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iPass グローバル モバイル ワーカー調査レポート 企業モビリティ動向とモバイル使用を理解する エグゼクティブ・サマリー(要約) 社会的境界線が引き直され、上流社会が再び変わってきている。今四半期のモバイル ワーカー調査レポー
トは、生活と仕事の時間を分ける線が生活と仕事の間のどこに引かれつつあるのかを解明する。 今四半期の調査のハイライトは以下の通りである。
• モバイル ワーカーの41%がタブレット端末を所有し、さらに34%のモバイル ワーカーが6ヶ月以内に
購入予定である。
• タブレット端末を所有するモバイル ワーカーの87%が自分のタブレット端末を少なくとも仕事の一部
に使用している。タブレット端末所有者のうち、27%が職場に支給されたタブレット端末を持ち、73%が個人所有のタブレット端末を持っている。
• 平均的モバイル ワーカーは、一般のワーカーよりも年間240時間多く働いている。 • 出張中にモバイル ワーカーの68%は、無料ネットワークがあっても、より速い通信速度のためにホ
テルの有料サービスを利用する。
• 就寝時にモバイル ワーカーの43%は手の届く範囲にスマートフォンを置いている。こうしたモバイル ワーカーが夜中に起きてスマートフォンをチェックする確率は平均よりも60%高い。
• 夜中に起きてスマートフォンやタブレット端末をチェックする率は、アジア太平洋地域に住むモバイル
ワーカーが最も高く、少なくともしばしばそうする人が55%、毎晩そうしている人が19%である。ヨーロ
ッパはこの率が最も低く、少なくともしばしばそうする人はわずか27%、毎晩そうしている人は4%で
ある。
• モバイル ワーカーの29%が、自分のモバイル テクノロジー利用が私生活の人間関係、具体的には
恋人や配偶者との関係に摩擦を生じさせていると感じている。 • 起床時にモバイル ワーカーの35%は他のこと(着替えや朝食を含む)をする前にメールをチェックす
る。 • モバイル社員がスマートフォンやタブレット端末で使用しているビジネス アプリケーションのうち、メー
ル以外のトップ5は o メモアプリケーション (47%) o 契約・コンタクト管理 (39%) o オフィススイート (33%) o 仕事用のソーシャルメディア (30%) o Web会議 (25%)
• モバイル ワーカーの94%が、現在、スマートフォンを持っている。 はじめに
就寝時にスマートフォンをどこに置いているか?この質問への回答は、その人がどのようなモバイル ワーカ
ーかをよく表している。 ほとんどのモバイル ワーカーは、頻繁に接続し、非常によく反応し、従来の営業時間外に仕事をするのをい
とわない。モビリティは、このようなワーカーが、ペースが速く、難関の多いビジネス環境で競争力を保つのに
役立つ。モバイル ワーカーは一般のワーカーよりも長時間働く – 厳密には、年間240時間多く働いている。
夜はモバイル ワーカーの半数以上がスマートフォンを手の届かない場所に置いているので、大多数のモバ
イル ワーカーは仕事があって眠れないことはなく、またモビリティが私生活の人間関係に摩擦を生じさせるこ
ともない。
モバイル ワーカーの一部はハイパーコネクティビティを持っている(1日24時間待機し、いつでもメールをチェ
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ックでき、また、どの時間帯の同僚とも協力して仕事ができる)とみなすことができ、多くは常時接続のライフ
スタイルのマイナス面を経験している。意外にも、これはロード ウォリアー(1年に1ヶ月以上出張するワーカ
ー)ではない。ハイパーコネクティビティを持つワーカーの特徴的行動の多くを示しているのは、手の届く範囲
にスマートフォンを置いて寝るモバイル ワーカー43%のうちの一部である。 スマートフォンをすぐ手の届く場所に置いて寝るワーカーが夜中に起きてスマートフォンをチェックする率は平
均のモバイル ワーカーよりも60%高い。これをする理由のナンバーワンは、スマートフォンがピッと鳴るから
である。こうしたワーカーは、平均のモバイル ワーカーよりも、暇な時間にスマートフォンを過度にチェックす
る率は65%、自分のモバイル テクノロジー利用が私生活の人間関係、通常は配偶者や恋人との関係に摩擦
を生じさせていると回答する率は10%高い。 今日のモバイル ワーカーは、多様性に富み、生産性が高い。企業内でのモバイロクラシーの高まりは続いて
おり、このレポートではこうした社会的境界線の問題の多くにハイライトを当てる。昨年、スマートフォンの使
用はモバイル ワーカーの94%にまで伸びた。加えて、当社調査は、モバイル ワーカーの間でのタブレット端
末使用の大幅な伸びを明らかにした。今日、モバイル ワーカーの41%がタブレット端末を所有し、その数は6ヶ月以内に75%にまで伸びる予測である。また、暇な時間にスマートフォンを過度にチェックすることを認める
人の数は増加し、ロード ウォリアーの数は若干減少した。 調査方法 今四半期のiPassモバイル ワーカー調査レポートは、全世界の企業1,100社以上のモバイル社員を対象に実
施したiPass調査への3,700余りの回答からの情報に基づいている。この調査は2011年4月1日から15日の
間に行われ、複数の年齢層と地域を含んでいる。調査回答者は、自分のモバイル生産性、仕事上の習慣、
関連経験についての質問を受けた。
図 1: iPass 調査回答者の地域別内訳
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図 2: iPass 調査回答者の年齢層別内訳
iPassのモバイル社員の定義:
モバイル デバイス(ノートPC、ネットブック、スマートフォン、携帯電話、タブレ
ット端末を含む)を使い、業務目的のためにネットワーク(企業LANやWLANを除く)にアクセスするワーカー。
モバイロクラシーの定義:
1) モバイロクラシーとは、より高い生産性のためにモバイル デバイスに頼るワーカ
ーから成る、影響力のある階級である。2) 一般のワーカー、特にモバイル ワーカーとしての一般ワーカー。
企業内で、モバイロクラシーがITの決定と方針に関してより大きな役割を果たす傾向が強くなっている。
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社会的境界線の再定義 「携帯を鳴らすな!」この90年代の凱歌は、オフィスビルの待合室、映画館、公共交通機関で奏でられた。ス
マートフォンとWeb機能付き携帯電話の登場により、メールのチェック、ネットサーフィン、携帯メール、フェイ
スブックやツイッターのようなアプリケーションの使用といった行為は、厚かましさが減った。が、依然として人
に不快な思いをさせる可能性はある。スマートフォンに気をとられている人との会話を試みたことがあるだろ
うか?あるいは、非常に退屈な会議から精神的に抜け出すためにメールをチェックし始めたことは?ルール
は書き換えられ、モバイル ワーカーは何が許容範囲内で何が容認できない行動なのかについて意見を持つ。
同時に、モバイル ワーカーの90%近くが、自分が許容できない行動を少なくとも1つはしたことがあると認め
ている。 社会的境界線は、上流社会がどのように行動するかだけではなく、私的なことと公的なこと、生活と仕事の間
のどこに線が引かれているのかによっても定義される。スマートフォンとタブレット端末はとても個人的なデバ
イスで、私達の自由時間をどんどん占領する。実際、モバイル ワーカーの91%が暇な時間にスマートフォン
をチェックし、61%は寝室のどこかに — 多くは手の届く範囲内に — スマートフォンを置いている。スマートフ
ォンとタブレット端末により、私達は起床後すぐにメールをチェックでき、モバイル ワーカーの76%が家を出る
前、あるいは出社前にメールをチェックする。そして、多くの人が、スマートフォンとタブレット端末のピッという
やさしい音により他の人達はまだ寝ていないことを知らされて、眠れずにいる。 このセクションでは、スマートフォンとタブレット端末の普及、モバイル社員が暇な時間にどれだけ頻繁にスマ
ートフォンをチェックするか、夜スマートフォンとタブレット端末をどこに置くか、そしてモバイル社員が考える容
認できる行動とできない行動とは何か、を検討する。 自分に合った方法 モバイル ワーカーの労働時間は、2010年と2011年の間でさほど変わらなかった。平均的モバイル ワーカー
は依然として一般のワーカーよりも年間240時間多く働いている。モバイル ワーカーの1週間の労働時間は、
2010年には41%が、2011年には42%が50時間未満である。また、2010年には59%、2011年には58%が
50時間以上であった。 北米に住むモバイル ワーカーは、最も長い時間働いていると主張している。65%が1週間に50時間以上働
いているとし、一方、ヨーロッパとアジア太平洋地域のモバイル ワーカーはそれぞれわずか50%と49%が1週間に50時間以上働いていると主張している。 全体で86%のモバイル ワーカーが在宅勤務(テレコミューティング)をしており、これは2010年の88%から若
干減っただけである。テレコミューティングを最も行っているのはヨーロッパで91%、次がアジア太平洋地域で
90%、そして北米のモバイル ワーカーは81%と少ない。世界的にテレコミューティングが一番多いのは金曜
日、次が月曜日で、それぞれモバイル ワーカーの22%と18%がテレコミューティングをしている。
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図 3: あなたが通常テレコミューティングをするのは何曜日ですか?(複数回答可)
雇用側は、テレコミューティングの融通性によって、悪天候や緊急時に生産性への影響を少なくできる。外的
要因で出社できない時、モバイル ワーカーの81%がテレコミューティングをし、自宅で働かないのは3%のみ
である。17%という少数派がまだなんとしても出社しようと試みる。 モバイル スタックをスタッキング モバイル ワーカーの間でのスマートフォンの普及は100%近くにまで到達した。年代を越えて、45歳未満の
モバイル ワーカーの96%、55歳以上のモバイル ワーカーの91%がスマートフォンを所有している。 市場で比較的新しいタブレット端末は、引き続き2011年の話題だ。現在、モバイル ワーカーの41%がタブレ
ット端末を所有し、さらに34%のモバイル ワーカーが6ヶ月以内に購入予定である。この秋には、合計75%の
モバイル ワーカーがタブレット端末を所有していると予想される。 この調査では、タブレット端末を所有するモバイル ワーカーの間でiPadが現在72%のシェアを持ち、独占し
ている。この状況は今年中に変わることはないようで、63%のモバイル社員が6ヶ月以内にiPad2を購入する、
あるいは支給される予定であると回答し、タブレット端末を所有するモバイル ワーカーの間でのiPadのシェア
は71%になると予想される。
図 4: モバイル ワーカーの間でのタブレット端末の現在のシェア
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図 5: モバイル ワーカーの間でのタブレット端末の将来のシェア
モバイル ワーカーにとって、タブレット端末は仕事の上で大いなる魅力を持ち続けている。タブレット端末を
所有するモバイル ワーカーの87%は少なくとも一部の仕事にそれを使用している。タブレット端末所有者のう
ち、27%は会社に支給されたものを持ち、73%は個人所有のものを持っている。
図 6: あなたは自分のタブレット端末を主に仕事のデバイスとして使いますか?それとも自分個人のデバイスとして使います
か?
暇な時間はスマートフォンの時間 何かを待っている時、あるいは手が塞がっていない時の暇な時間は個人の時間、つまり「私だけの時間」で
ある。暇な時間の間、モバイル ワーカーの91%がスマートフォンをチェックする。これは、2010年の86%から
の上昇である。また、7%以上のモバイル ワーカーがスマートフォンを過度にチェックしていることを認めてお
り、これは2010年のほぼ6%という数字からの上昇である。
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図 7 - 暇な時間に自分のスマートフォンをチェックしますか?
暇な時間を年代別に見ると、暇な時間に少なくとも時々スマートフォンをチェックする傾向が最も高い(94%)のは概して35~44歳である。そして、34歳以下は過度にチェックしていると認める傾向が最も高い。
図 8 - 暇な時間に自分のスマートフォンをチェックしますか?(年齢別)
スマートフォンと一緒に寝る この調査が明らかにした意外な事実のひとつは、スマートフォンと一緒に寝ることと、ハイパーコネクティビテ
ィを持つ仕事中毒的な行動との因果関係である。スマートフォンがすぐ手の届く場所にあると夜中に目が覚
めた時にチェックしたい気持ちが大きくなる、ということを物語っているようだ。当調査によれば、就寝時にモ
バイル ワーカーの43%が手の届く範囲にスマートフォンを置いている。27%は家の中のそれ以外の決まった
場所に置く。夜、手の届く範囲内にスマートフォンを置いているモバイル社員の12%は過度にスマートフォン
をチェックする。モバイル社員全体で、夜に過度にスマートフォンをチェックするのは7%である。
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図 9 - 就寝時にスマートフォンをどこに置いていますか?
年齢別では、34歳以下の60%が、夜にスマートフォンを手の届く場所に置いていることが分かった。一方、そ
の上の年代は、家の中のそれ以外の決まった場所に置く傾向がある(45歳以上の35%、55歳以上の33%以
上)。
図 10 - 就寝時にスマートフォンをどこに置いていますか?(年齢別)
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タブレット端末所有者を見てみると、25%以上が就寝時にタブレットを手の届く場所に置くが、ほぼ31%は家
の中のそれ以外の決まった場所に置いている。
図 11 - 就寝時にタブレット端末をどこに置いていますか?
モバイル ワーカーの多くはスマートフォンやタブレット端末をチェックするために夜中に起きることはないが、
38%は少なくとも時々、8%は毎晩起きてチェックしている。スマートフォンを手の届く場所に置いて寝るワーカ
ーは半数以上が少なくとも時々起きてチェックしており(58%)、11%は毎晩起きている。
図 12 - スマートフォンやタブレット端末をチェックするために、どのぐらいの頻度で夜中に起きますか?
夜、最も頻繁に起きてスマートフォンやタブレット端末をチェックしているのは34歳以下のモバイル ワーカー
で、46%は少なくとも時々、10%は毎晩起きている。
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図 13 - スマートフォンやタブレット端末をチェックするために、どのぐらいの頻度で夜中に起きますか?(年齢別)
夜中に起きてスマートフォンやタブレット端末をチェックする率は、アジア太平洋地域に住むモバイル ワーカ
ーが最も高く、少なくともしばしばそうする人が55%、毎晩そうしている人が19%である。ヨーロッパはこの率
が最も低く、少なくともしばしばそうする人はわずか27%、毎晩そうしている人は4%である。
図 14 - スマートフォンやタブレット端末をチェックするために、どのぐらいの頻度で夜中に起きますか?(地域別)
起きてスマートフォンをチェックする一番の理由(47%)は仕事である(国外の人と仕事をしている、何も見逃し
たくない、自分の早急の対応を必要とする重要なことに取り組んでいる)。モバイル ワーカーはまた、「ピッと
鳴るから」(36%)、「眠れないから」(36%)という理由でも起きてスマートフォンをチェックしている。仕事のため
に起きる率が最も高いのは45~54歳で、76%が仕事のために起きてスマートフォンやタブレット端末をチェッ
クしている。仕事のために起きてチェックすることは、アジア太平洋地域のモバイル ワーカーの間でも広く行
われており、61%がそうしている。
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図 15 - なぜ夜中に起きてスマートフォンやタブレット端末をチェックするのですか?
目が覚めた、ベッドから落ちた…そしてメールをチェックした モバイル ワーカーは朝起きると、35%が他のことをする前にメールをチェックし、16%は勤務時間になってか
ら(オフィスに着いてから)メールをチェックする。スマートフォンを手の届く場所に置いて寝るモバイル ワーカ
ーは、その53%が毎朝、他のことをする前にメールをチェックする。
図 16 - 朝起きた時、最初にメールをチェックするのはいつですか?
若いモバイル ワーカーほど、朝最初に、他のことをする前にメールをチェックする傾向がある。22~34歳の
44%、35~54歳の39%が最初にメールをチェックする。それと対照的に、55歳以上の24%は勤務時間にな
るまでメールをチェックしない。
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図 17- 朝起きた時、最初にメールをチェックするのはいつですか?(年齢別)
モバイル・マナーと人間関係 モバイル ワーカーの29%が自分のモバイル テクノロジー利用が私生活の人間関係に摩擦を生じさせている
と感じている。モバイル テクノロジー利用が最も摩擦を生じさせているのは35~44歳のモバイル ワーカーで
ある(32%)。同様に、スマートフォンを手の届く場所に置いて寝るモバイル ワーカーのうち、32%が自分のモ
バイル テクノロジー利用が私生活の人間関係に摩擦を生じさせていると感じている。
図 18 – 自分のモバイル テクノロジー利用が私生活の人間関係に摩擦を生じさせていますか?(年齢別)
摩擦の90%は恋人や配偶者、21%は子供との間に生じている。22~34歳では、友達との摩擦(17%)が子供
との摩擦(10%)を上回っている。最も多い不満は、相手がモバイル ワーカーはモバイル テクノロジーに気を
とられていて周囲で起こっていることに注意を配っていないと感じる、というものだった。
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図 19 – 自分のモバイル テクノロジー利用が最も摩擦を生じさせている相手は誰ですか?(年齢別)
モバイル ワーカーが容認できないと思う行動は下記の通りである。
• 会議中にスマートフォンや携帯電話にかかってきた電話に出る(84%が容認不可) • 顧客や同僚との会議で誰かがプレゼンテーションをしている時にスマートフォンをチェックする(83%
が容認不可) • 運転中にスマートフォンをチェックする(82%が容認不可)
下記の行動が容認できるかどうかについてはモバイル ワーカーの間で意見が分かれている。
• 友達との食事や外出中にスマートフォンをチェックする(56%が容認) • 外での夕食中にスマートフォンを7歳未満の子供におもちゃとして使わせる(54.2%が容認不可) • 公共のトイレでスマートフォンや携帯電話にかかってきた電話に出る(64%が容認不可)
45歳未満は友達との外出中にスマートフォンをチェックすることにより寛容で(67%が容認)、35~44歳は7歳未満の子供にスマートフォンを使わせることを最も受け入れている(53%が容認)。
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図 20 – モバイル ワーカーが社会的に容認できないと思う行動(年齢別)
モバイル ワーカーの大半が容認できないと思っているにもかかわらず、40%は会議中にスマートフォンや携
帯電話にかかってきた電話に出たことがあると認め、48%は顧客や同僚との会議で誰かがプレゼンテーショ
ンをしている時にスマートフォンをチェックしたことがあり、49%は運転中にスマートフォンをチェックした経験
がある。 そして、容認できるかどうかについてモバイル ワーカーの間で意見が割れている一方で、73%は友達との食
事や外出中にスマートフォンをチェックしたことがあると認め、31%は外での夕食中にスマートフォンを7歳未
満の子供におもちゃとして使わせたことがあり、29%は公共のトイレでスマートフォンや携帯電話にかかって
きた電話に出た経験がある。 全体的に見ると、モバイル ワーカーの89%がこうした行動を少なくともひとつはとったことがある。年代別で
は、45歳未満の93%が、55歳以上の80%がこうした行動を少なくともひとつは経験している。
IT への提言:
スマートフォンやタブレット端末などの一匹狼的デバイスを使うモバイル ワーカー達と戦わないこと。
モバイル ワーカーは生産性が高く、モバイルでない同僚に比べて年間労働時間が長い。モバイル ワーカーがタブレット端末を仕事のデバイスとして評価していることは明らかで、またモバイル ワーカ
ーは既にスマートフォンを持っている。ゆえに、そうしたデバイスを、ITが管理しているものかどうか
にかかわらず受け入れよう。しかし、必ず利用規定を導入し、その規定に関して社員をトレーニング
して、社員がデバイス上のデータを保護する方法を理解するようにしよう。 社員が会社支給でないスマートフォンやタブレット端末で少なくとも業務メールにアクセスできるよう
にしよう。ほとんどの社員は勤務時間前にメールをチェックする。このシンプルでありながら強力なツ
ールは、社員が仕事の要求に対してより反応することを可能にするのである。
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仕事に合ったツール スマートフォンの普及増加とタブレット端末の人気上昇で、社会的境界線が再定義されているだけでなく、モ
バイル社員が使うツールとアプリケーションが変化しており、新しい仕事の方法に適応している。 このセクションでは、社員がスマートフォン、タブレット端末、ノートPCにどのようなアプリケーションを使ってい
るかを探る。各アプリケーションを使うのに好きなツールは何か?意外なことに、モバイル ワーカーにとってメ
モアプリケーションはスマートフォン上でさえ人気があり、タブレット端末を持っていれば、タブレットがメモアプ
リケーションと動画ストリーミングに好まれるデバイスである。 何を使うかが人となりを表す モバイル社員がタブレット端末とスマートフォンで使っているアプリケーションのリストのトップは、引き続きWi-Fi・インターネット接続アプリケーションである。77%がWi-Fi・インターネット接続アプリケーションを使うと回答
しており、デバイスの低価格、ネットワーク コストの上昇、Wi-Fiの低コストと豊富な供給が続いているため、
この傾向も継続すると見られる。 スマートフォンをホットスポットとして使うことは、モバイル社員にはまだあまりなじみがない。スマートフォンを
ホットスポットとして使っているモバイル社員はわずか31%である。12%は自分の会社がそのサービスを停
止したから、15%は自分のスマートフォンはその機能をサポートしないから、という理由で使っていない。この
機能を持つスマートフォンが増え、携帯電話のネットワークは負荷が増え続け、データ プランが更に高くなっ
ているので、スマートフォンのホットスポット利用は注目すべき興味深いトレンドである。 従来のビジネスアプリケーションを見てみると、モバイル社員がスマートフォンやタブレット端末で使っている
ネイティブ ビジネス アプリケーション(メールとWi-Fi以外)のトップ5は以下の通りである。 1) メモアプリケーション(47%) 2) 契約・コンタクト管理(39%) 3) オフィススイート(33%) 4) 仕事用のソーシャルメディア(30%) 5) Web会議(25%)
モバイル社員の圧倒的多数が、自分のスマートフォンとタブレット端末でネイティブ ビジネス アプリケーション
を楽に使っている。自分のスマートフォンやタブレット端末にメール以外のネイティブ ビジネス アプリケーショ
ンが入っていないのはモバイル社員のわずか20%である。ITプランニングの観点から見ると、社員がどのア
プリケーションを使っており、それをどのように自分のスマートフォンとタブレット端末にインストールしたのか
に注意することが重要である。モバイル社員の半数以上はビジネス アプリケーションをアプリケーション専門
店から購入し、34%はPCからダウンロードし、25%はスマートフォンにプレインストールさせている。
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図 21 – モバイル ビジネス アプリケーションを自分のスマートフォンにどのようにインストールしましたか?
Webアプリケーション(ブラウザを通じてアクセスできるがインストールされていないアプリケーション)に関し
ては、モバイル社員がスマートフォンやタブレット端末からアクセスするビジネス アプリケーションのトップは
以下の通りである。 1) 仕事用のソーシャルメディア (21%) 2) 情報管理(20%) 3) Web会議(19%) 4) メモアプリケーション(17%) 5) オフィススイート(17%)
モバイル ワーカーの1/3は、ビジネス アプリケーションにスマートフォンやタブレット端末のブラウザを通じて
はアクセスしていない。しかし、より高性能なアプリケーションがクラウドへ移行するにつれ、この数は増加す
ると予想される。 それとは別に、ウォレット テクノロジーについての論議が盛んに行われている。モバイル ワーカーの半分強
がスマートフォンをウォレットとして使いたいと言っているが、そうでないモバイル ワーカーはセキュリティを一
番の問題として挙げた。 ポスト PC 時代 – 仕事に合ったツール 社員がモバイル スタック(ノートPCとスマートフォン、そして最近ではこれにタブレット端末が加わることも多
い)を持っているので、私達はそうした社員が、メール、動画ストリーミング、Web会議、メモなど、人気のアプ
リケーションを使うのに好きなデバイスは何かを調査したいと考えた。タブレット端末を所有していることがど
れだけ好みを変えたか、は意外であった。一般のモバイル ワーカーにとっては、ノートPCがメール(44%)、動画ストリーミング(58%)、書類の編集(87%)、Web会議(74%)、そして会議でのメモ(47%)に最も人気のある
選択肢であった。 しかし、ここにタブレット端末が加わると、数字は大幅に変わる。タブレット端末を所有しているモバイル社員
は36%がメールに使うデバイスとしてスマートフォンを好む。そして、タブレット端末は動画ストリーミング
(56%)とメモ(46%)に使うトップのデバイスであり、ノートPCは今なお、書類の編集(81%)とWeb会議(64%)用に好まれる。
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図 22 – 下記の作業をする際にあなたが好むモバイル デバイスは何ですか(タブレット端末、スマートフォン、ネットブック、ノ
ート PC)?(一般のモバイル ワーカーとタブレット端末所有者)
IT への提言:
私達はコラボレーションの時代に入った。社員は、メール以外のモバイル ビジネス アプリケーション
をだんだんと使いこなせるようになっている。企業にとって、従来のフロントオフィススイートの外で、
社員が極めて便利だと思うようなアプリケーションを探す大きなチャンスが存在する。
社員にスマートフォンやタブレット端末用のビジネス アプリケーションを配布するのは今なお難しい
が、大半の社員はアプリケーション専門店を含めて、様々なところからビジネス アプリケーションを
気楽に入手している。なお、個人所有のデバイスに対しても、パスワードについての適切な方針とデ
ータ保護へのサポートを確実にしよう。これは、データの保護を助けるための好ましい配慮である。
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モバイル ワーカーとの出張
私達が調査したモバイル ワーカーにはいくつかの共通点がある。スマートフォンを持ち、だんだんとタブレット
端末を持ち始め、テレコミューティングをし、出張をする。実際、94%が今年出張をする予定である。49%は最
低30日間を出張に費やす見込みである。 興味深いのは、モバイル ワーカーの間で出張の多さが必ずしもハイパーコネクティビティに結びつかないこと
だ。社会的境界線に関しては、年間30日以上を出張に費やすモバイル ワーカーは一般のモバイル ワーカー
に酷似している。
このセクションでは出張について考える。社員の出張は2010年よりも多いのか、少ないのか?社員はホテル
のWi-Fiを使うのか?そして、自分のモバイル スタック(ノートPCとスマートフォン、そして最近ではこれにタブ
レット端末が加わることも多い)をどのぐらいホテルのWi-Fiに接続しているのか? 出張 モバイル ワーカーの49%は1ヶ月以上を出張に費やす見込みである。2010年にはこの予想が56%だった。
これは7%の減少である。モバイル ワーカーの27%が昨年より多く出張する予定である一方、18%以上は昨
年より出張が減る予定である。
図 23 – 今年、出張にどのぐらいの時間を費やす予定ですか?
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図 24 – それは昨年の出張よりも多いですか?少ないですか?
この調査から、今年モバイル社員の18%の出張が減る見込みであるということに、Web会議のようなコラボ
レーション用アプリケーションが関係しているのが分かるが、それが一番の理由ではない。調査への回答者
によれば、出張減少の理由は下記の通りである。
1) 社内での自分の役割が出張をそれほど必要としない(47%) 2) 会社が出張を減らした(40%) 3) 会社が出張の代わりにもっとWeb会議を使っている(34%) 4) 自分で今年の出張を減らすことを決めた(12%)
モバイル ワーカーの35%の出張の半分以上は国外である。驚くまでもなく、ヨーロッパのモバイル ワーカー
のほぼ53%は、自分の出張の半分以上が国外であるだろうと思っている。一方、アジア太平洋地域では37%が、北米では19%がそう思っている。
図 25 – 今年計画しているすべての出張のうち、国外出張の占めるパーセンテージを予測して下さい。(地域別)
ホテルの Wi-Fi 出張中にモバイル ワーカーのほぼ68%が、無料ネットワークがあっても、より速い通信速度のためにホテル
の有料サービスを利用する。28%は無料ネットワークが遅すぎる場合のみ、33%は何のために接続している
かによって、有料サービスを利用する。
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図 26 – 無料ネットワークがある時、より速い通信速度のためにホテルで有料サービスを利用しますか?
モバイル ワーカーはまた、ホテルで自分のモバイル スタックすべてをWi-Fiに接続する。まず、ほぼ96%の
モバイル ワーカーがホテルのWi-Fiを使う。71%が2つ以上のデバイスを接続し、16%近くが3つ以上のデバ
イスを接続する。
図 27 – 出張でホテルに滞在中、通常いくつのデバイス(スマートフォン、ノート PC、タブレット端末など)を Wi-Fi に接続しま
すか?
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IT への提言:
出張する社員は確実に接続できるツールを必要とする。大半はホテルのWi-Fiを使用し、複数のデ
バイスを接続する。ホテルでは技術リソースが限られているため、接続ツールはシンプルで簡単に
使えるべきである。 スピードが重要なことはよくある。モバイル社員の多くは、無料Wi-Fiがあっても、より速いWi-Fi接続
のために有料サービスを利用する。 出張は依然として日常的であり、一部の地域では増えている。モビリティのコストがコントロールでき
ないほど上昇しないよう気をつけよう。ITは、3Gローミングが濫用されないように、また可能な場合
は無料Wi-Fiを使うように、報告と方針を実践するべきである。サポート需要がITをダウンさせないよ
うに、ユーザ エクスペリエンスはシンプルであるべきである。
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まとめ
私達が好むと好まざるとにかかわらず、社会的境界線は再定義されつつあり、ワーカーのルールは書き換え
られている。社会的境界線は上流社会がどのように行動するかを定義するが、この新しいパラダイムはまた、
私的なことと公的なこと、生活と仕事の間の線を曖昧にする。 モバイル ワーカーにはいくつかの共通点がある。彼らは自分の仕事に適したツールを持っている — ノート
PC、スマートフォン、そして最近ではこれにタブレット端末が加わることも多い。実際、彼らのスマートフォン普
及率は100%に近づいており、同時にタブレット端末所有者が多数派になってきている。モバイル ワーカーは
ますますノートPC、スマートフォン、タブレット端末を持つようになり、モバイル スタック(三種のデバイス)は
実にモバイル ワーカーのコンピューティングの新しい単位である。 けれども、スマートフォンの市場飽和はモバイル ワーカーに何を意味しているのだろうか?スマートフォン、
そしてタブレット端末は、非常に個人的なデバイスで、モバイル ワーカーの自由時間をかつてないほど多く占
領する。私達はそうしたデバイスを寝室の中へ持ち込み、ピッというやさしい音により他の人達はまだ寝てい
ないことを知らされて、眠れずにいる。私達はまた、勤務時間の前にデバイスをチェックして自分が何も見逃
していないことを確かめ、違う時間帯の同僚と一緒に働き、寝ている間に起きた仕事の問題と格闘する。 今四半期のレポートでは、社会的境界線の再定義だけでなく、モバイル社員が新しい仕事の方法に適応する
につれて、彼らの使うツールとアプリケーションが変わっていくのも見られた。メモアプリケーションのような新
しいプロダクティビティ アプリケーションはモビリティの高いモバイル ワーカーの間で持続的な人気を獲得し、
また、ツールの進化に伴って、仕事に合ったツールに対する好みも変化している。 ほとんどのモバイル ワーカーは、常に接続し、非常によく反応し、従来の営業時間外に仕事をするのをいと
わない。彼らはテレコミューティングをし、出張をする。モビリティは、このようなワーカーが、ペースが速く、難
関の多いビジネス環境で競争力を保つのに役立つ。彼らはモビリティの低い同僚達よりも年間240時間多く
働く。半数以上がスマートフォンを手の届かない場所に置いているので、仕事があって眠れないことはなく、
またモビリティが私生活の人間関係に摩擦を生じさせることもない。それでも、モバイロクラシーが個人の境
界線をどのように定義するかが、仕事と私生活へのモビリティの影響を決定するのである。
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IT への提言:
スマートフォンやタブレット端末などの一匹狼的デバイスを使うモバイル ワーカー達と戦わないこと。
モバイル ワーカーは生産性が高く、モバイルでない同僚に比べて年間労働時間が長い。モバイル ワーカーがタブレット端末を仕事のデバイスとして評価していることは明らかで、またモバイル ワーカ
ーは既にスマートフォンを持っている。ゆえに、そうしたデバイスを、ITが管理しているものかどうか
にかかわらず受け入れよう。しかし、必ず利用規定を導入し、その規定に関して社員をトレーニング
して、社員がデバイス上のデータを保護する方法を理解するようにしよう。 私達はコラボレーションの時代に入った。社員は、メール以外のモバイル ビジネス アプリケーション
をだんだんと使いこなせるようになっている。企業にとって、従来のフロントオフィススイートの外で、
社員が極めて便利だと思うようなアプリケーションを探す大きなチャンスが存在する。
社員にスマートフォンやタブレット端末用のビジネス アプリケーションを配布するのは今なお難しい
が、大半の社員はアプリケーション専門店を含めて、様々なところからビジネス アプリケーションを
気楽に入手している。なお、個人所有のデバイスに対しても、パスワードについての適切な方針とデ
ータ保護へのサポートを確実にしよう。これは、データの保護を助けるための好ましい配慮である。 スピードが重要なことはよくある。モバイル社員の多くは、無料Wi-Fiがあっても、より速いWi-Fi接続
のために有料サービスを利用する。 出張は依然として日常的であり、一部の地域では増えている。モビリティのコストがコントロールでき
ないほど上昇しないよう気をつけよう。ITは、3Gローミングが濫用されないように、また可能な場合
は無料Wi-Fiを使うように、報告と方針を実践するべきである。サポート需要がITをダウンさせないよ
うに、ユーザ エクスペリエンスはシンプルであるべきである。 iPass について 1996年に創業されたiPass (NASDAQ: IPAS) は、モビリティとクラウド サービスを通じて大手企業とグロー
バル キャリアのモバイル コネクティビティを管理する。iPassは数千社の顧客を持つ企業モビリティ サービス
のリーダーである。同社のモビリティ サービスは、企業ワーカーのニーズをサポートするのに必要なビジビリ
ティとコントロールをITに提供しながら、どんなネットワークのどんなデバイスからのアクセスも簡単に、きちん
と、そしてオープンに促進する。iPassはまた、通信キャリアの企業向けとマスマーケット向けの両方の要求を
サポートするのに十分な強さの国内・国際Wi-Fiオフロードおよびローミング サービスを提供している。詳細
については、www.iPass.com あるいはiPass公式ブログSmarter Connectionsへ。
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