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塗布型有機薄膜太陽電池の 実現に向けた静電塗布法の
成膜技術としての確立
埼玉大学大学院理工学研究科 物理機能系専攻 助教 福田 武司
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将来の発電
太陽光発電
脱化石燃料
現在の発電
60%以上が火力発電
石油
石炭
有機薄膜太陽電池の利点
ウェットプロセスによる低コスト化
金属電極
ITO
透明基板
有機層
バルクヘテロ ジャンクション構造
有機薄膜太陽電池とは?
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高効率化にはpn界面の表面積を大きくする必要がある ⇒静電塗布法で実現 !
-
+
LUMO
+
-
アクセプタ ドナー
①励起子生成
HOMO ②励起子拡散
-
+ ③電荷分離 (電荷生成)
④電荷移動
ITO
Al
有機薄膜太陽電池の動作原理
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① 電圧印加により帯電した溶液がノズルの先端に集中する。 ② 表面張力を破り、帯電した液滴が放出する。 ③ 液滴同士がクーロン反発して、分裂する。 ④ 分裂の過程が繰り返す。 ⑤ 溶媒が蒸発する。 ⑥ 乾いた粒子が電極上で、薄膜を形成する。
溶液 ①
②
③
④ ⑥
⑤ ガラス基
板
電極
微細構造の形成が可能 有機層の積層が可能
静電塗布法の原理
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静電塗布装置外観図
ガラスキャピラリー
基板
CCDカメラ1 CCDカメラ2
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酸化亜鉛ファイバーの作り方
14h
zinc acetate (Zn(CH3COO)2, 0.15 g) poly(vinylpyrrolidone) (PVP) (0.3 g) (Mw:40,000, 360,000, 1,300,000)
ZnO前駆体
300 ℃ for 30min
IPA (1.5mL) monoethanolamine (NH2CH2CH2OH-2H2O, 0.05ml) 2-methoxyethanol (CH3OCH2CH2OH, 3ml)
静電塗布
・電圧: 6, 8, 10kV ・距離: 6cm ・成膜時間: 3min
CCDカメラ レーザー
ガラスキャピラリー 100µm
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6kV
8kV
10kV
ZnO+PVP (40,000)
ZnO+PVP (360,000)
ZnO+PVP (1,300,000)
5mm
静電塗布している様子
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Without PVP
6kV
8kV
10kV
ZnO+PVP (40,000)
ZnO+PVP (360,000)
ZnO+PVP (1,300,000)
Results :SEM
10mm
ZnOファイバのSEM像
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溶液調整 P3HT:PCBM
(o-dichlorobenzene, 20mg/ml:20mg/ml)
Experimental Method
活性層:スピンコート (1000rpm)
基板洗浄 (Ultrasonic, UV ozone)
[1] ZnO:スピンコート (3000rpm, 1min) 熱処理 (300℃, 10min)
真空蒸着 MoO3(10nm) / Au (20 nm) / Al
熱処理(140℃、10min)
[2] ZnO:静電塗布 (6kV, 6cm) 成膜時間:1min, 3min, 5min
熱処理 (300℃、30min)
Glass
P3HT:PCBM
Au/Al
ZnO スピンコート
ITO
MoO3
ZnO fiber (静電塗布)
PVP (Mw: 360,000)
逆型太陽電池の作製手順
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1min 3min 5min
Results :SEM
SEM
CCD 10mm
10mm
成膜時間の増加に伴って酸化亜鉛ファイバーの被覆率の増加 →逆型太陽電池の特性向上が期待!
ZnOファイバーの構造
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Device 効率
(%) FF Jsc
(mA/cm2) Voc (V)
① ITO / ZnO(SC) / P3HT:PCBM / MoO3 / Au 1.88 0.46 7.15 0.58 ② ITO / ZnO(SC) / ZnO (ESD:1min) / P3HT:PCBM / MoO3 / Au 2.03 0.45 7.57 0.60 ③ ITO / ZnO(SC) / ZnO (ESD:3min) / P3HT:PCBM / MoO3 / Au 2.26 0.52 7.44 0.58 ④ ITO / ZnO(SC) / ZnO (ESD:5min) / P3HT:PCBM / MoO3 / Au 2.41 0.52 7.91 0.59
95.4%
21.2%
④ZnO (5min)
①ZnOファイバなし
太陽電池特性
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ZnOを用いた逆型太陽電池のまとめ
• PVPをゾル-ゲル法の出発溶液に添加することで、ファイバ構造の形成が可能である。
• ZnOファイバ構造を用いることで太陽電池特性の向上が実現できる。
• 逆型太陽電池では長期信頼性が向上する。
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スピンコート:P3HT:PCBM(o-DCB, 20mg/ml:20mg/ml) 静電塗布:PCBM (o-DCB, 1.0mg/ml + acetonitrile)
Experimental
Device ① P3HT:PCBM (SC) ② P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:50℃) ③ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:60℃) ④ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:70℃) ⑤ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:80℃)
電圧:6.0kV
キャピラリー径 50µm
距離:6cm 時間:1min
基板温度:50-80℃
積層型有機薄膜太陽電池
PEDOT:PSS
glass ITO
P3HT:PCBM 活性層(SC)
Al(130nm)
PCBM
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Device η(%) FF Jsc (mA/cm2) Voc (V) ① P3HT:PCBM (SC) 1.52 0.52 5.13 0.57 ② P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:50℃) 0.92 0.38 4.41 0.56 ③ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:60℃) 1.67 0.52 5.45 0.59 ④ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:70℃) 1.60 0.51 5.88 0.53 ⑤ P3HT:PCBM (SC) / PCBM (ESD:80℃) 1.94 0.52 6.31 0.59
太陽電池特性
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60℃ 70℃ 80℃ 50℃
78.14nm 78.87nm RMS粗さ:2.00nm 87.32nm
基板加熱をしたPCBM層のAFM像
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積層型有機薄膜太陽電池のまとめ
• 基板加熱を行い、溶媒の蒸発速度を制御することで、積層型の有機薄膜太陽電池を実現した。
• PCBM層を活性層上に成膜することで太陽電池特性が向上した。
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従来技術とその問題点
既に実用化されているものには、スクリーン印刷、インクジェット法など幅広い塗布技術があるが、 微細な構造体の形成が出来ない 異なる有機層の積層が出来ない 等の問題がある。
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 従来の印刷技術では実現が困難であった酸化亜鉛ファイバー構造の形成や同一の溶媒に溶かした有機層の積層に成功した。
• 本技術の適用により、ファイバー構造の形成や有機層の積層が可能であるため、太陽電池特性が向上する。
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想定される用途・業界
• 本技術の特徴を活かすためには、有機太陽電池や有機ELなどデバイス特性の向上に有効であると考えられる。
• 上記以外に、高粘度溶液や低濃度の溶液への展開が期待できる。
• MEMS用レジスト塗布など数10µmの厚膜が必要な分野への応用が期待される。
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実用化に向けた課題
• 現在、静電塗布装置の基本的な原理と塗布の安定化を実現した。しかし、溶液の帯電機構などのメカニズム解明がまだである。
• 速い成膜速度や大面積塗布を実現するためのノズルやシステム開発が必要である。
• 今後、新しい用途展開に合わせた装置設計をしていく予定である。
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企業への期待
• 用途に応じた静電塗布装置の最適化。 • 静電塗布法に適した材料・インクが必要である。特に可燃性溶媒を用いないことが重要。
• 材料・装置開発・塗布技術を持つ企業との共同研究を希望。
• 精密なノズル加工技術、塗布技術を幅広い用途展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。
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本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :有機薄膜素子の製造方法 • 出願番号 :特開2011-003442 • 出願人 :埼玉大学 • 発明者 :福田武司、浅木裕隆 他
• 発明の名称 :静電塗布方法及び装置 • 出願番号 :特開2011-41908 • 出願人 :埼玉大学 • 発明者 :福田武司、浅木裕隆 他
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産学連携の経歴
• 2009年-2010年 JST A-STEP シーズ顕在化に採択 • 2011年 新世代塗布型電子デバイス技術
研究組合設立 • 2012年 NEDO新エネルギーベンチャー技
術革新事業(フェーズA)に採択 • 2012年-2013年 JST A-STEP 探索タイプに採択
• その他、企業との共同研究多数実施
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お問い合わせ先
埼玉大学
オープンイノベーションセンター
産学官連携推進部門
TEL;048-858-3849
FAX;048-858-9419
e-mail;[email protected]
塗布型有機薄膜太陽電池の�実現に向けた静電塗布法の�成膜技術としての確立有機薄膜太陽電池とは?スライド番号 3静電塗布法の原理静電塗布装置外観図酸化亜鉛ファイバーの作り方静電塗布している様子ZnOファイバのSEM像逆型太陽電池の作製手順ZnOファイバーの構造太陽電池特性ZnOを用いた逆型太陽電池のまとめ積層型有機薄膜太陽電池太陽電池特性基板加熱をしたPCBM層のAFM像積層型有機薄膜太陽電池のまとめ従来技術とその問題点新技術の特徴・従来技術との比較想定される用途・業界実用化に向けた課題企業への期待本技術に関する知的財産権産学連携の経歴お問い合わせ先
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