アクティフィオ データ仮想化による 開発 ... · データ仮想化による...

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アクティフィオ

データ仮想化による開発サイクル短縮Actifioのデータ仮想化は、アプリケーション開発におけるテストデータ管理を効率化し、仮想コピーの活用により並行テスト・開発を実現します。

TABLE OF CONTENTS

IT環境における複製データとActifioのコンセプト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

Actifioの代表的なユースケース . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

アプリケーションテスト・開発におけるテストデータの課題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

Actifioの構成要素. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

Actifioの基本動作とアーキテクチャ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

Actifioの各種基本機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

テスト・開発利用にフォーカスした機能やインテグレーション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8

アプリケーションテスト・開発利用でのActifioのメリットと優位性 . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

企業のIT環境において、本番データを複製し保存する運用はさまざまな目的のもと実施されています。複製データは備えとしてのバックアップや災害対策目的だけでなく、業務アプリケーションのテストや開発にも用いられるケースも多く、ストレージをはじめとしたITインフラのリソースを消費し、また複製を作成し管理する運用に対して多くの工数や時間を費やしています。(図1)Actifioはこの複製データ(コピーデータ)にフォーカスし、「CopyDataManagement(コピーデータ管理)」のパイオニアとしてソフトウエアを開発・提供し続けており、既にグローバルで約3000社の企業に利用されています。

これまでのIT環境では、これらのコピーデータは目的別のさまざまなツールやアプリケーションで作成・管理されていました。データ保護が目的の場合はバックアップソフトウエアやストレージのレプリケーション機能、アプリケーションテストや開発環境へのコピーの際はOSやミドルウエアのコピーやエクスポート/インポートの活用などが一般的ですが、Actifioはこれらの目

IT環境における複製データとActifi oのコンセプト

的別のツールやソリューションを一つにまとめることで、コピーデータの効率的な運用と管理を提供します。Actifioはこのコピーデータ管理の一元化とデータの容易な利用環境提供を実現するために、「CopyDataVirtualization(データ仮想化)」技術を中心に据え、以下のコンセプトで製品を開発・提供しています。

1 広範な環境/プラットフォームをカバーする管理対象のデータのロケーション(外部/内部ストレージ、オンプレミス/クラウドなど)、OSプラットフォームやハイパーバイザ、データベースを中心としたミドルウエアやアプリケーション広範にサポートし、さまざまなIT環境への適用を可能とする

2 使いやすさと管理性の追求利用者が多いプラットフォームやミドルウエアとの連携/インテグレーションを積極的に進め、業務アプリケーションとのオーケストレーションを容易とするインタフェースの提供とスケールアウトが可能な一元管理機能を追求する

3 ユースケースを拡張できる各種機能の実装データ保護やアプリケーションテスト・開発といった既存のユースケースを深化させつつ、ユーザやパートナーが新たな利用形態を開発できる機能の実装を進める

1

課題:コピー作成時間、複数の異なる運用、多数のコピーデータ

本番データ

バックアップ

コピー

DR

コピー コピー

事業継続

コピー

開発

コピー

テスト

コピー

ステージング

開発

運用

ストレージ割り当て

ソフトウェア

データ

データマスキング

ワークフロー管理

図1:IT環境におけるコピーデータの課題

Actifioのデータ仮想化のコンセプトおよび製品アーキテクチャは、IT環境におけるさまざまな課題の解決手段として適用できます。その中でも以下の3つがActifioの代表的なユースケースで、インフラからアプリケーション開発まで広範囲のITニーズをカバーしています。

1 アプリケーションテストデータの管理と並行テスト/  開発の実現Actifioに取り込んだ本番データから作成した仮想コピーを、複数のテストや開発環境でマウントし利用することで、アプリケーションテストや開発を並行して行えます。結果としてアプリケーションリリースサイクルの迅速化と、本番データのテスト利用によるアプリケーション品質の向上に繋がります。

2 データバックアップ・災害対策・長期保管これまでバックアップソフトウエア製品やストレージのレプリケーション機能を複数組み合わせ実現していたITインフラのデータ保護を、Actifioで統合することで運用を簡素化しコスト削減を実現します。またActifioの特長である仮想コピーのマウ

Actifi oの代表的なユースケース

ント機能を用いて、障害や災害時の業務再開の迅速化や容易な災害対策訓練の実施を実現します。

3 ハイブリッドクラウド環境の実現・データセンターの  移行および統合パブリッククラウドにActifioをデプロイし、オンプレミスで動作するActifioからデータレプリケーションすることで、災害対策サイトやアプリケーションテスト開発環境としてのクラウドサービス活用を容易にし、ハイブリッドクラウド環境を実現します。また仮想コピーのマウント機能を活用することで、データセンターの統合や移転に伴うデータ移行作業時のアプリケーションや仮想マシンの停止時間を極小化します。

本ホワイトペーパーでは、1.の「アプリケーションテストデータの管理と並行テスト/開発の実現」を中心に、Actifioのアーキテクチャや基本動作、各種機能について説明します。

2

品質の高いアプリケーションを迅速に開発

テストデータ管理と並行開発・テストの実現

エンタープライズハイブリッドクラウドの実現

ハイブリッドクラウドとデータセンタ移行と統合

アプリケーション開発サイクルの短縮とセルフサービスによるプロビジョニング

システムの可用性と事業継続性の向上

バックアップ・DR長期保存

システム可用性を高めながらコスト、リスク、複雑さを軽減

異種クラウドを結びマルチクラウド・ソリューションの実現

ENTERPRISE DATA-AS-A-SERVICE

図2:Actifioの代表的なユースケース

アジャイル開発やDevOpsなどアプリケーション開発に関する新たな考え方や、PaaSや環境構築自動化ツール等の開発効率化を推進するテクノロジーが広がるなか、テスト開発環境におけるデータ(特にテストデータ)の作成や準備については依然として課題が山積しています。(図3)アプリケーション開発の現場では、テストデータに関して以下の様な不満の声が多く聞かれますが、良いソリューションが見つからず対応を先送りしているケースが多いのが実情です。

• 本番データの入手(アクセス)の申請やインフラ部門との調整業務などに多くの時間と工数を消費している

• 本番データあるいは本番全量データを用いたテストはテスト開発サイクルの後半に限られ通常は目的別に作成したダミーデータを使用している

• 機密情報や個人情報を隠蔽するデータマスキングは、明確なポリシやルールが無く、潜在的なセキュリティリスクが存在する

• テスト開発環境のストレージを含むインフラリソースが不足してい

アプリケーションテスト・開発におけるテストデータの課題

るため、プロジェクト間での利用調整に多くの時間と工数を消費している

Actifioのコピーデータ管理のコンセプトや機能は、テストデータ運用を大幅に改善することが可能で、これによりアプリケーション開発スピードやリリースサイクルの迅速化を実現しているユーザが着実に増えています。

Actifioの主要な構成要素である、Actifioソフトウエアが動作するプラットフォーム(アプライアンス)とコピーデータを保存するストレージ、およびエージェントソフトウエアについて説明します。

ActifioアプライアンスActifioソフトウエアは導入構築が容易なアプライアンス(OSとソフトウエアのパッケージ)として提供されています。Actifioアプライアンスには、VMwarevSphereやMicrosoftHyper-Vとしったハイパーバイザや各種クラウドサービス上で動作可能な仮想アプライアンス(ActifioSky)と、Intelアーキテクチャサーバハードウエアをベースとするハードウエアアプライアンス(ActifioCDS)の2種類が用意されています。ソフトウエア機

Actifioの構成要素

3

app app app app app

テスト開発インフラ関連タスク 代表的なソリューション

開発サーバのプロビジョニング

コードチェックイン、頻繁なビルド

迅速にフィードバック

ユーザ受け入れテスト品質テスト自動品質

テスト開発検証

開発サーバの構成管理

アプリケーションのビルドやデプロイ

テストデータの作成や準備

サーバ仮想化(VMware/Hyper-V)、コンテナ(docker)

Puppet、Chef、Ansibleなど構築自動化/構成管理ツール

JenkinsなどのCI/CD管理、自動化ツール

決定的なソリューションなし

図3:テスト・開発環境インフラツールとテストデータ

能としての違いは無いため、導入先の環境や使用するネットワークインタフェースなどの要件に応じて選択します。(図4)

ストレージActifioアプライアンスが使用するストレージは、環境や要件に合わせてユーザが準備します。ActifioSkyの場合はハイパーバイザが対応するストレージ機種や構成、ActifioCDSについてはFibreChannelSAN接続で検証済のストレージに対応します。(図4)管理するコピーデータの容量や必要なスループット、I/O性能に応じて、ストレージ機種や構成を柔軟に選択できます。

Actifio Connector(エージェントソフトウエア)ActifioConnectorはサーバにインストールする軽量なエージェントソフトウエアで、後述するデータの取り込みや利用の際にOSやミドルウエアと連携し動作します。VMwarevSphere環境での仮想マシン/仮想ディスク単位のデータ管理を行う場合は、ActifioConnectorのインストールは必須ではありません。

Actifioがコピーデータ管理を実現するアーキテクチャを、

Actifioの基本動作とアーキテクチャ

「Capture(取り込み)」「Manage(管理)」「Use(活用)」という基本動作の要素に分けて説明します。Actifioのアーキテクチャを理解するうえで、以下のキーワードが非常に重要となります。

• マウント

• ネイティブフォーマット

• 永久増分

Capture(取り込み)Actifioのデータ取り込み方法は非常にユニークで、従来のバックアップソフトウエア製品と大きく異なります。Actifioのデータ取り込みは、ステージングディスクと呼ばれるActifio内部で作成した論理ボリュームを、ActifioConnectorと連携して取り込み対象データを持つサーバがマウントする動作が最初のステップとなります。(図5a)つまり、Actifioアプライアンスは外部ストレージの様に振る舞い、サーバがiSCSIやFibreChannelといったストレージプロトコルを用いてActifioが提供するステージングディスクにデータを書き込むことにより、Actifio内部にデータを取り込みます。初回のデータ取り込み時には、ActifioConnectorがサーバOSやミドルウエアのコマンドをキックし、ステージングディスクを適切な形式(ボリューム管理やファイルシステム)にフォーマットし、取り込み対象データ全てをコピーします。コピーが終了した時点で、このステージングディスクはActifioConnectorを通じてアンマウントされます。2回目以降のデータ取り込みは、増分(差分)データのみのコピーとなりますが、差分の検出方法については対象のOSやミドルウエアによ

4

Actionアプライアンス 動作プラットフォーム 対応ストレージ 対応ネットワーク

Actifio Sky(仮想アプライアンス)

ハイパーバイザ・VMware vSphere Server・Microsoft Hyper-V

クラウドサービス・Amazon Web Service・Microsoft Azure・Oracle Cloud IaaS・Google Cloud Platform

ハードウエア提供のため不要

・ハイパーバイザ対応ストレージ

・ブロックストレージサービス(クラウド)

・検証済FibreChannel接続ストレージ

・TCP/IPネットワーク

・TCP/IPネットワーク・FibreChannel SAN

Actifio CDSハードウエア

アプライアンス( )

図4:Actifioアプライアンス

5

対象カテゴリ 対象 差分検出単位 差分検出方式

データベース

OSファイル

OSボリューム

仮想マシン

Oracle

Microsoft SQL Server

Linux LVM

VMware vSphere

Microsft Hyper-V

Windows Linux

SolarisHP-UX

AIX

ブロック

ブロック

ファイル

ブロック

ブロック

ブロック

Oracle RMAN標準Enterprise Editionの場合は

Block Change Tracking使用

Actifio提供Filter Driver

Actifio Connector

Actifio提供Filter Driver

VMware vSphere Server標準Change Block Tracking

Actifio提供Filter Driver

( )

データ VMデータ

Actifioアプライアンス

Actifioストレージプール

vSphereサーバ

a.ステージングディスク経由のデータ取り組み

データストア

②マウント

②コピー

①マウント・コピー指示

①作成/ アサイン

サーバ

Actifioアプライアンス

Actifioストレージプール

b.VMware vSphere環境のデータ取り組み

①VADP(API)による取り組み

ActifioConnector

本番

ストレージ

ステージング

ディスク

図5:データ取り込み動作

図6:データ差分検出方式

り異なります。(図6)

このユニークなデータ取り込み方法は、コピーデータ管理を実現するうえで以下のメリット/優位性をもたらします。

1 データのリストアが不要でサーバが直接アクセス可能な  ネイティブフォーマットでの管理

2 様々なOSプラットフォームへの対応が可能

Oracleデータベース環境では、ステージングディスクへのデータコピーにRMANインタフェースを用います。ActifioConnectorが適切なタイミングでRMANのイメージコピーのコマンドを発行することで、リカバリに必要なデータファイルやログファイルをActifioに取り込みます。また、フォーマットも各OSが対応するファイルシステムだけでなく、Oracle独自のボリューム管理機能であるASMにも対応しています。

VMwarevSphere環境についてはVADP(VMwareAPI forDataProtection)を用いるため、ActifioConnectorのインストールおよびステージングディスクのマウントは必要としません。(図5b)APIを通じてvSphereServerから直接TCP/IPネットワークで取り込む方法が一般的ですが、FibreChannelSANを用いた転送にも対応しています。差分検出についてはvSphere

Serverに標準装備されているChangeBrockTracking(CBT)の仕組みを利用しています。(図6)

Manage(管理)Actifioの内部データ管理についても、従来のバックアップソフトウエア製品とは大きく異なります。前述したステージングディスクを通じて取得したデータは、Actifio内部では一つのスナップショットのデータ面(イメージ)に対応し、ブロックレベルで差分データを世代管理します。このスナップショットの仕組みは、ストレージ製品が備えるスナップショット機能に近いもので、任意のスナップショットへのアクセスが容易なため、広範なユースケースに対応するActifioのデザインの中でも最も重要な仕組みの一つです。これまでのバックアップソフトウエア製品は、フル/増分バックアップに関わらずストリーム化(連続)したデータとデータの位置を示すカタログ情報から構成されていました。このアーキテクチャは、テープを中心としたストレージメディアへの保存には適していますが、データの積極的な利用には適さないアーキテクチャです。

Actifioはデータ管理用に2つのストレージプールを構成します。Snapshotプールはデータの利用に適した領域で、アプリケーションテスト利用やデータリカバリの使用が想定される直近のデータなどを格納します。重複除外(Dedup)プールは、ブロックレベルの重複除外処理を行うことでデータを効率的

6

サーバー#3

マウント

仮想コピー

Actifioプール

Actifioアプライアンス

4日前

1日前イメージ サーバー#2

サーバー#1仮想コピー#1

仮想コピー#2

仮想コピー#3

データ

更新#1

更新#2

更新#3

図7:仮想コピーとマウントによるデータ利用

7

に保存できる領域で、利用頻度が低い古いデータの格納に適しています。一般的なデータ取り込み方式の場合、ステージングディスクを経由して取得したデータはまずSnapshotプールに保存されます。Snapshotプールへのデータ取り込み終了後に、非同期にてActifio内部で重複除外処理を行います。プールへのデータ保存期間設定などは、後述するSLA(ServiceLevelAgreement)テンプレートにより管理・設定可能です。

Use(利用)Capture(取り込み)、Manage(管理)の動作やアーキテクチャを理解できれば、Actifioのデータ利用についての理解は容易です。Actifioでのデータ参照及び利用は「マウント」という操作により実現します。Actifio内部で管理しているデータ面(イメージ)を選択しマウント操作を行うと、該当イメージに対する書き込み可能なスナップショット(仮想コピー)を論理ボリュームとしてActifio内部で新たに作成し、指定したサーバに対してActifioConnector経由でマウントを指示します。サーバはActifioを外部ストレージとして認識し、読み書き可能なボリューム/ファイルシステムとしてデータの参照だけでなく更新もできるかたちでマウントします。(図7)更新したデータは、Actifio内部で保存しているイメージとは別に管理を行うため、マスターイメージやバックアップを保持したままアプリケーションのテスト利用や業務再開訓練に利用できます。テストや訓練といったデータ利用が終了し、マウントを解除し仮想コピー削除すると、仮想コピー

に紐付く更新データは破棄されます。更新データを保持したい場合は、Actifio内部に再取り込みすることで新たなマスターイメージやバックアップとして管理できます。イメージがDedupプールに保存されている場合は、Snapshotプールに存在しない差分ブロックデータを復元・展開したのちに仮想コピーを作成します。

このようにActifioでは、データのリストア操作やリストア用のストレージ領域を必要とせずに、データの参照や利用が可能です。この「Use(利用)」こそがActifioの最大の特徴であり、コピーデータを用いた多くのユースケースを生み出している優れた機能です。

インタフェースActifioにはActifioDesktopというGUIクライアントアプリケーションが用意されており、データの取り込みやマウントなどのオペレーションや各種の設定がGUI画面を通じて直感的に操作できます。外部のジョブスケジューラやオーケストレーションソフトウエアと連携する場合は、sshベースのCLIやRESTfulAPIを利用します。ActifioにはRBAC(RoleBasedAccess

Actifioの各種基本機能

テスト利用#2

AppAwareマウント

②AppAwareマウント

LiveClone

①クローン (リフレッシュ)

③④データマスキング実行と反映

⑤仮想コピー 作成と マウント

Actifioプール

取得済本番DBイメージ

テスト利用#1

データマスキングサーバ

仮想コピー#1

仮想コピー#2

マスク済データ

データ

Actifioアプライアンス

図8:データマスキングワークフロー

Control)機能も実装されており、ユーザ毎に、コピーデータの操作や対象とするサーバなどのリソースの使用を制限することが可能です。

レプリケーションとクラウドストレージ転送Actif ioのレプリケーション機能は、プールの構成と同様に要件に応じて2つの転送方式を使い分けることが可能です。StreamSnapはSnapshotプールからリモートのActifioアプライアンスのSnapshotプールへ転送する動作で、1時間に1回など比較的短い転送間隔に対応できる方式です。一方DedupReplicationはDedupプール内の重複除外済のデータを転送するだけでなく、ブロック送信前にリモート側に対して同一ブロックの存在を確認する重複除外転送プロトコルを実装しているため、ネットワーク回線帯域の消費を抑えたレプリケーションが可能です。DAR(DedupAsyncReplication)はDedupReplicationの転送効率とリモート側でのコピーデータの即時利用ニーズを両立した方式で、リモート側のDedupプールへの転送が完了すると自動的にSnapshotプールへ復元・展開処理が行われます。

OnVaultはAmazonWebServiceS3やGoogleNealineなどのクラウドストレージサービスや、IBMCleversafeなどのオブジェクトストレージへ直接データを転送する機能です。テープの遠隔地保管や1年以上のデータ長期保管要件にも適用できま

すが、OnVaultToolというActifioが提供する軽量なツールを用いてデータの参照が容易なため、将来のクラウドサービス上でのデータ分析利用などを見据えたデータのアーカイブ用途にも使えます。

スケジューラとSLA定義Actifioにはスケジューラ機能が実装されており、データの取り込みについては指定した時間(帯)に起動設定することが可能です。取り込んだデータの保存先(プール、レプリケーション先)や保持期間については、SLAテンプレート/プロファイルで設定します。

AppAwareマウントによる容易なデータベース利用AppAwareマウントは、OracleおよびSQLServerデータベースに対応した、仮想コピーマウントからデータベースリカバリ処理、起動までをワンクリックで行える自動化機能です。Actifioの通常のマウント操作は、ボリュームマネージャやファイルシス

テスト・開発利用にフォーカスした機能やインテグレーション

8

Actifioプール

Actifioアプライアンス

API API API

サーバ仮想化/コンテナ環境

マウント

DB App

CI/CD、オーケストレーションツールによる自動化

コード/モジュール管理

仮想コピー#2

仮想コピー#1

仮想コピー#3

マスク済データ

app

app

app

並行テスト/並行開発の実現

図9:ActifioとCI/CDインテグレーション実装例

9

テムレベルでOS上から認識できる状態までの処理を、ActifioConnectorを通じて自動化しています。一方のAppAwareマウントは、Actifioに取り込んだデータベースイメージの仮想コピーをOSレベルで認識させ、仮想コピー中のファイルを用いたデータベース起動のためのリカバリや登録処理までカバーします。Oracleデータベースのケースでは、RMANのイメージコピーとしてデータファイルやログ、制御ファイルがActifio内に保存されているため、仮想コピーとしてマウントしOSから認識されたそれらのファイル群に対して、RMANのリカバリコマンドを使用して新たなインスタンスの起動処理を自動化しています。アプリケーション開発者はActifioDesktopやCLI/APIインタフェースを通じて、データベースのインスタンス/データベース名や各種パラメタを指定するだけで、データベース管理者の手を煩わすこと無く任意のタイミングでデータベースのデータを利用することができます。

ワークフロー機能によるデータマスキング自動化ActifioのLiveCloneは取り込んだイメージをActifio内部で物理的に複製(クローン)する機能で、元のイメージと独立しているため、マウントを通じたサーバからの更新データをLiveCloneボリュームに反映することが可能です。このLiveCloneは、主にテスト・開発利用におけるデータマスキングニーズに対応したもので、以下の手順でデータマスキングを施したデータを作成します。

1 Actifioに取り込んだ本番データの最新イメージから  LiveCloneボリュームを作成

2 AppAwareマウント機能でLiveCloneイメージを  マスキング用のサーバへマウントしデータベース起動

3 SQL文やマスキングアプリケーションを用いて  データマスキング実施

4 データマスキングによる更新をLiveCloneボリュームに反映

5 LiveCloneボリュームをマスターデータとして  複数のテスト開発環境へ仮想コピーをマウントし利用

これらの一連の操作は、Actifioが備えるワークフロー機能により自動化することも可能で、アプリケーション開発者に対して毎日最新のマスキング済データを提供する運用を簡単に実現できます。(図8)

セルフサービスの実現とセキュリティの担保ActifioにはRBAC機能が実装されており、操作可能な機能や対象リソースを制限することで、アプリケーション開発者へActifioのインタフェースを解放しセルフサービスを実現します。データに対するアクセス制限には「SensitiveData」フラグ機能を用い

ることで、より強固で確実なセキュリティ設定が可能となります。例えば、アプリケーション開発者からはマスキング済データ以外は参照できない様なセキュリティ設定をするには、Actifioが取り込んだ本番データイメージに対して「SensitiveData」フラグを付加します。前述したマスキングワークフローのなかでこのフラグ解除の設定をチェックすことで、マスキング済のデータへのアクセスはアプリケーション開発者へ解放することができます。

10

これまで説明したアーキテクチャや各種機能から、テスト・開発環境におけるActifio導入のメリットとして以下が挙げられます。また、CI/CD(Continuous Integration/ContinuousDeploy)やオーケストレーションツールと連携した、テストや開発環境の構築/変更の自動化の事例も増えてきており(図9)、テスト・開発環境での利用がActifioの代表的なユースケースになりつつあります。

• テストデータの作成や準備(データマスキング含む)の時間(工数)を大幅に削減

• 柔軟で効率的なテスト・開発環境リソース利用/管理(サーバ仮想化やコンテナ技術、構築自動化ツールとの連携による動的なデプロイ)

• アプリケーション開発者によるセルフサービスとセキュリティ担保の両立

• 本番データもしくは全量データのテスト利用によるテスト精度とリリース時のアプリケーション品質向上• オンプレミス/クラウドといった環境に依存しないアプリケーションテスト・開発環境の実現

Actifioは「コピーデータ管理」というコンセプトをそのユニークなアーキテクチャでいち早く具現化しました。ビジネスにおけるITの重要性が高まるなか、アプリケーションのリリースサイクルを同業他社より早め、競合優位性を確保するためにActifioの導入を検討もしくは導入する企業が増えています。Actifioはこれらユーザのニーズや要望を取り入れながら進化し続けます。

アプリケーションテスト・開発利用でのActifioのメリットと優位性

まとめ

テスト・開発におけるActifio 活用のメリット

開発サイクルの短縮

 ・アプリケーションの開発・テスト期間を短縮

 ・検収テストとリリース期間を短縮

 ・アプリケーションのサポートを迅速化

 ・開発・テスト・検収のプロセスを自動化

アプリケーション品質の向上

 ・早期のバグ検出と迅速な対処

 ・リリース直前のトラブルを回避

 ・予定通りのリリースを実現

セキュリティレベルの向上

 ・役割事にアクセス権限を設定

 ・データマスキングの自動化

コスト削減

 ・ストレージコストの削減

 ・DB管理者の負担を軽減

 ・IT 部門の業務負担を軽減

Higher Speed

Better Qualty

More Control

Lower costs

2017.9