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(4) (第3種郵便物認可) 2012年(平成24年)2月27日 第2079号

ITソリューション特集

新たなビジネスチャンスを生み出し、業務効率アップに貢献する各社の取り組み

旅行会社を取り巻く環境が年々厳しくなる中、経営の効率化やコスト削減の切り札として、ITソリューションへの注目が高まっている。CRS/GDS各社は、予約手配の利便性向上をより一層図る中、出張時の危機管理など、BTM(Business Travel Management)分野への取り組みを活発化させており、LCCをはじめとする航空会社との協力関係も、以前にも増して強固なものとなっている。一方、旅行会社向けに基幹システムを提供するIT関連各社においても、旅行会社の経営を幅広くサポートすべく、新たなサービス展開に意欲的だ。また普及が進むスマートフォン向けの展開など、新たなビジネスチャンスを切り開く上でも、先進のIT技術を駆使したITソリューションの役割は重要。今特集では、スマートフォン向けの展開や基幹ソフト導入にまつわる旅行会社の動きを紹介しながら、各社プロダクトについて紹介したい。

スマートフォンの利用が日本でも急速に広まる中、旅行会社各社はスマートフォン向けサイトや専用アプリの整備を急いでいる。日本旅行は昨年専用アプリを立ち上げ、国内宿泊やJRセットプランの予約、海外ツアーの申し込みといったサービスを提供、スマートフォン経由の予約が着実に増えている。これまでの経緯や客層の特徴、今後の展開について、システム開発を担当する辻井康一氏(営業企画本部ICT営業推進部販売チーム主任システムアナリスト)に話を伺った。

他社に先駆けスマホ対応レンタカー、高速バス予約も

 携帯電話を使ったウェブサービスの先駆けとなったNTTドコモの「i mode」がスタートしたのは1999年。日本旅行はその直後から携帯電話向けウェブサイトを立ち上げ、旅行情報の提供を開始した。その後2001年に国内の宿泊予約を開始。辻

井氏はその頃からシステム開発にあたっており、「画面が小さいのでテキスト中心の内容とした。間際の出張予約、終電を逃した人の予約など、簡単に申し込めることから人気を集めた」と振り返る。 スマートフォン対応を意識したのは一昨年から。背景には「i Phone」の普及があった。辻井氏は「電車の車内でも、携帯電話のボタンを押す人より、スマートフォンを指でタッチする人が明らかに増えている」と語る。 現在、同社はスマートフォン向けに、国内の宿泊予約をはじめ、これまで携帯電話向けには取り扱いのなかったJRセットプラン(JR+宿泊)の予約や海外旅行商品の申し込み、ユニークなところではレンタカーや高速バスの予約など、さまざまなサービスを提供。また専用アプリは、上記サービスにアクセスできる総合アプリ「日本旅行」と、JRセットプランの予約へダイレクトに飛ぶ「JR+宿泊予約」と「新幹線+ホテル 出張予約」の3つをラインナップ、他社に先駆けた展開を進めている。

「見せ方」重視、一画面で見やすくネット予約の1割超をスマホ経由に

 スマートフォン向けサイトを開発する上で、特に心がけたのは「見せ方」だ。スマートフォンでPC向けウェブサイトをチェックする際、字が小さく見えるため、親指と人差し指でピンチアウトして字を拡大させる必要がある。辻井氏は「はたしてこれでお客様はスマートフォンから申し込みを行うのか?見せ方をスマートフォン向けに最適化することで、予約

目次

スマートフォン戦略を強化する日本旅行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 ページ

インフィニ トラベル インフォメーション <INFINI> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ページ

基幹システム導入、成功の秘訣は? (名鉄観光サービスの導入事例) ・・・・・・ 6 ページ

アマデウス・ジャパン <Amadeus> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 ページ

が動くと考えた」と説明する。 画面は「一画面で見やすく」をコンセプトに、文字だけでなく「画像も加えることで楽しく見えるように心がけている」のが特徴。わざわざ画面をピンチアウト/インすることなく検索ができる。 同社のスマートフォン経由の予約は、現在ネット予約全体の10%未満。辻井氏は「10%超がスマートフォン経由の予約となるよう、引き続き画面の最適化など改修を図りたい」と意欲を見せる。

セットプランが好評、女性や学生の予約も高速バスはチケットレスで成長

 では、実際のスマートフォン経由の予約傾向はどうなのか。辻井氏は「ひきが良いのはセットプランのツアー商品。首都圏発を中心に1人利用も多い」と語る。予約が入るのは出発日から2週間前が多く、おおよそ「1〜2週間前」が中心だ。 また辻井氏が指摘するのは「女性の申し込みが多い」点。さらに学生の予約も増えている。これは「就職活動でスマートフォンを持つ学生が増えているため。この冬の12月と1月は、スマートフォン経由の卒業旅行の予約が一気に伸びた」と語る。 海外旅行商品の申し込みも多い。サイトではツアー内容を、画像を交えながら紹介しており、「近場だけでなく、ヨーロッパの高額商品の申し込みも入る」という。店頭のパンフレットも見ながらスマートフォンから申し込むケースもあるようだ。 一方、同社だけのユニークなサービスが高速バス予約。携帯電話時代からのサービスで、「募集型のツアーバスではなく、バス会社の高速バスが予約できる」のが画期的だった。スマートフォン向けには、新たにチケットレス対応がスタート、スマートフォンの画面を見せるだけで乗車できるようになり、これが大きな成長の要因となっている。

PCからスマホ利用へ早いマーケット成長

 スマートフォン経由の予約は着実に伸びている。「スマートフォンの新機種が発売される度にスマートフォン経由の予約が段々と伸びており、一方でこれまでの

携帯電話の予約が減少傾向にある」(辻井氏)という。 今後の展開について、辻井氏は「マーケットの成長は早い。旅行商品を買って頂くことに焦点を当て、画面の最適化やアプリの提供など進めていきたい」と語る。スマートフォンを使った予約は、わざわざPCを立ち上げることなく簡単にできるのが強み。今後は「通信速度の向上に伴い、PC経由の予約がスマートフォンに移ると見ている。PCで予約したお客様でもスマートフォンからの予約ができるよう心がけていきたい」と強調する。 また利用促進を目的としたキャンペーンや広告による告知、自社PCウェブサイトでの露出にも力を入れる。さらに辻井氏が注目するのはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への展開。

「スマートフォンとSNSは親和性が高い。SNSでの情報発信がスマホでの旅行予約への動機付けにならないか検討している」とのことで、実際に同社フェイスブックにリンクさせるなどの試みを行っている。

ITソリューション特集

スマートフォン戦略を強化する日本旅行JRセットプランや高速バスなど、幅広く展開

総合アプリ「日本旅行」のトップ画面(アンドロイド版)

「JR+宿泊予約」アプリのトップ画面JRセットプランの宿泊検索画面

高速バスもスマホで検索/予約

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(5)(第3種郵便物認可) 2012年(平成24年)2月27日第2079号

スマホから最新の旅程表をチェック!出張にも役立つ「Virtually There Mobile」

インフィニ トラベル インフォメーション 〈INFINI〉

日本でも急速に普及しているスマートフォン。最近では、外出先や出張先で自分の旅程をスマートフォンから確認するケースも増えている。そんな中、インフィニ トラベル インフォメーション(INFINI)は、スマートフォンに対応した旅程確認ツール「Virtually There Mobile」を開発。最新の予約記録(PNR)を、スマートフォンに最適化した画面でチェックできるのが大きな特徴で、目的地の都市/空港案内や天気、地図、通貨換算機能などのコンテンツも充実。また旅行会社名や連絡先が表示できるカスタマイズにも対応する。顧客向けの新たなサービスツールとして、特に業務渡航系の旅行会社など、是非この「Virtually There Mobile」に注目したい。

PCがなくても旅程を簡単に確認最新の予約記録を反映

 「Virtually There Mobile」は、INFINIが提供する旅程確認ツール「INFINI Virtually There」の文字通りモバイル版。スマートフォンがあれば、旅程表を印刷することなく、ペーパレスで旅程を持ち運ぶことができる。また、出張先で自分のフライトの日程をちょっとチェックしたいときでも、スマートフォンさえあれば、わざわざPCを立ち上げることなく、簡単に旅程を参照できる。

 スマートフォンの画面サイズに対応しているので、画面が見やすいというのも大きな特徴だ。もちろん日本語対応。さらに旅程だけでなく、Eチケットお客様控え(PIR)の参照も可能だ。 またホストコンピュータの情報をリアルタイムに反映するため、予約変更した際も、最新の旅程がチェックできる。突然のスケジュール変更で、変更後の旅程を確認したいときに役に立つ。

多彩なコンテンツもPNRからメール送信の簡単操作

 旅程確認だけでなく、多彩なコンテン

ツも「Virtually There Mobile」の特徴。都市/空港ガイドや地図、通貨換算、天気、フライトトラッカー(北米キャリア)

など、渡航に関わる内容が充実しており、空港のセキュリティチェックの待ち時間

(米国)の確認も可能だ。 一方、導入する旅行会社の立場としてうれしいのが操作のしやすさ。「Virtually There Mobile」を利用する旅行会社は、INFINIの予約端末「INFINI LINX」上のPNRにメールアドレスを入力してコマンド「EM」を発信するだけで、実際の利用者にメールが届く。利用者はメールの中にあるURLをクリックするだけで、旅程情報を参照できる。

無料でカスタマイズ自社ブランディングにも

 また「Virtually There Mobile」では、画面トップに旅行会社名を表示したり、旅行会社のコンタクト先を登録したりなどのアレンジを無料で受け付けている(要申し込み)。こうしたアレンジを施すこと

で、旅行会社は自社オリジナルのサービスとして打ち出すことができ、他社との差別化にもつながる。「常に最新の機能を提供している」というブランディングの一環として、「Virtually There Mobile」を導入する価値は高いと言えるだろう。

業務渡航系の旅行会社に最適

 INFINIでは、この「Virtually There Mobile」を、インハウスなど業務渡航を主に取り扱う旅行会社向けに強くアピールしていく意向。出張者の旅行手配を数多く手がけるこうした旅行会社にとって、同プロダクトは、出張先でも簡単にスマートフォンを使って最新の旅程確認ができる点で、導入メリットは非常に大きいはず。ビジネス渡航の顧客へのサービス価値を高める上でも、「Virtually There Mobile」は大きな役割を果たしてくれる。

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「Virtually There Mobile」画面

スマートフォンからフライト情報を確認

目的地の天気もチェック

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(6) (第3種郵便物認可) 2012年(平成24年)2月27日 第2079号

基幹システム導入、成功の秘訣は?導入目的を明確に、ベンダーとの緊密なコミュニケーションも重要

 名鉄観光サービスは、1985年に「MACS」システムを導入(①)。当時は予約系と財務(経理)系のシステムは別運用だった。

その後2000年に「PRIMO」システムへ移行(②)。基幹システムのパッケージをベースとしたもので、導入を機に予約系と財務系のシステムを統合。専用端末と専用回線(フレームリレー)による運用だった。 2008年に導入した「Mたび」はオープン系のシステムで、大塚商会の旅行系基幹システム「Dream Journey」をベースにカスタマイズ。財務管理から宿泊管理、予約手配やWeb販売(BtoB、BtoC)、決済機能まで、幅広い業務をすべて一元化し、汎用端末、VPN利用と、その規模とスピードも大きくレベルアップした。

ITソリューション特集

 オフィスのIT環境が大きく変化する中、最新のITテクノロジーを駆使した基幹システムの導入は、業務効率の改善とそれに伴うコスト削減につながる有効な手段となる。またWeb販売に加え、急速に普及するスマートフォンをはじめとするモバイルツールへの展開も可能となることで、新たなビジネスへの突破口も拡げてくれる。 全国100拠点、約1400名の従業員を抱える名鉄観光サービスは、2008年4月に新たな基幹システム「Mたび」を導入。Web販売から財務管理まで、幅広い業務をひとつのシステムに統合、大きな成果を上げている。大きな組織の中で、大規模なシステムをいかに取り入れていくのか、その成功のカギを同社IT推進部の長谷川靖人氏が語った。【取材協力:大塚商会、名鉄観光サービス】

2008年に新基幹システム「Mたび」を導入

 名鉄観光サービスが新基幹システムに採用したのが大塚商会の「Dream Journey」。自由度の高いカスタマイズに加え、旅行業専任の担当者によるサポートが充実しているのが大きな特徴だ。 2012年1月には「Dream Journey.NET」をリリース。より拡張性と柔軟性を高めた

「.NETフレームワーク」に対応することで、導入コストを抑えたカスタマイズが可能となった。急速に普及するスマートフォンと連携するオプションを用意するなど、Web販売の面でのサポートも万全だ。 また新たに開発した「投稿王」は、旅行予約ポータルサイトへの入稿をシステム化。サイトごとに異なる仕様に対応し、仕様変更にも無償でサポートする。手間のかかる入稿作業をスピーディーに、入稿作業の負担軽減に役立つうれしいシステムだ。

 今年で新基幹システム導入5年目を迎えた同社。昨年4月からはグループ会社で旅行業を行う名古屋鉄道と名鉄観光バスとシステムを共通化した。これは前述の通り、名鉄グループのITガバナンス方針に基づくもの。今後は「旅行業を行う他のグループ会社にも拡大していく」とのことだ。 また当初目的としていたWeb販売も

システム移行で伸びを見せる。長谷川氏は「現在、申し込みベースで取扱旅行商品全体の7〜8%、将来的には10%までに拡大させたい」と意欲を見せる。 時代の変化に合わせ、今でもシステムは進化し続けている。長谷川氏は「現在のシステムはまだ進化中。もっと後でも

『このシステムを導入して良かった』と評価できるよう進化できれば」と強調する。

 2008年4月より本格運用を開始した新基幹システム「Mたび」。システム移行は2008年1月より段階的にスタート、「既存システムと並行する期間を設け、突然移行することによる混乱を避け、徐々に新システムに慣れてもらえるよう配慮した」

(長谷川氏)という。 システム移行を進めるべく、長谷川氏はシステム担当をはじめ、商品企画造成や経理部門、各支店などから10〜15名程度のスタッフを選抜、少人数編成でシステム移行の陣頭指揮にあたった。心がけたのは「少人数による早い意志決定」。導入までの時期が限られていたことから早い意志決定が求められた。

 またスタッフの人選にあたり、考慮に入れたのが「以前、システム導入を担当したメンバーを採用しなかった」点。長谷川氏は「仕組みが変わっても同じようなことをするので、新システム導入の目的である業務改革の意味がない」と指摘する。 全国100ヵ所、約1400人のスタッフが使うシステムを、短期間で円滑に移行させるために、IT推進部では全国7ヵ所で集中研修を実施。また各部署内に『先生役』のスタッフを置くことで、スムーズな導入を図った。トラブルもできるだけ自分たちで解決できる態勢を整えた。

 2007年に社内決定した新システムの導入。では、どのシステムを採用するのか?長谷川氏は選択する上で、上記5点に注目した。 特に①は、既存システムの契約期限が迫っており、「実質1年以内に1400人が使うシステムを導入、運用を開始するために、従業員へのトレーニングや環境設備

をいかに短期間で行うかが選択の条件となった」(長谷川氏)という。 また②も重要。システムの一元化と業務の見直し/業務改革ができるシステムづくりのためにどのようなアレンジが可能か、システムを選択する上での大きなポイントとなった。

財務、決済システムもカスタマイズで一元化 検討の結果、新基幹システムに採用したのが大塚商会の「Dream Journey」。自由度の高いカスタマイズ対応が採用の大きな決め手となった。実際に同社では、通常「Dream Journey」では外部連携させる財務システムや決済システムをシステム内に組み入れることで、一元処理可能な態勢を整えている。

 新システム移行の目的として、長谷川氏が定めたのは以上3点。①は「予約手配から財務、在庫管理、出入金、売上収入管理、Web販売、各種集計など、ひとつの仕組みで全部できるようにする」(長谷川氏)のが大きなポイントだ。 また②は、「例えば、これまで手書きで行っていた請求書や領収書の処理をシステム化することで、データベースでの管理が可能となり、不正もなくなる。またお客様の予約記録の電子化で、パソコン

上で内容を簡単に確認できるようになる」(長谷川氏)など、新システム導入により、さまざまな面での業務の見直しを狙ったもの。 加えてシステム移行の大きな目的となったのが、③のWeb販売の強化。Web販売を拡大する上で、基盤となるシステムの拡充は不可欠だ。 他にもシステム移行には、名鉄グループのITガバナンスに関する方針も大きく左右した。これは「グループ内で業種別にシステムを共通化することで、業務効率のアップを図る」というもの。名鉄グループには同社をはじめ、名古屋鉄道や名鉄観光バスなど、旅行業を行う企業が複数存在するため、新たな指針の下、システムの共通化が求められていた。

①「MACS」システム(1985年〜2000年)

➡②「PRIMO」システム(2000年〜2008年)

➡③「Mたび」システム

(2008年〜)

マーケット変化に対応した新システム移行の目的

①システムの一元化②業務改革

③Web販売の強化

短期間での導入が条件に、カスタマイズにも注目

①短期間での導入(約8ヶ月)②カスタマイズ対応力

③パッケージソフトの基本機能④技術力と信頼性

⑤導入費用及び運用費用

混乱避け段階的に新システムへ少人数で早い意志決定、各部署に「先生役」

システム移行成功のポイント

新基幹システムでWeb販売が拡大シェア10%が目標、まだまだ進化するシステム

自由度の高いカスタマイズ、スマートフォン対応も万全 — 大塚商会の「Dream Journey」

【名鉄観光サービスの導入事例】

 システム移行成功のポイントとして、長谷川氏は「ある程度の割り切り必要」と語る。同氏は「システムを実行できるものにするためには、すべてのリクエストに対応するのは難しい」と説明する。 しかしながら「システム導入の目的を見失わないこと」も大切。「ひとつのシステム、業務改革、Web販売の強化、そしてコストダウン、基本線を変えてはならない」ことが重要だ。

ある程度の割り切り、導入目的を見失わない

 システムが変わることで必ず発生するのがトラブル。長谷川氏は「大なり小なり問題が発生する。とにかく早く、クリアに、迅速に対応できる態勢づくりが必要だ」と強調する。「持ち越しは増やさない。短い期間で導入するためには諦めず、またシステム提供側も逃げないことが肝心」とのことだ。

迅速に対応できる態勢を整える

 システムを提供するベンダーとの緊密なコミュニケーションも、システム移行を成功させる上での大きな要素となる。長谷川氏は「社内のコミュニケーションと共に大事。旅行業界特有の用語や常識を理解してもらう必要性がある。理解してもらうことで、無駄な投資や時間が減る」と説明する。

ベンダーとの緊密なコミュニケーション

 一方、システム移行にあたり、長谷川氏が注意するのは「現状維持のバイアス」。これは、新システムにまだ馴染めずに「旧システムの方が良かった」と感じてしまうこと。旧システムへの慣れで生じるもので、「以前旧システムに不満があっても、システムが新しくなると、旧システムの方が良かった、となる。どんなシステムを導入しても必ず起きるもの」のようだ。 新システム導入後の状況について長谷川氏は「3〜6ヶ月は比較的大きなトラブルが発生したが、1〜2年目から安定的に稼動するようになった」と説明、システム移行は無事に成功した。

必ずある「現状維持」のバイアス

基幹システムの変遷

基幹システム移行の目的

新システム採用にあたっての選択ポイント

「Dream Journey」商品登録画面例「Dream Journey」運用全体イメージ

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(7)(第3種郵便物認可) 2012年(平成24年)2月27日第2079号

モバイル利用にも便利なツール先進技術を駆使したプロダクトを提供するアマデウス

アマデウス・ジャパン 〈Amadeus〉

 スマートフォンから最新の旅程をチェックできる「Amadeus CheckMyTrip Mobile Companion」。アマデウスの予約番号と名前(名字)を入力するだけで旅程の詳細がリアルタイムで表示される便利なツールだ。特に出張時に急な旅程の変更があった際にも、わざわざPCを立ち上げたり、プリンターで印刷したりすることなく、スマートフォンさえあれば最新の旅程を参照できるのは大きなメリット。旅程だけでなく、目的地の天気や地図、空港マップなどの情報も確認できる。なお、アプリは「http://www.ideas.amadeus.com」のプラットフォーム別アプリからダウンロードが可能だ。

ITソリューション特集

Amadeus Hot News!

旅行業界や航空業界において、常に先進技術を駆使したプロダクトを提供するアマデウス。もちろん急速に利用が拡大するスマートフォンをはじめとするモバイル端末への対応も万全だ。ここではスマートフォンから最新の旅程がチェックできる

「Amadeus CheckMyTrip Mobile Companion」と、EメールまたはSMS(ショートメールサービス)を使って出張者とのやり取りができる危機管理ツール「Amadeus OneClick」の2つを紹介したい。いずれもスマートフォン利用の際に役立つツールとして、特に海外出張の場面など、その便利さを実感できるだろう。

 出張者が今どこにいるのか、分かりやすい世界地図画面でリアルタイムに把握、管理できる「Amadeus OneClick」は、便利な危機管理ツールとして注目のアプリケーション。世界でいつ起こるか分からない災害や緊急事態にも迅速に対応、出張者の所在地把握と安否確認がオンライン上で簡単にチェックできる。

 東京、大阪、名古屋、福岡に続くアマデウス日本5番目の拠点として、仙台支店が3月2日(金)にオープンする。オープン記念として、3〜5月に利用促進キャンペーンを全国で展開、期間中さまざまな特典を提供する。アマデウス・ジャパンでは、仙台支店の開設により、東北エリアでのさらなる利用拡大を目指す。

【アマデウス・ジャパン仙台支店】宮城県仙台市青葉区本町1-1-1 アジュール仙台9階TEL:022-217-9110 FAX:022-217-9112

仙台支店がオープンオープン記念キャンペーンを展開

EメールとSMSで連絡可能所在地把握と緊急時の安否確認に「Amadeus OneClick」

スマートフォンから最新の旅程を確認Amadeus CheckMyTrip Mobile Companion

 また「Amadeus OneClick」では、オンライン上からEメールやSMSを使って出張者へ直接連絡が可能。出張者とスマートフォンを介してやり取りする効率的なコミュニケーションツールとしても活用できる。

 キャセイパシフィック航空/香港ドラゴン航空が自社の予約システムを「Amadeus Altéa」に移行したのに合わせ、アマデウス・ジャパンでは同航空の予約・発券セミナーを3月末に全国で開催する。 「Amadeus Altéa」は、アマデウスが航空会社向けに提供するITソリューション。同航空をアマデウスで予約した場合、予約記録(PNR)が航空会社と旅行会社で同一となるため、予約の正確度が増すなど、高いメリットが期待できる。

キャセイパシフィック航空が予約システムをアマデウスに移行予約・発券セミナーを全国で開催

スマホから空港マップもチェック可能

メッセージのやり取りがリアルタイムで可能に

旅程表示画面


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