Post on 19-Feb-2020
1 © 2013 The MathWorks, Inc.
モーター・モーション制御
モデルベースデザイン実践
「制御系設計」編
MathWorks Japan
アプリケーションエンジニアリング部
アプリケーションエンジニア
新井 克明
2
モーター・モーション制御とは?
負荷の動き(速度、位置)を意図した通りに制御
駆動回路 モーター 負荷
モーター制御
負荷制御
モーターの状態
(電流、速度、位置)
負荷の状態
(速度、位置)
制御指令
制御信号
機械
制御
電気 熱
3
モーター・モーション制御に対するニーズ・トレンド
低コスト化 センサレス制御、
安価なマイコンの採用
過負荷・過電流保護、
自動診断
品質・安全性向上 開発期間短縮 タイムリーな製品市場投入
電動化の普及・拡大 HEV/PHV、FA、プラント、
家電、空調、鉄道、等
省エネ化・高効率化・ 省スペース化 先進的なモータ/インバータ
駆動技術
制御の高精度化・ 高機能化 自動パラメータ調節
振動・騒音抑制
多軸同期制御
4
モデルベースデザイン(MBD)が皆様の
課題・ニーズの解決に貢献します
統合テスト(実機)
システムレベル設計(モデル)
制御 電気 機械
テスト&検証
研究課題、要求仕様書
RCP/HIL
システム性能評価(モデル・実機)
組み込み
コード生成
高精度・高機能な
コントローラを設計
[講演.1] 制御設計編
実機の挙動を模擬した
プラントモデルを作成
[講演.2] プラントモデリング編
コントローラモデルから
組込みコード生成
[講演.4] 組み込みコード生成編
リアルタイムHWを使って
すぐに制御実験
[講演.3] リアルタイムテスト編
モデル活用で開発前倒し&修正ループ高速化を実現
5
アジェンダ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
6
アジェンダ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
7
本講演のターゲット
駆動回路 モーター 負荷
モーター制御
負荷制御
モーターの状態
(電流、速度、位置)
負荷の状態
(速度、位置)
制御指令
制御信号
制御設計での主なタスク
モーター制御仕様の策定
制御パラメータのチューニング
制御モードロジックの検討
8
制御設計での悩みごと
制御対象無しでの
動作確認が困難
手間のかかる
制御パラメータ調整
KD
Plant
+ - ? Controller
様々な条件の想定による
制御モードの複雑化
9
Simulink®
MBDをベースにした制御設計
本講演で紹介するMathWorksソリューション
Simulink Design Optimization™
制御パラメータの自動最適化
Stateflow®
状態遷移図によるモードロジック設計
高精度で効率の良い制御設計
10
アジェンダ
モーター・モーション制御設計と本講演の位置づけ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
11
従来の設計~性能評価までの流れ
設計
試作
評価 制御性能
の評価
仕様変更・修正
設計内容をスグには評価できない
12
配線
実機による制御設計の場合
制御対象 制御装置・ソフト
出力信号
(PWM, DIG-I/O)
入力信号
(電流・速度・位置)
研究課題・要求仕様
C/C++
H/W・S/Wの仕様検討
実装・製作
制御対象
の製作
実機の準備完了後に
詳細な制御設計
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モデルベースによる制御設計の場合
制御モデル指令値
プラントモデル演算結果
制御モデル プラントモデル
研究課題・要求仕様
モーター
制御
負荷
制御 実機レスで
詳細な制御設計!
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MathWorksのモデルベースデザイン環境
グラフィカルな制御設計インターフェイス
制御対象を含めた制御モデルのシミュレーション
制御仕様書として転用可能
Simulink®
ドラッグ
&
ドロップ
1クリック
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モーター・モーション制御モデルテスト環境
テスト信号 出力結果
制御モデル モーターモデル
制御対象を含めた、再現性の高い動作確認
16
モーター・モーション制御モデル
テスト信号 出力結果
制御モデル モーターモデル
17
モーターモデル
駆動回路
モーター 性能諸元
SimPowerSystems™
物理モデルを直接記述可能にする
モデリングツール
18
ブラシレスモーター制御モデル
テスト信号 出力結果
制御モデル モーターモデル
19
制御システムは様々な機能で構成
制御モード演算 フィードバック制御演算
スタンバイモード
エラーモード
オープンループ制御モード
クローズドループ制御モード
…
S1
S2 S3
if(..)
{
x = …
}else{
x = …
}
PID + -
電流制御
速度制御
座標変換
…
Simulink® Stateflow®
状態遷移や条件分岐処理の 表現が得意
数式演算の表現が得意
20
モーターモーション制御モデル
制御モード切替
モーター制御
機能ごとに階層構造を用いて表現
Simulink®
Stateflow®
21
3相モーターベクトル制御概要
座標変換 回転→静止
2相→3相
速度制御 PI
3相
モーター
座標変換 3相→2相
静止→回転
イン
バータ
電流
センサ
角度
センサ
ωm*
ωm
IQ
ID
IQ*
ID*= 0 VD*
VQ*
Vu*
Vv*
Vw*
θe
Iu
Iv
Iw
Vu
Vv
Vw
3相モーター駆動出力を2軸の回転座標に変換・制御
ベクトル制御
角度→速度 変換
2 3
3
1
4
23
Simulink®ブロックで表現したベクトル制御
座標変換
回転→静止
2相→3相
速度
PI制御
座標変換
3相→2相
静止→回転
ID、IQ電流
PI制御
各関数・機能の関連性を判りやすく可視化
2
3
1
4
24
<Demo>
モーター・モーションのシミュレーション
制御対象(モーター)に外乱(負荷)が加わった際の
速度制御時のシミュレーション
モータ起動SW
目標回転数
外部入力トルク 目標回転数
回転数
25
Simulink®による制御設計のメリット
破損リスクの回避
再現性の高い試験 制御対象を含めた
動作確認
Plant
+
- Controller
実機試験に近い検討!
シミュレーションならではの積極的な設計検討が可能!
Simulink®
制御対象も考慮した
モデルベース制御設計環境
26
Simulink®での様々なテストパターン
SignalBuilderによるテスト信号作成
様々な外乱を
想定した仕様構想
.xls / .xlsx / .csv
.mat
テスト信号のインポート
テスト信号グループ化
27
Simulink®が容易にするアイデアの構想
MBDは構想段階のアイデアの具体的検討に最適
設計アイデアをスグに試せる
適用前
適用後 e.g. フィードバック制御
アンチワインドアップ制御
28
アイデアを
スグに試せる
まとめ Simulink®による制御設計のメリット
破損リスクの回避
様々な外乱を
想定した仕様構想
再現性の高い試験
制御対象を含めた
動作確認
Plant
+
- Controller
29
アジェンダ
モーター・モーション制御設計と本講演の位置づけ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
30
現状の制御性能は?
指標 項目 仕様
応答性
(目標速度) 立ち上がり時間(定常値の80%) < 0.18 sec
整定時間 < 0.5 sec
オーバーシュート < 5 %
定常偏差 < 2 %
入力信号 出力信号 モータ起動SW
目標回転数
外部入力トルク
回転数
目標性能
31
配線
実機による制御パラメータの調整の場合
制御対象 制御装置・ソフト
出力信号
(PWM, DIG-I/O)
入力信号
(電流・速度・位置)
KP= 0.1
KI= 0.3
KD= 0.01
ダウンロード 実機の応答を
確認
実機の応答を解析し手動で調整
パラメータ検討
実機ではじめて
パラメータ検討開始
32
MBDにおける制御パラメータの調整の場合
制御モデル指令値
プラントモデル演算結果
制御モデル プラントモデル
最適化ツールによる制御パラメータの自動調整
実機試験前に
事前検討が可能!
最適化アルゴリズム
パラメータ更新 応答を取得
33
MathWorksの自動最適化ツール
MATLABの最適化計算機能を活用
非線形モデルにも使用可能
専用GUIによる最適化用設定
Simulink Design Optimization™
34
Simulink Design Optimization™による
最適化の流れ
パラメータ値変更
シミュレーション実施
応答を評価
応答要件の設定 /
パラメータの指定
修正可能?
YES
完了
NO
KP KI KD
36
Simulink Design Optimization™オーバービュー
1. 応答要件を設定
2. 制御パラメータ指定
3. 最適化開始
パラメータの最適化手順
目標rpm: 1000rpm
立ち上がり時間<0.18sec
整定時間<0.5sec
…
速度制御用P項ゲイン
速度制御用I項ゲイン
38
<Movie>
制御パラメータの最適化プロセス
P項およびI項のゲインの自動最適化
39
Simulink Design Optimization™のメリット
制御パラメータ適合作業
の省力化 KP KI KD
制御パラメータの事前検討に最適!
設計・検証ループをより素早く!
最適化アルゴリズムを用いた
制御パラメータの自動調整
Simulink Design Optimization™
40
性能バラツキを考慮したパラメータ調整
製品のバラツキは避けられない問題
Simulink Design Optimization™
製品バラツキ影響の
検討はマスト
未確定な特性を考慮した制御パラメータの最適化機能
イナーシャ?
摩擦?
寸法? 負荷?
41
イナーシャのバラつきを考慮したパラメータの最適化
製品バラツキを考慮した
制御パラメータの調整
一定のバラつきのある変数を割り当て可能
物理量のバラツキを設定
42
まとめ Simlink Design Optimization™でのパラメータ調整のメリット
制御パラメータ適合作業
の省力化 KP
KI KD
モーター・モーション制御パラメータの自動最適化
バラつきも考慮した
制御パラメータの調整
43
アジェンダ
モーター・モーション制御設計と本講演の位置づけ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
44
制御モードロジック設計に関する課題
あらゆる使用条件の想定
機能性・操作性 製品の故障・破損防止
安全性
制御モードロジックの複雑化
状況に応じた制御モードの検討必要
45
実機による制御モードロジック設計の場合
紙面ベースでの仕様検討+コード実装 → 実機試験
制御対象 制御装置・ソフト
出力信号
(PWM, DIG-I/O)
入力信号
(電流・速度・位置)
コーディング
モーター
OFF
エラー
モーターON
OpenLoop
制御
CloseLoop
制御
紙面での
仕様検討
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MBDによる制御モードロジック設計の場合
状態遷移図で仕様検討しながら即座に机上試験
制御モデル指令値
プラントモデル演算結果
制御モデル プラントモデル
47
MathWorksの状態遷移図デザインツール
Stateflow®
Simulinkブロックと連動するシミュレータブルな状態遷移図
ビジュアルな制御モードロジックの構想が可能
デバッグ機能あり
48
Stateflow®の利点
Simulink® ブロック
Stateflow® チャート
Stateflow®
状態遷移や条件分岐処理の表現が得意
ステート(状態)を持っている
ステートや遷移に
処理内容を記述可能 前回の状態を保持する設計必要
Switchブロックなどを用いて
処理内容切り替える必要あり
49
Stateflow®による制御モードロジックの表現
フローチャート 状態遷移図 状態遷移表
各種条件分岐処理の表現に最適
50
Stateflow®オーバービュー
状態ブレークポイント 遷移線ブレークポイント
デバッグ機能
様々なチャートの記述表現
Simulinkによる
関数化
Stateflowによる
関数化
52
モーター・モーション制御切替・異常判定用チャート
エラー
(過電流)
モーター稼動中 モーター稼動前
スタンバイ オープンループ
速度制御モード
クローズドループ
速度制御モード
53
<Demo>
Stateflow®によるエラー検出
速度制御モードへの切替と
負荷変動によるモーターへの過電流の検出
54
まとめ Stateflow®による制御モードロジック設計のメリット
状態遷移の様子を可視化し
ロジック動作を検証
様々な使用条件を想定した
モードロジック仕様の検討
Stateflow®
モードロジックをビジュアルに検討
シミュレーションで状態遷移を確認
55
アジェンダ
モーター・モーション制御設計と本講演の位置づけ
制御設計とMathWorksのソリューション
フィードバック制御の設計
フィードバック制御パラメータの最適化
制御モードロジックの設計
まとめ
56
制御パラメータの
効率的な事前検討
KP KI KD
制御対象を含めた制御設計 +
-
まとめ
モデルベースデザイン開発手法を
モーター・モーション制御設計に導入
Simulink®
Simulink Design Optimization™
状態遷移の様子を可視化による
モードロジックの詳細検証
Stateflow®
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まとめ モデルベースデザインを制御設計に導入してみませんか?
MathWorksのMBDツールチェーン
低コスト化 品質・安全性向上 開発期間短縮
Simulink®
Simulink Design
Optimization™
Stateflow®
モデル活用で開発前倒し&修正ループ高速化を実現
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Accelerating the pace of engineering and science
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