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学外者向けサービスを考える 人間・環境学研究科図書館 塩野真弓

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学外者向けサービスを考える

人間・環境学研究科図書館

塩野真弓

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学外者:明確な定義は見当らなかった。 対象:非大学構成員 広義:一般の人、卒業生、他大学関係者等 狭義:一般の社会人 内容:閲覧、貸出、相互利用、展覧会、公開講座など

統計によると、国立:98.3%、公立:96.9%、私立:

91.9%の図書館で何らかのサービスが行われている

学外者向けサービスって?

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1953年:文部省「国立大学図書館改善要項」

「学外者に対するサービスの提供については余力があれば行うべき」

1980年代 生涯教育へのニーズ→大学図書館への一般開放の要望

「国立大学図書館における公開サービスに関する当面の方策について」(国立大学図書館協議会, 1985年)

→当該図書館の事情に応じて可能な範囲で

大学図書館の開放ー年表

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2001年 情報公開法施行

図書館の蔵書を行政文書(公開の手続きが煩雑)の指定外にするため、基本的に学外者の利用(閲覧)に制限を設けない制度にする必要

2004年4月 国立大学法人化

行政文書→法人文書の指定外にするため、部局図書室を含めて総務大臣の指定を得た

2006年 教育基本法改正

第7条:大学に関する規定ー社会への貢献が基本的役割に

大学図書館の開放ー年表

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2010年:科学技術・学術審議会「大学図書館の整備について(審議のまとめ)−変革する大学にあって求められる大学図書館像−」

“大学の機能として、特に国立大学の場合には、社会・地域連携の一翼を担う組織としての位置付けや、社会に対して開かれた存在であるということが望まれる。大学図書館としても、一般市民に対する開放をはじめ、展示会や講習会の実施など、保有する情報資源や人材を活用して、社会・地域連携に積極的に取り組む必要がある。”

大学図書館の開放ー年表

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地方国立大学

「大学の地域貢献」

広島大学--フレンドリー利用証、地域交流プラザ

鳥取大学--公共図書館との連携

公立大学

横浜市立大学--市民講習会

他大学の事例

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旧七帝大

名古屋大学 友の会(貸出、展示の案内、トークサロン「ふみよむゆうべ」)

私立大

関西学院大学

その他、児童図書室の開放、高校生の自習スペースの提供等も

他大学の事例

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初代総長木下広次 図書館に深い関心 「関西唯一の大学創立のため〃広く図書の寄贈を有識者に懇請するとともに〃自らもその蔵書を本学に寄贈した。」(附属図書館六十年史)

「図書館は勿論設定するの方針を採り既に其設計にかかり居れり。而して設立の暁には勿論公開に為すの見込にて〃即ち学生の研究上に要する書籍の外は勿論〃誰人にても閲覧するの便利を与えんこと蓋し困難の事に非ずと思えり。元来図書館は人民の必要に迫られて設立するものに非ずして〃之を設立して置きて何時にても其用に充てん覚悟なかるべからざるものなり。・・・」大阪毎日新聞(明治30年8月29日付)

京都大学の図書館ー創設時

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図書館・室によってさまざま

卒業生には利用証を発行

基本は閲覧、複写のみ

例外:教育学部—卒業生、経済学部—経済学研究科修了者で、特別利用申請により図書主任が許可した者、数理解析研究所—数理科学の研究者 に貸出)

事前連絡・身分証の要/不要

京都大学の図書館—現在

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授業料を支払っている学内者と同等のサービスにしてよいのか

シラバス指定の教科書・参考書も貸す?

延滞、連絡先が特定できない

他大学所属者の扱い

電子情報の提供

--出版社によって異なる方針

問題点・課題

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「卒業生に冷たい?優しい? 大学図書館の最新事情」 (激化する大学間競争 本当に強い大学 2008年). 週刊東洋経済, 2008-10-1 (6169), p.86-87

”卒業生を大切にすることは、寄付金や志願者の増加とも決して無関係ではない”・・・?

百木漠「卒業生・学外者にとっての大学図書館」『かりん』4号, p2

→卒業生カードが知られていない?

気になる記事

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大学図書館の学外者向けサービスは、その大学の方針と深く関わりがある。

(地域)社会に果たす役割、(地域)社会からのニーズを考える必要がある。

まとめ

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富田健一. 国立大学図書館における一般開放への取り組みについて (特集 大学図書館の現在). 図書館雑誌 102(2), 2008-02 p88-90

稲葉陽子. 香川大学・香川医科大学の統合をみつめて. 大学図書館研究, Vol70, 2004, p80-89

蜂谷大八. 地方国立大学における地域との関係性. 大学マネジメント, 7(4), 2011, p36-43

板谷茂. 広島大学図書館の社会貢献事業-「図書館フレンドリー利用証」と「地域交流プラザ」. 大学図書館研究, 76, 2006, p15-19

伊藤哲也. 社会の共有財産としての図書館-大学図書館の社会との連携と貢献-. 大学図書館研究, 76, 2006, p1-11

文部科学省 学術基盤実態調査(平成23年度)http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/1322573.htm

参考文献

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逸村裕. 地域連携.『変わりゆく大学図書館』勁草書房, 2005, p.153-162

加藤好郎. 大学図書館における社会貢献・一般開放の状況 (特集 変わり目にある図書館). 図書館雑誌, 100(8), 2006-08, p492-495

どうする,どうなる?大学図書館--住民利用・電子化をめぐって. ず・ぼん, 4, 1997-12

「一般の人」の大学図書館利用--大学図書館学外者サービスの現状と新たな方向 (特集 大学改革と図書館).図書館雑誌 97(5), 2003-05, p295-297

参考文献