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2 章:図形と方程式 1:点と直線 1 点と直線 1.1 2 点間の距離 64 A(6, 13) と点 B(1, 1) との距離は である。 (中央大) 65 y 軸上の点 C 2 A(2, 1)B(3, 2) から等距離にあるという。 このとき,点 C の座標は である。 (八戸工業大) 66 直線 x +2y 1=0 上にあって,2 A(1, 1)B(3, 0) から等距離に ある点 P の座標を求めよ。 (桜美林大) 67 座標平面上に 3 A(3, 3)B(1, 2)C(4, 0) があるとき (1) 三角形 ABC の重心 G の座標を求めよ。 (2) 3 ABC から等距離にある点 P の座標を求めよ。 (創価大 改) 64 平面上の 2 点を A(x1,y1)B(x2,y2) とす B(x2,y2) x 2 x 1 y 2 y 1 A(x1,y1) x y O るとき AB 間の距離は AB = (x2 x1) 2 +(y2 y1) 2 です。これは三平方の定理(ピタゴラスの定理)そ のものでしたね。 65 66 求める点の座標を 65 なら C(0,k)66 なら (1 2p, p) とおくこ とができます。どちらも未知数は 1 個で,関係式が 1 つあれば,値は決まります。こ こで使う関係式は“ 距離が等しい ”を表した式です。 また,2 AB から等距離にある点の集合は線分 AB の垂直 2 等分 B A | | || || 線です。2 直線の交点を求めるという方針で問題を解くことも可能です。 67 (1) 重心の座標は公式として覚えておきましょう。 (2) P の座標を (x, y) とおき,PA = PB かつ PB = PC を解けばよいですね。未知 2 つだから,関係式も 2 つ必要です。P ABC の外心ですね。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1 点と直線

1.1 2点間の距離

64 点 A(6, 13)と点 B(1, 1)との距離は である。 (中央大)

65 y軸上の点 Cは 2点 A(2, 1),B(−3, 2)から等距離にあるという。

このとき,点 Cの座標は である。 (八戸工業大)

66 直線 x+ 2y− 1 = 0上にあって,2点 A(1, 1),B(3, 0) から等距離に

ある点 Pの座標を求めよ。 (桜美林大)

67 座標平面上に 3点 A(3, 3),B(1, 2),C(4, 0) があるとき

(1) 三角形 ABCの重心 Gの座標を求めよ。

(2) 3点A,B,Cから等距離にある点 Pの座標を求めよ。 (創価大 改)

64 平面上の 2 点を A(x1, y1),B(x2, y2) とす B(x2, y2)

x2 − x1

y2 − y1A(x1, y1)

x

y

O

るとき AB間の距離は

AB =√

(x2 − x1)2 + (y2 − y1)2

です。これは三平方の定理(ピタゴラスの定理)そ

のものでしたね。

65 , 66 求める点の座標を 65 なら C(0, k), 66 なら (1− 2p, p)とおくこ

とができます。どちらも未知数は 1個で,関係式が 1つあれば,値は決まります。ここで使う関係式は“距離が等しい”を表した式です。

また,2点 A,Bから等距離にある点の集合は線分ABの垂直 2等分

B

A |

|||

||

線です。2直線の交点を求めるという方針で問題を解くことも可能です。

67 (1) 重心の座標は公式として覚えておきましょう。

(2) Pの座標を (x, y)とおき,PA = PBかつ PB = PCを解けばよいですね。未知

数 2つだから,関係式も 2つ必要です。Pは △ABC の外心ですね。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

64 AB =√

(6− 1)2 + (13− 1)2 =√25 + 144 =

√169 = 13

65 y 軸上の点 Cの座標を (0, k)とおくと CA = CBより

(0− 2)2 + (k − 1)2 = (0 + 3)2 + (k − 2)2

4 + (k2 − 2k + 1) = 9 + (k2 − 4k + 4) ∴ k = 4

よって C(0, 4)

A,Bから等距離にある点は線分 ABの垂直 2等分線である。直線 ABの傾き

が − 15,ABの中点が

(− 1

2, 3

2

)より,線分 ABの垂直 2等分線の方程式は

y = 5(x+ 1

2

)+ 3

2∴ y = 5x+ 4

であり,点 Cはこの直線と y 軸との交点 (0, 4)である。

66 直線 x+ 2y − 1 = 0上の点 Pの座標を (1− 2p, p)とおくと,PA = PBより

(1− 2p− 1)2 + (p− 1)2 = (1− 2p− 3)2 + (p− 0)2

∴ 4p2 + (p2 − 2p+ 1) = (4p2 + 8p+ 4) + p2

これを解いて p = − 310

よって P(85, − 3

10

)Pは線分 ABの垂直 2等分線上の点である。直線 ABの傾きが − 1

2,ABの中

点が(2, 1

2

)より,線分 ABの垂直 2等分線の方程式は

y = 2(x− 2) + 12

∴ y = 2x− 72

であり,点Pの座標はこれと直線 x+2y−1 = 0との交点である。つまり,y = 2x− 72

と x+ 2y − 1 = 0を連立させて x,y を求めることができる。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

67 (1) 重心 Gの座標は(3 + 1 + 4

3, 3 + 2 + 0

3

)より

G(83, 5

3

)(2) 3点から等距離にある点を (x, y)とおくと

(x− 3)2 + (y − 3)2 = (x− 1)2 + (y − 2)2 = (x− 4)2 + y2

∴ − 6x− 6y + 18 = −2x− 4y + 5 = −8x+ 16

したがって{−6x− 6y + 18 = −2x− 4y + 5

−2x− 4y + 5 = −8x+ 16∴

{4x+ 2y = 13 · · · · · · 1⃝

6x− 4y = 11 · · · · · · 2⃝

これを解くと x = 3714

, y = 1714だから P

(3714

, 1714

)【注意】 1⃝, 2⃝はそれぞれ AB,BCの垂直 2等分線であり,Pは三角形 ABCの外心である。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.2 分点公式

68 点 (−2, 3)と (5, −1)を結ぶ線分の中点の x座標と y座標の和の値は

である。 (法政大)

69 2点 A(−1, −3),Bを 2 : 3に内分する点 Pの座標は (1, −1)である

という。このとき,点 Bの座標は である。 (八戸工業大)

70 2点 A(2, 1),B(3, 4)を結ぶ線分 ABを 3 : 2に外分する点の座標は

である。 (八戸工業大)

平面上の 2点 A(x1, y1),B(x2, y2)に対して,

A(x1, y1)

B(x2, y2)

C

m⃝

n⃝

A(x1, y1)

B(x2, y2)

C

m⃝n⃝

線分 ABをm : nに内分する点 Cの座標は(nx1 + mx2

m + n,

ny1 + my2

m + n

)であり,線分 ABをm : n (m \= n)に外分する点

Cの座標は(−nx1 + mx2

m − n,

−ny1 + my2

m − n

)です。ただし,m > 0,n > 0。

68 中点は簡単ですね。ABを 1 : 1に内分する点です。

69 内分する点が与えられていますから,Bの座標を文字で置いて分点公式を用い

るとよいでしょう。 の見方も大切です。

70 外分点の公式を使います。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

68 点 (−2, 3)と (5, −1)を結ぶ線分の中点の座標を (x, y)とおくと

x+ y = −2 + 52

+ 3− 12

= 32

+ 1 = 52

69 点 B の座標を (x, y) とおくと,線分 AB を 2 : 3 に内分する点 P の座標は

(1, −1)であるから3× (−1) + 2x

2 + 3= 1

3× (−3) + 2y

2 + 3= −1

∴{

−3 + 2x = 5

−9 + 2y = −5

これを解くと x = 4,y = 2 だから,点 Bの座標は B(4, 2)

条件より APを 5 : 3に外分する点が Bだから(−3× (−1) + 5× 1

5− 3,

−3× (−3) + 5× (−1)

5− 3

)∴ (4, 2)

A BP

3⃝2⃝

5⃝3⃝

70 2点 A(2, 1),B(3, 4)を結ぶ線分 ABを 3 : 2に外分する点は((−2)× 2 + 3× 3

3− 2,

(−2)× 1 + 3× 4

3− 2

)∴ (5, 10)

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.3 直線の方程式

71 2点 (−1, −7),(3, 13) を通る直線の方程式は y = x−である。 (千葉工業大)

72 3点 (−1, 2),(−2, 3),(3,

)は同じ直線上にある。 (中部大)

73 点 (2, −3)を通り,直線 y = 3x− 5に平行な直線は

y = x− で,垂直な直線は y = x− である。

(玉川大)

74 平面上の直線 l1 : (a + 4)x + (3a − 1)y + 4a − 23 = 0が,直線 l2 :

3x+ 4y + 5 = 0と平行になるのは a = のときであり,直線 l1,l2 が

直交するのは a = のときである。 (大阪産業大)

75 3直線 x− y = −1, 3x+ 2y = 12, kx− y = k − 1が,三角形をつくら

ないような定数 kの値は , , である。 (日本歯科大)

76 10x2 + kxy + 2y2 − 9x − 4y + 2 = 0が 2直線を表す時の kの値を求

めよ。ただし,kは整数とする。 (自治医科大)

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2章:図形と方程式 1:点と直線

71 2点 A(x1, y1),B(x2, y2) が与えられると直線が決ま

A(x1, y1)

B(x2, y2)

P(x, y)

C Q

ります。

x1 \= x2のときは,直線上の任意の点を P とすると,右図に

おいて△APQ∽△ABCなので

PQAQ

= BCAC

すなわちy − y1x− x1

=y2 − y1x2 − x1

(=傾き)

∴ y − y1 =y2 − y1

x2 − x1(x − x1)

x1 = x2のときは

x = x1

この 2つの場合をまとめて (x2 − x1)(y − y1) = (y2 − y1)(x− x1)

と表すこともできます。

72 3点が同一直線上にあるための条件(共線条件)は,2点を通る直線の傾きを

比較するとよいでしょう。

73 , 74 2直線の平行条件,垂直条件

(I) y = m1x+ n1,y = m2x+ n2 において

平行条件 : m1 = m2 (2直線が一致するときも含む)垂直条件 : m1m2 = −1

(II) a1x+ b1y + c1 = 0,a2x+ b2y + c2 = 0において

平行条件 : a1b2 − b1a2 = 0 (2直線が一致するときも含む)垂直条件 : a1a2 + b1b2 = 0

75 3直線が三角形をつくらないのは (i)

 または 

(ii)

( i ) 平行な 2直線が存在する

(ii) 3本の直線が 1点を共有する

の 2つの場合が考えられます。

76 ax2 + bxy + cy2 + dx+ ey + f = 0が 2直線を表すのは

(px+ qy + r)(p′x+ q′y + r′) = 0

と変形されるときです。x,y の 1次式として因数分解されるための条件を求めます。

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2章:図形と方程式 1:点と直線

71 2点 (−1, −7),(3, 13) を通る直線の傾きは

13− (−7)

3− (−1)= 5

よって,求める方程式は

y − (−7) = 5{x− (−1)}∴ y = 5x− 2

72 求める点を (3, y)とおく。3点は同一直線上にあるから,傾きに着目して

3− 2−2− (−1)

=y − 2

3− (−1)

− 1 =y − 24

∴ y = −2

(−1, 2),(−2, 3)を通る直線の方程式は

y = −(x+ 1) + 2 ∴ y = −x+ 1

だから,x = 3を代入して y = −2

73 点 (2, −3)を通り,直線 y = 3x− 5 に平行な直線は傾きが 3なので

y = 3(x− 2)− 3 ∴ y = 3x− 9

垂直な直線は,傾きが − 13なので

y = − 13(x− 2)− 3 ∴ y = − 1

3x− 7

3

74 2直線が平行になるのは

− a+ 43a− 1

= − 34

4(a+ 4) = 3(3a− 1) ∴ a = 195

また,l1,l2 が直交するのは(− a+ 4

3a− 1

)×(− 3

4

)= −1

3(a+ 4) = −4(3a− 1) ∴ a = − 815

平行条件,垂直条件の (II)を用いると,それぞれ

平行:(a+ 4) · 4− (3a− 1) · 3 = 0 ∴ a = 195

垂直:(a+ 4) · 3 + (3a− 1) · 4 = 0 ∴ a = − 815

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2章:図形と方程式 1:点と直線

75 x− y = −1 すなわち y = x+ 1 · · · · · · 1⃝

3x+ 2y = 12 すなわち y = − 32x+ 6 · · · · · · 2⃝

kx− y = k − 1 すなわち y = kx+ 1− k · · · · · · 3⃝

1⃝と 2⃝は平行でないので,三角形をつくらないのは次のいずれかの場合である。( i ) 1⃝ // 3⃝のとき,つまり k = 1のとき

(ii) 2⃝ // 3⃝のとき,つまり k = − 32のとき

(iii) 1⃝と 2⃝の交点を 3⃝が通るとき, 1⃝, 2⃝よりx+ 1 = − 3

2x+ 6 ∴ x = 2

したがって, 1⃝と 2⃝の交点は (2, 3)であり, 3⃝がこの点を通るのは3 = 2k + 1− k ∴ k = 2

以上 ( i ),(ii),(iii)より

k = − 32, 1, 2

76 与式を y の 2次方程式とみて

2y2 + (kx− 4)y + (10x2 − 9x+ 2) = 0

∴ y =−(kx− 4)±

√Dy

4· · · · · · 1⃝

ここで

Dy = (kx− 4)2 − 8(10x2 − 9x+ 2)

= (k2 − 80)x2 + 8(9− k)x

1⃝が 2 直線を表す条件は√

Dy が x の 1 次式,または,定数であることだが,Dy

は定数でないので,√

Dy が x の 1 次式,すなわち Dy が x の完全平方式である。

したがって,Dy = 0の判別式を Dx とするとk2 − 80 \= 0

Dx

4= 16(9− k)2 = 0

∴{

k \= ±4√5

k = 9

よって

k = 9

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.4 対称点,対称移動

77 直線 3x − y + 2 = 0 に関して点 A(−4, 0) と対称な点 B の座標を

求めよ。 (兵庫医科大)

78 直線 y = 2x− 3と,

x軸に関して対称な直線の方程式は y = ,

原点に関して対称な直線の方程式は y = ,

直線 y = xに関して対称な直線の方程式は y =

である。 (玉川大)

79 (1) 放物線 y = x2 − 2x − 1を y 軸に関して折り返してつくった放物

線の方程式は y = である。

(2) 放物線 y = x2 − 2x − 1を直線 y = 2に関して折り返してつくった放物

線の方程式は y = である。 (藤田保健衛生大)

77 直線 lに関して 2点 A,Bが対称である条件はA

B

l

||

||

{線分ABの中点が l上にある

直線ABと lが直交する

78 図形の移動として

平行移動,対称移動,回転移動

は使えるようにしておきましょう。図形の方程式が y = f(x)のとき

x軸に関して対称移動すると −y = f(x)

y 軸に関して対称移動すると y = f(−x)

原点に関して対称移動すると −y = f(−x)

直線 y = x に関して対称移動すると x = f(y)

となります。図をかきながら理解しておきましょう。

79 図形の方程式が y = f(x)のとき,直線 y = k に関して対称移動すると

2k − y = f(x)

となります。(説明できますね。)

移動する図形が放物線のときは,頂点の移動に着目するのも手です。

67

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2章:図形と方程式 1:点と直線

77 点 Bの座標を (p, q)とおくと,線分 ABの中点(p− 42

,q2

)が

直線 3x− y + 2 = 0上にあることから

3× p− 42

− q2

+ 2 = 0 ∴ 3p− q = 8 · · · · · · 1⃝

直線 3x− y + 2 = 0と直線 ABが直交することより,傾きの積が −1になるから

3× qp+ 4

= −1 ∴ p+ 3q = −4 · · · · · · 2⃝

1⃝, 2⃝より p = 2,q = −2 ∴ B(2, −2)

78y = x

××

||

||

||

(x, y)

(y, x)

(x, −y)

(−x, −y)

x

y

O

y = 2x− 3 · · · · · · 1⃝1⃝と x軸に関して対称な直線の方程式は

−y = 2x− 3 ∴ y = −2x + 3

1⃝と原点に関して対称な直線の方程式は−y = 2(−x)− 3 ∴ y = 2x + 3

1⃝と直線 y = xに関して対称な直線の方程式は

x = 2y − 3 ∴ y = 12x + 3

2

(注意)y = f(x)上の点 (x, y)と,対称移動後の点の関係は右上図の通りです。

79 (1) 放物線 y = x2−2x−1 · · · · · · 1⃝上の点 (x, y)

x

y

O

(x, y)(X, Y )

||||

を y 軸に関して対称移動した点を (X, Y )とおくと{X = −xY = y

∴{x = −Xy = Y

これを 1⃝に代入してY = (−X)2 − 2(−X)− 1 = X2 + 2X − 1 ∴ y = x2 + 2x − 1

(2) 1⃝上の点 (x, y)を直線 y = 2に関して対称移動した点

x

y

O

(x, y)

(X, Y )

||||

2

x

を (X, Y )とおくとX = x

y + Y2

= 2∴

{x = X

y = 4− Y

これを 1⃝へ代入して4− Y = X2 − 2X − 1 Y = −X2 + 2X + 5

∴ y = −x2 + 2x + 5

y = (x− 1)2 − 2 の頂点 (1, −2) の移動後の座標を考える。

(1) 頂点 (1, −2) の移動後の座標は (−1, −2) であるから,求める方程式は

y = (x+ 1)2 − 2 ∴ y = x2 + 2x− 1

(2) 頂点 (1, −2) の移動後の座標は (1, 6) であるから,求める方程式は

y = −(x− 1)2 + 6 ∴ y = −x2 + 2x+ 5

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.5 点と直線の距離

80 直線 ax+ by + c = 0と点 (x0, y0)の距離を与える公式

ax0 + by0 + c√a2 + b2

を証明せよ。 (津田塾大)

81 (1) 点 (1, 2)と直線 3x+ 4y + 5 = 0の距離は である。

(大阪薬科大)

(2) 点A(2, −3)と直線 x+√3y+a = 0の距離が 1のとき,aの値は と

である。 (名城大)

80 点 (x0, y0)から直線

d

(x0, y0)

ax+ by + c = 0

ax+ by + c = 0に下ろした垂線の長さ dは

d =ax0 + by0 + c√

a2 + b2

です。公式として覚えておくだけでなく,

一度は証明しておきましょう。

81 上の公式の適用問題です。公式をしっかりと覚えておきましょう。

69

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2章:図形と方程式 1:点と直線

80 直線 ax+ by+ c = 0を lとする。P(x0, y0)とし,Pから lに下ろした垂線の

足を H(x1, y1)とおく。

PH =√

(x1 − x0)2 + (y1 − y0)2

であるから,X = x1 − x0,Y = y1 − y0 とおく。PH⊥lより

l

P(x0, y0)

H(x1, y1)

    b(x− x0)− a(y − y0) = 0

b(x1 − x0)− a(y1 − y0) = 0∴ bX − aY = 0 · · · · · · 1⃝

Hは l上の点でもあるから

ax1 + by1 + c = 0a(X + x0) + b(Y + y0) + c = 0

∴ aX + bY = −(ax0 + by0 + c) · · · · · · 2⃝1⃝, 2⃝を X,Y について解くと

X = −a · (ax0 + by0 + c)

a2 + b2, Y = −b · (ax0 + by0 + c)

a2 + b2

∴ PH =√

X2 + Y 2 =

√{(−a)2 + (−b)2} · (ax0 + by0 + c)2

(a2 + b2)2

=ax0 + by0 + c√

a2 + b2(証終)

81 (1) 点と直線の距離の公式より

3× 1 + 4× 2 + 5√32 + 42

= 165

(2) 点と直線の距離の公式より

1× 2 +√3× (−3) + a√

12 +(√

3)2 = 1

a+ 2− 3√3 = 2

a+ 2− 3√3 = 2, −2 ∴ a = 3

√3, −4 + 3

√3

70

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.6 3直線で囲まれる三角形の面積

82 (1) 3直線 y = x+ 1,y = −2x+ 10,y = 0によって囲まれる三角形

の面積は である。 (千葉工業大)

(2) 3直線−4x+ y− 4 = 0,4x+3y− 12 = 0,4x+15y− 12 = 0で囲まれ

る三角形の面積は である。 (昭和薬科大)

83 座標平面上の 3点A(2, 1),B(4, 7),C(2t+1, 10− t)から作る三角形

ABCの面積が 10である。このとき,t = または t = である。

(東邦大)

82 (1) 三角形の面積 = 12

× (底辺)× (高さ)です。

(2) 三角形の見方を工夫します。

83 三角形の面積公式として

A(x1, y1)

B(x2, y2)

x

y

O

A(x1, y1)

B(x2, y2)

C(x3, y3)

x

y

O

(I) O(0, 0),A(x1, y1),B(x2, y2)のとき

△OAB = 12

x1y2 − y1x2

(II) A(x1, y1),B(x2, y2),C(x3, y3)のとき

△ABC = 12|(x2 − x1)(y3 − y1)

− (y2 − y1)(x3 − x1)|があります。(II)は

AB = (x2 − x1, y2 − y1),

AC = (x3 − x1, y3 − y1)

なので,ベクトルの始点 Aを Oに平行移動すれば (I)と

同じです。

71

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2章:図形と方程式 1:点と直線

82 (1) 3直線を図示すると右図のようになるから,3

x

y

O

y = x+ 1y = −2x+ 10

3

4

1−1

5

直線によって囲まれる三角形の面積は12

× {5− (−1)} × 4 = 12

(2)

−4x+ y − 4 = 0 · · · · · · 1⃝4x+ 3y − 12 = 0 · · · · · · 2⃝4x+ 15y − 12 = 0 · · · · · · 3⃝

とおく。

1⃝と 2⃝,2⃝と 3⃝,3⃝と 1⃝の交点はそれぞれA(0, 4),B(3, 0),

x

y

O

A

B

C

D

E

1⃝ 2⃝3⃝

4

3−1

C(− 3

4, 1)であり,D(−1, 0) とおくと,求める面積は

△ABC = △ABD − △BCD

= 12

× {3− (−1)} × 4− 12

× {3− (−1)} × 1

= 8− 2 = 6

3⃝の y 切片を E(0, 4

5

)とおくと

△ABC = △ACE + △ABE = 12AE · 3

4+ 1

2AE · 3

= 12

(4− 4

5

)·(34

+ 3)= 6

83 △ABCの面積が 10なので12

(4− 2)(10− t− 1)− (7− 1)(2t+ 1− 2) = 10

12

−14t+ 24 = 10

7t− 12 = ±10 ∴ t = 227

, 27

△ABCを x軸方向に −2,y軸方向に −1だけ平行移動した三角形を A′B′C′ と

すると,A′(0, 0),B′(2, 6),C′(2t− 1, 9− t)である。

(△ABCの面積)=(△A′B′C′ の面積)

より△ABC の面積が 10となるのは

12

2(9− t)− 6(2t− 1) = 10

以下,同じ。

72

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2章:図形と方程式 1:点と直線

1.7 定点を通る直線

84 kを実数とする。直線 (2k+ 3)x+ (3k+ 1)y− k− 5 = 0は,kの値に

関係なく,定点 を通る。 (神奈川大)

85 直線 (5k + 2)x+ (−k + 1)y + (k − 1) = 0は定点 Pを通る。このとき

点 Pと点 (3, 5)を通る直線の方程式は y = である。 (東海大)

86 2つの直線 2x− 3y − 1 = 0,x+ y + 1 = 0の交点 Aと点 B (1,2)を

通る直線の方程式は である。 (静岡理工科大)

87 2直線 2x + 3y = 1,3x + y = 5 の交点を通り,直線 3x + 2y = 6 に

平行な直線の方程式は で,垂直な直線の方程式は である。

(広島工業大)

84 k(a1x+ b1y+ c1) + (a2x+ b2y+ c2) = 0が kの値に関係なく成立する条件は{a1x+ b1y + c1 = 0

a2x+ b2y + c2 = 0

です。

85 kの値に関係なく直線は定点 Pを通るわけですから, 84 と同じように Pの

座標を求め,Pと点 (3, 5)を通る直線の方程式を求めることはできますが,これは遠

回りです。

(x, y) = (3, 5)を与式に代入すれば,kの値が決まり,直線の方程式が確定します。

86 , 87 2直線 a1x+ b1y + c1 = 0,a2x+ b2y + c2 = 0が交点をもつとき

k(a1x + b1y + c1) + (a2x + b2y + c2) = 0 (kは定数)

は交点を通る直線の方程式になっています。

交点の座標を求めずに,交点を通る直線の方程式を表すことができるのがこの式の

効力です。

73

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2章:図形と方程式 1:点と直線

84 与式を k について整理すると k(2x+ 3y − 1) + 3x+ y − 5 = 0

よって,kの値に関わらず成立するのは{2x+ 3y − 1 = 0

3x+ y − 5 = 0

のときであり,求める定点は (2, −1)

85 直線が点 (3, 5)を通るためには

(5k + 2) · 3 + (−k + 1) · 5 + (k − 1) = 0 ∴ k = − 1011

これを与式に代入して

− 2811

x+ 2111

y − 2111

= 0 ∴ y = 43x + 1

86 直線 k(2x − 3y − 1) + x + y + 1 = 0は 2直線の交点 Aを通る。

点 B(1,2)を通るためには

k(2− 6− 1) + 1 + 2 + 1 = 0 ∴ k = 45

したがって,求める直線の方程式は45(2x− 3y − 1) + x+ y + 1 = 0 ∴ 13x − 7y + 1 = 0

87 k(2x+3y− 1)+ (3x+ y− 5) = 0 · · · · · · 1⃝ は 2直線 2x+3y = 1,3x+ y = 5

の交点を通る直線の方程式である。

1⃝ : (2k + 3)x+ (3k + 1)y − k − 5 = 0

1⃝と直線 3x+ 2y = 6 が平行となる条件は

2(2k + 3)− 3(3k + 1) = 0 ∴ k = 35

求める直線の方程式は

3(2x+ 3y − 1) + 5(3x+ y − 5) = 0 ∴ 3x + 2y − 4 = 0

1⃝と直線 3x+ 2y = 6 が垂直となる条件は

3(2k + 3) + 2(3k + 1) = 0 ∴ k = − 1112

求める直線の方程式は

11(2x+ 3y − 1)− 12(3x+ y − 5) = 0 ∴ 2x − 3y − 7 = 0

74

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2章:図形と方程式 2:円

2 円

2.1 円の方程式

88 円 x2−4x+y2−2y = 0の中心の座標は(2,

),半径は で

ある。 (北海道工業大)

89 次の 3点を通る円の方程式を求めよ。円の中心と半径も求めよ。

(1) (0, 0),(2, 0),(2, 4)

(2) (3, 0),(0, 2),(3, 5) (北海道医療大)

90 (1) x軸と y軸に接し,(1, −2)を通る円の半径は である。

(明治大)

(2) 中心の x座標が aで,2点 (4, 0),(0, 2)を通る円の方程式を求めよ。

(津田塾大)

(3) 中心が第 1象限にあって,x軸と直線 y = xに接し,半径が 1である円

の方程式を求めよ。 (長崎総合科学大)

91 次の円の方程式を求めよ。

(1) 2点 (7, 1),(3, −6)を直径の両端とする円

(2) 中心が直線 x+ 2y = 4上にあり,直線 y = −2に接して,点 (1, −1)を

通る円 (兵庫医科大)

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2章:図形と方程式 2:円

88 円とは,定点 C(a, b) からの距離が一定な点 P(x, y) の集合です。定点を中

心,一定な距離 rを半径といいます。したがって,この円の方程式は次のように表されます。

CP = r ⇐⇒ (x − a)2 + (y − b)2 = r2

89 (x− a)2 + (y − b)2 = r2 を展開すると

x2 + y2 + lx+my + n = 0 · · · · · · (∗)の形に整理されます。

【注意】円は (∗)の形で表せますが,(∗)が円を表すとは限りません。すなわち,一般の (∗)は

(x− a)2 + (y − b)2 = k

の形に変形されますが,

k > 0 ならば,中心 (a, b),半径√k の円

k = 0 ならば,1点 (a, b)

k < 0 ならば,(∗) を表す図形はありません。

90 (1) 図をかいてみましょう。条件をみたす円は 2つあ

(1, −2) r

r

xy

Oりますね。円の半径を r(> 0)とおくと,中心の座標も r で

表すことができます。

(2) 円の方程式を (x− a)2 + (y− b)2 = r2 とおきましょう。

a は最後まで残ります。(3) 中心から x軸までの距離と直線 y = xまでの距離は等し

くなります。

91 (1) 直径の両端が (x1, y1),(x2, y2) であ

(x1, y1) (x2, y2)

(x, y)る円の方程式

(x − x1)(x − x2)+(y − y1)(y − y2) = 0

も使えるようにしておきましょう。

ベクトルでみれば,(内積) = 0 という式そのも

のです。

(2) 中心の座標を (4− 2p, p)とおくと,半径を pで表すことができます。

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2章:図形と方程式 2:円

88 x2 − 4x+ y2 − 2y = 0を変形して

(x− 2)2 − 4 + (y − 1)2 − 1 = 0 ∴ (x− 2)2 + (y − 1)2 = 5

したがって,中心の座標は (2, 1),半径は√5である。

89 求める円の方程式は x2 + y2 + lx + my + n = 0とおける。

(1) (0, 0)を通るので,n = 0である。さらに,(2, 0)を通るので

4 + 2l = 0 ∴ l = −2

さらに (2, 4)を通るので

4 + 16− 4 + 4m = 0 ∴ m = −4

したがって,円の方程式は

x2 + y2 − 2x − 4y = 0 ∴ (x− 1)2 + (y − 2)2 = 5

よって,中心 (1, 2), 半径√5 である。

(2) (3, 0),(0, 2),(3, 5)を通るので9 + 3l + n = 0

4 + 2m+ n = 0

9 + 25 + 3l + 5m+ n = 0

∴ l = −5, m = −5, n = 6

したがって,円の方程式は

x2 + y2 − 5x − 5y + 6 = 0 ∴(x− 5

2

)2+(y − 5

2

)2= 13

2

よって,中心(52, 5

2

),半径

√132

=

√262

である。

90 (1) 点 (1, −2)が第 4象限にあることから,円の中心も第 4象限にあり,円の

半径を r (> 0)とおくと,中心は (r, −r)である。したがって,円の方程式は

(x− r)2 + (y + r)2 = r2

点 (1, −2)を通ることから

(1− r)2 + (−2 + r)2 = r2

r2 − 6r + 5 = 0 ∴ (r − 1)(r − 5) = 0

よって,求める円の半径は r = 1, 5

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2章:図形と方程式 2:円

(2) 円の中心を (a, b),半径を r(> 0) とおくと,円の方程式は

(x− a)2 + (y − b)2 = r2

2点 (4, 0),(0, 2) を通ることから{(4− a)2 + b2 = r2 · · · · · · 1⃝

a2 + (2− b)2 = r2 · · · · · · 2⃝2⃝を 1⃝に代入して

(4− a)2 + b2 = a2 + (2− b)2 4b = 8a− 12 ∴ b = 2a− 3

これを 1⃝に代入してr2 = (4− a)2 + (2a− 3)2 = 5a2 − 20a+ 25

よって,求める円の方程式は

(x − a)2 + (y − 2a + 3)2 = 5a2 − 20a + 25

(3) 中心が第 1象限にあり,x軸に接して半径が 1な

1

1

y = x

x

y

O

ので,中心は (p, 1) (p > 0) とおける。中心と直線

x − y = 0との距離が半径と等しいことから,点と直線の距離の公式を用いると

p− 1√12 + (−1)2

= 1 ∴ p− 1 = ±√2

p > 0より p = 1 +√2だから,求める円の方程式は

(x − 1 −√2)2 + (y − 1)2 = 1

91 (1) 2点 (7, 1), (3, −6)を直径の両端とする円は

(x− 7)(x− 3) + (y − 1)(y + 6) = 0∴ x2 + y2 − 10x + 5y + 15 = 0

2点を結ぶ線分の中点(5, − 5

2

)が円の中心であり,円の半径は

12

√(7− 3)2 + (1 + 6)2 =

√652

より,円の方程式は (x− 5)2 +(y + 5

2

)2= 65

4

(2) 中心を (4− 2p, p)とおくと,直線 y = −2に接する

y = −2

p+ 2

p+ 2

から,半径は p+ 2 であり,円の方程式は

(x− 4 + 2p)2 + (y − p)2 = (p+ 2)2

これが,点 (1,−1)を通ることから

(1− 4 + 2p)2 + (−1− p)2 = (p+ 2)2

4p2 − 14p+ 6 = 0 ∴ p = 12, 3

したがって,求める円の方程式は

(x − 3)2 +(y − 1

2

)2= 25

4, (x + 2)2 + (y − 3)2 = 25

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2章:図形と方程式 2:円

2.2 内接円,外接円

92 座標平面上に 3点 A(0, 3),B(4, 0),C(c, 0)を AC = BCが成り立

つようにとると,c = であり,△ABCに内接する円の中心の座標は(,

)である。 (明治大)

93 3直線 l1 : x− y + 2 = 0,l2 : x+ y − 14 = 0,l3 : 7x− y − 10 = 0で

囲まれる三角形に内接する円の方程式を求めよ。 (東京都立大)

94 (1) 直線 l : y =√3xに関して,点 A(4, 0)と対称な点を Bとすると,

点 Bの座標は,(

,)である。

(2) 点 Oを原点とすると,△OABの外接円は,

点(

,)を中心とする半径

の円である。 (東洋大)

95 平面上に 4点 O(0, 0),A(1, 2),B(0, 4),C(4, 2)がある。3点 O,

A,Bを内部または周上に含む最小の円の半径は であり,3点 O,B,

Cを内部または周上に含む最小の円の半径は である。 (名城大)

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2章:図形と方程式 2:円

92 AC = BC より,点 Cは線分 ABの垂直 2等分線上にあり,この垂直 2等分

線は ∠ACB の 2 等分線でもあります。さらに,三角形の内心(内接円の中心)は「3つの内角の 2等分線の交点」ですね。

93 これは難しいかもしれませんね。3直線に至る距離が等し

くなる点は 4つ(内心と 3つの傍心)あります。内心 (α, β) が

直線 l1,l2,l3 のどちら側にあるかを考えて,点 (α, β) と直線

ax+ by + c = 0 の距離aα+ bβ + c√

a2 + b2

の絶対値をはずすことを考えましょう。

94 (1) 線分 ABの中点が l 上にあり,かつ AB ⊥ l と考えてもよいし,

l : y =√3x (= x tan 60◦) が ∠AOB の 2等分線であることより

∠AOB = 120◦ かつ OB = OA

に着目してもよいでしょう。

(2) l は線分 ABの垂直 2等分線でもあります。さらに,三角形の外心(外接円の中

心)は「3つの線分の垂直 2等分線の交点」ですね。

95 3点を含む最小円は 3点がつくる三角形の外接円とは限りません。鈍角三角形

を思い浮かべてみて下さい。

80

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2章:図形と方程式 2:円

92 AC2 = BC2 より c2 + 32 = (c− 4)2 ∴ c = 78

AC = BCなので,∠ACBの 2等分線は線分 ABの

x

y

O

A

BC

NM

3

4

垂直 2等分線である。ABの傾きが − 34なので,CM

の傾きは 43であり

CM : y = 43

(x− 7

8

)∴ y = 4

3x− 7

6· · · · · · 1⃝

また,∠ABCの 2等分線と y 軸の交点を Nとおくと,角の 2等分線の性質より

ON : NA = OB : AB = 4 : 5

よって,ON = 49OA = 4

3なので,NBの傾きは − ON

OB= − 1

3だから

NB : y = − 13x+ 4

3· · · · · · 2⃝

CMと NBの交点が△ABCの内接円の中心であり, 1⃝, 2⃝を連立して43x− 7

6= − 1

3x+ 4

3∴ x = 3

2

よって,中心の座標は(32, 5

6

)93 内接円の中心を (α, β)とおくと,3直線までの距離は等しいから

α− β + 2√12 + (−1)2

=α+ β − 14√

12 + 12=

7α− β − 10√72 + (−1)2

· · · · · · 1⃝

ここで,点 (α, β)は l1の上側,l2, l3の下側にあるから

x

y

O

l1

l2

l3

α

β

2

14

β > α+ 2, β < −α+ 14, β < 7α− 10

よって, 1⃝は−(α− β + 2)√

2=

−(α+ β − 14)√2

=7α− β − 10√

50

したがって{α− β + 2 = α+ β − 14

−5(α+ β − 14) = 7α− β − 10

∴ α = 4, β = 8

(半径)=−(4− 8 + 2)√

2=

√2より,円の方程式は

(x − 4)2 + (y − 8)2 = 2

81

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2章:図形と方程式 2:円

94 (1) lと x軸の正方向とのなす角は 60◦ なの

x

y

O

l

A

B

|

|

||

||60◦

30◦

4

で,∠AOB = 120◦,またOB = 4である。したがって,Bの座標は (4 cos 120◦, 4 sin 120◦)

∴ B(−2, 2√3)

B(a, b)とおくと,線分 ABの中点(a+ 42

, b2

)が l上にあることより

b2

=√3 · a+ 4

2∴ b =

√3(a+ 4) · · · · · · 1⃝

また,AB ⊥ lよりb

a− 4×

√3 = −1 ∴

√3b = −a+ 4 · · · · · · 2⃝

1⃝, 2⃝を連立して,B(−2, 2√3)

(2) 線分 OAの垂直 2等分線の方程式は直線

x

y

O

l

A

B P

|| ||

x = 2 · · · · · · 3⃝なので,lとの交点は P(2, 2

√3)である。

つまり,△OABの外接円の中心は (2, 2√3)

であり,半径は OP = 4である。

95 鈍角三角形OABを内部または周上に含む最

x

y

O

A

B

C

小の円は,最大辺 OBを直径とする円であり

(この円の半径)= 12OB = 2

また,鋭角三角形OBCを内部または周上に含む最小の円は,△OBCの外接円であり,この円の中心を (α, β) とおくと,円の中心と 3 点 O,B,C

の距離は等しいから

α2 + β2 = α2 + (β − 4)2 = (α− 4)2 + (β − 2)2

0 = −8β + 16 = −8α− 4β + 20

∴ β = 2, α = 32

よって

(半径)=

√(32

)2+ 22 = 5

2

82

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2章:図形と方程式 2:円

2.3 円と直線

96 円 x2 + y2 = 2と直線 y = x + kが共有点をもつとき,定数 kの値の

範囲を求めよ。 (東京工科大)

97 円 C : x2 + y2 − 4x+ 6y + 8 = 0の中心は(

,),半径は√

である。直線 (m + 3)x −my − 6 = 0が C と接するような定数m

の値は または である。 (千葉工業大)

98 直線 y = x + 1が円 x2 + y2 = 4によって切り取られる線分の長さは

である。 (埼玉工業大)

99 円 x2 + y2 − 6x+6y+9 = 0によって切り取られる線分の長さが 4で,

直線 2x− y = 0に垂直な直線の方程式を求めよ。 (弘前大)

83

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2章:図形と方程式 2:円

96 , 97 円と直線の位置関係は共有点の個数で分類すると

dr

2点で交わる    

d r

接する    

dr

共有点をもたない

の 3つがありますね。これらは

(I) 円の中心から直線までの距離と半径を比較する

(II) 円と直線の方程式を連立して,実数解の個数を調べる

ことによって判定できます。(I)の方がラクです。

98 , 99 直線が円によって切り取られる弦の長

B

A

H

O

さを求めるときにも,中心と直線との距離は役立ちま

す。右図において,三平方の定理を用いると

AB = 2AH = 2√

OA2 −OH2

です。

84

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2章:図形と方程式 2:円

96 円と直線が共有点をもつための条件は

(円の中心から直線までの距離) 5 (円の半径)

であるから,円 x2 + y2 = 2 の中心 (0, 0) から直線 x− y + k = 0 までの距離と半

径√2 を比較すると

k√12 + (−1)2

5√2

∴ −2 5 k 5 2

y = x+ kを円の方程式 x2 + y2 = 2に代入して xの 2次方程式をつくり,判別式 D = 0を解いてもよい。

x2 + (x+ k)2 = 2

∴ 2x2 + 2kx+ k2 − 2 = 0

共有点をもつ条件は,この 2次方程式が実数解をもつことであるからD4

= k2 − 2(k2 − 2) = 4− k2 = 0

∴ − 2 5 k 5 2

97 x2 + y2 − 4x+ 6y + 8 = 0 を変形すると

(x− 2)2 + (y + 3)2 = 5

よって,円 C の中心は (2, −3),半径は√5 である。

次に,直線 (m + 3)x − my − 6 = 0 が C と接するとき,C の中心と直線 (m +

3)x−my − 6 = 0 との距離が半径と等しいことから,点と直線の距離の公式より(m+ 3) · 2−m · (−3)− 6√

(m+ 3)2 + (−m)2=

√5

5m =√

5(2m2 + 6m+ 9)

25m2 = 5(2m2 + 6m+ 9)

m2 − 2m− 3 = 0

(m− 3)(m+ 1) = 0

∴ m = 3 または −1

85

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2章:図形と方程式 2:円

98 円 x2+y2 = 4の中心が (0,0)より,図のよ

B

A

O

H

2

2

うにO,A,B,Hをとると,中心と直線 x−y+1 =0の距離 OHは

OH =0− 0 + 1√12 + (−1)2

= 1√2

円の半径は 2だから,三平方の定理より

AH =

√22 −

(1√2

)2

=

√72

よって,切り取られる線分 ABの長さは

AB = 2AH =√14

99 x2 + y2 − 6x+ 6y + 9 = 0 を変形すると

(x− 3)2 + (y + 3)2 = 9

であるから,中心 P(3, −3),半径 3の円である。

また,2x− y = 0すなわち y = 2xに垂直な直線の方程式は

x

y

O

P

1⃝

3

2

y = − 12x+k ∴ x+2y−2k = 0 · · · · · · 1⃝

と表せる。切り取られる線分の長さが 4であるために

は,右図より Pと 1⃝の距離が√32 − 22 =

√5であれ

ばよい。点と直線の距離の公式より|3 + 2× (−3)− 2k|√

12 + 22=

√5

2k + 3 = 5

2k + 3 = ±5

∴ k = 1, −4

したがって,求める直線の方程式は 1⃝よりx + 2y − 2 = 0, x + 2y + 8 = 0

86

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2章:図形と方程式 2:円

2.4 円の接線

100 直線 y = ax+ bが円 x2 + y2 − 8x+ 2y − 8 = 0の周上の点 (8, 2)で

接線となるとき,a = ,b = である。 (北海道薬科大)

101 xy平面において,中心が点 (1, −1)で半径が 1の円に接し,点 (5, 1)

を通る直線の方程式は y = と y = である。 (立教大)

102 2円 x2+y2 = 22と (x−6)2+y2 = 42に共通な接線の方程式は ,

, である。 (昭和薬科大)

100 接線は接点と中心を結んだ線分に垂直です。また,円 (x− a)2 + (y− b)2 = r2

上の点 (x0, y0)における接線の方程式は

(x0 − a)(x − a) + (y0 − b)(y − b) = r2

101 円の外部の点から接線を引く問題です。接線は 2本存在します。

102 一般に 2つの円に接する直線は共通内接

x

y

O 2 6 10

線,共通外接線が 2本ずつの合計 4本があります。本問では 2円が接しており,共通内接線は1本となっています。

87

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2章:図形と方程式 2:円

100 x2 + y2 − 8x+ 2y − 8 = 0 を変形すると

(x− 4)2 + (y + 1)2 = 25

だから,中心 P(4, −1),半径 5の円である。

A(8, 2)に対して,APの傾きは

P

A(8, 2)

2− (−1)

8− 4= 3

4

だから接線の傾きは − 43となるので

y = − 43(x− 8) + 2 すなわち y = − 4

3x+ 38

3

したがって a = − 43, b = 38

3

(x− 4)2 + (y + 1)2 = 25上の点 (8, 2)における

接線の方程式は

(8− 4)(x− 4) + (2 + 1)(y + 1) = 25 ∴ y = − 43x+ 38

3

101 中心が (1, −1) で半径が 1の円の接線で,点 (5, 1)を通るものは,y 軸と平

行でないから

y = m(x− 5) + 1 ∴ mx− y − 5m+ 1 = 0

とおける。中心 (1, −1)と直線との距離が円の半径 1となることから

m− (−1)− 5m+ 1√m2 + 1

= 1

両辺に√m2 + 1 をかけて,さらに両辺を 2乗すると

(−4m+ 2)2 = m2 + 1

15m2 − 16m+ 3 = 0

∴ m =8±

√64− 4515

=8±

√19

15

よって,求める直線の方程式は

y =8±

√19

15x− 5 · 8±

√19

15+ 1

∴ y =8 ±

√19

15x − 5 ±

√19

3(複号同順)

88

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2章:図形と方程式 2:円

102 x2 + y2 = 22 は原点 Oを中心とした半径 2の円であり,(x− 6)2 + y2 = 42 は

A(6,0)を中心とした半径 4の円である。よって,2円は点 (2,0)で接し,この点を

通り x軸に垂直な直線は共通な接線の 1つである。 ∴ x = 2

また,残りの接線を y = mx+ nとおくと,中心から接線までの距離はそれぞれの半径に等しいことから

n√m2 + 1

= 2 · · · · · · 1⃝,6m+ n√m2 + 1

= 4 · · · · · · 2⃝

1⃝, 2⃝より2 n = 6m+ n すなわち 2n = ±(6m+ n)

∴ n = 6m, −2m

n = 6mのとき, 1⃝より6m√m2 + 1

= 2 すなわち 9m2 = m2 + 1

∴ m = ±√24

, n = ± 3√2

2(複号同順)

n = −2mのとき, 1⃝より−2m√m2 + 1

= 2 すなわち m2 = m2 + 1

となり,これをみたすmは存在しない。

したがって,残りの接線は y = ±√24

x ± 3√2

2(複号同順)

89

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2章:図形と方程式 2:円

2.5 2円の位置関係

103 2点 P,Qがそれぞれ 2つの円

x2 + y2 − 16 = 0, x2 − 2√3x+ y2 − 2y + 3 = 0

の上を動くとき,線分 PQの長さの最大値と最小値を求めよ。

(東京電機大)

104 円 (x− 8)2 + (y − 15)2 = 25に外接する原点中心の円は であり,

内接する原点中心の円は である。 (玉川大)

103 線分 PQの長さが最大あるいは最小となるのは,P,Qが 2円の中心を通る直

線上にあるときです。

104 2円の位置関係は,中心間の距離 dと 2円の半径 r1,r2 を調べることにより

わかります。

( i ) 内包

d < r1 − r2

r1

r2d

  

(ii) 内接

d = r1 − r2

r1

r2d

  

(iii) 2点で交わる

r1 − r2 < d < r1 + r2

r1 r2

d

(iv) 外接

d = r1 + r2

r1 r2

d

  

(v) 分離

d > r1 + r2

r1 r2

d

90

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2章:図形と方程式 2:円

103 x2 + y2 = 16は原点が中心で半径 4の円であり,

x

y

O

C

BA

√3

1

4

(x−√3)2 + (y − 1)2 = 1 は中心が (

√3, 1)で,半径 1

の円である。

中心間の距離は√3 + 1 = 2

図のように A,B,C をとると線分 PQの最大値は

AC = 4 + 2 + 1 = 7

線分 PQの最小値は

AB = 4− 2− 1 = 1

104 円 C0 : (x − 8)2 + (y − 15)2 = 25 は,中心

x

y

O

AB

CA(8, 15),半径 5の円である。円 C0 に外接する原点

中心の円は,接点を Bとすると

半径 OB = OA−AB

=√

82 + 152 − 5 = 12∴ x2 + y2 = 122

また,円 C0 に内接する原点中心の円は,接点を Cとすると

半径 OC = OA+AC = 17 + 5 = 22 ∴ x2 + y2 = 222

91

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2章:図形と方程式 2:円

2.6 共通弦を含む直線

105 3点 (7, 7),(1, 7),(8, 0)を通る円をC1とする。円C1と x2+y2 = 4

で表される円 C2 の 2つの交点を通る直線の式は y = である。

(小樽商科大)

106 aを実数とし,

C1 : x2 + y2 − 1 = 0,C2 : x2 − 6ax+ y2 − 8ay + 4 = 0

とおく。C2 が 2点以上からなる図形を表すための aの条件は である。

このとき C1,C2 の共有点の個数が 2個であるための aの条件は であ

り,この 2つの共有点を通る直線の方程式は である。 (立命館大)

107 半径 3の円 C と円 x2 + y2 = 4との異なる 2個の共有点を通る直線が

6x+ 2y + 5 = 0となるとき,円 C の中心の座標は(

,)または(

,)である。 (西南学院大)

108 2つの円

C1 : x2 + y2 − 24x− 10y + 44 = 0

C2 : x2 + y2 − 4x+ 10y + 4 = 0

について考える。C1 と C2 の相異なる 2つの交点を P,Qとする。線分 PQ

の長さを求めよ。 (自治医科大 改)

92

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2章:図形と方程式 2:円

「2つの図形 f(x, y) = 0,g(x, y) = 0が共有点をもつとき,

方程式mf(x, y) + ng(x, y) = 0 (m,nは定数) · · · · · · (∗)は,m,n の値に関わらずつねに 2 つの図形の共有点のすべてを通る」図形を表します。

105 まずは与えられた 3点を通る円 C1 の方程式 f(x, y) = 0 を求めます。円 C2

の方程式を g(x, y) = 0とし,m = 1,n = −1とすると,上の (∗)は x,yの 1次式

となりますから,(∗)は 2円の交点を通る直線の方程式となります。

106 C2 : (x− 3a)2 + (y − 4a)2 = 25a2 − 4において

25a2 − 4 > 0ならば,C2は円

25a2 − 4 = 0ならば,C2は点 (3a, 4a)

25a2 − 4 < 0ならば,C2は図形を表さない(虚円)。

したがって,2点以上からなる図形 C2 は円です。

また,C1,C2の方程式をそれぞれ f(x, y) = 0,g(x, y) = 0として,f(x, y) = 0,

g(x, y) = 0を連立すると{f(x, y) = 0 · · · · · · 1⃝

g(x, y) = 0 · · · · · · 2⃝

⇐⇒

{f(x, y) = 0 · · · · · · 1⃝

f(x, y)− g(x, y) = 0 · · · · · · 3⃝

と同値変形されますから,2円 1⃝と 2⃝の共有点は円 1⃝と直線 3⃝の共有点であると言い換えることができます。

107 円 C の方程式を

(x2 + y2 − 4) + k(6x+ 2y + 5) = 0

とおくことができますね。

108 直線 PQの方程式は

(x2 + y2 − 24x− 10y + 44)− (x2 + y2 − 4x+ 10y + 4) = 0

であり,この直線と C1(あるいは C2)の中心との距離を求めることにより,線分 PQの長さを求めることができます。

あるいは 2円を連立して,2交点 P,Qの座標を求めて,2点間の距離の公式を用いてもよいでしょう。

93

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2章:図形と方程式 2:円

105 C1 : x2 + y2 + px + qy + r = 0 とお

x

y

O

(7,7)

(1,7)

(8,0)2

2

く。3点 (7, 7),(1, 7),(8, 0)を通るから7p+ 7q + r + 98 = 0 · · · · · · 1⃝p+ 7q + r + 50 = 0 · · · · · · 2⃝8p+ r + 64 = 0 · · · · · · 3⃝

1⃝− 2⃝より 6p+ 48 = 0 ∴ p = −83⃝に代入して r = 0以上より,p = −8, q = −6, r = 0 だから

∴{

C1 : x2 + y2 − 8x− 6y = 0 · · · · · · 4⃝

C2 : x2 + y2 − 4 = 0 · · · · · · 5⃝5⃝ − 4⃝から 8x+ 6y− 4 = 0となり,これは 4⃝と 5⃝の共有点を通る直線であるから

y = − 43x + 2

3

106 C2 : x2 − 6ax+ y2 − 8ay + 4 = 0を変形すると

(x− 3a)2 + (y − 4a)2 = 25a2 − 4

これが,2点以上からなる図形を表す,つまり,円を表すためには

25a2 − 4 > 0 ∴ a < − 25, 2

5< a

C1,C2 が 2つの共有点をもつとき,その 2つの共有点を通る直線の方程式は,C1,

C2 の辺々をひくことにより

(x2 + y2 − 1)− (x2 − 6ax+ y2 − 8ay + 4) = 0∴ 6ax + 8ay − 5 = 0

C1,C2 が 2つの共有点をもつ条件は,この直線が C1 と 2つの共有点をもつことであるから,(中心と直線との距離) < (半径)より

−5√(6a)2 + (8a)2

< 1 510 a

< 1 ∴ a > 12

よって a < − 12, 1

2< a

94

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2章:図形と方程式 2:円

107 条件より,2個の共有点を通る直線が 6x+

x

y

O2

22y + 5 = 0だから,円 C の方程式は

x2 + y2 − 4 + k(6x+ 2y + 5) = 0

とおける。これを整理すると

x2 + y2 + 6kx+ 2ky + 5k − 4 = 0

∴ (x+ 3k)2 + (y + k)2 = 10k2 − 5k + 4

半径は 3であるから

10k2 − 5k + 4 = 32

(2k + 1)(k − 1) = 0 ∴ k = 1, − 12

求める中心の座標は (−3k, −k)なので

(−3, −1) または(32, 1

2

)108 2つの円 C1 と C2 の相異なる 2つの交点 P,Qを通る直線の方程式は,

C1,C2 の方程式を辺々ひくことにより

(x2 + y2 − 24x− 10y + 44)− (x2 + y2 − 4x+ 10y + 4) = 0∴ x+ y − 2 = 0

C2 : x2 + y2 − 4x+ 10y + 4 = 0 を変形すると

(x− 2)2 + (y + 5)2 = 25

となるので,C2 の中心は (2, −5),半径は 5 である。

C2 の中心をA,AからPQに下ろした垂線の足をHとおくと,Aと直線 x+y−2 = 0の距離 AHは

P

QA

H

C1

C2x

y

O

AH =2 + (−5)− 2√

12 + 12=

5√2

2

三平方の定理より

PH =

√52 −

(5√2

2

)2

=5√2

2

Hは PQの中点なので,線分 PQの長さは

PQ = 2PH = 5√2{

C1 : x2 + y2 − 24x− 10y + 44 = 0 · · · · · · 1⃝C2 : x2 + y2 − 4x+ 10y + 4 = 0 · · · · · · 2⃝

1⃝, 2⃝の辺々をひいて y = −x+ 2

これを 2⃝に代入すると2x2 − 18x+ 28 = 0 (x− 2)(x− 7) = 0 ∴ x = 2, 7

よって,C1 と C2 の相異なる 2つの交点は (2, 0),(7, −5) であるから,線分 PQ

の長さは√(2− 7)2 + {0− (−5)}2 = 5

√2

95

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

3 軌跡と領域

3.1 距離の比が与えられた点の軌跡

109 平面上の 2点 (1, 6)および (5, 3)から等距離にある点の軌跡は直線

y = x+ である。 (日本大)

110 直線 y = 1√2x + 3と直線 y = − 1√

2x − 1から等距離にある点 Pの

軌跡を求めよ。 (兵庫大)

111 座標平面において,2点 A(−1, 0),B(2, 3)からの距離の比が 1 : 2で

ある点 Pの軌跡は円であることを示せ。 (九州芸術工科大)

ある条件のもとに点 Pが動くとき,点 Pのえがく図形をその条件をみたす点の軌跡といいます。軌跡を求めるには

解析的方法と幾何的方法

があります。解析的方法とは,動点 Pの座標を (x, y)とおいて,与えられた条件を

みたす x,y の関係式を求める方法です。幾何的方法で考えると

109 は 2点を結ぶ線分の垂直 2等分線

110 は 2直線のなす角の 2等分線

111 はアポロニウスの円

をそれぞれ求めることになります。

96

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

109 P(x, y),A(1, 6),B(5, 3)とおくと,PA = PBより

(x− 1)2 + (y − 6)2 = (x− 5)2 + (y − 3)2 ∴ y = 43x+ 1

2

2定点から等距離にある点の軌跡は 2点を結ぶ線分の垂直 2等分線である。

2点 (1, 6),(5, 3)の中点は(3, 9

2

),2点を結ぶ直線の傾きは 6− 3

1− 5= − 3

4であ

るから

y = 43(x− 3) + 9

2∴ y = 4

3x+ 1

2

110 P(x, y)とおくと,2直線 x−√2y + 3

√2 = 0,x+

√2y +

√2 = 0 までの距

離は等しいから,点と直線の距離の公式より

x−√2y + 3

√2√

1 + (−√2)2

=x+

√2y +

√2√

1 + (√2)2

x−√2y + 3

√2 = x+

√2y +

√2

∴ x−√2y + 3

√2 = ±(x+

√2y +

√2)

したがって,点 Pの軌跡は 2つの直線 y = 1, x = −2√2

111 P(x, y)とおくと,AP : PB = 1 : 2より

PB = 2AP ∴ PB2 = 4AP2

であるから

(x− 2)2 + (y − 3)2 = 4{(x+ 1)2 + y2}x2 + 4x+ y2 + 2y = 3

∴ (x+ 2)2 + (y + 1)2 = 8

したがって,中心 (−2, −1),半径 2√2の円である。 (証終)

97

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

3.2 軌跡の方程式

112 放物線 y = x2上の 2点 P(a, a2),Q(b, b2)が,b = a+ 2をみたしな

がら動くとする。このとき線分 PQの中点の軌跡の方程式を求め,グラフを

えがきなさい。 (津田塾大)

113 xy 平面上に原点 O(0, 0) を中心とする半径 1 の円 C とその上の点

A(1, 0)がある。円 C 上を動く点 Pに対して,3点 O,A,Pが三角形を作

るとき,その三角形の重心を Gとする。Gの軌跡を求めよ。 (広島大)

114 2本の直線

mx− y = 0 · · · · · · 1⃝ , x+my −m− 2 = 0 · · · · · · 2⃝の交点を Pとする。mが実数全体を動くとき,Pの軌跡は

円(x−

)2

+(y −

)2

= から

1点(

,)を除いたもの

となる。 (獨協医科大)

112 b = a+ 2より Q(b, b2)は P(a, a2)の x座標 aで表され,PQの中点も aで

表すことができます。

113 3点 A(a1, a2),B(b1, b2),C(c1, c2)でつくられる△ABCの重心Gの座標

は(a1 + b1 + c1

3,

a2 + b2 + c23

)です。

Gの座標を (X, Y )とおいて,動点 Pと Gとの関係式をつくりましょう。

114 交点 Pを m で表す必要はありません。m に対応して交点 Pが決まるので, 1⃝かつ 2⃝をみたす実数 m が存在するための x,y の条件を求めればよいのです。

98

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

112 線分 PQの中点を R(x, y)とおくと

x

y

O

y = x2 + 1

y = x2

1

||

||

P

Q

R

x = a+ b2

, y = a2 + b2

2

であり,b = a+ 2を代入してx =

a+ (a+ 2)

2= a+ 1 · · · · · · 1⃝

y =a2 + (a+ 2)2

2

= a2 + 2a+ 2 · · · · · · 2⃝1⃝より a = x− 1であり,これを 2⃝へ代入して

y = (x− 1)2 + 2(x− 1) + 2 ∴ y = x2 + 1

よって,求める軌跡の方程式は y = x2 + 1 であり,

これを図示すると右上図のようになる。

113 P(x, y)とし,△OAPの重心 Gの座標を (X, Y )とすると

x

y

OA

P(x, y)

1−1

1

−1

G

X = x+ 1

3

Y =y3

∴{

x = 3X − 1

y = 3Y

ここで,三角形OAPができる条件は y \= 0である。P(x, y)

は円 x2 + y2 = 1上の点なので

(3X − 1)2 + (3Y )2 = 1 かつ 3Y \= 0

∴(X − 1

3

)2+ Y 2 = 1

9かつ Y \= 0

したがって,求める軌跡は円(x − 1

3

)2+ y2 = 1

9から,原点 (0, 0)と

点(23, 0)を除いた図形 である。

99

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

114 1⃝かつ 2⃝をみたす実数 m が存在するための x,y の条件を求める。

( i ) x = 0 のとき, 1⃝より y = 0

(ii) x \= 0 のとき, 1⃝より mx− y = 0 ∴ m =yx

· · · · · · 3⃝

2⃝に 3⃝を代入してx+

yx

· y − yx

− 2 = 0

x2 + y2 − y − 2x = 0

∴ (x− 1)2 +(y − 1

2

)2= 5

4

x \= 0 より (0, 0),(0, 1) は除く。

( i ),(ii)より,求める軌跡は

円 (x− 1)2 +

(y − 1

2

)2

= 54から 1点 (0, 1) を除いたもの

100

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

3.3 パラメータで表示された点の軌跡

115 tを媒介変数とする。方程式{x = 3t+ 1

y = −2t+ 4

より,xと yの方程式を求めよ。 (高崎経済大)

116 放物線 C : y = x2 と直線 l : y = m(x− 1)は相異なる 2点 A,Bで交

わっている。

(1) 定数 m の値の範囲を求めよ。

(2) mの値が変化するとき,線分 ABの中点の軌跡を求めよ。

(北海学園大)

117 直線 y = axが放物線 y = x2 − 2x+ 2に異なる 2点 P,Qで交わると

き,点 P, Qと点R(1, 0)の作る三角形の重心をGとする。aを動かしたとき

の Gの軌跡を求めよ。 (日本女子大)

118 実数 x,yが x2 + y2 = 1という関係をみたしながら動くとき,

点 P(x+ y, xy)の軌跡を求め,図示せよ。 (名古屋市立大)

101

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

115 パラメータ(媒介変数)tを消去します。

116 放物線と直線の方程式を連立し

x2 = m(x− 1)

の 2実解を α,β とすると,中点 (x, y)は

x =α+ β

2, y =

α2 + β2

2

となります。ここで,中点 (x, y) は直線 y = m(x − 1) 上の点でもあるので,x 座

標が決まれば y 座標は y = m(x− 1) として決めることもできます。

一般に,パラメータ m を含む 2つの方程式 f(x, y, m) = 0,g(x, y, m) = 0 を

みたす点の軌跡を求めるということは

(∗)

{f(x, y, m) = 0

g(x, y, m) = 0

をみたす x,y の条件式を求めるということです。もう少し具体的にいうと,パラメータ m の値を与えることにより,(∗) をみたす点 (x, y) が対応するわけですから,(∗)をみたす実数 m が存在するための x,y の条件を求めるということになります。

117 内容は 116 と同じですが,式がだんだん複雑になってきます。

118

{X = x+ y

Y = xyとおくと,x2 + y2 = 1 は X,Y で表すことができます。ま

た,x,y は t2 −Xt+ Y = 0の解です。x,y が実数であるための条件を,X,Y で表すことを忘れないでください。

102

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

115

{x = 3t+ 1 · · · · · · 1⃝y = −2t+ 4 · · · · · · 2⃝

1⃝より t =x − 1

3であるから,これを 2⃝へ代入して

y = −2 · x− 13

+ 4 ∴ y = − 23x + 14

3

116 (1) C : y = x2,l : y = m(x− 1)より,交点の x座標は

x2 = m(x− 1) ∴ x2 −mx+m = 0 · · · · · · 1⃝の解であり,異なる 2点で交わることから,判別式を D とすると

D = m2 − 4m = m(m− 4) > 0

よって,求めるmの範囲はm < 0, 4 < m

(2) 交点 A,Bの x座標を α,β とおくと, 1⃝の解と係数の関係よりα+ β = m

よって,線分 ABの中点の x座標は

x =α+ β

2= m

2· · · · · · 2⃝

2⃝からm = 2xであり,y = m(x− 1) に代入すると

y = 2x(x− 1)

また,(1)より2x < 0, 2x > 4 ∴ x < 0, 2 < x

よって,求める軌跡は

放物線 y = 2x(x − 1) の x < 0, 2 < x をみたす部分

117 y = axと y = x2 − 2x+ 2を連立して

x2 − (a+ 2)x+ 2 = 0 · · · · · · 1⃝異なる 2点で交わるための条件は,判別式を D とすると

D = (a+ 2)2 − 8 = a2 + 4a− 4 > 0

a < −2− 2√2, a > −2 + 2

√2 · · · · · · 2⃝

2⃝の下で 1⃝の 2解を α,β (α < β)とおくと,解と係数の関係より

α+ β = a+ 2 · · · · · · 3⃝また,P,Qは y = ax上の点なので,P(α, aα),Q(β, aβ)と表せる。△PQRの重

心 Gの座標を (x, y)とおくと, 3⃝より

103

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

x =

α+ β + 13

= a+ 33

· · · · · · 4⃝

y =aα+ aβ

3=

a(α+ β)

3=

a(a+ 2)

3· · · · · · 5⃝

2⃝, 4⃝, 5⃝を同時にみたす aが存在するための x, y の条件を求める。4⃝より a = 3x− 3であり, 5⃝へ代入して

y =(3x− 3)(3x− 3 + 2)

3= (x− 1)(3x− 1)

さらに 2⃝より3x− 3 < −2− 2

√2, 3x− 3 > −2 + 2

√2

∴ x <1− 2

√2

3, x >

1 + 2√2

3

以上より,求める Gの軌跡は

放物線 y = (x − 1)(3x − 1) の x <1 − 2

√2

3, x >

1 + 2√2

3を

みたす部分

118 P(X, Y )とおくと,

{X = x+ y

Y = xyなので,x, y は t2 − Xt + Y = 0の

実数解である。

したがって,判別式を D とすると,x, y が実数より

D = X2 − 4Y = 0

∴ Y 5 14X2

さらに,x2 + y2 = 1より

(x+ y)2 − 2xy = 1

であるから

X2 − 2Y = 1 ∴ Y = 12X2 − 1

2

以上より,Pの軌跡は,放物線

x

y

O

12

−1 1

− 12

−√2

√2

     y = 12x2 − 1

2

y = 14x2

y = 12x2 − 1

2かつ y 5 1

4x2

すなわち

放物線 y = 12x2 − 1

2の

−√2 5 x 5

√2 をみたす部分

であり,図示すると右図の実線部分となる。

104

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

3.4 不等式で表された領域

119 次の連立不等式が表す領域の面積を求めよ。{x2 + y2 − 2x 5 0

x+ y − 2 = 0(専修大)

120 不等式 (x2 − 4x+ y2 − 2y+1)(x− y+1) 5 0の表す領域を図示せよ。

(東京芸工大)

121 次の不等式が表す領域を図示せよ。

(1) x − y > 0 (津田塾大 改)

(2) x + 2y 5 2 (北見工業大)

119 不等式で表された領域とは,不等式をみたす点 (x, y)の集合のことです。

• y > f(x) (y < f(x))は,y = f(x)のグラフの上側(下側)

• (x− a)2 + (y − b)2 > r2 (< r2)は,

円 (x− a)2 + (y − b)2 = r2 の外部(内部)

を表します。

120 AB 5 0 ⇐⇒

{A = 0

B 5 0または

{A 5 0

B = 0です。

121 (1) 絶対値記号を含む不等式です。中身の符号で場合分けすると 4つの場合分

けが必要となります。

x − y > 0 ⇐⇒ y < x ⇐⇒ y2 < x2

として絶対値記号をはずすこともできますね。

あるいは,式の対称性に目をむけるのもよい方法です。

(2) 式の対称性に着目しましょう。

105

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

119 x2 + y2 − 2x 5 0 ∴ (x− 1)2 + y2 5 1

1

1

2

2

x

y

O

より,中心 (1, 0),半径 1の円の周および内部であり

x+ y − 2 = 0 ∴ y = −x+ 2

より,直線 y = −x+ 2 の上側である。よって,領域は右図の斜線部分となる。ただし,境界を含む。

したがって,求める面積は半径 1の四分円から 3辺が

1,1,√2の直角二等辺三角形を除けばよいので

14π · 12 − 1

2· 1 · 1 = π

4− 1

2

120 (x2 − 4x+ y2 − 2y + 1)(x− y + 1) 5 0

⇐⇒

{(x− 2)2 + (y − 1)2 = 4

y = x+ 1

または

{(x− 2)2 + (y − 1)2 5 4

y 5 x+ 1

x

y

O 2

3

1

であり,右図の斜線部分。ただし,境界を含む。

121 (1) x − y > 0より y < x であるから,両辺を

x

y

O

y = x

y = −x

2乗して

y2 < x2 ∴ (y + x)(y − x) < 0

すなわち{y > −x

y < xまたは

{y < −x

y > x

よって,求める領域は,右図の斜線部分。ただし,境界は含まない。

y < x は x 軸,y 軸に関して対称な領域だから,x > 0 かつ y > 0 のとき

の領域を図示して,x軸および y 軸に関して対称移動させると同じ領域を得る。

(2) x + 2y 5 2 は x 軸および y 軸に関して対称な領域である。

x = 0 かつ y = 0 のときの領域は

2

1

−2

−1x

y

O

x+ 2y 5 2

の x = 0,y = 0 の部分であるから,これを x 軸に関し

て,さらに y 軸に関して対称移動させればよいので,求める領域は 右図の斜線部分。ただし,境界を含む。

106

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3.5 通過領域

122 xy平面上の 2点 (t, t),(t− 1, 1− t)を通る直線を ltとする。次の問

いに答えよ。

(1) lt の方程式を求めよ。

(2) t がすべての実数を動くとき,lt の通り得る範囲を図示せよ。

(京都産業大)

123 実数 tに対して xy平面上の直線 lt : y = 2tx− t2 を考える。次の問に

答えよ。

(1) 点 Pを通る直線 lt はただ 1つであるとする。このような点 Pの軌跡の

方程式を求めよ。

(2) t が t = 1 の範囲を動くとき,直線 lt が通る点 (x, y) の全体を図示

せよ。 (神戸大)

122 直線 lt : f(x, y, t) = 0の通り得る範囲を求めるということは,通り得る範囲

を表す x,y の不等式を求めることです。

パラメータ tが 1つ与えられると直線が 1本に決まり,その直線上の点が求める領域内の点ということになります。すなわち,f(x, y, t) = 0をみたす実数 tが存在

するための x, y の条件を求めればよいわけです。パラメータ表示された点の軌跡を求めるときの考え方と同じですね。

123 (2) 122と同じように考えればよいのですが,パラメータ t に t = 1 という

条件がついていることに注意しましょう。t の 2次方程式についての解の配置の問題となります。

あるいは,直線 lt は (1)で求めた軌跡の接線になっていることに気づくと直接領域

を図示することもできます。(1)の軌跡はパラメータ t を動かしてできる直線群の包

絡線とよばれています。

107

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

122 (1) 求める直線 lt の方程式は

y =t− (1− t)

t− (t− 1)(x− t) + t ∴ y = (2t − 1)x − 2t2 + 2t

(2) (1)を tについて整理すると

x

y

O

y = 12x2 + 1

2

12

2t2 − 2(x+ 1)t+ x+ y = 0

これが実数解 t をもつための x,y の条件を求めればよいから,判別式 = 0より

(x+ 1)2 − 2(x+ y) = 0

∴ y 5 12x2 + 1

2

したがって,lt の通過する領域は,右図の斜線部分で,境界を含む。

123 lt の方程式を t について整理すると

t2 − 2xt+ y = 0

f(t) = t2 − 2xt+ y とおく。

(1) f(t) = 0 がただ 1つの実数解をもつための x,y の条件を求めればよいから,

判別式を D としてD4

= x2 − y = 0 ∴ y = x2

(2) f(t) = 0 が t = 1 の範囲で少なくとも 1 つの実数y = x2

1

1−1

−1x

y

O

解をもつための x,y の条件を求めればよい。

軸 t = x の位置で場合分けする。( i ) x 5 −1 または 1 5 x のとき

D = 0 ∴ y 5 x2

(ii) −1 < x < 1 のとき

f(−1) 5 0 または f(1) 5 0∴ y 5 −2x− 1 または y 5 2x− 1

( i )または (ii) を図示すると右上図の斜線部分となる。ただし,境界を含む。

(1) より lt は放物線 y = x2 の接線であるから,

1

1−1

−1x

y

O

t = 1 の範囲で接線を引くことにより,lt の通過領域

は右図の斜線部分である。ただし,境界を含む。

108

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

3.6 領域における最大・最小

124 x,yが 3つの不等式 x 5 2,x+ 2y − 8 5 0,2x+ y − 4 = 0 をみた

すとき,x+ yのとる値の最大値,最小値を求めよ。 (大阪工業大)

125 (1) 次の不等式の表す領域Dを図示せよ。

|x| 5 y 5 − 12x2 + 3

(2) 領域Dの点 (x, y)についてy

x+ 72

がとる値の範囲を求めよ。

(北海道大)

126 点 (x, y)が連立不等式{y = x2 − 1

y 5 x+ 1

の表す領域を動くとき,

x2 + y2 − 4yの最大値と最小値を求めよ。 (熊本大)

127 二種類の食品A,Bの 100g当たりの栄養素含有量は下表の通りである。

糖 質 蛋白質 脂 質

A 20g 5g 3g

B 10g 10g 3g

食品 Aと Bを組み合わせて糖質を 40g以上,蛋白質を 20g以上とる必要が

ある。一方,脂質摂取量は最小に押さえたい。このような条件下で脂質は何

グラムとることになるか。 (自治医科大)

109

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

124 まずは,3つの不等式で表された領域を図示します。この領域をDとしましょ

う。x+ y の値が k である,ということはx+ y = k をみたす点 (x, y)が D に存在する

ということです。すなわち

直線 x + y = kと領域D が共有点をもつということです。傾き −1の直線 y = −x+ kを Dと共有点をもつように動かして y切片 k の最大・最小を調べればよいわけです。

125y

x+ 72

= mとおくと,y = m(x+ 7

2

)であり,mは点

(− 7

2, 0)を通る直

線の傾きを表します。(1)の領域D とこの直線とが共有点をもつためのmの条件を

考えます。

126 x2 + y2 − 4y = k とおくと x2 + (y − 2)2 = k + 4であり,k + 4 > 0のとき,√k + 4は中心 (0, 2)の円の半径です。

127 A,Bをそれぞれ x g,y gとったとして,与えられた条件を式で表してみましょ

う。このときの脂質摂取量は 3100

x+ 3100

y です。

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

124 x 5 2, x+ 2y − 8 5 0, 2x+ y − 4 = 0

∴ x 5 2, y 5 − 12x+ 4, y = −2x+ 4

x

y

O

x+ 2y − 8 = 0

x = 2

2x+ y − 4 = 0

4

2 8

(2, 3)

y = −x + k

k

k領域は右図の斜線部分で,境界を含む。

x+ y = k(kは実数)とおくと,y = −x+ kとなり,傾き −1の直線を表す。

この直線の y 切片 k の値が最大となるのは点(2, 3) を通るときであり,また,最小となるのは

点 (2,0)を通るときである。よって

最大値 : 5,最小値 : 2

125 (1) y = x =

{x (x = 0)

−x (x < 0)より,

D は右の斜線部分となる。ただし

境界線を含む。

1−√7

√7−1

y = − 12x2 + 3   

y = −x y = x

− 72

3

O x

y

D

(2)y

x+ 72

= mとおくと

y = m(x+ 7

2

) (x \= − 7

2

)なので,mは点

(− 7

2, 0)を通る直線の傾きを表す。この直線がD と共有点をも

つときのmの範囲を求めればよい。

まず,直線が y = − 12x2 + 3と接するのは

m(x+ 7

2

)= − 1

2x2 + 3 ∴ x2 + 2mx+ (7m− 6) = 0 · · · · · · 1⃝

が重解をもつときであるのでD4

= m2 − (7m− 6) = (m− 1)(m− 6) = 0 ∴ m = 1, 6

このとき, 1⃝の解は x = −mであり,接点が D 内にあるのは

1−√7 5 −m 5

√7− 1 ∴ 1−

√7 5 m 5

√7− 1

よって,m = 1のときmは最大となる。

また,(0, 0)を通るときmは最小でm = 0となる。

以上より 0 5 y

x + 72

5 1

111

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2章:図形と方程式 3:軌跡と領域

126 連立不等式の表す領域を D とすると,D は図の斜

x

y

O

A2

−1

−1 2

3

線部分となる。ただし,境界を含む。

x2 + y2 − 4y = k とおくと

x2 + (y − 2)2 = k + 4

点 (0, 2)はDの外部にあるから,x2 + (y− 2)2 > 0であ

り,これは中心 A(0, 2),半径√k + 4の円を表す。この

円とD が共有点をもつときの k の範囲を調べる。

Aと x− y + 1 = 0の距離は0− 2 + 1√12 + (−1)2

= 1√2な

ので,k が最小となるのは√k + 4 = 1√

2∴ k = 1

2− 4 = − 7

2

次に y = x2 − 1上の点を P(t, t2 − 1) (−1 5 t 5 2)として

AP2 = t2 + (t2 − 3)2 = t4 − 5t2 + 9 =(t2 − 5

2

)2+ 11

4(0 5 t2 5 4)

より,APは t = 0のとき最大値

√254

+ 114

= 3をとる。このときの APが最大と

なる場合の半径なので√k + 4 = 3 ∴ k = 9− 4 = 5

以上より最大値 5, 最小値− 72である。

127 Aを x g,Bを y gとるとすると,x = 0,y = 0 · · · · · · 1⃝である。また,糖質については

x× 0.2 + y × 0.1 = 40 ∴ y = −2x+ 400 · · · · · · 2⃝蛋白質については

x× 0.05 + y × 0.1 = 20 ∴ y = − 12x+ 200 · · · · · · 3⃝

さらに,このときの脂質を k gとすると

k = 0.03x+ 0.03y ∴ y = −x+ 1003

k · · · · · · 4⃝

1⃝, 2⃝, 3⃝の表す領域を D として,D の下で 4⃝を

x

y

O

y = −2x+ 400

400

200

200 4004003

4003

y = − 12x+ 200

みたす k の最小値を求めればよい。

4⃝は傾き−1,y切片 1003

kの直線を表すので,Dと

共有点をもつときの kの最小値は 4⃝が(4003

, 4003

)を通るときである。よって,このとき

k = 0.03× 4003

+ 0.03× 4003

= 4 + 4 = 8(グラム)

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