Taxi Fare Deep Dive

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勉強会資料タクシーデータ分析Taxi Fare Deep Dive

2017.1.18JapanTaxi Co. Ltd.Osamu Masutani

JAPAN TAXI のデータ分析

タクシー会社のデータ分析• タクシー会社はどんなデータを持っているか

– 料金収受データ( PoS )– 動態データ– 顧客データ

• タクシー会社はどんな経営戦略をとるか– C/S 向上– 運用効率向上– コスト削減

タクシーサービス向上実車率向上燃料費削減

タクシーと他の類似データの違い• PoS

– 普通(店)は物、サービスをポイントで買う– タクシーは、ポイント to ポイントで買う

• 動態– 普通(鉄道、航空機など)は、路線で営業する– タクシーは、ポイント to ポイントで営業する

• ルーティング– 普通(物流など)は、時間に関しては緩い制約– タクシーは、ポイント to ポイントで時間指定される

タクシーデータ分析手法• GIS

– 地理データ解析– 可視化

• オペレーションズリサーチ– 経路探索– 組み合わせ最適化

• ミクロ経済学– ダイナミックプライシング– 需要予測

分析で増収を目指す• 新しいサービス体系で収入増を目指す→  新体系の導入効果/リスク見積もり→  新体系のシステム最適化• 収入の源:運賃

– 新体系のポートフォリオには柔軟な運賃が必要→  新しい運賃を RE:DESIGN するための分析

タクシー運賃とはタクシー運賃 RE:DESIGN

なぜタクシー乗らないの?• 高い• 探す/呼ぶのが面倒• 快適性• 不確定要素(渋滞など)料金に関する利用忌避要因が大きい?

タクシーの料金は高い?

出典:“Simutransで行こう” http://simutrans128.blog26.fc2.com/blog-entry-62.html

タクシー

京王バス

タクシーの料金設定• 基本的には距離と時間で定まる

東京のタクシーの運賃• 距離料金と時間料金の和

東京の例(日本交通の実態とは異なる)東京 23 区、武蔵野市、三鷹市

普通車 距離制運賃初乗運賃 2000m まで 730 円加算運賃 以後 280m ごとに

90 円時間距離併用制運賃※ 1 分 45 秒ごとに 90 円加算

タクシー運賃の法規• 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)

– http://www.mlit.go.jp/common/000037426.pdf• 第九条の三

– 一般乗用旅客自動車運送事業者は、旅客の運賃及び料金(旅客の利益 に及ぼす影響が比較的小さいものとして国土交通省令で定める料金を除く。)を定め、 国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様と する。• 2 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつて、これをし なければならない。

– 一 能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えない ものであること。 – 二 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。 – 三 他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなる おそれがないものであること。 – 四 運賃及び料金が対距離制による場合であつて、国土交通大臣がその算定の 基礎となる距離を定めたときは、これによるものであること。

タクシー運賃 RE:DESIGN のためのデータ• PoS データ

–アプリ、電話などでの注文– 流し営業

• 動態データ–配車管理用 GPS トラッキングデータ– 実車/空車フラグ

前決め運賃サービスタクシー運賃 RE:DESIGN 事例1

前決め運賃• タクシー利用者の料金に対する不安を解消し、安心して利用できる、前決め運賃を導入する• 運賃キャップ制(前決めとメーターの安い方を採用)• 運賃予測(経路および所要時間から予測する)

事業概要

実現方法\xxxx

距離運賃と実際の運賃の関係距離運賃を超える部分は時間運賃分単純な係数倍運賃では遠距離でほとんど割引が発生しない

係数 1.2

距離料金回帰直線

割引される乗車

標準運賃での料金の分布 深夜運賃での料金の分布

距離 [m] 距離 [m]運賃

[円]

運賃[円

]

料金実態• 各料金帯ごとの乗車数• 短距離が圧倒的に多い

初乗り分を分離

初乗り 21%

3000 円までで 84%1000円ごとの集計

実際の運賃データから妥当な前決め運賃• 時間運賃の分布は、 10km までは増加し、その後はほとんど増加しない• 各距離で公平に割引機会が得られるように、区間ごとに回帰• 1つの回帰直線では減収の制御が難しいため、上位〇〇%をとる

上位1 0%

上位 20%上位 30%上位 40%上位 50%

距離 [m] 距離 [m]時間

運賃[円

]

時間運賃

[円]

※単純な線形の式では長距

離の乗客は殆ど割引を受け

られない

※10kmを超えたあたりから j時間料金が伸びない傾向

係数を変化させシミュレーション係数大係数小

標準料金

夜間料金

予測誤差の評価• 誤差は予測が最小 • 誤差の距離に対する均一性は回帰が最小

係数 1 係数1.1

係数1.2

係数1.3

係数1.4

係数1.5

回帰0.5

回帰0.6

回帰0.7

回帰0.8

回帰0.9

予測0

5

10

15

20

25

30

MAPE[%]

MAP

E[%

]

係数1係数

1.1係数

1.2係数

1.3係数

1.4係数

1.5回帰

0.5回帰

0.6回帰

0.7回帰

0.8回帰

0.9予測0

0.02

0.04

0.06

0.08

0.1

0.12

0.14

0.16

0.18

Gini index

Gini

Inde

x均一

不均一

誤差小

誤差大

最適な手法の分析• 単純手法では、減収率下げようとすると、誤差が悪化する• 予測をすることで、減収率を下げながら誤差を低減することが可能

• 単純手法では、減収率と減収トリップ数(カバー率)を両立させることはできない。• 予測をすることで、減収トリップ率を確保しながら減収率を下げることはできる。

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 200

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

回帰 0.5

回帰 0.6

回帰 0.7

回帰 0.8

回帰 0.9

係数 1

係数 1.1

係数 1.2

係数 1.3

係数 1.4係数 1.5

減収率 × 減収トリップ数

係数 (1-1.5)

回帰 (0.5-0.9)

予測

減収率 [%]

減収トリ

ップ率[

%]

良い

コスト減 コスト増

機会減

機会増

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20

0.05

0.1

0.15

0.2

0.25

0.3

減収率 ×MAPE

係数 (1-1.5)

回帰 (0.5-0.9)

予測

減収率

MAP

E

コスト減 コスト増

誤差小

誤差大

良い

前決め運賃で RE:DESIGN• タクシーサービス向上

–事前に料金がわかる安心感 → 需要増• 運用効率向上

–決済の単純化• コスト削減

– 予測により減収リスク削減

タクシーシェアサービスタクシー運賃 RE:DESIGN 事例2

タクシーシェア• 需要増時の運送効率向上のため、タクシーシェア制度を導入する• マッチングサービス(乗客ペア探索、迂回最小化)• 乗り合い運用(簡易な配車システム)

事業概要

実現方法

ライドシェアの需要はあるか• 羽田空港へのトリップ

–メッシュ(1km)• 京浜東北線東京以南に集中

新宿駅発 上位行先 20メッシュ(終日)

赤 10-20km 、 青 20km 以上

新宿駅西口

OD ペアの偏り• 上位20 OD で45%を占める• 特定路線への偏り• ライドシェアが成立するケースは多い 各 OD台数(エリア内込み)

1 16 31 46 61 76 91 1061211361511661811962112262412562712863013163313463613763914064214360

50100150200250300350400

上位 OD の頻度45%   TOP20

ライドシェアマッチングアルゴリズム1. 近傍を通過予定の車両を探索する(ある距離、時間幅を持って)2. 新旧の経路で基準を超えて旅行時間が伸びなければ採用3. 2組目の到着4. 1組目の到着

O1

D1

O2

D2

O1

D1

O2

D2

O1

D1

O2

D2

O1

D1

O2

D2

1

2

3

4

29

ライドマッチングシミュレーション• 各種条件で実験

同じトリップに対し複数の組み合わせが存在する場合

全ての事例を出力

全ての組み合わせ数万*数万件をマッチング(1日分)

マッチング事例• わかりやすい事例

Confidential 30

OD合致型 O合致 D自由 OD自由

方式概要 2組目が1組目の経路上で乗り降りするパターン

2組目が経路上で乗り、その後の経路はマッチング経路を通る

1組目出発時点で2組目の存在が分かっていた場合(潜在ペアも拾う)

合致範囲 500m 、 10 分 500m 、 10 分 -RSマッチング条件 - 新経路 < 元経路 * 1.2 新経路 < 元経路 * 1.2マッチング件数( /1 日) 数件 数100件 数千件

1組目の経路を変更せずに目的地に到達できる場合

マッチング完了後最適ルートをとる

需要予測して最大マッチングをとった場合

マッチングシミュレーションO1

D1

O2

D2

O1

D1

O2

D2

O1

D1

O2

D2

最適化された姿システム支援無

タクシーシェアで RE:DESIGN• タクシーサービス向上

–運賃の低廉化 → 需要増• 運用効率向上

– 実質供給量の増加–客単価増加

• コスト削減–総トリップ(燃料費)削減

自動運転とライドシェアタクシー運賃 RE:DESIGN 未来

自動運転時代の運賃はどうなるか?• タクシーが自動運転導入の先駆けとなる?

トヨタ Japan Taxi

本当に普及するのか?• 20世紀初頭のニューヨークの例• 10年で“すっかり“変わる~イノベーションのスピード

horse-drawn carriages “horseless carriages”—

出典: http://blog.zorangagic.com/2016/10/disruption-self-driving-cars-and-ride.html

自動運転による安全性• ADAS 、 AV にて保険料35%~52%程度の低減

–安全性もすでにお墨付き

出典:  Impact of Car Sharing, Automated Driver Assistance , Autonomous Cars on Insurance https://www.pwc.com/ca/en/insurance/publications/pwc-impact-of-driverless-cars-2015-12-en.pdf

シェアによる移動コストの変化• 所有から共有へ

– コスト、時間共に他の交通機関を凌駕する可能性

出典:  http://linkback.morganstanley.com/web/sendlink/webapp/BMServlet?file=e72626n0-3pka-g002-b8c7-005056013600&store=0&d=1&user=ded82hm7bu07c-2&__gda__=1601757194_55d7b23ee93236041c022c4c70eacdf9#0001&ded82hm7bu07c-0&1601757194_c1c3530231514a8ac2e1c78bdf76871f&0011&ded82hm7bu07c-1&1601757194_45a5104d280513428eb57e473a5220c0

自動運転車 * ライドシェアのインパクト• シェアリングエコノミーが自動運転技術と結びついた場合のコスト比較

出典: Will Autonomous Vehicles Derail Trains?https://www.bcgperspectives.com/content/articles/transportation-travel-tourism-automotive-will-autonomous-vehicles-derail-trains/#chapter1

未来の自動運転タクシーは• Door to door で安くもっと気軽に乗れる交通機関になる?

出典 : http://cre-m.jp/movie_795/

未来の交通を RE:DESIGN したい方はJapan Taxi へ!