会津若松市 空間位置情報付き写真データの整備と普及
JOSM (Java OpenStreetMap Editor) 勉強会
私たちJOSM勉強会は、会津若松市、福島県の空間位置情報付き写真を
オープンデータとして共有する活動を推進してきました。
私たちは、OpenStreetMap地図編集の勉強会として"JOSM勉強会"グループを立ち上げ、
福島県内でOpenStreetMapやオープンデータにかかわる学習活動を行ってきました。
その中で、空間位置情報付き写真を市民自らが共有することの有益性、
それらの写真がオープンデータ全般と連携できる可能性に着目し、
世界規模の空間位置情報付き写真共有サイトMapillary(マピラリー)を活用して、
会津若松市内の写真データの整備、蓄積と公開を行ってきました。
写真共有サイト「マピラリー」は誰でもが自分が撮影した位置情報付き写真を
オープンデータとして公開することが可能です。
私たちJOSM勉強会は、会津若松市、福島県内の空間位置情報付き写真を
オープンデータとして共有する活動を推進してきました。
空間位置情報付き写真を市民が共有することの有益性
「会津若松市 空間位置情報付き写真データの整備と普及」
1.市民が撮影した写真の共有公開によって、
街並みや道路、暮らしの記録公開が容易になります。
市民にとって貴重なオープンデータの財産となります。
2.写真の撮影日時と撮影場所の位置情報(緯度経度、方位角)が
併せて保存されることにより、
写真の利用者は「場所」とリンクした写真の利用、
「年月や季節、時間」とリンクした写真の利用が可能となります。
http://mapillary.com/map/im/ElLqFefLB74ZyXK5a43JQQ/photo
3.オープンなプラットホームにおける
写真の共有公開は、会津若松市から国内外への
新鮮な情報発信のステージとなります。
インターネット、位置情報付き写真を介して会津若松市の情報を発信、共有できます。
https://www.mapillary.com
4.OpenStreetMapなどオープンな地図とオープンな写真データの組み合わせにより
極めて自由度の高い、市民との情報共有の場を作ることが可能です。
地図や文章では表現が困難な場合でも、写真による情報の補間は効果的です。
日常生活は勿論、イベント、災害時、社会弱者への情報提供に活用できます。
1.空間位置情報付き写真を市民自らが共有することの有益性
活 動 報 告
「会津若松市 空間位置情報付き写真データの整備と普及」
JOSM (Java OpenStreetMap Editor) 勉強会
2.活動報告
1.位置情報付き写真の共有公開について、グループ内で協議、世界的にどのような
共有公開方法が行われているか等について情報収集を行い、オープンデータとして
写真を共有公開するサイトMapillary(マピラリー)に着目しました。
https://github.com/mapillary/OpenSfM
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Mapillary
2.活動報告
2.位置情報と写真の関連性、写真間の連携、撮影方法、プライバシーへの配慮を
含めた公開方法を調査、試行、確認しました。
2.活動報告
【 プライバシーに配慮した写真の公開方法 】
人物(顔)、自動車のナンバープレート、表札などにぼかしを入れる。
Mapillaryには自動、手動で写真にぼかしを入れる機能が付いており、写真をアップした
ユーザー本人以外でも、写真へのぼかし処理ができたり、写真そのものを非表示にすることが可能です。
https://www.mapillary.com/map/im/
Ysql1mQe4_DmRzh-kyZnzg/photo https://www.mapillary.com/map/im/
9Unp2Z758v-TaAi7ak1eXQ/photo
2.活動報告
3.グループメンバーで会津若松市内を徒歩や自動車にて
位置情報付き写真の撮影を行い、オープンデータ(CC BY-SA 4.0)として
写真データを公開しました。
会津若松市周辺 : 位置情報付き写真の撮影公開枚数 メンバー(5名)合計
約80,000枚
会津若松市周辺 : 写真撮影移動距離 メンバー(5名)合計
約1,050km (2016.2現在)
https://www.mapillary.com/map
2.活動報告
ここ1、2年で盛んになってきた空間位置情報付き写真のMapillary公開は、
現在、欧米を中心として全世界で約5,100万枚、撮影距離約120万kmを越えています。
地図中、グレーのラインが写真の撮影、
公開が行われている軌跡です。
https://www.mapillary.com/map
地図中、グレーのラインが写真の撮影、
公開が行われている軌跡です。
国内においては私たちグループの活動により
会津若松市、福島県の写真データ公開が進んでいることが顕著に表れています。
国内:位置情報付き写真の撮影公開枚数 メンバー 合計 約340,000枚
国内:位置情報付き写真の撮影移動距離 メンバー 合計 約6,500km
(2016.2 現在)
https://www.mapillary.com/map
https://www.mapillary.com/map
既に会津若松市内で撮影された約80,000枚の位置情報付き写真が
市内を覆い、様々な情報共有、情報発信の場となっています。
その例をあげます。
地図中、グレーのラインが写真の撮影、
公開が行われている軌跡です。
市内各所、鶴ヶ城の周辺もそれぞれ数百枚単位の写真で覆われています。
宙に浮かぶ 白いフレームひとつひとつが
公開されている写真です。
https://www.mapillary.com/map/im/D25w0HVJyuq3eexMJnDuuw/photo
https://www.mapillary.com/map/im/lwiT3D_GM1OqFDmj5I7Egg/photo
【Time travel タイムトラベル機能】
公開されている写真群から、
同じ場所で撮影された写真を
自動でグループ化し表示する機能。
空間位置情報を持った写真データのオープン化、蓄積によって
景観、暮らしの記録・共有・公開が容易となります。
位置情報でグループ化された写真により、ワンクリックで商店街アーケードの撤去前、
撤去後を見ることができます。
空間位置情報を持った写真データのオープン化、蓄積によって
景観、暮らしの記録・共有・公開が容易となります。
位置情報でグループ化された写真により、ワンクリックで鶴ヶ城の季節感を味わることができます。
https://www.mapillary.com/map/im/3L2mWM2bAuZ5k8nJTUKKAA/photo
2015年10月、「秋を感じさせる」をテーマに
マピラリ世界”秋賞”写真投票コンテストが
開催されました。
世界で約4,100万枚公開されている写真の中から、
自薦他薦でエントリーが行われました。
欧米の秋写真と福島・会津の秋写真が
人気を争う形となりました。
(右図の上位ランキングをご覧ください。)
多くの方にコンテストを通して私たちの地域、
福島、会津に関心を持っていただけたことは
素晴らしい情報発信・交流でした。
【”秋賞”写真コンテストでの情報発信、交流】
#MapillaryAutumn Challenge https://www.mapillary.com/mapillaryautumn
秋賞写真ランキング
2.活動報告
◆データの二次利用、他のプロジェクトとの交流も行いました。
・「会津若松パーキングプロジェクト」 西本氏
私たちグループが情報収集、検討してきたオープンデータとしての
写真公開技術について「会津若松パーキングプロジェクト」と勉強会を実施し、
Mapillary利用を含めた技術の二次利用(横展開)を推進しました。
・「行政における公園管理業務&地物系オープンデータ収集標準化の提案」
宮森氏
オープンデータとしての写真公開技術について宮森氏と共に情報収集、検討を
すすめ、Mapillary利用を含めた技術の二次利用(横展開)を推進しました。
2.活動報告
4.写真撮影に伴い、注目を浴びるSfMを用いて、
街並みや景色、建築物の仮想立体表現を試みました。
SfM : Structure from Motion 異なる位置から撮られた複数の写真画像の重複部分
( オーバーラップ)を解析し立体モデルを仮想復元する技術。
https://vimeo.com/140829421https://github.com/mapillary/OpenSfM
OpenSfM
2.活動報告
「鶴ヶ城 廊下橋門のPoint cloud表現」
スナップ写真の多重撮影だけでポイントクラウド生成を試行
https://www.mapillary.com/map/im/D25w0HVJyuq3eexMJnDuuw/photo
2.活動報告
【写真シークエンスの連続再生:Open SfM 疑似3Dの臨場感)】
連続して撮影した写真で、隣り合う写真同志で絵柄の重なりを多くとると
SfMのアルゴリズムによって静止画からシームレスな疑似3Dの景観を
表示することが可能です。私たちが撮り貯めた写真によって市内各所で
疑似3Dの街並み景観が表示できるようになりました。
(動画キャプチャ: https://www.youtube.com/watch?v=luFIX_oOhBU)
https://www.mapillary.com/map/im/J3qj4JctvFpLqXtNplROlQ/photo
今後の展開
「会津若松市 空間位置情報付き写真データの整備と普及」
JOSM (Java OpenStreetMap Editor) 勉強会
オープンデータとして位置情報付き写真データが持つ可能性
1.写真データからの目的物・対象物の自動抽出 > データ化
・景観中のテキスト情報 ・道路標識・交通標識 ・構造物、etc
3.景観の立体表示、3Dナビゲーションへの利用
2.地図やテキストでは表せない情報の表現、共有手段
5.写真撮影・公開・利用が迅速にでき、地域の情報をよく知る
地域の住民自ら行うことで、より市民にとって価値のあるものとなる。
4.写真の蓄積による、街並み、暮らしの記録と比較
データ利用・データ更新のエンジン:)
市民から継続的に公開される写真データは
地域情報のオープンデータとして自由度も高く、
非常に価値のあるものです。
ストリートレベルのオープン写真データは世界を覆うでしょう。
このように・・・
2007年当時の OpenStreetMap 東京です。
まだ、海(東京湾)と陸地の区別もありません。
© OpenStreetMap contributors
2016年 OpenStreetMap 東京です。
© OpenStreetMap contributors
2016年 東京周辺の撮影軌跡(Mapillary)です。
© MapBox © OpenStreetMap contributors
※緑のラインが撮影軌跡
オープンな写真データは世界を覆う?
まだまだですが、今後が楽しみです。
https://www.mapillary.com/map
会津若松市 空間位置情報付き写真データの整備と普及
JOSM (Java OpenStreetMap Editor) 勉強会
ご清聴ありがとうございました。