中古部品 輸出市場 の概況
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2013 年 11 月 9 日
中古部品輸出市場の概況
セントパーツ株式会社
種谷 謙一
解体業者を取り巻く環境
3
使用済自動車発生台数
使用済自動車発生台数
=前年末保有台数+当年新車販売台数ー当年末保有台数
単位:万台 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
新車販売台数 586. 1 561. 8 532. 0 470. 1 488. 0 460. 1 475. 3 521. 0
保有台数 7, 550. 7 7, 568. 0 7, 546. 9 7, 514. 4 7, 502. 4 7, 499. 7 7, 545. 5 7, 593. 4
使用済自動車発生台数 523. 5 544. 5 553. 1 502. 7 499. 9 462. 8 429. 5 473. 2
自動車解体台数 316. 7 373. 9 386. 7 371. 7 407. 6 383. 4 308. 1 356. 2
発生台数ー解体台数 206. 8 170. 6 166. 4 131. 0 92. 3 79. 4 121. 4 117. 0
輸出抹消台数 132. 8 148. 5 146. 4 80. 3 94. 0 92. 4 113. 9
■ 新車販売台数の増加と保有台数の減少が発生台数増加に直結しやすい
■ 使用済自動車の主な行先は解体と中古車輸出
出所:日本自動車販売協会連合会、国土交通省(非けん引車、軽二輪車除く)、自動車リサイクル促進センター
4
解体業者の売上構成と業態変換
中古部品販売55%
素材販売30%
リサイクル費用5%
中古車販売5%
その他5%
解体業者売上構成比【 2008 年度】
出所:矢野経済研究所「自動車リサイクルマーケット総覧 2009 年版」
解体業者
中古部品生産業者
中古部品販売業者
リサイクル部品販売業者
1970 年代
1980 年代
中盤
■ スクラップ主体の業態から中古部品(リサイクル部品)販売主体の業態へ変化
■ 業態変換が容易でない事業者も存在
5
解体業者数の推移と環境変化への対応
■ 自動車リサイクル法の施行を契機とした流通変化
■ 業態変換と環境変化への対応が困難な業者を中心に淘汰が徐々に進行
2004 年度 2005 年度 2006 年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
3,030
4,614 4,665 4,624 4,552 4,463 4,367 4,146 4,065
リサイクルシステム稼働業者数の推移(解体業)
出所:公益財団法人 自動車リサイクル促進センター
2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年0
200,000 400,000 600,000 800,000
1,000,000 1,200,000 1,400,000
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
396,103
839,848 1,010,234
1,148,518 1,269,498 1,193,330
1,110,468 1,055,347
10.5%12.2%
13.6% 14.3%17.2% 17.0%
16.3%
19.5%
リユースオークション比率とリユースオークション出品台数の推移
出所:矢野経済研究所「中古車流通総覧 2012 年版」
6
拡大が見込み難い中古部品の国内需要
出所:国土交通省(非けん引車、軽二輪車除く)、(財)自動車検査登録情報協会
■ 整備機会の減少に伴う補修部品需要の低下
■ 車両価値に対する補修部品価格が上昇
など
【各年 3 月末】
97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 136,400
6,600
6,800
7,000
7,200
7,400
7,600
7,800
4
5
6
7
8
9
10
6,862
6,972 7,056
7,146 7,237
7,307 7,363
7,407 7,488
7,551 7,568 7,547 7,514 7,502 7,500 7,546
7,593
5.145.33
5.60 5.846.04
6.23 6.396.58
6.77 6.907.09
7.237.48 7.56 7.74
7.95
保有台数(万台) 平均車齢(年 / 乗用車)
中古部品輸出の概況
8
■ 中古車輸出台数は 2001 年からの累計だけで 1,200 万台以上(ハーフカット輸出
等を含めると更に多い)
■ 海外での日本車生産台数も急伸
出所:日本自動車販売協会連合会、財務省「貿易統計」
出所:日本自動車工業会
世界で増加する日本車
1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 2010 年 2012 年0
2,000,000 4,000,000 6,000,000 8,000,000
10,000,000 12,000,000 14,000,000 16,000,000 18,000,000
3,264,940 5,559,480 6,288,192
10,606,157
13,181,554
15,825,398
日本メーカーの海外生産台数の推移
2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 12 年1-6 月
0200000400000600000800000
1000000120000014000001600000
1257428
1426646
1517384
924603 923400 925064
529921
中古車輸出台数の推移
輸出抹消台数 貿易統計台数
9
■ 中古部品輸出を行う解体業者は半数を超える
■ 中古部品の輸出先上位 2 か国は再輸出国であるマレーシア、 UAE
■ その他、中東の人間は自身で解体業を行うケースも多い
旺盛な海外での中古部品需要
輸出上位国
マレーシア
UAE (シャルジャー)
フィリピン
タイ
ロシア
中東
アフリカ、南米等
10
■ 日本由来の中古部品を中心に他国へ再輸出
■ 立地、文化、物価における優位性を活かした再輸出大国
マレーシアにおける中古部品輸出入状況
解体業者
解体業者
解体業者
解体業者
解体業者
解体業者
国内ユーザー
中古部品
販売会社
中古部品
販売会社
中古部品
販売会社
日本からの輸入
日本 マレーシア
ナイジェリア
(再輸出)
輸出先
南アフリカ
(再輸出)
アフリカ地域
シャルジャ
(再輸出)
パキスタン
中東
タイ
ミャンマー
アジア近隣
など
販売の 8 割程度を再輸出
オーストラリア
等
日本以外からの輸入
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■ 日本国内向けとは異なる部品の販売をする商社機能を有するものの、
現地での販売価格は日本での引渡時点の 1.5 倍~ 3 倍程度
マレーシアにおける中古部品販売状況
中古車
ハーフカット /ノーズカット
エンジン
変速機
オルタネータ
スタータ
アクスル
ショックアブソーバ
ホイール
ボディパーツ
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
19.6%
88.2%
90.2%
76.5%
72.5%
74.5%
88.2%
11.8%
7.8%
7.8%
7.8%
7.8%
19.6%
19.6%
17.6%
5.9%
n=51
リビルト部品販売比率
中古部品販売比率
RM販売価格( )27.5日本円換算( 円)
【中間値】
変速機 1,000-1,500 34,375
ノーズカット 500-800 17,875
アクスル 300-700 13,750
ダッシュボード 300-650 13,063
バンパー 300-500 11,000
フロントガラス 200-300 6,875
ボンネット 150-300 6,188
ラジエター 180-250 5,913
ブレーキランプ 80-130 2,888
フェンダー 60-120 2,475
ヘッドランプ 60-120 2,475
スタータ 50-120 2,338
ショックアブソーバ 70-90 2,200
オルタネータ 50-80 1,788
中古部品取扱比率( MAARA 加盟企業) 中古部品販売価格
出所: Malaysian Automotive Recycling Association
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■ 自国向け輸入が中心のため、比較的単価も高く、無駄な部品を輸入しない
⇒当然ながら品質への要求も高くなる
ロシアにおける中古部品輸出入状況
解体業者
国内ユーザー
(整備業者等含む)
中古部品
販売会社
中古部品
販売会社
中古部品
販売会社
日本 ロシア(極東地域)
自社サイトを含むインター
ネットサイトを介した販売
が中心
解体業者
解体業者
解体業者
駐在バイヤー
駐在バイヤー
バイヤー
インターネット
サイト
集荷
集荷
集荷
ネット経由購入
日本からの輸入
近隣地域へ
の輸出
(旧ソ連・
モンゴル
等)
若干数
日本の強みと今後の可能性
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■ 日本が優良な中古部品の発祥地であることは不変
■ 日本メーカーが廃れない限り、世界に需要を見出すことは可能
日本発中古部品の品質
自動車先進国ならではの ELV 品質自動車先進国ならではの ELV 品質
○ 日本メーカーの弛まぬ努力による、高い
国際的競争力と高い車両品質
○ 日本の隅々まで行き渡る交通インフラ
整備と狭い国土
○ 車検制度とアフターマーケット市場の形
成による DIY 補修の非浸透
○ メーカー集積国所以の過当な販売競争
○ 贅沢なユーザー価値観
日本
オーストラリア
韓国
ドイツ
中国
ニュージーランド
香港
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
82.2%
21.0%
10.0%
20.0%
7.6%
8.0%
21.0%
《参考》 マレーシアで販売される中古部品の輸入元
(社数ベースの取引国比率)
出所: Malaysian Automotive Recycling Association
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日本における自動車リサイクルの先進性
自動車リサイクル法施行を契機とした適正処理の浸透周辺環境の変化と産業形成に向けた取り組みがもたらした
業態の変化
リサイクル関連企業の技術革新世界に誇れる
自動車リサイクル産業
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《参考》近隣他国での自動車リサイクル現場
タイ(バンコク郊外) ベトナム(ドンヴァン郡) フィリピン(マニラ郊外)
中国(重慶)
自動車普及途上国では、
自動車解体業そのものが未確立
出所:経済産業省「平成 19 年度アジア産業基盤強化等事業(自動車リサイクル等調査)」報告書
中古部品輸出市場の可能性
1717
やり方次第では日本
特有の産業として大
きな可能性が見出せ
る
日本発
中古部品の品質
日本における自動
車リサイクルの先
進性
拡大が見込み難い
中古部品の
国内需要
旺盛な海外での
中古部品需要
世界で増加する日
本車
中期的に継続する
産業形成期
海外の中古部品販
売会社が主導する
流通形態
国内
海外
懸念
材料