学術情報システムの終わりとアカデミック・ワンダーランド 公開用

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学術情報システムの終わりと アカデミック・ワンダーランド

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元宇部高専三 角 太 郎学術情報システムの終わりと

アカデミック・ワンダーランド

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この資料について

○現在の学術情報システムは2020年に抜本的な改変をもとめられている。

○それにむけてのNIIとの懇談会が千葉大にて2015年1月8日に開かれた(参加大学は千横茶筑)。

○その場で、今後の学術情報システムについて

破壊的意見大歓迎

現在の学術情報システム継続は考えなくていい

無礼講で!

との前提で、数名でライトニングトーク(制限時間5分)を

行った。これは、そのトークのために、みすみが作った資

料である。

← 信じられないかもしれないが、みすみの

トークは5分以内に納まった。

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平成10.4.1 宇部工業高等専門学校庶務課図書係平成15.4.1 山口大学附属図書館工学部分館情報サービス係平成16.4.1 山口大学学術情報部情報サービス課工学情報係平成18.4.1 宇部工業高等専門学校庶務課図書係主任平成19.4.1 宇部工業高等専門学校学生課学術・情報係主任平成20.4.1 山形大学学術情報部情報サービスユニットチームリーダー(利用者サービスチーム中央図書館担当)平成20.7.1 山形大学小白川事務部小白川図書ユニット図書チームリーダー(図書情報担当)平成22.4.1 山形大学工学部事務ユニットチームリーダー(図書情報・財務会計担当)平成23.4.1 山形大学工学部事務部総務課係長(図書情報・財務会計担当)平成23.9.1 山形大学工学部事務部総務課係長(研究支援担当)平成25.4.1 山形大学工学部事務部会計課係長(研究支援担当)平成25.7.1 山形大学工学部事務部研究支援課係長(研究プロジェクト支援室担当)平成25.10.1 山形大学山形渉外部渉外課上席係長(社会連携担当)平成26.4.1 千葉大学附属図書館利用支援企画課副課長(アカデミック・リンク担当)

簡単に自己紹介

この間はオーソドックスな図書館業務をしていた

この間は図書館業務はあんまりやっていない

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平成10.8.5~7 目録システム地域講習会図書コース平成10.7.29~7.31 図書館等職員著作権実務講習会平成11.6.10~11 学術情報センターILLシステム地域講習会平成11.6.21~23 学術情報センター目録システム地域講習会雑誌コース修了平成12.11.6~9 大学図書館職員講習会(文部省、京都大共催)修了平成13.6.27~29 中堅係員研修(山口大学主催)修了平成13.9.26~28 NACSIS-IRデータベース実務研修修了平成16.11.1~2 NAIST電子図書館講座修了平成19.7.31~8.3 情報処理軽井沢セミナー(国立情報学研究所主催)修了平成19.12.18~21 中国・四国地区図書館地区別研修(山口県立図書館)平成21.7.6~17 大学図書館職員長期研修(筑波大学主催)修了簡単に自己紹介

ひととおり、図書系の研修も受けている

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宇部高専でのみすみの担当

◎図書受入・目録

平成19年 受入 2916冊

◎ILL

平成 19年 複写依頼 301件 貸出依頼 80件

複写受付 80件 貸出受付 2件

○閲覧

◎システム管理

ライト・ノベルが多いので、実は書誌階層が大変高専教員の研究のライフライン

NACSIS-CAT/ILLに直接的に

お世話になっていた

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他の組織での業務

山口大→閲覧、リテラシー、雑誌、システム、

機関リポジトリ、広報

※ 図書館システムのリプレースにも

携わったので、一通りの機能は見ている

山形大→図書館業務全般の統括

※ 目録にはほとんど触っていない

ILLは少し

千葉大→館内業務の調整

※ 図書館システムに、ほとんど

触ったことがない

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NACIS-CAT/ILL

への

みすみの想いは

宇部高専で

つくられた

所属を千葉大学でなく、あえて元宇部高

専としたのはそういう理由からである。

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図書館スタッフ数比較山形大中央 山形大工 山形大農山形大医 東北芸工山形県立保健医療 東北公益文化 米沢女短 羽陽学短 山形短広島大中央 広島大東 広島大西 広島大医 広島大東千田 広島大市立 尾道大 県立広島大学情センタ 県立広島大庄原学情センタ 県立広島大三原学情センタ 呉大坂 呉大郷原 呉大阿賀 日本赤十字広島看護大 比治山大 広島経済大 広島工業大 広島国際学院大本 広島国際学院現代社会学部 広島国際大 広島修道大 広島女学院大 広島文教女大 福山大 福山大薬 福山平成大エリザベト音楽大 安田女大 近畿大工 海上保安大学校 福山市立女子短 山陽女子短 鈴峯女子短 広島国際学院自動車短大部 広島文化短 呉高専鶴岡高専山形県

広島県10人

5人1人

日本の図書館2007(日本図書館協会編)、専従職員数より作成スタンダードを国立大学に置いてほしくない

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小規模機関にとって

書誌ユーティリティはライフライン

・書誌というよりもILLサービスがライフライン

・目録だけなら、TRCやJPのほうが使いやすい

・電子ジャーナルの購読タイトルも当然少ない

・WorldCatへの移行は無理

・ディスカバリーを導入できるわけがない

・IR推進よりも、本来の基幹システム

である、NACSIS-CAT/ILLシステムをしっかりして

欲しい。

・大学/文科省所管法人でない学術系の参加館も

忘れないでほしい(農水の林さんより)

経営的判断から、小規模機関は切り捨てられる

という可能性はあるのか?

金を出してくれるなら・・・ 金を出してくれるなら・・・

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http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/archive/stats/ill/flow/flow-stat_h25.html

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では、みすみは、NIIに

何を求めたいのか?

学術情報基盤の整備

わからなくなったら原点に戻ってみる

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学術情報システム広義には、学術情報の公表・流通・受容が効果的・効率的に行われることが研究活動の活性化に結び付くとの立場から、学術情報の流通過程・速度・量などの高度化をめざすシステム一般をいう。狭義には昭和55(1980)年1月の,学術審議会の文部大臣への答申「今後における学術情報システムの在り方について」において構想されている日本国内のシステムを指していう。この国内システムは,①図書・雑誌等のいわゆる一次情報の体系的収集と効率的提供,②二次情報を主体とするデータベースのための情報検索システムの充実,③大学図書館における資料の所在情報を集中する総合目録データベースの整備,④学術情報のデータベース化の促進,などを主たる目標としたネットワーク・システムで,これを実現する中枢機関として<学術情報センター(National Center for Science Information System : NACSIS, ナクシスと略称する)>が1986年4月に設立され,段階的にその機能を高めつつある。ただし,上記の①と③の目標達成のためには,大学図書館等のシステムへの参加と機能分担・協力が必要であり,個々の大学図書館のシステム化,大学における情報処理機能の充実,全国的ネットワークの整備などが求められている。 図書館用語集 / 日本図書館協会用語委員会 編, 日本図書館協会, 1996.8, 改訂版ミッションは今も変わっていない

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http://user.keio.ac.jp/~ueda/sip/sip5.html

3 新しい学術情報システムの考え方と整備の方策(1) 「学術情報システム」の基本的な考え方新しい学術情報システムは,学術研究活動の諸過程で必要とされる各種の情報を的確にかつ効率的に利用者に供給するシステムでなければならない。そのためには,第1に,学術情報に関する必要な諸機能が有機的に連結し,これらが一つの総合化されたシステムとして組み立てられることが重要である。すなわち,一次情報その他の情報を,可能な限り全国的見地から体系的,効率的に収集・整備するとともに,必要な情報を利用するための情報検索を迅速にかつ容易にするための手段を確立し,必要とされる情報を迅速,的確に提供するなど整合性ある単一の総合システムとして構成する必要がある。

今後における学術情報システムの在り方について(答申)昭和55年1月29日学術審議会第23号

ミッションは今も変わっていない

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http://user.keio.ac.jp/~ueda/sip/sip5.html

第2に,新しいシステムは資源共有の考え方を基調として構成することが有効である。すなわち,これまで既存の各大学等の諸機関において蓄積されてきた人的,物的な各種の資源,今後新たに蓄積される可能性のある資源等を含め,有効な相互利用を前提とし,機関間の全国的なネットワークを構成することが望ましい。第3に,新しい学術情報システムが学術研究に取り組む研究者にとって最適のシステムであることが重要である。学術研究は,分野が極めて広範にわたり,かつ専門性の高いものであることから,研究に用いられる情報は,内容の総合性,多様性,高次性,先導性などが強く要求される。このような学術関係の需要に応ずる情報システムを構成することは,研究の基盤を強化し,優れた研究成果につながるものと考えられる。このような角度から,新たに学術研究に必要な情報についてのシステムを構成していくことは,今後,産業構造としては知識産業を主体として推移するとみられる我が国の在り方にとっても,息の長い,しかし最も有効な先行的投資の一つと言うことができる。

今後における学術情報システムの在り方について(答申)昭和55年1月29日学術審議会第23号

相互利用が前提!大学側の責任が大きい!!

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Five laws of library science

S. R. Ranganathan

1. Books are for use.

2. Every reader his [or her] book.

3. Every book its reader.

4. Save the time of the reader.

5. The library is a growing organism.

http://en.wikipedia.org/wiki/Five_laws_of_library_science

Bookを学術情報、libraryを学術情報基盤と読み換えてみる

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NACSISに帰る?ということはありえないので、さてどうしよう?

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the National Institute of Informatics

Future Value Creation through Informatics

by

Advancing Research and Operation

in Tandem

http://www.nii.ac.jp/introduce/point.shtml

NII NIIの原点を

勝手に振りか

えってみる

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NII's Short Story

• May 1976The Research Center for Library and Information Science (RCLIS) is established at the University of Tokyo.

• April 1983The Center for Bibliographic Information is established at the University of Tokyo.

• April 1986The National Center for Science Information Systems (NACSIS) is established

• April 2000The National Institute of Informatics (NII) is established

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NII’s history(2)

• December 1984The Catalog InformaAon Service is started→NACSIS-CAT

• April 1987Operation of Science Information Network and Information Retrieval Service (NACSIS-IR) is started.

• The Electronic Mail Service (NACSIS-MAIL) is started.

• April 1992The Inter-Library Loan System (NACSIS-ILL) is started.Operation of Internet backbone network service (SINET) is started.

• April 1997The Electronic Library Service (NACSIS-ELS) is started.

• April 2005The official service of GeNii (NII Scholarly and Academic Information Portal) is launched.

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Construct the access path to

Academic Contents

Speedy, Broad and Cheap

Goal

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1'st Stage : build index on network!

• NACSIS-CAT(1984~)System for constructing union catalog databases designed to provide at-a-glance information on academic information archived at university libraries across Japan.

http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/en/

• NACSIS-ILL(1992~)

system supports inter-library services for document reproduction and lending of

literature to researchers.

http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/en/

• NACSIS-IR(1987~2005)Operation of Science Information Network and Information Retrieval Service

→GeNii(2005-)

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2nd Stage : build collections on

network!

・NACSIS-ELS (1997-2005)The Electronic Library Service.→GeNii(2005-)

・GeNii(2005-)NII Scholarly and Academic Information

http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index-e.jsp

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CSI's project

• Next-Generation Science Information Network:

SINET3,

• University Public Key Infrastructure:UPKI

for sharing information and securing information

access in universities,

• Grid Middleware for high performance

computing:NAREGI

• Next-Generation Scholarly Information

Infrastructure

the Cyber Science Infrastructure

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Next-Generation Scholarly Information

Infrastructure

Collaboration with University Libraries– NACSIS-CAT/ILL

Establishment of union catalog databases and promotion of ILL(interlibrary loan system)– Promoting dissemination of scholarly journals

Digitizing and providing research bulletins of universities– Supporting institutional repositories

Support for the construction and the collaborationCollaboration with Academic Societies

– Electronic Library Service(NII-ELS)– International Scholarly Communication Initiative(SPARC Japan)– Academic Society Home Village

Portal Service– Scholarly and Academic Information Portal(GeNii)

•http://ir.library.osaka-u.ac.jp/metadb/up/DRFIC2008/Adachi.pdf

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では具体的には?

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インターネットの爆発的な普及

により、1980年当時と現在では、

学術情報コンテンツへの探索・

到達経路がまったく異なったも

のになっている。しかし、現在

の学術情報システムの基礎は

1980年代の設計から変わってい

ない。情報技術により、繋ぎあ

わせている。

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電子ジャーナル・

電子ブックが

NACSIS-CAT/ILL

に入ってこない

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http://www.nii.ac.jp/content/erdb/pdf/20121221-cinii-renkei.pdf

平成平成平成平成24242424年度電子リソース管理データベース(年度電子リソース管理データベース(年度電子リソース管理データベース(年度電子リソース管理データベース(ERDBERDBERDBERDB)プロトタイプ構築)プロトタイプ構築)プロトタイプ構築)プロトタイプ構築プロジェクト最終プロジェクト最終プロジェクト最終プロジェクト最終報告会(報告会(報告会(報告会(2012.12.212012.12.212012.12.212012.12.21)より)より)より)よりNACSIS-CATはどこに入る?

NIIのERDBのページにあった最新の図

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せっかく、JUSTICEで、ILL可否の項目も

提案書に盛り込んでいるのに、

NACSIS-CAT/ILLに上手く生かせない

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リンキング・テクノロジーは立派

な技術であり、それを追求する

のは一つの選択肢。しかし、そ

れを前提にした目録(識別子も

含む)を作らなければ精度はあ

がらないのでは?

目録の品質がシステムの

精度を決める

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品質とは何か?ということを言い出すと、

別に議論しなければならなくなってしまうが、

とりあえず

① 検索ノイズが少なく

② 同コンテンツの

検索結果はまとめて

求めるコンテンツへより少ないステップで

到達できるシステムを品質が高い、とした

い。

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○検索エンジンと差別化をはかるとしたら、品質しかない。

← 利用者向けの検索だけなら、目録データを

検索エンジンに開放すればよい

← 業務用は、図書館員が自力でがんばるので、あんまり

考えなくても良い

※ 業務用は、むしろシンプルなほうが良い

(Webcatのほうが、CiNii Booksより、目録の中身が

見えやすいので、むしろ使いやすい)

○ディスカバリーサービスが図書館システムにちゃんと組み込

めて、外部情報源の書誌に所蔵情報がつけられる(リンクが張

れる)のなら、データベースの品質も高いかもしれない。

→ 目録作成業務からの解放?受入業務のみ?

※ 現在でもほとんどコピー・カタロギングしか

していないのだから書誌をローカルに

ダウンロードする手間が減るだけかもしれない

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80年代の論文探索フロー①索引誌もしくは参考文献でコンテンツの書誌情報を入手

②学内の所蔵情報を検索④図書館員が国内の所蔵情報を検索

学内目録情報システムNACSIS-CAT

学外からの取寄せコストが、学内のものに対して圧倒的に高いので、学内の所蔵を最初に検索することは合理的だった現在につづく学術情報システムの基本設計

① ローカル登録② 所蔵アップロード目の前に現物があるもののみを登録するほうが、検索時のノイズも少ないし、効率的だった。当時はベクトルがあっていた③図書館に依頼

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現在の論文探索フロー①検索エンジンもしくは書誌検索データベースで検索 学内目録情報システムNACSIS-CAT① ローカル登録② 所蔵アップロード②ディスカバリーシステムを検索

④図書館員が国内の所蔵情報を検索③図書館に依頼電子ジャーナル電子ブックオンライン書店インターネット上の情報源

学内目録情報システムから最初に検索することは、ほとんどないし、学内目録情報システムでカバーできる範囲が急激に減少。→ 目録情報システムの重要性の低下

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Q1111.ローカルで書誌をもつ必要はあるのか?ローカルで書誌をもつ必要はあるのか?ローカルで書誌をもつ必要はあるのか?ローカルで書誌をもつ必要はあるのか?

ローカルは所蔵データだけで良いのでは?検索は

ディスカバリーで行い、検索結果の表示の優先順位を

① 契約電子ジャーナルor電子ブック

② 学内所蔵冊子

③ 他機関所蔵冊子

にすれば良いのではないか?そうすれば、各大学での

書誌管理は不要になるし、各大学の書誌データも常に

最新の状態が保たれるのでは?

# 会計処理において、書誌は必須ではない

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現在の学術情報システム

所蔵データベース電子ジャーナル電子ブック

JP

LC

NACSIS-CAT

書誌データベースNACSIS-ILL

インターネット上の情報源オンライン書店 参照登 録CiNii Books

Discovery

Service

ローカルの目録システム

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例1)「ディスカバリー」モデルディスカバリーでの検索を前提にしてCiNiiは検索対象のデータベースとしかみなさないローカルは書誌をもたせないモデル。

所蔵データベース電子ジャーナル電子ブック契約情報管理データベース

NACSIS-ILLインターネット上の情報源 オンライン書店Discovery Serviceの検索を前提

ローカルの目録システムCiNii Books登 録 登 録○書誌の登録は基本的に書誌ユーティリティ側でJP、TRCマーク等を可能な限り、そのまま使用し、あらかじめ書誌を準備(コーディングは捨てる、所蔵のない書誌も認める)。○特殊資料の多い一部機関のみ書誌を作成するが、それは図書館システムでなく別ツールで行う(新CAT導入時に、書誌登録用のWEBツールがあったがそのイメージ)

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NACSIS-CAT

例2)「NACSIS-CAT 拡張」モデルNACSIS-CATを拡張して、電子情報源の管理を行うモデル。Discovery Serviceがなくとも最低限、ILLに必要な電子ジャーナル・電子ブックのアクセス可否は検索可能。

所蔵データベース※ 電子ジャーナル・電子ブックの書誌登録機能も追加

NACSIS-ILL

インターネット上の情報源 オンライン書店ローカルの目録システム○書誌作成はローカル側であるが、参照マークを可能な限り、そのまま使用(コーディングは捨てる)。○特に電子ジャーナル・電子ブックの書誌について、MARCを一括でNACSIS-CATに登録することを許可する、もしくは一括登録要請をNII側で受けて登録する。そうでないと電子ジャーナル・電子ブックの書誌登録が増えない書誌データベース※ 電子ジャーナル・電子ブックの書誌登録機能も追加

CiNii Books 登 録

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ディスカバリーサービスに各大学の冊子の所蔵情報

と電子ジャーナル・ブックの契約情報をいれて、ILLの相

殺システムをつければ、NACSIS-CATシステムは不要に

なるかもしれないが、ディスカバリーサービスを導入で

きる機関は限られている。

導入できない機関に対するセーフティーネットとして、

国内の各機関のILL可能な冊子と電子ジャーナル・ブッ

クの検索ができるシステムは欲しい。

高専図書館出身者としては

>> ディスカバリーモデルはつらい>> ディスカバリーをNIIがつくってくれるなら、もちろんOK

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Q2.NIIのERDBは、ディスカバリーサービスに

なれるのか?

もしかすると目指しているのかもしれないが、将来的

な実運用のフローが見えないし、それにむけたロード

マップも見えない。内部での検討状況はわからないが、

名寄せは根本的な解決にはならないので、書誌の

コーディングとコンテンツのサプライチェーンから見直

すべきでは?

Page 41: 学術情報システムの終わりとアカデミック・ワンダーランド 公開用

http://www.nii.ac.jp/content/erdb/pdf/20121221-kaihatsu-houkoku.pdf

「今後のプロトタイプ開発について」より

NACSIS-CATはどこに入る?NIIのERDBのページにあった最新の図

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Q3.同一コンテンツの電子版と紙版のリンク付

はできないのか?

Amazonで簡単にできることが、図書館システムでは

できないのか?

相互リンクを張るか、上位書誌を作成して版としてぶ

らさげるか?個々の大学で行う作業でなく、書誌ユー

ティリティの課題としてとりくむべきではないか?

電子ブックの場合、紙版と電子版はほぼ一対一対応

しているが、電子ジャーナルの場合は、対応していな

い場合もあるかも。

論文単位の電子版と紙版のリンク付は可能か?

← 最後は書誌単位と識別子の問題かも

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Q4. NIIは、RDAに対してどのようなスタンスなの

か?

コーディングマニュアルをRDA対応に改訂し、RDA対

応のシステムを開発することが、将来的な電子コンテン

ツ管理のためには望ましいと個人的には考えているが、

2020年に対応することを考えると方針を早急に示す

(少なくとも検討を開始していることを見せる)必要があ

るのではないか?(対応しないという選択肢もありうる

が)システムの標準的なリース期間が5年であることを

考えると、多くの機関は次回リリース時のシステムで

2020年を迎えることになる。

Page 44: 学術情報システムの終わりとアカデミック・ワンダーランド 公開用

Q5. CiNII Article、Junii等との連携はどう考える

のか?

特に著者名典拠データをどのように持たせるのか?

KAKEN、e-Rad等の他のデータベースとの連携は検討

しているのか?書誌以上に高い精度が要求されるが、

どのように検討はされているのか?

Page 45: 学術情報システムの終わりとアカデミック・ワンダーランド 公開用

Q6. ILLサービスは今の形態で続くのか?

サービス開始時に比べると、文献資料は革命的に入

手しやすくなっているので、需要は今後も減っていくで

あろう。が、現在75万件あるものが、そんなに簡単に

無くなるわけがない。オープンアクセスは一部でしかな

いし、今後も一部でありつづけるであろう。ELSのサー

ビス中止がどのように効いてくるのかも見えない。相

殺システムも含めて、ILLはセーフティネットとして維持

してほしい。

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Q7. 書誌階層を捨てられないのか?

今さら目録の内製化を目指すなどということはアナク

ロであり、使える参照情報源は徹底的に使うべきだが、

目録の仕様は徹底的に分析し、徹底的に検討しなお

すべき。

物理単位と書誌単位が一致していない現状が、目録

作成業務の効率を著しく落としている(所蔵の機械登

録が困難であるし、参照MARCを書き換える際も書誌

階層をあわせることに時間がかかっている)。書誌階

層は残したとしても(RDA的に発展させることが前提だ

が)、VOLは辞められないか?

← 「目録情報の基準」を捨てられないか?

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Q8. コンテンツ課は続くのか?みすみとしては続いてもらいたいが、その議論は後半で

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とりあえず今、みすみが思っていること○ 2020年に学術情報システムの抜本的な改変が待ち受けていることを周知すること。○ 多くの機関は次期リプレースのシステムで2020年を迎えることを周知すること。○ NIIは共同利用機関でしかなく、各大学は主体的にとりくまなければならないことを意識すること。← NIIは「お上」のように認識されているし(NII側にも責任があるとは思うが)こういうことをNIIが言うと「責任放棄だ!」と怒る機関もあるかと思うが、そこは丁寧に、かつ、毅然として!○ 周知は網羅的におこなうべきだが、みんなの意見を聞いていたら動くわけがないので、動けて現場を知っている人間をピックアップしてタスクフォースをつくること。← リーダーはNIIではないほうが良いかも。○ ミッションを明確に打ち出して、ロードマップを描くこと。← ミッションを明確にしないと、メンバーのベクトルが揃わないし、ベクトルが揃わないとチームとして機能しない。

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まずは大学側の危機感を、あおることが必要では?

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ありがとうございました