディング材の厚みを均一にする。
1. 塗布 2. エアブロー
3ステップ
マイクロブラシを用いてボンディング材を窩洞全体に塗布する。 ※強くこすりつけない。
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6-5.光照射 3ステップ
1. 光照射
光照射器を窩洞に近づけ、 10~20秒間照射する(添付文書に従う)。 ※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。
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7.填塞
【到達目標】
窩洞にコンポジットレジンを緊密に填塞できる。
【ポイント】
自然光や無影灯でも重合が始まるので注意する。
気泡が入らないように填塞する。
窩洞の深さが2mm以上ある場合は、照射光の不到達域 (照射深度)を考慮し積層填塞を行う。
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7-2.コンポジットレジンの填塞(1層目)
隣接面に適量のコンポジットレジンを気 泡が入らないように填塞する。 ※ 今回は窩洞の深さが2mm以上のため積層填塞を行う。
※ 充填器に付着したコンポジットレジンは乾いたガーゼで拭き取る。
1. 採取 2. 填塞(1層目)
シリンジのプランジャーを回し、必要量を
紙練板上に採取する。 ※プランジャーは逆回しに戻して緩めておく。
※光が当たると重合が始まるため、必ず遮光
する。
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1. 光照射
光照射器を填塞部に近づけ、照射する(添付文書に従う)。 ※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。
※光照射器と填塞部の距離が離れているため、照射時間は少し長めに設定する。
7-3.光照射(1層目)
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7-4.コンポジットレジンの填塞(2層目)
2. 咬合面形態の付与 1. 填塞(2層目)
咬合面に適量のコンポジットレジンを填塞する。
※ 充填器に付着したコンポジットレジンは乾いたガーゼで拭き取る。
解剖学的咬合面形態に回復する。
※ 窩縁を僅かに超える(ラップジョイント)ように賦形する。
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7-5.光照射(2層目)
1. 光照射
1. 光照射器を填塞部に近づけ、照射する(添付文書に従う)。
※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。
2. 重合後、ウェッジ・リテーナー・マトリックスバンド・巻き綿花を除去する。
※口腔内に落とさないように注意する。
※照射が不十分と思われる部位があれば
追加照射する。
2. 填塞状態の確認
隣接面と歯頸部の填塞状態を確認する。 ※ 辺縁隆線の高さを確認する。
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8.仕上げ
【到達目標】
2級コンポジットレジン修復の適切な仕上げができる。
【ポイント】
歯質との境界を移行的に修正する。
早期接触部位を削除する。
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8-1.準備する器具
咬合紙・咬合紙ホルダー
ホワイトポイント スーパーファインダイヤモンドポイント
仕上げ用カーバイドバー
今回は私用しない
今回は私用しない
今回は私用しない
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8-2.仕上げ(形態修正・咬合調整)
1. 形態修正を行う。 ※歯質との境界を移行的に修正する。
2. 咬合紙を用いて咬合を確認し調整を行う。 ※歯質を削らないよう注意する。
【使用するバー・ポイント】 ホワイトポイント
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【患者説明】
むし歯を削って歯と同じ色のプラスチック材料を詰めました。
プラスチックが完全に固まるには24時間以上かかります。次回磨きますので来院してください。
はい、分かりました。
ありがとうございました。
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9.修復物のチェック・研磨
【到達目標】
2級コンポジットレジン修復の適切な研磨ができる。
【ポイント】
填塞後、24時間以降に研磨を行う。
摩擦熱が発生しないように考慮する。
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9-2.修復物のチェック
【チェック項目】
・歯髄の状態
・咬合の状態
・色調の調和
1週間経ちましたね。
いかがですか。
とくに問題はありません。
それでは仕上げの磨きをしましょう。
お願いします。
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9-3.最終研磨
1. シリコーンポイントやゴム製研磨材を用いて、仕上げ・研磨を行う。 ※低速、軽圧にて行う。
※摩擦熱に注意する。
※部位に応じた研磨用器具を選択する。
※オーバーハングの取り残しが無いことを確認する。
2. 隣接面は研磨用ストリップスを用いる。
※接触点を削り過ぎないように注意する。
【使用する器具】 シリコーンポイント
ゴム製研磨材
研磨用ストリップス
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【患者説明】
治療はこれで終わりです。
むし歯にならないように
メンテナンスを行っていきます。
半年後に来院してください。
ありがとうございました。