オーエスキー病 (Aujeszky's disease, 仮性狂犬病 ; pseudorabies)

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オオオオオオオ (Aujeszky's disease, オオオオオpseudorabies) オオオオ オオオオ オオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオ オオオオオ 、、。 オオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオ 一、、 オオオオオオオオオ オオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオ オオオ 、、。 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオオ 、。 オオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオ 1 オオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオ 100% オオオオ オオオオオオオオオオオオオオオ 。、 2 オオオオ 50% 3 オオオオ 25% オ オオオオオオオオオオオ オオオオ オオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオ 1。、 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオ 。、 オオオオオオ 100% オオオオ

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オーエスキー病 (Aujeszky's disease, 仮性狂犬病 ; pseudorabies). 対象家畜 : 豚、いのしし 原因 :  ヘルペスウイルス科 、アルファヘルペスウイルス亜科、ヴァリセロウイルス属。抗原的には単一で血清型はなく遺伝子型もないが、制限酵素による切断ゲノムに多型性がみられ、大まかな遺伝子型別に利用される。 - PowerPoint PPT Presentation

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オーエスキー病 (Aujeszky's disease, 仮性狂犬病;pseudorabies) 対象家畜: 豚、いのしし

原因: ヘルペスウイルス科、アルファヘルペスウイルス亜科、ヴァリセロウイルス属。抗原的には単一で血清型はなく遺伝子型もないが、制限酵素による切断ゲノムに多型性がみられ、大まかな遺伝子型別に利用される。疫学: 豚が宿主であるが、牛や山羊等反芻家畜の他、犬や猫等にも感染する。豚では潜伏感染が成立し、ウイルスは容易に検出されなくなるものの感染豚から生涯消失することはない。潜伏感染豚に妊娠や輸送等でストレスが加わるとウイルスの再活性化が起こり、感染源となる。感染は感染源との接触や摂取により成立する。臨床症状: 妊娠豚はほとんど無症状に経過するが、胎児は死流産する。生後 1週間までの新生豚に感染すると神経症状を呈してほぼ 100%死亡する。豚の加齢に伴い死亡率は減少し、 2週齢では 50%、 3週齢では 25%と1週間毎に半減していく。しかし、初感染の場合は週齢・月齢にかかわらず発熱や食欲不振など元気消失の兆候がみられる。豚以外の動物は感染しにくいが、感染すると掻痒を呈して 100%死亡する。

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USDA: Pseudorabies (Aujeszky’s Disease) and Its Eradication

1813年、オハイオ州の豚が同居する家畜小屋で乳牛が壁に頭を擦り付け、首をひねり、もがき苦しみ(Mad Itch;狂掻痒症)、発症後約半日で斃死した。その後も同様の事例が相次ぎ、豚の唾液でふやけた餌を介して牛が感染したと推定された。

1902年、ハンガリーの獣医師(病理学者) Aladar Aujeszkyは、 牛、猫および犬の致死的疾患を研究し、ウサギ、モルモットおよびマウスに接触または吸入感染することを見出した。彼は犬、牛、猫から濾過性病原体を得て、それが豚とウサギに同様の病気を起こすことを確かめ、ウサギの症状から仮性狂犬病( Pseudorabies )と名付けた。 米国では Shopeが 1931年に牛からウイ

ルスを分離し、豚に接種して麻痺を起すこと、鼻汁に排泄されることを見出した。子豚は急死するが、成豚では軽症または不顕性でキャリアーになる(潜伏感染)ことを解明した。その後、アジアおよび欧州から豚の発生

が数多く報告された。

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肝臓

白色粟粒病変

が散在

米国では 1961年に Indiana州の養豚場でこれまで発生していた症例とは様相を異にする病型が流行した。哺乳豚の急死、育成豚の後遺症を伴う臨床例、種豚と母豚の繁殖障害など、欧州で報告されていたものと近似した。剖検すると、 肝臓 に 白 色壊 死斑が特徴的であった。 1970年代初期までに、米国の養豚地帯全域に広がった。精液の輸入または人間の移動により米国に侵入した可能性がある。同時期に養豚経営形態が大きく変 化したことも被害を大きくした。これにより、豚の繁殖に影響する重大疾病の認識が広がった。

発生養豚場周辺で死亡したアライグマ

豚が保有宿主であり、野生化豚( Feral swine)が播種の役割を担っている。それ以外の感受性動物はウイルスを循環しない。。羊と猫は感受志賀高く、犬、アライグマ、スカンク、ミンク、各種の熊、ヒョウは中等度、ラット、マウスはやや抵抗性。これらの動物が感染すると致死的。

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横に寝て旋回運動をする発症子豚

目と鼻の周囲の粘膜に痂疲ができ、眼窩周囲の浸出物が著しい。

死亡した哺乳豚

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流死産や新生豚の死亡は大きな被害であるが、加齢に伴い死亡率は減少し、潜伏感染へと移行する。再発しウイルスを排出していても症状は軽く見落とされる。抗体は感染を防げないが、抗体保有牛豚は感染してもウイルス排出量は少ない。

子宮内で死亡し、自己融解した胎

児流産胎児 胎児の全身

こうしたことから、オーエスキー病は浸潤の前線域の清浄農場に被害が目立ちやすくなる。豚コレラでは感染抗体が上昇する前に死亡しまうため抗体検査で摘発できない。他方、オーエスキー病は抗体検査によって感染豚を摘発でき、防疫の要は抗体陽性豚、すなわち潜伏感染豚の対策にある。しかし、家畜伝染病予防法の「患畜」とは「感染の臨床的・病理学的顕在 化」であり、臨床症状を示していない潜 在 感染豚は「患畜」とされない。

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自由に移動する動物犬、猫、ネズミ、アライグ

囲い飼い動物動物園動物、毛皮動物、ペッ

接触

汚染肉の給餌汚染臓器 の

盗食

汚染資材

牛、羊、山羊

接触咬傷

エアゾル ±

接触 ±胎盤感染

エアゾル感染

胚移植人工授精

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感染個体の鼻汁や唾液が鼻や口から豚の体内に入り、鼻口腔粘膜などで繁殖し、最終的には三叉神経節を経て脳に達し、増殖して非化膿性脳膜炎を引き起こす。組織学所見として非化膿性脳炎および神経節炎が認められる。また、少数ながら病 変部白質 の神経細胞などに好酸性の Cowdry A型核内封入体が認められる。感染に耐えた豚ではウイルスが三叉神経節に潜伏する(潜伏感染)。

Pathogenesis of Ovine Pseudorabies Following Intratracheal Inoculation

38μ

ウイルスを気管内投与した羊の頭頚部神経節: 塩基性核内封入体(大矢頭)および好酸性核内封入体(小矢頭)

40μ

頸胸部神経節の免疫蛍光抗体法による所見: 核内、核膜および核周囲に蛍光(矢頭)

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動物衛生研究所

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動物衛生研究所

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動物種

豚牛羊

アライグマ犬猫

ラットマウススカンクオポッサム

感受性

高中中中低低低低低低

帰結

様々通常致命的致命的

通常致命的致命的致命的

通常致命的致命的致命的致命的

各種動物の感受性ウイルスの最大生残日数*

砂壌土水鉄

トウモロコシ麦わら

コンクリートプラスチックペレット飼料

汚水肉骨粉ゴム青草

イエバエ塩素殺菌水

アルファルファデニム生地

774444332222

<2<1<1<1

* 種々の媒体に付着した唾液、鼻汁および粘液中におけるウイルスの最大生残日数

4℃のエアゾル中では 1 時間で 50%が生残

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Stage I : 準備

Stage II : 制御(感染群の特定と清浄化の取り組み開始)

Stage III : 法的な群の清浄化

Stage IV : 発生動向調査

Stage V : 清浄化

米国の段階的清浄化対策

各州のオーエスキー対策委員会の設立: 発生報告の義務化、家畜市場・と畜場・農場での採血と抗体検査、清浄化に向けた法整備、清浄化計画の立案と周知、・・・・

新たに発見された感染群の周囲 2.4kmの調査、感染群の移動制限(繁殖群、育成群、出荷豚)、州間の検疫、自主的清浄化取組州対策委員会の承認を受け、期限を定めた法的な清浄化措置を行う。疫学調査に基づく感染割合に応じた検疫、ワクチン接種、Stage IIIの検証に基づく計画の修正、繁殖群の入替、陽性豚群の出荷規制、子豚・育成豚の流通規制、検疫による州間移動規制を中心とする。

Stage IVの検証に基づき 1年後に州が清浄化宣言。ワクチン接種の禁止、州内への移入は清浄群のみ、・・・・

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Decline in the number of PRV-infected herds in theUnited States from 1991 through 2001P101

P109 Chapter 11—Feral Swine

米国の段階的清浄化対策の効果 : 感染豚群の減少連邦政府と各州の計画遂行により、 2004年までに全州が清浄化

達成

Minnesota1975-2006

Indiana, Minnesota, Nebraska, Pennsylvania州で後退局面もあったが、計画の見直し等により汚染群の摘発・淘汰に成功した。

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平方マイル当り

: 10頭以上

: 10頭未満

:まれ

Wild Pigs: Hidden Danger for Farmers and Hunters(1991, revised 1999)

野生豚( wild swine, wild pig)、野生化豚( Feral Swine)野生イノシシ( wild boar)

Captured feral swine

米国に豚が最初に輸入されたのは 1539年スペインからとされ、放し飼いに近い状態で飼育され、一部は逃げ出した。その後、ハンターによってヨーロッパ野生イノシシが輸入されて山に放たれた。野生化豚とイノシシとの交雑によって、家畜の豚やイノシシとは違う外貌の野生豚が出来上がった。 生息に適した環境で殖え続け、野生豚

群が多くの州で確認されている。この地図が作成された 1988年には、 50万頭から 100万頭の野生豚が米国に生息すると推定された。 オーエスキー病に罹患

した野生豚から猟犬が感染する事例もあり、農家だけでなくハンターにも深刻な脅威となっている。

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500kgに達する野生豚もいるそう

だ If pseudorabies might be in your area and you're in

search of the next

"hogzilla" (see picture) leave your dog behind or keep it away from the pig.

Pigs, including wild pigs, are the primary reservoir of this virus, and it is highly contagious within this species.

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野生豚群には、養豚業に重大な脅威となる様々な病原体が潜伏する恐れがある。この地図は 1998年時点であるが、オーエスキー病とともにブルセラ症の浸潤が明らかになっており、養豚業者のみならず、ハンターに向けて仕留めた野生豚の取扱と喫食の際の注意事項を広報していた。

オーエスキー病

ブルセラ症Before wild pigs are moved,

they should be blood-tested by a veterinarian to certify that they are free from disease.

清浄化計画推進の障害となったが、 USDAは野生豚の駆除ではなく、野生豚を含めた清浄化の道を選んだ。

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Adult swine can be silent carriers of pseudorabies and will periodically shed the virus that causes it through the nose and mouth. Once infected, the pig is a lifetime carrier, and there is no effective treatment. Pseudorabies can be detected by blood testing, and evidence of pseudorabies infection in wild pigs has been found in 11 States.

Pseudorabies is a fatal infection in other farm animals, such as cattle, sheep, and goats, and in dogs and cats. Wild mammals, such as raccoons, skunks, foxes, opossums, and small rodents, also can be fatally infected. The virus attacks the nervous system in these animals and can produce intense itching followed by paralysis and death. Although people are not themselves at risk, hunters need to know that their dogs could become infected by exposure to wild pigs.

To minimize the threat that wild pigs pose to domestic swine operations, farmers should take the following precautions:

成豚はオーエスキー病の無症状キャリア(潜伏感染)となり、

口や鼻から周期的にウイルスを排出し得る。一旦感染した豚は生

涯に亘ってキャリアとなり、有効な治療法はない。オーエス

キー病は血液検査で見つけられるが、野生豚が感染している証拠

が 11州で判明している。オーエスキー病は、牛、羊、山羊などの家畜、ならびに、犬

と猫に対して致命的な感染症である。アライグマ、スカンク、

キツネ、オポッサムおよび小型ケッシ類などの野生動物も、感

染して死亡することがある。このウイルスは、それらの動物の

神経系を侵し、強烈な痒みに見舞われた後に麻痺と死へと続く。

人間は感染するリスクがないけれども、ハンターは自分の犬が

野生豚と接触することで感染し得ることを知る必要がある。野生豚が養豚業にもたらす脅威を最小限にするため、農家は

以下のことに注意を払わなければならない。

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1. Do not introduce wild pigs into herds or attempt to market wild-caught pigs.

2. Before transporting breeding swine, have blood tests performed according to State or Federal guidelines.

3. Blood-test all new stock before adding them to the existing herd.

4. Fence out wild pigs from areas with domestic hogs.5. Do not butcher wild pigs on the farm or feed offal from

dressed wild pigs to domestic swine.Both State and Federal laws govern the control of swine

brucellosis and pseudorabies. Relocating wild pigs without negative blood tests for these diseases violates the law. Individuals should contact their State veterinarian before moving wild pigs. Following the sanitary procedures outlined in this brochure is important to prevent human infection with swine brucellosis and to make sure that this disease and pseudorabies do not make their way onto farms from the wild.

1.野生豚を飼育豚群内に入れない、野生の捕獲豚を売買しない。

2.繁殖豚を輸送する前に、州および連邦政府の指針に従って血液検査を実施する。

3.新たに導入する全ての豚は、既存の群れに入れる前に、血液検査を行う。

4.飼育豚がいる区域に柵をして野生豚と接触させない。5.農場内で野生豚をと殺・解体しない。解体した野生豚のク

ズ肉を飼育豚に与えない。州法と連邦法は、豚のオーエスキー病とブルセラ症の制御について定めている。これらの病気について血液検査で陰性を確認していない野生豚を移動することは、法を犯すことになる。野生豚を移動させる前に、州政府獣医師に相談しなければならない。この小冊子に記載された衛生手順に従うことは、人間のブルセラ症感染を防ぎ、ブルセラ症とオーエスキー病が野生動物から農場に侵入する道をつくらないために、きわめて重要である。

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日本におけるオーエスキー病発生の推移日本では 1981年に山形

県で初めて発生し、高豚価・高収益性を背景とした飼養規模拡大と相俟って全国に広がり、 1988年には、約 1万頭の発生が報告された。 1991年に野外ウイルスと識

別可能な生ワクチンの使用が認められ、「オーエスキー病の防疫対策要領」が定められた。

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発生戸数 発生頭数

一戸当り頭数

オーエスキー病の発生状況

動物衛生研究所の家畜伝染病発生情報データベースで調べると、必ずしも前スライドと一致しない。家畜保健衛生所からの通常の届出とは別に、オーエスキー病防疫対策要領に基づく防疫協議会による集計がより正確である。ただし、減少傾向は似ている。

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農水省: オーエスキー病防疫対策要領

本病の清浄化を推進するためには、臨床症状を呈している豚(発症豚)の摘発・とう汰のみならず、潜伏感染をしている野外ウイルス抗体陽性豚(野外抗体陽性豚)の早期更新を実施する必要がある。本病の浸潤状況が地域により著しい差異がみられることにか

んがみ、モニタリング検査及び清浄化の段階に応じた抗体検査により浸潤状況を把握しつつ、地域の状況に応じた対策を講ずる。清浄県: 清浄段階の地域から抗体陰性豚の導入の推進浸潤県: ワクチンを活用しつつ、モニタリング検査及び定

期的な抗体検査の実施並びに野外抗体陽性豚の早期更新の実施ワクチンは、接種により発症の抑制、野外抗体陽性豚からの

ウイルス排泄量を低減させる効果が期待されるものの、感染及びウイルスの排泄を防ぐ効果はない。ワクチン抗体と野外ウイルス抗体の識別のため、全国で同一種類のものを使用する。と畜場、家畜市場、養豚関係団体、都道府県獣医師会、家畜

共済組合、都道府県家畜畜産物衛生指導協会等からなるオーエスキー病防疫協議会を都道府県単位および地域毎にに設置する。

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清浄地域: 過去 1年間オーエスキー病の発生及び陽性豚がいない市町村

準清浄地域: 過去 1 年以内にオーエスキー病の発生又は陽性豚の摘発があった市町村並びに都道府県が防疫上重要と認めた隣接市町村

清浄化推進地域: 過去 1 年以上にわたりオーエスキー病が発生し又は陽性豚が摘発されている市町村並びに都道府県が防疫上重要と認めた隣接市町村

●  ワクチンは非使用 ●  6 ヶ月に少なくとも 1 回,繁殖豚の 10%以上の抗体検査を実施 ● 導入豚は清浄地域から導入し,抗体陰性を確認(繁殖豚はワクチン非接種豚で全頭,肥育豚は 8 頭) ● 導入豚の 3 週間隔離観察

●  発症豚の速やかな隔離淘汰 ● 発生農場全頭の早期淘汰あるいは抗体陽性豚のみ全頭淘汰 ● 淘汰困難な場合は全頭にワクチン接種し計画的に出荷 ● 定期的な抗体検査の実施(繁殖豚は全頭,肥育豚は 30 頭以上) ● 同地域内の清浄農場はワクチン非使用

●  淘汰困難な場合は全頭にワクチン接種し計画的に出荷 ● 定期的な抗体検査の実施(繁殖豚は全頭,肥育豚は 30 頭以上) ● 同地域内の清浄農場はワクチン非使用

オーエスキー病防疫の現状と進め方  2007

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オーエスキー病は 1981年 2 月に山形県、岩手県、茨城県の同一系列農場でほぼ同時に発生し、その後関東諸県へと広がった。 1990年に九州地方に侵入し、豚飼養密度が高いことから常在 化した。 1991年から「清浄地域」,「準清浄地域」,「清浄化推進地域」の 3 つの衛生段階に分けて防疫措置が講じられたが、顕著な進展は得られなかった。

米国などの清浄化手法を取り入れて、 2008年 6月に防疫対策要領が改正され、発生地域におけるワクチン接種を徹底するとともに、合理的な抗体調査に基づく清浄化の工程を区分し、より緻密な対策を講じることとなった。

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清浄化推進のための清浄化段階 ( ステータス)農林水産省

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清浄化対策準備段階(ステータスⅠ) (ア)ステータスの要件: aから cまでのいずれかに該当。

a 本病の発生又は野外抗体陽性豚の摘発している。b 本病の有無を確認できない豚群が存 在 している。c 接種すべきワクチンが接種されていない豚群が存 在 している。

(イ)段階目標: 次の条件を満たす。a 各農場において最低年 1 回 A検査が実施され、本病の有無が確認されている。b 豚群すべてにワクチン接種できる体制が整備される。

清浄化対策強化段階(ステータスⅡ) (ア)ステータスの要件: ステータスⅠの目標を達成している。

(イ)段階目標: aから cまで(前期)の条件を満たした後、 dから fまで(後期)の条件を満たす。a 豚群すべてに少なくとも 1年間継続してワクチン接種されている。b 各農場において最低年1回 A検査を実施し、ワクチン抗体陽性豚を確認する。c 野外抗体陽性豚の早期更新に努めている。d 上記の条件を満たし、さらに、豚群すべてに少なくとも 1年間継続してワクチン接種されている。e 各農場において最低年 2 回 A検査又は最低年 1 回 B検査が実施され、野外抗体陽性豚が確認されていない。f 豚群すべてのワクチン接種が中止される。

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清浄化監視段階(ステータスⅢ) (ア)ステータスの要件: ステータスⅡの目標を達成している。

(イ)段階目標: 次の条件を満たす。a 豚群すべてのワクチン接種を中止している。b 各農場において最低年 2 回 B検査又は最低年 1 回 C検査が実施され、野外抗体陽性豚が1年間確認されていない。

清浄段階(ステータスⅣ) (ア)ステータス要件: ステータスⅢの目標を達成している。

(イ)段階目標: 豚群すべてに野外抗体及びワクチン抗体が確認されない。A 検査: 抗体保有率が少なくとも 20%である豚群に対して、信頼度 95%の確率で抗体陽性豚が摘発できる検査で、豚群の規模に対して無作為に抽出検査しなければならない頭数は次に示したとおりとする。

14 頭未満の豚群・・・・・全頭 14頭以上の豚群・・・・ 14頭

B 検査: 抗体保有率が少なくとも 10%である豚群に対して、信頼度 95%の確率で22頭未満 全頭 100~ 200頭 27頭

22~ 49頭 22頭 201~ 999頭 28頭50~ 99頭 26頭 1000頭以上 29頭

Page 26: オーエスキー病 (Aujeszky's disease,  仮性狂犬病 ; pseudorabies)

農水省: オーエスキー病の浸潤地域

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鹿児島中央地域

地域オーエスキー病防疫協議会名 地域区分名

鹿児島中央地域

含まれる地域(市町村等) ステータス

旧喜入町旧松元町

ⅣⅣ

南薩地域 知覧B知覧A

南九州市知覧町一部地域南九州市知覧町(知覧 Bを除

く)

Ⅱ・前期Ⅱ・後期

北薩地域 入来 A入来 B

旧入来町浦之名の一部の地域入来町 A 地区を除く旧入来町

ⅢⅣ

姶良・伊佐地域大口 A大口 B大口 C

旧大口市宮人,田代,針持の一部

旧大口市山野の一部伊佐市大口A,Bを除く地域

Ⅱ・後期ⅢⅣ

農水省: オーエスキー病地域区分及びステータス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・家畜防疫対策要綱: 家畜飼養者と家畜保健衛生所等が一体

となった地域ぐるみの自衛防疫体制のより一層の充実・強化を図る。

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3 . 2のワクチン購入の件について確認しました。 (地域防疫協議会)4 . 2の購入希望量に対して、次の量を確かに販売しました。 (動物薬販売業者)5 . 1の接種依頼に関しては平成年月日から平成年月日の間に、頭ドーズのオーエスキー病ワクチンの接種を終了しました。 (獣医師、養豚業者)

オーエスキー病ワクチン接種票

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平成◎年度オーエスキー病ワクチン接種状況調査台帳(県防疫協議会、地域防疫協議会分)

繁殖豚 頭、哺乳豚 頭、肥育豚 頭、合計 頭、 ドーズ

オーエスキー病ワクチン接種推進書都道府県防疫協議会代表から家畜所有者あての接種計画・契約書

オーエスキー病ワクチン接種確認書 獣医師、販売業者および家畜所有者の接種ドーズと期日の確認書

平成年度第◎四半期オーエスキー病ワクチン使用状況報告書都道府県オーエスキー病防疫協議会から都道府県畜産主務課長あての実績報告書

地域ぐるみの自衛防疫体制の推進経費をどのように負担する のか? 伝染病制圧の利益は個別農家だけのものではない。

Page 30: オーエスキー病 (Aujeszky's disease,  仮性狂犬病 ; pseudorabies)

家畜生産農場清浄化支援対策事業による補助対象生産段階における疾病の自主的な清浄化や流行防止に向け、検

査やワクチン接種、とう汰等について組織的な取組を推進します。<背景/課題>● 家畜伝染病の清浄化には地域一体となった取組が重要であり、地域の状況等に応じて、生産者自らが疾病の清浄化対策を進めていくことが必要です。● ヨーネ病については、近年、全国的に増加傾向にあり、移動予定牛や清浄化推進農場等の重点的な検査等を推進することが必要です。● オーエスキー病については、防疫対策要領に基づいて我が国での清浄化を図るため、実効性のある徹底した取組を行う地域を集中的に支援し、本病の早期の清浄化を図ることが必要です。全ての都道府県全域において抗体検査、清浄化段階に応じた地域内全戸の抗体検査   民間獣医師等を活用した抗体検査➔等への助成、接種技術料の助成、感染繁殖豚のとう汰更新費の助成

所有者による出荷豚のワクチン接種歴等の家畜市場への情報提供、都道府県による地域及び導入元農場の清浄度等の情報提供

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2005 1-6 2005 7-12

2010 7-122010 1-6

2009 1-6 2009 7-12

Page 32: オーエスキー病 (Aujeszky's disease,  仮性狂犬病 ; pseudorabies)

2005 2006 2007 2008 2009 2010日本中国韓国台湾

ベトナム米国

メキシコカナダ英国ドイツフランスロシアスペイン

アルゼンチン

Disease timelines: Aujeszky's disease

: この期間に発生報告なし: 情報なし

: 臨床例確認: 限局的感染確認

上段: 家畜下段: 野生動物

Page 33: オーエスキー病 (Aujeszky's disease,  仮性狂犬病 ; pseudorabies)

動物種 総数 発症数 死亡数 淘汰数

2010

発生件数国名

ブタイヌイヌ

46691

8661

011

040

1751

フランスドイツ

ルクセンブルグ

食用と殺

46600

2009イヌ 2 2 9 22ドイツ 0

2008ブタ 87 34 23 111ルーマニア 0

2005ブタ 4997 213 01ボリビア 0

2006ブタ 1461 71 56 02ボリビア 0

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データベースが完全ではない

Page 34: オーエスキー病 (Aujeszky's disease,  仮性狂犬病 ; pseudorabies)

'Mad Itch' Pseudorabies Virus Infection in Dogs

犬や猫がオーエスキー病に罹ることは、野生豚と接触する狩猟犬や畜産施設の飼育動物を除いて稀である。ただし、感染した場合には致命率が高く、特徴的徴候を示すことなく急性死することが多い。典型例では、高度の搔痒による異常行動が見られる。感染は、罹患動物との接触、肉や内臓 および汚染物の摂取による。典型的徴候 : 発熱、咳・クシャミ、嘔吐、流涎、食欲廃絶、呼吸速迫や努力呼吸、その他の神経症状(沈鬱・不活発、運動失調、痙攣、運動忌諱、横臥、搔痒による異常行動と自損外傷、こん睡)予防と治療 : 米国ではワクチン接種による感染防止により養豚場の清浄化が 2004年に達成されたが、野生豚にはウイルスが残っている。オーエスキー病発生地帯で狩猟をしない、仕留めた動物のクズ肉を与えない。ワクチン効果はウイルス排出量を減らすことを主眼とし感染を完全に防ぐことはできないので、犬に対するワクチン接種は行わない。発症した個体に対する根治法はない。

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日本における豚以外のオーエスキー病1985年 3 月 茨城県で飼育されていた犬が激しい掻痒 , 自己損傷を伴う症状を呈した後に死亡。 1981年以来豚に流行していた。1985年 3 月 埼玉県で牛での本邦初発例。牛と豚を同時に肥育している 1 農家の牛 2頭及び酪農家の乳牛 1頭が , 著しい流延を示し , 2頭には , 掻痒症が認められ発症後各々約 2、 7、 10時間に死亡。1986年 3 月 埼玉県で犬のオーエスキー病が確認。1989年 12 月 神奈川県川崎市で犬から分離された。1989 年 栃木県の発生豚舎近くで野生タヌキが死亡、ウイルス分離。1989 年 新潟県内ミンク飼養農場で繁殖用ミンクが死亡。1990年 1 月 神奈川県茅ケ崎市の一般家庭において飼育されていたネコが顕著な掻痒を呈して死亡。感染源不明。1992 年 狩野動物病院:犬にみられたオーエスキー病の1例1998 年 三重県の野生猪の生肉を摂食した猟犬が死亡。2002 年 奈良県で死亡していた猪を猟犬が食べ、 24頭が死亡。猪の抗体検査で 171検体中 18検体が陽性。これらは学会誌発表分だけであり、氷山の一角に過ぎない。

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● 陸生動物衛生規約に定められた通知を要する伝染病。

● 犬、猫、牛など多くのほ乳類が感染し、神経症状を起こし死亡する。

● 妊娠豚での異常産と、ほ乳豚での神経症状・死亡を起こすウイルス性の伝染病。

● 感染した豚は、ウイルスを一生持ち続け (潜伏感染 )、他の豚への感染源となる。

● 鼻汁・唾液等にウイルスが排泄され、経口感染や交尾・人工授精で感染する。

● ワクチンは、発症を抑えて感染豚のウイルス排泄を抑制するが、感染防止効果は十分でなく、浸潤地域で感染の拡大を防止するために使用する。清浄県では使用できない。

オーエスキー病のまとめ