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国際交流基金日本語教授法シリーズ第13巻
『教え方を改善する』 ~教師の学びと成長を支援する~
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国際交流基金関西国際センター公開講座
2011年9月9日(金)16:00~18:00
(独)国際交流基金日本語国際センター
古川 嘉子([email protected])
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国際交流基金日本語教授法シリーズ 全14冊 完結!
何を、どう 教える?
よりよく教えるために、 どうする?
今日の目的・目標
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*目的⇒本書の紹介 *目標⇒ ・いくつかのタスクを通じて、内容を理解 していただくこと ・「ちょっとやってみようかな」と思って帰っ ていただくこと
今日の流れ
0.はじめに 今日の流れと目的・目標
1.「教え方を改善する」とは?
2.教え方をふり返る
3.教え方を改善するための活動
4.改善を広い視野でとらえる
5.まとめ
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本書の構成
1.「教え方を改善する」とは?
2.教え方をふり返る
3.教え方を改善するための活動
4.改善を広い視野でとらえる
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1 「教え方を改善する」とは
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【質問1】さまざまな教師の悩み、課題 p.3
①学習者が小さい「つ」(促音)が言えません。
②「は」と「が」を初級の学習者にどう説明したらいい?
③初めて中級を教えます。初級の教え方と違いますか。
④学習者は、文法はよくできますが、話せるようになりません。話せるようになるには、どうしたらいいでしょう。
⑤自分でテストを作ろうと思います。注意することは?
⑥教え始めて3年、授業に新鮮さがなくなってきて、ちょっとつらいです。
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突然ですが…タスク1
1.「教え方を改善する」とは?①
「今の教え方よりも効果的な教え方を考えて
実践すること」(p.2)
そのためには……
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1.「教え方を改善する」とは?② 教え方の改善モデル(p.2)
本書 他の13巻
1.「教え方を改善する」とは?③
改善は、なぜ必要?
1.学習者のためによりよく教える
2.周りが変わる
・機関や学習者
・教育や学習理論の発展
・社会の変化(教育、科学技術、ニーズ…)
3.自分が変わる
・経験、役割
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【課題1】教育ストラテジー p.11~12
1)授業中にしていること
① 媒介語を使って、くわしい文法説明をする
② 例文から語彙の意味を推測させる
③ 新しい文型は何度も繰り返して言わせる
④ 学習者が間違えたらすぐに直す
⑤ 学習者にペアワークやグループワークをさせる
教授法シリーズ第1巻『日本語教師の役割/コースデザイン』
【質問39】p.38,39を利用
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タスク2
配布資料 p.1
1.「教え方を改善する」とは:構成
1‐1.「教え方を改善する」とは
1‐2.社会の変化と日本語教育
1‐3.経験からの学び
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2 教え方をふり返る
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2.教え方をふり返る:構成
2-1.いろいろな方法で教え方をふり返る
① チェックリスト
② 授業日誌
③ 学習者アンケート
④ 授業の録画・録音と文字化
⑤ 教師同士の授業観察
2-2.授業をふり返る
【質問12】教え方をふり返る方法②授業日誌 p.22
○月△日(×曜日)
2年生の漢字の授業で、4課の漢字を12字教えた。今まで習った漢字と組み合わせて、まだ習っていない熟語を見せて意味を推測させた。漢字をよく勉強している学生は、ほとんどの意味を正しく推測できたので、驚いた。漢字が苦手な学生もうまく推測できるようになるにはどうしたらいいだろうか。
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タスク3
配布資料 p.1
コースの終わりに行う学習者アンケート例 p.23~25
次のような学習者アンケートの例が出ていますが、
みなさんの教室では、どんなことを、どのような形で
聞くのが適切だと思いますか。
(A)スケールにする
(B)当てはまるものを1つ選ぶ
(C)項目を選ぶ
コメントシート 16
タスク4
配布資料 p. 2
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2.教え方をふり返る:構成
2-1.いろいろな方法で教え方をふり返る
① チェックリスト
② 授業日誌
③ 学習者アンケート
④ 授業の録画・録音と文字化
⑤ 教師同士の授業観察
2-2.授業をふり返る
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2‐2.授業をふり返る①
(1)授業の構成をふり返る
① 授業の目標を考える
② 授業活動を考える
③ 評価のしかたを考える
→ P先生(p.38~41)、Q先生(p.41~43)
の例
目標設定の参考: JF日本語教育スタンダード
配布資料 p. 3
2‐2.授業をふり返る②
≪課題7≫p.47改変
教案を書きますか。何のために教案を書きますか。
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授業前
•準備
•目的・目標⇒流れ⇒評価
授業中 •計画の確認とその場での対応
授業後
•ふり返り
•改善点の記録
3 教え方を改善するための活動
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3.教え方を改善するための活動:構成
3-1.1つの課題をみんなで考える
3-2.それぞれの課題をみんなで考えて改善する
3-3.改善を研究につなげて発表する
<アクション・リサーチ>
3-4.みんなで学ぶ場を作る
<研修会やセミナー>
3-2.それぞれの課題をみんなで考えて改善する。
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タスク5
1.問題の発見
2.改善の計画
3.改善の実行
4.結果の観察・行動のふり返り
目標を明確にしたら?
技能中心はどう?
学生に授業報告書を書かせたら?
大学教師M先生①:問題の発見→相互アドバイス
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既習者だけど、初級の定着はバラバラ。復習が必要だけど、初級の教科書はちょっと…。
学生に希望を聞いて、歌を使って文法の復習を行った。学生が積極的になった。
学生もいい
アイディアを持っているんだ
…
大学教師M先生②:その後の経過と気づき
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答えは正しい?
特別な課題をあげたら?
先生のアシスタントをさせたら?
大学教師L先生①:問題の発見→相互アドバイス
他の先生と相談してみたら?
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他の学生よりよくできる学生、問題も早く終わって時間をもてあましているようだ…。
他の先生と話し合った。特別な課題は与えないが、上級生の選択クラスに出られるようにした。
他の先生はその学生の違う面から見ていた。他の先生と話してよかった。
大学教師L先生②:その後の経過と気づき
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3.教え方を改善するための活動
このような活動の利点(p.58)
①ほかの人に話すことで、自分の問題がはっきりわかる。
②さまざまな視点に気がつきやすく、より多くの改善方法が得られる。
③助け合い、はげまし合って、それぞれの解決や改善に取り組むことができる。
④ほかの人の課題を聞いて、解決を助けることで、課題解決の練習をすることができる。
4 改善を広い視野でとらえる
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4.改善を広い視野でとらえる①
4-1. 自分のネットワークに目を向ける
「日本語教育ネットワーク図」
⇒今の自分
4-2. 改善の先にあるもの
「日本語教師としての自分年表」
⇒これまで、これからの自分
可視化して
考える
4.改善を広い視野でとらえる② 日本語教育ネットワーク図(p.72~)
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配布資料 p.4
自分の日本語教育ネットワークを簡単に描いてみましょう。
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タスク6
4.改善を広い視野でとらえる③ 年表作成(p.75~)
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p.75の「S先生の「これまで」と「これから」」を見て、 これまでやってきたこと、これから何をしていくかを 考えることの意義について考えましょう。
年(歳) したこと/したいこと 印象的なできごとや希望など
1998年
(16歳)
2000年
(18歳)
2003年
2004年
(22歳)
2005年
(23歳)
2008年
(26歳)
2009年
現在
(27歳)
201×年
(3×歳)
202×年
(4×歳)
○○高校で第2外国語として日本語を学び始める。
××大学で日本語を専攻する。
日本語教師をめざす。
△△日本語学校の日本語教師になる。
地域の教師会の研修会に参加。
国際交流基金日本語国際センターの長期研修に参加。
地域の教師会で漢字の教え方について発表。
中級コースを教える。
中級読解の教材を作る。
ひらがなが読めるようになった時、とてもうれしかった。
大学3年生の時、交流プログラムで来た日本人の大学生と2週間一緒に過ごした。
先輩の教師に助けてもらいながら教えた。
いろいろな国の日本語教師といっしょに勉強して、楽しかった。世界の日本語教育について知った。
読解の楽しさを学習者に教えられるようになりたい。
現在
5 まとめ
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再び1.「教え方を改善する」とは? 教え方の改善モデル(p.2)
本書 他の13巻
再び1.「教え方を改善する」とは? 教え方の改善モデル(p.2)
See
Plan
Do See
Plan
Do See
Plan
Do See
問題の発見
改善の計画
改善の実行 改善の評価・ 行動のふり返り
次の改善の計画
次の改善の実行
ステップ1 2 3 4
新しい 問題の発見
ステップ1
さらに次に改善の計画?
(第3章)
次の改善の評価・ 行動のふり返り
5.まとめ①
• 今日のセミナーで考えたことをふり返り、
これから、
①みんなと
②一人で
やってみたいことを考えましょう。
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配布資料 p.4
5.まとめ②
「教え方を改善する」ために
(1)日本語教育や関連分野の新しい知識や技能を学んで身につける
(2)自分の教え方をふり返る
⇒学習者の行動や意見を参考に
⇒他の教師と話し合う
どうもありがとうございました。 他の国際交流基金の活動へもどうぞ。
刊行物、ウェブサイト、海外派遣、研究会……
http://www.jpf.go.jp/j/
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今日、お伝えしたかったこと
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「JF日本語教育スタンダード 2010」 CEFRの言語熟達度の考え方にもとづき,日本語の熟達度を
「~できる」(「Can-do」)という形式の文で示し, 「みんなの「Can-do」サイト」で提供
言語使用の拡がり
言語能力の段階 言語熟達度
◆JF日本語教育スタンダードウェブサイト http://jfstandard.jp ◆みんなの「Can-do」サイト http://jfstandard.jp/cando
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「みんなの教材サイト」
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「みんなの教材サイト」