Graduate School of Advanced Mathematical …...非線形非平衡の数理概論 金融数理特論...

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146 │MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2015 MEIJI UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL * GUIDE BOOK 2015│ 147

 急速に発展した工学、科学技術の革新によって、我 は々多大な恩恵を受けると同時に温暖化、砂漠化、大気汚染など環境が大きく変わるだけでなく、経済も激しく揺れ動いています。 このような問題を作り出す社会は複雑システムであり、その複雑さは、要素の数が多いというだけでなく、それらが複雑に絡み合っていることです。その解明には、「なぜそのような現象が起こるのか」という疑問を解きほぐし、その現象を、数理モデルという数学的な言葉に翻訳し、数学という道具を用いて仕組みを明らかにする現象数理学の展開が求められています。本学はそれに応えるために、2008年からグローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」を推進してきました。 先端数理科学研究科はこのプログラムを実践する教育機関として誕生しました。本研究科の理念は、先端的な数理科学に寄せられる社会のニーズに応えるために、社会との関わりを重視した現象数理学を実践することであり、複雑化する社会において本質を見抜く能力と数理科学的技術を身に付け、国際的にも活躍出来る有為な人材を育成・輩出する教育研究拠点であります。現在(2013年度)は、卓越した大学院拠点形成支援補助金に採択され、更なる発展が期待されています。

 先端数理科学研究科は、「社会に発信し、社会に貢献する数理科学」を目指す文理融合・領域横断型の教育研究を展開する。自然、社会、生物等に現れる複雑なシステムを先端的な数理科学を用いて解明し、これを社会に還元することにより社会イノベーションの実現を図り、人類の福祉の向上に寄与する。この理念の下に、本研究科は、高度で幅広い数理科学的素養を身につけ、様々な現象とのインターフェイスとなって数学と諸科学の掛け橋を構築する力を持った国際的に活躍できる人材の育成を目指す。

<希望職種>研究職、中・高数学教員、SE(システム・エンジニア)、NE(ネットワーク・エンジニア)、DE(データベース・エンジニア)<希望業界>医療、金融、保険、シンクタンク、エネルギー商社、コンサルティング、IT、通信

 現象数理学専攻は、先端数理科学研究科の人材養成の目的を踏まえ、高度で幅広い数学的素養を基にして、社会に広く貢献する人材の育成を目指す。このため、本専攻では、現象の本質を見抜き、理解する抽出モデルの構築を柱とする数理科学の教育研究を行う。 自然、社会、生物等における諸現象を数理的観点から研究する現象数理教育に重点を置き、「モデリング」、「数理解析」及び「シミュレーション」をキーワードとした教育課程を編成する。 また、自然科学に限らず、人文・社会科学にも目を向けた文理融合・領域横断型の教育を実践し、様々な領域に対する現象の数理科学的解明を可能とする能力を養う。 さらには、国内外の現象数理学に関する教育研究機関との人材交流、単位互換及び学術交流により、世界レベルの現象数理教育を展開し、国際的に活躍できる人材を育成する。

社会に貢献する数理科学を目指して

先端数理科学研究科の人材養成その他教育研究上の目的 現象数理学専攻の人材養成その他教育研究上の目的

Graduate School of Advanced Mathematical Sciences

先端数理科学研究科

窓口開室時間(低層棟 3F)

平 日▶ 9:00 ~ 11:30 / 12:30 ~ 18:00土曜日▶ 8:30 ~ 12:00電 話▶ 03-5343-8042U R L ▶ http://www.meiji.ac.jp/ams/

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先端数理科学研究科

■ 現象数理学専攻 カリキュラムの特色

 本研究科は、現象の本質を見抜き、理解する抽出モデルの構築を柱とする数理科学の教育研究を行います。自然、社会、生物などに現れる複雑現象の数理的解明に向けて、モデリングに関する基礎技術および数理解析技術を習得させることを目指します。 具体的に教育研究領域として取り扱う現象の例としては、

●経済活動、金融工学、渋滞そして地震や地球温暖化などの社会現象●免疫系、遺伝子構造、ガン細胞、心室細動などの医学現象●進化、生態系などの生物現象●生命機構に関連する化学反応やタンパク質合成などに現れる非平衡現象

●錯覚、思考に見られる知覚・認知現象

などが挙げられます。我々の生活に直接関連の深いテーマに関して、「モデリング」、「数理解析」、「コンピュータシミュレーション」を行い、複雑現象を数理的に理解し、問題に共通する原因を探ります。こうした一連の学習から問題を解決する能力を培っていきます。このように、現代における重要な課題に挑戦しながら、現象数理学的な手法を理解する環境を整えていきます。

教育研究領域 現象数理学を習得するためには、研究テーマに応じて、現象の数学的記述であるモデリング、その解析であるシミュレーション、数理解析の連結が不可欠です。それを効果的に実践するため、博士前期課程においては、従来の講義形式による教育手法に加え、新たな教育手法を加えます。博士後期課程においては、学生の研究テーマに応じてモデリング、シミュレーション、数理解析の分野からそれぞれ1名の教員が選出され、3名の指導教員がチームフェローとして研究指導に携わり、学生の研究活動を多面的に指導します。具体的には、現象数理学の方法論であるモデリング、シミュレーション、数理解析の分野から主分野を選択し、正指導教員による指導を受け、残る2分野は先端数理科学インスティテュートからそれぞれの副指導教員を選びます。こうした複数名による研究指導体制により、複眼的視野を持つ教育研究指導を行います。

●博士前期課程…「複数研究指導制」 正指導教員1名および副指導教員2名による複数指導制により、広がりを持った研究指導を行います。

●博士後期課程…「チームフェローによる複数指導」 学生の研究テーマに応じて、上記3分野から1名ずつ、合計3名の正指導教員がチームフェローを組み、多面的研究指導を行います。

複数指導制

▶錯視量の最適化に基づく錯視図形生成法とその応用▶ハイプレインにおける多面体の実現性▶避難時における出口周りの障害物の効果▶将棋プログラム Sessa の開発  ─ Soft Confidence-Weighted 学習による局面評価関数の生成法─

▶音楽理論 GTTM のグルーピングの数理化による曲の境界の検出▶ウェーブレット解析を用いた景気循環の山と谷の特定▶牛取引情報を用いた口蹄疫の初期伝播モデルの設計と宮崎における流行への適用▶植生から砂漠化への現象数理学▶ 2 次元興奮波の挙動に関する数理的考察

2013 年度 修士論文テーマ

近年の博士学位授与課 程 博 士

学位の種類 論 文 タ イ ト ル 授与年度博 士(数 理 科 学 ) Model-Aided Understanding of Competitor-Mediated Coexistence 2012 年度博 士(数 理 科 学 ) Patterns appeared on the two-dimensional excitable media 2012 年度博 士(数 理 科 学 ) Homogenization Approach to Filtration Combustion of Reactive Porous Materials: Modeling, Simulation and Analysis 2013 年度博 士(数 理 科 学 ) The tsunami propagation analysis and modeling of the land use and land cover effect for real-time tsunami inundation simulation 2013 年度博 士(数 理 科 学 ) Mathematical and Experimental Study for Waves and Pattern Dynamics: Focused on Animal Locomotion and Belousov-Zhabotinsky Reaction 2013 年度博 士(数 理 科 学 ) Model-Aided Understanding of Pattern Formation in Chemotactic E.coli Colonies 2013 年度博 士(数 理 科 学 ) 株式指数先物の理論価格修正におけるデルタ・ワン取引への応用とマーケットマイクロストラクチャーによる分析 2013 年度

設置科目

現象数理学提案型プロジェクト研究Ⅰ〜Ⅵ現象数理学発展研究ⅠA〜ⅥA現象数理学発展研究ⅠB〜ⅥB

■ 博士後期課程

現象数理学研究Ⅰ〜Ⅳ 科学リテラシー概論 応用幾何特論A、B現象数理学セミナー A、B 現象幾何計算特論 リスク解析特論A、B現象モデリング要論 力学系特論 応用数値解析特論現象科学計算要論 時系列解析特論 現象数理学演習現象数理解析要論 現象確率論特論 先端数理科学研究総合講義A、B非線形非平衡の数理概論 金融数理特論 Mathematical Sciences Integrated Lecture C、Dデータ解析概論 社会数理特論数理生物学概論 数理ファイナンス特論

■ 博士前期課程

※2014年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。

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先端数理科学研究科 Graduate School of Advanced Mathematical Sciences

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■ 研究テーマ紹介

このような研究をしています

 「現象数理学」を研究する上で重要なキーワードは、「モデリング」。複雑な現象を紐解いて真の姿を探るためには、「数理モデル」が必要です。その数理モデルをつくりだすことをモデリングと言います。本専攻では、多彩な現象に触れることにより、モデリング能力を培っていきます。 現象数理学専攻では、「モデリング」「数理解析」「シミュレーション」を教育の3本柱としています。

研 究 1 研 究 2

確率論からデータへのアプローチPoint:データにだまされるな

ゲーム理論から進化へのアプローチPoint:よりよく生きる力を「ゲーム」で解き明かせ

 IT技術の発達の結果、株価や地震に代表されるさまざまな種類のデータが大量に取られ、使用出来るようになりました。このデータを生かし役立てるには、しっかりした数学の理論に裏打ちされた数理手法を用い、見た目にだまされずに真の情報を抜き出す必要があります。現在、実際の経済・理工学データから異常の発見や新知見解明を目指して研究を進めています。

 進化現象や生態系の振る舞い、更に人間界の経済現象をゲーム理論などの数理モデルによって研究しています。 例えば、両生類はその名のとおり、水中と陸上の生活が出来る生物へと進化しました。その生活史を進化ゲーム理論として捉えます。また、生息領域の形や協力行動の進化、多種共存といった生物の生態を解明していきます。

【研究テーマ例】●�両生類の生活史戦略の進化ゲーム理論による解析●�生態的公共財ゲームにおける協力行動の進化●�配偶者選択による派手な生物形質の進化●�ゲーム論を利用した経済競争戦略論

 サンショウウオの中には、変態して陸上生活型にならず、水中環境に留まったまま成熟するものがいます。この2種類の成長戦略を進化ゲーム理論で解析します。 これらの知見は、人が複雑な社会で生き抜いていくための指針にもつながります。

▲ 時系列解析(KM2O-ランジュヴァン方程式論)によって株価時系列に含まれる異常の発見や株価間の因果関係を明らかに出来ます。

▲津波の解明にデータと数値モデルの融合手法(データ同化)が役に立ちます。

▼サンショウウオの2種類の成長戦略

▶クジャクのオスの派手な羽は、メスと交尾するために進化したと考えられる。

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先端数理科学研究科

~現象数理学:研究のひろがり~ 

 先端数理科学研究科現象数理学専攻の教員スタッフは、さまざまな現象に対して数理的な手法を適用する「現象数理学」の研究を行っています。 本専攻で学べる多彩な内容のほんの一部を研究の側面から紹介します。

研 究 3 研 究 4

シミュレーションからパターンへのアプローチPoint:見えないものを見る数学

集団が形づくる秩序パターンPoint:なぜ秩序構造が生まれるのか

 貝殻の中には美しい模様を持つものもあります。これらの貝は、どのようにしてこの模様をつくるのでしょうか? 実は、偏微分方程式を解くことにより、この模様を再現することが出来ます。 詳細なメカニズムが分からなくても、模様づくりの普遍的メカニズムが数学を通して分かります。 コンピュータシミュレーションと、数学解析の組み合わせによって、パターンの数理的原理、ひいては生物の形づくりの仕組みの解明の研究を進めています。 社会におけるさまざまな問題の解決に向けた糸口はそう簡単には見つかりません。見えないものを見ることが出来る「数学」にその糸口発見の期待が寄せられています。

 アリの行列や魚の群れ、渡り鳥の隊列など、単体の振る舞いからは予想出来ないような時空間的な秩序パターンが集団の挙動で認められることがあります。同じ動作原理を持つもの同士が集まっているのに、なぜこのような新たな秩序パターンが生まれるのでしょうか。 この疑問に答えようとしたとき、魚や渡り鳥のような高等生物は複雑すぎるために扱いが難しくなります。 そこで、単体の挙動が比較的単純な微生物や自発的に運動する無生物に着目して研究を進めています。つまり、微生物や無生物の集団が形成する時空間パターンの特徴を捉え、単体の振る舞いから理解しようと試みています。 このような研究を通して、ますます複雑さが増している現代社会(集団)に対して一人ひとり(単体)の振る舞いが与える影響を、新しい視点で捉え直すことが出来るようになるかも知れません。

▲コンピュータの中で増殖するスポットパターン(左)と螺旋パターン(右)

▲微生物(ミドリムシ)の集団が秩序パターンを形成する過程

▲協調する複数の生物種の侵入の様子

◀ 自然界の模様のメカニズムを数学で発見。  コンピュータシミュレーションで解析します。

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先端数理科学研究科 Graduate School of Advanced Mathematical Sciences

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■ 研究指導概要

院 生 か ら の メ ッ セ ー ジ

博士前期課程現象数理学専攻 2 年

田口 亮太郎TAGUCHI Ryotaro

M essage #1

 現象数理学専攻では、数学という道具を使って自分の最も好きな「現象」を研究出来ます。私は生き物が好きなので生物の進化について研究しており、周りを見れば錯覚、心臓病、金融、渋滞、化学反応などテーマはさまざまです。研究のためには数学以外の幅広い知識が必要ですが、学生一人に対して指導教員が三名つき、十分なサポートを受けられます。また、分野外へ向けた研究発表の場が定期的に得られ、発表機会を目標として計画的に研究を進めることが出来ます。発表後も活発に議論を交わすので、準備段階も含め発表を通して研究への理解と情熱が一段と深まります。このように本専攻は研究をするための環境が十分に整っており、自分の好きな「現象」の研究に没頭出来るのです。

自分の好きな「現象」の研究に没頭できる環境が整っています。

修 了 生 か ら の メ ッ セ ー ジ

博士前期課程現象数理学専攻 2014 年 3 月修了

松本 純一MATSUMOTO Junichi

Message #2

 先端数理科学研究科は数学の理論を利用して身の回りの現象の解明を目指す研究科です。ここではさまざまな研究が行われており、例えば錯覚を利用したアートや心臓死、金融工学についてなどです。このように、生物学や経済学など色々な分野と数学との関わりを学べることがこの研究科の大きな特徴です。「興味はあるが数学に自信が無い」という人もいると思いますが、そこは問題ありません。私はウェーブレット解析という数学的手法で経済データの分析をしていますが、私は情報系の学部出身のため数学も経済も専門外の分野でした。それでも先生方の丁寧な指導もあり、学外での発表が行えるまでに進歩しました。数学と実社会のつながりに興味のある方はぜひ先端数理科学研究科へ来ませんか。

数学に自信が無くても大歓迎!数学の力でさまざまな現象を考えよう

モデリングとは

 現象は、そのままでは数理の枠組みでは扱えません。複雑な現象を数理的に理解するためには、必ず数理モデルが必要です。その数理モデルをつくりだすことを「モデリング」と言います。 モデリングで大切なことは、種々の現象に着目し、何が問題となっているのか、問題の本質を見抜くことです。 本質を捉えた数理モデルが抽出出来れば、数学という道具を使って現象の仕組みを調べることが出来るようになります。

現 象 数 理数理モデル

博士後期課程の研究指導概要

先端数理科学研究科 MIMS Ph.D. プログラム:現象数理学のスペシャリスト育成

MIMS研究指導プログラム(標準3年間)Step.1現象数理学横断教育プログラム

Step.2現象数理学実践プログラム

現象のモデリングに関する基礎技術と数理解析技術の習得

実験体験の蓄積・拡充 課題の発見と問題意識の醸成実験家、実務家 観測・フィールド研究者とのコラボレーション

3班融合研究指導チームフェロー

シミュレーション班

数理解析班 モデリング班

広島大学大学院数理分子生命理学専攻 博士後期課程

静岡大学大学院自然科学系教育部 (※後期3年の博士課程)

龍谷大学大学院数理情報専攻 博士後期課程

博士(数理科学)学位授与

■ 先端数理科学研究科博士後期課程科目○現象数理学提案型プロジェクト研究Ⅰ~Ⅵ○現象数理学発展研究ⅠA~ⅥA  ○現象数理学発展研究ⅠB~ⅥB

■ 大学院プロジェクト系科目

■ 大学院研究科間共通科目

先端数理科学インスティテュート科目群

○先端数理科学A・B○Advanced Mathematical Sciences C・D

国際系科目群 ○学術英語コミュニケーション○英文学術論文研究方法論

【単位互換・研究指導委託】学位請求論文 提出・審査

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先端数理科学研究科

■ 教 員 一 覧 ※2014年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。

乾 孝治INUI Koji

博士(理学)教授 金融工学研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】数理ファイナンス特論【研究テーマ】金融市場現象の解析と実務への応用支援【主な著書・

論文】“On the signifi cance of expected shortfall as a coherent risk measure”,Journal of Banking & Finance, 29, pp.853-864

砂田 利一SUNADA Toshikazu

理学博士教授 幾何解析学研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】応用幾何特論 A【研究テーマ】離散および連続モデルに対する解析学の幾何学的研究【主な著書・論文】『基本群とラプラシアン』/『バナッパ・タルスキーのパラドックス』/『Topological Crystallography』

佐藤 篤之SATO Atsushi

理学博士准教授 微分トポロジー研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】応用幾何特論 B【研究テーマ】多様体上の葉層構造、接触構造の研究、特に与えられた非特異流に横断的な葉層、接触構造の関係【主な著書・論文】“On transverse foliations Publ. Math.de I.H.E.S.” / “Contact structures of closed 3-manifolds fi bred by the circle”

松山 直樹MATSUYAMA Naoki

博士(理学)教授 アクチュアリー数理研究

分野

【最終学歴】大阪大学 【担当授業科目】リスク解析特論 A・B【研究テーマ】ERM、経済価値ベース ALM【主な著書・論文】生命保険数理への確率論的アプローチ(培風館)

桂田 祐史KATSURADA Masashi

博士(数理科学)

准教授数値解析研究

分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】応用数値解析特論【研究テーマ】微分方程式の数値計算法の数学的解析/ Chladni(クラドニ)図形の数値解析【主な著書・論文】“A mathematical study of the charge simulation method Ⅱ ” /「ポテンシャル問題の高速解法について」

小川 知之OGAWA Toshiyuki

博士(理学)教授 力学系理論研究

分野

【最終学歴】京都大学大学院【担当授業科目】現象モデリング要論/力学系特論【研究テーマ】時空パターンの解析【主な著書・論文】「非線形現象と微分方程式(パターンダイナミクスの分岐解析)」、小川知之著、サイエンス社、2010 年/ Y.Morita and T.Ogawa, Stability and bifurcation of nonconstant solutions to a reaction-diffusion system with conservation of mass, Nonlinearity, 23(2010), 1387-1411.

上山 大信UEYAMA Daishin

博士(理学)教授 応用数値解析研究

分野

【最終学歴】北海道大学大学院【担当授業科目】現象科学計算要論/【研究テーマ】生物・非生物のパターン形成機構の解明【主な著書・

論文】A self-organized mesh generator using pattern formation in a reaction-diffusion system, H. Notsu, D. Ueyama,and H. Yamaguchi, Applied Mathematics Letters 26(2) (2013), pp.201-206.

二宮 広和NINOMIYA Hirokazu

博士(理学)教授 非線形偏微分方程式研究

分野

【最終学歴】京都大学大学院【研究テーマ】拡散・伝播とパターン構造の数理【主な著書・論文】Diff usim, cross-diff usim and competitive interaction, J. Math. Biol. (共著・2006 年)/反応拡散方程式における進行波解と全域解、数学 (共著・2007 年)

刈屋 武昭KARIYA Takeaki

PhD、理学博士教授

金融工学研究分野

【最終学歴】ミネソタ大学大学院【担当授業科目】※博士後期課程研究指導のみ担当【研究テーマ】金融・事業リスクマネジメント/リアルオプション/信用リスク分析/不動産・金融資産価格分析/統計科学【主な著書・論文】『金融工学とは何か』(岩波新書)/

『Generalized Least Squares』(Kurata と共著、Wiley)

現象数理学専攻

菊池 浩明KIKUCHI Hiroaki

博士(工学)教授

ネットワークセキュリティ/プライバシー保護/データマイニング

研究分野

【最終学歴】明治大学大学院【担当授業科目】博士後期課程研究指導のみ担当【研究テーマ】プライバシー保護データマイニング【主な著 書・ 論 文 】H. Kikuchi, et al., Scalable Privacy-Preserving Data Mining with Asynchronously Partitioned Datasets, IEICE Trans. On Fundamentals, 2013./H. Kikuchi and H. Kizawa, Privacy-Preserving Collaborative Filtering Schemes With Sampling Users, Journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics, 2012.

吉田 明正YOSHIDA Akimasa

博士(工学)准教授 並列分散コンピューティング研究研究

分野

【最終学歴】早稲田大学大学院【研究テーマ】マルチコアプロセッサの並列ソフトウェアと並列化コンパイラの研究【主な著書・論文】An Overlapping Task Assignment Scheme for Hierarchical Coarse Grain Task Parallel Processing, Journal Concurrency and Computation: Practice and Experience, Wiley, Vol.18, Issue 11, 2006./粗粒度タスク並列処理のための階層統合型実行制御手法 , 情報処理学会論文誌 , Vol.45, No.12, 2004 年 .

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先端数理科学研究科 Graduate School of Advanced Mathematical Sciences

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先端数理科学研究科 Graduate School of Advanced Mathematical Sciences

萩原 一郎HAGIWARA Ichiro

工学博士特任教授

現象数理学/折紙工学と計算科学の融合研究/折紙を生体工学や産業に応用するための数理解析モデリングとシミュレーション

研究分野

【最終学歴】京都大学大学院【担当授業科目】博士後期課程研究指導のみ担当【研究テーマ】折紙工学と折紙工法により産業イノベーションを創出するための現象数理学に関する研究【主な著書・論文】

(1)田端正久、萩原一郎監訳:計算力学理論ハンドブック、朝倉書店(2010.6). /(2)萩原一郎、宮崎興二、野島武敏 監訳:デザインサイエンス百科事典―かたちの秘密をさぐるー、朝倉書店(2011.5). /(3)野島武敏、萩原一郎編、折紙の数理とその応用、共立出版社(2012.9) 他、多数

三村 昌泰MIMURA Masayasu

工学博士特任教授 現象数理学研究

分野

【最終学歴】京都大学大学院【担当授業科目】非線形非平衡の数理概論【研究テーマ】生物系に現れる自己組織化現象の数理【主な著書・論文】(1)現象数理学入門(共著:東大出版会(2013.9)(2)マレー数理生物学入門(総監修:丸善出版(2014.1)(3)現象と数理の50年(数学セミナー創刊50周年記念号、44-51日本評論者(2013.1))

杉原 厚吉SUGIHARA Kokichi

工学博士特任教授

幾何数理工学、特に錯覚現象数理学への応用

研究分野

【最終学歴】東京大学大学院【担当授業科目】現象幾何計算特論/先端数理科学研究総合講義A【研究テーマ】錯覚の数理モデリングとその知覚認識・芸術支援・エンタテインメント分野への応用【主な著書・論文】『エッシャー・マジック』(単著・東京大学出版会・2011年)/『だまし絵のトリック』(単著・化学同人・2010年)/『立体イリュージョンの数理』(単著・共立出版・2006年)

田野倉 葉子TANOKURA Yoko

博士(学術)特任准教授 統計科学 時系列解析研究

分野

【最終学歴】総合研究大学院大学【担当授業科目】時系列解析特論/現象確率論特論/社会数理特論/現象数理学セミナーA・B【研究テーマ】金融・経済リスクの統計的モデリング【主な著書・論文】「セクターインデックスの国際的な株価連動性の検出」 (ジャフィー・ジャーナル 金融工学と証券市場の計量分析・2006年)

池田 幸太IKEDA Kota

博士(理学)講師 反応拡散方程式研究

分野

【最終学歴】東北大学大学院【担当授業科目】現象数理解析要論【研究テーマ】パターン形成問題の数理的解析【主な著書・論文】“Mathematical treatment of a model for smoldering combustion”, Hiroshima Math. J., vol. 38, no. 3, pp. 349--361 (2008)

末松 J. 信彦SUEMATSU J. Nobuhiko

博士(理学)講師

物理化学・界面化学・非線形非平衡系の科学

研究分野

【最終学歴】筑波大学大学院【担当授業科目】現象数理学演習、データ解析概論【研究テーマ】集団が形作る秩序パターンの発見と解析─生物・無生物を用いた実験とその数理的な理解─【主な著書・論文】“Localized bioconvection of Eugulena caused by phototaxis in the lateral direction”J. Phys. Soc. Jpn. 80, 064003(2011)

若野 友一郎WAKANO Yuichiro

博士(理学)准教授 数理生物学研究

分野

【最終学歴】京都大学大学院【担当授業科目】数理生物学概論/Mathematical Sciences Integrated Lecture C・D【研究テーマ】生物の進化と生態の数理【主な著書・論文】Wakano et al. (2003) Self-organized pattern formation of bacteria colony modelled by reaction diffusion system and nucleation theory. Phys.Rev.Lett 90:258102. / Wakano et al. (2009) Spatial dynamics of ecological public goods. Proc.Nat.Acad.Sci.USA 106:7910-7914

中村 和幸NAKAMURA Kazuyuki

博士(学術)准教授 統計科学研究

分野

【最終学歴】総合研究大学院大学【担当授業科目】先端数理科学研究総合講義B【研究テーマ】ベイズ型時空間・時系列データ解析【主な著書・論文】Nakamura et al. “Particle fi ltering in data assimilation and its application to estimation of boundary condition of tsunami simulation model”

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先端数理科学研究科

■ 「入学者受入」、「教育課程編成・実施」、「学位授与」方針

【博士前期課程】 先端数理科学研究科博士前期課程は、社会の諸分野における複雑なシステムを解明することにより、「社会に発信し、社会に貢献する数理科学」を実践していくために、主に次のような資質や意欲を持つ学生を積極的に受け入れます。○�現象解明に知的好奇心を持って学習・研究に積極的に取り組もうとする者。

○�数理的な知識や論理的思考力を生かして専門職業人を目指すという強い意欲を持ち、活躍を目指す者。

 以上の求める学生像に基づき、学内選考入学試験、一般入学試験、外国人留学生入学試験、社会人特別入学試験を実施し、これらの資質や意欲を個別または総合的に判断するための入学者選抜を行ないます。 なお、修得しておくべき知識等の内容・水準を以下のとおり求めます。○�国内外を問わず、数学、数理科学に関する理工系大学の学士課程までに学ぶ基礎学力を身に付けていること。

○�出身学部にとらわれることなく、特定分野における十分な基礎学力を有していることに加え、数理科学を理解しうる素養と物事を論理的に考えることができる素地を備えていること。

【博士後期課程】 先端数理科学研究科博士後期課程は、社会の諸分野における複雑なシステムを解明することにより、「社会に発信し、社会に貢献する数理科学」を実践していくために、主に次のような資質や意欲を持つ学生を積極的に受け入れます。○�現象解明に知的好奇心を持って学習・研究に積極的に取り組もうとする者。

○�数理的な知識や論理的思考力を生かして社会において指導的役割を果たせる研究者や極めて高度な専門職業人を目指すという強い意欲を持ち、国際的なレベルでの活躍を目指す者。

 以上の求める学生像に基づき、研究計画プレゼンテーション方式によるA方式入学試験及び海外渡日前方式によるB方式入学試験を実施し、これらの資質や意欲を個別または総合的に判断するための入学者選抜を行ないます。 なお、修得しておくべき知識等の内容・水準を以下のとおり求めます。○�国内外を問わず、数学、数理科学に関する理工系大学の修士課程までに学ぶ学力を身に付けていること。

○�出身学部にとらわれることなく、特定分野における十分な学力を有していることに加え、数理科学を理解しうる素養と物事を論理的に考えることができる素地を備えていること。

【博士前期課程】 先端数理科学研究科博士前期課程は、本研究科の教育理念である、「社会に発信し、社会に貢献する数理科学」を目指す文理融合・領域横断型の教育研究を展開するため、以下に示す方針に基づきカリキュラムを編成します。○�自然、社会、生物等における諸現象を数理的観点から研究する現象数理教育に重点を置き、「モデリング」、「数理解析」、「シミュレーション」をキーワードとした教育課程を編成します。

○�数学・数理科学と他分野をつなぐインターフェイスとなるために必要な素養である、「学問(数理科学)と実社会(現象)とは乖離したものではないが、直接的には繋がっていないことの理解」を促し、ゆえに現象をモデル化するという現象数理学の本質的な部分を重視した教育を行ないます。

○�主指導教員及び副指導教員からなる複数指導教員制を構築することにより、学生に複眼的視野を持った研究指導を行ないます。

【博士後期課程】  先端数理科学研究科博士後期課程は、本研究科の教育理念である、「社会に発信し、社会に貢献する数理科学」を目指す文理融合・領域横断型の教育研究を展開するため、以下に示す方針に基づきカリキュラムを編成します。○�自然、社会、生物等における諸現象を更に高度な数理的観点から研究する現象数理教育に重点を置きつつ、自己の研究についてのマネジメント能力の育成に主眼をおいた教育を行ないます。○�チームフェローによる複数指導教員制を構築することにより、「モデリング」、「数理解析」、「シミュレーション」を融合した多面的研究指導を行ないます。

【博士前期課程】 先端数理科学研究科博士前期課程は、自然、社会、生物等に現れる複雑なシステムを先端的な数理科学を用いて解明し、これを社会に還元することにより社会イノベーションの実現を図り、人類の福祉の向上に寄与することを目指しています。このことを踏まえ、博士前期課程の所定の修了要件を満たし、かつ学位請求論文の審査において、以下に示す能力を備えていると認められた者に対し、修士(数理科学)の学位を授与します。○�現象数理学的思考力を社会に還元する意欲を有し、現象を数理科学を通して理解できる能力。

【博士後期課程】 先端数理科学研究科博士後期課程は、自然、社会、生物等に現れる複雑なシステムを先端的な数理科学を用いて解明し、これを社会に還元することにより社会イノベーションの実現を図り、人類の福祉の向上に寄与することを目指しています。このことを踏まえ、博士後期課程の所定の修了要件を満たし、かつ学位請求論文の審査において、以下に示す能力を備えていると認められた者に対し、博士(数理科学)の学位を授与します。○�現象数理学的思考力及び技術力を駆使し、自立した研究者として研究活動を遂行できる能力。

○�高度で幅広い数理科学的素養を身につけ、様々な現象とのインターフェイスとなって数学と諸科学の掛け橋を構築する力量を持ち、国際的にも活躍できる能力。

入学者受入方針

教育課程編成・実施方針

学位授与方針

※2014年4月1日時点のものです。今後変更や見直しを行う場合があります。