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株式会社ユニークアイディ 代表取締役 前田邦宏 複雑化する世界と“見えない関係性とその可視化”について 2012年11月13日(火)尾道市立大学情報センター主催講演

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株式会社ユニークアイディ 代表取締役 前田邦宏

複雑化する世界と“見えない関係性とその可視化”について

2012年11月13日(火)尾道市立大学情報センター主催講演

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自己紹介/プロフィール1967年兵庫県宝塚生まれ。1990年よりデジタルコンテンツの企画制作に携わり、公共施設の教育用マルチメディアシステムなどを手がける。1996年にクリエイター向けSNSを企画開発。1998年オーストリア「Ars Electronica」にてSNSにおける信頼度を可視化した「Small World Connection」を出品。1998年ユニークアイディ社設立。2001年コミュニティエンジン「関心空間」を開発。2002年度グッドデザイン賞新領域部門入賞。2005年日本広告主協会Web広告研究会第3回「Webクリエーション・アウォード」受賞。2009年2月R&D専業の株式会社クォンタムアイディを設立し、企業内研究所やシンクタンクの共同研究や受託研究を行う。2012年4月より大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘研究員に着任し、人間の安全保障分野におけるICT活用の研究を行っている。

東京大学大学院・情報学際学府情報学環教育部「ソーシャルメディア論」非常勤講師(2008-2009)東京大学大学院・情報学際学府情報学環客員研究員(2009-)玉川大学・経営学部国際経営学科「eマネジメント研究」非常勤講師(2010-)産業技術総合研究所・社会知能技術研究ラボ・客員研究員(2011-)国立情報学研究所・社会知共有センター共同研究員(2011-)尾道大学大学院・美術研究科非常勤講師(2012-)

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講演/執筆/開発実績―講演・執筆-

2011年2月国会図書館館内文化祭「知が拡散する時代のアーカイブ・キュレーション」講演2011年3月国立情報学研究所社会知共有センター共同研究員として、科学技術イノベーション政策の科学の海外調査および科学者向けSNSの比較調査。所内レクチャー2011年社団法人日本印刷技術協会「2011印刷白書」特集:震災とメディア、巻頭特別寄稿「生き延びるためのメディアと信頼ネットワークの再構築」を寄稿、講演。2011年9月科学コミュニケーション研究会年次大会口頭発表「リスク社会におけるトランスナショナルなリスク予防ガバナンスシステムの構築について」

―開発実績-2001年7月より自社サイト「関心空間」を運営。月間来訪ユニークユーザー200万人、投稿数30万の知識コミュニティを11年に渡って運営管理を行う。日経BP、小学館、サイボウズ、リクルート、全日空、スノーピーク、大学や研究所他、大小100以上のコミュニティデザインに関わる。2004年TAO助成対象事業オンライン知識コミュニティのコンテクスト可視化エンジン開発 2007-2009年経済産業省・情報大航海プロジェクトにて企画開発実証実験。個人情報保護データマイニング(PPDM)の分科会に参加・査読業務を行う。2010年株式会社電通・電通総研/日本ユニシス/マサチューセッツ工科大学メディアラボとの共同プロジェクト「空気を読めるコンピュータ」にてアプリの企画参加。

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関心空間=ソーシャルグラフ+関心グラフ+データマイニング

Interest

関心空間はその名の通り、人ではなく人の関心を単にしたネットワークです。GoogleがURLを単位にPageRankを生成したように、関心を単位にネットワークをグラフ化して、ランキングをし、『自分の関心のひとつ先』を可視化させることを目的に設計されました。つまりGoogleは誰にとっても正しいだろう検索結果表示するためにネットワークの関係性分析をしたのですが、関心空間は個人間のソーシャル・レコメンデーション・ネットワークを指向した設計でした。

URL Keyword

◯◯つながり言語一致

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ソーシャルメディアの進展ロードマップ(2010-2015)

2010年に発表された野村総研による「2015年度までのソーシャルメディアの進展とCRMへのインパクト」という報告書。現状、2014年頃から関心ネットワークが形成されるとしているが、これらのロードマップより二倍以上速いスピードで進展している。

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<見えない関係性の可視化>の意義今回講演のきっかけになったのは、高岡陽准教授との長い付き合いを通してなのですが、彼のオファーは、IT業界やコンピュータサイエンスの専門的な話しというより、私の考えていることや、今後やろうとしていることを話して欲しいと言われ、そう言えば、17-8年前にも、やはり彼に同じようなことを言われた事を思い出した次第です。 後で思い起こした事なのですが、細かい合意形成より先に大きなヴィジョン共有が重要で、その一つこそ“可視化”だったのだと考えた次第です。

1995年頃、私はインターネット上に東京青山茶寮というクリエイターの相互の信頼関係を可視化した仮想と現実を横断した組織をつくろうとしていました。1995年頃ですから、大半の友人はメールアドレスも持っていませんでした。そういう状況にも関わらず、私は今で言うSNSを企画し、高岡氏をはじめとして多くの友人を巻き込む事に無我夢中になっていたのです。おそらくその頃に高岡氏に「何が本当にしたいのか?」と再三聞かれた訳です。私は企画書に書いている通りだ、インターネットが持つ可能性を現実の世界に取り込みたいのだと繰り返したのですが、彼はそういうことではないと納得しない様子でした。そこで、ややヤケクソになって、これは一種の真理探究なんだと返事したところ、そうだ、そういう話しを何でしないのだと叱られるように返事されたのを覚えています。

確かに私はその頃からインターネットの魅力は、その新しさだけでなく、それを俯瞰しようと企んでいたのです。しかし、最近はインターネットの加速度的な普及によって、その機会を失ったと同時に、ただの好奇心で、何かを成し遂げる年齢でもなくなったと考えています。そこで今日は駆け足ですが、関係性の可視化の意義についての考察のプロセスをお話したいと思います。

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ソーシャルグラフや関心グラフ(Interest/Taste Graph)による推薦システム

情報爆発が起きつつある中、ソーシャルグラフ(人間単位)からテイストグラフ(関心単位)のネットワーク構造化とパーソナライズド・レコメンデーションサービスが徐々に実現しつつある。これらの技術と広告・マーケティング・EC分野の連携はこれから。キーワードは、関心時間(Attention Span)とタグオントロジー、信頼グラフ等々

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ソーシャルメディアの現在と未来(2000-2010)

「Semantic Wave2008」を引用

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ソーシャルメディアの現在と未来(2010-2015)

「Semantic Wave2008」を引用

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ソーシャルメディアの現在と未来(2015-2020)

「Semantic Wave2008」を引用

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マーケティング3.0におけるソーシャルメディアの社会的意義現代マーケティング論の第一人者フィリップ・コトラーがマーケティングの未来像を語る、注目の新著。本書でコトラーは、これまでのマーケティングの潮流を「製品中心主義」のマーケティング1.0から「消費者中心主義」のマーケティング2.0への変化と整理した上で、来たるべきマーケティング3.0は「人間中心主義」になると予測する。人間中心主義のマーケティングとは、顧客を単なる「消費者」としてではなく、多元的で能動的な存在、価値の創造に積極的に関わろうとする人間として理解し、そのような顧客のニーズに応えることを意味する。いくつかの先進的な企業は既に、顧客の参加意識・創造性・コミュニティ意識・理想主義といった深層的なニーズを満足させる製品・サービス・企業文化を提示し始めている。そのようなマーケティングを実現するには、環境・健康・社会問題に取り組む企業の社会的責任を果たすことも重要な要素となる。マーケティングの世界的な流れに関心を持つすべての人々にとっての必読書(Amazon.co.jp 出版社/著者からの内容紹介)

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マーケティング3.0におけるソーシャルメディアの社会的意義

マーケティング1.0 マーケティング2.0 マーケティング3.0

製品中心のマーケティング

消費者志向のマーケティング

価値主導のマーケティング

目的 製品を販売すること 消費者を満足させ、つなぎとめさせること

世界をより良い場所にすること

可能にした力 産業革命 情報技術 ニューウェブの技術

市場に対する企業の見方

物質的ニーズを持つマス購買者

マインドとハートを持つより洗練された消費者

マインドとハートと精神を持つ全人的存在

主なマーケティング・コンセプト

製品開発 差別化→ブランド構築 価値→キャラクター化

企業のマーケティング・ガイドライン

製品の説明 企業と製品のポジショニング

企業のミッション、ビジョン、価値

価値提案 機能的価値 機能的・感情的価値 機能的・感情的・精神的価値

消費者との交流 1対多数の取引 1対1の関係 多数対多数の協働(共創/コミュニティ化)

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10年後のソーシャルメディア・テクノロジーはどう進化しているか?

「消費者は、機能的、感情的な満足だけではなく、人間精神の満足および、世界をより良い場所にすることを欲している」フィリップ・コトラー

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術とは?

h,p://omcs.jp/

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術とは?

機械学習と集合知の融合によるソーシャル・エージェントの可能性について議論を始めている。→  Connects  Intelligence

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術

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個と社会の適合性を向上させるためのソーシャルマーケティング技術

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情報を俯瞰し、関連性を見つけ、編集することがメディアの役割

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情報の関連性の相似(クラスタリング)を見つける=コンテクストの発見

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異なる価値観の隙間を埋めたり、拡張することで、新しい価値観を創出

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世界は単純なグラフ構造(Small World)から複雑系の海(Big Data)へ

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世界は単純なグラフ構造(Small World)から複雑系の海(Big Data)へ

もはや人間の認知限界を超える莫大なデータを高速な統計処理することで、“可能”なマーケティングが日常に組み込まれ始めている。

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

http://www.patientslikeme.com/

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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ソーシャルメディアの進化形とは?(集合知と統計処理が可能にした社会貢献型事業サイト)

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単純なソーシャルグラフは、二次元のグラフ表現が可能でも、その上にテイストグラフ(関心単位)などが組み合わされるとトポロジカルな多次元ネットワークとなり、その分析は極端に高度化される(計算コストが高くなると同時に個別適合化も進むが、その一方、次元の呪いという課題も生じる。)

情報はもともと多面的で、多次元につながりあっている(情報は宇宙と同じ)

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10年後のソーシャルメディア・テクノロジーはどう進化しているか?

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南方熊楠に見るGLOCALなアイデンティティー「南方熊楠」は、紀伊国・和歌山県出身の博物学者、生物学者(主に菌類学)、民俗学者。熊楠は博物学(特に植物学)を基礎としているが、関連性のある全ての学問を知ろうとする学風であったため、その知識の豊富さから「歩く百科事典」とまで称された人物。1892年にイギリスにわたり、大英博物館東洋調査部に入り、人類学・考古学・宗教学などを独学した他、世界各地で発見・採集した地衣・菌類などの記事を科学雑誌『ネイチャー』などに寄稿。帰国後は日本の民俗等を世界の事例と比較して論じ、当時としては早い段階での比較人類文化学を展開。また新しい種70種の菌を発見するなど菌類の研究でも成果を出し、民俗学の分野でも『人類雑誌』『郷土研究』『太陽』『日本及日本人』など多くの雑誌に論文を発表。主な著書(生前刊行本)に「南方二書(1911年)」「南方閑話(1926年)」「南方随筆(1926年)」「続南方随筆(1926年)」がある。昭和4年、紀南行幸の昭和天皇に田辺湾神島沖の戦艦長門艦上で進講。粘菌標本を(キャラメルの空箱に入れて)天皇に献上した。

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南方曼荼羅にある真理の断片(高野山の土宜法龍との書簡)

南方熊楠が粘菌の研究を通じて得た第六感的な「世界の縮図」。通称、南方マンダラと呼ばれている。事は、物と心の偶然的接点で起こり、われわれが認知している事象はそれらのハブとなっている“翠点(イの場所)”を観察すればわかるが、それらは世界の理としての科学(=われわれがまだ分かり得ていない宇宙の摂理を含む=ヌの線)とそれを取り囲む“大不思議”というわれわれの認知を超えた世界が取り囲んでいる(ルの線)。

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物/事/心/理のネットワークとそれを覆う“大不思議”

さて、妙なことは、この世間宇宙は、天は理であるといったように(理は筋道)、図のように(図は平面にしか描けない。じつは高さ、幅の他に、厚さもある立体のものと見よ)、前後左右上下、いずれの方からも事理が透徹して、この宇宙を成す。その数は無尽である。だから、どこひとつをとっても、それを敷衍追求するときは、いかなることをも見いだし、いかなることをもなしうるようになっている。

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南方曼荼羅の解説一部さて、妙なことは、この世間宇宙は、天は理であるといったように(理は筋道)、図のように(図は平面にしか描けない。じつは高さ、幅の他に、厚さもある立体のものと見よ)、前後左右上下、いずれの方からも事理が透徹して、この宇宙を成す。その数は無尽である。だから、どこひとつをとっても、それを敷衍追求するときは、いかなることをも見いだし、いかなることをもなしうるようになっている。

そのはかどりに難易があるのは、図中(イ)のようなのは、諸事理の萃点(すいてん)なため、それをとると、いろいろの理を見いだすのに容易で早い。(ロ)のようなのは、(チ)(リ)の2点へ達して、初めて事理を見いだす道筋にたどりつく。それまではまず無用のものなので、入り用だけなことに汲々としている人間にはちょっと考え及ばない。(ニ)もまたそうである。(ハ)のようなのは、さして入り用ではないことながら、2理の会萃しているところなので、人が気付きやすい。(ホ)もまたそうである。(ヘ)ことに(ト)のようなのは、(人間を図の中心に立つものとして)人間に遠く、また他の事理との関係がまことに薄いから、容易に気付かない。また実用が差し当たりない、(ヌ)のようなのに至っては、人間の今日の推理の及ぶことができる事理の一切の境のなかで、(この図に現ずる〔ヌ〕をそのようなものとして)(オ)(ワ)の2点で、かすかに触れているだけである。(ル)のようなのは、あたかも天文学上にある大彗星の軌道のように、(オ)(ワ)の2点で人間の知りうる事理に触れている(ヌ)、その(ヌ)と少しも触る所がないが、近い所にあるので、多少の影響を(ヌ)に及ぼすのを、わずかに(オ)(ワ)の2点を媒介として、こんな事理ということはわからないながら、なにか一切ありそうだと思う事理の外に、どうやら(ル)という事理がありそうに思われるというぐらいのことを想像し得るのだ。すなわち図中の、あるいは遠くあるいは近い一切の理が、心、物、事、理の不思議で、それの理を(動かすことはできないが)道筋を追跡することができたのだけが、理由(じつは現象の総概括)となっているのだ。さて、これらはついには可知の理の外に横たわって、今少し眼鏡を(この画を)広くして、いずれかで(オ)(ワ)のように触れた点を求めなければ、到底追跡の手がかりがないながら、(ヌ)と近いから多少の影響から、どうやらこんなものがなくてはおかしいと思われる(ル)のようなものが、一切のわかり、知り得ることができる性の理に対する理不思議である。

さて、すべて画に現われた外に何があるか,それこそ、大日、本体の大不思議である。それまではここに説かずして、史籍以来また今ある史籍一切の前に人間が知り得た理は必ずしも今の物不思議の範囲内に限らないとことと思う。

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インターネットとは、世界を紡ぐ技術

「現代物理学では、もはや世界は物体ではなく関連のグループに分割される。・・・区別できるのは関連であり、それが現象のなかでもっとも重要な要素である。・・・このように世界は複雑な出来事の織物という姿を呈する。異なった種類の関連が入れかわり、重なりあい、組み合わさって、全体の生地が決められるのである。」

世界は関係性の織物である。

According to quantum physics, the physical world itself must be seen …not (as) a structure built out of independently existing unanalyzable entities, but rather a web of relationships between elements whose meanings arise wholly from their relationships to the whole.

4. Henry Stapp, "S-Matrix Interpretation of Quantum Theory," quoted by Gary Zukav in The Dancing Wu Li Masters, William Morrow and Company, 1979, p. 72.

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宇宙は膨張を続ける無数の泡でできており,1つ1つの泡の中では異なる物理法則が成り立っている。ひも理論では、100の500乗もの多次元の複雑な山脈の風景が描ける。そこに描かれた谷の1つ1つが,宇宙の泡の1つ1つに対応する。きわめて長い時間でみると,宇宙の泡は1つの谷から別の谷へのジャンプを繰り返している。私たちが見ている宇宙は、そんな泡の1つの中にある、ごく1部の領域に過ぎない。

カルッア=クライン理論/超ひも理論/余剰次元/Compactification

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余剰次元/Compactification

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攻殻機動隊で登場する「ハブ電脳」。特定のカリスマを中心としたコミュニティのようなものが、疑似人格化し、やがて中心なきリゾームのような存在となる。ゴースト(謂わば魂のようなもので、アンドロイドと人間を区分けしているもの)すらネットに融合する可能性を示唆している。登場人物は、更に「人間の上部構造」への進化について度々触れる。

可視化された“集合知”とその人格化

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防護技術の一例(Trace Back)

http://www.gizmodo.jp/2012/06/_daedalus.html

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長: 宮原 秀夫)は、組織内ネットワークにおけるマルウェア感染などを迅速に検知し、警告を発行する対サイバー攻撃アラートシステム"DAEDALUS"(ダイダロス: Direct Alert Environment for Darknet And Livenet Unified Security)の外部展開を開始しました。

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防護技術の一例(Trace Back)→攻性防壁(攻殻機動隊)防衛省が、サイバー攻撃を受けた際に攻撃経路を逆探知して攻撃元を突き止め、 プログラムを無力化するウイルスを開発していることがわかった。

事実上のサイバー兵器で、2008年から開発に着手し、現在は閉鎖されたネットワーク環境の下で試験的に運用している。 サイバー兵器は既に米国や中国などが実用化しているとされるが、 日本では有事法制でサイバー攻撃を想定しておらず、対外的な運用には新たな法解釈が必要となる。防衛、外務両省はこうした事態を含め、法制面での検討を始めた。

開発にあたっているのは、防衛省で兵器開発を担当する技術研究本部。 08年度、「ネットワークセキュリティ分析装置の研究試作」事業として発注し、 富士通が1億7850万円で落札。3年計画で、攻撃監視や分析の装置とともに、ウイルスの開発に着手した。

読売新聞 2012年1月1日(日)

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新しいメディアの必要性=人生や社会に関わる情報価値・意味機能

2012年の今、われわれに必要な“生きのびるためのメディア”とは何か?

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新しいメディアの必要性=人生や社会に関わる情報価値・意味機能

2012年の今、われわれに必要な“生きのびるためのメディア”とは何か?

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市民の社会に対する意思表明の手段が“個別主義者”化してきた?

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複雑さを複雑なままに受け取れる感受性と実行能力が問われている

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ご清聴有り難うございました。[email protected]