株式会社クール・ジャパン推進機構 (通称)について2013/06/28 · ©BAKUGAN PROJECT 玩具・ゲーム 音楽・エンターテイメント 生活雑貨・ インテリア
クール・ ジャパン ~文化で儲けるとは~
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クール・ジャパン~文化で儲けるとは~
1066569c清水良恵
クール・ジャパン(かっこいい日本)とは
2002 年、米国ジャーナリストダグラス・マグレイ氏の論文「日本の国民総クール力( Japan’s Gross National Cool )」
「ポップミュージックから家電まで、建築からファッションまで、そしてアニメから料理まで、日本は 1980 年代の経済パワーが成し遂げた以上の文化パワーを示している」
なぜ今クール・ジャパンか これまでわが国の経済を牽引してきた製
造業の国際競争力は、新興国の攻勢等の要因から急速に失われつつある
マンガやアニメといった文化産業は、既に海外で高く評価されており、今後の日本経済の成長を牽引する新しい産業領域としての期待が高まっている
⇒文化産業に対する大きな期待
経済産業省クール・ジャパン/クリエイティブ産業政策
世界が共感する「クール・ジャパン」の海外進出促進、クリエイティブ産業の育成や国内外への発信などの施策を業種横断的、政府横断的に推進する。
「クール・ジャパン官民有識者会議」提言に基づいて各種施策をすすめる。
政府が介入する理由文化産業の担い手はデザイナーなどの個人や中小企業や若者が中心⇒海外に活路を見いだしたくても、資金やノウハウなどの面で独自に進出するのはなかなか難しい
経産省はこうした事業者を掘り起こして海外の事業者と結びつけ、輸出産業として育成。
クール・ジャパン官民有識者会議
クール・ジャパン官民有識者会議提言( 2011 年 5 月 12日)
クール・ジャパン戦略推進事業
ファッション、食、住まい、地域産品、伝統工芸品、コンテンツ等、日本の優れた商品の海外展開を支援するプロジェクト
広報活動 クリエイティブ・シティの確立
コンテンツ産業
コンテンツ産業の可能性
(単位)兆円
2001、 2002、 2003、 2004、 2005年出所) PricewaterhouseCoopers”Global Entertainment and
Meda Outlook:2006-2010”
一般に映画・音楽・ゲーム・放送(アニメ)・出版(マンガ)・キャラクターなどの情報の内容に関する産業
コンテンツ産業現状①
(単位)兆円
2001、 2002、 2003、 2004、 2005年出所) PricewaterhouseCoopers”Global Entertainment and
Meda Outlook:2006-2010”
13兆円程度でとどまる
コンテンツ産業現状②
我が国のコンテンツ産業と世界市場( 2004年)
日本のコンテンツ市場は世界第 2位!海外の収入比率は米国の 4分の 1!
現状の課題プロモーションが単発に終わってしまい、
相乗効果を十分に得られていない 。 日本コンテンツの権利料や翻訳費などのコストが高い上、権利関係の処理が煩雑で、活用にあたっての障害となる。
各国事情を踏まえた効果的な露出機会の創出ノウハウやローカライズすべき内容に関する知見などは全般的に不足している。
韓国の事例
国家ブランドランキングを 15位まで引き上げたい
日本の予算の 8 倍(左)コンテンツ関連予算を 6 倍に増額(右)
韓国 「韓流」(クール・コリア)のアジア波及
に関する4ステップ ① 映画やドラマなどの大衆文化の流行 ② その派生商品の販売 (ドラマ観光、 DVD など)
③韓国製品の売上げ増加(家電製品、生活用品など)
④韓国の国としてのイメージアップ
日本の問題:ブランド力ではない
政策提言方向性必ずしも“ Japan” を前面に押し出さず、無国籍化するやり方。
今あるものを海外に出すだけでなく、海外のものを取り込んで、新たなものを創りだすという目線も必要では。
政策提言具体策 海外のクリエーターの受け入れ促進 海外との共同制作を促進
イメージ
販売購入
・外国人向けのコンテンツを制作(共同開発)
インド版『巨人の星』野球マンガ「巨人の星」をインドの人気
スポーツ、クリケットに置き換えたアニメーションにリメークし、現地テレビ局で放映。
建設ラッシュに沸く巨大都市ムンバイを舞台に、貧しい主人公が努力してクリケットのスター選手になる成功物語。
J-Pitch (主に映画) 経済産業省の映像コンテンツ国際共同製作基盤整備事業として、 2006 年 4 月より発足した国際共同製作支援プロジェクト
海外企画マーケットへの参加ビジネスマッチングセミナーの開催
期待する効果 一回きりのプロモーションイベントで終わらない。 輸出の際に、コンテンツの権利料や翻訳費など考えなくてよい。
ローカライズすべき内容に関する知見などを得る。⇒ 利益につながる
文化の押しつけにならない( E.x アンチ韓流) 日本のクリエイティビティーの発揮(和魂洋才、
コラボレーション)
成功のカギ 戦略的に考え、支援を集中する。 日本目線によるものではなく、現地とのウィンウィンの関係を構築する。
(日本の文化産業に関する政策の最終目的) 諸外国から「儲ける」のではなく、諸外国からの
評価を高め、味方につけて、その力を利用して日本の力を増幅し、再び外に発信すること。
個別売りではなく、日本のライフスタイル全体をプロモーションする。
論点 クール・ジャパン戦略の意義や是非につい
て 文化産業のどの分野に重点を置いていくべきか。
日本はこれからも「文化で儲ける」ことを考えていくべきか。
政府としてすべきこととは何か。
参考文献・資料渡辺靖著『文化と外交』 2011 年、中公新書
アン・アリスン著『菊とポケモンーグローバル化する日本の文化力』 2010 年、新潮社
経済産業省ホームページ http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/mono_info_service.html