Post on 26-Jun-2020
病院安全教育12-‐1月号 実践!ノンテクニカルスキルの院内教育
院内プレゼン用お役立ちアイテム
「ケースで体感!ノンテクニカルスキルの4つのチカラ」
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実践的ノンテクニカルスキルの4つのチカラは 医療(業務)の流れに伴って必要になるスキルの
全体像
実践的ノンテクニカルスキルの4つのチカラ
考える チカラ
伝える チカラ
決める チカラ
動かすチカラ
医療(業務)の流れ
ケース「三宮病院のアクシデント会議」 で4つのチカラを体感する
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三宮病院は病床数100床、スタッフ数102名、入院患者数100名の個人病院です。 三宮病院2階病棟では、ここ数ヶ月、輸液ポンプの設定ミスが多発しているため、病棟スタッフ20人でアクシデント会議が行われました。 司会鈴木師長 「では、最近多発している輸液ポンプの設定ミスに関するアクシデント会議を始めます。まずは概要について伊藤主任からお願いします。」 伊藤主任 「この3ヶ月間での輸液ポンプの設定ミスは10件でした。アクシデントレベルでは、処置が必要だったのは3件、影響のみは5件、影響なしが2件でした。また、操作者(設定者)の属性は、1年未満が4人、3年未満が1人、5年未満が3人でした。加えて、発生時間帯は8時から10時が4件、17時から20時が2件、その他が4件でした。以上です。」 司会鈴木師長 「ありがとうございます。この報告を聞くと、1年未満の新人のミスが多いですね。新人教育を徹底して、気をつけてください。また、やはり業務が忙しい時間帯にミスが多く起こっているので、落ち着いて、気をつけて設定してください。他に意見がなければアクシデント会議を終了します。」
ケース「三宮病院のアクシデント会議」
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ケース:三宮病院のアクシデント会議
【質問】 この会議の問題点はどこにありますか?
グループディスカッション 10分〜20分
全体ディスカッション
グループごとに発表
発表内容について他グループが質問
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三宮病院は病床数100床、スタッフ数102名、入院患者数100名の個人病院です。 三宮病院2階病棟では、ここ数ヶ月、輸液ポンプの設定ミスが多発しているため、病棟スタッフ20人でアクシデント会議が行われました。 司会鈴木師長 「では、最近多発している輸液ポンプの設定ミスに関するアクシデント会議を始めます。まずは概要について伊藤主任からお願いします。」 伊藤主任 「この3ヶ月間での輸液ポンプの設定ミスは10件でした。アクシデントレベルでは、処置が必要だったのは3件、影響のみは5件、影響なしが2件でした。また、操作者(設定者)の属性は、1年未満が4人、3年未満が1人、5年未満が3人でした。加えて、発生時間帯は8時から10時が4件、17時から20時が2件、その他が4件でした。以上です。」 司会鈴木師長 「ありがとうございます。この報告を聞くと、1年未満の新人のミスが多いですね。新人教育を徹底して、気をつけてください。また、やはり業務が忙しい時間帯にミスが多く起こっているので、落ち着いて、気をつけて設定してください。他に意見がなければアクシデント会議を終了します。」
ケース:三宮病院のアクシデント会議
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What? Why? How?
なにが 問題か?
原因は なにか?
どう解決するか?
問題解決プロセス(2W1H)で議論ができていない =考えるチカラ不足
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三宮病院は病床数100床、スタッフ数102名、入院患者数100名の個人病院です。 三宮病院2階病棟では、ここ数ヶ月、輸液ポンプの設定ミスが多発しているため、病棟スタッフ20人でアクシデント会議が行われました。 司会鈴木師長 「では、最近多発している輸液ポンプの設定ミスに関するアクシデント会議を始めます。まずは概要について伊藤主任からお願いします。」 伊藤主任 「この3ヶ月間での輸液ポンプの設定ミスは10件でした。アクシデントレベルでは、処置が必要だったのは3件、影響のみは5件、影響なしが2件でした。また、操作者(設定者)の属性は、1年未満が4人、3年未満が1人、5年未満が3人でした。加えて、発生時間帯は8時から10時が4件、17時から20時が2件、その他が4件でした。以上です。」 司会鈴木師長 「ありがとうございます。この報告を聞くと、1年未満の新人のミスが多いですね。新人教育を徹底して、気をつけてください。また、やはり業務が忙しい時間帯にミスが多く起こっているので、落ち着いて、気をつけて設定してください。他に意見がなければアクシデント会議を終了します。」
ケース:三宮病院のアクシデント会議
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What? Why? How?
なぜ 起こったのか?
2W1Hでわかりやすく報告できていない =伝えるチカラ不足
なにが 起こったのか? どうしたのか?
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三宮病院は病床数100床、スタッフ数102名、入院患者数100名の個人病院です。 三宮病院2階病棟では、ここ数ヶ月、輸液ポンプの設定ミスが多発しているため、病棟スタッフ20人でアクシデント会議が行われました。 司会鈴木師長 「では、最近多発している輸液ポンプの設定ミスに関するアクシデント会議を始めます。まずは概要について伊藤主任からお願いします。」 伊藤主任 「この3ヶ月間での輸液ポンプの設定ミスは10件でした。アクシデントレベルでは、処置が必要だったのは3件、影響のみは5件、影響なしが2件でした。また、操作者(設定者)の属性は、1年未満が4人、3年未満が1人、5年未満が3人でした。加えて、発生時間帯は8時から10時が4件、17時から20時が2件、その他が4件でした。以上です。」 司会鈴木師長 「ありがとうございます。この報告を聞くと、1年未満の新人のミスが多いですね。新人教育を徹底して、気をつけてください。また、やはり業務が忙しい時間帯にミスが多く起こっているので、落ち着いて、気をつけて設定してください。他に意見がなければアクシデント会議を終了します。」
ケース:三宮病院のアクシデント会議
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明確なゴール、スタート、プロセスが設定 されていない=決めるチカラ不足
Goal
Start
ゴールはどこか?
スタートは どこか?
どんなプロセスで 議論するか?
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三宮病院は病床数100床、スタッフ数102名、入院患者数100名の個人病院です。 三宮病院2階病棟では、ここ数ヶ月、輸液ポンプの設定ミスが多発しているため、病棟スタッフ20人でアクシデント会議が行われました。 司会鈴木師長 「では、最近多発している輸液ポンプの設定ミスに関するアクシデント会議を始めます。まずは概要について伊藤主任からお願いします。」 伊藤主任 「この3ヶ月間での輸液ポンプの設定ミスは10件でした。アクシデントレベルでは、処置が必要だったのは3件、影響のみは5件、影響なしが2件でした。また、操作者(設定者)の属性は、1年未満が4人、3年未満が1人、5年未満が3人でした。加えて、発生時間帯は8時から10時が4件、17時から20時が2件、その他が4件でした。以上です。」 司会鈴木師長 「ありがとうございます。この報告を聞くと、1年未満の新人のミスが多いですね。新人教育を徹底して、気をつけてください。また、やはり業務が忙しい時間帯にミスが多く起こっているので、落ち着いて、気をつけて設定してください。他に意見がなければアクシデント会議を終了します。」
ケース:三宮病院のアクシデント会議
解決策立案後
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実際にスタッフが行動するための具体的な施策が ない=動かすチカラ不足
実行するためのマネジメント
状況 評価 方向性 業務
髙木晴夫:プロフェッショナルマネージャーの仕事はたった1つ,かんき出版,2013
を伝える を伝える を伝える を伝える
学びのポイント!
ü 実践的なノンテクニカルスキルの4つのチカラとは、「考えるチカラ」「伝えるチカラ」「決めるチカラ」「動かすチカラ」
ü 4つのチカラは医療(業務)の流れにそって必要なチカラ
ü 問題解決型の議論ができるように問題全体の構造をとらえる 考えるチカラ(ケースでは2W1H) ü 物事を的確にわかりやすく説明する「伝えるチカラ」(ケースでは2W1H)
ü 道筋をつくり議論の質を高め意思決定する「決めるチカラ」(ケースではスタート→プロセス→ゴール)
ü 意思決定したことをスタッフが実際に現場で実行させる「動かすチカラ」(ケースでは状況を伝える、方向性を伝える、評価を伝える、業務を伝える)
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
「業務の流れは、まず自分のアタマで「考えた」ことを、他のスタッフに「伝え」、それを繰り返しながら組織で「決め」、そして決めたことを実行するためにスタッフが「動いて」いくことで、患者さんに医療が提供されます。」といったように、4つのチカラがどのように関係しているかを強調しながら参加者の納得感を得るように説明します。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
ケースを紙で参加者全員に配り読んでいただくか、スクリーンに投影して講師が読んでいくといった方法が一般的です。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
グループディスカッションのために、はじめからテーブルやいすは島型(テーブルをはさんでいすを配置:次ページ)にしておきます。1グループの人数は4〜5名が最適です。 テーブルやいすを島型にできない場合(スクール形式)の場合は、隣同士3名ほどでディスカッションしてもらいます。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
グループごとにディスカッションした結果得られた結論を発表していただきますが、講師は可能な限り、発表のあとにその結論を「一言」で説明し、他のグループにより伝わりやすくフォローするようにします。 また、他のグループが質問し発表したグループが答えたあとも同様に、どんな質疑が行われ、そこにどんな意味があったのかをわかりやすく解説します。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
ここからの説明は、いかに「ケースの状況(問題のある状態)とコントラストをつけて見せるか」ということが大切です。 考えるチカラの説明では、師長は解決策(How)しか提示しておらず、なにが問題か(What)、そして原因はなにか(Why)を明確にしていません。それをちゃんと参加者に伝えながら、問題解決プロセスとその順番で考えることが大切であることを伝えます。 COPYRIGHT(C) MEDIPRO! ALL RIGHTS RESERVED.
プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
伝えるチカラの説明でも、状況説明した主任は件数や当事者の経験年数などの情報だけしか伝えておらず、事故の状況(What)や背景(Why)、そのときの当事者や関係者の行動(How)などをモレダブりなく、わかりやすく伝えていません。これをしっかり参加者に伝えてから、伝えるプロセス(2W1H)の説明をします。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
決めるチカラの説明では、会議全体の流れを意識させ、組織で議論するときにいかに物事が決まらないかを参加者にイメージしてもらいます。そして、だからこそ明確なゴール、スタート、プロセスを事前に準備しておき、その枠組みにそって議論をコーディネートすることが大切であることを明確に参加者に伝えます。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
動かすチカラの説明では、会議で決定したことがなかなか実行されないことがよくあることを強調します。そのうえで、その問題はスタッフを動かすための「状況を伝える」「方向性を伝える」「評価を伝える」「業務を伝える」といった施策がないからであることを参加者に伝えます。
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プレゼンのポイント! Point of PresentaQon
最後に、時間がとれるのであれば追加の質問をし全体でディスカッションする、もしくはグループでディスカッションします。
【質問】 そもそも、なぜケースのような会議になってしまうので しょうか? そうならないためには、なにが必要なのでしょうか? この質問は、ケースを超えて、実務で同じような状況にならないようにするためになにが重要なのかを考えてもらうことに意義があります。明確な答えを出すのではなく、より多くの意見を求め、参加者に触れてもらうことが大切です。
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