対象:外国人(旅行者),聴覚障害者,構音障害者, 怪我や病気で声が出せない人 (音声でコミュニケーションできない)
目標:言語や障がいによる壁を越えて,自由にコミュニケーションがとれること
手段:文字の代わりに絵を使用し,電子携帯端末で表示させる総務省 戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)2008年度採択課題
ユニバーサルコミュニケーション支援技術VUTE:Visualized Universal Talking Environment
VUTEの特徴‣文字の代わりに絵記号を表示し,回答を選択する‣理解しやすい絵記号のデザイン
-マンガ的表現・手話的表現の利用‣最終的に電子携帯端末上で動作
-絵記号をアニメーション化 ーー 理解度の向上- 画面遷移によって,多くの候補からの選択が容易
‣現在はWebアプリケーション;誰でもパソコンで体験できる!
✦ 文章を組み立て,文字(eメール)や音声で出力
なぜ文字でなく絵記号なのか?‣聴覚障害者にとっての日本語文字‣先天的に聞こえない人:母語は日本手話‣日本語音声を聞いたことがないのに,ひらがなを覚えないといけない→日本語の読み書きを得意としない人がいる 「聴覚障害者にとっての文字情報提示の有用性」 ヒューマンインタフェース学会誌 2008, 中園, 金
‣(当然ながら)外国人も日本語の読み書きは困難‣いくら多言語化しても読めない人は残される‣外国人の通報が少ない???
VUTE 2009
•火事,急病,怪我,交通事故などの緊急時
• 119番に電話する代わりに通報してくれる
•絵記号を指先のタッチなどで選択していく• GPSなどで現在地データを取得•メール送信または音声化
VUTE 2009 の操作の流れ
• 事前にユーザ登録• 最初に現在地を入力(GPSの代わり)• システムからの質問に順次答えて行く
✴すべての質問は選択疑問文形式に統一
• 回答に答えたら,消防に伝えたい文章が完成→出力
VUTE 2009の会話
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45
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•福岡県春日・大野城・那珂川消防本部の協力•119番の対話手順を調査→フローチャート化•Q&Aの繰り返しを絵記号で表現
評 価 実 験•被験者:•聴覚障害者 27名,健聴の日本人 27名,健聴の外国人 9名
•6種類の状況を設定,状況を文字のないマンガで説明する
•絵記号によるVUTE と,日本語文章表示のシステム,英語表示のシステムの3種類を実際に操作してもらう
•操作内容の正確さや,所要時間を計測
主 な 結 果
1)絵記号による回答は全員ほぼ正確に操作できた
2)所要時間は3グループとも
0.1
1
10
1 2 3 4 5
Rate of requiredtimes (P/E)
E. ability
「自分の母国語」<「絵記号」<「外国語」
今 後 の 課 題‣端末で動作するアプリの開発‣実際に導入する際の問題点の抽出‣どうやって連絡するか?Eメール?‣「了解した」という返事を返す方法‣実証実験:小規模な自治体等で実施?‣基礎的研究:‣わかりやすい絵記号の表現方法(手話の表現方法から学ぶ)
VUTE 2010
•駅などの公共交通機関でのコミュニケーションを支援する
•絵記号を指先のタッチなどで選択していく• GPS,電子タグなどで駅内の現在地データを取得•文字表示または音声化 •(参考用に)多言語ヘルプ機能
VUTE 2010の特徴•鉄道駅での会話を網羅
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選択肢が非常に多い
フローの深さを浅く(3段階)
(1)
(2)
(3)
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