第2回ぞくパタ
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2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
箱のなかのコイン含有率が π1 π2 π3 コインを投げた時に表が出る確率が θ1 θ2 θ3 のとき、1枚取り出したコインを投げたら表が出た
(1) このときコインがそれぞれω1, ω2, ω3である確率は? (2) π1 = 0.1, π2 = 0.4, π3 = 0.5, θ1 = 0.8, θ2 = 0.6 , θ3 = 0.3 のとき、上記確率は?
箱のなかのコイン含有率 π1, π2, π3の合計はもちろん1 コインを投げた時に表が出る確率が θ1, θ2 , θ3 : 本来なら表の出る確率は0.5のはずだが… 今回の例題ではコインに細工がある コインが表の時: X = H, コインが裏の時: X = Tとする 今回求めたいのは以下の
出たのがXである時コインはωiである確率
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
! !! ! = !! ! !!! ! �! !!
P(X)は以下のように書ける
さらに、
また、コインを投げて表P(H|ωi), 裏の出る確率P(T|ωi)は
直接結果であるP(ωi|x)を求めるのは難しいが含有率は
上記の確率はすべて投げる前にわかってる事前確率。
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
! ! = ! ! !!
!
!!!!! !|!!
! !!
!
!!!= 1 ! !!|!
!
!!!= 1!(! = !,!) ! ! = ! ! + ! ! = 1
!!! ,!
!(!|!!) = !! ! ! !! = 1− !!
!(!!) = !!
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
! !! ! = !! ! !!! ! �! !!
!(!!) = !! ! ! = ! ! !!
!
!!!!! !|!!
!(!|!!) = !! ! ! !! = 1− !!
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
事前確率を に代入していくと、 を得ることができる。 これをさらにベイズの定理に代入すると、
また、裏が出た時の場合は で示すことができる。
! ! = ! ! !!
!
!!!!! !|!!
! ! = ! !!
!
!!!!! !|!! = !!
!
!!!!!
! !! ! = !! !|!!!(!) �! !! = !!!!
!!!!!! !!
! !! ! = !!(1− !!)!!!
!!! (1− !!)
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
! !! ! = !! ! !!! ! �! !!
!(!!) = !! ! ! = ! ! !!
!
!!!!! !|!!
!(!|!!) = !! ! ! !! = 1− !!
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
箱のなかのコイン含有率が π1 π2 π3 コインを投げた時に表が出る確率が θ1 θ2 θ3 のとき、1枚取り出したコインを投げたら表が出た
(1) このときコインがそれぞれω1, ω2, ω3である確率は? (2) π1 = 0.1, π2 = 0.4, π3 = 0.5, θ1 = 0.8, θ2 = 0.6 , θ3 = 0.3 のとき、上記確率は?
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐1 コイン1回投げ
ω1 ω2 ω3
!!!
!!!!! = 0.1!×!0.8+ !0.4!×!0.6+ !0.5×!0.3 = 0.47
! !! ! = !0.1!×!0.80.47 = 0.170
! !! ! = !0.4!×!0.60.47 = 0.511
! !! ! = !0.5!×!0.30.47 = 0.319
代入すると、
となり、これが問2の答えになる コインを1回投げて表が出た時、ω1の確率が事前確率に比べ
て高くなり、ω3の確率が低くなっている
事前確率
0.100 0.400 0.500
事後確率
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐2 コインn回投げ
ω1 ω2 ω3
箱のなかのコイン含有率が π1 π2 π3 コインを投げた時に表が出る確率が θ1 θ2 θ3 のとき、1枚取り出したコインをn回投げたらr回表が出た このときコインがそれぞれω1, ω2, ω3である確率は?
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐2 コインn回投げ
ω1 ω2 ω3
箱のなかのコイン含有率が π1 π2 π3 コインを投げた時に表が出る確率が θ1 θ2 θ3 のとき、1枚取り出したコインをn回投げたらr回表が出た このときコインがそれぞれω1, ω2, ω3である確率は?
観測結果は x(n) = x1x2…xt…xn と書く
ここでxtはt回目の観測結果であり
xt ∈ {H, T} (t = 1,2,..., n) と書く
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐2 コインn回投げ
ω1 ω2 ω3
観測結果x(n) が得られる確率P(x(n)|ωi) は、各試行が独立なので P(x(n)|ωi) = P(x1|ωi) P(x2|ωi)…P(xn|ωi) (i = 1, 2, 3) = θir (1-θi)n-r
観測結果x(n)が得られる確率P(x(n))は となり、ベイズの定理と組み合わせて解である が得られる。
! !(!) = ! ! !!
!
!!!!! !(!)|!! = ! !!
!
!!!!!!(1− !!)!!!
! !!|!(!) = ! !(!)|!!! !(!) !�! !! = ! !!!!!(1− !!)!!!
!!!!!! !!!(1− !!)!!!
!
2.1 事後確率の計算: 例題1-‐2 コインn回投げ
ω1 ω2 ω3
同一条件で同じ試行を繰り返す時、それぞれの試行は独立であり、 他の試行に影響を与えない。 →ベルヌーイ(Bernoulli)試行と呼ぶ。 この章で出てくるのは2項分布(Binomial)と呼ばれる。 n = 1とするとr = 0, r = 1となる確率がθ, 1-θの確率分布が 得られる。これを特にベルヌーイ分布といい、以下のように示す。
!! !;! = ! !!!! !!!(1− !)!!! !
!"#$ !;! = !! !;! = !!! 1− ! !!! ! 0 ≤ ! ≤ 1 !(! ∈ 0, 1 )
2.2 ベイズ更新
ω1 ω2 ω3
さっきまでは直接事後確率P(ωi|x(n))を求めてきたが、 ここからはベイズ更新を使って逐次的に事後確率を求める。 1回投げたとき ! !! !! = ! !! !!
!(!!) �!!(!!)!
= !(!!|!!)!(!!)!
!!! !(!!|!!)�!! !! !(! = 1, 2, 3)!
2.2 ベイズ更新
ω1 ω2 ω3
2回投げたときには 1回目の事前確率P(ωi|x1)を使ってP(ωi|x1x2)を求める
以下に示した各回の試行の独立性を使用
! !! !!!! = ! !!!! !!!(!!!!) �!!(!!)!
= !(!!)!(!!|!!)!(!!|!!)!(!!)!
!!! !(!!|!!)!(!!|!!)!
! !!!! !! = !! !! !! �! !! !! !!(! = 1, 2, 3)!
分子・分母をP(x1)で割って以下を使う
= !(!!|!!)!(ω!|!!)!(!!|!!)!
!!!�!! !!|!! !!(! = 1, 2, 3)!
! !! !! = ! !! !!!(!!) �!!(!!)!
2.2 ベイズ更新
ω1 ω2 ω3
一般化すると 1回投げた時のP(x1|ωi)が P(xn|ωi), P(ωi)が P(ωi|x(n-1)) に →コインをn回投げた時の事後確率 P(ωi|x(n)) を求めたい時は これまで投げた (n-1) 回の観測結果に基づく事後確率である P(ωi|x(n-1)) を事前確率としてベイズの定理を適用する → ベイズ更新 (Bayesian updating)!
! !! !(!) = ! !! !!!(!!|!(!!!))!
!!! !(!!|!!)�!!(!!|!(!!!))!
ω1 ω2 ω3
箱のなかのコイン含有率が π1 π2 π3 コインを投げた時に表が出る確率が θ1 θ2 θ3 のとき、1枚取り出したコインをn回投げたら表がH回出た
π1 = 0.1, π2 = 0.4, π3 = 0.5, θ1 = 0.8, θ2 = 0.6 , θ3 = 0.6 のとき コインがそれぞれω1, ω2, ω3である確率は?
今回の実験では投げたコインはω1とする
2.3 ベイズ更新の実験: 実際に試してみる
ω1 ω2 ω3
10回投げたら観測結果は x(10) = x1x2…xt…x10 = HHHHTHHTHT (H = 表, T = 裏)
割合は0.7であり、実際の0.8に近いが... P(ω1|x(10)) = 0.182 P(ω2|x(10)) = 0.777 ω1のはずがω2の確率のほうが大 P(ω3|x(10)) = 0.041 ω1の事前確率は0.1だからね…事前確率に引っ張られている →投げる回数を増やしてみる
2.3 ベイズ更新の実験: 実際に試してみる
ω1 ω2 ω3
100回投げたら観測結果は
表 = 88, 裏 = 12
このとき
P(ω1|x(100)) = 0.9999998 P(ω2|x(100)) = 0.0000002 P(ω3|x(100)) ≒ 0 事前確率の影響を観測数を増やすことで排除!
2.3 ベイズ更新の実験: 実際に試してみる