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光学 1 反射 Reflection と屈折 Refraction ・反射 せず、 が変わる θ 1 θ 0 1 ・ 屈折率 n 12 = sin θ 1 sin θ 2 = λ 1 λ 2 1915 Snell(オランダ) が異 により するま かかる が異 ) 1を v 1 きた v 2 する αがAに した き、 した β A’にある βがA’からBま する に、A α v 2 B’に する BB’から α、βが v 2 する v 1 AB = sin θ 1 v 2 AB = sin θ 2 n 12 = sin θ 1 sin θ 2 = v 1 AB / v 2 AB = v 1 v 2 = λ 1 λ 2 –1–

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光学

1 反射 Reflection と屈折 Refraction

・反射

同じ物質中なので速さは変化せず、反射面の法線方向の成分の符号が変わる

⇒ 入射角 θ1 = 反射角 θ′1

・ 屈折率 n12 =sin θ1

sin θ2=

λ1

λ2:1915年 Snell(オランダ)の法則

媒質中では光の速度が異なる

(物質により光を再放出するまでに

 かかる時間が異なる)

媒質1を v1 で飛んできた光は媒質2では v2 で飛ぶとする

光αがAに入射したとき、並行した光βはA’にある

βがA’からBまで光が到達する時間に、Aの光αは v2 の速さでB’に達する

BB’から垂直方向に光α、βが v2 の速さで進行する

振動数は変化しない

v1

AB= sin θ1

v2

AB= sin θ2

∴ n12 =sin θ1

sin θ2=

v1

AB/

v2

AB=

v1

v2=

λ1

λ2

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透明な物質中では振動数が大きい光のほうが速度が遅くなる

真空中では  c = λ1ν1 = λ′1ν

′1 λ1 ≥ λ′

1 なら ν1 ≤ ν′1

物質中で  v2 = λ2ν1 v′2 = λ′2ν

′1 ν1 ≤ ν′

1 なら v2 ≥ v′2

故に  n12 =c

v2n′

12 =c

v′2

⇒ n12 ≤ n′12

屈折率は波長によって異なる(屈折率は波長の短い方が大きい)

→ 分散 Dispersion

プリズムで分光  虹:迎角の大きい赤のほうが上に見える

同じところから見ると赤のほうが

上にあるように見える

色収差:凸レンズで波長の異なる光を一点に集光するのは不可

カメラ 

屈折望遠鏡の欠点 ⇒ 反射望遠鏡 

屈折率は密度によって異なる 

蜃気楼 逃げ水

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臨界角:この角度より大きくなると光が全反射される

θ1 = 90◦ の場合

n12 =sin θ1

sin θ2

⇓ θ1 = 90◦ ⇒ sin θ1 = 1

sin θ2 =1

n12

密度の大きい物質から(光の速さは遅い)から小さい物質(速い)に向かった場合のみ起きる

ガラス:43°くらい → 45°で全反射 光学器械に使われる

ダイヤモンド:24.5(最小) 分散が大きく、きらきらする

屈折率が大きい  ブリリアンカット(底面で全反射)

光速(104 km/s) 屈折率

(橙色 589.3 nm の波長に対し)

真空 30.0 1.00水 22.5 1.33アルコール 22.0 1.36石英ガラス 20.5 1.46水晶 19.4 1.54サファイア 17.0 1.77ダイヤモンド 12.4 2.42

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・光ファイバー(Optical Fiber)通信システム

光源:半導体レーザー (近赤外)光伝走路: 光ファイバ ー

光検出器: フォトダイオード

光ファイバの特徴 “銅線に比べ” ・)原料(SiO2)は無尽蔵 ・)細くて軽い

 ・)電磁誘導を受けない ・)低損失で中継距離が長い ~20km ・)伝送容量が大きい (300倍) ・)絶縁体(電流を通さない) :発火の危険なし

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2 レンズ

・凸レンズ(収束レンズ) Convex Lens

焦点:平行光線が収束する点

凸レンズの公式

1a

+1b

=1f

証明)

∆ABO S ∆CDO ⇒ AB

a=

CD

b

∆POF S ∆CDF ⇒ PO

f=

CD

b − f

AB = PO ⇒ AB =a

bCD =

f

b − fCD

a

b=

f

b − f⇒ b − f

bf=

1a

⇒ 1f− 1

b=

1a

∴ 1a

+1b

=1f

注) 倍率 n =CD

AB

倍率  n =f

a − f 実像

証明)

n =CD

AB=

b

aa

b=

f

b − f⇒ ab − af = bf ⇒ (a − f)b = af ⇒ b =

af

a − f

∴ n =af

a − f

1a

=f

a − f

a > f でなければダメ

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虫眼鏡の倍率 

n =f

f − a 虚像

a < f でなければダメ

・凹レンズ(発散レンズ) Concave Lens

焦点:平行光線が凹レンズ通過後1点から放出されたように見えるその点

凹レンズの公式

1a− 1

b= − 1

f

倍率  n =f

f + a 虚像

常に小さくなる a > f でも a < f でも OK

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3 回折 Diffraction と干渉 Interference

・回折 Diffraction

波が障害物の後ろ側に回り込む性質 : 回折縞ができる

波長が大きいほど、スリットの出口が小さいほど、大きく回り込む

・干渉 Interference

波が重なり合う現象

Aを通り抜けた波とBを通り抜け

た波がPで位相が合っていれば明

るく(山と山、谷と谷)、反位相

(山と谷)なら暗くなる

ABの間隔を d、波長を λ とすると、暗くなる条件は

d sin θ = (m +12)λ ただし m = 0, 1, 2, 3, · · · · · ·

明るくなる条件は

d sin θ = mλ ただし m = 0, 1, 2, 3, · · · · · ·

∆ABC S ∆DPR だから

sin θ =BC

AB=

PR

DP≈ PR

`

これを使うと

PR =

`

dm = 0, 1, 2, 3, · · · · · · 明

(m +12)λ

`

dm = 0, 1, 2, 3, · · · · · · 暗

⇒ 干渉縞ができる

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4 偏光 Polarization

波の振動方向が特定の方向に偏っている現象

横波の特徴

ガラス、水面、プラスティックでの反射

  → ツヤ 反射光は偏光している(反射境界面に垂直方向の偏光が反射される) 

金属での反射 

  → 金属光沢 表面で再輻射 偏光しない

入射面に垂直な偏光 (S偏光)は常に反射されるが、平行方向の偏光 (P偏光)はある角度では反射されなくなる:ブリュースター角

 

⇒ 液晶ディスプレイ

⇒ ホログラフィ

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5 照明器具

・白熱電球

1878年 J.Swan(イギリス)、1879年 T.Edison(アメリカ)抵抗にタングステンのフィラメント(2200~2500℃) 真空:蒸発が大きく、温度をあまり上げられない、しかし安定 

窒素、不活性ガス:抵抗線の蒸発、黒化は防ぐが、ガスの対流のため光が揺らぐ

10%程度が可視光、70%以上が赤外線、他は熱に

・ハロゲンランプ

タングステンのフィラメントの蒸発、黒化を防ぐ 

1959年 E.G.Zubler(米) ヨウ素ランプが最初 ハロゲンガス:ヨウ素、臭素、塩素 

蒸発したWはハロゲンと化合しハロゲン化タングステンになり、フィラメント部で高温のため析出し

て再生 

高温のため石英ガラス、小型

フィラメント:2700℃  ガラス球:170~250℃

・蛍光灯

1901年 P.C.Hewitt(アメリカ)水銀ランプ(非実用) 1926年 E.Germer(ドイツ)現在の形の蛍光灯 少量の水銀蒸気と希ガスを封入し、ガラス管の内側に蛍光

物質をコーティング 

グロー管の利用による、短時間発光

フィラメントから電子が放出される 

⇒ 電子が水銀蒸気を励起し、紫外線を放出 

⇒ 紫外線は蛍光物質に当たり、可視光を放出

25%が可視光、30%が赤外、0.5%が紫外

・水銀ランプ

1901年 P.C.Hewitt(アメリカ)水銀ランプ 高圧水銀蒸気とアルゴンガスを封入し、両端の電極でアーク放電 

水銀蒸気が励起し、紫外線を放出

高圧水銀灯では、水銀原子自身の衝突でエネルギーを失い可視光に

最近は、紫外線が管の内側にコーティングされた蛍光物質に当たり、可視光を放出 

フィラメントがないため、長持ち、メンテナンス不要、大電力で明るい ⇒ 屋外証明に 

一度消灯すると、冷却するまで作動しない 

殺菌灯としても使われるが、紫外線に注意

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・発光ダイオード  LED (Light Emitting Diode)

接合点付近で電子と正孔が再結合(禁制帯幅~可視光線)

低電圧 1~4 [V] 小電力 < 20 [mA] 消費電力少ない

寿命長く、応答速度速い

スペクトル

太陽:白色光(黄色が強い) 白熱電球:赤色が強い 蛍光灯:青色が強い

参考文献

潮秀樹 「光学とレーザーの基本と仕組み」  2010年 秀和システム常深信彦 「発光ダイオードが一番わかる」  2010年 技術評論社伊藤尚未 「LEDのきほん」  2008年 誠文堂新光社大津元一、田所利康 「光学入門」  2008年 朝倉書店応用物理学光学談話会 「幾何光学(POD版)」  2003年 森北出版青木貞雄 「光学入門」  2002年 共立出版小林浩一 「光の物理」  2002年 東京大学出版会岡村康行 「光への招待」  2000年 森北出版桜井邦朋 「光と物質」  1986年 東京教学社

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