トーク TALK -...

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2017年12月20日(水曜日) 6283号 1980年7月18日 第三種郵便物認可 毎週月、水、金曜日の週3回発行(但し、祭日を除く) トーク TALK 「苦悩する日々」PART2 「原子力規制委員会の厳しい審査の末に、やっと再稼働のゴーサインの認可を受けた四国電力/伊方 原発3号機が広島高裁の阿蘇山噴火問題で『待った』をかけられ、方や、東京電力悲願の柏崎刈場原 発6~7号機。同じく委員会のお墨付きをもらったものの、地元県知事の『福島原発検証優先』を理由 に再稼働の時期が不透明になるなど、委員会のメンツ丸つぶれが続いていますが、電力経営者の茨の 道も相変わらず厳しいですね」と電力担当記者B (→最終ページに続く) 《石炭/コークス・ガス・流通・エネルギー統計》 ◇1~3月積み原料炭交渉が始まる。シッパーは中国などにUS$255のスポットオファ~を提示 …………2 インデックスは原料炭US$238レベル、PCI用炭US$140台/非微粘炭US$123を示す ◇「インドのセメント会社が最高裁判所から石油コークスの継続使用を認められる」 …………2 石油コークス消費量(約3,000万t/年)の半分は輸入で、セメント会社が主たる消費 ◇Yancoal、「生産量が2,000~2,300万t/年になる見通し」と炭鉱買収の成果を報告 …………3 業績貢献の大きいRio社からのハンターバレー炭田JVレベルでの買収、1~3月に完了 ◇中国の銀行の融資を拒否などで「立ち上がり」に暗雲強まる豪カーマイケルプロジェクト …………5 ◇東芝エネルギーシステムズ、三川石炭発電所に導入のCO2回収設備が起工と発表 …………5 日本で初めて火力発電所から排出されるCO2の50%以上を回収、2020年実証運転開始 ◇特集◇ *「個別色一段と強めた鉄鋼業界の2017年10~12月積み原料炭値決め交渉」 --本紙編集部 -強粘原料炭は全ミルともインデックス・フォローでUS$195の同一価格に落着- …………1 -PCI用炭/非微粘炭値決めスタイルは「インデックスベース」と「相対ネゴ」に判れる- -マーケット右肩上がり環境下では「柔軟な価格交渉が可能な値決め方式」が有利か- -10~12月積みPCI用炭:US$127.50~135、非微粘炭US$120~126とばらける- * 「主要ペレット生産国の2017年1~8月の輸出実績」--本紙編集部 …………6 《環境・廃棄物・RPF(RDF)・バイオマス》 ◇ソルガム・ジャパン・ホールディングス、タイのSFM社と基本合意締結/20年メドに1,500万t生産へ …………9 スーパーソルガムを原料としたバイオマス製品の実証試験栽培の実施と事業化実現の取り組み ◇パワープラント関川、新潟県関川村での木質バイオマス発電プロジェクト継続か撤退か迫られる …………8 HSSE社ハイブリッドエンジン採用計画も資金調達難で事業化に暗雲、推進派村長任期満了も影響 ◇金属加工の勝又金属工業(青森県青森市)、オリジナル薪ストーブの新タイプを販売開始 …………10 青森県産業技術センターと提携・開発、特許・意匠登録を出願中の新燃焼構造が特長 ◇石川県かほく市、ペレット等利用システム補助金制度で12/19時点薪ストーブ1台(金森鉄工)導入 …………8 28年度導入実績薪2台(ヨツール1台他)・ペレット1台(さいかい産業)、3年間で累計6台に達する ◇特集◇ 「平成27~28年度全国自治体別薪ストーブ導入補助金実績」(6) 本紙集計 …………11 -鳥取県鳥取市/薪ストーブ導入数2年間で累計29台、1台あたり補助額上限6万円- -鳥取8市町・広島5市町・岡山3市村・熊本2町・山口/長崎1市・愛媛/高知1町など累計163台導入-

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2017年12月20日(水曜日) 6283号

1980年7月18日 第三種郵便物認可 毎週月、水、金曜日の週3回発行(但し、祭日を除く)

トーク & TALK「苦悩する日々」PART2

「原子力規制委員会の厳しい審査の末に、やっと再稼働のゴーサインの認可を受けた四国電力/伊方原発3号機が広島高裁の阿蘇山噴火問題で『待った』をかけられ、方や、東京電力悲願の柏崎刈場原発6~7号機。同じく委員会のお墨付きをもらったものの、地元県知事の『福島原発検証優先』を理由に再稼働の時期が不透明になるなど、委員会のメンツ丸つぶれが続いていますが、電力経営者の茨の道も相変わらず厳しいですね」と電力担当記者B (→最終ページに続く)

《石炭/コークス・ガス・流通・エネルギー統計》◇1~3月積み原料炭交渉が始まる。シッパーは中国などにUS$255のスポットオファ~を提示 …………2

インデックスは原料炭US$238レベル、PCI用炭US$140台/非微粘炭US$123を示す◇「インドのセメント会社が最高裁判所から石油コークスの継続使用を認められる」 …………2

石油コークス消費量(約3,000万t/年)の半分は輸入で、セメント会社が主たる消費◇Yancoal、「生産量が2,000~2,300万t/年になる見通し」と炭鉱買収の成果を報告 …………3

業績貢献の大きいRio社からのハンターバレー炭田JVレベルでの買収、1~3月に完了◇中国の銀行の融資を拒否などで「立ち上がり」に暗雲強まる豪カーマイケルプロジェクト …………5◇東芝エネルギーシステムズ、三川石炭発電所に導入のCO2回収設備が起工と発表 …………5

日本で初めて火力発電所から排出されるCO2の50%以上を回収、2020年実証運転開始◇特集◇

*「個別色一段と強めた鉄鋼業界の2017年10~12月積み原料炭値決め交渉」 --本紙編集部-強粘原料炭は全ミルともインデックス・フォローでUS$195の同一価格に落着- …………1-PCI用炭/非微粘炭値決めスタイルは「インデックスベース」と「相対ネゴ」に判れる--マーケット右肩上がり環境下では「柔軟な価格交渉が可能な値決め方式」が有利か--10~12月積みPCI用炭:US$127.50~135、非微粘炭US$120~126とばらける-

* 「主要ペレット生産国の2017年1~8月の輸出実績」--本紙編集部 …………6

《環境・廃棄物・RPF(RDF)・バイオマス》◇ソルガム・ジャパン・ホールディングス、タイのSFM社と基本合意締結/20年メドに1,500万t生産へ …………9

スーパーソルガムを原料としたバイオマス製品の実証試験栽培の実施と事業化実現の取り組み◇パワープラント関川、新潟県関川村での木質バイオマス発電プロジェクト継続か撤退か迫られる …………8

HSSE社ハイブリッドエンジン採用計画も資金調達難で事業化に暗雲、推進派村長任期満了も影響◇金属加工の勝又金属工業(青森県青森市)、オリジナル薪ストーブの新タイプを販売開始 …………10

青森県産業技術センターと提携・開発、特許・意匠登録を出願中の新燃焼構造が特長◇石川県かほく市、ペレット等利用システム補助金制度で12/19時点薪ストーブ1台(金森鉄工)導入 …………8

28年度導入実績薪2台(ヨツール1台他)・ペレット1台(さいかい産業)、3年間で累計6台に達する◇特集◇

「平成27~28年度全国自治体別薪ストーブ導入補助金実績」(6) 本紙集計 …………11-鳥取県鳥取市/薪ストーブ導入数2年間で累計29台、1台あたり補助額上限6万円--鳥取8市町・広島5市町・岡山3市村・熊本2町・山口/長崎1市・愛媛/高知1町など累計163台導入-

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ソルガム・ジャパン・ホールディングス、タイのSFM社と基本合意締結/20年メドに1,500万t生産へ

スーパーソルガムを原料としたバイオマス製品の実証試験栽培の実施と事業化実現の取り組み

ソルガム・ジャパン・ホールディングス(東京都品川区)は、このほどタイの

大手鉄鋼事業会社であるSIAM STEEL GROUP(SSG)傘下のSIAM FOREST MANAGEMEN

T COMPANY LIMITED(SFM)と平成29年11月8日付で基本合意を締結したと発

表した。

これは、スーパーソルガムを原料としたバイオマス製品の事業化に向けた実証

試験栽培プロジェクト及びその他の将来性が見込まれる事業の構築を目的とし

たもので、同社が収穫したスーパーソルガムをSFM社がスーパーソルガムペレッ

ト、及びスーパーソルガムサイレージなど様々な製品化を目指し、日本市場向

けに製品のサンプルを製造、国内の発電事業者に提供し燃焼試験を予定している。

また、さまざまなバイオマス製品を取り扱うSIAM BIOMASS PRODUCT LTD.(SBP)は、主に海外及び

日本市場向けにバイオマス燃料の供給、及びバイオマス発電・太陽光発電・その他再生可能エネル

ギー事業においても積極的に取り組んでいる。

そんな中、2020年の全世界における木質ペレット需要が5,000万~8,000万トンと見込まれ、その供

給量は4,000万トンに満たないと予想されており、今後SFM及びSBPでは、年間1,500万トンの木質ペ

レットを生産供給する計画を進めていく。

同社関係者によると、現在、スーパーソルガムペレットにおいては、国内の石炭焚き火力発電所の

混焼用バイオマス燃料としての引き合いがあり、実証実験栽培がうまくいった場合、SFMの信頼性・

供給能力・技術力の結集により、日本市場向けバイオマス燃料を安定的・継続的・計画的・低価格

での提供を実現していく考え。

日本への輸出に関する具体的な商流計画は、SUPER SORGHUM ASIA HOLDINGS PTE.LTD.(SSA)の関連

子会社であるTHAI SUPER SORGHUM CO., LTD.(TSS)が、スーパーソルガムの栽培・収穫を行い、SFM

及びSBPがスーパーソルガムペレットの生産(受注生産)及びスーパーソルガムサイレージなどそ

の他スーパーソルガム製品の生産を検討している。SSAは、同商品の総販売代理店として日本国内

の販売代理店へ販売し、株式会社アズシステムが受注・同商品の輸送を担う予定。

スーパーソルガムペレットの国内発電事業者(顧客)及びスーパーソルガムサイレージなどその他

のスーパーソルガム製品については、総販売代理店であるSSAがSFMに紹介を行い、マーティングや

販売戦略に基づいてSSAは同商品の販売・配送の一体となったパッケージ販売を計画している。

さらに、配送料金に関しても、同社独自のプライシングサービスの展開を予定しており、スーパー

ソルガムの強みを活かした製品で差別化を図り顧客の囲い込みを促進することで、最終的にスーパ

2017年12月20日(水曜日)環境エネルギー/COAL&POWER REPORT6283号第三種郵便物認可

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ーソルガムの種子販売拡大に繋げていく戦略を同時に進めていく。詳細概要は、以下の通り。

◇SIAM FOREST MANAGEMENT COMPANY LIMITED.の企業概要

・名称:SIAM FOREST MANAGEMENT COMPANY LIMITED.

・所在地 : 51 Moo 2, Poochaosamingprai Road, Bangyaprak, Phrapradaeng,Samutprakarn 10130,

Thailand

・業容:再生可能エネルギー事業・・バイオマス燃料の原料向けにゴムの古木の調達、早生樹種のプ

ランテーション及び供給

・資本金:16.5百万円(500万THB、3.3円/1THB換算)

・設立:2016年6月3日

・名称:SIAM BIOMASS PRODUCT LTD.

・所在地 :51 Moo 2, Poochaosamingprai Road, Bangyaprak, Phrapradaeng,Samutprakarn 10130, T

hailand

・業容:再生可能エネルギー事業・・FSC認証済ペレットや木質チップの生産、タイ国内で250のバイ

オマス燃料生産工場を建設計画中、製造・保管・物流を手掛け、年間最大1,500万トンの木質ペレ

ットを出荷予定

事業社名 担当業務 その他

SIAM FOREST MANAGEMENT 平成29年11月8日付で基本合意を締結、実証試験栽 配送料金に

COMPANY LIMITED(SFM) 培プロジェクト及びその他の将来性が見込まれる事業 関して、独

自のプライ

SIAM BIOMASS PRODUCT L 主に海外及び日本市場向けにバイオマス燃料の供給、及 シングサー

TD.(SBP) びバイオマス発電等 ビスの展開

を予定して

SFMとSBP 年間1500万tの木質ペレット生産供給計画 おり、最終

的にスーパ

THAI SUPER SORGHUM CO. スーパーソルガムの栽培・収穫 ーソルガム

LTD.(TSS) の種子販売

拡大に繋げ

SUPER SORGHUM ASIA HOL 商品の総販売代理店として日本国内の販売代理店へ販売 ていく戦略

DINGS PTE.LTD.(SSA) SFMに紹介を行い、マーティングや販売戦略に基づいて商 を同時展開

品の販売・配送の一体となったパッケージ販売を計画

株式会社アズシステム 受注・商品の輸送

2017年12月20日(水曜日)環境エネルギー/COAL&POWER REPORT6283号第三種郵便物認可