インタラクションデザインおよびメディアアートにおける...

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1 インタラクションデザインおよびメディアアートにおける オープン化方法の検討と実践 IPSJデジタルコンテンツクリエーション研究会第7回研究発表会 2014 / 5 山口情報芸術センター[YCAM] / 九州大学 坂井洋右 山口情報芸術センター [YCAM] 伊藤隆之

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インタラクションデザインおよびメディアアートにおける オープン化方法の検討と実践(Study in Method and Practice of Open Source Development in Interaction Design and Media Art), 情報処理学会デジタルコンテンツクリエーション研究会第7回研究発表会(IPSJ_DCC_7th) 2014 / 5

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インタラクションデザインおよびメディアアートにおける オープン化方法の検討と実践

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IPSJデジタルコンテンツクリエーション研究会第7回研究発表会 2014 / 5

○ 山口情報芸術センター[YCAM] / 九州大学 坂井洋右 山口情報芸術センター [YCAM] 伊藤隆之

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山口情報芸術センター [YCAM] ‣ メディアアートに特化したアートセンター

‣ プロダクションチーム “YCAM InterLab”

www.ycam.jp

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「インタラクションデザインおよびメディアアートにおける オープン化方法の検討と実践」 !

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・インタラクションデザインにおけるオープン化のガイドライン制作 ・メディアアートにおけるオープン化の実践 !

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インタラクションデザインにおける知的財産運用? >> オープンな知的財産運用!

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方法? >> ガイドライン!

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実践? >> 山口情報芸術センター[YCAM]での事例!

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背景

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インタラクションデザイン (IxD) = コンピュータを介したコミュニケーションの設計

‣ 成果: software, hardware, contents ‣ デジタルサイネージやユビキタスコンピューティングの発展 ‣ 政策面でも重視

‣ e.g. 知的財産推進計画2006、技術戦略マップ2010

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背景

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”Catchyoo Graffiti” シャネル ブログバズ・キャンペーン, LM3LABS社

“Freqtric Drums”, 馬場哲晃

小規模プロダクションや個人が、活発かつ創造的・挑戦的に活動>> 業界・市場を牽引し、研究開発を行う

< software, contents

< software, hardware, contents

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背景

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IxDとメディアアート (=ビデオ以降のメディアを用いるアート)

IxD Media Art

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背景

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「 IxDではどのような知的財産運用が適しているか?

どのようにすれば良いか? 」

IxDにおける知的財産運用の研究は、十分に行われてこなかった

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背景

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知的財産運用の目的: !

クリエイティビティの向上!e.g. 著作権法>> “文化の発展に寄与する” 特許法>> “産業の発達に寄与する”

クリエイティビティ: !

アイディアや成果を生み出すこと!その質・量、その可能性

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背景

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近年のクリエイションの状況‘Fablab’ ‘メイカー’ ‘フリーミアム’!

‘オープンデザイン’

・成果、知識、経験のオープンな共有にもとづく!・クリエイティビティ向上!・インターネットの普及!・構造の変化 (“ものづくりの民主化”、収益の確保)

行政もオープンな運用を重視*

*「知的財産推進計画2013」”新たなイノベーションの源泉としてオープンソースでの著作物の利用の促進を図る必要がある。”etc

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背景

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先行研究

“インタラクションデザインにおける知的財産運用に関する研究 - 現行法制度を利用した事例の検討” 坂井, 浜田 芸術科学会論文誌 12(1) 1-10 2013年3月 

“インタラクションデザインにおける知的財産運用に関する研究 - 現行法制度を利用した事例の検討”

・IxDにおける特許権などを用いた独占排他的運用

>> 有効性に疑問!>> 問題点の指摘

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背景

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IxDにおけるオープンな知的財産運用!

IxDにおけるオープンな知的財産運用?

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背景

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オープンな知的財産運用?

成果を第三者が一定の範囲で自由に利用できる状態におき (=オープン化)、 更なる発展を促す運用 成果にライセンスを適用し公開 (BSD License 、GNU GPL、CreativeCommons License etc)

・OpenSourceSoftware ・OpenSourceHardware ・OpenContents

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目的

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IxDにおけるオープンな知的財産運用

ガイドライン制作

実践

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目的

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ガイドライン制作

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方法

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調査項目ごとの共通点(最頻出要素)の抽出

ガイドライン (=IxDに適したオープン化の方法)

IxDにおけるオープン化の事例調査

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結果

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IxDにおけるオープン化の基本ガイドライン

>> IxDに適したオープン化 (おすすめ)

要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 応用性・汎用性が高いプラットフォームであること

利用環境 マルチOSに対応すること

拡張機能 可能であればユーザが開発した成果を拡張機能としてシステムに取り込む機能をもつこと

ポスト プロダクション

適用ライセンス 自由に派生物を作成し利用できるライセンスを用いること

公開ウェブサイト 無料のウェブサイトを活用すること

ドキュメント チュートリアル・サンプル・事例紹介を含むドキュメントを公開すること

コミュニティ フォーラム・メーリングリストなどを用いてコミュニティを運営すること

ニュース 更新情報などを掲載すること

注: 適合しないものでも高いクリエイティビティを実現できるものは検討対象

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結果

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オープンな運用の実施に際して検討すべき点 (要件)

[プロジェクト共通] オープンな運用が、クリエイティビティ向上?[プロジェクト個別] オープンな運用が、各プロジェクトの環境と整合するか? ・実施主体の経営方針 ・プロジェクトの目的 etc

>> マッチすればOK

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目的

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IxDにおけるオープンな知的財産運用

実践

山口情報芸術センター[YCAM]の事例

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実践

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山口情報芸術センター[YCAM] ・メディアアートに特化したアートセンター ・プロダクションチーム “YCAM InterLab” ・実施事業  (1)文化及び芸術の創造並びに振興のための事業  (2)市民の自主的な文化活動の支援に関する事業  (3)情報技術を活用した教育・学習支援活動及び調査・研究事業

オープン化 >> 成果の波及、プレゼンス向上、アーカイブ構築

公共のアートセンター

<< クリエイティビティ向上 + 経営方針に適合!!

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実践

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各プロジェクトの環境と整合するなら成果のオープン化を実施

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実践

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山口情報芸術センター[YCAM]におけるオープン化の事例

·Forest Symphony (2013) ·YCAMサマースクール (2013) ·YCAMサマースクールでの成果公開の同意書 (2013) ·Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013) ·GRP Contract Form (2013) ·Guest Research Project vol.2 (2012) ·EyeWriter 2.0 のつくりかた (2012) ·Guest Research Project vol.1 (2011) ·Choreography filmed: 5days of movement (2011)

YCAMにおけるオープン化の試み http://interlab.ycam.jp/開発実績/ycamにおけるオープン化の試み

(メディア技術,コンテンツ,契約関連ドキュメント,ワークショップ)

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実践

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Forest Symphony (2013)各地の樹木の生体電位をもとにサウンドを生成するインスタレーション作品 国内5カ所、アメリカ、オーストラリア、ハンガリー、計9カ所で計測 http://interlab.ycam.jp/projects/forestsymphony

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実践

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Forest Symphony (2013)

・樹木の生体電位計測デバイス等のオープン化 !

! ! ! ! > デバイス設計情報、サンプルソフトウェア、生体電位データ・ハードウェア完成品販売 (アンプシールド、ツールキットセット)!

! ! ! ! > ツールキットセットが完売

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実践

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要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 樹木用生体電位計測デバイス (Arduinoシールド)

利用環境 Arduino

拡張機能 なし

ポスト プロダクション

適用ライセンス Apache License 2.0、CC BY-SA、CC0

公開ウェブサイト Github、ポータルを既存のウェブサイト(YCAM)に追加

ドキュメント チュートリアル・サンプル・事例紹介

コミュニティ なし

ニュース なし

Forest Symphony (2013)

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実践

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Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013)環境の中で主体的に情報を発見し、豊かな動きのイマジネーションを見出すための反応装置 3カ国でワークショップ、デモンストレーションを実施 http://interlab.ycam.jp/projects/ram

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実践

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Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013)

・ローコストの慣性式モーションキャプチャーシステムである”MOTIONER” ・クリエイティブなダンスのための環境を作り出すC++のツールキット ”RAM Dance Tookit”

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実践

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要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 動きのイマジネーションを見出すための反応装置

利用環境 openFrameworksと連携して動作(Mac,Win,Linux)

拡張機能 様々なモーションキャプチャシステムに対応

ポスト プロダクション

適用ライセンス Apache License 2.0, GPL, CC BY-SA

公開ウェブサイト Github、ポータルを既存のウェブサイト(YCAM)に追加

ドキュメント チュートリアル・サンプル(事例紹介なし)

コミュニティ なし

ニュース なし

Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013)

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実践

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ofxTimeline、Duration リアルタイム処理を行うシステムを、タイムラインでコントロールするライブラリ、ソフトウェア http://interlab.ycam.jp/projects/guestresearch/vol2

!Guest Research Project vol.2 (2012)

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実践

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Blaus (Playmodes) Laser beams, light and sound installation | VAD Festival | Girona | 2012 HONORARY MENTION, PRIX ARS ELECTRONICA 2013 http://playmodes.com

キラキラウィンターファーム2012 (Rhizomatiks) Switch No2 vol31, 2013

!Guest Research Project vol.2 (2012)

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実践

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要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 汎用的なタイムラインコントロールソフトウェア

利用環境 openFrameworksで動作(Mac,Win,Linux)

拡張機能 なし (ユーザがライブラリとして取り込み可能)

ポスト プロダクション

適用ライセンス Apache License 2.0

公開ウェブサイト Github、ポータルを既存のウェブサイト(YCAM)に追加

ドキュメント チュートリアル•サンプル(事例紹介なし)

コミュニティ Github(ISSUES)

ニュース Github(ISSUES)

!Guest Research Project vol.2 (2012)

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実践

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ProCamToolKit、mapamok プロジェクションマッピングに必要なキャリブレーションを容易に実現するためのソフトウェア http://interlab.ycam.jp/projects/guestresearch/vol1

Guest Research Project vol.1 (2011)

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実践

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‘Girls Night Out’ (Lex van der Sluijs) (City Life Church, The Hague, 2012) Real-time projection mapping (II) http://twnkls.com/2014/01/26/real-time-projection-mapping-ii/ マルチプロジェクターのサポート、コンテンツを有するショーセグメントを規定する機能、 ヴィジュアライゼーションをコントロールするGUIを追加 Githubで公開

Guest Research Project vol.1 (2011)

Youtube公開事例

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実践

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要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 プロジェクションマッピングのキャリブレーションを行うソフトウェア

利用環境 openFrameworksで動作(Mac,Win,Linux)

拡張機能 なし(ユーザがライブラリとして取り込み可能)

ポスト プロダクション

適用ライセンス MIT License

公開ウェブサイト Github、ポータルを既存のウェブサイト(YCAM)に追加

ドキュメント チュートリアル•サンプル(事例紹介なし)

コミュニティ Github(ISSUES)

ニュース Github(ISSUES)

Guest Research Project vol.1 (2011)

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実践

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GRP Contract Form (2013)クリエイティブでオープンな恊働の枠組(=フレームワーク)を実現する 共同研究開発契約書のひながた Guest Research Project vol.2 (2012) ・Reactor for Awareness in Motion (RAM) (2013) http://interlab.ycam.jp/projects/grp-contract-form

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実践GRP Contract Form (2013)

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・オープンソースコードと同様に、多くの人々が自由に利用し、改変し、 派生物を生み出せるようにするためオープン化 ・オープン•リーガルデザイン

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実践

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要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 クリエイティブでオープンな恊働の枠組(=フレームワーク)を実現する共同研究開発契約書のひながた(汎用性を担保)

利用環境 - (言語:日本語、英語)

拡張機能 モジュール構造

ポスト プロダクション

適用ライセンス CC BY-SA

公開ウェブサイト Github、ポータルを既存のウェブサイト(YCAM)に追加

ドキュメント チュートリアル•サンプル•事例紹介

コミュニティ ISSUES(Github)

ニュース ISSUES(Github)

GRP Contract Form (2013)

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実践

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・二次利用された > アート作品 世界的な評価を受けた事例も > ビジネス(クライアントワーク) ・自ら製品化したものを販売

当初の目的を達成 文化創造や波及・プレゼンス向上・アーカイブ作成

成果は蓄積され、誰もが利用できるようになった

結果

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実践

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検討 (ガイドライン) IxDにおけるオープン化の基本ガイドライン

要素 指針

プリ プロダクション

成果の性質 応用性・汎用性が高いプラットフォームであること特化した機能ならば可用性・訴求力が高いこと

利用環境 多くのユーザが利用可能 (普及したプラットフォームに対応 or マルチプラットフォームに対応)

拡張機能 可能であればユーザが開発した成果を拡張機能としてシステムに取り込む機能をもつこと

ポスト プロダクション

適用ライセンス 自由に派生物を作成し利用できるライセンスを用いること

公開ウェブサイト 無料のウェブサービス・既存のウェブサイトを活用

ドキュメント チュートリアル・サンプル・事例紹介を含むドキュメントを公開すること

コミュニティ フォーラム・メーリングリストなどを用いてコミュニティを運営すること

ニュース 更新情報などを掲載すること

注: 適合しないものでも高いクリエイティビティを実現できるものは検討対象

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実践

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検討 (ガイドライン) ライセンスの指針 ( 山口情報芸術センター [YCAM] )

対象 ライセンス 採用理由Software Apache License 2.0

(Guest Research Project vol.2より) 自由度,特許関連条項

Hardware CC BY-SA(図面等) (OSHW Definition準拠) (Reactor for Awareness in Motion (RAM)より) 自由度,マネタイズ可能

Document CC BY-SA (EyeWriter2.0のつくりかたより) 自由度,マネタイズ可能

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実践

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オープンな運用がプロジェクトの目的と整合? ‣ 全てをオープン化している訳ではない ・プロジェクトの目的・作品の性質に応じて判断 ・プロジェクトの要素ごとにも判断  クリエイティビティ向上  成果の波及、プレゼンス向上、アーカイブ構築

 e.g. Forest Symphony

気づき・課題

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実践

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討 ライセンス

GPLを適用したもの (MOTIONER: Arduino, Processing) ‣ 既存のGPLを適用したコードを利用

 ・コードを新規に書くことで解決   労力とのバランス

気づき・課題

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実践

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討

事例紹介 ‣ 導入、訴求力

‣ 追跡調査に人手・時間が必要 ‣ 今後の課題 ‣ (YCAMにおけるオープン化の試み)

ドキュメントチュートリアル

‣ 導入、アーカイブ ‣ 制作に人手・時間が必要

‣ しっかり準備、事前のコンセンサス

気づき・課題

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実践

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討

コミュニティ “フォーラム・メーリングリストなどを用いてコミュニティを運営”

ニュース “更新情報などを掲載すること”

‣ 重要性は認識

‣ 人手・時間が必要 (できているものも)

‣ 今後の課題

‣ プロジェクトの進展に応じてコミュニティ運営

気づき・課題

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実践

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討

利用事例が見当たらないケース

‣ アーカイブ

‣ マイナー but 将来性

‣ いずれ誰かが利用できる

‣ 周知の不足 << 今後の課題

‣ 追跡調査の不足 << 今後の課題

気づき・課題

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実践

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ハードウェアのパッケージ販売

オープン化した場合でも完成品の販売が可能

・実装する手間より安く感じる ・プレミア感 ・オープン化しているアドバンテージ ・ソフトウェアでも可能?

PL保険加入・注意喚起書類作成

気づき・課題

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実践

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法律アドバイザへのアクセス

‣ 当該領域に造詣の深い法律専門家

‣ メディアアートの知識、オープン化の経験のある弁護士

気づき・課題

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実践

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討

複数の部署のプロジェクト

‣ 横断的にオープンな運用のノウハウの蓄積・共有

‣ より実務的なオープン化の実践マニュアル

気づき・課題

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課題

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‣ 独占排他的な運用とオープンな運用の切り分けについての検討

‣ ガイドラインのブラッシュアップ

‣ 周知・追跡調査の促進

‣ コミュニティ運営・ニュースの対応

‣ ノウハウの蓄積・共有 (マニュアル作成)

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今後の展開

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知的財産推進計画2005, 知的財産戦略本部

知財運用のモデル

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今後の展開

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プリ・プロダクション(PLAN) 経営方針・プロジェクト目的との整合確認!マーケティング(SWOT分析も?)!

資金調達!リスク検討(知財、財務など) *1!

オープン化の仕様の検討!コンセンサス(共同研究開発者など) *2

IxDにおける知財運用モデル (PDCAサイクル)プロダクション(DO) 研究開発・制作!進行の修正!コンセンサス(WS参加者など) *3

ポスト・プロダクション(DO) オープン化!波及(広報、製品販売)!

権利化・リスク低減!収益(売り上げ、ロイヤリティー)

レヴュー(CHECK)

当初目的に対する効果の評価

*1 A Study in Patent Risk and Countermeasures Related to Open Management in Interaction Design 筆者 International Journal of Asia Digital Art and Design 17(1) 18-24 2013年4月!*2 GRP Contract Form の制作と公開 筆者ら 情報処理学会デジタルコンテンツクリエイション研究会 2013年11月 !*3 YCAMサマースクールでの成果公開の同意書 (2013)

アップデート(ACTION)

プロセスの改善

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今後の展開

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‣ 知識経営、技術経営(オープンイノベーション etc)の導入

‣ 商標権など産業財産権と組み合わせた運用

‣ 他領域との連携・今日的なクリエイションの枠組の導入 e.g. Fablab (メタデザインのオープンデザイン)   クラウドファウンディング (資金) etc

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ご清聴ありがとうございました

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インタラクションデザインおよびメディアアートにおける オープン化方法の検討と実践