日本冠動脈外科学会・理事長

瀬在幸安

冠動脈外科全国アンケート調査結果2005 年

冠動脈バイパス術 (CABG)

総数 　 : 12,207 単独手術 : 9,827 合併手術 : 2,380

単独手術　初回待機手術 : 8,089 初回待機手術以外 :1,738 　 Off-pump : 4,936 Off-pump : 820 　 On-pump : 3,153 On-pump : 918 (Off-pump 率 : 61%)

Off-pump CABG （初回待機手術）の年次推移

0

10

20

30

40

50

60

70

96 97 98 99 00 01 02 03 04 05

îN

Åì

62%

61%

初回待機手術総数 :8,089(100%)

On-pump ( 心停止 ) :2,725(33.7%)On-pump ( 心拍動 ) : 428(5.4%)Off-pump ( 総数 ) :4,936(61.0%) Off-pump ( 完遂 ) :4,815(59.5%) On-pump ( 移行 ) : 121(1.5%)

Off-pump の完遂率 :97.5%　 Off から On-pump への移行率 : 2.5% ( 昨年 :3.8%)

単独 CABG 総数死亡率 :1.91% ( 昨年 :1.95%)

単独初回待機手術死亡率 :0.89% ( 昨年 :1.04%)

On-pump ( 心停止 ) :1.17%On-pump ( 心拍動 ) :1.40%Off-pump ( 総数 ) :0.68%

Off-pump ( 完遂 ) :0.60% ( 昨年 :0.88%) On-pump ( 移行 ) :4.13% ( 昨年 :3.38%)

死亡率の年次推移（単独手術総数と単独初回待機手術）

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

96 97 98 99 00 01 02 03 04 05

îN

éÄñSó¶

ëçêîèââÒë“ã@

（％）

1.91%

0.89%

病変数による手術成績( 初回待機手術 総数： 8,089 例、死亡率 :0.89%)

死亡率(%)

2.0

1.0

025 50 75 100 (%)

1VD

(0.56%)

2VD

(1.05%)3VD

(0.79%)

LMT

(0%)

LMT ＋ 1VD

(1.01%)

LMT ＋ 2VD

(0.70%)

LMT ＋ 3VD

(1.45%)

病変数による手術成績( 初回待機手術 off-pump 完遂： 4,815 例、死亡率 :0.60%)

死亡率(%)

2.0

1.0

025 50 75 100 (%)

1VD

(0.24%)

2VD

(0.81%) 3VD

(0.40%)

LMT

(0%)

LMT ＋ 1VD

(1.06%)

LMT ＋ 2VD

(0.23%) LMT ＋3VD

(1.44%)

病変数による手術成績( 初回待機手術 on-pump 心停止： 2,725 例、

死亡率 :1.17%)死亡率(%)

2.0

1.0

025 50 75 100 (%)

1VD

(1.92%)

2VD

(1.52%)3VD

(0.90%)

LMT

(0%)

LMT ＋1VD

(1.12%)

LMT ＋ 2VD

(1.83%)

LMT ＋ 3VD

(1.36%)

病変数による手術成績( 初回待機手術 off on-pump への移行： 121 例、

死亡率 :4.13%)死亡率(%)

10

5

025 50 75 100 (%)

1VD

(0%)

2VD

(0%)

3VD

(5.36%)

LMT

(0%)

LMT ＋1VD

(0%) LMT ＋ 2VD

(0%)

LMT ＋3VD

(8.0%)

病変数による手術成績( 初回待機手術 on-pump 心拍動： 428 例、

死亡率 :1.40%)死亡率(%)

2.0

1.0

025 50 75 100 (%)

1VD

(0%)

2VD

(1.59%)

3VD

(2.58%)

LMT

(0%)

LMT ＋1VD

(0%)

LMT ＋ 2VD

(0%)

LMT ＋3VD

(0%)

病変数による手術成績( 初回待機以外の手術 総数： 1,738 例、死亡率 :6.67%)死亡率

(%)10

5

025 50 75 100 (%)

1VD

(8.51%)

2VD

(3.92%)

3VD

(6.88%)

LMT

(8.15%)LMT ＋ 1VD

(1.16%)

LMT ＋ 2VD

(4.31%)

LMT ＋ 3VD

(9.09%)

手術手技による手術成績( 初回待機以外の手術 総数： 1,738 例、死亡率 :6.67%)死亡率

(%)10

5

025 50 75 100 (%)

Off pump(total)5.40%

On pump( 心拍動 )11.74%

On pump( 心停止 )

6.21%

手技別のバイパスグラフト本数（初回待機手術）

総数

On-pump 心停止

On-pump 心拍動

Off 　 on移行

Off-pump 完遂

0 25 50 75 100%

（平均本数）

2.83

3.09

2.89

2.81

2.68

１枝 ２枝 ３枝 ４枝以上

４枝以上

４枝以上

４枝以上

４枝以上

３枝

３枝

３枝

３枝

２枝２枝

２枝

２枝１枝

１枝

１枝

１枝

バイパスグラフト本数別の手技（初回待機手術）

１枝

２枝

３枝

４枝以上

0 25 50 75 100%

Off-pump

Off on-pump への移行 On-pump( 心拍動 )

On-pump( 心停止 )

Off-pump

Off-pump

Off-pump

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

障害枝別の手技（初回待機手術）

１枝

２枝

３枝

0 25 50 75 100%

Off pump

Off on-pump への移行 On-pump( 心拍動 )

Off pump

On-pump( 心停止 )

LMT

LMT ＋ 1 枝

LMT ＋ 2 枝

LMT ＋ 3 枝

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

障害枝別の on-pump と off-pump の手術成績

死亡率(%)

2.0

1.0

0

Off-pump

On-pump （心停止 )

1 枝 2 枝 3 枝 LMT LMT＋ 2 枝

LMT＋ 1 枝

LMT＋ 3 枝

Total

0.60

1.17

0

障害枝別の off 　 on-pump への移行率（全体： 2.5%)

１枝

２枝

３枝

0 25 50 75 100%

Off pump

Off on-pump への移行

Off pump

LMT

LMT ＋ 1 枝

LMT ＋ 2 枝

LMT ＋ 3 枝

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

0.9%

0.9%

2.7%

3.5%

2.0%

2.9%

3.8%

グラフト吻合箇所別の on-pump と off-pump の比較

0 25 50 75 100%

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

On-pump( 心停止 )

Off-pump

Off-pump

Off-pump

70%

58%

96%

92%

82%

67%

吻合＋吻合−

RCA

LAD

LCX

吻合部位の有無による off-pump と on-pump への移行の関係

0 25 50 75 100%

RCA( ＋ ) 2,898

LAD( ＋ ) 4,562

LCX( ＋ ) 3,308

RCA(−) 2,038

LAD(−) 374

LCX(−) 1,628

Off-pump

Off 　 on-pump への移行

2.8%

2.6%

2.9%

1.9%

0.8%

1.4%

昨年は 14.8%

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

Off-pump

男女別の年齢分布（初回待機手術）

2000 1000 10000 0

281

1100

2232

2250

388

40

203

553

941

253

49≧

60−69

50−59

70−79

≧80

（年齢）男性： 75.8% 女性： 24.2%

死亡率： 0.62%( 昨年： 1.10%)

死亡率： 1.26%( 昨年： 1.24%)

高齢者割合の年次推移（初回待機手術）

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

2000 2001 2002 2003 2004 2005

îN

äÑçá70çŒà»è„80çŒà»è„

46.5%

7.8%

(%)

年齢別死亡率の年次推移（初回待機手術）

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

2000 2001 2002 2003 2004 2005

îN

éÄñSó¶

49çŒÅÜÇTÇOÅ|ÇTÇXçŒÇUÇOÅ|ÇUÇXçŒÇVÇOÅ|ÇVÇXçŒÇWÇOçŒÅÖ

( ％ )

グラフトの選択（単独バイパス手術における延べ本数： 24,784 本）

(%)

ç∂ì‡ãπìÆñ¨âEì‡ãπìÆñ¨à›ëÂñ‘ìÆñ¨ûÙçúìÆñ¨ëÂïöç›ê√ñ¨ÇªÇÃëº

37.1%

13.9%7.6%11.3%

29.8%

0.2%

心室中隔穿孔の手術成績の年次推移

(%)

0

10

20

30

40

50

60

ÇPÇXÇWÇOà»ëOÇPÇXÇWÇPÅ|ÇPÇXÇWÇTÇPÇXÇWÇUÅ|ÇPÇXÇXÇOÇPÇXÇXÇPÅ|ÇPÇXÇXÇTÇPÇXÇXÇUÅ|ÇQÇOÇOÇO

2001 2002 2003 2004 2005

îN

éÄñSó¶

2005 年 ;総数： 154 、死亡： 29( 死亡率： 18.83%)

(%)

心室中隔穿孔の手術成績(1)

0 50 100 150

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

15429

( 死亡率 18.8%)

5710

9719

125

47

78

( 死亡率 17.5%)

( 死亡率 19.6%)

( 例数）

心室中隔穿孔の手術成績(2)

0 50 100 150

Dagett 法

生存死亡

( 死亡率 13.8%)

12

17

( 死亡率 25.0%)

( 死亡率 35.3%)

( 例数）

Komeda 法

29

96

25

4

1680 ( 死亡率 16.7%)

前壁梗塞 ( 死亡率 16%)

Dagett 法

Komeda 法

後下壁梗塞 ( 死亡率 31%)

9

11

3

6

左室乳頭筋断裂の手術成績の年次推移

(%)

2005 年 ;総数： 29 、死亡： 7( 死亡率： 24.14%)

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

ÇPÇXÇWÇOà»ëOÇPÇXÇWÇPÅ|ÇPÇXÇWÇTÇPÇXÇWÇUÅ|ÇPÇXÇXÇOÇPÇXÇXÇPÅ|ÇPÇXÇXÇTÇPÇXÇXÇUÅ|ÇQÇOÇOÇO

2001 2002 2003 2004 2005

îN

éÄñSó¶

(%)

左室乳頭筋断裂の手術成績

0 10 20 30

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

29

( 死亡率 24.1%)

14

4 15

11

11

( 死亡率 21.4%)

( 死亡率 26.7%)

( 例数）

722

3

心破裂の手術成績の年次推移

(%)

2005 年 ;総数： 82 、死亡： 26( 死亡率： 31.71%)

0

20

40

60

80

100

120

ÇPÇXÇWÇOà»ëOÇPÇXÇWÇPÅ|ÇPÇXÇWÇTÇPÇXÇWÇUÅ|ÇPÇXÇXÇOÇPÇXÇXÇPÅ|ÇPÇXÇXÇTÇPÇXÇXÇUÅ|ÇQÇOÇOÇO

2001 2002 2003 2004 2005

îN

éÄñSó¶

(%)

心破裂の手術成績

0 50 100 150

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

82 ( 死亡率 31.7%)

1915

6341 22

( 死亡率 21.1%)

( 死亡率 34.9%)

( 例数）

2656

4

左室瘤全体の手術成績の年次推移

(%)

2005 年 ;総数： 247 、死亡： 11( 死亡率： 4.45%)

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

ÇPÇXÇWÇOà»ëOÇPÇXÇWÇPÅ|ÇPÇXÇWÇTÇPÇXÇWÇUÅ|ÇPÇXÇXÇOÇPÇXÇXÇPÅ|ÇPÇXÇXÇTÇPÇXÇXÇUÅ|ÇQÇOÇOÇO

2001 2002 2003 2004 2005

îN

éÄñSó¶

(%)

左室瘤全体の手術成績

0 100 200 300

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

247

11

( 死亡率 4.45%)

198

8

49

19

236

190 ( 死亡率 4.0%)

( 死亡率 6.1%)

( 例数）

46

3

左室瘤のみの手術成績

0 100 200 300

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

170 ( 死亡率 1.76%)

139

3

31

19

167

136 ( 死亡率 2.2%)

( 死亡率 0%)

( 例数）

3

左室乳頭筋機能不全のみの手術成績

0 100 200 300

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

187 ( 死亡率 4.59%)

1811

15

19

196

173 ( 死亡率 4.4%)

( 死亡率 6.7%)

( 例数）

9

8

左室瘤＋左室乳頭筋機能不全の手術成績

0 ５ 0 １ 00 １５ 0

全体

バイパス（＋）

バイパス（ ）−

生存死亡

69 ( 死亡率 10,39%)

59

3

18

19

77

54 ( 死亡率 8.5%)

( 死亡率 16.7%)

( 例数）

9

5

15

結語 (1)

１．単独冠動脈バイパス手術全体の死亡率は　　　　　　　 1.91% 、初回待機手術の死亡率は 0.89% であり、　　昨年よりさらに手術成績は向上した。

２．初回待機手術の内、 61% が off-pump で行われ、　　その死亡率は 0.60% と極めて良好であった。

３．多枝バイパスほど off-pump 率が低下するが、４枝　　バイパスでも半数以上が off-pump で行われた。

結語 (2)

４． Off-pump から on-pump への移行の死亡率は 　　 4.13% と依然として高かった。

５．対象年齢は年々高齢化し、 70 歳以上が約半数を　　　占め、その手術成績も向上していた。

６．動脈グラフトは約 70% に使用されていた。

７．心筋梗塞後合併症の成績は年々向上しており、

バイパス手術を同時に行った症例の方が死亡率 　　が低かった。

ご協力、

誠に有り難うございました。

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