(プロ向け資料)ホールボディーカウンター 理想と現実

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「さかのぼり日本史」ならぬ さかのぼりWBC 理想のWBC → 実際のWBC 2012/3/14 南相馬市立総合病院主催の講演会資料より抜粋 東京大学 早野龍五

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理想のホールボディーカウンターと,現実のWBCの比較をしてみました.WBC測定の何が難しいのか.

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「さかのぼり日本史」ならぬ

さかのぼりWBC理想のWBC → 実際のWBC

2012/3/14 南相馬市立総合病院主催の講演会資料より抜粋

東京大学 早野龍五

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理想のWBC完全な遮蔽周りすべてが測定器ガンマ線の全エネルギーを見落とさず測定エネルギー分解能が良いピークのカウント数 ≃ Bq 値

1個壊れると

1カウント増える

原子核1個崩壊でガンマ線1個,β線は検出されないと仮定

×

それでも誤差はある → 統計誤差1分で何個壊れるかは「神のサイコロ」N ±

�N cpm

エネルギー

カウント

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理想のWBCにヒトが入ると

×

自己吸収コンプトン散乱K-40

× 自己吸収

散乱

散乱K-40

自己吸収を考慮した校正係数が必須

K-40自己吸収

エネルギー

カウント

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検出器が全てを覆っていないWBC自己吸収コンプトン散乱K-40はずれ(立体角補正)当て逃げ(コンプトン散乱バックグラウンド)

自己吸収と立体角を考慮した校正係数「当て逃げ」バックグラウンドの正しい差し引き

K-40はずれ

×

はずれ当て逃げ

エネルギー

カウント

当て逃げ

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遮蔽が不完全なWBC自己吸収コンプトン散乱K-40はずれ(立体角補正)当て逃げ(コンプトン散乱バックグラウンド)バックグラウンドと,その「体格補正」

バックグラウンドの体格補正

×

エネルギー

カウント

×

バックグラウンド

人体がバックグラウンドを遮蔽

バックグラウンド

バックグラウンドの人体遮蔽

バックグラウンドのγ線をWBCが検出してしまう人体がそれを遮蔽(遮蔽度合いは体格に依存)

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エネルギー分解能の低いWBC自己吸収コンプトン散乱K-40はずれ(立体角補正)当て逃げ(コンプトン散乱バックグラウンド)バックグラウンドと,その「体格補正」エネルギー分解能 Cs-134, 137の分離

134Csと137Csを正しく別々に定量できるか?

エネルギー

カウント

137Cs 134Cs

137Cs134Cs

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WBCの理想と現実

‣統計誤差神のサイコロ.同じ人を二度続けて測定しても結果は異なる

‣自己吸収検出効率が体格に依存 - 線源入ファントムによる校正必須

‣測定器の大きさ「当たり」と「はずれ」の割合.線源入ファントムによる校正必須

‣不十分な遮蔽バックグラウンドγ線を人体が遮蔽.《線源が入っていない》ファントムによる体格依存バックグラウンド校正必須

‣エネルギー分解能 134Csと137Csを正しく分離できるか?解析ソフトウエアの品質