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Page 1: 2016.6.3 単純性皮下腫瘍に対するトリメトプリム・スルファメトキサゾール(st合剤)とプラセボとの比較

単純性皮下膿瘍に対するトリメトプリム・スルファメトキサゾール (ST合剤 )とプラセボとの比較

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BACKGROUND・米国では、皮下膿瘍による救急受診が MRSAの出現に伴い増加しつつある。切開排膿を受ける患者における抗菌薬の補助的投与の役割は明らかにされていない。・また 1993 年から 2005 年の間、皮膚・軟部組織感染の ER 受診件数が 120 万から 340 万件に増え、これらの多くの原因は皮下膿瘍であった。さらにこの期間中 community

associated MRSA(CA-MRSA) が世界の国々で皮膚・軟部組織感染の最も多い起炎菌となった。

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・一般的に切開排膿は皮下膿瘍の standard 治療であり、抗菌薬の併用の効果についてはいまだに議論されており、以前の小規模の studyは抗菌薬を投与してもプラセボとの差がないという結論だった。・切開排膿のみでも 80 %の治癒率があるため、抗菌薬投与の有効性を検討するため、大規模の study が必要であった。・トリメトプリム・スルファメトキサゾール( ST合剤)は CA-MRSA が原因となる皮膚・軟部組織感染に対して頻繁に使われている抗菌薬である。

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METHODS

・ 2009 年 4 月から 2013 年 4 月の間、身体診察・ US 検査で皮下膿瘍と思われる皮膚病変(ただし直径 2cm 以下で出現して 1wk 未満のもの)を主訴に救急外来を受診した 12 歳以上の患者を対象とした。・他施設の救急外来における double-blind RCTで、切開排膿 +ST 合剤の 7 日間

treatment   course と切開排膿 + プラセボを比較した。

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・皮下膿瘍と診断してから、皮膚病変を切開排膿して、 ST 合剤またはプラセボの 7 日間コースを処方した(一日トリメトプリム 320mg ・スルファメトキサゾール 1600mg 分 2 )・治療期間中の Day4 と Day8 、治療終了時の

Day10 、 Test-of-cure の Day14 、そしてextended test-of-cure の Day49 に follow up を行った。

・ Primary outcome は Day14 の follow up visit に皮下膿瘍が臨床的に治癒していること。

・ Secondary outcome は追加切開排膿処置、新しい皮膚病変の出現、家庭内の新感染と定義された。

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RESULTS・本 study に参加した 1265 人中、 1247 人( 98.6% )は無作為に ST 合剤群もしくはプラセボ群に振り分けられ、処方された薬剤を最低 1 回服用した。その 1247 人の中で 807人( 64.7% )はコンプライアンスを 100 %守ったとされており、 214 人( 17.2% )が

76 から 90% のコンプライアンス率となった。・ 45.3% の参加者に MRSA が検出され、この中で 97.4 %の場合は ST 合剤 sensitive な

MRSA であった。

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・ Clinical cure について: 最低 1 回服用した群に関しては臨床的治癒率は ST 合剤群では80.5% 、プラセボ群は 73.6% だった。

・ 75 %のコンプライアンス以上の群では ST 合剤群の 92.9 %、プラセボ群の 85.7% の臨床的治癒となった。・ Secondary outcome においても ST 合剤群はプラセボ群に比べたら有意に優れている(追加切開排膿処置: 3.4%vs8.6% 、新しい皮膚病変の出現: 3.1%vs10.3% 、家庭内の新感染: 1.7%vs4.1% )

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・ Adverse effects :全体的に ST 合剤群とプラセボ群の副作用発生率はほぼ等しく、認めた場合でも軽度であった。もっとも多い副作用は消化器関連のもの(下痢など)で命にかかわるような event はなかった。

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DISCUSSION・以前に行われた小規模 Study は皮下膿瘍に対して切開排膿に加え、抗菌薬投与は本来の

standard 治療とは有意な差を示さなかった。・しかし今回の大規模 study において皮下膿瘍に対して切開排膿に加え、 ST 合剤投与( 320mg トリメトプリム・ 1600mg スルファメトキサゾール)を受けた群の治癒率が有意に高いことが分かった。・また ST 合剤投与を受けた参加者にも副作用の発生率が低く、あったとしても軽度。・ ST 合剤は安価で安全性の高い抗菌薬であり、切開排膿との併用で、より効果的な皮下膿瘍の treatment である。

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・ Limitations :糖尿病などの持病のある患者は対象とされていたものの、 Study に関わった一部の医師はこういった high risk の患者に参加してほしくなかったという selection bias・皮下膿瘍の水疱内を MRSA minimum

inhibitory concentration にまで達するために、一日 160mg トリメトプリム・ 800mg スルファメトキサゾール分 2 は十分だが、今回の study では効果性をより確実に検討するため、その 2 倍を使用した。・切開排膿という処置は施行者の技術によって効果性が変わる。(今回の study では施行者たちが事前に同じ切開排膿処置トレーニングを受けたが、それにしても個人差がる)