関博研トーク20140714
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Transcript of 関博研トーク20140714
04/08/2023
博物館情報システムと OpenGLAM について
高橋 徹
(株) ATR Creative チーフプロデューサATR 知能ロボティクス研究所 研究員
NPO リンクト・オープン・データ・イニシアティブ 理事
高橋 徹(たかはし とおる)• 1999 年より ATR (国際電気通信基礎技術研究所)研究員
– 知能情報通信研究所 (‘99) 、メディア情報科学研究所 (‘01) 、認知情報科学研究所 (‘06)
• 2006 年、 ATR 子会社内に「ミュージアムメディア事業部」起上げ
みんぱくキッズワールド (‘06) 、世界を集める (’07) 、記憶をつなぐ (‘12)
ウメサオタダオ展(国立民族学博物館 (‘11) 、日本科学未来館 (‘12 )) etc.
• 2010 年〜 文部科学省「複合現実型デジタル・ミュージアム」事業参加
• 2012 年、 株式会社 に改組
• 2012 年、 NPO 法人 Linked Open Data Initiative 起ち上げに参加
• 2013 年〜 総務省 ICT 地域マネージャー、地域情報化アドバイザー
2014/07/17
人工知能学会、日本 VR 学会、日本展示学会 会員
関西文化学術研究都市(愛称:けいはんな学研都市)
2014/07/17
けいはんな(京阪奈)= 京都 & 大阪 & 奈良
京都
大阪
奈良
(株)国際電気通信基礎技術研究所• けいはんな学研都市の最初の研究所
– 1986 年創立、 1989 年 けいはんな に開所
• NTT や KDDI などの民間企業のほか、京都府、大阪府、奈良県なども出資
• 脳科学、ロボット工学、電磁波工学などの研究・開発を行う学術総合研究機関
2014/07/17
ATR CreativeATR の研究・開発ノウハウを活かしてデジタル文化の創造を行う情報デザイン企業
「ちずぶらり」◆ミュージアム向け ICT 企画・開発◆
ロボット・センサー技術◆
これまでのお仕事(インタラクティブシステム開発&イベント企画)
MAP システム( Minpaku Anthropological Phototheque )
http://vimeo.com/92710931
Image Finder
2012 年グッドデザイン賞を受賞した、「画像でさがす」情報検索システム
Image Finder (国立民族学博物館)
http://vimeo.com/38618085
Image Finder (国立民族学博物館)
Image Finder ( 110 インチ出力実験)
三重県立博物館・県立美術館・斎宮歴史博物館等の県立文化施設が所蔵する資料を横断で見ることができます。 2012 年 11 月に導入開始し、 2013 年度は三重県内複数個所に設置予定です。
Image Finder (奈良の観光案内)
ウメサオタダオ展• 小長谷実行委員長らとともに、梅棹忠夫の U カード(京大式
カード)をモチーフにした「発見デジキャビ」を制作
http://vimeo.com/20867960
21 世紀の『知的生産の技術』ワークショップイベント( 2013.12 〜)
21 世紀の「知的生産の技術」キックオフイベント( 2013.12.16 )「梅棹忠夫の7つ道具」ワークショップ( 2014.1.31 )
「梅棹忠夫のことば」ワークショップ( 2014.2.27 )
• Session.1 ウメサオ好き最先端情報工学者セッション最先端をハックする!先駆者達にとっての「知的生産の技術」とは
• Session.2 ウメサオタダオ展関係者セッション梅棹忠夫をリブートする!
• Session.3 民博フィールドワーク研究者セッション探求!現役フィールドワーク研究者に聞く記録と意味
• Session.4 ICT ツールアンバサダーセッションライフハック‐ IT 時代の知的生産の技術
梅棹忠夫と 21 世紀の「知的生産の技術」シンポジウム
梅棹忠夫と 21 世紀の知的生産の技術シンポジウム• テーマ:情報デザインの未来・過去・現代 • 日時: 2014 年 5 月 6 日 11:00-18:00• 場所:グランフロント大阪 タワー C
カンファレンスルーム(定員 225 名)> 前半分:シンポジウムエリア> 後半分:ミニウメサオタダオ展エリア
• 参加者 110 名
OpenGLAM
OpenGLAM (オープングラム)とは?
G: 美術館L: 図書館A: 文書館M: 博物館
• 文化機関の持つデータをオープンデータにして様々に活用しようという運動• 英国の NPO オープンナレッジファンデーション( OKF )のワーキンググループ• 欧州、米国、インド、ニュージーランドなど 12 カ国にローカルグループ
• 現在、日本組織 OpenGLAM Japan を起ち上げ中– 2013 年の図書館総合展にて設立記念シンポジウム
http://openglam.org
OpenGLAM Principleshttp://openglam.org/principles/
1. デジタルなメタデータをパブリックドメインで公開する
2. 著作権の切れたデジタル表現に余計な権利を加えずにパブリックドメインで公開する
3. 公開した全てのデータの再利用や別目的利用に対しての尊重の意思を明確で力強い形で表明する
4. 機械判読なオープンファイル形式で公開する
5. 革新的な方法で観客を Web に引き付ける方法を追求し続ける
オープンで先進的な利用許諾の例
• The Rijksmuseum (オランダ)– https://www.rijksmuseum.nl/en/api/terms-and-conditions-of-
use• The British Library (イギリス)
– http://www.bl.uk/catalogues/illuminatedmanuscripts/reuse.asp
• The Walters Art Museum (アメリカ)– http://thewalters.org/rights-reproductions.aspx
• National Library of New Zealand (ニュージーランド)– http://natlib.govt.nz/about-us/strategy-and-policy/collection-u
se-and-reuse-policy
Rijksstudio
RIJKS STUDIO AWARDhttps://www.rijksmuseum.nl/en/rijksstudio-award
http://vimeo.com/90745799
Europianahttp://www.europeana.eu
EU 加盟国の博物館情報をオープンデータとして集約
Europiana Linked Open Datahttp://labs.europeana.eu/api/linked-open-data/introduction/
LOD - リンクトオープンデータ(Linked Open Data)
• 今までのインターネットは文書のインターネット
• LOD はデータのインターネット– Web of Data― コンピュータがデータの内容を理解できる リンクで繋がるデータ全体から情報を検索・抽出でき
る 検索・抽出結果をそのままソフトウェア(アプリ)で扱える
Linked Open Data Initiativehttp://linkedopendata.jp
オープンデータとは• 誰でも再利用・再配布可能
– データ公開者が提示するライセンスを守れば、誰でもどのような用途にでもオープンデータを再利用・再配布することができます
• 機械処理しやすい形式で公開– 機械処理しやすい形式とすることで、
アプリケーションなどによるデータの活用を促進します
• G8 オープンデータ憲章– 主要 8 カ国( G8 )の首脳がオープンデータ憲章に合意
• データは原則オープン• 質と量を確保• だれでも利用可能• ガバナンスの改善を目指す• 技術革新を目指す
– 2013 年中に計画を策定、 2014 年に進捗をレビュー、 2015 年末までに実現
オープンデータの定義• “A piece of data or content is open if anyone is free to use, reuse,
and redistribute it – subject only, at most, to the requirement to attribute and/or share-alike.”
• “ データやコンテンツがオープンであるということは、クレジット表示か、またはライセンスの敬称を求めるくらいの条件で誰もが自由に利用、再利用、再配布できることである。”
The Open Definition http://opendefinition.org/okd/japanese/
オープンデータの3条件
• オープンライセンスの明示– 誰でも、差別なく、申請不要で、データやコンテンツを複製
したり、加工したり、再配布することを許可
• 機械判読性( machine readability )– 人ならば読めば分かる PDF 書類やホームページ、 Excel の表形
式などではなく、コンピュータでも容易に機械的に処理できる形式で公開
• 連結可能性( linkability )– インターネット上で特定のデータを指し示し、リンクを張る
ことのできる仕組み( URI )を持つこと
オープンデータの5つのステップ
オープンラインセスで公開( pdf, jpg )
機械可読なフォーマットで公開( xls, doc )
オープンフォーマットで公開( xml, csv )
データの一つ一つが URI を持つ形で公開( xml/rdf, json/rdf )
他のオープンデータにリンク
LOD
Open Data
文化資料の LOD の例
LODAC Museum におけるデータの統合
参照元材質・技法サイズ・法量収蔵経緯
例)作品の場合
参照元作品タイトル英語タイトル作品解説
参照先タイプ作者 URI所蔵館 URI
主にリソースの内容を記述
主に他のリソースとの関係を記述
統合情報 参照情報 B参照情報 A
情報源:博物館 A 情報源: DBPedia
• 例)博物館情報の表現
• 語彙の選定– できるだけデファクト・スタンダードの語彙を選定
相互運用性が向上
– 表現できないものは独自語彙で表現
LOD におけるデータ表現
博物館情報の LOD 化により期待される世界
作者
所蔵館
作品Q :日本国内で藤田嗣治の作品はどこにある?
博物館情報の LOD 化により期待される世界
作者
所蔵館
作品
所蔵館
作品
作者
Q :日本国内で藤田嗣治の作品はどこにある?
世界中
owl:sameAs
リンクトオープンデータLinked Open Data
×ちずぶらり
データシティ鯖江 × さばえぶらりhttp://data.city.sabae.lg.jp http://atr-c.jp/burari/product
/oldmap/sabae.html
POI 情報はもちろんイラストマップや古地図の画像を含む 100% オープンデータスマホアプリ!
ヨコハマ・アート LOD × 横浜MAPShttp://yan.yafjp.org/lod http://www.atr-c.jp/burari/product/
localtown_area/yokohama.html
LOD の検索( SPARQL )にて「強開催中のイベント」と現在地をイラストマップ上に表示!
手軽にできる市民主導のオープンデータイベント
Wikipedia TOWN
• 地域の文化資源を Wikipedia に!
• 地域に関するコンテンツをオープンデータで PR
– 街の写真を Wikimedia Commons で公開
– 記事を Wikipedia に投稿するするワークショップ
– 市民が自ら取材し編集することで再発見
• イギリスの地方都市が発祥– ウェールズ地方の Monmouthpedia
– 海外領土の Gibraltarpedia
– Wikipedia の記事への QR コードを街中に設置
• 図書館・博物館・資料館などの文化施設がワークショップ活動を補助
ウィキペディア編集ワークショップ
• 内容– チームごとに地域の史跡や歴史的建造物等について文献を調べ、
現地調査を行う
• 目的– 地域情報資源をウェブに充実させる
– 参加者の情報リテラシーの向上
– コミュニティの醸成
• 特徴– 文化機関連携
– エンジニアでなくても参加可能
(横浜)
インターナショナルオープンデータデー
• 世界中の都市でオープンデータのイベント
• 2013 年は 100以上の都市が参加– 日本は横浜や鯖江など数都市– 関西からの参加は0…
• 2014 年は去年以上の都市が参加– 2014 年 2 月 22 日開催!– 関西から大阪と京都が名乗り!–両方とも私が企画に関わりました (^ ^)/
International Open Data Day 京都主催団体– 京都オープンデータ実践会– Google Developer Group 京都– Linked Open Data Initiative– ATR Creative後援– 京都リサーチパーク– 総務省近畿総合通信局– オープンデータ流通推進コンソーシアム
オープンデータ京都実践会とは
• LODI主催で 4 月 20 日と 6 月 20 日の2回勉強会を開催• 参加者有志によりオープンデータ京都実践会を起ち上げ
関西地方での IODD2014
• 2 月 11 日に大阪にて関西全域を視野に入れたプレイベントを開催
• 2 月 16 日に京都でプレイベント開催
• 2 月 22 日( IODD当日)大阪(大阪府)・京都(京都府)・丹波(兵庫県)の3都市でオープンデータイベント開催
• 講演1: IODD の意義
• 講演2:ライトニングトーク「関西各地のオープンデータに関する取り組み」大阪、京都、丹波、生駒、奈良、花、観光、天皇陵、 etc.
• 講演3: Linked Open Data 基礎講座
• 講演4: HTML5 とオープンデータ(仮)
• アイデアソン!
2月 11 日(祝)
インターナショナルオープンデータデイ 京都
• Wikipedia TOWN with 資料館学芸員さん&図書館司書さん
• Open Street Map マッピングパーティー
• オープンデータ古地図でアプリ街歩き&データソン
2月 16 日(日)@島原周辺2月 22 日(土)@堀川周辺
まち歩きオープンデータソン
Wikipedia TOWN & OSM Mapping Party
• 地域の文化資源を Wikipedia に!– スタッフの予行演習として、阪急三番街の北向地蔵尊
を取材 → Wikipedia:北向地蔵(大阪市)を制作!
– 16 日のプレイベントにて京都島原を参加者と取材• Wikipedia:島原大門( new )
• Wikipedia:角屋
– 22 日の本イベント• Wikipedia:堀川、堀川第一橋
• Wikipedia: 京都御苑
Wikipedia:輪違屋
Wikipedia:壬生寺
Wikipedia:堀川団地
( new )
Wikipedia:一条戻り橋
OSM マッピングパーティーの成果とリンク
【囲み記事】定型のデータはLOD としてDBpedia に自動格納される
【地図】必要に応じてOSM にリンクを貼る
【写真】取材した写真もWIKIMEDIA COMMONS でオープンデータに
京都市明細図に現在地!アップロードした写真も埋め込み。
http://blog.goo.ne.jp/kazu013057/d/20140225
http://blog.goo.ne.jp/kazu013057/d/20140225
http://blog.goo.ne.jp/kazu013057/d/20140225
KRP町家でのデータ編集および発表の様子
イギリス&各地会場を結んで報告会英国 ODI, 大阪 , 京都 , 丹波 , 大垣 , 徳島 , 東京
http://blog.goo.ne.jp/kazu013057/d/20140225
http://opendataevents.com/2014/04/01/2014 年 2 月 22 日 - インターナショナルオープンデータデイ -in/
博物館でも OpenGLAM を初めてみませんか?
ご清聴ありがとうございました。