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公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団

2015年度在宅医療助成(前期)指定公募④

「地区医師会の地域包括ケアシステム構築のための在宅医療推進事業」

完了報告書

天竜区在宅多職種連携研修会

① 講演 「在宅医療における診療報酬」

講師 磐周医師会理事 とりい痛みのクリニック院長 鳥居

英文 ② 活動報告 1)「天竜区における訪問服薬指導」

講師 浜松市薬剤師会 太田勝啓 2)「アンケートからみた天竜区の在宅医療」 講師 天竜区在宅医療支援チーム(TZT) 大塚久美子

③ 討論会(グループディスカッション)

④ 懇親会 ■主催 一般社団法人磐周医師会

2016年8月31日提出 一般社団法人磐周医師会事務長 北川勝二 報告

1 事業の背景

政令指定都市浜松市の北部に位置する天竜区は、浜松市全域の 60%を占め

ているにもかかわらず人口は4%足らずの山間地区であり北遠地方と呼ば

れている。天竜区の入り口とも言える天竜二俣地区は浜松駅から北 30km も

離れ、さらに山間部を分け入って北方に位置する。この天竜区おいては、人

口減少と高齢化が進行していて、それらに伴い公共交通機関の衰退が著しい。

そのような社会的な環境と高齢者の一人くらしやいわゆる老々世帯が増加

し、医療施設への通院などが困難となる医療過疎の実態がある。 そのような実態に対して、一般社団法人磐周医師会では、天竜区内の医師

をはじめとした医療提供者が高齢者などに訪問する在宅ケア(医療と介護な

ど多職種の連携によるケア)を推進することで地域の医療過疎を補完する取

り組みをしている。 2 事業の目的

在宅ケアは多職種による重ね合わさるような連携がなければ円滑に進ま

ないので、この職種間で重ね合わさる様な協働を実現させるために、基本的

な在宅診療のしくみと在宅服薬指導の実際について多職種が共通の認識、意

識を持つための研修会を実施するものである。 また、併せて、多職種がお互い顔が見える関係性を築くために交流会も併

せて実施し、今後、継続的に良好な多職種による協働の密度を高めるもので

ある。 3 イベントの周知方法

在宅多職種連携研修会に先立ち、天竜区内の「地域包括支援センター天竜」

と「地域包括支援センター北遠中央」の二つの地域包括支援センターと事前

会議を持ち、協働することを確認したうえで、介護系の多職種には地域包括

支援センターがイベントの告知、案内を行った。また、医師及び診療所の看

護師等の医療系の多職種には主催者である磐周医師会が行った。媒体はチラ

シとファックスによる周知である。 4 参加者の職種と人数

医師 6名 薬剤師 4名 保健師 1名 看護師14名 ケアマネ 10名 社会福祉士 3名 施設事務職 4名 ヘルパー 1名 行政職員 5名 参加合計 48名

広範囲な多職種に参加してもらったが、特に医師6名と薬剤師4名が参加し、

介護系職種と情報共有や交流が図られたことは意義深いものとなった。

5 イベントのまとめ ① 講演「在宅医療における診療報酬」

講師 磐周医師会理事 とりい痛みのクリニック院長 鳥居

英文医師 テーマの狙いは、多職種に在宅医療の経済的側面を解説してもらい、在宅医療

の享受側も供給側も在宅医療が医療の一側面として有効であることを共通意識

としてもらうことであった。講師は医療提供する医師として点数の説明を通じ、

在宅医療の採算性が確保されることを力説した。一方、享受する患者の経済的な

負担については、高額医療費の公的負担を丁寧に説明していただいた。 講演後の参加者の反応は「在宅医療の報酬制度がよく解り、今後の患者ケアに

役立つ」(ケアマネージャー)など好評であった。 ② 活動報告

1) 天竜区における訪問服薬指導」 講師 浜松市薬剤師会 太田勝啓

天竜区内において実際に在宅服薬指導を行っている薬剤師のレポートであり、

特に、多職種が実際に直面している単独高齢者や老々世帯などの家庭での薬の

管理不全の状態が解消していく取り組みの報告は斬新であり、今後の多職種に

よる在宅ケアの方向性を示すものであった。

2)「アンケートからみた天竜区の在宅医療」 講師 天竜区在宅医療支援チーム(TZT) 大塚久美子 すでに昨年末から活動している天竜区在宅医療支援チーム(TZT)による天

竜区の在宅医療についてのアンケート調査の報告である。調査は天竜区内の診

療所を個別に訪問して行われ、たいへん興味深い結果が報告された。まず、大き

な調査結果として天竜区内では「往診」と称して伝統的な訪問診療が広範囲にか

つ多くの診療所の医師によって行われている実態が把握されたことである。ま

た、その「往診」と称される訪問診療が必ずしも現在の診療報酬体系に整合した

ものではなく、医師と患者の信頼関係において外来診療の一形態として在宅医

療が行われていることも浮かび上がってきた。また、ケアマネージャーや訪問看

護ステーションの看護師などの介護サービスから診療所の医師へのアクセスが

円滑に行なわれていないので、その解決策として診療所の連携担当者により組

織される「天竜区医療介護ネットワーク(TMCネット)」が組織されたことな

どが報告された。

③ 討論会(グループディスカッション) 参加者を8グループに分けて、「潜在的に需要の大きい天竜区での在宅医療

を妨げているものはなにか、また、それの対策」「診療所など(多職種)と訪

問看護ステーションのさらなる連携の推進」の二つのテーマでワークショッ

プ形式でディスカッションを行った。ディスカッションは天竜区の今の環境

を反映して、たいへん切実でレベルの高いものとなった。 6 DVD 作成 イベント全てについて DVD を作成80枚作成し、磐周医師会員(役員及び浜

松市天竜区内の会員)、参加できなかった多職種などに配布した。 7 今後の多職種の展望 今回、研修会及び懇親会を通じて顔の見える関係性がさらに強まったと評価

できる。また、行政職員の参加など天竜区内で在宅医療を推進する機運は高まっ

ているので、組織的あるいはシステム的に在宅ケアの定着を図る方針である。

「公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による」

在宅医療における診療報酬について

平成28年8月27日

磐周医師会理事・とりい痛みのクリニック院長 鳥居英文

~基本の居宅編~

沿 革

平成17年12月15日 とりい痛みのクリニック開院

平成23年4月 デイサービスあかり開設

平成24年4月 トータルケアひかり開設

居宅療養支援事業所訪問看護ステーション

同時開設

その後訪問介護事業所、事業所内保育所を開設

(リハビリ特化型デイサービス)

(現在は午前診のみ、午後は在宅に特化)

平成29年4月 小規模多機能型居宅介護事業所開設予定

事例1 : ある一日の始まり

6月25日 朝8時30分ごろ携帯電話に着信

「Sさん宅から連絡あり、臨時で訪問しているが呼吸が停止している」

一瞬悩んだが、外来患者に待っていただくことにして臨時訪問

死亡確認午前8時52分

その後クリニックに戻って外来診療開始

事例1Sさん 68歳 悪性胸膜中皮腫

6月12日 初診

体動時の痛みと呼吸困難が強く待合で待てず処置室で臥床

聖隷三方原病院 緩和支持治療科からの紹介状を持参(事前連絡無し)

紹介状情報 : 平成25年10月初発の左悪性胸膜中皮腫、化学療法後適宜放射線照射

平成27年1月帯状疱疹を併発

トラマール➞オキシコンチン、リリカ、アセトアミノフェン、マグミット、オキノーム屯用

CT上肋骨への直接浸潤(骨破壊像)あり

ボルタレン座薬(50)挿肛にて少し軽減

6月12日 初診

6月17日 自宅訪問

痛みは軽減していたが体動時の呼吸困難は変わらず

在宅酸素療法開始

Sさん 68歳 悪性胸膜中皮腫

体動時の痛みと呼吸困難が強く待合で待てず処置室で臥床

内服薬を調整(オピオイド増量)、訪問主体の療養に修正

オピオイドの追加増量は本人が希望されず

状態変化の連絡あり、訪問看護師対応6月24日 夜

6月25日 朝

この患者さんの診療報酬算定内容は?

Sさん 69歳 悪性胸膜中皮腫

呼吸停止の連絡あり、臨時に訪問

24日夜臨時に訪問しなかった点は反省として残った

6月25日 再診料 78(72+1+5)点外来管理加算 52点往診料 720点往診(緊急)加算 850点ターミナルケア加算 6,000点看取り加算 3,000点

診療報酬(時系列)

計 20,177点

自費分(死亡診断書、交通費)、介護保険分、主治医意見書代金は含まず

6月12日 初診料 282点ボルタレン座薬 6点処方せん料 88(68+2+18)点がん性疼痛緩和指導管理料1 200点

6月17日 在宅患者訪問診療料1 833点処方せん料 88(68+2+18)点在宅酸素療法指導管理料 2,500点酸素濃縮装置加算 4,000点酸素ボンベ加算 880点呼吸同調式デマンドバルブ加算 300点訪問看護指示料 300点

6月24日 電話再診はあえて算定せず

(平成27年の事例です)

訪問診療あらかじめ立てた診療計画をもとに、定期

的に居宅で診療を行うこと。

往診 急変時などに患者や家族の要望を受けて

不定期に行うこと。

基本診療料込!

基本診療料別!つまり、往診料とは別に初診料なり再診料なりを算定することになります。

当然時間外には加算が付きます。

訪問時間による加算はありません。

緊急加算 325 点夜間加算 650 点深夜加算 1,300 点

往診料の加算

緊急 : 標榜時間内に入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している時に「緊急」に対応した場合

夜間 : 午後 6時から午前8時深夜 : 午後10時から午前6時

(通常の保険医療機関の保険医が行う場合)

緊急加算 325 点夜間加算 650 点深夜加算 1,300 点

平成28年度診療報酬改定で休日加算が新設!

緊急 : 標榜時間内に入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している時に「緊急」に対応した場合

夜間 : 午後 6時から午前8時深夜 : 午後10時から午前6時

(通常の保険医療機関の保険医が行う場合)

夜間・休日加算

(むしろ今までなかったのがおかしかったと思う)

緊急加算 325 点夜間加算 650 点深夜加算 1,300 点

往診料の加算

緊急 : 標榜時間内に入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している時に「緊急」に対応した場合

夜間 : 午後 6時から午前8時深夜 : 午後10時から午前6時

(在宅療養支援診療所の保険医が行う場合)

650 点1,300 点2,300 点

750 点1,500 点2,500 点

850 点1,700 点2,700 点

(通常の保険医療機関の保険医が行う場合)

(機能強化型の在宅療養支援診療所(病床無)の保険医が行う場合)(機能強化型の在宅療養支援診療所(病床有)の保険医が行う場合)

6月25日 再診料 78(72+1+5)点外来管理加算 52点往診料 720点往診(緊急)加算 850点ターミナルケア加算 6,000点看取り加算 3,000点

診療報酬(時系列)

計 20,177点

自費分(死亡診断書、交通費)、介護保険分、主治医意見書代金は含まず

6月12日 初診料 282点ボルタレン座薬 6点処方せん料 88(68+2+18)点がん性疼痛緩和指導管理料1 200点

6月17日 在宅患者訪問診療料1 833点処方せん料 88(68+2+18)点在宅酸素療法指導管理料 2,500点酸素濃縮装置加算 4,000点酸素ボンベ加算 880点呼吸同調式デマンドバルブ加算 300点訪問看護指示料 300点

6月24日 電話再診はあえて算定せず

在宅看取りに対する特殊加算

ターミナルケア加算は往診対応のみの患者には算定不可。(訪問診療料への加算限定)

死亡診断加算 200点ターミナルケア加算 6,000点看取り加算 3,000点

「往診料」への加算です「訪問診療料」

への加算です

看取り加算は往診料に加算算定可能。

6月25日 再診料 78(72+1+5)点外来管理加算 52点往診料 720点往診(緊急)加算 850点ターミナルケア加算 6,000点看取り加算 3,000点

診療報酬(時系列)

計 20,177点

在宅時医学総合管理料が算定できなかったケースです。

6月12日 初診料 282点ボルタレン座薬 6点処方せん料 88(68+2+18)点がん性疼痛緩和指導管理料1 200点

6月17日 在宅患者訪問診療料1 833点処方せん料 88(68+2+18)点在宅酸素療法指導管理料 2,500点酸素濃縮装置加算 4,000点酸素ボンベ加算 880点呼吸同調式デマンドバルブ加算 300点訪問看護指示料 300点

(平成27年の事例なので)

在宅時医学総合管理料

(在宅時医学総合管理料+施設入居時等医学総合管理料)

要支援・要介護者の居宅に月2回以上、訪問診療を行っていることを条件に算定可能。

要支援・要介護者の居宅に月1回でも訪問診療を行っていれば算定可能。

平成28年度診療報酬改定で変更

訪問日を変えても同じ建物に居住していれば「同一建物居住者」で「単一建物診療患者」です。

「同一建物居住者」を一人ずつ

別々の日に訪問して高い点数を算定することはできなく

なりました。

当然ですね。

平成28年度診療報酬改定

ほぼ「自宅」のみ

(3ユニット以下のグループホームは各ユニットが独立した単一建物とみなす。)

(平成29年3月末まで)

全ての施設が「施設入居時等医学総合管理料」(新設)の対象

平成28年改定

事例2Fさん 73歳 前立腺癌脊椎転移

7月20日 脊椎転移による下半身麻痺で膀胱カテーテル留置中

汚染強く閉塞しやすいが病院でしか交換してもらえず通院で困窮

前立腺癌は末期で家族は在宅看取りも承知

疼痛はフェントス貼付してるがやや不良

当日夕方初回訪問を予定

ケアマネから定期交換も含めた訪問診療の依頼あり

直後にカテーテル閉塞の連絡あり、訪問時の交換で間に合いそうだったのでそのつもりで材料も持参することとした

7月20日 夕方訪問、膀胱カテーテル交換フェントス増量、レスキュー服薬指導

7月25日 朝 呼吸停止の連絡あり、臨時に訪問

この患者さんの診療報酬算定内容は?

Fさん 73歳 前立腺癌脊椎転移

次回訪問日を7月26日に設定

この方も在宅時医学総合管理料が算定できませんでした。

7月25日 再診料 78(72+1+5)点再診料深夜加算 420点外来管理加算 52点往診料 720点在宅緩和ケア充実診療所加算 100点往診(深夜)加算 2,700点看取り加算 3,000点

診療報酬(時系列)

計 9,122点自費分(死亡診断書、交通費)、介護保険分は含まず

7月20日 初診料 282点往診料 720点在宅寝たきり患者処置指導管理料 1,050点

死亡時間は午前4時17分でした

さらに追加の加算も新設

事例3Sさん 98歳 老衰

8月9日 4月に左大腿骨を骨折、先月リハビリ病院を退院

以前よりADL低下しており経口摂取量も減少

ケアマネから訪問診療の依頼あり

当日夕方初回訪問を予定

特養入所し看取る予定だったが家族が在宅看取りを希望

8月9日 夕方訪問時すでに無呼吸あり

8月19日 朝 呼吸停止の連絡あり、臨時に訪問

この患者さんの診療報酬算定内容は?

Sさん 98歳 老衰

終末期であることを説明、看取りの方針につき再確認

御家族の希望を受け、頻回に訪問

診療報酬(時系列)

計 23,804点

8月9日初診料 282点往診料 720点訪問看護指示料 300点

8月11日在宅患者訪問診療料 833点在宅緩和ケア充実診療所加算 1,000点ターミナルケア加算 6,000点在宅時医学総合管理料 4,600点在宅緩和ケア充実診療所加算 400点在宅移行早期加算 100点8月13日 在宅患者訪問診療料 833点8月15日 在宅患者訪問診療料 833点8月17日 在宅患者訪問診療料 833点

8月19日再診料 78(72+1+5)点再診料深夜加算 420点外来管理加算 52点往診料 720点在宅緩和ケア充実診療所加算 100点往診(深夜)加算 2,700点看取り加算 3,000点

死亡時間は午前4時50分でした

居宅療養管理指導費について

介護保険で算定できる点数です

在宅療養管理指導費

居宅療養管理指導事業者の医師が、通院困難な要支援・

要介護状態の利用者の同意を得て居宅を訪問し、計画的

かつ継続的な医学的管理に基づく指導を行った場合、月

2回を限度に算定できる。

基本方針

通院困難な要支援・要介護者の居宅を訪問し、計画的

かつ継続的な医学的管理に基づいて行う、

(1)居宅介護支援事業者等への介護サービス計画の

策定等に必要な情報提供

(2)介護サービス利用上の留意事項、介護方法等に

ついての指導・助言

在宅療養管理指導費(Ⅰ)

1.同一建物居住者以外の利用者に対して行う場合 503 単位

2.同一建物居住者に対して行う場合(同一日の訪問) 452 単位

1.同一建物居住者以外の利用者に対して行う場合 292 単位

2.同一建物居住者に対して行う場合(同一日の訪問) 262 単位

在宅療養管理指導費(Ⅱ)

介護予防居宅療養管理指導費も同一単位

在宅時医学総合管理料等を算定する場合

(Ⅱ)以外の場合

在宅療養管理指導費(Ⅰ)

1.同一建物居住者以外の利用者に対して行う場合 503 単位

2.同一建物居住者に対して行う場合(同一日の訪問) 452 単位

1.同一建物居住者以外の利用者に対して行う場合 292 単位

2.同一建物居住者に対して行う場合(同一日の訪問) 262 単位

在宅療養管理指導費(Ⅱ)

ほとんどの場合こちらになると思います。

在宅時医学総合管理料等を算定する場合

(Ⅱ)以外の場合

平成28年度8月27日TZTからの報告

天竜区診療所の在宅診療に関する調査結果

調査目的:診療所における在宅診療の詳細を把握する。方法:質問紙による調査・個別訪問による聞き取り調査調査対象時期⇒平成27年7月~28年6月(直近1年間)

調査時期:平成28年7月

調査結果配布数:21件 回収数:21(回収率100%)

※在宅診療を実施していない(天竜こども医院・ひりゅうクリニック・天竜厚生会第二診療所)の3施設は統計処理から除外した。

n=18 (一部、未回答あり)

結果1.往診を実施しているか。(n=18)

94%

6%

往診の実施

はい

いいえ

2.過去1年間の往診の件数 (n=16)16診療所で708回:最大160回~最小3回(平均:44.3回)

実施している 17件実施していない 1件

3.訪問診療を実施しているか。(n=18)

72%

28%

訪問診療の実施

はい

いいえ実施している 13件実施していない 5件

4.訪問診療実人数 (n=15)15診療所で194人:最大64人~最小2人 (平均:12.9人)

5.延べ回数 (n=12)12診療所で1692回:最大95回~最小24回(平均:141回)

6.往診・訪問診療の範囲 (n-=16)

7

4

3

2

0 1 2 3 4 5 6 7 8

限定なし

⒑km

2km

5km

往診・訪問診療の範囲

(件)

7.在宅で看取りをしたか。(n=18)

67%

33%

在宅で看取りをした

はい

いいえ

看取りをした 12件看取りをしていない 6件

8.1年間の看取りの人数 (n=12)

12診療所で29人:最大4人~最小1人(平均:2.4人)

9.往診・訪問診療の困難要因 (n=18) 複数回答

12

9

7

5

4

0

0 2 4 6 8 10 12 14

依頼が少ない

遠方や時間外が負担

職員のゆとりがない

体力的に厳しい

意欲がない

必要性を感じない

往診・訪問診療の困難要素

(件)

32%

24%

19%

14%11%

困難要因

依頼が少ない 遠方・時間外が負担 職員のゆとり 医師の体力 医師の意欲

n=12 回答数37に占める割合

医師個人の要因

診療所要因

医師個人の要因

外部要因

要因別の比率

10.往診・訪問診療の今後の方向性 (n=15) (件)

条件が整えば拡大 3件現状維持 11件縮小傾向 1件

条件が整えば拡大

現状維持

縮小

3

11

1

11.往診・訪問診療継続の要件 (n=17) 複数回答

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

訪問看護との連携

医師のペア診療

看護師・事務の雇用

相談の場の設定

9

3

3

2

往診・訪問診療継続の要件

(件)

53%

17%

18%12%

継続の要件

訪問看護との連携 医師のペア診療

職員の雇用 相談の場設定

1位

要件別の比率

12.診療報酬説明会への参加を希望するか (n=18)

10

8

0 2 4 6 8 10 12

参加する

参加しない

診療報酬説明会への参加

(件)

13.在宅での医療処置の実施 (n=18)

1814

137

544

10

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

末梢からの輸液

尿路留置

褥瘡管理

緩和・ターミナルケア

胃瘻

経管栄養

気管切開など呼吸管理

IVH

抗がん剤治療

在宅での医療処置

(件)

14.外来での認知症治療 (n=18)

83%

17%

外来の認知症治療

はい

いいえ

している 15件していない 3件

治療者数 (n=15)15診療所で145人:最大30人~最小1人(平均:9.6人)

考察1・診療所は高率で往診・訪問診療を実施しているが、今後の方針としては現状維持

が最も多い。その理由として医師の高齢化、後継者がいないことがあげられる。一部の拡大方向を示している診療所への支援が今後の課題であろう。

2.訪問診療を継続する上での困難要素は患者要因として「依頼が少ない」こと医師の個人要因として「高齢化による体力・意欲減退から時間外や遠方の診療が負担になる」こと診療所要因として「看護師・事務職員にゆとりがない」ことが明確になった。

3.背景には地域住民の急激な人口の減少と高齢化により在宅では、介護する家族がいない、またはいても介護力がない。潜在化している問題として住民の訪問診療の活用に対する意識の問題がある。在宅診療の継続には訪問看護ステーションとの連携が最重要課題となっている。可能な限り住み慣れた家で暮らすために、在宅医療を継続させるための早急な対策が求められる。

4.天竜区の在宅での看取り件数(年間29件)は全体比率の何%を占めるのか。全国平均12%との比較はどうか、資料不足で分析ができていない。

グループ討議訪問調査の結果分析から抽出した以下のテーマについて討議する。

テーマ1.潜在化している問題として住民が往診・訪問診療の依頼を躊躇する要素

(例えば医師に出向いてもらうのは申し訳ない・経済的に厳しい・依頼の仕方がわからないなどについて)の実態と対策

2.在宅医療を進めるための最重要課題である、訪問看護ステーションとの連携の進め方として具体的に考えられること。

【GWの進め方⇒進行(時間管理を含む)・書記(発表者)を決める】①A~Dグループはテーマ1をE~Hグループはテーマ2を討議する。②個人の意見をカードに書く(カードには1つのことを簡潔に記入する)

なるべく多くのカードを書く③カードの意見を発表しながら用紙1に貼って整理する(似た意見をまとめる)④討議の結果を用紙2に箇条書きでまとめる。⑤用紙2にまとめた内容を発表する。⑥グループで討議しなかったテーマに対する意見交換をする。

磐周医師会主催「多職種連携研修会」まとめ 日時:平成 28 年 8 月 27 日(土)14:00~17:00 場所:船明荘 1.参加者(48 名) 内訳:看護師(12)介護支援専門員(8) 医師(6)行政(6)薬剤師(4) 事務(3)ヘルパー(3)ソーシャルワーカー(2)保健師(1)社協(1) 社会福祉士(1)デイサービス所長(1) 2.GW 討議結果 テーマ 1.住民が往診・診療訪問を活用できない潜在意識

テーマ 2.訪問看護ステーションとの連携のあり方 住民意識:往診・訪問診療・訪問看護を活用するに当たって依頼を躊躇する要因 意見(多い順番)

①訪問診療・訪問看護とは何かわからない ②金銭的なことが不安 ③申し込み方法がわからない ④医師に来てもらうのは申し訳ない気持ちが強い ⑤訪問診療をしてくれる医師がわからない ⑥家の中を見られたくない ⑦どのタイミングで受診から訪問に切り替えるかわからない

その他少数意見 ・主治医が地元にいない ・医師不足がわかっていて頼めない ・診療所と自宅の距離が遠い ・いざとなれば救急車を呼ぶしかない ・かかりつけ医が往診をしていない ・医療は病院で受けるという意識が強い

キーワード「知識・認識の不足」「金銭的問題」「遠慮」「知られたくない」 対策 住民への啓発活動(チラシ・講演会・市民フォーラム・情報交換会など 橋渡しの役割をする介護支援専門員(CM)の働きを支援

訪問看護ステーションとの具体的な連携方法 ①利用者は訪問看護についての理解が浅い⇒何をしてくれるのか・所在地

連絡先・訪問範囲 ②介護支援専門員の役割が不明確である ③情報の共有ができていない⇒窓口の一本化・ハードルが低い連絡体制 ④専門職が訪問看護の内容を知らない⇒顔写真がほしい・直接会う機会が必要 ⑤病院の医師・看護師の在宅医療に関する理解が浅い 病院の退院支援計画書に訪問関連の計画が入ってない 専門性を問いすぎると動けない ⑥訪問看護師・介護支援専門員と医師との交流が少なく垣根がある

キーワード「知識・認識の不足」「介護支援専門員の役割の明確化」「訪問看護の導入

を勧める」「主治医と訪問看護師・介護支援専門員のコンタクトの不足」

対策 訪問看護について住民への啓発活動・専門職への理解を深める(病院職員など) 理解を深めるための交流の場の設定と遠慮しない関係づくり 初回訪問は関係者と複数で実施して対策を考える 共通で利用するノートを利用者宅に置く 訪問を勧める人が必要、介護支援専門員(CM)の働きが重要になる テーマ 1.2 のまとめ⇒今後の活動

1.利用者の意識(往診・訪問診療・訪問看護)が低い、理解を深める啓発活動をする 2.利用者・医療・介護をつなぐ(ジョイント)役割を担う、介護支援専門員(CM) の働きに期待することが多くその働きを支援する。 啓発活動について介護支援専門員(CM)が中心として実践できる準備をする 知識の伝達・リーフレットなどのツールを準備して活用する。

3.アンケート調査結果⇒概ね会の目的を達成した、会場の問題(狭く話にくい)が挙がっていた。

個別の意見 診療報酬 診療報酬の加算の詳細が勉強になった(9)・往診と訪問診療の違いが分かった

病院と患者の両面からお金の事を見据えたい・ 報酬加算があれば取り組む医院が増えると期待 医療保険と介護保険のつながりを知った

服薬指導 残薬確認、内服指導は大事(4)・薬剤師に積極的に働きかけたい(2)・今後の成果に期待(2) 医師の指示による訪問開始は知らなかった・ 薬剤訪問の意義が分かった

取り組みモデルとして事例が聞けて良かった 在宅医療調査

天竜区の実態、数値が理解できた(4)・患者を支える医師の大変さが分かった・在宅医療のために頑張

りたい・訪問診療に取り組んでいる診療所が多く驚いた・地区の大変さが伝わった・区内を様々な観点

から眺めないといけない

GW 討議 他職種との意見交流ができた(8)・住民の意識を変えていく必要性を感じた・情報共有の大切さに気付

いた・立位討議は落ち着かず時間不足

在宅医療を推進するうえで欠かせない・キーとなるもの ケアマネの連携(3)・服薬管理が出来れば認知症状が落ち着く。家庭に入る方法を考えたい・家族の介

護力・医療に進んでしまう前段階の家族支援・介護を含めた連携・H29 年からの新総合事業との関係性

の勉強・家族の介護力の限界ありインフォーマルの活用・地域住民への広報・定期的な集会・区の体制

の PR (安心できる区と言えるとよい)・医師からの要望があれば教えてほしい(行政)

要望、改善点、質問等 災害時の対応(2)・市民への広報・少ない医療関係者で頑張っている・看護師不足の人材確保を検討

個人情報との付き合い方

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研修内容の評価 n=34

大変良い 良い 普通