100%果汁についての洞察とビジネスチャンス グローバルな展望 ·...

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テトラパック ・インデックス 2017 年発行 100% 果汁 100% 果汁についての洞察とビジネスチャンス グローバルな展望 消費者調査 / グローバルな市場概要 / 商品トレンド / 市場分析 / ブランドのサクセスストーリー

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テトラパックⓇ・インデックス2017 年発行100% 果汁

100% 果汁についての洞察とビジネスチャンス

グローバルな展望消費者調査 / グローバルな市場概要 / 商品トレンド / 市場分析 / ブランドのサクセスストーリー

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このレポートのためにテトラパックⓇが行った新しい国際調査の結果によると、世界中の消費者の圧倒的多数が、100% 果汁をヘルシーでナチュラル、そしておいしいと認識しています。また、弊社の調査では、先進国市場でも新興国の成長市場でも、各ブランドはこれらの特質を活用し、独創的な方法で消費者の想像力に働きかけ、成長を後押しする革新的な新商品を市場に投入しています。このイノベーションによってカテゴリーも広がりを見せ、従来のフルーツベースの飲料のみならず、野菜や異国の果物などの新しい素材、特にココナッツが注目されています。

02_CEO から皆様へ

テトラパック・インデックス最新号をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、このイ ン デ ッ ク ス 8 年 間 の 歴 史 の 中 で 初 め て、100% 果汁の特集を組みました。

現在の 100% 果汁市場は、以前にも増してダイナミックな動きを見せています。課題とビジネスチャンスの両方に対応し、これまで以上に新しい商品やニッチな商品で消費者の要求に応えています。このカテゴリーは、オレンジ、リンゴ、グレープフルーツなど従来のフルーツジュースから、革新的な野菜混合やシンプルな栄養素のココナッツウォーターへと拡大しつつあり、その広がりは無限であるとも思われます。

特に新興国の成長市場では、100% 果汁の成長が著しく、中国(21 ページを参照)やブラジル

(23 ページを参照)では消費量の拡大ペースが速く、今後もさらなる成長が見込まれています。マレーシア、インド、インドネシアなど、他の成長している国々と合わせると、100% 果汁への需要は、不況にあえぐ先進国市場の採算の悪化を補って余りある増加が見込まれ、このカテゴリーのグローバルな成長が期待されています。

以前から 100% 果汁の消費は北米やヨーロッパが中心で、これらの市場は堅調を保っています。このレポートでも取り上げているようにブランドのオーナーは、新たな成長の機会を探しています。ストレート 100% 果汁は、明らかにナチュ

ラル指向のトレンドの影響を受けて、濃縮還元100% 果汁からシェアを奪っています。健康に良いと言われる商品に対しては、価格にこだわらない健康志向の消費者の支持を受け、最高級品は、量、価格ともに大変健闘をしています。

消費者調査が示すように、「ヘルシー」と「ナチュラル」は、「おいしさ」と並んで 100% 果汁を特徴づける 2 つの要素です。実際、多くの栄養アドバイザーも 100% 果汁がヘルシーな飲み物であり、また、多くの一般的な大人や子どもが世界保健機構が推奨する、一日に必要でありながら摂取が不足しがちな5種類の果物や野菜の一つを簡単に便利に摂取する方法でもある、と語っています。

糖分の摂取は、メディアで頻繁に話題にのぼり、一部市場では業界の懸念材料となっていますが、弊社の調査によると、100% 果汁に関する限り、この問題を心配する消費者は非常にわずかです。しかし、この調査では、多くの国で糖分の過剰摂取についての社会的関心が高まる中で、消費者が 100% 果汁の消費量を控える可能性があることも示しています。信頼できる情報源よりも、誇張されたメディアの報道によって、間違った見解が流布することはよくある話です。

現行の規制措置では、糖分を添加していない100% 果汁は糖分消費量の対象になっていないのでプラス面として注目に値します。この議論を深めることで、糖分の過剰摂取の問題を、むしろ 100% 果汁カテゴリーのビジネスチャンスにできると強く信じています。ヨーロッパでは、AIJN(ヨーロッパ・フルーツジュース協会)が推進するプログラム(07 ページを参照)など、まさにこのためのキャンペーンが展開されています。

成功の鍵はイノベーションにあることに変わりありません。現代の消費者のニーズにマッチした商品を絶妙なタイミングで提供することも重

要ですが、もっと重要なのは消費者の関心に敏感であること、さらに消費者との信頼関係です。この良い例が、紙容器入りのココナッツウォーターです。以前は、ニッチで、注目されない商品でしたが、世界を席巻する速さは桁違いでした。そうです、市場はこれまでになくトレンドに左右され、複雑で激しい競争が展開されていますが、それと同時に刺激的で多くの見返りが期待できる場所にもなり得ます。

このレポートが皆様にとって有意義で、よい刺激となることを願っています。

デニス・ヨンソンテトラパック社長兼最高経営責任者

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03_ 目次

目次・概要

16_ 市場分析米国 定着市場での新たなる成長

英国 糖分摂取に注目中国 世界最大のビジネスチャンス

ブラジル 搾りたての果汁市場の進化

04_ 消費者は何を信じるか国際消費者調査

糖分摂取に関する議論と業界の対応 消費者トレンド

09_ グローバルな市場概要今日の 100% 果汁市場の概要と

今後の見通し

12_ 商品トレンド上位 3 つのビジネスチャンス:

スペシャルな 100% 果汁オールナチュラル

野菜の栄養素

事例 13_アミタモーション / 14_サディプリドニャ / 15_カゴメ / 17_ビタココ / 18_アップル&イブ / 19_カウストンプレス / 20_ イノセント / 22_ボミー / 23_ドィウフォメシム! / 24_ドゥベム

注:このレポートは、100% 果汁に焦点を当てています。定義については、25 ページの用語集をご参照ください。特に記載がない限り、このレポートのすべてのデータはテトラパックコンパス、または弊社の消費者調査からの引用です。

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04_消費者調査

消費者は 何を信じるか消費者調査 1 では、世界の 7 つの市場で、現在 100%果汁を飲用しているユーザーと飲用を中止したユーザーを対象に、100% 果汁をどのように考えているか、どこでどのようにして飲むのか(またはなぜ飲むのをやめたか)、新商品にもっとも期待するものは何かを尋ねました。結果は、以下の通りです。

どの市場に おいても、 ほとんどの 子どもに

人気がある

100% 果汁は、 1日の始まりや

リラクゼーションに 最適

大人にも 子どもにも

良い

主に 朝食時に家で、

そして学校や職場で 飲むことが多い

飲むのをやめた大きな 理由は、習慣の変化。

その他の理由は、糖分の 含有量、価格の高さ、

機会の少なさ

糖分摂取について 高い関心と認知。

しかし、100% 果汁に 対して否定的、または 飲用を控える傾向は ほとんど見られない

飲用を中止した ユーザーは、

水、紅茶、そして コーヒーに

切り替えている

移動中や 外出先でも

手軽に摂取する 機会が増えた

最も望ましい 新商品は、

オールナチュラルで、 より手頃な商品

重要なイメージは、 おいしさ、 ナチュラル

そしてヘルシー

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05_消費者調査

消費:いつ、どこで、どれぐらい消費者の飲用意欲をそそる主な要素を、「健康」、

「おいしさ」「ナチュラル」と回答していますが、要素の順位は、健康(49%)がトップで、次においしさ(43%)、ナチュラル(32%)と多少の差があります。さらに、英国ではリフレッシュメント(42%)が強い要素として挙げられる一方で、中国では食物繊維の豊富さ(32%)が特に魅力的な要素として挙げられています。

全体的に、100% 果汁は大人(78%)にも子ども(77%)にも同様にふさわしい飲料だと認識され、1 日の始まりやリラックスに良いと思われています。飲用を中止したユーザーは、最適とまでは評価しないものの、大人にも子どもにも良い飲料で、1 日の始まりにも良いとしています。

世界的にジュースは主に「朝食時」に飲まれていますが、消費するタイミングは地域により大変興味深い違いがあります。日本とロシアでは間食に、ブラジルでは夕食時に、中国ではスポーツドリンクとして飲む傾向があります。中国の83% を除き、すべての市場で圧倒的に多いのが家庭での消費です(90% 以上)。外出時に飲む機会としては、学校や職場がもっとも一般的ですが、中国(25%)、ブラジル(25%)、ロシア

(24%)では、カフェやレストランでの飲用が高い比率を示しています。

消費頻度はすべての地域で比較的高い数字を示しています。全体としては 1 日 1 回以上が42%、もっとも高いのはブラジル(51%)で、次に米国(45%)、英国(42%)と続きますが、日本は最下位(29%)です。2 ~ 3 日に 1 回飲むというユーザーは、すべての国で全体の 3 分の 1 を占めています。消費者がジュースを飲む量は、1 日にコップ 1.2 杯(240ml)が世界全体での平均ですが、ブラジルの 1.7 杯がもっとも多く、次にドイツ(1.4 杯)、ロシア(1.3 杯)と続きます。

「栄養があって、ナチュラルで ヘルシーなので、フルーツジュース

を飲みます」

「100% 果汁というと、高品質、 ヘルシー、おいしい、栄養がある、

ナチュラルという言葉を思い浮かべる」

「簡単に果物や野菜を 摂取できる」

全体として、調査の回答者は 100% 果汁をおいしい(85%)、ナチュラル(81%)、ヘルシー(81%)と認識しています。現在飲用しているユーザーは、飲用を中止した人よりその様に認識していますが、全体的に両者のイメージに違いはありませんでした。米国、ドイツ、英国、ブラジルのユーザーでは、100% 果汁に対する認識を「リフレッシュできるから」(各市場とも 85% 以上)としていますが、中国では「高品質の商品だから」(82%)としています。

「新鮮、ヘルシー、おいしい、 すっきり、甘い、バランス、

朝、幸せ、健康」

消費者調査より ユーザーのコメント

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100% 果汁と子どもたちすべての地域で、100% 果汁を飲む多くの子どもたちにとって、果汁の飲用理由やパターンは大人とほとんど変わりません。全体では、親である回答者の 77% が、自分の子どもがジュースを「飲む」(「飲まない」としたのはわずか 9%)と回答し、米国では「飲む」と回答した割合は85% にのぼります。子どもが飲む果汁の平均的な量は、1 日にコップ 1.3 杯(260ml)と大人より多少多く、米国とドイツでは 1.6 杯で、ロシア(0.7 杯)や中国(0.5 杯)と大きく差があります。

子どもが 100% 果汁を飲む理由は大人同様、ヘルシー(47%)、おいしさ(39%)、ナチュラル

(25%)が上位を占めています。一方、子どもが100% 果汁を飲まない主な理由は、全ての市場で味と嗜好(ともに 25%)です。しかし、糖分の含有量が問題であるとしたのは、ドイツ(30%)と米国(25%)で、特に英国と中国ではともに29% を占め、飲まない理由の第 1 位となっています。

全て回答者の 63% が、糖分摂取の問題を認識しています(07 ページを参照)。そのうち、半数以上(58%)は、飲む習慣に変化はなかったとしていますが、約 3 割は飲む量を減らしたと回答しています。とりわけ中国、日本、ブラジルでは、40% 以上の回答者が飲用を控えるようになったとしています。

飲用を中止した理由と代替品飲用を中止したユーザーのその理由は、「特に理由はない」(28%)がもっとも多く、2番目は「糖分の含有量」(27%)、3番目は「価格の高さ」

(21%)と続いています。糖分の含有量が中止理由の第 1 位を占めたのは、英国(39%)、ドイツ(32%)、米国(29%)です。価格の高さが理由の第 1 位になったのは、ロシア(34%)で、ブラジルでは第 2 位 (32%) の理由に挙げられます。購入が難しい点を第 1 位としたのは、ブラジル(37%)、日本(32%)、中国(26%)で、ロシアでは第2位(31%)の理由とされています。

飲用を中止したユーザーが代わりの商品として選択したのは、水(57%)が圧倒的に多く、次にお茶(36%)コーヒー(30%)が続きます。お茶の占める割合は、特にロシア(58%)と日本(45%)で高く、中国、ブラジル、ロシアにおいては、牛乳と発酵乳が代替品として大きなシェアを占めています。

完璧な商品:消費者は何を欲しているか世界全体の回答者が 100% 果汁商品の特長として、もっとも関心を示したのは、オールナチュラル(67%)、手ごろな価格(66%)、豊富なビタミン(55%)です。ドイツのユーザーは、特に果肉入り(59%)の 100% 果汁に関心を示し、英国のユーザーにはカロリーゼロ(54%)が関心を集めています。「肌に良い」点を 100% 果汁のもっとも関心のある特長としてあげたのはブラジル(81%)、中国(79%)、ロシア(58%)です。消費者トレンドと、消費者のニーズを満たす商品のイノベーションについて詳しくは、次のページをご参照ください。

06_消費者調査

ロシアではジュースは仲間と一緒に飲むものです。中国では、リラックスしたいときの飲み物で、ブラジルでは、お弁当と一緒に持っていきます。また、米国、英国、ドイツ、日本では、ジュースは 1 日の始まりにもっとも適しているとしています。

ブラジルでは、昼食や夕食時にジュースを飲みます。ロシアと日本では間食、米国、英国、ドイツでは朝食の定番メニューです。時間を限らず、飲みたいときに飲むのが中国です。

消費者は何を欲しているか世界全体

オールナチュラル、お手軽価格な100% 果汁

英国カロリーゼロの100% 果汁

日本果肉入り100% 果汁

ロシアビタミン強化

中国とブラジル肌に良い

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07_ 消費者調査

ジュース協会)は、ヨーロッパ全土(少なくとも 14 か国)において PR キャンペーンを展開しています。このキャンペーンを通して 100% 果汁、特にオレンジジュースのイメージ向上と100% 果汁をいつもの食生活に追加することで健康的な食生活になるといった科学的根拠を伝えることを目的としています。

「100% 果汁に関するレビュー記事を 400 件以上査読し、1,000 件以上の研究論文を参照しました。その結果、健康効果について肯定的または中立的な結論が多くの研究から確認できます。それに対し、100% 果汁の健康効果について否定的な内容のもので信頼できる発表はほとんど見受けられませんでした。」と、AIJN のキャンペーン責任者であるゲイノール・フェラーリ氏は述べています。「これらの事実を踏まえて、政治家を含め、健康問題の専門家と正しい議論の場を設ける必要があります。また、果汁を飲む量に関しても説明していきます。果汁は 1 日に小さなコップにたった 1 杯で十分なのです。」1

AIJN は、一連の科学的証拠をもとに広報資料を作成しています。果汁に関する研究のデータベースや各国が独自にキャンペーン展開できるようなツールも取り揃えています。基本的に発信するメッセージやイメージは、一貫していますが、国や地域に応じて独自のキャンペーンを脚色して展開することができるのです。これには、ステークホルダー・エンゲ―ジメント、広報、メディア、イベント、デジタル活動などが含まれています。

ま た、AIJN は 科 学 分 野 で の 専 門 家 チ ー ム(Scientific Expert Panel、SEP)を招集しています。これには、世界的な栄養学者たちも参加し、議長にはコーネル大学で食品科学の教授を務めるルイ・ハイ・リュー氏が就任しています。SEP は、AIJN に最新の科学情報を提供します。メンバーはイベントに参加し、科学的に基づく記事の執筆も行います。

糖分についての議論テトラパックの調査では、全調査対象国の回答者の過半数(63%)が糖分についての議論を認識しています。この認識率は、特にブラジル

(78%)と英国(70%)で高い数字を示しています。このうち、糖分含有に強い関心を持ち、100% 果汁の糖分に対しても問題視しているのはわずか 9% でした。また、全く問題視をしていないのも、わずか 12% でした。この議論に対して認識を持ちながらも、ほとんどの消費者の行動に変化は見られません。糖分含有にもっとも高い関心を示している地域が、世界でも成長が著しい地域と一致することは大変興味深いことです。それはブラジルです。

それでも、72% の消費者は「飲む量と体への影響は比例する」と考え、3 割のユーザーは飲用量を減らしています。この減少には、糖分に関する議論のみならず、飲料容器のサイズについての公式な通達も影響していると見られ、この点が今後の議論の焦点にもなります。たとえば、現在英国では 1 日に摂取するジュースの量は150ml が推奨されていますが、これは「5 A DAY」と同様に、この「飲み切りサイズ」の小型容器のビジネスチャンスにつながります。

業界の対応糖分の過剰摂取は、多くの国で高い関心を示す共通の問題で、多くのメディアでも取り上げられ、いくつかの規制の対象とされています。しかし、100% 果汁においては対象となっていません。たとえば、英国で 3 月に新しく提出された法案では、健康上の効果から 100% 果汁は規制から除外されています(19 ページを参照)。つまり、100% 果汁の製造メーカーは、消費者に 100% 果汁の健康効果を明確にかつ効果的に伝えることで、大きなビジネスチャンスになり得るでしょう。これに対応して、AIJN(ヨーロッパ・フルーツ

AIJN によるヘルシーな 100% 果汁に関する 5 つの事実1 100% 果汁で、毎日のフルーツ

や野菜の摂取量を補うことができます。

2 100% 果汁は、砂糖無添加 です。

3 100% 果汁には必須栄養素が含まれ健康食と言えます。

4 100% 果汁により子どもの フルーツや野菜嫌いをなくし、長期的には健康的な食生活 習慣を身に着けさせることができます。

5 一般的に、100% 果汁の血糖指数は低く、原料のフルーツと糖度は同じです。

100% 果汁以外の他の飲料業界には、規制措置が大きな影響を与える可能性があります。たとえば、メキシコでは 2014 年から、砂糖が添加された飲料はすべて 10%課税されています。英国医学ジャーナルの調査によると、この規制により当該年度の販売量は実に 12% も落ち込んだと報告されています。

業界は、単に規制に対抗する方法ではなく、よりヘルシーな配合や正しいコミュニケーションといった積極的な対応で改善を図る必要があります。その意味で、チリの飲料メーカーの対応は良い例と言えるでしょう。

子どもの肥満率の急速な増加により、2014 年にチリ政府は、一定以上の砂糖(またはナトリウム、飽和脂肪、またはカロリー)を含む商品に専用のマークを付けることを義務付ける新しい法律を制定しました。これに分類

された商品は、厳しい広告制限が設けられ、かつ学校での販売やプロモーションが禁止されます。小型容器入りの飲料が主に消費される学校でのこのような動きにより、商品の販売量は著しく低下することは避けられません。

新しい法律が公告されるやいなや、飲料メーカーは迅速に動きました。糖分含有を示す新しいマーク付けの実施(2016 年 6 月)に先駆けて、商品の成分構成を見直しました。構成を変更し糖分の含有を低く抑えた新商品をより広く認知させるために、PR 活動や学校での活動を強化して、大々的なキャンペーンを展開しました。

その結果、糖分の問題により低調だった、テトラパックのお客様の商品販売量のトレンドが逆転しました。

「業界は、事実に基づく正しい 議論を再開する時期です。 そのためには、世界的に著名な科学者の協力を得て、 揺るぎない科学的な根拠を基に100% 果汁の良さをお話し していきたいと思います。」

M. S. ホグランド、AIJN 会長

チリの場合

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消費者が 100% 果汁飲料を健康的な飲料だと強く信じ続けているのは、一般的な食品および飲料のグローバルトレンドと関連があります。ある調査では、63% の回答者がヘルシーで栄養価の高い食品を摂ることが非常に重要であると答え、新興国においてはその割合は 71% にも上ります 1。また、51% の回答者は食品や飲料に使用される原材料にとても注意していると答えています 2。

この傾向は、現在、消費に最も影響を与えているミレニアルズ世代において顕著に見られます。この世代は、若く、向上心があり、趣向にこだわりを持っています。彼らは年間約 6,000 億ドル消費し 3、大手メジャーブランドはミレニアルズ世代を必死に取り込もうしています。そして、この世代は世界全体の食品や飲料業界をも大きく変革する影響力を持っています。

ミレニアルズ世代は自由気ままなところがあると認識されていますが、概して健康意識が高く、彼らの 51%4 はファーストフードを意識的に避けています。また、この世代は特定の原材料を気にしたり、ビタミン不足や添加物、食事が不

規則になることなどに対して、非常に注意しています 5。

今日、ホリスティックヘルス、総合的な健康、という考え方が世界的になりつつあります。より多くの消費者が、日常の食事が自身の外見と気持ちに関係していることを認識しています。食品、飲料、そしてフィットネスの全てが総合的な健康状態を保つために重要な要素となっています。トレンドに敏感なブランドはこの動きを捉えています。例えば、アメリカのブランド「スジャジュース」の共同設立者であるアニー・ローレス氏は認定を受けたホリスティックヘルスのコーチとして、ブログを通じて消費者教育を推進し、SNS でレシピを共有したり、消費者との対話を通してブランドとホリスティックヘルスを広めています。

また、健康であること自体が理想的なライフスタイルの重要な要素になっています。健康的なイメージは外見の美しさのみならず、社会的ステータスのアピールでもあります。健康食品や飲料を購入することも社会的ステータスを表す一つとなっています。

例えば、アミタモーションやビタココ、ドゥベムなどのブランドは、このようなトレンドを敏感に捉え、自社ブランドをヘルシーで、かつ魅力的なライフスタイルの一部として明確に位置

づけることで成功しています。このトレンドは、特に新興国において著しく、先進国の約 2 倍にあたる 48% の消費者が、自身の個性が自分がどのように見え、何を購入するかで表わされると考えています 6。

08_消費者トレンド

5 つのその他の重要な 消費者トレンド

健康とウェルネス

2. 人とのつながり人とのつながりに関しては継続的に関心が高く、今ではインターネットやソーシャルメディアを通して、商品購買に対する他人の意見や口コミを常に求めています。今日の消費者は、ブランドや商品の個性や自分にとっての意味を探しています。そのため、ブランドストーリーや商品の背景、由来の重要性が一層増しています。そして、ブランドは消費者とフレンドリーに関わることも求められています。イノセント社のコミュニケーションは素晴らしい事例です。オンラインとオフラインを含めパッケージに書かれたメッセージや手書きの文字など様々なコミュニケーションの仕掛けを消費者にしています。

3. 経験を求めるハンター消費者はいつも新しい商品のみならず、新しい経験に目を光らせています。驚きや楽しみ、面白さといった経験を通した感情で消費者はブランドとつながっています。ブランドとのつながりは技術革新によってもまた一層促進されます。パッケージに付けた QR コードから消費者を専用ウェブサイトへ誘導したり、ブリッパー社などが提供する AR を使用することは、「ビジュアルマーケティング」といわれるアプローチです。

4. 正直であること消費者からの信頼は今や当然のように得られるものではなく、ブランドが勝ち取らなくてはならないものです。ブランドや商品を語る上で、正直であることは重要な要素です。カウストンのデザインのように、手書きのようなデザインはローカルで少量生産、手作りといった印象を与えます。また、様々な健康情報が日々変化している中で、消費者は従来の専門家による健康情報に対して懐疑的になり、自らインターネットやソーシャルネットワークを通して情報収集をしています。ブランドとして消費者が求めている情報提供をし、教育することで、消費者との情緒的なつながりを築くができるでしょう。

5. 私と私の地球グローバリゼーションと環境問題は消費者の環境意識を大いに高めました。環境がより良くなることは、「自分がより健康になること」だと環境を身近に認識しています。消費者は商品の中身もパッケージも両方環境に良いものを求めています。オールナチュラルや無添加の中身と二酸化炭素排出量が少なく、リサイクル可能で再生可能資源を使用したパッケージを使用した地球に優しい商品を求めています。

1. シンプルな生活消費者の生活は、ますます忙しくなっているため、従来の消費パターンが崩れてきています。特に朝食の場合、世界では 73% が食事時以外にスナックを食べ、特に朝食時にはそれが朝食代わりになっていることも起きています 7。これは朝食が主たる消費の場である 100% 果汁にとって重要な問題ですが、いつでもどこでも飲むことができ、ふたを閉めて持ち歩くことができる小型容器入りの商品にとっては大きなビジネスチャンスでもあります。軽食の広がりもビジネスチャンスになります。消費者調査によると、ロシアや日本では間食にジュースが飲まれています。また、ブラジルなどのように、ジュースを食事の栄養補助として手軽に取り入れることもできます。また、「ジュースクレンズ」という位置づけのフレッシュジュース商品もあります。

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09_グローバルな市場概要

ラテンアメリカが好調です。 特にブラジルが中国より

早い成長を見せ、2018 年 までには上位 10 か国に

ランクインすると 予想されています。

果汁、果汁飲料、及び清涼飲料 (非炭酸)は、全体的に安定した

成長を見せ、特にスポーツ ドリンクやエナジードリンクは

強みを発揮しています。

2018 年までの 100% 果汁 市場の予測は、全体として

成長傾向にあります。新興国 市場に成長の勢いが見られる 一方で、従来からの消費地域 では、わずかながらの減少が

見られます。

依然としてオレンジは根強い 人気を保っている反面、

競争が激しさを増しています。 驚異的な成長を示したココナッツ

ウォーターですが、野菜混合、 クランベリー、マンゴーも

それに劣らず健闘しています。

中国の成長はめざましく、2015 年の時点で、

世界の 100% 果汁市場の 上位 10 カ国にランク付け

されています。ハイエンド層で もっとも成長が著しく、

強力なトレンドが 「プレミアム化」です。

インド、インドネシア、マレーシア、チリの

4 カ国も、期待される 成長エリアです

今日の市場世界的に経済の回復の兆しが見えない昨今の状況にもかかわらず、人口増加や中産階級の台頭といったメガトレンドは、今後も新興国市場で 100% 果汁の成長を後押しします。果汁が定着している市場における減少傾向の緩和により、今後のジュース市場は安定的に成長すると予想されます。

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10_グローバルな概要

果汁、果汁飲料、及び清涼飲料(非炭酸)は、全体的に安定した成長を見せ、特にスポーツドリンクやエナジードリンクは強みを発揮していますが、100% 果汁にとっては厳しい時代です。消費は特に北米やヨーロッパなどの定着市場が中心であるため、景気後退によって消費者の買い控えによる大きな影響を受けることになりました。

過去 3 年間、トップテン市場の国はすべて成長が減速しましたが、中国だけは例外で比較的少量ベースですが、2012 年から 2015 年の間のCAGR(年平均成長率)は 11% でした。現在、中国は世界第 8 位の大規模市場で、2015 年には 5 億 4500 万リットルを消費していますが、この驚異的な数字ですら、過去 3 年間で 2.6%低下した第 1 位の米国市場の 8% に過ぎません。今後、中国は 2018 年までに CAGR が 7.7% 成長すると予測されていますが、ブラジルはそれよりも高い成長率を見せ、2018 年までに世界の上位 10 か国へのランクインが予想されています。(下記をご参照下さい)

「プレミアム化」というトレンドさらに100%果汁のカテゴリーを掘り下げると、成長ストーリーの興味深い動向が見えてきます。ストレートジュースは濃縮還元タイプのシェアを奪い、2009 年の 25.6% のシェアは、2015年には 28.9% になりました 1。これは、値段が高くても、ナチュラルであることや人為的な処理がされていないことを良しとする時代の風潮や高級品志向の「プレミアム化」のトレンドが影響しています。結果として、濃縮還元タイプのジュースは、2009 ~ 2015 年の間に 1 リットルあたりの世界平均価格の CAGR が 0.3% 低下しました。これに対して、ストレートジュースの価格は、2009 ~ 2015 年の間に CAGR が1% の伸びを見せています 2。 

ジュース全体の消費量が低下している国を含めても、多くの国でストレートジュースの販売量が増加傾向にあります。たとえばドイツでは、100% ストレート果汁の販売量は、2012 ~2015 年の間に 4.1% 増加し、2018 年までにさらに 3.8% 伸びると予想されていますが、ジュース全体の販売量は低下しています。この傾向はカナダや南アフリカでさらに顕著です。

2015 年は、英国市場は厳しい年となりました(19 ページを参照)。ジュース、スムージー、ジュース飲料全体の売上高は 5.3% の低下、販売量でも2.4%低下しました3。これは多くのスーパーマーケットがディスカウントストアとの競争に対抗して主に自社ブランド商品の値下げに踏み切ったからです。その一方で、実際のブランド品の価格は全体で 1.1% 値上がりし、ストレートジュースブランドに至っては 3.4% も値上がりをしています 4。

2015年の市場

米国ドイツ日本フランスカナダ英国ロシア中国オーストラリアスペイン

2018年の市場

米国ドイツ日本フランスカナダ英国ロシア中国ブラジルオーストラリア

2015 年から 2018 年の 100% 果汁市場のトップテン長期的な予測では、定着市場が鈍化する一方で、中国とブラジルの成長が見込まれています。

これは、一般に、過去 3 年間に最大の伸び幅を示したラテンアメリカの顕著な成長と連動しています。中産階級の家庭では、ジュースを搾るのをやめて容器入りのジュースを買い求めるようになりました。ここでも、比較的低いベースからではありますが、年間 12% 以上成長しました。他の注目エリア、たとえばインド、インドネシア、マレーシアでも、同じ要因が成長を後押ししています。これらの地域は総販売量において、もっとも成長が早い市場であることをミンテルが指摘しています。これらの成長市場と定着市場での減少傾向の緩和との組合せによって、100%果汁市場は0.1%という小幅ながらも、いずれ成長が戻るであろうと予測されています。

1 人あたりの消費量:将来の成長への展望将来の成長を予測するために、現在の普及率とその範囲を調査するときに役立つ指針は、1 人あたりの消費量です。2015 年に総消費量が減少したときでも、米国での 100% 果汁の消費量は、実に世界全体の 3 分の 1 を占める、67 億リットル以上でした。これを 1 人当たりに換算すると、年間 20.9 リットルになります。世界でもっともジュースの消費量が多いカナダの 30.1 リットル、ノルウェーの 25.4 リットル、ドイツの21.7 リットルに次ぐ世界第4位の数字です。

これに対し、中国の年間 1 人あたりの消費量はわずか 0.4 リットルで、2 桁成長を果たした中国ですが、業界はビジネスチャンスの恩恵に浴するどころか、チャンスの前髪すらつかんでいない状態です。2010 年から 2015 年の間、1人あたりの消費量で目覚ましい成長を見せたのが、アフリカ、中近東、ラテンアメリカです。これらの地域では、どの市場も低い数字からのスタートでしたが、販売量や新商品の観点からも牽引材料となる新たな市場が頭角を現し始めています。その中の 1 つのブラジルについてはすでに説明しましたが、メキシコ、南アフリカ、サウジアラビアなどでも同様です。

図は、世界のトップテンの市場の消費量

(単位:百万リットル)を示しています。

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11_グローバルな市場概要

価格格差:高価格帯の成長一部の市場では、価格格差が発生しています。米国ではプレミアムクラスの価格は 1 リットルあたり 7 ドル以上で、これは 3 ドル未満で販売されているバリュークラスの倍以上の価格になります。それにもかかわらず、国、米国やヨーロッパではプレミアム商品の売り上げが伸びていて、ニーズを満たす商品は積極的に購入するという消費者の意欲が表れています。

オレンジの次:フレーバーの好みの変化もっとも人気のあるフレーバーにも、このところ変化が見られます。ジュースと言えばオレンジと言うくらい、ジュースの世界ではオレンジがもっともポピュラーで、2015 年には 69 億リットルが販売されました。100% ジュース市場でもシェアの 46% はオレンジが独占しています。オレンジの次に一般的なのがリンゴジュースです。リンゴジュースは売上高の 17% を占めています。しかし、最近ではオレンジ、リンゴともに減少傾向にあります。一方で、野菜混合

などの健康志向形のジュースが人気を集め、売上高で第 4 位に浮上しています 1。

これに追随する形で規模は大変少量ですがクランベリーやマンゴーも健闘しています。しかし、これらすべてを凌駕したのがココナッツウォーターです。ニッチな商品であったココナッツが、ここ数年で爆発的に売り上げを伸ばし、一躍ファッショナブルな主力商品となりました。このグローバルな現象は、現代の消費者のニーズと想像力を巧みに取り込むイノベーションにこそビジネスチャンスがあるという良い例と言えるでしょう。

特に強いのは、健康面を強調した「コールドプレス」のジュースやスムージーの新商品です。特に富裕層のミレニアル世代をターゲットにしており、しばしばオーガニックや信頼できる農法による産物を原料としています。この調査で一部の消費者が、「価格の高さが問題だ」と回答していることにも注目する必要があります。節約意識の高い消費者にとって価格は重要な問題なのです。

フレーバーパレットの変化ゆるぎなきオレンジのトップの座、されど野菜混合の猛追による低下

価格格差の広がり消費者はナチュラルで加工されていない商品なら多くを支払う

クランベリー 1%マンゴー 1%

パイナップル 2%グレープフルーツ 2%

トマト 3%ぶどう 3%

ココナッツ 1%

野菜混合 3%

ミックスベリー 1%

果汁混合 6%

野菜 1%

リンゴ 17%

ピーチ 1%

オレンジ 46%

トロピカルフルーツ 1%

その他 11%

ストレート商品が伸びてシェアを獲得「プレミアム化」のトレンドを反映

資料:ユーロモニター

ストレート

CAGR:09~15

濃縮還元

ストレート

CAGR:09~15

濃縮還元

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12_商品のトレンド

100% 果汁の ビジネスチャンス ─ トップ 3テトラパックの消費者調査による消費動向の分析と、世界中のお客様とのお取引実績に基いた、現代の市場で台頭しつつある重要な商品トレンドを 3 つご紹介します。

スペシャル 100% 果汁

野菜の栄養素

オールナチュラル

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その名前とコンセプトを裏切らないアミタモーションは、常に刷新を続ける極めて精力的なブランドで、その力強さでターゲットの若い消費者を引き付けています。1993 年に発売された濃縮還元 9 種類のフルーツブレンドの機能性ジュースは、当初 7 種類のビタミンが強化され、エネルギーを供給するスポーツドリンクとして販売され、そこから“モーション” と名づけられました。

2000 年以降、消費者は、商品のみでなくブランドからの提案もより多様であることを求めました。このため、アミタモーションは、ターゲット消費者の感性と身体の両方のニーズを満たす企画を常に発信してきました。大規模な国家的イベントであるアテネオリンピックの前年に、フォーカスをこれまで

「身体のエネルギー」から「ポジティブエネルギー」に変え、ショービジネスやスポーツの世界からブランド大使を任命して「楽しさと楽観主義」を伝達したのです。

従来のメディアを通じてブランドメッセージを発信する一方で、デジタルマーケティングも活用し、コミュニティを作り、音楽を中心としたオンラインポータルの開設にも着手しました。2006 年には、

「アミタモーションポジティブエネルギーデイ」をスタートさせ、盛大なミュージックコンサートを開催しました。これは現在も毎年開催されています。2015 年には、65,000 人を動員する記録的なイベントになりました。

この 10 年で消費者は経験を商品に求めるように

13_商品のトレンド

1_ スペシャル 100% 果汁消費者は、病気にかかるリスクを低下させ、健康を促進する機能性食品を探しています。世界全体の 61% の人々は、医学的に健康の促進が証明された商品に関心を示し 1、10 人のうち 3 人は、ストレスを軽減する機能的メリットという付加価値のある清涼飲料に関心があります 2。

機能性健康食品は明らかに増加傾向にあり、これを特徴とした新商品の発売数の CAGR は、2012 ~ 2015 年の 3 年間で 31% を示しています。2015 年には、免疫性(22%)、心臓の健康(12%)、消化(11%)、骨の健康(8%)、脳の健康(6%)、美容上のメリット(4%)など広範囲な機能性を持つ商品が次々と発売されました 3。

「 強 化 す る( プ ラ ス )」 カ テ ゴ リ ー(6% のCAGR 増加)では、ビタミンやミネラルを強化した商品が主力です(69%)。テトラパックの調査では、もっとも関心の高い商品として、ビタミンが豊富な商品が高い割合で含まれています

(世界全体では第 3 位の 55%)。他の調査では、28% 近くがこのような商品を「積極的に購入したい」と回答し 4、若い消費者(アミタモーションのターゲットグループ。右の事例を参照)や、新興国成長市場の消費者が高い割合を占めています。

その他の人気のある新商品には、食物繊維の含有量が多い商品や、食物繊維を添加した商品

(19%)、カルシウムを強化した商品(10%)、プロテイン含有量が高い商品(2%)などがあります。ただし、全体的に「取り除く(マイナス)」カテゴリーの商品がさらに伸び(CAGR で42%)を示したことにも注目する必要があります。このカテゴリーは主に低糖、微糖、無糖を特徴にした商品が圧倒的多数で、全体の 79% を占めています 5。

なったのに応じ、アミタモーションは、ポジティブエネルギーを上手に取り入れ、音楽を伝達手段にし、大成功を収めています。2010 年に開始したブランドのフェイスブックのページでは、ファンは、オンラインゲームを通じて、3 つのライブコンサートを選択することができます。オンラインイベントでは、ファンは 1 年間、人気アーティストのマネージャーを疑似体験することができます。プライベートコンサートには賞品が用意され、「ポジティブサウンド」と「ポジティブグループ」という名前で歌やタレントを探すコンテストも開催されます。フェイスブッククラブでは、「ミッドナイトセッション」という名前のコンサートが 3 都市で開催され、18 歳以上のターゲットグループを引き付けるような工夫がされています。さらに「ポジティブエネルギーデイコンサート」などの主要イベントは、ライブストリーミングで配信されファンを飽きさせません。

アミタモーションのアプローチは成功した 1 つの例ですが、彼らの強みは、ブランドの歴史を通じて強いパフォーマーであり続けている点です。そのようなアミタモーションにも、ギリシャ国内の経済危機は否応なく影を落とし、主力商品以外の販売量は低下しています。それにもかかわらず、2014 年以降のアミタモーションの市場シェアは成長を続け、現在はビタミン強化ジュースのカテゴリーで62% のトップシェアを維持しています 6。 – このカテゴリーでのブランドの認知度は実に 98% に達します 7。まさに、アミタモーションは全面的にギリシャの若者向けトップブランドの 1 つであり、フェイスブックは 560,000 以上の「いいね!」を獲得しています。「若者は、常にアミタモーションのターゲットグ

ループです」と、アミタモーションのシニアブランドマネージャであるジョルジア・ジィッティ氏は述べています。「若い人々は、自分たちがエネルギーに満ち、人生を最大限楽しめるように激励してくれるブランドを探しています。ブランドは、このような若者のニーズ、習慣、行動を理解し、ポジティブな感覚や記憶が作られる幸せな瞬間への道筋を見つける必要があります。技術はあまりにも早く変化し、競争力になる優位性はすぐにコピーされます。ですから、私たちはその代わりに経験や感覚を大事にしています。ユニークでクリエイティブ、そして本物であること、これがターゲットとなる消費者の心をつかむ一番の武器であり財産です。」

アミタモーションは、感動を与える音楽を通して、若者から強い支持を得ることができました。特に、毎年開催される「ポジティブエネルギーデイコンサート」は 2015 年には実に記録的な 65,000 人の観客を動員しています。

事例アミタモーション ギリシャ

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サディプリドニャ社の主力ブランド、「サディプリドニャ」は自然の恵みを基本としています」。この会社は、ロシアをリードする果汁や果汁飲料のメーカーの一つで、フルーツや野菜をベースにした乳幼児向けの食品も製造しています。ファミリー企業のサディプリドニャ社は、高品質で環境にやさしい商品をスローガンにしています。このスローガンを短い言葉で表現すると、「品質第一」が一番適格でしょう。

透明性が重視されたマーケティングを行っています。毎年実施する国営テレビのキャンペーンでは、丁寧に栽培され、管理された原料が加工されて商品になるまでを公開し、原材料と店舗におかれている商品との結びつきを強く印象付けます。また、広告では製造過程を解説します。これは、加工段階や保存料について疑問を持つ消費者がいる市場では重要です。

特に、サディプリドニャの果樹園が重点的に説明されます。ロシアでは、もっとも好まれるジュースフレーバーはリンゴです。サディプリドニャの果汁 / 果汁飲料の小売における販売量の 30% がリンゴだけのジュース、42% がリンゴのブレンドジュースです。これらのブレンドジュースには、5種類の新しい野菜が含まれ(例:リンゴ、ニンジン、マルチベジとビーツルート、トマト、リンゴとかぼちゃ)、野菜の栄養素というトレンドを活用しています。2015 年 7 月に 1 リットルの紙容器入りで販売開始されたこれらの新しいブレンドジュースは、健康志向の都市部の消費者が家庭で消費することを想定しています。

14_商品のトレンド

新商品の発売時に、特に添加物や保存料を使用しないナチュラルさを強調するケースが増えています(CAGR で最大 25%)。人気の新商品が発売される際に使用されるその他のキャッチフレーズは、「オーガニック」(27%)、「遺伝子組み換え原料の不使用」(9%)などです 1。塩分、糖分、脂肪分、乳糖、カフェイン、グルテンなどの含有量が少ないことを特徴にした商品も増えてきています。特に、糖分は重要な問題となっています。食品や飲料を選ぶ際に、消費者の45% が低糖または無糖の商品を選択しています 2。

これは、「ナチュラル」が「ヘルシー」とますますオーバーラップしている証拠でもあります。あるオブザーバーは、「自然に機能する」ことを

「トレンドの王者」と表現しました。「消費者が何よりも求めているのは、本来食品に備わっている成分により、自然に機能する食品や飲料です。選ぶ際は、科学的な成分が添加された商品より、自然のままで機能する成分が含まれた商品を常に選択しています。」3

自然由来の成分には、他の文化圏から取り入れられたものもあります。たとえば、ターメリックは長年、中国やインドで抗炎症剤として様々な治療に使用されていましたが、2015 年の米国では、もっとも注目される新しいフレーバーの 1 つとなりました 4。

2_ オールナチュラル消費者の関心は、明らかにナチュラルであると感じる商品に移行しています(右側のサディプリドニャの事例を参照)。ストレート 100% 果汁は、価格の高さにもかかわらず、濃縮果汁還元ジュースからシェアを獲得しています。テトラパックの消費者調査によると、もっとも関心のある商品のトップに挙げられたのは「オールナチュラル」(67%)でした。これは、ニールセンによる 2015 年の全世界での健康調査を裏付けています。この調査では、全世界の消費者の 43% が、「オールナチュラル」商品を購入したいと回答しています。この傾向がもっとも著しい地域は、ラテンアメリカ(64%)と中近東 / アフリカ(53%)です。

サディプリドニャは、都市部の家族にアピールすることを目標に、双方向性や楽しさを取り入れたマーケティングを行っています。特別な容器に付けられた QR コードを使用して、オンラインで果樹園の仮想ツアーに参加できます。収穫や、加工、充填包装について消費者に紹介しています。オンパック・コミュニケーションとして、容器に、

「ジュースができるまで」を含む情報を掲載し、FSCTM ラベルが環境への配慮についてのさらなる信頼性を位置づけています。

消費者は経済的な理由で飲用を控えたり、低価格の商品に切り替えたりします。または様々な要因で受け入れられないことも多いきわめて厳しい市場で、このブランドは非常に辛抱強く健闘を続けています。

2015 年は、市場の規模が 12% 縮小し、容易に回復することは望めない状況でしたが、このブランド関連の売り上げは好調でした。2015 年 2 月に 3.4% であった売り上げは、2016 年の 2 月には 4% に上昇し、同時期の売上金額ベースの市場シェアも 3.6% から 4.2% に拡大しました。

テトラパックの視点からは、地元企業と多国籍企業の両方が、市場の状況に適応しているように見えます。これまでにないほど、激しい競争とイノベーションへの要求が明かな現在、小売業にとっても流通業にとっても、継続的なブランドからの発信が不可欠です。消費者は購入する際には、価格に対する価値に非常にシビアです。それに応えることができるブランドには、潜在的な成長の可能性が残されているのです。

事例サディプリドニャロシア

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15_商品のトレンド

1 世紀以上、日本の大手トマト加工食品メーカーであるカゴメは、農家で契約栽培したトマトの新しい販路としてトマトピューレを開発して以来、日本のトマトジュースや野菜ジュース市場を開拓しました。1994年に発売開始されたオリジナルの「野菜生活」シリーズは、果菜混合飲料です。現在、カゴメの年間売り上げ高は10億ユーロに達し、商品構成には、果実ジュースや乳酸菌飲料なども含まれます。海外市場には、米国やオーストラリアが含まれますが、日本国内の売り上げが約70%をしめています。カゴメは、日本の野菜および果汁市場の最大手で国内の48%のシェアを占めています。(データは2016年現在)「野菜生活」は、目新しさが求められるコンビニ

エンスストア市場でも定番商品であり続けています。毎月季節や地域特産のフレーバーを投入することでブランドの鮮度を保っています。「野菜生活」の次に発売されたのが、野菜のみを原料としたミックスジュースの「野菜1日これ1本」です。この商品は200mlまたは125mlの小型容器1本に、1日に推奨される350gの野菜を使用しています。この商品の主なターゲットは、便利さを求める20~40歳の 男性です。現在、急速に進む高齢化に対応し、 「野菜生活」と「野菜1日これ1本」は、より高齢の消費者向けに125ml/100mlの小型サイズも販売しています。高齢の消費者が200mlは多すぎると感じているという調査結果に基づいて125ml/100mlが採用されました。 果菜混合飲料は、世界の市場では比較的新しい主流商品ですが、日本ではすでに成熟市場となっています。過去数年間は、需要の落ち込みがありました。これは、いわゆる「ヘビーユーザー」が

3_ 野菜の栄養素一部の市場では長い間、野菜飲料が強い存在感を維持していました。特に日本(カゴメの事例を参照)では、野菜飲料は健康と目される特別なカテゴリーである一方、従来の果汁は清涼飲料と見なされています。野菜飲料は世界全体で需要が伸びています。特に定着市場では、果汁とブレンドして、原料に含まれる糖分を低減し、健康上のメリットを追加した商品が好調です。

現在では、世界全体で野菜混合とトマトは上位10 のフレーバーに含まれ、従来の果汁の市場シェアに食い込んでいます。テトラパックの消費者調査では、果菜混合は第 8 位で 18% を占め、トマトは第 10 位で 17% です。

野菜成分が含まれた新商品は、2012 ~ 2015年の間に CAGR が 43% 増加しました 1。ここでも、他の 2 つのトレンドとのオーバーラップが見られ、流行の「自然に機能する」成分としてはビーツルートやケールなどの多くの野菜が注目されています。

ヘルシーな日本近年、特に高齢化が進む日本では、生活習慣病を未然に防ぐことを念頭にすでに広く普及している機能性商品の認知を高めようという方針を政府が打ち出しました 2。現在、日本には特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品のそれぞれ違った管理・登録規定を持つ、健康へのメリットを表す3つの食品ラベルがあります。

野菜サラダに切り替えたり、自宅でジュースを作るようになったりしたことと、「ライトユーザー」が他のヘルシーな代替飲料、たとえばヨーグルト飲料、豆乳、そして特定保健用食品として認められた飲料などに移行したためでした。

このトレンドに対して、カゴメはTBA200スリム容器入りの主力商品4品を刷新しました。野菜の繊維質を含み、素材感、野菜摂取の実感を高めた味わいに変更し、パッケージもリーフ型のパネルを備えた新容器に変えました。この容器は、日本で初めてカゴメに採用されました。店頭陳列されたときのインパクトを最大化するようにデザインをさらにリニューアルし、商品の健康へのメリットをユニークなパネルに表示しました。また、同時にカゴメはFSCTMラベルを容器に初めて掲載し、ブランドが環境に対して配慮しているという信頼性も高めることができました。

刷新されたこの商品は、コンビニエンスストアのみで購入できます。コンビニエンスストアは小型容器入り飲料の主力販路で、新しい容器形状やレシピをフルに活かすことができます。カゴメは、テトラパックと協力して、ターゲットに対する一連のプロモーション活動を練り上げました。これには、ウェブサイト、メンバーシッププログラム、YouTubeビデオ、交通広告などが含まれます。

刷新した4商品のうち特にフルーティーサラダとエナジールーツの2商品に牽引され、導入時の売上高は、前年比16%増と飛躍し、2桁の成長を見せています。購入頻度や浸透率も増加し、現在はほぼ100%のコンビニエンスストア各店で新商品を購入できるようになりました。

「容器を一新し、商品を再活性化したことによって、消費者のニーズに応え、消費者層を広げることができました。」と、カゴメのマーケティング本部家庭用企画部(当時)の林浩太氏は述べています。「容器のリーフパネルを使用することで、商品の利点を強調し、陳列棚で目立つようにすることができました。また、FSC認証を受けた包材の使用は、 弊社の環境への配慮に対する信用をさらに高めてくれました。」

事例カゴメ 日本

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16_市場分析

米国

中国

英国

ブラジル

• 糖分に対する、消費者の高い認識や社会的な圧力。公表された加糖飲料への課税に対し、100% 果汁は除外

• 健康に関する新しいガイドラインでは 150ml のジュースやスムージーを「5 A DAY」のうちの 1 つとしているため、量を制限した商品にビジネスチャンスがある

• ジュースが健康的なライフスタイルに役立つという考えを再認識させるキャンペーン• 消費者の健康上のニーズや関心に役立つ商品のビジネスチャンス。野菜飲料や果菜混合

飲料は、すでに明確なトレンド• HPP ブランドの高い伸び• 好調なココナッツウォーター

• 輸出の低下とオレンジの過剰生産により、オレンジ生産者は国内市場の開拓へ• 新鮮な搾りたてジュースの伝統から、年間 25 億リットルの消費があると推測• 容器入りの 100% 果汁(ココナッツウォーターを含む)の消費量は、2012 ~ 2015 年

の間に 1 億 6700 万リットルから 3 億 6100 万リットルに増加(CAGR で 30% 弱)• 今後も高い伸びを続ける 100% 果汁とココナッツウォーター• マーケティングコミュニケーションでは、フルーツの内容が重要• わくわく感とブームを呼ぶ革新的なフレーバー、野菜混合や機能性メリット

• 価格の上昇と糖分についての課題はあるが、ターゲットを定めたビジネスチャンスが 開かれている

• 朝食習慣の崩壊は課題であるが、ビジネスチャンスは移動中など、「外出時」にある• HPP 製法(高圧処理)ジュースの成長を含めて、プレミアムクラスは好調である• これまで以上に、ニッチ商品が新参ブランドの成長を助ける• 業界大手による、もっとも有望な新しいブランドの買収• ココナッツウォーターの継続した力強い成長、これに続く他の植物ベースのウォーター系

飲料の新しい展開

• 現在、中国・台湾は 100% 果汁の 8 番目に大きい市場であるが、1 人あたりの消費量は 0.4 リットル。他の地域が減速中であるにもかかわらず、2018 年までに CAGR が最大 7% と高い伸びの予想

• 輸入が急速に拡大、たとえ低いベースでも、人口の多さや広い領土全体が商業発展に 寄与

• ナチュラル、安全、機能性飲料への需要がイノベーションを後押し。100% 果汁は、 ヘルシーなライフスタイルのバランサーという位置付けになるだろう

• ワークライフバランスがキーポイント。軽食や移動中の飲食に大きなビジネスチャンス• 可処分所得の増加により、消費者が積極的に「より良いものに、より多く支払う」傾向。

子どもや女性向けといった、まだ品揃えが少ないカテゴリーへのビジネスチャンス

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大局的には、米国における 100% 果汁は、顕著なサクセスストーリーです。戦後何十年にもわたる高い成長によって、驚くべき浸透が見られました。現在でも米国は圧倒的に大規模な世界の市場です。2015 年には 67 億リットルが消費され、その数字は、2 位以下の 5 か国の市場合計をはるかに越えています。しかし、近年は消費量が低下し続け、2012 ~ 2015 年の間のCAGR は - 2.6% でした。

特にオレンジジュースが苦戦しています。米国の農務省による最新の報告書が明らかにしたところによると、特に野菜の摂取量が少なくなりがちな米国人にとって、フルーツは潜在的に健康を害する可能性があることから、全体的にフルーツの消費量が低下したことが主な原因であるとしています 1。

17_市場分析

この変化を牽引する要素は、一様ではありません。米国農務省の報告書では、収穫高の不足や原材料のコスト高騰による価格上昇の影響が指摘されています。一方で、透明性が大きく増したラベル付けにより、果実に含まれる糖分についての認識が高まった結果、一部の消費者が飲用を控えるようになったとしています。この調査では、飲用を中止した米国のユーザーの 29%は、これらの商品を飲用しなくなった理由として糖分の含有量を挙げています。これは、特に水など、他のカテゴリーの商品の成長を高く押し上げました。

消費者の習慣の変化:課題とビジネスチャンス従来のように家で朝食を食べる消費者は、現在も減少しつつあり、これも影響を与えています。NPD グループによる調査では、米国人の約10% である 3100 万人は朝食を取らないと報告されています。この割合はなお増加しているとも予測され、朝食がもっとも一般的な消費の場であったジュースにとっての課題です。テトラパックの調査では、米国人の 55% が朝食時に100% 果汁を消費しますが、これはすべての市場での調査で最も高い数字を示しています。しかし、前述したように、いつでもどこでも飲むことができ、ふたを閉めて持ち歩くことが可能な小型容器入りの商品にとってはビジネスチャンスでもあります。

特にプレミアムクラスには、それ以外にも多くのビジネスチャンスがあります。プレミアムクラスの商品は、ヨーロッパで特に消費量と価格の両面で好調です。プレミアムクラスの価格は1 リットルあたり 7 ドル以上で、3 ドル未満のスタンダードクラスの倍以上の価格になります。これは、明らかに現在も消費者がジュースを好むことを示しています。自分のニーズに合う商品であれば、プレミアム価格も問題がないということです。

2004 年、マイク・キルバン氏とアイラ・リラン氏がニューヨークのバーで、故国の「アグア・デ・ココ(ココナッツウォーター)」を讃える歌を歌う 2 人のブラジル人女性に出会ったことが、すべての始まりでした。触発されたマイクとアイラは、ビタココを創立し独自の容器で米国での販売を開始しました。これが、世界中を熱狂させるココナッツウォーターのスタートです。

ビタココの成長は桁外れな上、一定のペースで伸び続け、2011 年から 2014年までの間に売上は 78%(CAGR)増

加しました 2。昨年一年間に、米国人は約 9400 万リットルの容器入りのココナッツウォーターを消費しましたが、これは、その前年の 12 か月の 15% 増にあたります 3。ビタココは、押しも押されぬ米国のトップ企業として、販売量では 44% の市場シェアを獲得しています。多くの強力な競合が参入したにもかかわらず、昨年の市場では16% 成長するなど、その強さは健在です 4。「テクナビオによると、2014 年の米国のココナッツ

ウォーター市場の売上高は 7 億 9600 万ドルと言われています。」と、ビタココのコーポレート・コミュニケーション担当、グローバルディレクターのアーサー・ガレゴ氏は述べています。「米国の市場が最大で、次にブラジルが続きます。これには、売上高を公表しないコストコやその他のチェーン店等の流通業が含まれていないため、これが最低限の売上高であると見積もっています。しかし、これは本当に素晴らしい成長の姿です。テクナビオは、2019 年にはこの市場が 24 億 6000 万ドルに成長すると予想しています。」

ビタココは、タイムリーに未知のニーズに着目し、2つのトレンドのビジネスチャンスを結び付けたことは明らかです。リフレッシュ感があり、健康志向、天然由来の低糖飲料で、従来のスポーツドリンクの代替品として水分を補給します。ビタココはその戦略や今後にむけた展開方法は言うまでもなく、ブランドの発表の仕方や、プロモーション、そしてマーケティング手法において、又、もっぱら成功することに集中してきました。そしてココナッツウォーター市場全体は確実に成長していきました。

初期の段階では、有名人による推薦がきわめて重要でした。周到に計画された PR キャンペーンが、2010 年の 1 月に開始され、ビタココの最初の有名人の出資者として、マドンナ、デミ・ムーア、マシュー・マコノヒー、ミュージシャンのアンソニー・キーディスが紹介されました。公式行事やメディア出演の席での積極的なビタコ

米国定着市場での成長全体的なジュース消費量が低下し続けている中で、最もプレミアムな飲料として爆発的な流行となったココナッツウォーターに大きな成長の機会があります。

コへの有名人による販売促進活動は、それだけで世界各国のマスコミの目を引き、ビタココの名前を一挙に世界に知らしめることになりました。2011 年には、リアーナがブランドの顔として採用され、この年と 2012 年の広告キャンペーンに登場しました。

2010 年に、ビタココはアメリカンフットボール、野球、バスケットボールなどを対象として、プロのアスリートとのパートナーシッププログラムをスタートさせます。これは、実際にアスリートたちが水分補給としてココナッツウォーターを飲むことによって、男性の消費者にアピールすることが狙いでした。

このキャンペーンでは、商品のシンプルさとナチュラルさを一貫して伝えるようにしました。デジタルメディア、ソーシャルメディア、屋外広告なども利用され、ボディに「Taxi to the beach(タクシーからビーチへ)」という印象的なブランドスローガンを掲載したタクシーを町中に走らせました。2015 年には、初の国際広告キャンペーンを開始します。初めてテレビ放送も対象にしました。このキャンペーンは、「Stupidly Simple®(愚かなほどシンプル)」と呼ばれ、「It’ s water.From a coconut(これはココナッツの水)」や、「Our plant is a plant(私達の工場は植物)」というキャッチフレーズを使用して、ユーモラスでジョークいっぱいのメッセージで、オールナチュラルというセールスポイントの認知度を高めることに成功したのです。

現在、米国全体では 100,000 以上の小売店で販売され、ビタココの商品ラインナップも成長を続けています。最初の商品は、小型容器入りココナッツウォーターでしたが、果汁ブレンド、レモン果肉入り「レモネード」、スポーツドリンク、コーヒー、子ども用飲料が追加され、どの商品にもココナッツウォーターが使用されています。2014 年には、初めて飲料以外の商品の発売を開始しました。ビタココココナッツオイルです。2016年5月には、ビタココの親会社であるオールマーケット社 . が、タイで共同経営する農場で生産されたオーガニックなココナッツウォーターの新しいブランドを立ち上げています。

その間、ビタココも世界各国でシェアを拡大し、現在ではカナダ、ヨーロッパの大部分、日本、中国、そしてニュージーランドを含む 31 か国(ほとんどの市場でマーケットリーダー)で販売されています。

事例ビタココ VITA COCO

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18_市場分析

新しいニッチ、新しいビジネスチャンスプレミアムクラスで特に高い伸びを示しているのは、比較的新しい種類の HPP 製法(高圧処理)/ コールドプレス / 生ジュースとスムージーです。これらはいずれも健康上のメリットを強調した商品で、オーガニックや安全な農作物を原料とし信用を得ています。当初、有名人の間で流行した「ジュースデトックス」によって、マイナーな商品が主流商品として注目を浴びました。これにより生まれた新しいブランドの高い成長率に、敏感に反応したのが業界大手です。このような例は、2015 年にコカコーラ社が株式の 30% を取得したスジャライフ、2006 年にペプシコ社が買収したネイキッドジュース、2011 年後半にスターバックス社が買収したエヴォリューションフレッシュなど、いとまがありません。

HPP ジュースの成長は、近年のジュース消費量の低下の要因はジュース自体に魅力がないからではなく、生産・販売の仕方に理由があることを暗示しています。業界トップの企業は、昔ながらの製法に忠実で、シンプルな技術を使用した商品を提供することによって、これに対応しました。この種類のジュースには、濾過しないアップル&エヴァ オーガニック(右側の事例を参照)があります。

機能的なメリット、プレミアム価格エヴォリューション フレッシュは、機能性のある付加価値ジュースによって、プレミアムクラス商品の位置付けに成功した良い例と言えるでしょう。最近、プロテインパワーベリーフルーツジュースをブレンドしたスムージーを発売しました。プロテインがブームとなっていた米国で、「450ml 中に 26g のプロテイン」の効果は抜群でした。また別の例として、アンクル マッツがあります。このブランドは、最近、消化と免疫性を高めるプロバイオティック Ganeden BC30 と、抗炎症効果があるターメリックを含むジュースを発売しました。

そして最後に、ココナッツウォーターの驚異的な伸びです。昨年一年間で、米国人は容器入りのココナッツウォーターを約 9400 万リットルも飲んでいます。これは前年の 12 か月の 15%増にあたり、国内市場で 4 億万ドル弱の金額になります 1。ココナッツウォーターの成分は、デリケートで取り扱いがむずかしく、元は廃棄物と見られていた副産物ですが、オールナチュラルなスポーツドリンクとして見直されました。身体に水分吸収を促進し、電解質を供給するために「天然由来のアイソトニック」といわれています。

ココナッツウォーター:オールナチュラル、すべてイノベーション重要なブランドであるビタココ(前ページの事例を参照)とジコは、有名人を起用する事によって世間の注目を集め、一躍主流に躍り出たもう一つのオールナチュラル商品の例です。販売量の増加とともに、競争も激しくなりました。ビタココが複数の新商品を市場に投入して、アピール力と価値を強化したように、他の多くのブランドも同様に純粋なココナッツウォーターやココナッツウォーターブレンドを自社商品のラインナップに含めました。

現在、あらゆる種類の新しい植物ベースの商品があります。どれも、リフレッシュ効果があり、水分補給となり、原材料由来の低糖商品です。主にメープル、白樺、竹などが由来のウォーターがあります。これらの商品はそれぞれの持ち味であるトレンドを主張し、市場はますます複雑さを深めていますが、これこそがまた大きなビジネチャンスでもあります。

アップル&イヴが、最初の商品「100% ピュアなウッドプレスアップルジュース」の発売を開始したのは1975 年のことでした。今や、アップル&イヴは誰もが知っている名称となり、健康やプレミアム品質の代名詞になっています。アップル&イヴのイノベーションには定評があり、米国の重要な企業リストにもランクアップされています。この企業は、米国で最初に紙容器入りの 100% 果汁を販売しました(1982 年)。1999 年には、セサミストリートのジュース商品ラインの独占製造販売権を獲得して、ニューヨークタイムズで「未就学児童にお勧めの飲料」と紹介されています。2009 年には、初の常温保存可能な子ども向けの果菜混合ジュースを発売しています。

2014 年に、米国にあるラソンデ社のブランドジュース部門を買収したアップル&イヴは、自らの魅力的なブランディングを誇りにしています。このブランドは、幅広い世代に強くアピールしてきました。特に、家族に良質な果汁を与えたい、加糖に懸念を持ち、子どもの健康に強い関心を持つ母親達に信頼されています。このため、商品の透明性に細心の注意を払い、成分や栄養価をウェブサイトに掲載しています。

同社には、購入のきっかけとなるセサミストリートのキャラクターを使用した優れた商品があります。セサミストリートは米国の TV 番組で、2 ~ 5 歳の子どもにとって世界でもっとも認知度の高いブランドで、ユニークなプラットフォームを提供します。セサミストリートで育った子供たちは、卒業した後もアップル&イヴの主力商品を愛飲しています。現在、米国でナンバーワンの紙容器入り 100% 果汁ブランドであり、3 つの大手の会員制のスーパーマーケットチェーンすべてとウォルマートで全国的に販売しています。アッ

プル&イヴは、この難しい市場で高い伸びを見せるという類まれなブランドです。昨年は、小型容器入りの商品が 7700 万個販売され 2、前年の 11% 増になりました。

2003 年に発売開始されたアップル&イヴのオーガニック商品ラインナップは、親ブランドの評価をてこに、低いベースではありながら、まずまずの成績を上げています。昨年は、小型容器を 450 万個以上販売し、17% の成長を達成しています 3。また、このオーガニック商品ラインナップは、常温保存可能なオーガニック100% 果汁で国内トップになりましたが、なるべく加工していないブランドの好調な伸びに対応して、伝統的な製法に忠実で、シンプルな技法を使った無濾過ジュースの販売を開始しました。これは、1975 年から続いている、オリジナルの 100% ピュアウッドプレスアップルジュースと似ています。

アップル&イヴブランドは、ターゲットを絞り込んだデジタルメディアを多用した全国的なマーケティングキャンペーンを展開しています。このキャンペーンでは、ソーシャルメディアへの投稿(特にフェイスブックで 620,000 回の「いいね!」を獲得 4)や、影響力のあるユーザー、ブランド大使などを活用しています。

「弊社のターゲットに合致し、確固たる存在感を示せる地域に住む社会に

影響力のあるインフルエンサーを特定できるベンダーをパートナーとしています。」と、アップル&イヴ社の創立者で CEO であるゴードン・クレーン氏は述べています。

このブランドでは、割引クーポン券や電子商取引の割引券を利用しています。2 つのクーポンはウェブサイトやソーシャルメディアを通じた配布と、全国紙や地方紙のチラシによる配布などで、合計 3500 万枚以上が流通しています。「現代の消費者が求める、ナチュラル、高品質、「た

めになる」という考え方は、アップル&イヴブランドの DNA に刻み込まれています。ブランドの基礎となる大黒柱のようなものです。私たちは、消費者の家族全員に信頼できるおいしい商品を提供できることに誇りを持っています。」さらにゴードン・クレーン氏は次のように続けました。「弊社はすでに米国でもっとも認知度が高いジュースブランドの 1 つになりました。厳しい市場において、これからも弊社のジュースが成長し続ける可能性があることを確信しています」

事例アップル&イヴ

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カウストンプレスは創業は 1986 年ですが、7 年前にすべて濃縮ではなく圧搾によって製造したプレミアム品質のフルーツジュースに重点を移しブランドを再編成したことで現在のアイデンティティと成功を手にしました。

カウストンプレス社は、高品質で魅力的なジュースを作るだけでは十分ではないと考えています。この考え方を常温保存が可能な容器にどのように表現するかが重要な点でした。カウストンプレス社では、インスピレーションの原点として収穫や、圧搾する独自のプロセスを使用して、力強く、現代的なデザインが作られました。名前も、元のカウストンベールからカウストンプレスに変更され、フルーツの収穫や圧搾というブランドストーリーが強調されています。この新たなデザインによって、カウストンプレス社の商品は強力でわかりやすいブランドイメージとなり、常温保存が可能な商品が数多く並ぶ棚で自社商品を目立たせることに成功し、これによって周囲の競合他社を 1 歩も 2歩も引き離しました。

ブランド再編成から 12 か月後の売上高は、実に249% も増加しました。これは、2010 年の常温可保

英国糖分摂取に注目糖分に高い関心を示す市場の研究ならば、英国が一番です。英国では、メディアの報道や大々的なキャンペーンが、100% 果汁の健康上のメリットをハイライトする、大規模なマーケティングの取り組みにつながりました。

英国では、糖分に対し非常に高い認識が持たれています。調査では、70% の回答者が糖分について聞いたことがあると回答しました。この数字は、メディアの報道や大々的なキャンペーンの数を考えると、驚くことではないかもしれません。カリスマシェフのジェイミー―・オリバー氏が作成した、砂糖消費税についての電子嘆願書には、150,000 人以上が支持を表明しています。今年の 3 月、砂糖消費税の正式な告知がありました。ある世論調査によると、人口の 56%が賛成だと報告されています 1。

19_市場分析

税そのものの詳細は確認できませんが、100%果汁は(日々の飲料として)健康上のメリットがあるとして、対象から除外されると予想されています。また、150ml の果汁は、政府の諮問機関であるイングランド公衆衛生庁が発行した改訂版の「5 A DAY」のヘルシーな飲食物のガイドラインに含まれる 1 つでもあります。

糖分の含有量に応じて 100% 果汁も課税対象とすべきという意見もありますが、心臓疾患との因果関係を否定する報告や 10 代の若者のビタミンやミネラル摂取の手段となっているというメリットにより、この意見は委員会の専門家が却下しています。「これらの調査結果によって、最初に果汁が「5 A DAY」に含まれた理由がクローズアップされました。」と、委員会のあるメンバーは述べています 2。PHE のガイドラインでは、スムージーも含まれていますが、果汁かいずれかひとつの摂取を「5 A DAY」の 1 つとして推奨しています。

この問題では、ヘルシーな食習慣のプロモーターとしての位置づけを望む流通も重要な役割を果たします。たとえばウェイトローズは、ナショ

ナルブランドのチルド果汁の扱い量を減らし、糖分の含有量が 30% 少なく、甘味料にステビアを使用した自社ブランドの果汁増やしています。英国の場合、果汁の購入先がもっぱらスーパーマーケットであるため、流通の対応が特に重要になります。テトラパックの消費者調査では、すべての国で 90% の人がスーパーマーケットでジュースを購入しています。

糖分の問題について取り組むジュースキャンペーン最近、英国トロピカーナ社のシニアディレクターのマリナ・エドワード氏が、2015 年の 100%果汁とスムージーの売上高が約 7600 万ポンド低下したこと(低下の速度は緩やかになりつつある)の理由として、糖分を取り上げています 3。トロピカーナ社は、3 年以内に最大規模のキャンペーンを展開して、この問題に取り組むとしています。このキャンペーンは、テレビ、印刷物、デジタル、店頭販売を媒体として、広告を 6 か月間展開し、適度に摂取した場合の 100% 果汁の栄養上のメリットについて、消費者に正しい知識を伝えることを目的としています。

「小さなコップ」と呼ばれるこのキャンペーンで

事例カウストンプレス

は、小型サイズに注目し、毎日、「5 A DAY」の一部として、推奨される 150ml のジュースを飲むように呼びかけます。また、このキャンペーンには全国紙のテレグラフ社が参加し、栄養素と健康に関するオンラインのコンテンツハブを提供します。

この冊子の前半でも説明しましたが、ヨーロッパ・フルーツジュース協会(AIJN)は、同じ目的で大規模な国際キャンペーンを展開する予定です。「英国は、糖分に関して、特に否定的なメディア報道が多かったために、明らかに混乱しています。今では、38% の消費者が 100% 果汁に砂糖が添加されていると信じています。」と、英国のキャンペーンに参加している英国フルーツジュース協会のコミュニケーション担当、フランセスカ・ウッドハウス氏は述べ、また次のように続けました。「私達は、ステークホルダーや強い影響力をもつ人々に働きかけて、この問題のバランスを取り戻し、消費者がこれ以上混乱しないようにする必要があります。成人の 3分の 2 以上が「5 A DAY」を摂取できていない現状の中で、150ml の 100% 果汁を飲むだけで、簡単にフルーツの摂取量を増やし、健康維持に

存能な果汁カテゴリー全体の売上の 4% の成長率のほぼ 60% にあたります。これ以降、厳しい市場条件にもかかわらず、このブランドは売上と商品ラインナップの両方で成長を続けています。

2013 年には、果菜混合ジュースの新しい商品ラインナップを発売しました。この商品ラインナップは、よりヘルシーでナチュラルでありながら、フレーバーにもこだわりたい消費者の需要の後押しもあって、この 2 年間で 60% 以上の伸びを見せています。ブリリアントビートルートは、もっとも多く販売された商品の 1 つで、これが、リンゴ、ニンジン、ビーツルート、生姜のブレンドとして好評なラディアントルーツなどのブレンドに受け継がれました。2015 年には、同ブランドのジュースの販売量がこれまでで最高の 550万個に上りました。これによって、2016 年前半には、前年比 33% の成長率を達成しました。

カウストンプレス社は、圧搾フルーツや野菜の商品ラインナップだけではなく、圧搾ジュースと水で作られた 200ml 紙容器入りの子ども用ブレンド商品を追加しています。これには野菜とのブレンドも含まれます。また、大人向けのスパークリングドリンクも追加

し、2015 年には両方の販売量が 500 万個に達し、現在ではそれぞれが商品構成全体の 4 分の 1 を占めるようになりました。

カウストンプレス社は、オンラインでも大きな存在感があります。ウェブサイト、ニュースレター、ソーシャルメディアなどで、おいしくヘルシーなレシピやイベント、コンテストなどを提供しています。また、オフラインの活動として、ロンドン周辺のピクニックコンサート、フェスティバル、カントリーショーにビンテージキャラバンが訪問し、サンプリングキャンペーンを展開しています。2016 年には、50 万人以上の消費者に試供品が配られる予定です。「カウストンプレス社は、目的を持ったブランドで

す。」と、同社のマネージング・ダイレクターであるスティーブ・ケアーン氏は述べています。「高品質な原料を使用し、魅力的なフレーバーのおいしい飲料で市場に挑戦したいのです。カウストンプレス社の売上高は、前年比の 60% 以上を達成し続けています。平凡なソフトドリンクとはどこか少し違ったおいしい飲料を提供する、素晴らしい仲間と素晴らしい商品が弊社の成功の鍵になると信じています。」

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役立つのです。」地域のキャンペーンチームが最近実施した消費者調査では、回答者の 83% が推奨される 1 日の摂取量が 150ml であることを知らず、「5 A DAY」のひとつを摂取するために100% 果汁を飲んでいるのは、わずか 35% に過ぎないことがわかりました。

新しい課題、新しいビジネスチャンス 糖分の問題は、明らかに難しい課題ですが、より健康でありたいと願う消費者に選択肢を提供するビジネスチャンスでもあります。また、業界はこの冊子で取り上げた 3 つの商品トレンドすべてに対し、新商品で対応しています。たとえばトロピカーナ社はエッセンシャルシリーズに、ビタミンの強化や野菜混合の商品を追加すると同時に、1 パックにおける砂糖の含有量を容器に明示しています。

カウストンプレス社(前ページの囲み記事を参照)は、需要に対応するために、100% 菜果菜混合ジュースの商品ラインナップを、これまでの 2 年間と比較して 60% 以上増強しました。ネイキッドジュース社も、ベリーベジー、ブライトビーツ、オレンジキャロット、シーグリーンとケールブレーザーなど、果菜混合商品に力を入れています。2015 年には、これらによって果汁とスムージー全体の販売量が 23% 増加しました。「ネイキッドジュースは、消費者のニーズに上手に対応し、さらにカテゴリーを成長させることができる位置に陣取った良い例です。」と述べているのは、ネイキッドジュースとトロピカーナを所有するペプシコ社の英国マーケティングディレクターのジェレミー・ギブソン氏です 1。

米国の場合と同様に、コールドプレス / 生 / オーガニックの分野には、高い成長と流通による取扱いの増加を期待する、コールドプレス、セイブス、プレニッシュ、B. プレス、サンマジックなど新参ブランドが数多くあります。「100% 生でオーガニック、殺菌されていないコールドプレスのジュースへの需要は顕著に伸びを見せて

います。」と、2015 年に創業を開始したプレスクリプションジュース社の創立者、ミッチ・ミントン氏は述べています。「消費者が探しているのは、オリジナルフレーバーがミックスされた革新的な飲料であると同時に、栄養価が高く、糖分が少ない飲料です。」2

1 回で飲み切れる飲料の急速な拡大傾向から、テトラパックでは、適切な商品を適切な量で提供することでビジネスチャンスがあると考えています。また、外出時や移動中の飲食など、新しい消費場所を対象としたヘルシーなジュース商品にもビジネスチャンスがあると思われます。たとえば、サンドイッチチェーンのプレタ マンジェーは、コールドプレスの野菜飲料や野菜混合飲料や、ジンジャーショットの提供を開始しました。また、イートチェーンは、生のピュアグリーンという果菜混合飲料を提供しています。

この間、ココナッツウォーターはより大きな市場へと成長を続けています。たとえば、ビタココの売上高は 3040 万ポンドで 20.9% 上昇し、販売量は 28.4% 増加しました 3。イノセントも健闘しています。2015 年 3 月に発売された同社のココナッツウォーターは、ビタココに続く第2位のブランドです。ネイキッド社のココナッツウォーターも、高い伸びを示し、2015 年には 283,000 ポンドから 360 万ポンドに成長しました。

「ココナッツウォーターの市場への浸透は、著しい成長を見せ、毎年 4 ~ 7.4% 成長しています。」と、イノセント社のマネージング・ダイレクターである、ニック・カニー氏は述べています。「さらなるイノベーションと投資によって、今後もこの部門を成長させることができるでしょう」このブランドの成功は、あらゆる種類の植物ベースの水がビジネスチャンスの起爆剤になったことです。最近は、スイカ、白樺、サボテンベースの水が市場に投入されています。このカテゴリーの可能性にはほぼ終わりがないと言えるでしょう。

事例イノセント

1999 年、イノセント社のオールナチュラルピュアフルーツスムージーは英国の市場に新風を吹き込みました。面白く、気の利いた言葉で、消費者とコミュニケーションをする彼らの手法も、同様に新鮮でした。容器には個人宛のメッセージのように、「本社の「フルーツタワー」にチャットしに来てください」という招待状が書かれています。

倫理感の強い姿勢(すべての収益の 10% をチャリティに寄付)と、イノセント社のユニークなフィーリングの組み合わせは、ターゲットの若い世代に受け入れられやすく、短期間で英国のミレニアルブランドの1 つになりました。ソーシャルメディアでも大きな存在感を示しています。2011 年までに、ソーシャルブランド上位 100 社ではスターバックスを追い抜きました。また、最新のカウントでは、フェイスブックで約 550,000 回の「いいね!」を獲得し、インスタグラムでは 63,000 人のフォロワー、メインのソーシャルメディアハブである Twitter では 226,000 人のフォロワーが参加しています。週に約 300 件のツィートを発信しますが、一般的に内容がタイムリーかつ共有可能で面白く、常に流行に敏感なかっこいいブランドであり続けています。素晴らしいコミュニケーションで、「返答が必要なユーザーにすべてに対応」しようとしています 4。ウェブサイトのブログなどのコンテンツが、チャネル間で共有されることもあります。

現在、イノセント社は、ヨーロッパ最大のスムージーブランドです。商品は 15 か国で販売され、2015 年の売上高は 2014 年の 19% 増である 2 億 9500 万ポンドを達成し、株式の 90% 以上をコカコーラ社が保有しています。これまで、様々な果菜混合飲料を絶え間なく追加してきました。2006 年に発売されたイノセント キッズの商品ラインナップは、2015 年に総売上高の 20% を占めるようになりました。「イノセントキッズ商品ラインナップは、未知のニー

ズを取り込み、家庭、学校、外出先など、いつでも簡単にナチュラルで高い栄養価のフルーツや野菜を子どもが摂取できる商品を親御さんに提供したのです。」と、イノセント社のマーケティング部長であるジェイミー・ワターズ氏は述べています。「今後も、よりおいしく面白い方法で、このニーズを満たすもっと革新的な商品を発売し、この事業を成長させたいと思っています。」 

2015 年 4 月、イノセント社は独自のココナッツウォーターを発売しました。これもまた、革新的な企業家の精神が育ち続けていることを示しています。最近のインタビューで、イノセント社の CEO であるダグラス・ラモント氏は、「これは、私たちの専門分野ではありませんでしたが、市場にこのトレンドがあることは明白でした。12 か月近く検討した結果、このニッチな市場に進出するべきだという結論に達し、商品を立ち上げましたが、現在では英国の市場シェアの40% 近くを獲得しています。」と述べています 5。「私たちには、敏捷で、新機軸を打ち出すことができ、違うカテゴリーにも拡大できるブランドがあります。これが、私たちのビジネスチャンスなのです。」

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中国世界最大の ビジネスチャンスの 活用中国本土の現在のジュース市場はまだ初期の段階といえますが、この国の活力や純然たる大きさは、間違いなく魅力的で、今後数年間は高い伸びを示すことが予想されます。

中国本土は、ジュースに関しては開発途上市場であると言えますが、この国の活力や純然たる大きさは、間違いなく魅力的です。中国と台湾

(Grater China: GC)の容器入りの飲料市場は、全体として過去5年間に、CAGRで11%成長し、売上高は 1510 億リットルに達しています。成長の主な推進力は容器入りの水でした。水は現在、飲料全体の約 60% を占め、残りは乳飲料、果汁、果汁飲料、低果汁飲料(非炭酸)がほぼ均等に占めています。

詳しく調べると、GC ではすでにフルーツを好む傾向が見られます。果汁、果汁飲料、低果汁飲料(非炭酸)の市場として、世界第 2 位の規模(米国に続く)であり、世界全体の約 14%、105 億リットル以上が消費されます。しかし、このカテゴリー全体の 1 人あたりの年間消費量

21_市場分析

は、12 リットル未満と比較的少なく、米国の 4分の 1 に過ぎません。

100% 果汁、小さな始まり、大きな可能性この数値は、100% 果汁ではさらに顕著です。1 人あたりの消費量はきわめて少なく、0.4 リットルに過ぎません。しかし、GC は世界第 8 位の大規模市場で、5 億 4500 万リットルを消費しています。カナダ(世界第 5 位の市場)と比較すると、カナダでは GC の約 2 倍を消費しますが、これは平均的な市民が中国の市民の 70倍多く飲料を摂取するからです。

現在の GC における 100% 果汁は、果汁、果汁飲料、清涼飲料(非炭酸)の合計の 2% と、きわめて小さいシェアですが、2019 年までには、このカテゴリーの残りの大部分とは対照的に、7% と大幅な伸びが見込まれています。このカテゴリー全体での成長は低調で、2019 年までにわずか 0.3% 増加し、316 億リットルの消費量が予想されています。

今後も 100% 果汁には、まだ市場への浸透が低いこと、輸入を含めた新商品や新ブランド、健康食品への強い関心などさまざまな成長する要因があります。GC では、一般的に 100% 果汁は、果汁飲料や低果汁飲料(非炭酸)とは異なる見方がされています。100% 果汁は、低価格の喉の渇きを潤すための飲料ではなく、プレミアムなナチュラル商品で、子どもや大人にとって栄養価が高く、健康にも良いという位置付けです。

流通も、これを反映しています。果汁飲料や低果汁飲料(非炭酸)の場合は、伝統的なチャネルとスーパーなど近代的なチャネルが混在していますが、100% 果汁の場合では近代的なチャネルが中心です。また、富裕層の市場に強く浸透しています。北京、江蘇、上海だけで、総売上高の 45% を占めています 1。 輸入増加に伴うダイナミックな変化しかし、市場は変化しつつあります。果汁、果汁飲料、低果汁飲料(非炭酸)のカテゴリーは、一般的に独占性が高く、特に果汁と果汁飲料は、国内ブランドが優位で、中でも汇源(Huiyuan)は、この両商品で 3 分の 1 前後を占めています。国全体で、電子商取引による購入が浸透し、頻度が増加しています。現在、開発途上の町での売上高は、主要都市(上海、広州、北京、深川)以上の成長を見せています。また、地方でのオンラインショッピングも驚くべきペースで伸びつつあります。

これにより、電子商取引が国内向けの新商品の発売に役立つプラットフォームになり、またある程度、輸入のゲートウェイにもなります。大量の国際ブランドを含む輸入された 100% 果汁の多くは、最初にオンラインで入手可能になります。ウォールマートが所有する大手のオンライショッピングウェブサイト yhd.com を参照すると、、この市場の競争がどれほど激しいかがわかると同時に、18 か国以上から輸入された 144のブランドが掲載されています。また様々な商品の中では、東南アジアの商品の数が 47% を占めています。

リンゴ 28.8%

トマト 1%桃 1%

その他のフレーバー 1.9%

オレンジ 46.5%

ミックスフルーツ 20.2%

ぶどう 0.6%

中国における上位の 100%果汁のフレーバー

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一般的に、オンラインは足がかりに過ぎません。ブランドが投入されると、オフラインの販路を通じて存在感を増しながら地理的に拡大しようとします。低いベースからですが、輸入された100% 果汁の販売量は、2014 年には 80% 増加しました。これは、100% 果汁市場の 5% に相当し、現在も成長し続けています 1。

台頭しつつあるトレンドと潜在的なトレンド他のトレンドについては、他の国と同様に健康とワークライフバランスが重要で、これら 2 つを合わせた比率は 33% になります 2。ナチュラルで安全な商品への需要によって、商品のイノベーションが進みます。オーガニック、非GMO、添加物不使用、ナチュラル、無糖、農薬不使用などは、すべて 2015 年の注目されるキーワードとして挙げられています 3。

今後、国内のメーカーによる商品のイノベーションの余地は大きいと予想され、テトラパック中国の市場スペシャリストの洞察と、世界各国の定着市場でのテトラパックの経験から、次の 4つの潜在的なトレンドを挙げることができます。

ライフスタイルバランサー1 日の栄養摂取量を満たし、不健康な悪習慣による影響を減らすために、もっと果汁商品を役立てるという潜在的な需要が考えられます。たとえば、ある国内のメーカーは、すでに 11 種類の果菜混合ジュースに 50 種類のビタミンとミネラルを加えた商品を発売しています。この新しいブレンドは、1 日分のエネルギーとサプリメントを摂取できる商品として強い地盤を確保しています。

ヘルシーな間食中国では、間食に大きなビジネスチャンスがあります。中国の消費者の 74% が、食事の合間に飲み物で小腹を満たしているとしています 4。これは、世界でもっとも高い比率です。多忙な都市部の消費者には、おいしく、満腹感のあるフルーツスムージーのようなタイプのジュースがトレンドになる可能性があります。

水の代替品消費者は、水の重要性を良く理解しているため、容器入りの水の売れ行きは好調です。しかし、水だけでは物足りないと感じたり、味気ないと思ったりする消費者も多くいます。このような消費者には、水に代わるナチュラルな商品が潜在的なトレンドになります。ココナッツウォーターはその良い例でしょう。他の国と同様に、このカテゴリーは成長を続けているトレンドです。特に、ビタココの人気によって、大量に輸入されています。2015 年だけでも、5 か所の市場 – そのほとんどは東南アジア - から、15 以上のブランドが輸入されました。、また同年には国内大手メーカーの椰树 Yeshu がスパークリング飲料を発売しました。 

素晴らしきニッチ品揃えが少ないターゲット層では、大きなビジネスチャンスがあります。たとえば、子ども向けの果汁は特に魅力があります。高所得層と中所得層の消費者にとって、子どもに対する支出は明らかに食品の次にランク付けされています。国内のメーカーは、すでにこの領域をターゲットにした商品を発売し、マーケティングを行っています。また、テトラパック中国では、女性をターゲットにした機能性商品にも、潜在的ビジネスチャンスがあるとしています。

ボミ―台湾で 40 年間続くボミ―ブランドは、この国で長きに渡って確立されたカテゴリーである、野菜飲料の代名詞です。2007 年、「5 A DAY」という考え方によって消費者の関心が高まり、野菜飲料の新しいトレンドの時代が始まりました。

ボミ―は、台湾企業のチョウチン社のブランドで、これをビジネスチャンスと捕らえ、ボミ― デイリー べジという名前で野菜混合飲料の新しい商品ラインナップを発売しました。これは、このブームのメリットを生かすためでもあり、ボミ―を競合他社から差別化する目的もありました。

チョウチン社の調査では、ボミ―の従来商品は、主に自分で調理する時間が少なく、十分に野菜を摂取できない男性が購買層でした。さらに、これらの商品は野菜独特の味がするため、一部の消費者に敬遠され、購買層の幅を狭めていることがわかりました。このため、チョウチン社は新しいデイリーべジ商品ラインナップでは野菜の味を押さえ、フルーティで特に女性にアピールする商品ラインナップを開発しました。

ボミ― デイリー べジは、フルーツと野菜の推奨さ

れる 1 日の摂取量(RDA)を完全に満たします。これは、小型容器入りのジュース1つが 500g 分の生の食材に相当する量です。外出時に消費できるように、コンビニエンスストアを中心に発売されたこの商品は、現在では家庭での消費も対象として、販路はスーパーマーケットなどにも広がりました。

キャンペーンは、テレビ、店舗内、店頭陳列、ウェブプロモーション、フェイスブックを使用したオンラインコミュニケーションなどを駆使して展開され、ヘルシーで華やかな若い女性を起用して、野菜とフルーツの RDA を摂取できることを強調しました。

新しいデイリー べジの商品ラインナップは、ボミーの市場シェアを約 10% 押し上げました。この数値は、消費者への浸透が拡大した結果であるとチョウチン社は確信しています。さらに、新しい商品ラインナップに対する消費者の満足度が高かったため、チョウチン社は 2012 年から 500ml のデイリー べジ商品ラインナップを 25 台湾ドルから、よりプレミアムな 28 台湾ドルに値上げし、2016 年にはさらに 30 台湾ドルに値上げをしています。

事例BOMY

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ブラジル新鮮な 搾りたて果汁市場の 成長ブラジルは、世界最大のオレンジジュース生産国で輸出国ですが、以前から国内で消費されるのは、新鮮な搾りたて果汁でした。しかし、これも上昇志向の強い消費者が、様々なメリットのある容器入りのジュースを購入するようになり大きく変化しています。今やブラジルはラテンアメリカの成長の牽引役となっています。

ブラジルは、世界のオレンジの中心地です。世界の約 35% のオレンジがブラジルで栽培され、そのオレンジを使用して世界の 50% の果汁が製造されています。製造される果汁のほとんどは、主に米国やヨーロッパに輸出されます。しかし近年、柑橘類ビジネスは厳しい環境に置かれています。輸出需要が低下し、殺虫剤の懸念から米国への輸入が一時的に禁止されたことが事態を悪化させました。また、一部地域の豊作が生産過剰となり、これまで比較的手つかずであった国内市場を開拓しなければならなくなったのです。

ブラジル国民は、すでに大量の果汁を摂取していますが、そのほとんどは、家庭やジュースバーで搾った新鮮な果汁です。テトラパックブラジルによると、国内市場では年間 25 億リットルの新鮮な搾りたて果汁が消費されていますが、この約 10 年間で、容器入り果汁が急速に成長

23_市場分析

しています。上昇志向の強い中間層が購入するようになり、国内メーカーも販売を拡大しています。

容器入り果汁の消費量の増加2012 ~ 2015 年、ブラジルでは容器入りの100% 果汁の消費量が(ココナッツウォーターを含む)1 億 6700 万リットルから 3 億 6100万リットルに増加しました。これは、CAGR で約 30% 弱に相当します。しかし、1 人あたりの消費量は比較的少ないため、十分な成長の余地があります。2018 年までには、総消費量が 4億 9200 万リットルに達すると予測されていますが、これはブラジルが世界で 10 位以内の大規模な 100% 果汁の市場の 1 つになることを意味します。国内で消費される果汁の約半分は、原料が濃縮果汁ではありません。今後数年間は、この比率も大きく変化することはないと予想されています。一般にラテンアメリカでは、JNSD市場の100%果汁のシェアはほんのわずかです。2015 年、100% 果汁は 7 億リットル、果汁飲料は 37 億リットル、低果汁飲料(非炭酸)は211億リットルでした。しかし、今後の展望では、このような小さいベースからであっても、2015~ 2018 年の間に 12% の成長が見込めると試算されています。これに対して、果汁は 2%、低果汁飲料(非炭酸)は 1.5% と予測されています。

新しいビジネスチャンスブラジルのメーカーは、フルーツの内容を強調することによって高い価格設定を可能にし、ビジネスチャンスを捉えています。コカコーラ社のデルバレは、強い果汁飲料ブランドですが、2015 年 1 月に 100% 果汁の市場に参入しました。コーフスコス社は、この部門に初めて参入したフルーツ生産者です。家庭用には 1 リットル紙容器入りのストレート 100% 果汁商品を、移動時や外出時用には 330ml の紙容器入りの商品を販売しています。ドゥベム社は、ストレート100%果汁を同じ紙容器で提供していますが、

2015 年 11 月に発売された、ディウ フォメ社の「ハンガー へ シム!」は、食物繊維が多く含まれた革新的なフルーツ / 野菜飲料の新商品です。多忙な若い消費者向けに移動中のヘルシーな間食として、テトラパックが提示する 3 つのトレンドが見事に 1 つになった製品です。食物繊維、バナナ、パイナップル、リンゴ、梨、ぶどう、ココナッツミルク、レモンがブレンドされた 200ml の小型容器入りの飲料は、シリアルバーと同じ 116 カロリーです。

乳糖、グルテン、保存料、砂糖を含まず、ビタミン、鉄分、亜鉛が強化されています。

食事を摂る時間がないときの理想的な商品という位置付けで、ジム、パン屋、コンビニエンスストア、健康食品店、スーパーマーケットなどで、購入してすぐに飲むことができます。「ハンガー へ シム ! は、いつも動いている忙しい人

たちのために作りました。」と、ドゥフォメの社長であるジョルジオ・ザンロレンジ氏は述べています。「これは、軽くて、ヘルシーで、便利なスナックです。フルーツと野菜のおいしさを味わいながら、フルにエネルギーを補給できます。」

ココナッツウォーター 62%

その他 9.1%

オレンジ 28.9%

ブラジルにおける上位の100%果汁のフレーバー

事例

ディウ フォメ シム !

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24_ 市場分析

オレンジ果肉を含みフルーツの素材感を強調し、プレミアムな価格を確保しています。

これらすべての例は、オレンジジュースについてです。しかし画期的なフレーバー、野菜混合や機能性といったメリットは、市場へ刺激や弾みになります。ドゥベム社の若者向け商品ラインナップは、この良い例です(右側の事例を参照)。

ココナッツウォーター:もう 1 つの大きな可能性最後に、圧倒的に国内のナチュラルな 100% 果汁のフレーバーでトップに立つココナッツウォーターですが、2015 年には 1 億 610 万リットルが販売され、市場の 62% に達しました。これは、第 2 位のオレンジ(4940 万リットル、市場シェア 28.9%)の 2 倍以上になります。フレッシュオレンジジュースと同様に、フレッシュココナッツウォーターは、ブラジルでは長年に渡って広く親しまれてきました。一般的に、屋台商によって緑色の殻に入って販売されているココナッツウォーターをストローで飲みます。実際に、ブラジルは世界的な現象になったココナッツウォーター発祥の地です。アイラ・リラ氏とマイク・キルバン氏が、2 人のブラジル人女性とバーで話をしたことがきっかけで、共同創立者としてビタココの製造を開始したのです。このブランドでは、現在もココナッツウォーターの原料のほとんどをブラジルから入手しています。

ブラジルは、容器入りののココナッツウォーターの最大の市場であり続け、今後も高い伸びが予想されます。特に、2009 年にペプシコが買収したアマココ社が製造するトップブランドのケロココが主導的役割を果たします。たとえば、インド、シンガポール、マレーシア、タイなど、ココナッツウォーターの根強い伝統がある他の市場で、このトレンドが牽引力を得た場合など、生で販売されるココナッツウォーターが容器入りに置き換えられたときの市場規模はどれだけ巨大になるか想像に難くありません。

フルーツジュースは、リオのビーチにはかかせない、ブラジル国民に親しまれたポピュラーなカルチャーのひとつです。この活気に満ちた街は、「スコス ( ジュース )」の販売者であふれています。単一のジュースだけでなく、フルーツと野菜の独創的な組み合わせが楽しめます。多くは、すぐに二日酔いに効くとか、騒ぎ過ぎた後に元気を補給するなど、健康上のメリットを宣伝文句にしています。

ドゥベム社のインスピレーションは、喧噪とエネルギーに満ち、ユニークなこれらのブラジリアンバーに触発され生み出されました。2007 年に若い消費者向けの若いブランドとして設立され、高品質のオールナチュラルなプレミアムジュース商品をライフスタイルの一部として提案しています。商品は、ブラジルで一般的な挨拶である「お元気ですか?」のスラング「tudo bem?」からネーミングされました。– このカジュアルなアプローチは、この商品のマーケティングの中核でもあります。

以前から製造していた商品は、無糖で保存料なしのオレンジジュースでしたが、リンゴ、ポンカン、ぶどうなど、他の単一フルーツのジュースも発売しています。容器デザインも、モダン、スタイリッシュ、カジュアルで独創的で、人目を引きます。マーケティングメッセージでは、オールナチュラルを強調し、家庭用には

1 リットルの紙容器、外出時用には 330ml の紙容器があり、容器にはフルーツではなく、風変わりなキャラクターのイラストが印刷され、商品ラインナップに新商品が追加されるたびに、キャラクターも変わります。

ドゥベム社は、特定のメリットを提供するフルーツと野菜を組み合わせた特別なブレンドによる商品を追加しながら、商品ラインナップを拡大し続けています。もっとも成功した 2 つの商品は、ベムミゥブロンズ(「日焼けしたい」という意味)と、緑色のデトックスモンストロ Detox Monstro(「デトックスモンスター」)ブレンドで、両方とも容器には健康と栄養素についての情報やアドバイスが表示されています。

ベムミゥブロンズは、免疫系を健康に保ち、短時間で安全に日焼けするために良いとされるオレンジ、ビーツルート、ニンジンのミックスです。また、エクササイズの前後に摂取することが推奨されているビタミンC も多く含まれています。デトックスモンストロは、ケール、キュウリ、リンゴ、スペアミント、ライム、生姜がブレンドされた明るい緑色のジュースで、肝臓、腎臓、胃、脳に健康上のメリットがあるとされています。両方とも、1 リットルのリサイクル可能な容器で販売され、フェイスブックやインスタグラムのリンク先にアクセスすると、関連情報が閲覧でき、コミュニケーションの場も提供されています。

フェイスブックや、特にインスタグラムでは、商品そのものよりもライフスタイルの情報が満載です。一般的な投稿では、若くて格好が良く、どちらかというとユニークな若いブラジル人が、面白い写真やストーリーをアップロードしています。また、みずみずしいフルーツの画像や、すばらしいリオの景色を背景にしたドゥベムブランドのミニクーパーの写真なども投稿されます。

全体的に、ブランドによる応答は、名前と同じように話し言葉で投稿されます。(「果肉入りのおいしいオレンジジュース君、元気?虚弱なオレンジジュースが嫌いな人にお勧めだよ」)面白いことやヘルシーなライフスタイルの仕掛け人であるイメージが定着したドゥベム社は、お客様にドゥベムマキナという、フィットネスを記録できるリストバンドを提供しています。またリオで開催されるロックフェスティバルやサーフプロジェクトのスポンサーでもあります。

ドゥベムには、ブラジルの平均的な容器入りのジュースの価格より大幅に高い、プレミアムな価格帯があります。驚くべき成長や容器と同様に注目すべき点は、商品とともに価値があると思う経験や、自分たちに関連があると思う経験を提供してくれるブランドに対して、消費者はその価格にこだわらないということです。

事例ドゥベム

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6つの洞察とビジネスチャンス100% 果汁商品の 6 つの洞察と、それらに対するビジネスチャンスをまとめました。

25_まとめ

消費者は 100% 果汁を おいしく、ナチュラルで ヘルシーであると 考えているこれは、今日の食品や飲料の最大のトレンドにつながる、強力で前向きな見方です。100% スペシャル果汁オールナチュラル、野菜の栄養素という 3 つの商品領域にビジネスチャンスがあります。特にこれらが重なる領域は重要です。

糖分摂取に関心が広がっているが、100% 果汁に 否定的な見方は少ない推奨される「5 A DAY」の 1つである 100% 果汁の健康上のメリットを、消費者や高い影響力の人々に、再度知っていただく必要があります。業界全体で連携して活動し、一貫性のあるメッセージを発信することが重要です。

一部の消費者は、糖分の 取り過ぎを懸念し消費を 控えている地域の専門家が推奨する 1日の摂取量を反映した小型サイズの容器にビジネスチャンスがあります。また、糖分が少ない上にそのほかの健康メリットがある、果菜混合など、新しい飲料にもビジネスチャンスがあります。

ライフスタイルが変わるということは、特に朝食での消費に変化が生じる移動時、間食、社交時に果汁が飲みたいという需要は、すべて家の外、つまり外出時の消費という、新たなビジネスチャンスになります。

「プレミアム化」という 成長トレンドこのカテゴリーでもっとも成長が著しいのは、最もプレミアムな製品です。消費者は、特に健康に良いとされるナチュラルな商品の価格にはこだわらない傾向があります。

新しい分野、新しいレシピ、新しいブランドが、常に 市場を刷新している成功の鍵はイノベーションです。現代の消費者は、常に自分たちのニーズを満たす新しい方法を切望し、たやすく新商品に乗り換えます。新鮮な方法で消費者とのコミュニケーションやつながりを築くことも重要です。

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26_用語集および参考資料

JNSD(Juice, Nectar, Still Drink)果汁、果汁飲料、低果汁飲料(非炭酸)清涼飲料(非炭酸)。一般に、業界ではこれらを単一部門としてグループ化しています。

100% 果汁100% 果汁とは、100% フルーツの事です。果物や野菜を原料とするナチュラルな成分のみが含まれます。これには、果汁、濃縮果汁、水、ナチュラルフレーバー、フルーツの果肉などが含まれます。濃縮還元ジュースとストレート果汁(NFC)の 2 種類があります。

果汁飲料果汁と水を混合して製造されますが、糖分を添加する場合もあります。少なくとも 25% の果汁が含まれる必要があります。柑橘系の場合は、少なくとも50%必要です。従来、アプリコット、桃、梨などの粘度の高い果汁は水を追加する必要がありました。現代では果汁と水の混合飲料の多くは、技術的には果汁飲料に分類されます。

FFSD(Fruits Flavored Still Drink)清涼飲料(非炭酸)。果汁含有量は25% 未満。国によっては、果汁含有量の最小値が定められています。また、果汁含有量の容器への記載を義務付けている国もあります。

清涼飲料(非炭酸)フルーツフレーバーを添加した低果汁飲料(FFSD)、紅茶ベース、コーヒーベースなどフルーツ以外の飲料、スポーツドリンク、エナジードリンクなどが含まれます。

濃縮還元輸送に便利なように量を減らすために、水分を抽出した 100% 果汁です。輸送先の工場では抽出された水分と同量の水分で還元されます。濃縮された果汁は、無菌充填され、6 ~ 12 か月常温で保存ができます。または常温保存ができない容器の場合は、充填後、3 ~ 8 週間冷蔵で保存ができます。

NFC(Not From Concentrated)ストレート 100% 果汁。一般に、殺菌され、チルド冷蔵で 3 ~ 8 週間保存ができます。または、無菌充填では6 ~ 12 か月保存が可能です。殺菌の代替方法には、HPP があります(前述参照)。処理が施されていないジュースは冷蔵保存し、3 日以内に消費する必要があります。

コールドプレス圧搾によって抽出されたジュースで、他の製法は使用しません。他の処理を施さないため、生またはフレッシュと呼ばれ、一般に冷蔵保存が必要で、3日以内に消費しなければなりません。このようなジュースは、お客様の目の前で作られるジュースバーなどで販売されていることがあります。コールドプレスというラベルが付いたジュースの多くは、HPP(高圧殺菌)で処理されています。

HPP(High Pressure Process)従来の殺菌方法の代替となる方法で、細菌の繁殖を防ぐために熱処理ではなく、高圧処理(HPP)を施します。HPP で処理された果汁の賞味期限は最大 3 週間です。また、フレッシュな圧搾果汁の特徴を維持できるとされています。

ユーザー過去 3 か月間に 100% 果汁を飲用した人。

飲用を中止したユーザー以前は時々 100% 果汁を飲んでいたが、過去 3 か月 100% 果汁を飲用を中止したユーザー。

用語集 参考資料本レポートのすべてのデータは、ここに記載がない限り、テトラパックコンパス、またはテトラパックの消費者調査からの引用です。

04-1:テトラパックの調査は、7,000 人の消費者を対象に実施されました。7か所の市場で、現行ユーザーと購入をやめたユーザーの合計 1,000 人ずつが対象になりました。7 か所の市場とは、ブラジル、中国、ドイツ、日本、ロシア、米国、英国です。聞き取り調査は、2016 年 3 月 7 日から 15 日の間にオンラインで実施されました。全体的な数値は、7 か所の市場すべてのデータから導き出され、テトラパックコンパスのデータに従って、消費された 100% 果汁の販売量を基に重み付けされました。各市場の調査結果は、重み付けされていません。07-1:AIJN Market Report 201608-1:Roper Reports Worldwide 201508-2:Nielsen Global Health Report 201508-3:http://www.goldmansachs.com/our-thinking/pages/millennials/08-4:Datamonitor Consumer Survey 201408-5:Tetra Pak Millennials Report 201508-6:Roper Reports Worldwide 201508-7:Datamonitor Consumer Survey, 201410-1:Euromonitor10-2:Euromonitor10-3:52 w/e December 2015, Kantar Worldpanel10-4:Kantar Worldpanel11-1:Euromonitor 2015、オフトレード13-1:Roper Reports Worldwide 201513-2:Attitudes towards Premium Soft Drinks – 2015 年 2 月、英国、Mintel13-3:Mintel GNPD 201513-4:Nielsen global health report 201513-5:Mintel GNPD 201513-6:IRI combined year to date, June 201613-7:TNS CCT year to date, May 201614-1:Mintel GNPD 201514-2:Roper Reports Worldwide 201514-3:10 Key Trends in Food, Nutrition & Health2016、New Nutrition Business 発 行、Julian Mellentin 著14-4:Up 512%、2014 年 8 月~ 2015 年 6 月と 2012 年 8 月 ~ 2013 年 7 月、2016 Trend Insight Report、Fona International

15-1:Mintel GNPD 201515-2:日本消費者庁(CAA、食品ラベルと健康に関する苦情を監督する政府機関省庁)によると、消費者のほぼ 90% が機能に基づいて購入するものを選択している。原典:USDA GAIN report #JA 450917-1: U.S. Food Commodity Consumption Broken Down by Demographics、1994-2008、Biing-Hwan Lin、Jean C. Buzby、Tobenna D. Anekwe、およびJeanine T. Bentley。2016年3月、経済調査局による報告書概要17-2:Vita Coco17-3:直近 52 週刊の週末まで、2016 年 4 月 5 日、Nielsen17-4:Nielsen18-1:直近 52 週刊の週末まで、2016 年 4 月 5 日、市場価格、$398、158、624:Nielsen18-2:単位ごと、週末までの 52 週刊、2016 年5 月 14 日、Nielsen Answers18-3:単位ごと、週末までの 52 週刊、2016 年5 月 14 日、Nielsen Answers18-4:2016 年 7 月 5 日時点19-1:Harris Interactive poll for The Grocer、2016 年 3 月 30 日発行19-2:The Grocer、2015 年 2 月 27 日19-3:The Grocer、2016 年 3 月 11 日20-1:ジュースとスムージー中心、The Grocer、2016 年 2 月 27 日20-2:ジュースとスムージー中心、The Grocer、2016 年 2 月 27 日20-3:IRI20-4: コ ミ ュ ニ テ ィ マ ネ ー ジ ャ、Helena Langdon 著「How Innocent drinks uses social media」、http://linkhumans.com/case-study/innocent-drinks20-5:The Grocer、2016 年 5 月 28 日21-1:Nielsen Retailing tracking22-1:Compass/Euromonitor.22-2:第 2 回、Nielsen オンライン調査:2014 年、中国の健康トレンド22-3:すべて成長著しいキーワード、2015 年の第1四半期から第3四半期のみで、2014年を凌駕:2015 年、Taobao 消費分析22-4:GFK Roper country report

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