加熱時間:長設備:大
加熱時間:短設備:小
成形通電加熱
ショットブラスト
成形
電流
通電加熱ホットスタンピングにおける酸化スケール除去
炉加熱
酸化スケール:厚
酸化スケール:薄
スポット溶接
電着塗装
ショットブラストの問題
・粗い表面,成形品変形・薄膜,内角部の除去困難・1個ずつの除去・材料損失
極限成形システム研究室 宮地 隆弘
研究目的:通電加熱における薄い酸化スケールの除去方法の開発
一定以上の酸化スケール厚さが必要
通電時間の増加
生産性の低下
非めっき鋼板のホットスタンピング
42
1.通電加熱ホットスタンピングにおける超音波洗浄による酸化スケール除去方法
2.酸化スケール除去結果
3.Aピラー用補強部材への応用
通電加熱ホットスタンピングにおける酸化スケール除去
非めっきホットスタンピング用鋼板(22MnB5)
通電加熱ホットスタンピング条件
35
180
板厚:1.6 mm
(a) 加熱
910 ºCに加熱電流
銅電極
ブランク
(b) 成形
ダイス
パンチ
96º
60
40
下死点保持 : 20 s
搬送 : 5 s温度 : 約800 ℃
通電時間 t [s]
ブランク温度
[ºC
] 910
600
0 3 9 151
1段目
2段目
t = 3 s t = 9 s t = 15 s
リン酸および塩酸を用いた超音波洗浄条件
pH1 pH2 pH3
塩酸(原液35%) 0.35% 0.035% 0.0035%
リン酸(原液85%) 8.5% 0.85% 0.085%
溶液のpHと濃度
超音波洗浄機ヒーター
溶液 成形品
超音波洗浄方法
超音波洗浄条件
リン酸溶液
溶液温度 T
超音波洗浄時間
周波数
25 ~ 60 ºC
0 ~ 20 min
38 kHz
塩酸
25 ~ 40 ºC
4𝐻3𝑃𝑂4 + 2𝐹𝑒2𝑂3 → 2𝐹𝑒3 𝑃𝑂4 2 + 6𝐻2𝑂リン酸と酸化スケールの反応
1.通電加熱ホットスタンピングにおける超音波洗浄による酸化スケール除去方法
2.酸化スケール除去結果
3.Aピラー用補強部材への応用
通電加熱ホットスタンピングにおけるリン酸による酸化スケール除去
t = 3 s 炉加熱 240 st = 9 s t = 15 s
240
10
20
30
40
03 9 15
酸化スケール厚さ
[μm
]
通電時間t [s] 炉加熱 [s]
10 μm母材
酸化スケール
超音波洗浄による酸化スケール除去時間と加熱時間の関係
酸化スケール除去時間
[min
]
5
10
15
20
0
pH2
pH1
pH2:不充分
塩酸
リン酸
酸化スケール除去時間とpHおよび溶液温度Tの関係
酸化スケール除去時間
[min
]
溶液温度 T [ºC]
5
10
15
20
0 25 40 60
pH2
pH1
酸化スケール除去時間
[min
]
5
10
15
20
0 1 2 3pH
塩酸
リン酸不充分
溶液 : リン酸溶液 : リン酸,塩酸溶液温度 : 40℃
洗浄前 洗浄後
塩酸
・揮発性
・沸点 48 ℃
高温での使用は危険
成形品の表面性状および形状
t = 3 s リン酸 pH1
(2.5 μm Rz)
Δθ
0
0.3
0.6
0.9
1.2
1.5
0
0.5
1.0
1.5
2.0
t = 3 s,
リン酸pH1
t = 3 s,
塩酸pH1炉加熱,ショット
ブラスト240s
素板からの板厚減少率
[%]
除去による開き角Δθ
[°]
2.51.8
除去前 除去後
板厚測定箇所
炉加熱,240 s
ショットブラスト(27.0 μm Rz)
リン酸 pH1(11.3 μm Rz)
5 mm
スポット溶接および引張せん断試験
スポット溶接条件
スポット溶接方法
Ø6
銅電極
銅電極
Ø16
ナゲット
ホットスタンピング用鋼板
引張せん断試験方法
せん断強度
[kN
]
0
5
10
15
20
25
30
JIS基準炉加熱
24
0 s
ショットブラスト
t=
3 s
酸化スケールあり
t=
3 s
リン酸
pH
1
溶接部
板厚 : 1.6 mm
初期加圧時間
電流 8.2 kA
90 cyc
15 cyc
5 cyc
通電時間
圧力
保持時間
30 MPa
1.通電加熱ホットスタンピングにおける超音波洗浄による酸化スケール除去方法
2.酸化スケール除去結果
3.Aピラー用補強部材への応用
通電加熱ホットスタンピングにおけるリン酸による酸化スケール除去
加熱温度 910 ℃
加熱時間 t = 5 s
加熱終了から成形直前まで
10 s
下死点保持時間 5 s
非めっきホットスタンピング用鋼板
180
150
板厚:1.0mm
140
100
ブランキング 成形通電加熱
910℃
非加熱部
Aピラー用補強部材における連続通電加熱ホットスタンピング条件
連続通電加熱ホットスタンピング
ブランキング 成形通電加熱
連続通電加熱ホットスタンピング
ブランキング 成形通電加熱
酸化スケール除去時間と成形回数の関係
(a)通電加熱成形品 (b) ショットブラスト(4分) (c) リン酸pH1(40℃)超音波洗浄(4分)
10 μm 10 μm10 μm
酸化スケール除去時間
[min
]
溶液 : リン酸(pH1)
溶液温度 : 40℃
0
5
2 4 6 8 10
連続成形回数
1
3溶液交換なし
溶液交換あり
2 4 6 8 100
100
200
300
400
500
600
焼入れ硬さ
[HV
1]
①②③
④
⑤⑥⑦⑧⑨
⑩
測定箇所
通電加熱成形品のクロスカット試験結果
底部
(c)リン酸pH1
超音波5分
角部
測定箇所
(b)ショットブラスト4分
(a)酸化スケール除去なし
塗料付着あり:NG
カッターテープ
10 ×10 マス
塗料付着なし:OK
テープで剥がす切り込み
ショットブラストでは薄いスケールの除去不可
1) 通電加熱ホットスタンピングにおいてリン酸を用いて超音波洗浄することによって,ショットブラストおよび塩酸より短い時間で酸化スケールを除去することができた.
2) 溶液の温度を上げることによって,酸化スケール除去時間を短縮できた.
3) リン酸を用いて超音波洗浄した成形品の溶接性と塗装性は良好であった.
4) ショットブラストでは落ちない薄い酸化スケールをリン酸を用いた超音波洗浄によって除去することができた.
通電加熱ホットスタンピングにおける酸化スケール除去
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