20160319 知識創造企業

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知識創造企業2016/03/19(土 )

FED事務局

なぜ今知識創造企業を読むのか ?

財・サービス市場

労働市場

金融市場

・垂直統合、系列・大量生産・クローズド市場・自動車、産業機器等

・終身雇用・年功序列・企業内労働組合

・間接金融・メインバンク制・株式持ち合い

戦後〜 90年代 2000年以降

・水平分業・モジュール化・オープン市場・ PC、スマホ、ソフトウェア等

・直接金融・クラウドファンディング・株式持ち合い解消・M&A等

・労働市場の流動化・クラウドソーシング

2015年以降

これからの財・サービス市場、労働市場そして金融市場・インダストリー 4.0・ IoT・多品種少量生産・メーカーズ・人工知能

・フリーエージェント時代

・ Fintech・ Bit coin等・クラウドファンディング

トランザクション貸出とリレーションシップ貸出貸出の種類   重視される情

報 主たる対象企業 適した貸出組織

トランザクション貸出

財務諸表貸出 ハード(財務情報) 透明性の高い大企業・中小企業 大規模・階層構造

アセットベーストレンディング

ハード(資産価値) 情報が少ない中小企業 大規模・階層構造

クレジットスコアリングハード(財務情報・返済履歴)

情報が少ない零細企業 大規模・階層構造

ファクタリング ハード(資産価値) 情報が少ない中小企業 大規模・階層構造

リレーションシップ貸出 ソフト 情報が少ない中小企業及び零細企業 小規模・フラットな組織

出所: Berger, A. and G. Udell (2005) “Relationship Lending and Lines of Credit in Small Firm Finance” Journal of Business 68, 351–381.

サービス名 事業者 開始時期 融資額 対象の ECモール 国内 ECモールの出店数国内 ECモールの年間流通総額

楽天スーパービジネスローン 楽天カード 2013年 4月50万〜 3,000万

円 楽天市場 約 4万 2,000(2015年3月 ) 約2兆円

Amazonレンディング アマゾン・キャピタル・サービス 2014年 2月10万〜 5,000万

円Amazonマーケットプレイス 約 17万 2,000 非公表

トランザクション・レンディング

GMOペイメントゲートウェイ

2014年 10月 非公表 決済代行サービスの加盟店 約 5万 4,000※1 約 1兆 5,000万円

※ 1

JNBストアローン ジャパンネット銀行 2015年 1月50万〜 1,000万円 Yahoo!ショッピング 約 28万 3,000 約 3,700億円※ 2

ビッグデータを用いた貸出

※1決済代行の顧客数及び決済処理金額※2「 Yahoo!トラベル」などを含むショッピング関連の総額

出所:日経 BPムック (2015)

目次第一章:組織における知識第二章:知識と経営第三章:組織的知識創造の理論第四章:知識創造の実例第五章:知識創造のためのマネジメント・プロセス第六章:新しい組織構造第七章:グローバルな組織的知識創造第八章:実践的提言と理論的発見

「よくいわれる製造力、安い資本コスト、企業と顧客、下請け、官庁との間なの緊密な協力関係、終身雇用・年功序列などの人事慣行などが重要なのはもちろんである。 しかし、『組織的知識創造』の技能・技術こそが日本企業成功の最大要因なのだ、というのが我々の主張である。」(P1)

暗黙知と形式知暗黙知 形式値

主観的な知 (個人知 )

経験知 (身体 )

同時的な知(今ここにある知 )

アナログ的な知(実務)

客観的な知(組織知)理性知 (精神 )

順序的な知( 過去の知 )

デジタル的な知 (理論 )

SECI Model

協同化Socialization

表出化Externalization

内面化Internalization

連結化Combination

暗黙知

形式知

形式知

形式知形式知

内面化

暗黙知

暗黙知

P93 3-2 4 つの知識変換モード

共同化 -暗黙知から暗黙知へ• 共同化とは経験を共有することによって、メンタル・モデルや技能などの暗黙知を創造するプロセスである (P92)。• 暗黙知を獲得する鍵は共体験である。経験を何らかの形で共有しないかぎり、他人の思考プロセスに入り込むことは非常に難しい。

表出化 -暗黙知から形式知 -• 表出化は、典型的にはコンセプト創造に見られ、対話すなわち共同思考によって引き起こされる( P95)

製品 メタファー /アナロジー

コンセプト創造への影響

シティ(ホンダ)

クルマ進化というメタファー球のアナロジー

クルマの究極的な姿として、ヒトのスペースを最大化する「マン・マキシマム、マシン・ミニマム」というコンセプトを創造。最小の表面積で最大の体積を得る「高くて短いクルマ『トールボーイ』のコンセプトを創造」

ミニコピア(キャノン ) アルミ・ビール缶のアナロジー 製造コストの安いアルミ缶とアルミ製感光ドラムの類似から、

低コストのドラム製造のコンセプトを創造ホームベーカリー( 松下電気 )

ホテルのパンのメタファーホテルのチーフ・ベーカリーのアナロジー

おいしいパンのヒント「ひねり伸ばし」コンセプトを創造

連結化 -形式知から形式知 -

• 連結化とは、コンセプトを組み合わせて一つの知識体系を作り出すプロセスである (P100)。• 組織のトップレベルで連結モードが使われるのは、製品コンセプトのような中範囲のコンセプトが企業ビジョンのような壮大なコンセプトと結びついて後者の新しい意味を作り出す時である。

知識知識

知識知識知識 新しい知識

内面化 -形式知から暗黙知へ -

• 個々人の体験が共同化、表出化、連結化をつうじて、メンタル・モデルや技術的ノウハウという形で暗黙値ベースへ内面化されるとき、それらは彼らにとって非常に貴重な財産となる (P102)。• 内面化は、実際にほかのヒトの経験を追体験しなくても起こりうる。たとえば、あるサクセス・ストーリーが組織のメンバーにその話の本質と臨場感を感じさせることが出来れば、過去の経験が暗黙的なメンタル・モデルになることもありうる (P104)。• ユーザーの反応をそのつど取り入れながら何世代ものプロトタイプを素早く作るラピッド・プロトタイプといわれる手法は、開発体験の蓄積を加速して内面化を促進する (P105)。

知識スパイラルとその内容の変容

協同化(共感知) 表出化( 概念化 )

内面化(操作知) 連結化(体系知 )

対話

形式値の結合

行動による学習

場作り

新製品コンセプトは、新しく開発された要素技術と既存の要素技術を組み合わせたプロトタイプを作る連結化のプロセスを導く。そして、新製品の試験的生産工程に関する体系知は、内面化を通して、その製品の大量生産のための操作知となる。経験に基づく操作知は、しばしば新しい知識創造のスパイラルを引き起こす (P107)。

組織的知識創造を促進する要件意図

最小有効多様性

自律性

ゆらぎと創造的カオス冗長性

トップやミドルは、「真実とは何か」、「人間とは何か」、「生きるとは何か」といった本質的な疑問を問いかけるによって、根本的価値へのコミットメントの重要性に組織の関心に引きつけることが出来る。

複雑多様な環境からの挑戦に対応するには、組織は同じ程度の多様性をその内部に持っていなければならない。最小有効多様性をもっている組織のメンバーは数多くの事態に対処できる。

組織のメンバーには、事情が許すかぎり、個人レベルで自由な行動を認めるようにすべきである。そうすることによって、組織は思いがけない機会を取り込むチャンスを増やすことが出来る。トップは意図的にゆらぎを起こし、組織の下部レベルに「解釈の多義性」が生まれるように仕向けることも出来る。この多義性が引き金となって、一人一人が自分の考え方を根本的に変えることになる。それはまた暗黙知を明示化するのを助ける。冗長性は組織成員が当面必要のない仕事上の情報を重複共有していることを意味する。情報を重複共有することは、暗黙知の共有を促進する。

組織的知識創造の Five Phase Model

暗黙知の共有コンセプト創造

コンセプトの正当化原型の構築 知識の移転

組織の暗黙知 組織の形式知共同化 表出化 連結化

内面化

市場ユーザーによる内面化 形式知としての宣伝広告、特許、製品サービス、等恊働組織から 暗黙知 ユーザーから

3 つのマネジメントスタイルの特性比較    トップダウン ボトムアップ ミドルアップダウン誰が 知識創造の主体 トップマネジメント 企業家精神

旺盛な個人ナレッジ・エンジニアであるミドル・マネージャーが率いるグループ

トップの役割 指令官 講演者 / 庇護者 触媒者

  ミドルの役割 情報処理者 自律な個人 チーム・リーダー

どのような 蓄積される知識 形式知 暗黙知 形式知と暗黙知

知識変換モード 部分的:連結と内面化に焦点

部分的;共同と表出化に焦点

全面化:共同化・表出化・連結化・内面化のスパイラル

どこに 知識の貯蔵 コンピューターデータベースとマニュアル 個人に封じ込められている 組織の知識ベース

どのようにして 組織 階層組織 プロジェクトチームと非公式なネットワーク

階層組織とタスクフォース(ハイパーテキスト )

コミュニケーション 命令 / 指令 自己組織 対話とメタファー /アナロジーの使用

カオスとゆらぎの許容度 カオスとゆらぎは許されない カオスとゆらぎを前提とする。カオスとゆらぎを創造し、増幅する。

  弱点 トップへの過度の依存 調整に時間とコストがかかる 冗長性と人的疲弊

誰が

どのような

どこに

どのようにして

ディスカッションテーマ例• 日本はいまだ知識創造的企業なのか。そうでないとしたらなぜそうなったのか。

• 現在では日本の企業よりシリコンバレーの方が知識創造企業ではないか。

• 現在の知識創造企業にはどのような要件が必要なのか。